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全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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Author:emunamae
いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2018年7月23日~29日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたりしたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。
 さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌のほとんどはリアルな出来事ですが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はどうぞご理解ください。


0723・月・大暑・

 今朝からNHKラジオでは夏休み子ども電話相談室が始まった。世の中は夏休みである。そして列島は猛暑である。そこで気になるのが水遊びによる事故。油断すると海や川はすぐに牙をむく。ボクも若い頃は何度か命の危険を感じたことがある。九十九里の海で引き潮に持っていかれそうになり、浜に向かって必死に泳いだこともある。引き潮の強さに恐怖を感じた最初の体験である。裏磐梯は小野川湖でシュノーケルによる潜水遊びをしているとき、ボートの下に潜り込んだら水圧でゴートの下に吸い寄せられて焦ったり、底の水のあまりの冷たさに全身が緊張したり、自分の肺活量を過信してシュノーケルで死にそうになったこともあった。毎年この季節、ニュースで水の事故を聞く度に他人事とは思えないのである。

 暦では大暑。世の中も大暑。落語家に大切なのはよいしょ。先人の知恵に敬礼。ということで山の中の透析室も熱かった。透析の終わった患者さんから次々に退出して、エアコンの効き目が復活しても、それでも暑かった。スタジオに戻ってラジオをつけたら東京の練馬駅前で温度計を見ながら、
「42度を超えてます」
とレポーターが金切り声を発している。通行人にマイクを向けて感想を求めれば、「暑いです」
と、それ以外の答えが返ってくるはずもない。練馬駅あたりは特別猛暑地帯であるらしい。
 埼玉熊谷で41度を記録。これまでの最高気温である。その昔、地球の軌道が狂い、太陽に接近して気温が上昇して人々がクルマで寒い地方に避難する途中、ギラギラと燃える太陽を見上げる、というようなシーンをテレビドラマ、トワイライトゾーン「世にも不思議な物語」で見たことがあるのだが、温暖化途上にあるこの地球も、とうとうトワイライトゾーンの世界に突入しつつあるらしい。

 帰り道、カッちゃんの店でランチをする。今日も千客万来。親子連れがあれこれ注文してるのが聞えます。鴨汁蕎麦が人気です。ボクとコボちゃんの注文は大好物の天ざるとなりました。大きな海老天と様々な野菜天たち。カッちゃんの栽培によるものもあり、新鮮で美味。ことにズッキーニとマイタケは最高。野菜天だけ別注文で食べたいくらい。そして冷たい水でしゃきっと上がった手打ち蕎麦。これは旨いです。そしていつもカッちゃんは一夜漬けのキャベツを山ほど供してくれるのです。仕上げは蕎麦湯。満腹になったタイミングでカッちゃんの書き入れ時も終了。あとはおしゃべり。ボクのラジオを聴いていただいたそうで、それで茶飲み話に花が咲きました。

▲ 蜩や今日の暑さもこれまでか


0724・火・地蔵盆・

 1927年、昭和2年の今日、芥川龍之介が東京田端の自宅で睡眠薬自殺で自らの命を絶った。35歳だった。これを聞くとボクのような凡人は勿体ないと思う。ボクは34歳で失明を宣告された画家である。画家としてその時点で命を絶たれている。芥川は狂気により35歳で作家としての路を絶たれた。ボクは失明により34歳で画家の道を絶たれた。でも、ボクはしつこいのだ。お前は画家としてアウトだよ、といわれても、そんなことないもん。なんとかするもん。とジタバタしているうちにこんな人生になってしまった。目が見えなくてもボクはボク。誰があきらめてもボクはあきらめない。もがいているうちに見えない文字で文章を綴り、見えない絵でイラストレーターに復活すれば、お声はかかるし道は広がる。泥をかけられて捨てられても、それでも拾う人が現れて、そして人生はますます面白くなる。もしも失明で命を絶っていれば、こんな展開はあり得なかった。孔雀のように絢爛豪華な羽を広げ、人々を魅了してから身を翻して舞台から消えるような天災人生はボクには許されない。ただひたすらドロガメの路を歩むだけなのだ。それでも生きていることは面白いもん。

 コボちゃんが大掃除を始めてしまった。高原の乾いた空気に背中を押され、スタジオクラスター北軽井沢支部をピッカピカに磨いている。いつ終わるかもわからない。猫のミミコを抱いて昼寝をしてても、パチパチとパソコンを叩いていてもまだ終わらない。結局、スタジオのドアに鍵をかけて、東京へスタートしたのはヒグラシも寝静まった頃となり、東京でボクらがゆっくりできるのは明日のことになるのだろう。

▲ 木陰にて猫と昼寝のハンモック


0725・水・

 2000年、平成12年の今日、エールフランスの超音速旅客機コンコルドが墜落した。離陸直後に火災を起こしたもので乗客乗員、地上にいた人など、合わせて113人が死亡した。この事故が切っ掛けとなり、3年後にコンコルドの運行は打ちきりとなってしまう。残念なことである。といっても、別に乗りたかったわけでもない。この超音速旅客機で旅した経験のある人から聞いたところ、座席は狭いし、窓は小さいし、ただ速いというだけで、旅の魅力には欠けるらしいのだ。ただ、とにかくカッこいい。飛んでいる姿が実にカッこいい。ロンドンのヒースロー空港に向かっている二階建てバスの二階から見上げた空に、着陸途上にあったコンコルドを発見したことがある。細長い先端を、まるで巨大な怪鳥のクチバシのように下方に下げ、地上の餌を狙うように空中に静止している。正に生きたマシーンである。金属の生き物である。人類が神との約束を破って誕生させた工学的な鳥なのである。その姿が二度とこの空に現れることがないのだと思うと、たとえボクに観られないとはいえ、本当に残念なのである。もっと大切に飛ばせてもらいたかったな。

 TBSラジオ「スタンバイ」の日本全国8時ですのコーナーで、お天気おじさんの森田正道(もりたまさみち)君が、今年の暑さについて、少し真面目にしゃべってる。
人間は100メートルを10秒で走れるか、という100メートル10秒の壁に挑戦し続けた時代があって、なかなか破ることが叶わなかった。ところが誰かひとり、10秒の壁を破った途端、次から次へと破られるようになる。と話を展開する。ボクも以前、ニューエイジサイエンス関連の書物で読んだことがあるのだが、その昔、グリセリン結晶化の壁を突破できず、長く科学者たちの苦労の時代があったという。ところがとある科学者が実験室に結晶化を期待されたグリセリンの容器を並べておいたところ、未知の偶然で、その中のひとつの容器内部で奇跡が発生し、グリセリンの結晶化が始まった。するとたちまち、連鎖的にすべての容器で結晶化が始まった、というのである。試しにそのひとつの容器を別の実験室に移動させると、その実験室でも、それまで結晶化を拒んでいたグリセリンたちが一斉に結晶化を始めたというのである。まるで物質同士がお互いの振る舞いから学習するごとくに、である。やがてこの現象を形態形成場理論という理屈で説明しようとするグループが登場する。百一匹目の猿も同じ理屈。とある猿集団に食べ物を洗って食べる百一匹目の猿が登場すると、世界のあちらこちらで同時多発的に食べ物を洗って食べる猿たちが現れる、というのである。まさかお天気に同じ理屈が通用するとも思えないが、お天道様にも学習能力があるのかもしれない。
 森田君は、これまでは国内の最高気温の壁は40度だったのが、一度超えたら、あっという間に41度。東京都内の39度の壁も、今後は軽々と越えられてしまうだろうと予言している。これら話題は北の丸での計測データによるもので、ここは大手町よりは涼しいはず。もしも今年も大手町での計測だったら、いったい何度になったのだろうと森田君は首をかしげる。雨の特別警報があるのなら・暑さの特別警報があってもいいんじゃないのかと、これが森田君の提案である。最近の暑さは災害であり、実際に熱中症で亡くなる人は年間千人に達するという。大雨よりも警戒を要する事態であるかもしれないのだ。この東京の暑さはオリンピックと関連付けられ海外で話題となっている。もしかして今度のオリンピック、遠慮した方がよろしいのではないかしらね。冗談でなく。

▲ 夕涼みベランダ煙草流れくる


0726・木・

 ネット環境に戻って張り切っている。朝の5時前から起き出して、昨夜から冷房漬けの身体に、夏の冷気を吹きこんでやろうと窓を開けたら蝉時雨。遊歩道の頭の上から落ちてくる。北軽井沢でヒグラシたちとほっこらしてたら東京はすっかりアブラゼミやミンミンゼミに征服されていたのだ。

 一仕事してラジオで気分転換。「おはよう一直線」で生島ひろしが7月からのラッキー占いを始めた途端、ちょっと余計なことを考えていた隙に9月を聞き逃した。これ、よくやります。古希を目前にしたエム ナマエ。コンセントレーション能力が著しく低下しているのです。

 朝9時のニュースのタイミングでオウム事件の残りの死刑囚6人が死刑に処せられたという事実が伝えられた。これで13人である。短期間に13人の死刑執行は国家によるジェノサイド、大量殺りくではないかとの国際的な批判も報じられた。印象として国家権力による見せしめの感じがする死刑執行であるが、そんなに急ぐ必要がどこにあったのだろう。まるで麻原彰晃の霊力を恐れるみたいで気持ちが悪い。
 一部の新聞によると、アベちゃんのいうなりで、死刑執行に気軽にハンコを押す上川ちゃんが法務大臣である間にやっちゃえ、やっちゃえ、ということらしい。上川ちゃんみたいにやたら死刑執行にハンコを押したがる法務大臣も、そうはおられないらしいのだ。
 真面目な話をすれば、ボクはこの死刑執行に反対である。麻原彰晃以外、今回の死刑囚は全員オウムの被害者であるともいえるのだ。国家はこの死刑執行により歴史の証言者をこの世から抹殺してしまったのである。曲解すれば、国家権力はオウム事件の国家的不始末に早く蓋をしたかったのだと思う。そして、そういう悪巧みに安倍内閣は適役なのである。ボクは見たことがないのでまこと無責任な発言になってしまうが、麻原彰晃と安倍晋三をふたり並べて、どっちが本当の悪人に見えるかとアンケートをとれば、そりゃ安倍晋三に軍配が上がること間違いなし。将来、安倍晋三が企てる海外での紛争で、失われるだろう自衛隊員の命の数を考えれば、当然の結果かもしれない。

 同じマンション、ベルギー人のニコラにブルドッグの赤ちゃんがやってきた。3か月の赤ちゃんブルドッグである。散歩中のコボちゃんとアルルに見せたくて抱えて連れてきた。まだ赤ちゃんだから、あっという間の会見である。とはいえ本物のブルドッグ。フレンチブルドッグでもハレンチブルドッグでもない、正真正銘のブルドッグ。抱いて連れてきたのだけれど、お兄ちゃんのフレブル、11キロのレオポルド君と、あんまり変わらない体重8キロの赤ちゃんブルドッグ。さて、大きくなったらどれだけになることだろう。このブルドッグは女の子で、名前をシャーロットちゃんという。ちなみに、ベルギーの王様がレオポルド、王妃がシャーロット。ベルギー人のニコラがそういうのだから本当なんだと思います。

▲ エアコンの窓を開けば蝉時雨


0727・金・

 1976年、昭和51年の今日、総理大臣だった田中角栄がロッキード事件で逮捕された。飛行機会社から大量にピーナッツを注文したから、というのが理由だが、嘘です、本当の理由はアメリカに歯向かったから。ハム買ったから、ではない。ピーナッツを買ったから、でもない。アメリカはいつだってナンバーワン。アメリカファーストはトランプの専売特許ではないのです。長く総理大臣の椅子に座っていたいなら、とにかくアメリカの言いなりでなくてはダメ。黙ってポチしてなさい。安倍晋三を見ればわかるでしょ。

 今日は金曜日。カルチャーラジオのテーマは科学。そこで「宇宙エレベーターが切り開く人類の未来」の第8回に傾聴する。スタンリーキューブリックの「2001年宇宙の旅」で活躍していたイオンエンジンのような優れた推進機関がまだ実現せず、悲しいことに宇宙へのアクセスが酸素と水素の化合による爆発エネルギーでしか可能でない現在、この宇宙エレベーターが実現すればどれだけ可能性が開かれるだろう。宇宙までロケットでぶっ飛んでいたのが、新幹線に乗るような気軽さで出かけていけるのだ。洋上の赤道基地から地球の静止衛星軌道上の宇宙ステーションへ、寝台車で旅するようなゆったりとした気分で誰でも旅ができるのだ。宇宙ステーションまで物資を運んで、そこで惑星間宇宙船を組み立てても面白い。エレベーターひとつで夢が広がるじゃありませんか。

 今頃コボちゃんは豪徳寺の行列のできる獣医さん、やさしい並木先生にアルルを診てもらっている頃。そしてボクはいつもの透析。今夜は音声映画、三谷幸喜監督作品「ザ・マジックアワー」をエンジョイしてる。これで何度目になるだろう。三谷幸喜の脚本がいいのだ。セットの街並みがいいのだ。映画にまつわる人々の情熱がいいのだ。この映画、市川昆監督最後の出演映画でもある。もちろん役者もいい。売れない役者に佐藤浩市。そのマネージャーに小日向文世(こひなたふみよ)。インチキ監督に妻夫木聡。ジャングのボスに西田敏行。ボスの愛人のダンサーに深津絵里。ボクはこの映画で、これまで大嫌いだった西田敏行を見直し、三谷幸喜作品に限っては彼を高く評価するようになってしまった。また、この映画で小日向文世(こひなたふみよ)という俳優さんの魅力に気づき、すっかりファンになってしまった。往年のミュージックスター、柳沢真一の渋い演技もいい。この映画、古い映画好きのハートのくすぐりどころ、満載で、観れば観るほど蟻地獄なのです。

 涼しい。だから窓を開けて横になってる。無論、エアコンは消してある。涼しいのだ。台風が接近しているというのに雨もなければ風もない。おまけに空気もカラリとしている。なんだ、この台風。いつものように西の方から時計回りでなく、東から逆回転でやってくる。どんなことになるのか、予想するのに過去の経験が役に立たないという。そんなわけで、この困った君の台風12号の迫りくる気配を感じながら、夜明けを迎えようとしているのだ。

▲ 一つ目が暑さ蹴飛ばしやってくる


0728・土・満月・皆既月食・

 1914年、大正3年の今日、第一次世界大戦が勃発した。皇太子を暗殺されたオーストリアがセルビアに宣戦布告、世界中の関係国が両陣営に別れ、歴史上初めての世界規模の戦争へと発展した。この戦争の反省でできたのがジュネーブの国際連盟。もう戦争はやめようね、ということになったのに、1941年には第二次世界大戦がまた始められる。そして懲りない人間たちがまたまた懲りずに国連を組織するのである。けれども世界平和のためのこの国連、最近になってトランプがお金を払わないので現金が足りなくなり、運営困難となっている。馬鹿がひとつ治まると、またまた馬鹿が勃興する。そして21世紀もまた馬鹿の世紀になりつつある。トランプが核ミサイルの発射ボタンを抱えて歩き回っていると思うと、背中のゾクゾクが止まらなくなる。

 本日は満月です。皆既月食です。おまけに火星接近で、その皆既月食真っ盛りの赤黒いお月様に並んで、光度を増した火星が、オイラが火星でございマースと元気に挨拶してくれるはずが、ヘソ曲りで意地悪な台風12号が、みんなオジャンにしてくれたのです。隅田川の花火大会もボクと田辺ファミリーのカラオケ大会も、みんなオジャンにしてくれたのです。

 ヘソ曲がりの台風である。ラジオは強い台風、強い台風と警戒を呼び掛けるが一向に雨も風もやってこない。強いけれどもチビ。もしかして、そういうことかもしれない。これからコボちゃんは東京スバルへ車検に出していたアウトバックを受け取りにいくことになっている。代車のチンケな軽自動車で取りにいくことになっている。皮肉なことに、出かけるタイミングになって強い雨が落ちてきた。
「いってきます」
 コボちゃんが飛び出していく。窓を開くと遊歩道から海の匂いが流れてくる。今まで気がつかなかったが、外は台風が運んできた海の空気で満たされていたのだ。で、そのまま窓を開いたきり、台風を聞いている。バラバラと音をたてて落ちる雨の音を聞いている。強くなったり弱くなったり、まるで喘いでいるような風の音を聞いている。外の台風と話をしているのだ。強くてチビな一つ目渦巻き小僧と仲良くしていたら、いつかあたりは夢の世界。ボクの仕事部屋にナチスドイツの兵隊たちがやってきて、腰のルガーを引き抜くと、バン、バン、バン。9ミリパラベラムを撃ちまくる。バンバン、バン。夢の世界の一瞬は永遠でと流れ、バタン。玄関ドアが勢いよく開いてコボちゃんが帰ってきた。
「ただいま!」
 何事もなく帰ってきたコボちゃん、よかったね。このヘソ曲がりの意地悪台風、ボクとコボちゃんには何も悪さをしてくれなくて助かった。

▲ 南風海の香りの遊歩道


0729・日・

 1978年、昭和53年の今日、東京両国の川開きが17年ぶりに復活した。隅田川における江戸庶民の夕涼み解禁イベントが、交通量の増加や建築物の密集化を理由に中断されていたのを、隅田川花火大会と名前を改め復活させたのである。ボクはこの日の翌日、開港されたばかりの成田から欧州へ旅立つことになっていたが、どうしてもこの川開きの復活に立ち会いたくて、当時の最愛の妻を強引に誘って両国へ出かけていった。ところが既に周辺は大変な人出で、川開きの現場までが長蛇の列。警察の命令通りに動くのだが、これがいっかな前に進まない。そうこうしているうちに、彼方から爆発音が聞こえてくる。連続的に聞こえてくる。この長蛇の列を待つことなく、花火業者は次々に点火して花火を打ち上げていく。けれどもここは密集地。尺玉みたいな、そんなどでかい花火を打ち上げられるはずがない。腕を少しでも動かせば隣の知らない人の汗だくの腕に触りそうな人間缶詰状態で、首を巡らせても見えるのはビルの群れ。そのビルの壁に、花火の閃光らしきものが反射する。結局、両国の駅に戻るまで、ただの一発も花火を目撃することなく、ひたすら汗だくの夏の夜であったのだ。で、それ以来、ボクは花火大会が嫌いになった。それからずいぶん挑戦したが、ただの一度も花火大会で楽しんだことがない。真下に場所を確保すれば、音はでかいし、燃えカスは落ちてくるし、目なんかあけてられない。花火大会が楽しいのは現場に到着するまで。それは計画してるときがいちばん楽しい、旅の経験とどこか共通しているのかもしれない。

 未明から起き出して窓を開ける。もう台風はどこにもいない。不安にさせるだけさせといて、本人は、一つ目小僧なんだから本人と呼ばせていただくのだが、そのご本人は最初の上陸作戦とはえらく違うコースで日本列島上陸を遂行しつつあるらしいのだ。おいこら、12号、あんまり西日本を苛めると、承知しないぞ。

 お昼になって日曜最大のラジオイベント、NHK喉自慢を聴こうと思ったら高校野球の東京地区の決勝戦。ちょいといい試合をやってくれてるけど、ボクはガッカリ。仕方ない、夏休みだ。ここしばらくはずっと高校野球に付き合わなくてはならないのだ。子ども電話相談室もあきらめなくてはならないのだ。はい。100回目ということで、いい試合を期待してます。

 夕方の散歩から戻ったコボちゃん、ニコラの赤ちゃんブルドッグ、シャーロットの心臓い穴があいてるのがわかったとしょげている。ペットショップで交換なんかしようものなら、処分されてしまうに決まってる。一度結ばれた絆である。お金の問題ではないのだ。頼りになるのは近所の獣医さん。ペットショップとグルになってる拝金主義の獣医なんか、信用できるもんか。そういうコボちゃん、夜になって豪徳寺の行列のできる獣医さん、並木先生の貴重なお時間をいただいて、アルルの抗癌剤治療について、細かく相談をさせていただいている。この先生のおかげで日本動物高度医療センターに紹介いただいたのだが、近所にこんな先生がいてくださると、愛犬家も愛猫家も安心して暮らしていけるのだ。ということで、そのお電話をいただいて、ボクからも心からの感謝をお伝えさせていただきました。

 一日遅れで開催された両国川開き、正式には隅田川花火大会の現場である。夜のニュースで女性グループがインタビューを受けている。
「延期のおかげでメンバーが減っちゃったわ」
 賑やかに答えている。このおばさんたちは警察の交通規制にも悩まされず、花火大会を楽しんだのだろう。人が集まるイベントでは、おばさんのように、自らエネルギーを放射してないと、雰囲気に敗けちゃうんだよね。おばさんの爆発力は尺玉にも負けてません。

▲ おばさんの熱に敗けてる川開き


2018年7月16日~22日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたりしたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。
 さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌のほとんどはリアルな出来事ですが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はどうぞご理解ください。


0716・月・海の日・閻魔参り・藪入り・お盆の送り火・

 7月16日は駅弁記念日だとミス「おはよう一直線」の檀れいさんがいっている。宇都宮駅で竹の皮に包まれたおにぎりと沢庵を販売したのが駅弁の始まりだといっている。果たして海苔は巻いてあったのだろうか。巻いてないと指に御飯粒がついて面倒臭いよね。でも、海苔は高級品だから、となると高くなってしまうよね。どうだったんだろう。ちょっと気になるよね。

 1945年、昭和20年の今日、米国ニューメキシコ州アラモゴードでアメリカが世界で初めての核実験をやらかした。そしてこの年の8月、広島と長崎にその原子爆弾を落っことした。砂漠の砂の上でなく、人間の頭の上で爆発させたのだ。砂漠での核実験でも危険の要素は数え切れなくあるのに、人の暮らしの上での核実験は言語道断歩道橋、許せない。広島長崎への原爆投下で、アメリカ軍はどれだけの人体実験の資料を獲得したことだろう。広島長崎への原爆投下はソ連への威嚇行為であると同時に放射能に関する人体実験だったのだ。白人社会にとって有色人種の命は限りなく軽い。レイシストのトランプが鼻息を荒くしているこの時代、これは覚えておいた方がいいだろう。

 1972年、昭和47年の今日、大相撲名古屋場所でハワイ出身の高見山が初優勝を遂げた。外国人力士による初めての優勝である。ボクは高見山という力士が好きだったので、とても嬉しかったはずなのにまるで記憶にないということは、ボクが日本にいなかった、ということになる。このとき、ボクはバックパッカーとしてヒッチハイクをしながらロンドンからネス湖を目指していたのです。本気でネッシーに会えると思って旅を続けていたのです。純粋で純情だったのです。いくらハンサムな高見山でもネッシーとは勝負になりません

 目覚めたら5時のニュースをやっている。ワールドカップでフランスが優勝したことを知る。前評判の通りです。それにしてもベルギーの3位はよかったね。ベルギーにとって日本戦が刺激になったといってるらしいが、同じマンションのベルギー人、ニコラも喜んでいることだろう。ニコラは犬仲間で、飼い犬のフレブル、フレンチブルドッグでハレンチブルドッグではありません、のレオポルド君とアルルは大の仲良しなのです。で、ボクもベルギーの首都ブリュッセルを幾度か訪れたとき、有名な小便小僧のあまりの小ささに驚いたり、にわか恋人との別れの食事をするタイミングだったりで、ベルギーにはいろいろな思い出があり、とても好きな国なのです。ちなみにニコラはフランスエリアのベルギー人。ときどきボクもインチキフランス語を使わせてもらいます。通じるのが不思議です。

 列島酷暑である。そしてアンハッピーマンデイである。ハッピーマンデイをいいことに病院は月曜日の透析を休日扱いにして採血検査をパスしたり、勤務体制を休日扱いにして経費節減に情熱を燃やす。おかげで午後の早い時間から透析室に入室を迫られ、患者の苦労が倍増する。単独行動ができないボクのため、コボちゃんは勤務先から飛んできて、昼休みを犠牲にしてボクを病院に連れていく。こういうとき、勤務先が歩いて3分、ということだけがありがたい。

▲ 木陰から日傘開いて歩き出す


0717・火・

 1971年、昭和4年の今日、登山家の今井通子さんが女性では世界で初めてアルプスの三大北壁を征服した。マッターホルン、アイガーに続き、グランドジョラスの登頂に成功したのである。実はボク、その翌年の1972年、スイスはアイガー北壁を望むグリンデルワルドの美しいホテルのレストランで今井通子さんとお茶を飲んだことがある。そのとき偶然一緒に旅をしていた看護師さんが登山マニアで、今井さんに声をおかけしたところ、それじゃお茶しながらおしゃべりしましょうよ、というとになったのである。この年の欧州放浪はは不思議な旅で、同じ日に乗った登山列車の車内で詩人で絵本作家の岸田衿子さん、この方、岸田今日子さんのお姉さんで、いきなり親しくなって、その後も長くお付き合い、いただくことになったりした。同じくスイス、チューリッヒでは大学マンガクラブの同輩、ローマはトレビの泉で高校剣道部の先輩、パリのシャンゼリゼでは高校の同級生、同じくシャンゼリゼのカフェではベルリンフィルのメンバーにシャンパンで誕生日を祝ってもらう、というように素敵な偶然と出会いが次々に発生する不思議な旅だったのである。本当は思い出せばもっともっと列挙できるのですが、このくらいでやめておきます。1972年の夏はボクの人生の大きな夏休みだったのです。

 TBSラジオ「おはよう一直線」情報によると本日は東京の日だそうです。慶応4年の今日、江戸が東京と改名されたことを記念する日です。当初、「東京」をどう発音するかが話題となり、素直にとうきょうと読む人もいれば、いやとうけいだと主張する向きもいたらしいのですが、さすがトンキンと読むトンチンカンはいなかった、ということです。普通に考えれば、東の京都という意味でとうきょうでいいのでしょう。

 デイキャッチ、荒川狂鶏、あんたそんなに偉いのか。自分の名前がついた番組だからといって、そんなに偉そうでいいと思っているのか。国会担当の沢田記者を沢田君、沢田君と呼ぶのはおやめなさいな。かなり聞きづらい。以前、国会担当が国会王子の異名をとるTBS政治部の武田一顯(たけだかずあき)記者だった頃はそんな言い方してなかったよね。裁判芸人の阿蘇山大噴火氏を阿蘇山君と呼んでいたことも不愉快だった。けれども相手によってはやけに卑屈になったりして、荒川狂鶏という人物、とってもチンケな人柄なのに、TBSでどうしてそんな力を保持しているのだろう。彼がTBSに登場した頃から不思議でならないのです。

 夕方からコボちゃんと猛暑のお出かけである。親しくさせてもらっている田辺さんとその息子たち、といってもアラサーの子どもたち、田辺兄弟と経堂駅での待ち合せ。おしゃべりと楽しい食事に誘われたのである。選ばれた店はオリジナル中華レストラン、経堂西通り商店街、「彩雲瑞」(さいうんすい)。以前よりもはるかにおいしくなっていて、感動。ここ、お勧めです。前はまずかったのに、おいしくなった、おいしくなったと騒いでいたら、コボちゃんに叱られた。どうもボクは口が軽くていけません。でも、本当においしかったのです。

▲ 乾杯のビールみるみるみんな汗


0718・水・

 1970年、昭和45年の今日、日本で初めての光化学スモッグの発生が東京都杉並区で確認された。高校のグラウンドで運動をしていた生徒たちが突然目の痛みや頭痛を訴えて病院に運ばれたもので、これが光化学スモッグと判定されたわけだ。幸いなことにボクは光化学スモッグを実感したことがないのだが、当時はよっぽど東京の大気の状態が悪かったのだろう。この時代、ボクは渋谷の代々木オリンピック公園を見下ろすコンクリートの社宅に暮らしていて、当時は学生イラストレーターになったばかりで、忙しくてあまり外出してなかったのがよかったのかもしれない。光化学スモッグとかPM2.5とか、もしくはサリンとかお化けとか、目に見えなくて包まれたらアウト、てな代物はあまりゾッとしません。お化けはゾッとしますけど。

 夏休みのよき思い出のひとつが高校3年生の美術部、夏休みの合宿で榛名山を訪れたことである。ユースホステルで過ごしたのだが、そこで合宿をしていた群馬医大のクラシックギター部の素敵なお姉さん、藤井H子さんと知り合って文通をしたり、影響を受けてギターを覚えたり、人形劇団プークの山根宏章さんという天才役者さんと知り合って、やがては人形劇団ポポロのお手伝いをさせていただくようになったり、人生登り始めの素敵なハプニングの発信地である。この榛名山の中腹にあるのが伊香保温泉。この伊香保ってどんな意味があるのだろうと思っていたらNHKマイ朝ラジオでご当地の人が解説していた。伊香保の語源はアイヌ語のイカホップで、たぎるお湯という意味であるらしい。江戸はアイヌ語の平らな所、富士はアイヌ語の高い所を示す言葉だと聞いたことがあるけど、もしかしたら記憶違いかもしれない。いずれにせよ日本列島はアイヌの暮す土地で、それをボクらヤマト民族が奪ったのである。

 京都で40度まであと少しとか岐阜で38度を超えたとか、暑さについての恐怖の話題があれこれ伝えられているけど、そんな暑さの中で電気が止まったとか、エアコンが壊れたとかになったらどうしよう。この酷暑列島で熱中症で命を奪われる人の数が鰻登りとなっている。冬は凍死、夏は熱中症。そしてちょうどいい春と秋はどんどん短くなっていく。快適と便利さを引き換えにして地球はどんどん暮らしにくくなっていく。

 お天気おじさんの森田正道(もりたまさみち)君が、この暑さを千年猛暑と呼ぼうと提案している。この猛暑、平安鎌倉以来の暑さであるというのだ。古い樹木の年輪調査によると、歴史上その頃がいちばん暑かったというのだ。けど、もっと古い樹木を調べればそれ以上暑い時代のこともわかるはずなんだけど、そんなに古い樹木、どこにもないもんね。森田君によると今夜はスーパー熱帯夜になるらしい。このままどんどん暑さがエスカレートすれば猛暑日なんて言葉では間に合わなくなり、酷暑日とか獄暑日とか、新しい基準が生まれるかもしれない。この地球、もう我々の知っている地球ではなくなりつつある。

▲ この頃は暑さ以外の話なし


0719・木・

 1980年の今日、モスクワオリンピックが開幕された。社会主義圏最初の開催だったがソ連によるアフガニスタン侵攻にアメリカがボイコットを宣言、日本も同調した。これにより多数のアスリートが出場をあきらめなければならない事態となった。アメリカに右へ倣えは安倍政権だけの得意技ではないのだ。

 ここは日本動物高度医療センターの四階のいつもの待合室。ボクとコボちゃんはアルルの診察が終わるのを待っている。アルルは獣医の高木先生にリードで導かれ、うきうきと歩いていった。先生を心から信頼しているのだ。
 さっきから小さな音でテレビがかかっている。いい年をしたおじさんおばさんが井戸端会議をやっている。馬鹿みたい。ひからびたオレンジを無理矢理ジューサーに突っ込んで、なけなしの果汁を搾り取り、それを悪い水でどんどん希釈するような、そんな議論をやっている。つまらん事件ばかりなのである。この暑さだもん。人間だって事件を起こすような気力を奪われている。元気なのは天然自然、暑さだけ。

▲ 氷水飲むよりいっそかぶりたい


0720・金・上弦・

 1969年の今日、アメリカのアポロ11号が人類史上初めて月面着陸に成功した。猿から進化した人類の代表として初めて月面に降り立ったアームストロング船長は、これは人間の小さな一歩に過ぎないが、人類にとっては大きな飛躍である、と地球にメッセージした。この年はボクの最初の個展「空」を開催した年。ボクは学生で高校時代の美術部の相棒、吉川清君の家に泊まっていて、アポロが月面を離れる瞬間の月面からの生中継を一緒にウォッチした記憶がある。もちろんこの生中継はリモートコントロールによるものである。撮影者を月面に置き去りにしたわけではない。でも、わかっていても心配したよね。

 ここは北軽井沢。暑さを避けての北軽井沢である。アルル静養のための北軽井沢である。で、もちろん猫のミミコも一緒である。自発的に朝の散歩に出たミミコ、ときどき声を上げてクラスター北軽井沢スタジオで朝寝坊をしてるボクに、お前もこいと呼んでいる。やがて太陽が高く昇ればウグイスがいい声で鳴き始める。それに対抗してミンミンゼミも勢いよく声を上げる。やけにでかい声である。あれ、本当に声って呼んでいいのかしらね。

 午後になるとラジオが雷雲の発する電波を捕えてガリガリとつぶやくようになる。そのうち遠雷が聞えてきて本物の雷雲が近づいてくる。冷たい風が吹いて涼しくなるのはありがたいが、雷が近くに落ちればアルルはパニック。数年前のように家から逃げ出して行方不明になるかもしれない。そこでコボちゃんが風通しのために開けておいた一階の扉を閉めて歩く。大きな別荘スタジオはありがたいが、こういうときが苦労なのだ。やがてヒグラシが鳴きはじめ、もう雷の心配がなくなってありがたい。

 夜10時、ニュースを聴こうとNHKラジオをつけたら安倍晋三が記者会見なんかやっている。声を聞きたくないので直ちに消してしまう。確か今日は国会最後の日。賭博法案か何か、また強行採決をやらかして、言い訳をしているのだろう。この人、いつも言い訳ばかりしている。ラジオを消してしまったのでパソコンの中の音声映画「ルドルフといっぱいあってな」をコボちゃんと一緒に観る。このアニメーション、以前から北軽井沢スタジオでコボちゃんと一緒に楽しみたかったのである。コボちゃん、この映画、とても喜んでくれて、ああ、よかった。

▲ ぶつぶつと雷予報ラジオかな


0721・土・土用の入り・土用の丑・

 2011年の今日、最後のスペースシャトル、アトランティス号がフロリダ州のケネディー宇宙センターに着陸した。それまで日本人7人を含む各国の宇宙飛行士350人が乗り組み、世界の宇宙開発を先導してきたスペースシャトルが、その30年の歴史を閉じたのである。ああ、勿体ない。お金がかかり過ぎたのかなぁ。惜しいなぁ。ジャンボジェットが開発当時のスペースシャトルを背中に乗せて、親子亀スタイルで空を飛んでいたのが懐かしい。最初の打ち上げのときはボクも目が見えていて、ずいぶん興奮したのを覚えている。プラモデルも作ったよな。絵本にも登場してもらったな。失明してからも描かせてもらったな。そのフォルム、今もしっかりと頭に刻まれているのです。スペースシャトル君、いつも連れて歩きたいよな、とっても可愛くて素敵な形です。

 群馬県伊勢崎で38度を超えたと聞こえてきた。そこがどれくらい遠いのか知らないけれど、同じ群馬県のここ北軽井沢でも殺人的な猛暑となっている。そして午後から温泉街の草津に近い、とはいえやはり同じ群馬県の山の透析室で透析を受け手いた。とにかくこんな暑いの初めて。冷房がまるで効いてない感じ。仕方ないからダイアライザーから戻す血液の温度を下げてもらった。もう、それしかないのである。
 いつもだったら北軽井沢は涼しい。朝と夜はもちろん、いつも涼しい。夏なのにストーブが必要なほど涼しい。ま、そういうのを寒い、というんだけどね。でも今年の北軽井沢、朝夕以外はただただ暑く、そのこと以外、何も考えられなくなる。涼しいのは夕方からのヒグラシの声だけ。ヒグラシさん、ありがとう。
 で、土用の丑の日ということで、ヒグラシの声と鰻の蒲焼を肴に一杯やってたら、いきなりコボちゃんが蝉の話題。ヒグラシさんだかどうだかはわからないのだけれども、木から落ちて倒れていた蝉さんをコボちゃんが発見。もしかしたら熱中症かと思い、樹液を吸ってもらおうと木の幹にすがらせてあげようとしたら、オシッコをかけられて飛んでいった。というのである。
「セミって本当にオシッコをかけるのね!」
 そういって感動するコボちゃんだったけど、オシッコは黄色かったといっている。

▲ この猛暑鰻食っても間に合わぬ


0722・日・

 午後3時半、上方演芸会を聴こうとNHKラジオをつけると大相撲が始まっていた。本日は千秋楽で、いつもより早いのだった。御嶽海の優勝が決まっていて、あまり熱い取り組みは期待できないのに客席は異様な熱気に包まれている。それもそのはず。千秋楽の今日の名古屋は39.5度と文字通り殺人的な暑さに見舞われているのだ。冷房が効かなくなったらもう大変。取り組みも観客も熱くならない方が見の為なのである。そんな愛知県体育館には申し訳ないけれど、ここ北軽井沢高原ではヒグラシが鳴き始め、別荘村に涼しさを送ってくれている。今年は山が乾いているせいかヒグラシもミンミンゼミもやけに声が美しい。

「あんた、ここで何をしてんの。あんたのおうちは外でしょう!」
 コボちゃんが話しかけているのはカマドウマの赤ちゃん。このカマドウマ、大きく成長するとちっとも可愛くない。コオロギみたいに美しい声で鳴くわけでもなく、でかい図体でただ無駄に餌を消費している。何を食べているかは知らないけれど。というわけでこのカマドウマのベイビー、コボちゃんが蜘蛛さんたちにしてあげてるのと同じようにティッシュのパラシュートに包まれて、やんわりと窓の外へ放り出されたのである。

 最近、きむらゆういちとのご縁で知り合いにさせていただいた直木賞作家の辻村深月さんの作品にはまっている。今夜も「冷たい校舎の時は止まる」のラスト部分をコボちゃんと一緒に聴いている。この作品、上中下の全3巻の大長編。その下巻のラスト部分だけでコボちゃんはすっかり魅了させられてしまったのだ。見上げた筆力である。そしてこの作品、辻村深月さんのデビュー作、24歳の筆である。サピエ図書館のプレクストークによる音訳図書の再生だと、このように同じ本を同時に楽しむことができるのだ。でもこれって、厳密にいうと著作権違反なんだけどね。目の見えるコボちゃんはサピエ図書館の恩恵に与ってはならないのです。

▲ カマドウマまたつかまってさようなら

2018年7月9日~15日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたりしたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。
 さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌のほとんどはリアルな出来事ですが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はどうぞご理解ください。


0709・月・

 1955年の今日、核戦争の危機に軽傷を鳴らすラッセルアインシュタイン宣言が発表された。哲学者のバートランドラッセルや天才物理学者のアインシュタイン、そして日本の湯川秀樹博士ら、世界的頭脳たちが核兵器の廃絶と紛争の平和的解決を呼びかけたものであるが、1955年といえば広島長崎に原爆が投下されてから10年、被害の大きさに自らの責任を痛感したアインシュタインら科学者たちが宣言をした気持ちは理解できるけど、この運動がそれ以後、大きく発展したとはあんまり聞いてない。現在、この地球に無数の核爆弾が起爆の命令を心待ちにして眠っている事実を考えると、たちまちこの椅子の座り心地が悪くなる。おまけにトランプのようなマッドプレジデントが核ミサイルの発射ボタンを持ち歩いていると考えると、ますます気分は絶望的になってくる。そしてこの結果が民主主義の結果だと思うと、責任をアインシュタインだけに押し付けることはできないのである。

 レッドサラマンダーって知ってますか。赤い山椒魚というとあまり強そうではないけれど、西洋の火の妖精と思えばカッコいい。この全国で1台だけの全地形対応車「レッドサラマンダー」が今回の大水害の被災者救援のために出動したらしいのだ。安倍晋三がその嘘つきの口で防災対策を今更ながらにペラペラとしゃべくるより、トランプお勧めのオスプレイを買いまくるより、この災害日本に必要なのはレッドサラマンダー。全天候型全地形型緊救援車両なのである。この響き、サンダーバード、国際救助隊みたいで頼もしいじゃありませんか。おまけに1台1億円とは安い買い物だと思います。オスプレイ1機で何台購入できるのでしょう。けれどこのレッドサラマンダー、日本にたった1台だけ。アベちゃんって、お金の使い方がとっても下手糞ね。ま、仕方ありません。お金持ちのお坊ちゃまですから。早く辞めてもらった方が国民のためだと思うんですがね。

 ぶったまげの上川法務大臣。死刑執行にゴーサインのハンコを押したその晩に衆議院会館で宴会の女将を演じていたのです。この宴、赤坂衆議院議員宿舎で開催された「赤坂自民亭」のことをいう。この未曾有の豪雨に気象庁が特別警戒を連発しているというのに大臣たちが馬鹿騒ぎを演じているのだ。気象庁と官邸の間には電話も電報も通じないのか。安倍政権の誰もケータイもスマフォも持っていないのか。それにしても安倍政権とはどこまで倫理観に乏しい集団なんだろう。権力を握ってしまえば後は野となれ山となれ。弱い人たちのことなんか、知ったこっちゃないんです。

▲ 押しかける悪魔のような雲の群れ


0710・火・

 本日は7月10日で納豆の日であるらしい。考えるにこれは茨城県水戸市の誰かが言い出したことに違いない。水戸納豆、確かに美味である。けれども納豆といえば乾燥納豆も甘納豆も、どれもおいしい。ことによく掻き回し、大量のネギと辛子を加えた納豆はおいしい。タマゴかけ御飯をちょっとだけ残しておいて、それにのっけて食べると尚おいしい。

 1997年、平成9年の今日、鹿児島県出水市針原川で大規模な土石流が発生した。梅雨末期の記録的豪雨によるもので21人が死亡した。現在も西日本方面で線上降水帯が大暴れをしているが、梅雨明け前後のこの時期、自分の居住エリアと水はけの関係を事前に把握して、いざというときの逃げ道を考えておいた方がいいだろう。地球温暖化で異常気象が常態化している昨今は特にそうである。実はボクの暮らしている窓の外の遊歩道の下は暗渠になっていて、地下へ逃げられなかった雨水が集中する可能性がある。今回の洪水被害を考えると、三階といえどもアグラをかいているわけにはいかないのである。

 タイの洞窟から閉じ込められていたサッカー少年のうち、4人が救助され、残るはあと5人と思っていたら、夜9時のニュースで全員救出が報じられ、安堵する。よかったよかった、本当によかった。西の方面からの豪雨被害ばかり耳にしているので、この知らせが尚更ありがたかった。救助に活躍したプロのフロッグマンたちに心からのリスペクトを送りたい。ありがとうございました。

▲ 窓の外どこかで花火する匂い


0711・水・

 NHKマイ朝ラジオによると今日は世界人口デイだそうです。1987年、昭和62年の今日、世界の人口が50億人を超えたとされたことで1989年、国連人口基金が制定した、ということです。この人口という言葉、どうして口なんでしょう。それは人間が食べる生き物だからです。食べる口を数えるとつまり人口になるということらしいのです。ま、食べない生き物というのは存在しないんですけどね。

 1966年、昭和41年の今日、広島原爆ドームの永久保存が決定した。風化に夜倒壊の懸念があったため広島市議会が決議したもので、その後日本全国からの募金が集まり、補強工事が行われ、1996年、平成7年に世界文化遺産に登録された、ということです。学生時代、東横線の終点、渋谷駅の階段を降りていくと目の前で原爆ドーム保護の募金をやっているではありませんか。原爆の直撃に耐えて立ち続けてきた原爆ドームには、これからも頑張って踏ん張っていてもらいたいと熱望していた貧乏学生のボクは、なけなしのお金を寄付したのです。そして初めて広島の地を踏んだとき、見上げた原爆ドームの各所に散見する接着剤の跡に、あのどれかにボクの寄付も貢献しているのだなと思い、胸を熱くしたのであります。やだね、貧乏人は。

 お昼になって皆さんに今回の視覚障害ナビラジオ出演のお知らせメールをBCC配信させていただく。いつものお邪魔虫メールである。迷惑なことだと思うけど、できれば聴いていただきたいのです。すいません。

 週刊新潮で読んだ渡部潤一、国立天文台副台長提供の話題です。この先生、会津若松の生まれだそうで、親しみを感じてます。ボクは東京の生まれで育ちなんですけれど、ルーツは会津若松で、会津の血液が体内をドクンドクンと流れ回っているのです。もちろん緑じゃありません。真っ赤です。
 さて、本題です。2017年10月にハワイの天文台が発見した太陽系外からやってきた飛行物体の話題です。この小天体、最初は彗星と思われたのがその軌道が閉鎖されたものでなく、オープンであるらしいのです。ということは太陽系外からやってきた、ということで、これは前代未聞のことらしいのです。国際天文学連合はこの天体のために星間空間の天体というカテゴリーを初めて作り、この天体を最初の登録天体にしたのだそうです。そして驚くべきことにこの天体、長さ400メートル、幅40メートルという葉巻みたいな形状をしているのです。宇宙船にすれば理想の形をしているのです。こんな自然天体は初めてらしいのです。これまで目撃されたとする葉巻型UFOや宇宙戦艦ヤマトとかスタートレックの宇宙船エンタープライズ号みたいじゃないですか。この葉巻型は宇宙を旅するのに理想的な形状で、宇宙塵との衝突を避けるのにはもってこいなのです。さてさて、これは宇宙人の乗り物と思いたいところが、気になるのがこの天体、8時間に一回ほど、ゆっくりと回転していること。これだと理想的宇宙船スタイルでも危険を回避するリスクは下がりません。ただ、映画「2010年宇宙の旅」では宇宙船ディスカバリー号も木星衛星軌道上で静かに回転していましたよね。あれはどういう理屈で回転していたんでしょう。あんまり覚えていません。あのディスカバリー号は廃棄されてから10年の宇宙船という設定でしたから、今回の天体も既に廃棄された宇宙船かもしれないのです。早速、知的宇宙生命体からの信号をキャッチしようとしているグループが使用可能な電波望遠鏡を駆使してこの天体からの信号が出ていないかを観測しました。けれども残念なことに信号は検知されなかったのです。さてこの天体、現在は太陽系から猛スピードで離脱しているとのこと。その正体が気になりますが、もしも誰か乗っているなら、挨拶ぐらいしてもらいたいですよね。別にお土産なんか要求しませんから。

▲ 新潮の星の話題にときめきて


0712・木・

 いつものように5時に目覚めるとNHKはマイ朝ラジオをやってないで、代わりにワールドカップ準決勝の中継を流してる。リズムが狂う。おまけにパソコンはアップデートでなかなか使えず、またまた調子狂う。仕方ないからラジオに耳を傾けていたらクロアチアがイングランドに勝っちゃった。これで日曜日にフランスと決勝戦をやるわけだ。だけど日曜日はオイラもラジオに出るんだよね。世間様からは問題にされてないけどね。とほほ。

 1925年、大正14年の今日、NHK、当時の東京放送局がラジオの本放送を開始した。坪内逍遥原作のラジオドラマ「桐一葉」(きりひとは)や音楽番組「民謡の夕べ」などの記念番組が編成された。考えればこの年はボクの父親の生まれる前の年。ラジオの歴史と父親の生涯が重なるわけだ。こういう具体的な物差しがあると歴史はとても身近になるのです。

 トランプがNATOにいちゃもんをつけているらしい。きっと北大西洋条約機構のアメリカ以外のメンバー、顔をしかめているだろな。Gセブンの欧州の国々を中学生とすると、小学生の安倍晋三と幼稚園児のトランプの扱いにさぞや苦慮していることだろう。ま、トランプがあんまり駄々を捏ねるようなら、そこは安倍晋三に子守りをさせるつもりなんだと思う。トランプは世界の鼻つまみ。そう思っていないのはトランプタワーの住人だけかもしれない。困ったもんである。ところでトランプからツイッターを取り上げる方法はないものだろうか。いつかあの人のツイートが原因で取り返しのつかないことが起きるのではないかと、実は生きた心地がしないのである。

 気がつくと遊歩道で蝉が鳴いている。今年初めてのことである。それを伝えるとコボちゃんはとっくに空蝉を発見したり、羽化し損なった瀕死の蝉を葉っぱの上に避難させてやったりしてるらしい。そうしないと蝉はたちまちカラスか蟻の餌食となるのだ。さて、この空蝉だけど、これってクチクラという物質で構成されてるってご存知ですか。クチクラというと面食らうけど、キューティクルというと納得できるでしょ。このクチクラ成分のおかげで生物は海から陸地へと進出できたらしいのです。

▲ 軽々と素足で歩くスニーカー


0713・金・新月・お盆の迎え火・日本標準時制定記念日・

 今日は13日の金曜日である。ホラー映画のファンじゃないし、キリストはリスペクトしても信者でないボクに13日の金曜日はちっとも怖くないけど、熱波渦巻く金曜日はこわいです。ことに暑さが苦手のアルルにはつらいです。だから朝から冷房を入れてます。早く涼しい北軽井沢で仕事したいです。アルルもそれを心待ちにしています。

 いよいよ今度の日曜日がワールドカップの決勝戦と聞いているが、1930年の今日、初めてのサッカーワールドカップが南米、ウルグアイで開幕された。出場はわずか13か国。優勝は開催国のウルグアイだったという。最初はずいぶんせこかったけど、それが88年も過ぎると、小さな杉の子が堂々とした杉の木に成長するみたいにワールドカップも見事に育ったのです。今やこの日本でも国内時差で善男善女がフラフラになってます。

 窓をひらくと熱気と同時に蝉時雨に襲われる。だけど幸せ。これが冬だったら寒くて窓も開けられないし、お風呂場にも入れない。寒がりのボクにとって、どんなに暑い夏でも、冬に比べれば天国なのです。

 月刊ラジオ深夜便連載エッセイ「しじまのおもちゃ箱」の第一稿の送信完了。モチーフは怪獣と恐竜。だけど、書きたいネタがあり過ぎて、頭がこんがらがって苦労した。プランがどんどん前のめりになるだけで、筆がなかなか進まない。好き過ぎることって、かえって邪魔になるのです。でも書けると嬉しいのです。そしてなんとか書けたのです。万歳。

▲ アテンション飛び出す子ども夏の午後


0714・土・検疫記念日・ペリー上陸記念日・

 本日はパリ祭である。正確にいうとフランス革命記念日である。1789年の今日、フランス民衆がバスティーユの牢獄を解放した日である。パリ祭との呼び方はルネクレマンの映画からきているらしいのだが、お恥ずかしいことにボクはその映画を観ていないのだ。ボクにとっての映画はゴジラとかモスラとか地球防衛軍とかの、円谷英二監督の特撮映画のことで、あとはあんまりよく知らないのです。

 1865年の今日、イギリスの登山家エドワードウィンパーらがヨーロッパアルプスのマッターホルンを征服、世界で初めての登頂に成功している。1972年の夏、スイスはヴィスプという田舎の駅に下車したボクはホテル探しに苦労していた。気ままな旅で、夜も遅くに到着してしまったのである。そんなボクを見つけてくれたドイツ語しか通じない農家のお母さんは、ボクの手を引いて立派な建物に連れていく。ホテルかと尋ねると、
「ヤアヤア!」
とドイツ語でイエスという。で、泊まってみたらユースホステル。満室状態にいきなり現れた若き日本人に親切なペアレントは廊下にエキストラマットレスをセットしてくれる。やっと横になれたと安堵していると、金髪美少女が潜り込んでくる。心も踊る危ない夜が明けると、ボクは登山鉄道でヴィスプの町を後にする。途中から景色の中の自動車が消えているのを発見。内燃機関が禁止されていて、動いているのは電気自動車か馬車だけなのである。そして終点がツェルマット。目的の土地である。ここから見上げれば聳え立つマッターホルン。人を寄せ付けないその険しさ。けれども憧れのマッターホルン。小学五年生のときにディズニーランドの記録映画でそのミニチュアを目にした瞬間から憧れ続けてきたその本物なのである。よくぞあんな山を登ったもんだと思う。ボクなんか、写真を撮るだけで胸がドキドキする。登ったりしたら、こんな心臓、破裂するに決まってる。と、長い話でした。

 1945年、昭和20年の今日、東北北海道がアメリカ軍機による大規模な空襲に見舞われた。二日間続いた空襲では青函連絡船が攻撃され、12隻が壊滅的な被害を受けたという。情けないな、日本軍。許せないな、日本軍。市民を運ぶ船を敵の攻撃から守れないくらいなら、最初からそんな戦争、やるなよ。今だってアベちゃん、威勢のいいことばっか、いってるけど、どうせ敵なんか攻めてきやしないと思ってるんじゃないの。もしも中国が攻めてきたら、自衛隊はどこまでやれるんだろう。おそらくやれないと思うな。なんせ人数が違うからね。それよりは外交。力を使うより、頭を使ってね。アベちゃんには無理かもしれないけど。

 1977年、昭和52年の今日、日本最初の静止気象衛星ひまわり1号が打ち上げられた。そのときボクは何をしていたかというと、ケニア旅行の準備中で東君平さんや和歌山静子さんたちと黄熱病の予防注射なんかを受けていた。ボクはミーティングの最中、おしゃべりのし過ぎで、ツアーの団長、寺山輝夫先生にえらく叱られた。寺山先生、お元気で威勢がよかったな。ボクは寺山先生に声をかけられ、小学館に金を出させてケニアいきが実現したのだった。今頃、君平さんも寺山先生も雲の上で何をされているのだろう。もしかしたら静止気象衛星たちと地球を眺めているのかな。それにしては今度の大雨、防げなかったね。

 今日は猛暑日になるという予報だったがその通り、今年最初の猛暑日である。しっかりとした猛暑日である。昨夜からの冷房はコボちゃんとアルルとの散歩で一度はオフしたが、部屋を閉め切っておいて正解。コボちゃんの帰宅と同時に冷房を生き返らせたおかげで今日は終日涼しく過ごせた。ミミコはゴキゲンで丸くなっているし、ボクも楽しく連載エッセイ「しじまのおもちゃ箱」の推敲を完成できた。今月は怪獣と恐竜の話。文字の上でゴジラとキングコングを対決させたのである。

 今回の大水害、平成30年7月豪雨と命名されたらしい。わざわざ7月と断るのは平成30年のこれからも同じような豪雨があると思っているのかもしれない。
 久米宏の「ラジオなんですけど」に電話出演していた岡山のビジネスマン、今回の水害は人災であると断言する。防ぐつもりなら防げた水害を予算の都合で治水工事を怠った結果だというのだ。これと同じ意見を京都大学の教授が語っていたのを思い出す。NHKや民放は広島や岡山の水害地域でのボランティアを熱心に取材する。土埃と猛暑の中で奉仕する人々の見上げた心意気に最敬礼の気分である。なのに安倍首相が股関節を悪くしたとかで明日からの広島や岡山の被災地の視察をパスするそうである。本当かしらね。これが首相専用機にふんぞり返ったり、来賓として歓迎されたり、国民の税金をばら撒いたり、アメリカの武器を購入したりする外交のお仕事だったら腰が抜けていても断らないんじゃないかしら。この人のいうことすること、どれも嘘に思えます。こういうのを日本では昔から自業自得というのです。

 エアコンプレッサーで同僚の服の上から尻の穴に空気を注入して殺してしまった馬鹿者がいる。肺臓破裂である。本人は悪ふざけといっているが、人を殺しておいて悪戯では済まされない。機械を扱う専門家に悪ふざけは許されない。クルマの運転でも加工機械の操作でもふざけたら人死にが出る。どうやらこの世界、安倍晋三やトランプのおかげで常識が希薄になっているらしい。コモンセンスが死にかけているらしい。さぁ、みんな仲良く目覚めましょう。自分ファーストでない、みんなのためのちゃんとした選挙をやりましょう。お尻の穴とあんまり関係ないけどね。

▲ この夏も嘘ばっかりのお約束


0715・日・お盆・

 1888年、明治21年の今日、磐梯山が爆発的噴火をして、470人以上が死亡、裏側の地形が大きく変貌した。飛散した岩石や土砂が流れていた川をせき止め、多数の湖沼を形成したのである。この地形を裏磐梯と呼び、現在は優れた観光地となっている。これがボクの父親の育った土地であり、1977年から2005年までペンション絵夢の運営されていた土地であり、ボクの少年時代の心象風景であり、失明後のデビュー作「UFOリンゴと宇宙ネコ」の舞台なのである。

 目覚めて冷蔵庫のオロナミンCを取ろうとアコーデオンカーテンを引いたらキッチンは蒸し風呂で無条件反射の猛暑日の予感。予報では36度となっている。あああ、またまたエアコンに働いてもらわないと。オールナイトで働いてもらわないと。

 NHKマイ朝ラジオ、今朝の童謡は仲良しの歌姫、おおたか静流(しずる)さんの「浜辺の歌」。朝から静流(しずる)さんの澄んだ歌声が仕事部屋に響き渡り、ボクは冷たいオロナミンCを飲みながら幸せ。爽やかさ倍増なのである。

 志の輔ラジオ「落語でデート」に世田谷のベランダのプランターで野菜作りをしているという自称ベジタブルアナウンサーの女性が出演。落語でデートだからお相手は女性と決まっているのだが、このベジタブルアナウンサーがバリ島のライステラスの話をしている。志の輔が棚田をライステラスとはお洒落だというと、アナウンサーはこの棚田、千年も続いている歴史ある棚田だという。最近はこの棚田の治水設備を使って小規模発電が行われていて、富山市がそのサポートをしているという。そこで戸山出身の志の輔師匠が喜ぶのである。

 ダメだなぁ。ちょっと怪我したり負けたりするとたちまち休場するなんて。この名古屋場所、三横綱と新大関がお休みしてる。頑張ってるのが関脇御嶽海と平幕の遠藤。このふたりがお客を引っ張っている。でなきゃ、そうそう満員御礼は続かないのではないかな。おまけに愛知県体育館の冷房が不調で会場内には氷柱(ひょうちゅう)が登場、たくさんの扇風機が風邪を送ってる。まるで冷房のなかった時代みたい。それでも足りないお客は団扇を使ってるけど、この団扇、軍配の形をしているというからサービス満点。どうか熱中症で倒れないでいただきたい。アルルの生まれ故郷のことを悪くいうわけではないけれど、名古屋のお客はやかましい。アナウンサーの声は聞こえないし物言いの解説もかき消されて、どちらが勝ったのか、それとも取り直しなのか、さっぱりわからない。おまけに手拍子と指笛。沖縄のお祭りじゃないんだから指笛はいらないと思います。

 夜7時半、音声腕時計のアラームの命令でリモコンを操作すると、ボクがラジオでしゃべってた。番組名は「視覚障害ナビ・ラジオ」、『先輩×後輩 ナビラジ交友録』という企画で、若い視覚障害アーティスト、川渕大成さんとの対談である。
 川渕大成(かわぶちたいせい)さんは今年24歳。高校1年生だった2011年、原因不明の病気により、わずか1週間で急激に視力が低下、重度の弱視、色覚異常、中心暗点、砂嵐症候群になりました。しかし、幼いころから好きだった絵が前進する力を与えてくれたということです。細い線が見えないため、木炭を使って太い線を描いたり、クレヨンの色の並びを工夫したりして、温もりある表現を追求している、ということです。 
 現在は筑波技術大学で鍼灸を学びながら、創作活動にあたっています。故郷の富山県で、毎年小さな個展を開いているそうです。去年の二科展で準入選したという優秀な青年と、ふたりで濃密な時間を共有したのです。
 スタジオで聞くよりもラジオで聴く川渕さんはより賢く美声であった。それよりも、自分の声が蒸し暑く、恥ずかしいことったら。穴があったら飛び込みます。それにしても見事な編集で、ボクの無駄なおしゃべりが少しはマシに思えました。さすが遠田恵子さん。今夜のナビゲーターです。
 放送終了後、川渕さんと電話でおしゃべり。そしてメールも拝受して、彼のブログを拝読、愉快な夜となりました。感謝です。

▲ どことなくラジオの声が蒸し暑い

2018年7月2日~8日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたりしたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。
 さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌のほとんどはリアルな出来事ですが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はどうぞご理解ください。


0702・月・半夏生・

 昨日、群馬特産のうどんが届いたこととはまるで関係ないと思うが、本日はうどんの日である。讃岐うどんの本場、香川県ではこの時期、農家が収穫したばかりの麦でうどんを作り、農作業を手伝ってくれた人たちに振る舞う風習があったことにちなんで、1980年、昭和55年に讃岐うどん協同組合が中心になって制定したという。あちこちの協同組合がいろんな記念日を制定してくれるから、こうして話題には困らない。さて、小麦粉というやつは国家によってコントロールされていて、国内の小麦生産はあまり知られていないようだが、NHKマイ朝ラジオ土曜日の全国食べ物うまいものコーナーの農畜産物流通コンサルタントのヤマケンこと山本謙治さんが埼玉県特産の強力粉を紹介していた。ネット検索してみたら、この小麦粉、「ハナマンテン100」という商品であるらしい。コミュニケーションにひっかけて、コムギケーションということで商品展開しているらしいが、国内産小麦にかける情熱が感じられる。この小麦粉で焼いたパンがスタジオで試食されていたが、この小麦粉によるうどんはどうなのだろう。強力粉のうどんなら、讃岐うどんも真っ青の、噛み応えあるうどんができるのではないかしら、とは素人考えなんだろうな、やっぱ。讃岐うどんばかりがうどんじゃないもんな。ボクは江戸っ子で蕎麦育ちだけど、たまにはうどんも悪くないと思ってる。ことにカレーうどんなんか大歓迎だもんね。夏でも汗をかきながら、ふうふういってたぐります。

 東京の日の出は4時29分、日の入りは19時1分。朝の最低気温は24度、最高気温は33度。そして予報の通り、都心の温度は33度を超えたらしい。湿度が低いせいか、暑いけど、耐えられない気温ではない。けれどもどれだけ湿度が低くても毛だらけアルルには耐えられない。ということで、襖ひとつ隔てて、ボクの仕事部屋は亜熱帯、アルルのリビングは北極、ということになっている。アルルは黒犬だけど、我が家ではほとんどシロクマ扱いなんです。

 桂歌丸師匠の訃報が届く。享年81歳。閉塞性肺疾患ということだが、一日80本の喫煙では仕方ないかもしれない。実はこのボクも13年前まではヘビースモーカーだった。若くて猛烈イラストレーターだった頃は一日100本、二日でツーカートンを消費していた。透析患者になってからは、そんなクレイジースモーカーではなくなったが、それでも一日20本くらいは消費していた。煙草をやめて13年だが、いまでも間質性肺炎のチェックを怠れない。悪くすれば、これも死に直結する呼吸器疾患である。でも、これも仕方がない。煙草をやめるくらいなら死んだ方がいいと本気で思っていたのを、やめさせてくれたのは元女子医大、今は江戸川病院の新城孝道先生とコボちゃんである。と、話題が脱線して、脱帽して謝罪いたします。歌丸師匠に話題を戻します。
 さて、談志師匠が褒めたのは歌丸だけと誰かがいってたけど、それは嘘で、談志師匠が愛した芸人さんは数知れずいる。とはいえ、談志師匠が生みの親である「笑点」で歌丸師匠は大活躍したのは事実である。だが、桂歌丸の本番は高座での怪談話だったと思う。ことに圓朝祭での桂歌丸は迫力があった。落語家として心から尊敬できるお姿があった。2011年の談志師匠のお別れの会で挨拶する桂歌丸がボクがナマで聞いた最後の歌丸となったんだと思う。楽しませていただいてありがとうございました。ご冥福を心からお祈りいたします。合掌。

▲ あきれたねとっくに明けて半夏生


◇ バーチャル『奥の細道』コース  ありがとうございました。
永平寺をお参り、通過しました。次は福井。
あと、39,209歩です。

現在の歩数、3,448,791歩。三度目のバーチャル、奥の細道です。

0703・火・

 1912年、明治45年の今日、大阪天王寺に新世界がオープンした。遊園地や飲食街からなる娯楽施設で、シンボルとして有名なのが通天閣。美しい建造物で、子どものボクは絵葉書を見て憧れていた。その通天閣に初めて上がったのは1982年のこと。大阪の出版社「ひかりのくに」の森編集者に連れられてまずは新世界の飲食街。作業服や職人姿のおじさんたちに囲まれて串カツを食べたのがゴキゲンだった。何の肉かよくわからない揚げ立ての串カツをソースの巨大な容器にドブン。引き揚げてから「二度づけ無用」の文字に気がつく。通天閣に上がったときは東京タワーのときよりも感激した。通天閣の方がずっと先輩なのである。東京浅草にも新世界という室内娯楽施設があったけど、あれはせこかったな。やっぱ関西の方が企画力がありまっせ。

 午前3時からワールドカップ決勝リーグのベルギー戦があるのは知っていた。とはいえ、お昼からラジオの収録があるので寝不足ではまずいでしょう。そこで4時にアラームをセットして、まずは熟睡を試みる。そしてパッチリ目を覚まし、ここまでの引き分けを確認してから後半に耳を傾ける。その途端の先制点には驚いた。2点目にはもっと驚いた。思わず笑ってしまう。それを寝惚け半分で聞きつけたコボちゃんが、
「どうしたの?」
と尋ねるから、
「今ね、奇跡の時間帯に突入したの」
と教えてあげる。まさかの2点先制なのだ。これでポーランド戦のパス回しがチャラになったのだ。そしてこの奇跡の時間帯をコボちゃんと共有できるのだ。と、ここまではよかった。そして1点取られた未来の、充分に予測可能だった展開は、日本国民すべてが知っているのである。これで終わったオッサンジャパン、お疲れ様でした。インチキ満点、にわかサッカーファンのオイラまで、存分に楽しませていただきました。ありがとさん。

 午前9時半、絵夢助人(えむすけびと)さんが愛車のベンツで迎えにきてくださる。途中で井の頭通りの渋滞を乗り越えて、放送センターの駐車場の入り口にたどり着くと、たちまちベンツは発見され、丁寧に誘導される。あらかじめ、車種をお伝えしてあったのだ。遠田恵子ディレクターの上司、海老沢さん、元会長の海老沢さんの息子でも何でもない海老沢さんが、玄関で笑顔で迎えてくださった。
 11時、予定のスタジオで番組収録。以下はその内容と放送スケジュールです。

7月15日・日曜日・夜7時半・NHKラジオ第2・「視覚障害ナビ・ラジオ」、
『先輩×後輩 ナビラジ交友録』。

若い視覚障害アーティスト、川渕大成さんと対談をいたします。
川渕大成(かわぶちたいせい)さんは今年24歳。
高校1年生だった2011年、原因不明の病気により、わずか1週間で急激に視力が低下。
重度の弱視、色覚異常、中心暗点、砂嵐症候群になりました。
しかし、幼いころから好きだった絵が、前を向く力を与えてくれたということです。
細い線が見えないため、木炭を使って太い線を描いたり、クレヨンの色の並びを工夫、
温もりある表現を追求している、ということです。
現在は筑波技術大学で鍼灸を学びながら、創作活動にあたっています。
故郷の富山県で、毎年小さな個展を開いているそうです。
去年の二科展で準入選しました。

という優秀な青年と、ふたりで濃密な時間を共有しました。
なお、翌週の日曜日、7月22日の朝7時半にもNHKラジオ第2で再放送がありますので、
一度だけ、お聴き逃しのチャンスがあります。

なお、再放送終了後は、番組HPにアップされます。
よろしくお願いいたします。

 さて、収録が終わって安堵。川渕さん、遠田さん、絵夢助人(えむすけびと)さんと食道で食事。皆さん、お疲れ様でした。残念ながら今日は有名タレントさんは見当たらなかったみたい。

▲ 炎天下ボトルたちまちお湯になる


0704・水・アメリカ独立記念日・

 今日はアメリカの独立記念日です。1776年の今日、アメリカの13州がイギリス植民地からの独立を宣言したのです。その独立を勝ち取った瞬間にはためいていた星条旗を歌ったのがアメリカ国家で、あの旗の横に並んだ13本の赤い線がそのときの13州を意味しているのだそうです。よかったね、アメリカ。おめでとう、アメリカ。でも、トランプのアメリカは大嫌い。

 1951年、昭和26年の今日、初めてのプロ野球オールスター戦が始まった。この2年前に導入されたセパ2リーグ制を定着させるのが狙いだったという。最初のゲームはセリーグが2勝1敗で勝ち越したというけど、最近ではパリーグが圧倒的に優位に立っている。交流戦でもパリーグの強さが目立つけど、やっぱりハングリー精神がチームを鍛え上げているような気がする。ま、ボクはオールスターも交流戦にも興味がなくて、ひたすらセリーグのペナントレースでジャイアンツが最下位になることだけが楽しみなのです。最低なプロ野球ファンなのです。

 タイの洞窟で行方不明だったサッカー少年たち13名が生きて発見された。このニュース、最初は外国の話とは知らず、TBSラジオで洞窟に閉じ込められた少年たちがいると報じられて本当に驚いた。この梅雨時に、何手馬鹿なことを、と驚愕した。海軍の潜水舞台まで出動しているとは大事件じゃないか。その続報が気になって、それからいくら耳を澄ませても聞えてこない。あれは誤報だったのかとヤキモキしていたら、しばらくして、これがタイの事件だと知ったのである。それにしても全員が無事で発見されたのは奇跡的である。見つけた潜水舞台も優秀だが、サッカー少年たちとコーチも偉い。よくぞパニックにならずに救出を待てたものだと感心する。閉所恐怖症のボクには到底考えられない精神であるが、そもそもボクだったら洞窟なんかに入らない。これまで、いくつかの鍾乳洞や風穴に潜り込んだが、気持ちよかったのは秋吉台の秋芳洞だけで、あとは息がつまりそうだった。世の中には洞窟探検マニアという人種がいるけれど、ボクにはまるで理解できない。さて、彼らの救出であるが、時間がかかりそうということ。体力と気力の低下が心配である。次の大雨がやってくる前に、何かいい方法が見つからないものだろうか。これがテレビドラマなら国際救助隊が出動して巨大ドリルを装着した地底タンクでグリグリグリと穴を穿ってくれるんだけど。世の中は空想科学ドラマのようにはいかないのだ。スーパーマンでもウルトラマンでも、誰でもいい。早く助けてやってくれ。心から彼らの無事救出を祈っている。

▲ 痒みあり手遅れだけど蚊を叩く


0705・木・

 1947年、昭和22年の今日、NHKラジオで菊田和夫原作のラジオドラマ「鐘の鳴る丘」が始まった。戦地から復員した主人公が様々な困難と闘いながら戦災孤児たちの楽園を築き上げる物語で主題歌「とんがり帽子」も人気だった。戦災孤児というと「お菓子放浪記」の作者、西村滋先生を思い出す。先生は小さな頃に両親を失った孤児で戦災孤児ではないけれど、「お菓子放浪記」のモチーフになったような、孤児としての大変なご苦労をなさっていた。そのことから戦災孤児院でお仕事をなさるのである。その体験談をいつか一緒に絵本にしようとおっしゃっていたのを、とうとう実現できなかった。先生は一昨年の5月21日、別の世界へ旅立たれたのである。91歳だった。西村先生の作品はそれぞれ、映画やテレビとなり、舞台化もされている。ご自身も歌って語れるエンターテイナーで、そのファンも多かった。ラジオ深夜便にご出演なさっているのをこちらから一方的に片思いしてしまったのがご本人に伝わることとなり、静岡市でのボクの講演会にきてくださり、最前列でボクの稚拙な語りに耳を傾けてくださって、それ以来のお付き合いとなった。展覧会に駆けつけてくださったり、テープでお手紙をいただいたり、様々に心を砕いていただいた。今も心から尊敬する先輩のおひとりである。合掌。

 オッサンジャパンが帰ってきて、成田で大歓迎を受けていた。メンバーも大感激の様子で、NHKラジオの昼のニュースで、その記者会見に昼ご飯の茶碗片手に耳を傾けた。西野監督や長谷部選手の言葉に、最初はまるで期待されてなかったオッサンジャパンの苦悩が偲ばれ、結果を出せて本当にお疲れ様と思う。サッカーなんかにまるで興味のないこのボクまでが興奮させていただいたのである。ありがとうというのが当たり前。さて、西野監督、どこへいく。このまま監督としてサムライブルーを引っ張っていていいのではないか。大切なのはコミュニケーション。心と心の触れ合い。お互いの深い理解がチームを強くしていくのだと思う。世界に散らばって活躍する選手たちである。そのスキルを日本の監督が日本流にまとめ上げる方法論もあるような気がする。

 気象庁の臨時記者会見である。台風から変わった低気圧が北海道あたりをうろついていた梅雨前線を南の方に蹴っ飛ばして、それが戻り梅雨を関東地方以西にもたらした、というようなことをいっている。全国的な大雨である。日本中、土砂降りである。地球は必ず元を取る。乾いた梅雨だと思ったら、梅雨が明けた途端にこの大雨なのだ。昨年の今日は北九州豪雨だった。たくさんの人が亡くなった。川の巨大岩石がさらわれたり、川底が持っていかれたり、木立が立ったまんま流れ去ったり、みんなは見たこともない光景を目の当たりにしたという。今日もラジオからはこの一日で7月分の雨が降ってしまったと大騒ぎをしている。このままだと昨年と同じような大水害が心配される。京都では桂川が氾濫しそうだというので、女優の山下智子さんにお見舞いのメールをしたら、彼女はその桂川近辺に用事で出かけたとかで、どうやら情報の通り、大変なことになっているらしい。早い梅雨明けを喜んでいたところがこのバケツの引っくり返しである。これこそ地球のホメオスターシス、恒常性というやつなのだ。桑原桑原、なのである。

▲ 嘘つきを流してしまえ戻り梅雨


0706・金・下弦・

 1958年、昭和33年の今日、この年から設けられた大相撲名古屋場所が始まった。これにより、今と同じ、年間六場所制になる。さて、この日曜からその名古屋場所が開幕となる。なのに稀勢の里がまたまたお安にと聞いている。けどね、あんまりモタモタしてると忘れられちゃうよ。肉体の鍛錬も大切だけど、精神も鍛えないとね。ほら。怪我したばかりのときは痛くても優勝してたじゃないか。

 朝の臨時ニュースで驚いた。あのグルがポワされたというのだ。オウム真理教の教祖、麻原彰晃こと本名、松本智津夫の死刑が執行されたのだ。そしてその信者の死刑囚6人の死刑執行もやがて報じられる。まさか本当に麻原彰晃の死刑が執行されるとは。果たして麻原彰晃はいかなる十字架へのかけられ方をしたのだろうか。果たして平成の殉教者としてふさわしい死に方だったのだろうか。それは死刑執行人のみぞ知る。オウム事件というと親友のケンちゃんこと下村健一氏のことが自動的に頭に浮かぶ。彼はTBS時代、まさにオウムに肉薄していて麻原逮捕当時も現場にいたのである。それにしても、この時期に一挙に7人である。麻原彰晃の狂気が詐病であろうと真実であろうと、もう死人に話しは聞けない。死んだ弟子たちにも話は聞けない。オウム真理教の影に北朝鮮の暗躍はなかったのか。警察庁長官狙撃事件の実行犯は誰なのか。知りたいことを山ほど残したまま国家は事件に終止符を打とうとしている。けれども被害者の苦悩に終わりはない。痛みも傷も残るのだ。遠山の金さんみたいに一件落着とはいかないのである。

 日本列島をこれまでになかったような豪雨が襲っている。崖が崩れたり、家や人が流されたり、町が水没したり、ダムが満杯になったり。九州から東北までが元台風に蹴っ飛ばされてやってきた出戻り梅雨前線に、鬱憤払いされるように引っ掻き回されているのだ。あまりの被害にこれは地球のホメオスターシスだなんて評論家みたいなことはいってられない。熊本や広島や京都や、いろんな方々のお顔が浮かぶ。自分がみんなに守られて安全な場所にいるのが申し訳なくてたまらない。この雨はまだ続くと予報しさんたちはいっている。これまでになかったような雨、というような表現が大袈裟なのかどうか、各地で豪雨が記録を破っているところを見ると、そういう表し方しかないような気がする。とにかく危機感と緊張感と行動力と勇気に命を守ってもらうしかない。どうか、被害が大きくなりませんように。

▲ 無味無臭電子蚊取りの死刑かな


0707・土・小暑・七夕・

 1998年の今日、日本が世界で初めての無人衛星のドッキングに成功している。このふたつの衛星は彦星と織姫。七夕の日に彦星と織姫がめでたく宇宙でドッキングなんて、ロマンティックでエロティックで、日本の宇宙開発もなかなかやるじゃん。すべて自動でのドッキング。この成功のおかげで現在は日本の無人宇宙運搬船コウノトリが国際宇宙ステーションに物資を運搬するようになっている。さすがロボット技術の日本である。
 そして本日は、あの永六輔さんの三回忌である。ボクら団塊の世代に美しい歌の数々と正義とロマンティシズムと戦争の醜さと旅への憧れを教えてくれた、あの永六輔さんがお亡くなりになった日なのである。2016年、平成28年の今日、七夕のこの日に銀河へ旅立たれたのである。88歳で永さんは永眠されたのである。永さんのお世話になった方々は数知れず。そしてこのボクもそのひとり。展覧会にきていただいたり、編集者を紹介していただいたり、ラジオで呼びかけていただいたり、たくさんの恩をいただいた。歌曲「見上げてごらん夜の星を」を歌うとき、きっとボクらは永さんの星を捜すのである。ありがとうございました。

 既に遅刻である。今夜は青木岳志さんのスタジオクラスター主催の七夕の会。絵本作家の黒井健やカールおじさんの生みの親の彦根さん、そして造形大学の副学長のもりまさあきさんや、そして元アイドル歌手、いや失礼、今もアイドル歌手の西島三重子さんなど、それぞれ活躍の織姫彦星たちが年に一度のランデブー、飲んで食べて歌って踊っての集まりなのである。コボちゃんは後部座席にアルルを乗せて、遅れてなるものかとハンドルをしっかりと握る。そして神楽坂を目前にした夜8時23分、
「あ、揺れてる揺れてる」
 コボちゃんが声をあげてる。珍しく緊張している。そこでボクは直ちにラジオをNHKに回す。すると鳴り響く緊急地震速報。やっぱり地震なのだ。それも小さくない地震なのだ。
 千葉に震度5弱の地震発生。心配していたスロウスリップのでかいやつが発生したのである。ただ意外だったのは信号が青に変わった途端、周囲のドライバーたちがろくな安全確認をしないまま、ほとんど考えなしにクルマを発信させたこと。千葉で震度5弱であろうとも、東京は関係ないもんね、とでもいっているようである。
 神楽坂のスタジオクラスターに到着すると、地震なんて何のその。みんな飲んで騒いでいて、居座っている梅雨前線も知らなきゃ今の地震も知らない。ああ、酒とご馳走の威力はすごいです。
 扉を開けた途端、雰囲気を察したアルルも喜んで仲間入り。子どもたちとたちまち仲良しとなり、遊んでる。肺癌を克服したアルルは、こうして皆さんの歓迎を受けたのである。そしてアルルは会が終わればフラダンスの舞台の上でリラックス、後始末をしているスタッフたちを睥睨している。てなわけで、今夜も青木岳志カメラマンとヒロコママ、そしてクラスターのメンバーにご馳走になったのでした。おまけにボクは色っぽいお京お姉さんがボクのために作ってくれたという手作りちらし寿司をいただいて、頬っぺたを落とすのに忙しい。お京さんのお料理は神楽坂で天麩羅屋をやっていた、ボクのおばあちゃんの味がするのです。ああ、おいしかった。

▲ 平和です年に一度のランデブー


0708・日・

 1939年、昭和14年の今日、国民徴用令が公布された。国家総動員法によるもので、白い紙、シロガミと呼ばれた令状によって軍需産業などの生産現場に国民が集められた。アカガミとかシロガミとか、紙切れ1枚で兵隊に取られ、軍需工場に動員され、国民は夢も幸せも手放さなくてはならなかったのだ。軍需工場なら、まだ死ねとはいわれないだろうが、兵隊となって戦地へいけば地獄の苦しみが待っていて、玉砕の名のもとに死ぬことを強要されたのだ。安倍政権をいつまでものさばらせておくと、いつこんな時代が再現されるかわからない。安倍政権とはそんな時代を作ってきた連中の子孫たちなのだ。現行憲法を改悪して、明治憲法に引き戻したくてたまらない勢力なのである。若い人たちに必要なのは学習と想像力。安倍晋三の薄っぺらな言葉に騙されてはいけない。

 名古屋場所初日の朝である。いつものように5時に目覚め、NHKマイ朝ラジオに耳を傾けようとしたらサッカー中継をやっている。ワールドカップ、ロシア対クロアチア戦である。まだ決着がつかないでいるのだ。その延長戦も引き分けに終わり、とうとうPK戦まで付き合わされる。というわけで、サッカーと豪雨のおかげで今朝のNHKマイ朝ラジオはめっちゃくちゃ。サッカーファンと水害に見舞われた方々には申し訳ないが、今日のボクは調子狂いまくりである。おまけにお昼の楽しみ、素人喉自慢もこの雨で吹っ飛んだ。ニュースになれば水害の話ばかり。それにしても信じられない。まさかこんなに降り続くとは。いったいどんな気圧配置になれば日本列島がこんな雨雲ばかりになるのだろう。文字通りの日本列島水浸しで、これは冗談でもフィクションでもなく、死者と行方不明者の数は増加の一途をたどり、昨日からずっと被害の大きさに心が痛むばかりである。それにしてもいったい何をやってるんだ、安倍政権。ちっとも声が聞こえてこないぞ。唯一の救いはタイの洞窟からサッカー少年4名が救出されたこと。今はこの人数が増えることを心から祈っている。

▲ うんざりを通り越してる戻り梅雨


◇ バーチャル『奥の細道』コース
ありがとうございます。福井を観光、通過しました。次は敦賀。
あと、119,751歩です。現在の歩数、3,488,249歩。
三度目のバーチャルな徘徊です。



2018年6月25日~7月1日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたりしたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。
 さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌のほとんどはリアルな出来事ですが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はどうぞご理解ください。


0625・月・

 NHKマイ朝ラジオによると1882年、明治15年の今日、東京は新橋と日本橋の間で馬車鉄道の営業が始まった。公道に敷設されたレールの上を馬が客車を引いて走る鉄道である。やがて馬力は電力となり、市街地を縦横無尽に走る路面電車のシステムへと発展し、夏目漱石の小説に登場するような面々、売出し中の作家先生や書生という名の居候(いそうろう)や富豪遊民といった連中があっちで乗ったり、こっちで降りたりするのである。

 1943年、昭和18年の今日、学徒戦時動員体制が閣議決定された。中等学校以上の生徒や学生の軍事訓練が強化され、軍事生産現場への動員が徹底されるようになる。二度ときてもらいたくない時代であるが、安倍政権を野放しにしておくと、現行憲法を好きなようにいじられて、こんな時代が再現されないとも限らない。未経験なる若者たち、それと不勉強な大人たち、どうかもう一度歴史を振り返っていただきたい。

 久しぶり、腹具合がよくない。ここ数か月、快食快便のおかげで規則的だったトイレライフのリズムが破壊され、今日は朝から晩までトイレに通っている。この不調、オッサンジャパンのせいだと思う。絶対に勝てないはずのコロンビアがレッドカードをもらってしまうという素敵な反則をしてくれたおかげです。日本中が寝不足なんです。調子、狂いまくりです。

 東京は真夏日である。関東地方では各所で猛暑日を記録している。けれども湿度が低く、風のあるおかげでアルルは涼しい顔してる。エアコンに助けてもらうこともなかった。こういう真夏日だったら歓迎なんだけどな。ということで、今年の梅雨明けは早くなるらしい。それも歓迎なんだけど、そんなに早い梅雨明けだと今度は水不足が心配になる。人間とは勝手な生き物です。

▲ 待たされてやっと出てきた冷奴


0626・火・

 1968年、昭和43年の今日、小笠原諸島が日本に復帰した。戦後にアメリカが統治していたのが23年ぶりに施政権が返還され、東京都小笠原村となったわけである。今日で東洋のガラパゴス、小笠原諸島が日本に返還されて50年、というわけである。この年、ボクは慶應義塾の学生で19歳。今から考えると、どうしてあの頃、小笠原諸島を訪れなかったのだろう。24時間以上もゆらゆら船に揺られて到着する、素敵な島であることはわかってはいたんだけれど、やっぱり沖縄に遊びにいけなかったのと同じ理由だと思う。南方の島というと、真っ先に連想されるのが戦争の傷跡なんです。ボク、本当に戦争が嫌いなんです。理不尽に人から幸せを奪い取る戦争という国家行事を憎むのです。

 辻村深月(つじむらみずき)さんの本屋大賞受賞作「かがみの孤城」に夢中になってる。辻村深月さん、きむらゆういちのパーティーとか結婚式で声をかけていただいて、こんなエム ナマエなんかに興味を持っていただいて、素直で魅力的な人という印象があって、以前からサピエ図書館で拝読したいと思っていたのを、推理小説嫌いという性格から、なかなか始めなかったのを、週刊朝日の連載小説「傲慢と善良」でその印象が払拭され、サピエ図書館内で最も人気のこの作品をダウンロードしたのである。そしたら面白いの何のって、たちまち病み付きになってしまったのである。この本屋大賞受賞作だけでなく、これからも辻村深月作品に耽溺していくような気がしてならない。ああ、この「かがみの孤城」、もうすぐ読み終わってしまうの、勿体なくてたまらない。

 夜、TBSラジオ「セッション22」に回したら、おかしなおっさんがおかしな話をしている。子ども生まないのは身勝手な話だとか、この国に食えないで困っている家庭なんか存在しないとか、でかい態度でしゃべってる。えらく時代錯誤な発言だが、これ、いつの録音だろう。戦中の録音にしては音質がいいなと思っていたら、これ、本日の録音だという。自民党の二階幹事長が少子化問題について、子どもを産まない方が幸せではないかと勝手なことを考えている人がいて困る、というようなことを自分の講演会でブチ上げたらしいのだ。違うんじゃないの。勝手なのはあんたでしょ。こういう時代錯誤な人権音痴が憲法をいじくり回したり、国の舵取りをするわけで、もしもこの国が沈没するようなことがあれば、それは少子化によるものでなく、政権与党の方向音痴によるものだと思う。やめてけれ、やめてけれ。今夜は思い切り、左卜全(ひだりぼくぜん)になってやる。

▲ 浴室の歌に合わせて啼く蛙


0627・水・

 1874年、明治7年の今日、日本で初めての演説会が開かれた。慶應義塾の福沢諭吉が三田演説会を発足、演説や討論という方法を日本に紹介した。慶應義塾キャンパス、三田の山には今も演説館が国の重要文化財として保存されている。スピーチを演説、ディベートを討論と翻訳したのも福沢諭吉先生である。ご存じだとは思いますが。わはは。

 国会で立憲民主党の枝野幸男代表と安倍首相が党首討論の意義について言い争いをしているけど、党首討論の意味を奪っているのは安倍晋三。ああいえばこういうの安倍晋三。御飯論法、信号無視話法の安倍晋三。カエルのツラにションベンの安倍晋三。このままだと国会の意味さえ破壊しかねない。この人間をいつまでもお山の大将にしておくと、次は日本が破壊される。カエルのツラにションベンにならぬよう、ここは国民みんなで巨大なバケツに水を汲んできて、あいつの頭からぶっかけなくちゃならない。ついでにトランプもトランプタワーのてっぺんから引き摺り下ろさなきゃならない。でも、その前にしなきゃならんのは、民主主義の勉強のし直しかもしれないね。このままだとせっかく手にした主権者の権利さえ失いかねないのです。

 コボちゃんが大切にしているピカピカのスバル・アウトバックに無残な傷をつけたやつがいる。そのまま逃げたやつがいる。今に始まったことじゃないけど、どうしてこういうやからがいるのだろう。いきなり交番を襲撃して拳銃を奪い、今度はその拳銃片手に小学校に駆けつけて警備員を撃ち殺したと思ったら今度は警察官と撃ち合いになり、腹を撃たれて逮捕されるやからがいたり、やたら刃物を振り回して、楽しいはずの新幹線の旅を恐怖の坩堝にしてしまう自分勝手が現れたり、もう世の中無茶苦茶でござりまする。こういうやからは自分のことしか考えません。面白くないから誰でもいい、人を殺してみたかったとか、勝手なことをほざいてる。面白くないのは誰でもない、あんたの責任で、その人の責任ではないのです。
 いつの間にか愛車が傷つけられるような、これまで一度もこういうことがなかったのに、クルマが新しくなった途端に無残な傷をつけられるとは、そこには意地悪とか悪意とか、世間のダークサイドからのメッセージが含まれているような気がしてならないのです。これからは保険の内容を再検討しなければなりません。水漏れがあったり、アルルが肺癌にかかったり、我が家は一難去ってまた一難。コボちゃんはガッカリです。

▲ ででむしが聞き耳立てる口喧嘩


0628・木・満月・貿易記念日・

 足元にはアルル。楽しいドライブかと思ったら、またまたお医者さんなのでガッカリしている。ここは日本動物高度医療センターの待合室。次から次へと飼い主さんとペットたちがやってくる。
 小さな鳴き声はボストンバッグから顔を出してキョロキョロと見まわしてるキジトラの猫ちゃん。ときどき小さく鳴くだけで、ワンちゃんたちがいるからって、決して電気猫になったりはしない。このセンターに連れてこられるペットたちは、みんな静かにしていられる子たちばかり。病気から救ってもらえるペットの条件は、静かに治療を受けられるかどうかにかかっている。ここにくる犬猫はみんなおとなしい。それは病気だからということでなく、飼い主さんたちが優秀だからだ。親の顔が見たいのはワンちゃんたちも同じことで、ペットは飼い主の鏡なのだと思う。
 声がかかって診察室に移動する。今からアルルを高木先生に預けて、抗癌剤投与に耐えられるかどうかの診察があって、問題がなければ実行される。その間、ボクらは四階の待合室で待機する。手術のときほどではないにせよ、抗癌剤というと飼い主の方も緊張する。ああ、待っている時間のなんたるカタツムリ。ひたすらのろのろとしていて、進んでいるのか止まっているのかもわからない。
 声がかかったのは午後もしばらく過ぎてから。高木先生に急患が入ってしまったのだ。アルルは元気にしていて余裕しゃくしゃく。抗癌剤の副作用が出るとしても明日以後だという。ああ、一安心。

 さて、大変だ、時間がない。夕方から経堂駅前ケーキショップ、アルルカンでラジオ出演の打ち合わせをすることになっていたのだ。けれども食事をしている時間がない。そのまま帰宅してアルルを部屋に寝かせ、ボクはコボちゃんにアルルカンまで連行される。家からは歩きである。ところがこういうときに限っていろいろな人に遭遇する。慶應義塾志木高の同期生。親しくしている元小学校の校長先生。立ち止まってはおしゃべりし、立ち止まってはおしゃべりしていると、たちまち遅刻。今日も本当にすいません。
 打ち合わせしたのはNHKラジオのディレクター。元アナウンサーの女性で、コボちゃんによると美人であるらしい。もちろん声も美しく、話しも面白い。たちまちおしゃべりに夢中になる。ラジオ出演はふたつの番組、8月と9月になる予定。放送時間が決まったらお知らせさせていただきます。

 帰り道に経堂のオリジンに立ち寄って、肉野菜炒め弁当を注文する。この肉野菜炒め弁当、透析室でいつも食べてるお弁当。けれども毎日食べてもまだ食べられるマイフェイバリット。7種類の野菜がその素材感を破壊されることなく炒められ、それぞれの個性を主張しながら、それら関係性を上質の豚肉がコーディネイトするという、この豚肉の焼き上がり程度が実にいいのです。どこのオリジンで作ってもらっても、品質が均一で、正社員でもアルバイトでも、しっかりと訓練されていて、いつも感心させられる。最近のオリジン、ますます千客万来で、コボちゃんから、
「ここで待ってて」
といわれたボクは独りで店先で待機する。今日は待つことばかりの一日である。

 家に帰って満腹になって、一眠りしたらワールドカップは日本対ポーランド戦。勝って当たり前、悪くて引き分けみたいにいわれてたけど、やっぱりね。コロンビアに勝てたのはフロックだったんだよね。ストレートに負けちゃったけど、セネガルと反則の数で優位に立てて、それで一次リーグを突破して、肉を切らせて骨を絶つ。なんてカッこよくはないけれど、リーグ突破という最優先課題はクリアした。ガッカリだけど一安心。そういう結果だと思います。で、まだまだワールドカップを楽しめると思ったら大間違い。決勝トーナメントは一度負けたらもうおしまい。なのに相手はランキング第三位のベルギー。こりゃあきまへん。試合が始まってすぐに強烈な反則でもしてもらわない限り、可能性は99.9パーセントありません。でも負けてくれれば敗けた先のにわかサッカーファンは、夜はひたすら眠るだけなのです。

▲ 梅雨晴れやバッグの子猫顔を出す


0629・金・

 本日は日本のBデイです。1966年、昭和41年の今日、ザ・ビートルズが来日。翌日から3日間、武道館でコンサートを開いたのです。警視庁はこれを千載一遇の好機とばかり、ビートルズ総合警備本部を設置、いろいろな口実、いろいろなパターンでの警備訓練を実施したのです。このときの警備体制というのがお笑いで、皇居のお堀に警備ボートを浮かべたり、武道館のアリーナのステージ前にずらり、警察官を並べたり、ビートルズファンをまるでゴジラかガメラみたいに扱ってくれたのです。もちろん、これは決して大げさな表現ではありません。コンサートティケットを入手したボクが実際に目撃したんですから、これ、本当の話なんです。でもね、ビートルズが熱演するステージの前にずらり並んでた警察官諸君、誰よりも近い場所で、誰よりもクリアサウンドでビートルズ体験ができたんだから、きっと死ぬまで自慢の種にできるのでしょう。ま、背中を向けていたわけで、ビートルズの面々を拝むことはできなかったんだけどもね。

 働き方改革が与党の無理強いで可決されそう。この際の国民民主党の与党寄りの姿勢を問題とする向きがあって、あれは与党でも野党でもなく、ゆ党であると批判されている。この場合の「ゆ」はユデガエルのつかっている「ゆ」であり、漢字にすれば湯党となるのだろうね、やっぱり。ま、意味のない野党なら、早く解散した方がいい。権力を批判しない野党なんてまったく存在価値を認められないのである。野党が湯党になってしまうと、権力に対抗するのは憲法だけということになり、政権与党はますます権謀術数を駆使して憲法改悪を企むのだろうね。

 まだ6月だというのに気象庁は関東地方に梅雨明け宣言を発令した。統計上、最も早い梅雨明け宣言である。これまで気象庁は6月の梅雨明け宣言を可能な限り回避してきた。梅雨前線がうろうろしているこの時期で国民に梅雨明け宣言でおかしな安心感を与えて水害に対して油断して欲しくない、という理由からである。で、我が家では早速冷房でこの梅雨明けに対処。仕事部屋も居間も、2台のエアコンで冷やしまくる。おかげでほぼ猛暑日の暑さにも耐えられたのです。アルルもすやすやと眠ることができて、抗癌剤の副作用に備えることができたのです。

▲ 梅雨明けやそのうちきっと茹で蛙


0630・土・

 NHKマイ朝ラジオによると、1948年、昭和23年の今日、アメリカのベル研究所がトランジスタを世界で始めて公開したという。それまでの主流、真空管より計量小型で寿命も長く、消費電力が小さいことからその後の電子機器のあり方を大きく変えることになったというのは誰でも知っていると思うけど、トランジスタとボクが同い年だったとは知らなかった。ボクがトランジスタラジオを始めて手に入れたのは小学6年生のときだった。そういえば最近、トランジスタグラマーなんて言葉も耳にしなくなったけど、トランジスタもあんまり普及しちゃうと話題にもしてもらえなくなるんだよね。そういえばグラマーも話題にならないけれど、グラマーが当たり前になった、とはほとんど聞いてない。

 台風7号が発生した。現在沖縄に向かっているらしい。梅雨が明けたり台風が生まれたり、お天気関係も忙しい。どうか夏の大魔王様、お手柔らかにお願いいたします。

 土曜の朝いちばんのニュースである。野口雨情のシャボン玉じゃないけれど、ホリエモンのロケットが飛ばずに落ちた。おまけに燃えちゃった。長さ10メートルだから糸川英夫教授のペンシルロケットよりはかなりデカイ。とにかくこのロケット、日本では民間が宇宙空間を目指して打ち上げる最初のロケットなのである。前回の打ち上げのときは伊集院光さんが現地の北海道に飛んでいって、結局整備不良ということで発射には立ち会えなかった、と聞いている。今朝の打ち上げ失敗でも、ホリエモンのロケットでガッカリしていたのは子どもたち。ドラエモンのロケットでなきゃ、やっぱりダメかもしれないね。

▲ 堂々と明けていよいよ夏本番


◆ 7月・文月・
0701・日・国民安全の日・富士山開き・海開き・

 本日は童謡の日だそうです。どどど、どうしよう。と、オイラが動揺してどうすんの。1918年、大正7年の今日、児童文芸雑誌「赤い鳥」が創刊されたことにちなんで、1984年、昭和59年に日本童謡協会が制定したものだそうです。「赤い鳥」というと童謡詩人、金子みすゞが投稿したことでも知られています。彼女の存在価値がますます評価されて、それは素敵なことだと思う。幼いときに歌った童謡が大人になってからますます心と身体に染みこんで、郷愁と存在意義を深めていく。童謡はまるで金子みすゞの存在みたいです。その存在を掘り起し、衆知させた詩人、矢崎節夫さんの功績は限りなく大きいと思うのです。そして矢崎さんは実はボクの友人。失明当時、矢崎さんは数多くの本や詩集をボクに提供してくださり、その中にこの金子みすゞの詩集もあって、金子みすゞブームが到来する以前から彼女の詩に親しむことができて感謝しているのです。と、またまたの我田引水でした。

 1968年、昭和43年の今日、郵便番号制度が開始された。三桁、もしくは五桁の数字を自動区分機が読み取り、郵便物を瞬時に区分けすることが可能になった。とまぁ、便利になったような気もするけど、郵便局員の仕事は減るし、一般人は地名を覚えなくなったし、地名を書くより郵便番号を調べる方が面倒臭いし、本当に儲かったのは誰なんだろうね。

 さて、今日から7月です。ボヤボヤしてたら今年の上半期も終わってしまいました。そこでいつもの恒例、全国の日の出日の入りの時刻です。札幌の日の出は3時59分、日の入りは19時18分。仙台の日の出は4時16分、日の入りは19時4分。東京の日の出は4時29分、日の入りは19時1分。大阪の日の出は4時48分、日の入りは19時15分。福岡の日の出は5時12分、日の入りは19時33分、ということでした。今月もよろしくお願いいたします。

 台風7号が沖縄に接近しつつある。で、東京は猛暑の寸止め、真夏日の中の上。アルルの昼寝しているリビングはエアコンにお任せして、ボクの仕事部屋のエアコンにはお休みしてもらってガラス窓を全開。台風7号の影響と思われる湿った南風が適度な強さで吹きつけてくれるのです。エアコンの代わりにはなりませんが、それなりに涼しくて、今週の日誌の整理と、ブログ原稿送信の準備はしっかりできました。おかげで明日には送信できそうです。また今回も今週の言葉はサボッてしまいますが。

▲ 子どもらが駆けていくいく海開き




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