全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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2017年8月21日~27日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。


0821・月・

 1911年、明治44年の今日、パリのルーブル美術館からモナリザが盗まれた。ダビンチの名画、あの永遠の微笑が盗まれたのだ。そしてその2年後、イタリアのフィレンツェで発見され、ルーブル美術館に出入りしていたイタリア人が逮捕される。いやぁ、見つかってよかった。今は分厚いガラスに守られて本来の色彩を味わうことが難しくはなっているけど、それでもやっぱり本物から発せられる魅力は圧倒的だった。とは、1972年のぱり、ルーブル美術館で初めて本物のモナリザを目にしたオイラの感動である。そう。その頃のモナリザは、ガラス越しでない、間を隔てる物質は空気しかなかった時代なのである。わぁ、自慢しちゃった。美術品はそのオリジナルに作者のエネルギーが生きたままに封印されているのであって、それをオーラというのかもしれない。そしてそのオーラ故に盗まれても隠されても発見されるのかもしれない。

 コボちゃんがスタジオクラスター北軽井沢分室のお風呂場の掃除をしていたら、頭の上をひらひらと何かが舞い込んできた。見上げて驚いた。あのコウモリなのである。放してあげたはずの、あの耳の大きな可愛いコウモリなのである。アゲハチョウみたいに可憐に舞い飛ぶ、あのコウモリ君なのである。それがひらひらひらとコボちゃんを確かめるように周囲を飛び回ったかと思うと、また小さな換気窓から外へ飛んでいった、というのである。蝙蝠の恩返し。まさかね。それともコボちゃんが、
「またおいで」
といったのを理解したのだろうか。これまた、まさかね。もしかしたらあの蝙蝠、自分の家の引っ越し候補地を探しているのかもね。蝙蝠は人間と同じ哺乳類なので、人間と犬と猫の我々家族に親近感を抱いたとしても不思議ではない。蝙蝠、素敵な生き物だと思う。
 で、そんなことを考えていたらグッドアイディアが浮かんできた。カレンダー5月の絵が決められずに悩んでいたのが解決したのである。構図はコウモリのお引越し。耳の大きな蝙蝠君がこれまた大きな革鞄をぶら下げて鳥たちのアパートメントへ引っ越してくる。そしてその樹の家は2月に登場するウクレレガエル君の住んでる家でもあるのだ。そして5月だから、樹の家は新緑。若い緑の葉っぱで飾られているのである。さぁて、うまく仕上がるかなぁ。

 またまたイージス艦が衝突事故を起こした。それもまたまた横須賀基地に所属しているイージス艦なのである。トランプが大統領になって以来、アメリカ海軍は機能不全に陥っているのではなかろうか。ま、あんな大統領だと軍人もやる気をなくすのも不思議ではないと思う。世の中で起きていることのすべては必然の結果なのです。

▲ 真昼間秋の蝙蝠お引越し


0822・火・新月・

 1944年の今日、学童疎開船「対馬丸」に米海軍の潜水艦が魚雷攻撃を仕掛け、鹿児島県沖で撃沈し、沖縄の子どもたち、およそ800人を含む1400人以上を犠牲にさせた。また、1945年の今日、樺太からの引き揚げ船3隻が北海道沖で国籍不明の潜水艦に攻撃され、2隻が沈没、1隻が大破して1700人以上が犠牲となった。そして同じ1945年の今日、ラジオの天気予報が復活する。太平洋戦争中は国防上の理由で天気予報は極秘情報、放送禁止だったのだ。翌日からは新聞の天気予報も解禁。8月のこの頃というと、こうした情報をよく耳にするようになり、戦争を忌避する気持ちと平和に感謝する気持ちが高まってくる。そして現行憲法のありがたさが身に染みるのである。憲法改悪絶対反対。

 昼間、猫のミミコがオニャオニャと叫びながらスタジオクラスター北軽井沢分室を駆け回っている。そして網戸に繊細な羽根のぶつかる音。聞けば大きなトンボであるという。あ、これコボちゃんに聞いたんです。猫のミミコが教えてくれたわけじゃないんですけど、それってトンボじゃなくてヤンマ。それもオニヤンマかギンヤンマです。そりゃ猫のミミコのおやつにするには非人情。すぐに網戸を開放し、ヤンマを空に解放してあげた。
 で、夜になってコボちゃんと音声映画「ローマの休日」でヘップバーンとグレゴリーべっくの禁じられた恋に心を揺すぶられていたら、ヒラヒラヒラ。頭の上を蝙蝠が飛んでいる。今夜は夜行性の生き物らしく、まともに夜の中を飛んでいるのだ。蝙蝠君、よっぽどこのお家が気に入ってしまったのね。それにしてもスタジオクラスター北軽井沢分室の何たる広さよ。天上が高いからこそ蝙蝠も安心して飛んでいるのである。さあ、蝙蝠君。いっぱい蚊を食べて頂戴な。

▲ ギンヤンマ窓から窓へ一直線


0823・水・処暑・

 1988年の今日、宝くじで大変珍しい当選番号が出たという。ダブルチャンスくじの一等1千万円の当選番号が09組の111111番という、6ケタの数字がすべて1という1並びの数字が出たのである。こうした番号が出る確率は420万分の1ということだが、この確率って、数億円の宝くじが当たる確立とどっちが希少なんだろう。いずれにせよ、籤運の悪い自分に宝くじが当たる、というような事態を予測したことは一度もない。けど、ニューヨーク個展を開くとき、ジョンレノンのポートレート版画を持っていき、それを100パーセント面識のないオノヨーコに渡せる確率は宝くじが当たる確率とどっちが高いか低いかなんてことを考える以前に、渡せることを疑わずに持っていき、そして渡せたのである。宝くじは当たらないけど奇跡は起きる。今もそれを信じて生きているのである。

 これから東京へ戻るというのに集中力を発揮してカレンダーの下絵1枚を仕上げた。4月は「新任教師」。カバとキリンの新任教師にウサギの子が桜の花びらの首飾りをプレゼントするという構図である。カバさんもキリンさんもスーツに身を包み、ネクタイをしめている。頭の上は桜が満開なのだろう。次から次へとピンクの花びらが落ちてくる。そんな絵である。
 さて、「おえかき」のBGMは山口百恵のヒット曲の数々。不思議なことにスタジオクラスター北軽井沢分室にくると、山口百恵が聴きたくなるのだ。この人の歌は時代が経過すればするほどよくなっていく。歌の意味が深くなっていく。存在の価値が低下しないのである。つまり、美空ひばりと同じく、偉大なる歌い手であったのだ。そしてこんな偉大な歌手にボクは挨拶をされたことがあるのだ。おまけにその楽屋で彼女が食べていた苺を手渡され、ボクも食べたことがあるのだ。70年代、ボクは芸能イラストルポライターとして仕事をしていた時代があったのである。アグネスチャンや南沙織。いつかそんな自慢話をさせていただきます。さて、東京の天気予報は猛暑日。戻った途端、熱気に包まれた。ボクらが北軽井沢にいる間、東京はずっと涼しかったのにね。今年の夏はアンラッキー。ついてません。

▲ 夕空はいつの間にやら秋の雲


0824・木・

 昨日が高校野球の決勝戦で、埼玉県の代表校が優勝して、にぎにぎしくも高校野球も閉幕し、今日からはめでたく子ども科学電話相談室が始まった。その最初の朝の質問である。
「暑いので扇風機の風にあたりながらアイスクリームを食べていました。そしたらアイスクリームがどんどんとけていってしまいました。私は涼しかったのに、アイスクリームは涼しくなかったんですか」
 さて、どうでしょう。解答者の先生方の四苦八苦の解答ぶりをご想像ください。それにしても司会のアナウンサーがうるさいような気がして仕方がないのです。せっかく解答者が苦労して答えているのに、それをアナウンサーの理解力で要約して子どもたちに無理矢理に納得させようとするのがうるさいのです。要するに子どもたちをリスペクトしていないのです。密かではありますが、心の中では子どもたちを劣った存在として考えているのではないのかと疑いたくなるのです。質問の理由を子どもたちから聞き出そうとするのも余計なお世話であるような気がします。子どもたちが返答に苦慮していると、電話機のあちらで聞き耳を立てている母親が必ず助け舟を出そうとして、それが電話口の子どもに反映するのも愉快ではありません。鬱陶しいのです。子ども科学電話相談の熱烈ファンといたしましては、どこまでも子どもたちにのびのびとしてもらいたいのです。夏休みももうすぐ終わることですし。

 NHKラジオ第2「朗読の時間」は谷崎潤一郎の猫談義。小説「猫と庄造とふたりの女」が終わってしまったからで、この作品で谷崎潤一郎が無類の猫好きであることが判明したわけだけど、その猫についての随想なのである。けれども谷崎は小説「蓼食う虫」では犬好きであることも暴露している。谷崎は女好きで犬好きで猫好きであったのだ。ああ、誰かさんと同じなのであったのだ。

▲ 階下から秋刀魚の煙猫の髭


0825・金・

 またまたNHKマイ朝ラジオ「今日は何の日」の受け売りなんだけど、今日は1931年に東京飛行場、今の羽田空港が開港された日であるらしい。中国の大連に向けて飛び立った1番機にはスズムシトマツムシの合わせて6千匹が積み込まれていたというんだから、よっぽど積んでいくものがなかったんだろうね。ま、スズムシもマツムシも軽くて安全だし、中国の人たちにも喜ばれると思ったのか、それとも現地で働いている日本人を慰めるためだったのかこれはいつか調べてみよう。いずれにせよ、この積荷情報には心を引かれる。
それからもうひとつの受け売りだけど、1958年の今日、あのチキンラーメンが発売された。世界初めてのインスタントラーメンである。お湯を注いで3分間待つのだぞ。あのチキンラーメンである。もちろんウルトラマンのカラータイマーの3分間もインスタントラーメンと関係がないはずがない。このチキンラーメン、発売当時は入手困難で、手に入ったときは欣喜雀躍、家族一同が手を取り合って舞い踊ったものである。お湯を注がれた丼を前にして、家族一同、時計を睨みながら3分間、ひたすら期待に胸を膨らませていたのである。でもねぇ、ちっともラーメンの味じゃなかったんだよね。ラーメンという単語にチキンという枕詞をつけるだけの理由のある味だったんだよね。でも、その味がいつか定着して、今は人気の的となり、その味と香りはカップヌードルに受け継がれているのはご存じの通りであるのだ。あの人生最初のチキンラーメンの記念日は今も心に熱く刻まれているのである。

 暑かったのでずっと冷房のお世話になっていた。なのにアルルが目の前であえいで見せ、冷房の設定温度をもっと下げろと催促する。そこでリモコンを取り上げ、コマンドボタンを押してやる。ピッと温度設定の音がした途端、アルルのあえぎはボタンを押したみたいに停止する。ま、本当にボタンは押したんだけど、そんなにすぐに温度が下がるわけはないのだ。もしかするとアルルはこのボクを世の中の天候を支配する存在と思いこんでいるのかもしれないのだ。

▲ 一番機旅をするのは秋の虫


0826・土・

 朝も早くから北朝鮮がまたまた何やら打ち上げたらしい。昨日あたりからそろそろ大陸間弾道弾を打ち上げるんじゃなかろうかと騒がれていたタイミングだったので、すぐにラジオは飛距離1万3千キロでアメリカ大陸まで届くとか届かないとか騒いでいたけど、結局のところ打ち上げたのは短距離ミサイル3発で、そのうち1発は打ち上げ直後に爆発して、まともに飛んだのは2発だけで、それもたったの250キロを飛んだだけで、日本海に落っこちた。ま、ミサイル発射は失敗に終わったのかもしれないけれど、ウィークエンドの日本列島を朝から大騒ぎさせたという点では大成功で、それを安倍政権が迷惑と感じているかというと実はそうでもなくて、加計学園問題で真っ青になってるはずの安倍晋三はますます元気になっているのである。同じことを何度もいうようだが、北朝鮮のミサイル打ち上げは安倍晋三の援護射撃にしかなっていないのである。

 秋の蚊と闘いながらNHKラジオの昼のニュースを聴いていたら、「昼の憩い」にエポの曲、「音楽のような風」がかかった。久しぶりに彼女の歌声を堪能したけど、エポ、やっぱりいいな。あの歌声は神様が彼女に与えたプレゼント、というような気がする。もっとラジオにかかればよいのにね。そういえば彼女のアルバムをプレクストークに入れてあったことを思い出した。別に忘れてたわけじゃないけど、人生の残りの時間が少なくなると、なかなかポップソングに浸っていることができなくなってくるのです。本を読むだけで精いっぱいになってくるのです。そしてボクは今、恩田陸の「錆びた太陽」に夢中。昨日、サピエ図書館に恩田陸の「錆びた太陽」がアップされているのを発見、早速ダウンロードしたのです。週刊朝日に連載中からいつか、最初から最後までまとめて一気に読みたいと願っていたのです。だからエポ、ごめんね。

▲ 秋の蚊はみんな貧血飢えている


0827・日・

 1971年の今日、政府は翌日から円を変動相場制に移行することを発表。米国のドル防衛対策、ニクソンショックによる影響である。これで戦後22年間続いた1ドル360円の固定相場制が崩壊した。もっともこの360円という数値、円は360度からきているもので、要するにアメリカが円を馬鹿にしてた数字。でも、この360円の固定相場制のおかげで日本の経済は滅茶苦茶に救われたんだよね。安い円のおかげで日本は貿易国として有利な立場におかれたのです。けど、ボクは変動相場制に救われた。変動相場制が導入された翌年の1972年、初めて海外旅行をしたボクは価値の上がった円に救われることになる。1ドル360円で海外を旅することはとても大変なんです。そして時間が経過すればするほど円は価値を上昇させ、ボクらはその後の海外旅行で金持ち気分を味わえることになるのです。

 ヒラリークリントンがその回顧録の中でトランプをこの世で最もおぞましい男として描いているという。大統領選の討論会の舞台でヒラリークリントン候補にトランプがやたらつきまとい、後ろから近づいてきて彼女の首筋に息を吹きかけるというのだ。おお。想像しただけで全身に鳥肌がって、思わず白色レグホンに変身したくなってしまう。ヒラリーにとっては、この男に敗けたという事実だけで、これからの人生を生きていけないほどにショックを受けたに違いないのだ。けど、それ以上にトランプを当選させたアメリカはショックを受けている。未来をどう生きていこうかと混迷の真っ最中で右往左往しているのだ。今、アメリカの政治は文字通り五里霧中なのである。

 日曜日のお昼はウィークエンドのお楽しみ、「NHK素人喉自慢」。やっと高校野球が終わってくれて、今日は喉自慢。嬉しいな。「夜桜お七」を歌っていた感動的に歌のうまい女の子がチャンピオン。坂本冬美さんに
「私よりもうまく歌ってくれないでよ」
と喜ばせていたほどの見事な歌声だった。納得のチャンピオンである。

 今日は朝から涼しい。かなり涼しい。ここんとこ、朝夕はずいぶん涼しくなってきて、ちょっぴり寂しい気分なんだけど、遊歩道では蝉君たちが頑張って鳴いてくれている。ちょっと弱弱しい鳴き声だけど、頑張って鳴いてくれている。そうだよな。まだまだ夏におさらばしたい気分ではないのです。今年はまだ、夏を満喫したような気分にはなってないのです。

▲ 腹を見せ空を見上げる秋の蝉




2017年 8月14日~20日
■ 

☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。


0814・月・

 1945年の今日、御前会議でポツダム宣言の受諾が決められた。米英、中国による日本に対する無条件降伏を迫る条約を昭和天皇の見守る中、受諾することを決定したのである。そしてその翌日、日本国民は昭和天皇のアナウンスにより、その事実を知らされることになる。これが敗戦記念日。公式には終戦記念日と呼ばれているが、事実は敗戦記念日。日本は停戦を勝利と書き換えるような北朝鮮じゃないんだから、事実は事実として認めるべきなのである。とはいえ、今でも歴史を書き換えたくてたまらない人たちが政府の中枢にいるんだから、あんまり安心はできないのだ。

 スケッチブックに向かいながら、高校野球のラジオ中継を聞き流していたんだけれど、だんだんむかついてきた。不愉快になってきた。このアナウンサー、ゲームを実況中継することに精一杯で、それ以外のことにはまるで気持ちが向いてない。プレイをどんなに精緻に描いても、選手たちの名前をどんなに正しく発音しても、どことどことが対戦してるのかわからないと、どっちを応援していいのかわからない。そう。世の中、判官びいきの人もいれば都道府県にこだわる人もいる。それぞれ「ひいき」というものがある。本当は応援していてもいなくても、取りあえずどちらかを応援するモードでないと、高校野球を聴いていても、あんまり面白くはないのである。あれれ。BGMのつもりが、いつの間にか高校野球に引き込まれていたじゃないか。で、むかついているうちにゲームは終了。この試合、鹿児島の神村学園と京都の京都成章のゲームだったんだけど、試合中は学校名を連呼するだけで、いつまで経ってもどこの代表だか教えてくれない。片や「神村」、こなた「京都成章」を連呼するだけ。こなたの「京都成章」は頭に京都とついているので、京都の代表だな、ということは誰にもわかる。けれども片やの「神村」がどこの「神村」だかわからないし、そもそも「神村」なんだか「上村」なんだかもわからない。ここがラジオのウィークポイント。そこへアナウンサーがテレビ中継が専門だったりすると、聴いている側が情報的に画面のサポートをまるで得られていないということに思いが至らない。というわけで、ゲームが終了した時点で初めてこのゲームは鹿児島と京都の対戦であったことが判明したのである。あああ。ここまで、どれだけイライラしてスケッチブックに向かわなければならなかったことか。ところが続く試合を担当したアナウンサーは実に気が利いていて、校名の頭に必ず出身都道府県名を加えてくれる。で、やっと安心して高校野球中継をBGMに「おえかき」に集中できたのである。ちゃんちゃん。

 ボクが透析を受けている間、コボちゃんは新宿へと画材の買い出し。帰りは伊勢丹のデパチカ見物。そしてまさか、見物だけで終わるはずがない。今年の秋刀魚か去年の秋刀魚か知らないけれど、ボクの大好物、秋刀魚の南蛮漬けと、伊勢丹お勧めの豪華幕の内弁当を買ってきてくれた。聞けば、半額セールだったという。この秋刀魚の南蛮漬けでコボちゃんと乾杯。夜中に盛り上がる。けれども豪華幕の内弁当よ、お前にだけは一言いいたいことがある。白いご飯に勝手に「ゆかり」なんかかけさせるな。せっかくの白飯がまずくなる。ボクは赤紫蘇が好きでないのだ。この世でいちばんのご馳走は白い御飯と信じているのだ。そもそも白飯に「ゆかり」をかけるなんぞ、古米であることを誤魔化すためのズルじゃないのかね。伊勢丹の豪華丸の内弁当なら、そんなズルはやらない方がいいと思います。

▲ 迎え火やあの敗戦を忘れない


0815・火・下弦・敗戦記念日・月遅れお盆・

 グアムにミサイルをぶっ放すの放さないの、金正恩とトランプの口げんかはエスカレートするばかり。そんな真っ最中、安倍晋三は高度数百キロを飛来する北朝鮮のミサイルを本気で撃ち落とすつもりなのか、国民の生命と安全を確保するんだと鼻息が荒くなっている。けれど聞くところによると自衛隊の迎撃ミサイル、パックスリーの射程は20キロ。それってまるでB29をパチンコで撃ち落とせると思っている幼児みたいな発送。この敗戦記念日というタイミングにもう少し金正恩とトランプの間に入って両者をなだめるような気の利いた言葉を投げかけることはできないのだろうか。ま、安倍晋三も金正恩やトランプに負けないくらいお坊ちゃまで、戦争の好きな血筋なんだよね。安倍晋三、国民という常識ある大人たちが民主主義の力で何とかせにゃあかん、と思う。とにかくこの日、武道館における今上天皇のお声に傾聴したい。この日本で陛下ほど平和を望んでおられる方はおられないのである。

 ザンザカと音をたてて雨が落ちていたかと思ったら、今度は晴れ間が出たらしい。頭の上でいきなり蝉が鳴きだした。その声のでかいのなんの。最初はどこかのサイレン機械が故障して、騒音を発生させたのかと思ったほど。あんな小さな身体のどこからそんな音が出るのかと脅威に思うほどの声である。考えてみれば夏の間、窓の外のすぐ傍で蝉に鳴かれるなんてことは滅多にあるもんじゃない。この蝉、何手種類なんだろう。いろんな蝉がいるけれど、その種類について考えることなんてほとんどない。ああ、蝉が鳴いてるなとか、蝉時雨が落ちてくるなとか、蝉という単位でまとめて受け取るだけで、蝉単体で受け取るなんてこと、あんまりないのである。それにしても、何と不思議な声だろう。とても生き物の声とは思えない。まるでマシーンである。なのに今、ボクはこの蝉に激しく愛おしさ(いとおしさ)を感じている。たまらなく懐かしさも感じている。地面の下で歳月を費やし、そこから這い出して殻を脱ぎ捨て、この夏のために鳴いている、この蝉に燃える命を感じているのである。蝉さん、ありがとう。

▲ 武道館敗戦の日や秋の蝉


0816・水・

 1943年の今日、東京都が上野動物園に対して猛獣を処分するよう命令する。戦時下の東京へ空襲の可能性が高まってきた、ということで猛獣の脱走を恐れたのである。ゾウ、ライオン、ヒョウ、トラ、クマなど27頭が殺された。これを童話にしたのが土家由岐雄(つちやゆきお)のかわいそうなゾウ」であり、毎年敗戦記念日に評論家の秋山ちえ子さんがその童話をラジオで朗読してくれていた。この朗読、秋山さんがお亡くなりになるまで、最期まで続けられた。今、この朗読がラジオから聞こえてこないことを心から残念に思う。誰か引き継いでもらえないものだろうか。伊集院光さんあたり、やってみませんか。意外とよいかも。

 ここんとこ、ボクがやたら注目している役者さん、小日向文代(こひなたふみよ)がTBSラジオの伊集院光(いじゅういんひかる)の朝の番組に出演、本当にいい人なのだと納得させられる。この役者さんを好きになったのは三谷幸喜監督作品のおかげ。「ザ・マジックアワー」や「清州会議」の好演でボクのハートに火を点けたのである。 そして最近ではいすずのトラックのラジオCMでの、往年の名優、あの藤村俊二さんを彷彿とさせるとぼけた語り口調と歌声がますますボクのハートに火を点けたのである。この人、意外と若くない。どちらかというとボクに近い年齢のおっさん。そして苦労人。つい昨日もプレクストークで三谷幸喜監督の「素敵な金縛り」で小日向さんの好演ぶりを拝聴したばかり。今朝のラジオでますます好感を抱いてしまいました。

 今日までの東京は8月になってから毎日雨が降っている。まるきり、お日様が顔を出してくれないのだ。これじゃ農家はたまらない。作物たちもたまらない。そのうち野菜も高騰し、家庭の主婦も音(ね)をあげる。もちろん主夫も悲鳴をあげる。こんなことって、1977年以来のことだとラジオがいってたが、そんなことあったっけと振り返ってみたら、その年の8月はボクは寺村輝夫先生に連れられて東君平さんや和歌山静子さんらとケニアを旅していたので、まるで記憶がないのだ。そして帰りの飛行機の中で白人の乗客がエルビスプレスリーが亡くなったという一面記事の新聞を広げているのを目撃し、愕然としたのである。そう。1977年の今日、エルビスプレスリーが42歳で亡くなっている。来月になれば69歳になる今の自分が振り返ると、あまりの若さに改めて愕然とするのである。

▲ 見上げれば青空染めて秋茜


0817・木・

 軽井沢の路は混雑している。久しぶりにお日様が顔を出したから。そういうわけでもないと思う。やっぱり軽井沢なのである。ゴルフ場では若い人たちが普段着でゴルフを楽しんでいる。ゴルフウェアなんて約束事に若い人たちは惑わされないのだ。レンタルのゴルフクラブでお金をかけず、休暇を楽しむ術を心得ているのである。だから晴れてよかったね。

 天気が悪いのにアルルはコボちゃんをサンランドまで引っ張っていく。黒雲が湧いて遠雷が轟いているのに足は止まらない。ぐいぐいと引っ張っていく。そして待望のソフトクリームを胃袋に納めたのである。ところが北軽井沢スタジオに戻ってきてすぐ、頭の上で雷が鳴りだすとたちまちボクの足元に救いを求めて飛んでくる。アルルはボクが天候をコントロールする力があるとでも思い込んでいるのだ。その証拠に世の中が耐え難いほど暑くなると、やっぱりボクの足元にやってきて、これ見よがしにハァハァと喘いで見せて、ボクに冷房のスウィッチを入れさせるのである。

 北軽井沢の夜である。北軽井沢スタジオの屋根で雨がパラパラとパーカッションをして遊んでる。鰻の蒲焼と筋子と蛸ぶつをつまみつつ、アイラスコッチのボウモアをちびちびやりながらコボちゃんと映画「ジョーズ」を観る。物語世界に没頭する。スピルバーグの脚本がいいのは勿論、檀鼓太郎の音声解説がいいのだ。夢中にさせてくれるのだ。そして音声解説が何であるかをよく理解してくれてる檀鼓太郎は音楽が大きくなればナレーションする自分の声も大きくするという工夫も凝らしてくれる。原稿を美しい声で正しく読みさえすればよいと思いこんでる、音声解説にありがちな落とし穴にはまらないのである。おかげで東京から北軽井沢への移動でくたびれたボクやコボちゃんのこの夜を檀鼓太郎のナレーションがすっかりリラックスさせてくれたのである。そして傍らではそれぞれ自分たちにあてがわれた布団やクッションで、やっぱり移動でくたびれ果ててるイヌやネコドモがしっかりと寝息をたてているのである。檀鼓太郎さん、ありがとう。

▲ 雨音は秋の気配の山の夜


0818・金・

 未明、イノシシのクシャミで目を覚ましたコボちゃんがアルルとしっかり雨に濡れて朝の散歩から戻ってきた。今日も天気が悪い。天気予報は当たらないし、ちっとも夏らしくないし、こんなんじゃ北軽井沢にいる意味がない。こんなんじゃ避暑にならないのだ。寒いのだ。「おえかき」をするにもストーブが必要なのだ。でないと、手がかじかんで動かなくなってしまうのだ。今年の夏、怨んでやるぞ。

 午後になって少しは温かくなり、冷えた頭もウォームアップ、回り始めた脳味噌の中で構図もまとまってきた。1月のタイトルは放浪者。棒に包みをぶら下げた旅人さんが、マルチーズを連れて旅路をいく。そんな絵である。2月はハッピーバレンタイン。冬眠中のカエルの家にリスさんが大きなハートのチョコレートを抱えてやってきた。ストーブのポットはスチームでホイッスルを鳴らしている。10月は親友の建築工学博士、深尾精一君がモデルの絵。本の積まれた部屋の片隅でミミズク博士が片手で家の模型を持ち上げて、テーブルの上の都市計画の模型に配置しようとしている。模型の家には窓の明かり。部屋の中なのに、模型の街の家々は月の明かりに照らされている。タイトルは「月明かり」。7月は閃光花火。線香花火じゃないんです。キツネの子がバチバチと閃光を発する花火で遊んでいる絵です。でも、このキツネの子の表情が妙にうまくいかず、コボちゃんからなかなかOKがもらえず、紙の無駄遣いをしてしまう。ボクがモタモタしている間にコボちゃんはボクの色指定の通り、放浪者の彩色を仕上げてしまった。2018年度のカレンダー、順調に仕上がってます。

▲ いのししの声で目覚める軽井沢


0819・土・

 階下のスタジオで角が1センチ、全長が17センチの巨大なナメクジが壁に貼りついているのをコボちゃんが発見。茶色の斑点まであったという。自分の目を信じられないコボちゃんは巻き尺を持ち出し、実際に長さを測定したのだから、17センチは間違いない。そしていくら巨大だからといって、そのナメクジが大切にされるわけではない。壁にピッタリと貼りついているのを杉の木の枝でそっとはがされ、そのまま木の枝に乗せられて外まで連行される。ホットしたのもつかの間、今度は3センチのスズメバチが部屋の中を飛び回っている。猫のミミコが見つけたら、ちょっかいを出して刺されるかもしれない。んなことになったら小さな猫の肉体がアナフェラキシーショックを起こすかもしれない。虫取り網を持ち出し、そいつで優しく捕獲して、窓の外に解放して差し上げる。おかげでスズメバチ君、何の悪さもせずに自分の家に戻ってくれた。ところが今日は訪問者の多い午後で、今度は頭の上をヒラヒラ、ヒラヒラと舞うものがいる。最初は大きなクロアゲハだと思ったという。でも、よく見ると黒よりも茶色という感じ。鳥だったら大変。たちまち猫のミミコの餌食になってしまう。ところがこのアゲハだか鳥だかの謎の生物、窓と網戸の間に潜り込んでしまった。で、網戸を開けてやろうと近づいたら何と、大きな耳があるではないか。それが窓と網戸の隙間をヨチヨチと歩いているのである。それは体長10センチのコウモリ君だった。コウモリという生き物を間近に見るのは初めてのコボちゃん、そのあまりの可愛さにたちまち親近感を覚えてしまった。だったらなおさら猫のミミコにやられたら可哀想。遊び相手が欲しくてたまらない猫のミミコは寝室に閉じ込められてしまう。何が起きたのかと猫のミミコは大声で抗議する。その間にコウモリ君は窓と網戸の隙間から這い出してヒラヒラヒラ。階下へ飛んでいき、いつの間にか姿を消していた。このことでコボちゃん、すっかりコウモリファンになってしまったのである。ちなみに、ボクもコウモリファン。彼らとはお近づきになりたいと以前から思っていたのである。

▲ 舞いこんだ秋の蝙蝠ご転宅


0820・日・

 小説「学校の怪談」を聴きながら来年のカレンダーの下絵を描いている。広い北軽井沢スタジオはボクと猫のミミコ以外、誰もいない。コボちゃんとアルルは散歩に出たっきり、まだ戻ってきていない。怪談はますますコワくなる。いきなり階下で何かの音がする。空気が急に冷たくなる。もしも頭の上でこないだのコウモリ君が飛び回りでもしたら、きっと腰が抜けるだろう。こういうとき、大型犬のアルルなら少しは頼りになるけれど、猫のミミコは何の役にも立ちゃしない。この北軽井沢スタジオ、実はスタジオクラスター仲間のキンさんの霊魂が宿っているのだ。キンさんはスタジオクラスターの青木岳志さんと一緒にニューヨークのボクをサポートするために飛んできてくれた大切な仲間のおひとりなのである。ところがこのキンさん、2008年に別の世界へ飛び立ってしまった。ここにはそのキンさんが残していった貴重な作品が大事に保管されているのだ。だからもちろん、その仕事にこめられたキンさんの魂も遊んでいる。ひとりで仕事をしているときなど、
「エムさん、何してんの?」
とパソコンの画面を後ろから覗き込んできたりする。そんなキンさんの気配を現実のものとして感じることがあるのだ。でも、霊魂の存在を感じるのはここだけじゃない。家で仕事してるときは幼馴染の霊魂がときどき遊びにくる。昨年、彼がこの世から旅立つときは、ちょいとした手痛い挨拶をしていってくれたものである。やっぱり幼馴染なのである。出られたら悪い気はしないのである。彼らはちっともコワくない。本物の霊魂とか幽霊とかは、決して恐怖を感じさせたり危害を与えたりはしないのだ。恐怖を与えるのは作り話の幽霊。怪談の中のお化けや幽霊たちだけ、なのである。

▲ 幽霊とおえかきしてる秋の暮れ




2017年 8月7日~13日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。


0807・月・立秋・

 本日は立秋。暦の上では秋である。でもちょっと信じられません。そして今日から高校野球が始まることになっていた。夏休み子ども科学電話相談はお休みにされてしまう。と思ってたら高校野球の開会式は台風のため、明日に順延。じゃ、子ども電話相談をやってよ、といっても、それは聞いてもらえない。というわけで長寿台風とおだてられ、いい気になってる台風5号、のろのろと日本列島をやってくる。どこへいくのかわからない。台風であれ人間であれ、態度を決めないやつは誰からも嫌われる。

 ニッポンファーストという言葉が話題になっている。新しい政治団体の名前なんだが、あんまりいいネーミングとは思えない。トランプのアメリカファーストを連想するからだ。都民ファーストの国政版ということだが、だったら国民ファーストだろうと思うのは人情。で、聞けばその国民ファーストは既に登録済みのネーミングで仕方なくニッポンファーストになったのだ、という説明だが、あんまりいいセンスとは思えない。やっぱ都民ファーストの成功を引きずっているのだろう。要するに小池百合子のご威光を当てにしての新党、ということなのだ。けどなぁ、小池さんの政党ということなら、それって第二自民党ということで、安倍政権の応援団にしかならないんじゃないのかしら。ここは小池百合子の魔術にかけられてはならないのだと思う。あの人、ほんとはヤバイんじゃないのかな。

▲ 稲妻を閃光花火と子ら思う


0808・火・満月・部分月食・

 台風5号の動きが心配な今日、その台風の影響で順延された高校野球が始まった。その第一試合。どんなもんかいな、と聴く気もないのにラジオをつけたら、もうあかん。たちまちはまってしまい、サヨナラゲームとなる9回裏までしっかりと聴いてしまった。高校野球が閉幕されるまで、こんなことがこれからどれだけ続くことだろう。困ったことである。困るのはそれだけではない。大好きな夏休み子ども科学電話相談が高校野球のため、お休みとなっているのである。再開されるのは夏休みも終わろうとしている頃。高校野球、好きだけど、困るんだよね。

 昨日、ゴジラ俳優の中島春雄さんが亡くなっていた。88歳たったという。1954年の悪役怪獣、初代ゴジラから1972年の正義の味方のゴジラまで12のゴジラ作品でこの怪獣キャラクターに恐怖と愛嬌の命を吹き込んできた。子どもの頃から雑誌の写真などでゴジラの着ぐるみから半身を見せているその映像が印象に残っている。ゴジラだけではない。中島さんは東宝映画の他の怪獣映画にも出演。ウルトラQやウルトラマンのテレビシリーズにも数多く出演していた。中島さんはスーツアクター、着ぐるみを装着しての俳優の草分けとして大活躍されたのである。引退後の2012年には出身地の酒田市で酒田ふるさと名誉賞を受賞。その栄誉が称えられている。ゴジラは漫画「おそまつくん」のイヤミのお得意ポーズ、「シェー」をやって見せたり、口から火を吐いて空を飛んだり、八面六臂の活躍でわれら怪獣ファンを楽しませてくれた。心よりご冥福をお祈りする。

▲ 空蝉の嵐に敗けずしがみつく


0809・水・長崎原爆の日・

 今日は長崎原爆の日である。午前11時2分、広島に原爆が落とされた、そのたった3日後にまたまた日本の都市に原子爆弾が投下されたのである。それも別のタイプ、プルトニウム型の熱核爆弾が。戦争を早く終結させるため、という大義名分をアメリカは主張するが、ボクには生活環境への原爆実験とソ連に対するデモンストレーションとしか思えない。そして結局、72年前の原爆は今も多くの人々を苦しめているのである。そして2004年の今日、福井県美浜原発で蒸気漏れ事故が発生。配管が破損して蒸気が噴き出した結果、作業員5名が亡くなり、6名が負傷っている。福島原発事故に隠れて忘れがちだが、死傷者を出した原発事故が長崎原爆投下と同じ日に発生していることは忘れてはならない。人類に対する原爆使用と原発は無縁ではない。原子炉は原爆の製造工場なのだから。原子力の平和利用は広島と長崎に対するエクスキューズ、単なる弁解に過ぎないのである。
「あなたは本当にこの国の総理大臣ですか」
 これは安倍晋三が長崎の被爆者たちから浴びせられた言葉。核兵器禁止条約に背を向ける安倍政権に対する批判であり、皮肉でもある。総理大臣が顔を出せば形になると思ったら大間違い。安倍晋三が考えるほど国民は甘くはないのである。

 今朝の予報では東京の最高気温は37度。となると、ボクの平熱は36度だから、東京がお風呂になったようなもの。自分の体温よりも高い気温の中を文化放送へ歩いていく。鰻重でいくらエネルギー補給をしていても、これじゃいつ倒れても不思議じゃない。エスコートのコボちゃん公認の第二夫人にしがみつき、喘ぎ喘ぎ歩いていく。
 ときどき思うことがある。世の中、自分以外はみんな神様ではないのかしら。こんな猛暑の中、ボクをエスコートしてくれている第二夫人もそうである。鰻ランチぐらいではボクの感謝の気持ちは現し切れない。そしてまた、これからお会いする金沢雅美さんもきっと地上の神様のおひとり。こんなボクなんかと彼女の番組の貴重な30分間をシェアしようというのだから。
 四谷の文化放送なら、高校時代から全盲イラストレーター時代まで、何度もお邪魔したことがある。放送にも出してもらったことがある。けれども浜松町の文化放送は今回が初めて。浜松町の駅の真ん前、ピッカピカのビルディングに吸いこまれていく。シンガポール出身の女優、金沢雅美さんが迎えてくれるスタジオの冷気に包まれて、やっと生き返る。冷房のなかった時代、日本人はこの蒸し暑さの中をどうやって生き抜いてきたのだろう。冷房の存在に感謝しながら30分間のラジオ番組、リンレイプレゼンツ、金沢雅美の「ちょっと寄って家内」を楽しく収録。正面に座っておられた金沢さんがいちばんご存じだったと思うのだけど、ボクの顔は最初から最後までニッカニカ。ウィスキーじゃないけれど、ずっとニッカニカ。お口の両端があがりっぱなし。まるで受けないジョークを連発してシダルマカバ。馬鹿丸出しのエム ナマエをスタジオの中で見守ってくれていた第二夫人も失笑していたのに違いない。写真撮影、ありがとうございました。
 色の三原色と光の三原色という色彩理論の原則があるのだが、その三原色と三原則という言葉が頭の中でこんがらがり、ちょっとプッツンしたのはマヌケだった。けど、金沢さんとの言葉のキャッチボール、おしゃべりのドライブは嬉し楽し愉快のロイヤルストレートフラッシュ。打ち合わせのときはやたら神妙にしていたのが、本番になってからは別人28号。ふたりで自由自在にトークのドライブ。もう止まりません、やめられません。カッバエビセン状態のトークの放送は8月28日の月曜日、文化放送、夜8時です。よろしくお願いいたします。

▲ この暑さ蝉もあきれて黙りこむ


0810・木・

 9時36分、コボちゃんとコーヒータイムをしていたら、いきなり、グラグラグラとくる。おっと、こいつは推定震度3。津波がやってくるような地震じゃない。てなことを勝手に宣言する。ラジオはずっと高校野球。緊急地震速報は聞いてない。要するに巨大地震ではないのだ。最近、茨城あたりのナマズが暴れているので、そいつか、もしくはそいつの手下あたりが軽く身もだえをしたのだろうと立ち上がりもしてなかったら高校野球の中継にアナウンサーの声が割り込んでくる。茨城県は震度3という情報である。ほら、やっぱり。でも、よく聴いていると実際に暴れたのは茨城のナマズではなく、千葉沖のナマズだったのだ。地下70キロのナマズだったのだ。そこでボクは考える。素人判断はいけないな。どんな揺れであろうと、揺れは揺れ。はるかな海底巨大地震かもしれないのだ。やっぱり地面が揺れたらラジオをつけよう。できればNHKラジオをつけよう。そして判断は専門家に委ねよう。さっきから繰り返し高校野球が中断され、アナウンサーが同じインフォメーションを流しているけど、それを邪魔だと思ってはいけないのだ。もう聞いたぞ、などと思わず、地震に遅れてラジオをつけた蛍光灯のような人たちや、この地震で昼寝から目覚めた昼行燈(ひるあんどん)のような人たちのためにも、同じアナウンスメントにじっと耐えて、聞き流してあげなくてはならないのである。

 国会ではやらなくていいような閉会中審査をやっている。稲田前防衛相は出てこない。何にも証拠が出てこない。ないないづくしの国会で空しく時間が過ぎていく。防衛相の首はすげかえられ、内閣の顔ぶれも入れ替わったが、中身は同じ、真実隠しの安倍政権。ここが攻めどころなんだけど、どうしても逃げ切られちゃう闘い下手の野党議員。これじゃ日本の民主主義、御先真っ暗じゃござんせんか。

 冷房の中で編集者とおしゃべりしてたら、すっかり体が冷えてしまった。光陽楼で冷やし雲呑麺を食べる計画が、ここは体を温めなくてはしょうがない。そこで冷えてない雲呑麺、普通の雲呑麺、湯気の立ってるホットな雲呑麺、光陽楼の秘密メニューの雲呑麺を注文。これがしっかりおいしくて、つるつるつると熱い麺を口をすぼめてたぐっていたら、横からコボちゃんもスープと雲呑をかっさらう。おかげでホットな雲呑麺は一滴のスープも残さず、完食でした。ガンガンの冷房の中での温かい食べ物は最高の贅沢なのです。

▲ すれちがう犬の喘ぎに夏模様


0811・金・山の日・

 今日は山の日で国民の祝日ということだが、よくわからない。海の日があるから山の日があるのだ。そういわれたとしてもよくわからない。海彦と山彦、海の幸と山の幸じゃないんだから、お揃いである必要なんかない。お盆休みで人が移動するというタイミングに、どうしてもという必然性を納得できないまま、無理矢理に休日が挿入される。気が付けばやたら休日が増えているのは政権与党が国民の御機嫌ばかりうかがっているエビデンス。実はボク、休日があまり好きじゃないんです。高校生までは好きでした。真面目に学校に通っていましたからね。でも大学生になってからはいつだって自主休日。いきなり休日のありがたみが薄くなる。おまけに大学三年生のときからプロのイラストレーターだから、ますます休日と縁遠くなる。夏休みとも縁遠くなる。サンデー毎日がウィークデイ毎日となり、やがて休みなし毎日やずっと働け倒れるまで毎日、となる。つまりイラストレーターとなってからはお休みに恵まれない人生に突入してしまったのです。これが自由業人生の宿命。世間の全うな人々が休日をエンジョイする様子を横目で睨みながら締切に追われる、そんな人生の悲哀を感じて幾星霜、となってしまったのです。だから休日は嬉しくも何ともない。なのに国民の祝日ともなると世間はその決まりに沿って動くことになる。会社も役所も病院もそういう動きになる。イラストレーターなんて全うでない人生を歩き続け、おまけに途中から全盲イラストレーターなんて、まるでまともでない職業を選んでしまって、おまけに透析人生。せめて規則正しい透析人生を歩んでいこうと心に決めても、病院はそれを許してくれない。ある日突然生まれたこのおかしな「山の日」という国民の祝日のおかげで今日もイレギュラーな休日透析を強いられ、一日が中途半端に暮れていくのです。休日を口実に様々な立場の人たちが様々な企てをする。規則正しく流れていく日々の暮らしに波風を立てるやつらがいる。全うでない暮らしを送るボクのような人種は、せめて流れていく時間だけは正しく流れてもらいたいのです。と、おかしな理屈を並べているのは今日が中途半端だから。今すぐキーボードを叩く手を止めて、着替えをしないと間に合わない。ええい、くそ!!

▲ 渦巻いて鳴く蝉たちに秋の風


0812・土・

 1978年の今日、日中平和友好条約が北京で調印。主権や領土の相互尊重、内政不干渉、平和共存などが謳われる。その翌々年の1980年、パキスタン経由でケニアの首都ナイロビに到着したボクはナイロビの中国大使館に飛び込み、ビザを申請する。やがてケニアのサファリツアーを満喫したボクは東京への帰路、パキスタン経由でヒマラヤ越えをして個人の資格で中国へ渡ったのである。今から考えるとすごい勇気だと思う。あの頃は中国を絶対的に信頼していたのですね。でも、1980年の北京は何もかも新鮮で滅茶苦茶に魅力的でした。最高の思い出となっています。

 御巣鷹山への日航ジャンボ機墜落事故から32年の本日である。1985年8月12日のあの美しくも不吉な夕焼け空の紅は今もボクの網膜に焼き付いている。行方不明の日航ジャンボがいる。無事の一報を心待ちにしながら夕焼け空を見上げていたボクに、あの紅は絶望的な結末を予感させた。紅が不吉の色であることを始めて知らされた日没であったのだ。

 ここんとこ鼻についてるトランプと金正恩の口げんか。ふたりの口をテープどめできたら、どんなに気分がいいだろう。

▲ 窓ガラス朝顔の蔓テープどめ


0813・日・

 高校野球が熱いこの頃だが1927年の今日、日本で最初のスポーツ実況中継がラジオから流された。甲子園球場で開かれた第13回全国中等学校野球大会、現在の夏の高校野球の試合を放送したのである。日本人は昔から野球、それも高校野球が好きだったんだよね。プロ野球人気が上昇したのは巨人半身戦で史上最初の天覧試合で長嶋茂雄がサヨナラホームランを打って国民を感動させてから。それまでは六大学の早慶戦が人気のトップだった。その昔はアマチュアスポーツが大切にされてたんだけど、今やオリンピックもプロの世界。スポーツも拝金主義に冒されているのです。みんなロサンゼルスオリンピックがいけないのです。

 またまたNHKラジオの受け売りになってしまうけど、今朝のNHKマイ朝ラジオ、「生き物いろいろ」は昆虫写真家の海野和男さんによるアメンボのレクチャー。池の水面をすいすいと滑りいく、あのアメンボである。アメンボは大変ポピュラーな昆虫だと思うんだけど、今の子どもたちにとって彼らは見慣れた昆虫といえるのだろうか。都会の水環境が変わり、アメンボたちも暮らしにくい世の中になっているのではなかろうか。ところでアメンボが空を飛ぶってこと、ご存知でしたか。ボクは知らなかったな。子どもの頃、庭の池をすいすいと滑り行くアメンボを見るのが大好きだったけど、この連中はどこで生まれるのだろうかと不思議でならなかった。実はこの連中、空を飛べるのだ。考えてみればアメンボも昆虫だから羽を広げて空中移動が可能なのは当然の話しかもしれない。あのカブトムシだって空を飛ぶんだからね。ゴキブリだって空を飛ぶんだからね。さて、アメンボの話題。彼らは高性能な目を持っていて、空から水の所在を感知することが得意であるらしい。周囲の水環境が悪くなれば、新世界を求めて空の度に出るわけなのである。見ているとアメンボの脚は4本にしか見えないが、そこはやっぱり昆虫で、しっかりと6本の脚があるという。実は頭に近い2本の脚は獲物を捕らえる足で、カマキリの鎌に当たる部分。これで獲物を捕獲し、針のような口で相手の体液を吸い取る。アメンボ、あんな風に見えていても、水面世界のライオンなのだ。いや、ハイエナかもしれない。水面に餌となる生き物が落ちてくると、たちまちアメンボたちが集まって食事の時間となるらしい。アメンボは飴の匂いがするのでアメンボというのは本当のことらしい。だが、その飴の匂いというのは昔の飴の匂い。澱粉質を麦芽などで糖化させた発酵食品の飴で、キャンディーの香りとはまた別のもの。実はアメンボ、カメムシに近い仲間。カメムシは臭いから嫌いという人が多いと思うけど、それは人様々であるらしい。カメムシの匂いはパクチーの匂いに例えられることもあり、匂いの感受性については個人差が大きいので、アメンボの匂いについても様々な印象があるのだと思う。ということで昆虫写真家の海野和男先生のおかげで、今朝も賢くなっちゃったもんね。

 今日のNHKラジオは喉自慢も上方演芸会もない。みんな高校野球に占領されている。そういう事情で朝から高校野球を聴きながらカレンダーの下絵に集中している。ずっと真っ白な紙に向かっている。12月はキツネの子とウサギの子が炬燵に入ってトランプで婆抜きをしている図。炬燵の天板の上にはみかんと捨てられたカード。それをネズミの子が眺めているのだが、実はこのネズミの子、炬燵布団の脇で居眠りをしているネコから避難しているのである。猫の目の前には天板から転がり落ちたみかんがひとつ。タイトルもミカンオレンジ。アイディアは悪くないと思うんだけど、どうにも仕上がりが気に入らない。手が馬鹿になってしまったのだろうか。それともトランプを題材にしたのがいけなかったのだろうか。ほぼノイローゼ状態。頭がクラクラする。これは気持ちを切り替えなくっちゃ。やっぱりトランプはボクにとっての鬼門なんです。

▲ 朝顔や在庫の種で咲いている




2017年 7月31日~8月6日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。


0731・月・上弦・ビーチの日・

 今日はビーチの日、ということらしいです。なんでかというと、海の日と山の日の真ん中で海岸の日、ということらしいんですけど、731で波のいい日、ということでもあるらしいのです。まさか、日本国政府は海岸の日まで国民の休日にしよう、なんて企ててないといいんですけど、これ以上、お休みを増やしてどうすんだよ、という気分なんです。海の日に山の日に海岸の日。加えて都会の日に田舎の日に郊外の日。おまけに電車の日にバスの日にお散歩の日。ポピュリズムの世の中、政権政党のやりそうなことで、コワイです。

 NHKマイ朝ラジオ情報によると、1970年の今日、当時の国鉄山手線の車両に冷房が導入されたそうです。国鉄にとっては初めての冷房車、ということらしいです。その当時、東京の私鉄では通勤電車の冷房を始めていたけど、国鉄も敗けまいと頑張り、試験的に導入することになったらしいのです。1970年というと万博の年。進歩と調和の年で、ボクがイラストレーターデビューした年。冷房車とは何の関係もないけれど。考えてみると、それ以前の山手線には冷房車が存在しなかったわけで、みんなどうして通勤時間帯の暑さを克服していたのだろう。あの頃の暑さと今の暑さは違う。そんなご意見も聞こえてきそうだけど、あの頃だって猛暑日はあったはず。昭和30年代に小学生だったボクはクラスの気象観測委員をやらされていたことがあって、夏休みなっても小学校の校庭に設置された百葉箱まで歩いて通い、温度計を記録させられていたので、そんな記憶があるのです。ま、気象庁に問い合わせればたちまち判明することだけどね。

 ここは3階なのに煙草の匂いが漂ってくる。浴室の窓から煙草の煙が侵入してくるのだ。これは隣人がベランダで吸う煙草。おそらく、奥様にいわれて部屋のそとで吸わされているのだろう。ごめんなさい。ヘビースモーカー、いや、手からシガレットやパイプの離れることのなかったチェーンスモーカーだったボクが口にできる言葉ではないのだが、それって自分勝手ではないですか。お部屋が臭くなるとか、部屋の壁が黄色くなるとか、お気持ちはわかりますけど、身勝手ではないのですか。煙はいつかどこかへ流れていきます。必ず流れていきます。消えてしまうように錯覚するのは、流れていくからです。そして流れた先ではお宅の部屋で起きることと同じことが必ず起きるのです。煙の流れた先での他人様の迷惑を少しは想像してくださいよ。想像できましたら、どうぞ旦那さんに煙草をやめさせてくださいよ。愛の言葉でやめさせてくださいよ。ボクの奥さん、コボちゃんがやったみたいに、やめさせてくださいよ。ベランダで吸っても煙草は煙草。流れた先で人に迷惑をかけるのですから。あのね、一度でもやめられた人間にとって、煙草の煙は耐えられないものなのです。そう。やめればおわかりになりますけど、やめられると、世の中が楽になりますよ。

▲ ベランダの煙草の煙流れくる


◆ 8月・葉月・
0801・火・水の日・

 新しい月のオープニングの恒例、今月一日の全国日の出と日没の時刻です。札幌の日の出は4時25分、日の入りは18時56分。仙台の日の出は4時39分、日の入りは18時47分。東京の日の出は4時49分、日の入りは18時46分。大阪の日の出は5時8分、日の入りは19時1分。福岡の日の出は5時30分、日の入りは19時19分。そういうことでした。

 今日は水の日であるという。水の大切さを広く理解してもらおうと1977年に政府が決めた日であるという。ま、この季節、水不足が話題になることが多いもんね。余計なお世話と思っても、権力というものは常に国民に対して何かをしていますよと、ポーズしたがるものなのだ。どこか後ろめたいところがあるから、いい人らしく振舞いたがるのだ。とにかく今日から1週間は水の週間ということで、皆さん大切に水を取扱いましょうよね。何かあれば困るのは私たちなのですから。

 フランスの女優、ジャンヌモローが亡くなっていたことがわかった。大好きな女優さんだった。特に美人というわけではないのに、強烈な色気があり、なおかつ知的だった。89歳ということだが、長生きをされていたのだ。法令線に特徴のある顔立ちだったが、89歳になられたジャンヌモローはボクには想像もつかない。美しく加齢されたことを祈るばかりである。思い出の映像は数え切れない。特に彼女に憧れたのは高校時代。1966年日本公開の映画「ビバマリア」ではブリジットバルドーとの競演で円熟の女優がふたり、その色気を競い合い、観客の男どもを悩殺しまくった。その姿はボクの網膜にも焼き付けられている。また1964年制作の「大列車作戦」も忘れられない。白黒画面に激走する蒸気機関車の勇姿とジャンヌモローのお色気の対象がまこと印象的だったのである。高校時代といえば女性に敏感な頃。そんな時代にジャンヌモローのお色気で年上の女性に憧れを抱いた自分は果たして幸運だったといえるのだろうか。とんとわからない。でも、ジャンヌモローという女優さんのお姿はボクの中で永遠の存在として輝き続けることだけは間違いない。そのご冥福をお祈りし、心から手を合わせます。憧れをありがとう。

▲ 空蝉を集めて歩く子らの声


0802・水・

 1979年の今日、千葉県君津市のお寺で観光用に飼育していた2頭のトラが逃げ出した。2日後に1頭が、26日後にもう1頭が付近の山林で射殺された。この事件、今も忘れられない。猟友会のスキルアップの口実にされた2頭のトラが気の毒で仕方なかったのである。檻の鍵をかけ忘れたのが原因だが、そんなマヌケな落ち度、猛獣の檻に鍵をかけ忘れるという基本中の基本、基礎的な失策さえなければ2頭のトラは無駄に殺されることはなかったのである。坊主の仕業とはいえ、人間の罪は大きい。ここのお坊さんたち、とても極楽浄土には浮かばれません。

 外では気の早いツクツクボウシが鳴いていて、やたら涼しい。季節を間違えそうである。これって台風5号の悪ふざけに違いない。台風5号が長寿台風とおだてられ、まだうろうろしているのだ。とんでもない勘違い台風になっているのだ。海水温が高いものだから勢力がちっとも衰えない。小笠原あたりをうろついていたかと思うと今度は日本列島に北上しようとしている。なんかこの台風、いつまでもうろついて、日本列島に文句でもあるのだろうか。因縁でもつけたいのだろうか。往生際の悪い台風である。この台風、いつもとは反対に太平洋の東側からやってきたらしいとはお天気おじさん、森田正道(もりたまさみち)さんの情報。うろうろしているのは偏西風の蛇行が原因であるらしいのだ。この夏の異常さもそこからきているので、天気予報がまるで当たらず、気象庁が梅雨入りも梅雨明けも外したのはそれが理由であるとは言い訳に好都合な気象状態であるのだ。

▲ つくつくと聞える声の夏の果て


0803・木・

 1985年の今日、撃沈された戦艦大和(やまと)の船体が確認される。太平洋戦争末期に沖縄特攻に向かったところ、九州は鹿児島県沖でアメリカ軍の雷撃隊に爆沈されたもの。東シナ海、およそ340メートルの海底で発見、撮影に成功した。宇宙戦艦ヤマトではこの船体が修復され、宇宙戦艦として生まれ変わり、地球を救う大活躍をする筋書きになっているのだが、実際の船体は無残に打ち砕かれ、四散していた。そっと眠らせておいてあげた方がよかったと思うのはボクだけじゃないだろう。

 昼寝をしてたらお風呂でケータイを水没させる夢。必死になってタオルで拭っていたらそのケータイがブルル。本当に電話がかかってきて、それで目が覚めました。相手とお話しをしながら、寝小便をしなくてよかったなと安堵する。でも、電話を切ってから気がついたのは、ボクは腎不全でおしっこがまるで出ないのだということでした。

 バンジージャンプのワイヤーロープが切れたという。冗談じゃない。いくらお金を積まれてもボクはお断わりだけれど、ただでさえ恐怖のバンジージャンプがますます恐怖の対象となる。でも、もっとゾッとする事実がある。このバンジージャンプ、全国に11カ所もあるらしいのだが、その安全基準がまるで決められてないという。ね、コワイでしょ。

▲ 救われて空蝉どこへしがみつく


0804・金・

 1兆円には届かないと思うけど、青年億万長者のホリエモンが起業した宇宙ベンチャー、インターステラテクノロジズが全長10メートルの宇宙観測ロケット打ち上げに挑戦している。経済的なエタノールを燃料として宇宙空間を目指して発射されたが、北海道の沖、8キロに着水、というより落下した。結果は失敗だったが、日本の民間最初の宇宙ロケット打ち上げとしては大成功とボクは思いたい。その昔、ソ連やアメリカが人工衛星競争をしている頃、日本のロケットは鉛筆サイズ。ペンシルロケットを飛ばすのが精一杯だったのだ。あの糸川教授が音頭をとっていても、鉛筆みたいなロケットを、それも上空ではなく、水平に飛ばすのが精一杯だったのだ。それから考えればホリエモンのロケット、すごいもんです。金正恩のミサイルなんかに絶対に負けるなよ。

▲ いっちょうは大き過ぎます冷奴


0805・土・

 1962年の今日、あのマリリンモンローが亡くなった。自宅のベッドで亡くなっているのを発見されたのだ。シャネルの5番だけをまとった全裸であったかどうかについては触れられていないが、睡眠薬による自殺説や他殺説も伝えられ、世界中の関心を集めた。中には恋人と噂されたケネディー大統領が係わった説、なんてのがあり、大いに我々男性たちの興味を引いたものだが、その後この説は尻切れトンボになっている。誰か本を書いてくれないかな。いずれにせよ、マリリンモンローは我々男どもにいろいろな夢を見させてくれました。

 終日、来年のカレンダーの下絵を描いている。そろそろアイディアがまとまり始めている。楽しくなってきている。おえかきのいいところはBGMが音楽でなくてもいいこと。音訳読書もはかどるところ。絵を描く神経と本を読む神経は別の働きであるらしいのだ。じゃ、文章を書いているとき、BGMが音楽なら何でもいいかというと、実はそんなこともない。特に最近ボクが惚れ直している渡辺美里の歌はBGMとしては聴き流せない。この人が歌うと普通の言葉も魔法の言葉に変わってしまう。その楽しみをBGM扱いしていては聞き逃してしまうのだ。そういう理由で渡辺美里の歌は透析中、音訳読書に疲れたとき、自分の元気を回復させてもらおうと、ヘッドフォン宇宙でその歌唱力を全開させてもらうのだ。美里さん、ありがとう。

 土曜日の深夜、22時25分から23時40分まではNHKラジオ第二の「朗読の時間」再放送を聞き逃せない。今週からは谷崎潤一郎の「猫と庄造と二人のおんな」。これから25回、この小説を一流の朗読で楽しめるというのはラッキー。始まったその日から滅茶苦茶に面白くて引き込まれている。ことに猫についての谷崎潤一郎の描写がいい。作者自身がかなりな猫好きであることがうかがわれる。猫姫様のコボちゃん公認第二夫人もこの小説を高く評価していて、主人公の庄造を森重久弥が演じている映画のあることも教えてくれた。おお。サピエ図書館でいつかこの映画、音声化してくれないだろうか。ネット検索してみたら、二人の女の配役もすごいし、母親が浪花千栄子というのもスゴい。この映画、ぜひ観たいものである。

▲ 没頭のスケッチブック汗ひとつ


◇ バーチャル『奥の細道』コース 中尊寺をお参り、通過しました。
まだ金色堂の輝き煮目がくらんでます。およよ。
次は尿前。あと、143,002歩です。ちと遠いなぁ。歩くの、やだなぁ。
現在の歩数、1,346,998歩。3周目の徘徊です。ひたすらウロウロです。


0806・日・広島平和記念日・

 この朝のことである。平和祈念式典の中継中、8時15分から1分間の黙とうを捧げようと立ち上がったボクの口に、コボちゃんがいきなりバナナを突っ込んだ。これって、いつものルーティーン、朝の儀式なのである。カリウム摂取を制限されている透析患者のボクはバナナ人房を食べれば確実に死亡する。けれどもボクはバナナが大好物。それで毎朝必ずバナナを食しているコボちゃんは、食べる前に必ずその最初の一口をボクに与えるのである。仕方がない。ボクはそのバナナを一口、咀嚼することなく、黙って1分間の黙とうをささげたのである。バナナを口に突っ込まれたまんまの1分間は長かったけれど、被爆した広島への黙祷が終われば、充分に咀嚼して胃袋に送り込む。そうして広島市長と安倍晋三のスピーチに最後まで傾聴した。それにしても広島市長の平和宣言と並べると、安倍晋三の言葉の何と空虚なことか。いつものインチキ記者会見だったら、プロンプターの指示される通りに言葉を発するのだが、平和祈念式典会場ではそうはいかない。そこで背広の胸からおもむろに取り出した原稿を声高らかではあるけれど、舌足らずに朗読するだけ。もちろん官僚の準備した原稿であるから、そこにはアメリカに叱られるようなマター、核兵器禁止条約なんてことには一切触れられてはいないのである。反省しているはずの安倍政権の内角改造のときも思ったけれど、この人の言葉ほど空しいものはない。言葉では反省していても、態度はまるで反省してない。今朝のスピーチも核兵器廃絶と語ってはいても、その具体的行動は微塵も見せることはないのである。

▲ 日の丸が焼かれていますキノコ雲


2017年7月24日~30日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。


0724・月・

 高原の朝である。起きてすぐ、月刊ラジオ深夜便のイラストレーションに挑戦。ユニークなポエムに触発されて、ちょっと面白い構図が浮かび上がってきた。朝のNHKラジオが終わればプレクストークによる音訳図書の朗読をBGMにして、コボちゃんからも面白いとOKをもらえるような下絵を仕上げることができた。これで午後になれば、山の中の透析室で安心して透析を受けることができるのだ。

 ラジオ中継で国会の閉会中審査をやっている。最初から茶番劇の雰囲気に満ちている。面々の答弁を聴いていると、とても信じる気にはなれそうにもない。よくぞこれだけ嘘を並べられるものだと呆れ返る。だったらこれまでの国民の疑念はどこから生まれたというのだ。いちゃもんをつけただけ、それとも生まれるはずのないものが湧いて出たとでもいうのだろうか、ばあか。こんな茶番劇で幕引きができると思っているのなら安倍政権、もう風前のキャンドルだと思う。国民からキャンセルされるしかないんだと思う。

▲ 滝落ちて雨の多さを伝えけり


0725・火・土用の丑・

 ボクは終日「おえかき」をしている。来年のカレンダーの構想がまとまりつつあるのだ。コボちゃんは朝からアルルと林を歩いている。イノシシとかキツネとかフクロウとか、何か生き物はいないかとキョロキョロしながら歩いてる。不思議なことに、こちらに恐怖や敵意のないことはいつしか生き物に伝わっていく。そのためには驚きがあってはならない。となれば、興味と親しみをもって自然の中を散策するのである。さて、そのコボちゃんがもどってきて窓の外側が結露してるという。南方の海上から温かく湿った空気がやってきてると聞いてはいたが、まさか建物の外側の方が温かくて湿っているなんて、冬の正反対じゃないか。これにはちょっと驚きました。とにかく、梅雨がやたら乾いていたり、本格的な夏に突入したかと思うと雨ばっかりだったり、今年の夏はちょっと変です。あんまり嬉しくありません。

▲ たらたらと汗かくグラス氷水


0726・水・

 未明、コボちゃんがイノシシのクシャミで目が覚めた。夜が明けたところで、アルルを散歩に連れ出すと、北軽井沢スタジオの前の地面が掘り返されている。きっと夜明け前のブレックファストにミミズのスパゲッティーを食べてたイノシシさんが、鼻の穴に食べかけのスパゲッティー、いや、ミミズでもつまらせて、それでクシャミをしたんだろうと、ボクは無責任な空想をしている。ミミズは地球のミルク。モグラもニワトリもイノシシも、ミミズが大好物なのである。ボクはあんまり食べたくないけどね。

 激しい雨。大粒の水滴が音をたてて落ちてくる。群馬県の各地域に大雨洪水警報が発令された。昨日から温かく湿った空気が攻めてきてると聞いてはいたが、心配していた通りになってしまった。こういうとき、スタジオクラスター北軽井沢スタジオの堅牢さが心の支え。大雨が降ろうとも、槍が落ちてこようとも、安心してカレンダー制作に没頭できるのだ。ところが今日はいけない。これから東京へドライブなのである。この大雨の中、コボちゃんはスタジオからクルマまで、荷物の移動。えっちらおっちら、あれこれの包みを抱えて山の斜面を運んでいく。その中にはボクの大切なラップトップパソコンも含まれている。そう。スタジオは雨に強いけど、パソコンは雨には脆弱なのである。そういうわけで雨が小降りになるのを待っていたら、帰宅が未明になってしまった。どうも今年の夏は意地悪なような気がします。

▲ 大粒の雨に蛙も黙りこむ


0727・木・

 1953年の今日、朝鮮戦争の休戦協定が調印された。戦争の犠牲者はおよそ500万人とされるが、思ったより大きい数で驚かされる。これは南北、どちらからの発表なのだろう。このあたりの数字、北側の情報が係わると怪しくなる。いずれにせよ、この休戦協定により軍事境界線と非武装地帯が設定された。いわゆる38度線というやつである。北朝鮮はこの日を一方的に戦勝記念日と決めつけているので今日あたり、それを祝って大陸間弾道弾を打ち上げるかもしれない。金正恩、口実さえあれば人の迷惑もかえりみず、次々にロケットを打ち上げるのだ。花火マニアの困ったお坊ちゃんなのである。

 文化放送の放送作家より連絡があって、電話で打ち合わせをする。来月、金沢雅美さんのプログラム、「ちょっと寄ってかない」に出演が決まっているのだ。番組ホステスが安心してくれてても、番組スタッフはそうはいかない。まだボクと会ったことも、しゃべったこともないのである。ここはひとつ、安心してもらわなくてはと、いつになく真面目に応答したのである。

▲ 冷やしそば今日もミサイル飛んでいく


0728・金・

 さっぱりしない天気である。気象庁のあの梅雨明け宣言って何だったのだろう。梅雨入り宣言をすれば空は晴れ渡り、記録的に真夏日が続き、梅雨明け宣言をすれば空はどんよりと曇り、気温はあっという間に下がってしまう。気象庁、無理して梅雨明け宣言なんかしなくてもよかったのに。それはそうと安倍晋三、稲田防衛大臣を切り落としたのはいいけれど、外務大臣に防衛大臣を兼務させるなんて、おお、なんたる軽はずみ。防衛大臣ってそんなに軽いポストなんですか。今夜にも北朝鮮が大陸間弾道弾を打ち上げ用ってタイミングにそんな人事でいいのですか。そもそも外交と防衛は表裏一体。それをひとりの人物に兼務させるなんて無謀ではないのですか。アベちゃん、無理して内閣なんていじらなくてもいいのに。どうせ風前の灯なんだから。

 下の道路でいつものアホな声がする。あのバカイヌの声である。いつものように狂ったように吠えている。明らかに近所迷惑な吠え方であるのに、飼い主にそれを制御する気持ちは微塵も感じられない。吠えたいままに吠えさせているのである。銃声と衝撃の大きさに度肝を抜かれ引き金を絞ったままに連続発射させられているカラシニコフ軽機関銃のように連続的に吠えているのである。しゃべり方にその人の知性が浮かび出るように、吠え方でもその犬の知性がわかる。子を見ると親がわかるというが、イヌを見ても飼い主がわかる。ただしこの場合、たいがいの飼い犬は飼い主に連れられているので、たちまち見てわかるのである。落ち着いた犬は落ち着いた飼い主に、そそっかしい犬はそそっかしい飼い主に、そしてそれなりの犬はそれなりの飼い主に連れられているのである。散歩のついでです。街に出たら犬と飼い主をよく見比べてください。まるで漫画のようにそれは絵解きになっているはずです。カリカチュアになっているはずです。

▲ 部屋の中湿気かきわけ立ち泳ぎ


0729・土・

 1978年の今夜、東京両国の花火大会が復活した。17年ぶりのことだった。そこでボクは喜び勇んで飛んでいった。翌々日には英国へ「不思議の国のアリス」の旅に飛び立つことになっていたのに、よせばいいのに飛んでいった。そして飛んでもない目に遭遇したのである。ひしめく群衆、警察の執拗な交通制限、人間の交通渋滞、汗みどろ。のろのろとカメの歩みどころか、まるでカタツムリの牛歩行列。彼方で花火の音はすれども、周囲は人の壁とビルの壁、何も見えないのである。ただ焦るだけ、イライラするだけで、のろのろと歩かされているうちに花火大会は終わっていた。昔懐かしい両国の川開きの雰囲気はどこにも存在しなかったのである。あれ以来、ボクは花火大会が苦手となり、その後の花火大会についてはあまりいい思い出がないのだ。近くで見上げれば音はでかいし、目に花火の燃えカスが飛び込むし、たちまち家に帰りたくなるのである。

 日本建築工学の重鎮、深尾精一博士が運転するハイブリットクラウンで半蔵門のレストランARGO、東條会館one four twoに到着。今から永田町小学校を1961年に卒業した6年4組のメンバーでランチをするのである。平たくいえば、クラス会をエンジョイするのである。このクラス会の切っ掛けは歌手、西島三重子さんのコンサートに偶然ボクと深尾博士が遭遇したことにある。小学校と中学校のクラスメイト、深尾精一君が日本を代表する建築工学博士として大活躍されていることは伝え聞いてはいたが、まさか彼が友人の西島三重子さんの熱烈ファンであることまでは聞かされていなかった。そして深尾君も、ボクが全盲イラストレーターとして活躍していることを知っていて、大勢の中からボクを発見してくれたのである。それから深尾君は世界せましと飛び回る多忙さの中で、永田町小学校と麹町中学校のクラス会や同期会の幹事の中心メンバーとして八面六臂の大活躍をしてくれているのである。おかげで今日も美しく友人に感謝の一日が暮れていったのである。

▲ 川開きビルの谷間に花火かす


0730・日・

 どうも鰻屋の予約がうまくいかない。文化放送の番組収録のお昼、エスコートのコボちゃん公認の第二夫人と鰻でランチをする計画があって、文化放送のご近所、芝公園に噂の鰻屋を見つけたのだが、この店、ランチを定数以上は受け付けない。そこで一日も早く座席を確保すべく、毎日のように電話をするのだが、いつもお店終了のメッセージが流れるばかり。で、しつこく電話をして、やっと通じたかと思ったら、8月いっぱい予約は満席、と丁寧に断られた。滅茶苦茶、人気のある店なのである。そこでその店をあきらめたボクは経堂界隈で鰻ランチをすることに決定。ところが、経堂の鰻屋は次々に廃業、消えている。そりゃ当たり前。鰻が絶滅危惧種に指定された当然の結果なのである。鰻屋が減らなければ鰻が絶滅するしかないのである。けど、ここでの問題はそういうことではない。経堂界隈には問題の鰻屋しか残っていないのである。四分の一世紀前に盲導犬アリーナの入店を無慈悲に断った、あの問題の鰻屋しか残っていないのである。さて、どうしよう。ここは思案の分岐点。ま、最近のボクは主義を曲げて積極的に鰻を食べている。ボクひとりが抵抗して鰻の絶滅を防ごうとどんなに頑張って鰻絶食主義を貫いても、毎日のように鰻たちは裂かれて焼かれて蒲焼きとして提供される。最悪の事態となれば、その鰻たちは売れ残り、賞味期限切れという理不尽な事態で廃棄される。そんなことが許されてたまるもんか。というわけで、スーパーに並んでいる蒲焼たちを最近のボクは積極的にいただいているのである。そしてやっぱり鰻は旨いのである。さて、そこまで主義を曲げて鰻を食しているこのボクだから、四分の一世紀前野怨念を廃棄して、ここはあの店を許してやってもいいのかな、なんて気もしているのである。
 さてここで閑話休題、「一正蒲鉾」のうな次郎という人気商品をご存じだろうか。最近、鰻絶食主義を曲げたとはいえ、できれば絶滅危惧種の鰻たちを守りたいボクとしては気になる商品名。そこで早速ネット検索をかけた結果、うな次郎は要するに蟹の代用品がかにかまであるように、鰻の代用品がうな次郎で、それらの正体はつまり、お魚のすり身、蒲鉾なのでありました。さて、鰻屋の予約がどうなったかは、またいつか、レポートさせていただきます。ちゃんちゃん。

▲ 生きたまま今日も裂かれて焼かれてる

◇ バーチャル『奥の細道』コース 平泉に到着、通過しました。
いよいよこれから中尊寺のお参りです。あの金色堂を参拝するのです
わくわく、なのです。あと、38,312歩なんですけど、
豪華絢爛さに目がくらまないように気をつけます。

現在の歩数、1,307,688歩。三度目の東北道、ウロウロお散歩なのです。



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