全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2017年2月20日~26日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。


0220・月・

 東京では春一番ではなく、春二番が吹き荒れた。風速28メートルという暴風により電車も止められた。こんな大風で喜んでいるのは空のカラスくらいなもの。日本の話じゃないけれど、世界には木端をひっつかんでウィンドサーフィンをやらかす連中もいるというんだから見上げたもんである。我が家では窓ガラスというカラスがガタガタと鳴り、ブラックラブのアルルが怯えて飛んできて、助けてくれとボクを見上げた。カラスも真っ黒。アルルも真っ黒。同じ黒でもカラスと犬じゃ度胸が違う。
 結局本日は最高気温20度に達する温かさとなる。となると、明日はまた寒くなるんだよね。春一番の翌日も春二番の翌日も必ず寒くなるんだよね。となると、春三番もあるのかしら。

 1923年の今日、丸ビルが完成した。地上9階は当時としては東洋一の規模を誇る建築物であったとか。今は東京ドームを計量カップにして物事を測るのが流行りだが、ボクの耳に馴染んでいたのは丸ビル何杯分という言い回しだった。その丸ビルも建て替えられ、真新しくなってから久しい。新ゴジラは再開発された丸の内で暴れたらしいが、ボクにはちょっとイメージしにくい。東京もどんどんリニューアル。ゴジラもどんどんリニューアル。なんでもかんでもどんどんキンピカになっていくけど、実際の風景と、ボクの空想の中の風景と、本当はどっちがキンピカなのか。これだけは永遠にわからない。

 毎週月曜日のTBSラジオ、デイキャッチにご出演の北丸雄二さんによれば、トランプの脳味噌には悪い病原体が蔓延しているとか。その昔、遊びまくって悪い病気をうつされ、その害毒がそろそろ脳味噌に回る頃と噂されているらしいのだ。アメリカでは精神科医が直接の患者以外には無暗にコメントしてはならない、という協定があるらしいが、そのリスクを冒してまでも精神科医たちが連盟でトランプの精神が破綻を来たしているのではないかと提言しているのである。ロシアンゲートとか、クレムリンゲートとかいわれてロシアとの癒着を疑われているトランプ大統領ではあるが、ここにきてCIAは大統領への秘密情報をストップしているとか。その根拠は情報のルートをトランプ政権がロシアにリークしかねないから。就任から1か月の今日ではあるが、既に大統領周辺は激震に見舞われている。いつまでもつのか、この政権。トランプも気が気じゃないだろうが、トランプとの仲良しごっこを世界中に見せつけたアベちゃんも、きっと今頃は気が気じゃなくなっているのだと思う。

▲ 家鳴りして犬も怯える春の風


0221・火・

 本日は月刊ラジオ深夜便「しじまのことば」の締切日である。仕上げて間もない、ホカホカと湯気の立つよな原画が収納されたキャリーケースをひっつかみ、突進するコボちゃんの腕に必死にしがみつき、駅前ケーキショップ「アルルカン」に向かってズリズリと引きずられていく。いつもの打ち合わせの場所である。午後3時の気温は8度C。けれども北風で体感温度は限りなく氷点下に近い。温かい室内のテーブルについても両方のほっぺたが凍ったみたいで言葉が出てこない。台詞を忘れた三文役者である。月刊ラジオ深夜便のS記者さん、大根でどうもすいません。すると彼女がボクの手に何かを触らせてくれた。拙著「失明地平線」である。古書店で発見してくれたそうなのだが、発売直後みたいに真新しい。絶版にして大量放出したのではないかと疑ってみる。それをSさんはしっかりと解読、ここに注目して欲しいのよ、という箇所ばかり、痒いところに手が届くように質問してくださり、書き手としての最高の喜びを噛みしめたのである。楽しく談笑。来年度も連載は続く。この楽しみも続くのである。けれども来年でやめてしまうというアルルカン。38年も続いた評判のケーキショップ。それでも閉店してしまうとパティシエのマスターがいうのだから仕方がない。我が家恒例、毎年のクリスマスケーキや記念ケーキは必ずここでバタークリームの特注品。食べてしまうのが勿体ないようなマジパン特製、エム ナマエとコボちゃん、盲導犬アリーナの人形で飾られてあったこともある。おいしいだけでなく、そんな楽しいケーキや落ち着いた雰囲気での打ち合わせが期待できないとなると、これは由々しいことである。ボクと同世代のマスター、どうかいつまでも元気で続けてくださいな。

▲ 春の宵今から遠き帰り道


0222・水・

 おいおい、ゴミの撤去に8億円かよ。それを差し引いて算定価格のたった14パーセントで国有地を手に入れた不届き者がいるらしい。愛国心を売り物にしながら国と国民の財産を不当に値切る不埒な奴がいる。どうしたらそんなに安くなるんだよ。そのあきれるような低価格で国有地を落札した建設予定の某小学校に疑惑が生じている。おまけに安倍晋三夫妻と関係があるというのだから疑惑はますます甲子園球場のロケット風船みたいに膨張する。安倍首相夫人が名誉校長で安倍晋三記念小学校というこの小学校、考えれば考えるほど怪しくなってくる。安倍晋三ひとりが政治生命をかけて清廉潔白を主張するけど、安倍晋三以外の誰ひとり、それを信じる人間はいない。納得できるのは生徒が集まらなくて困っているという噂だけ。幼い子どもたちに教育勅語と安倍首相万歳を唱えさせようというんだから当たり前の話である。さて、小学校と総理大臣夫妻の関係を掘り下げると何が見えてくるのだろう。ここしばらくは目が離せません。

▲ 春愁や恋の悩みが懐かしい


0223・木・

 昼まで雨で、午後は春三番が吹きまくるとか。予想最高気温は20度で沖縄よりも高くなると聞いてわくわくしたりはらはらしてたらそれほどでもなかった。温かくもならなかったし、嵐のようでもなかった。ただ窓ガラスだけがガタガタと無駄に震えて愛犬のアルルを震えさせただけ。迷惑な天気である。この季節、三寒四温だから天気が安定しないのも仕方がない。この三寒四温という気象現象、その昔、サンカンシオンというフランス語が語源とばかり思っていた時期がある。ま、よくある話です。夕焼け小焼けのアカトンボは子どもたちから追われてみたのではなく、子守り女の背中に負われてアカトンボを見ていたのだと知ったのも比較的最近のことなのです。ボクシングの判定でイーブンというのはレフリーの言い分だと思っていたのはボクじゃなく、とある元世界チャンピオンだったという話は単なる噂です。笑わないでくださいな。

 小池都知事が都庁の「海苔弁状態」からの脱却を目指すと宣言した。東京都の秘密主義を海苔弁当に例えたのである。この首長(くびちょう)、本当は何を考えているかは不明だが、言葉の使い方が実にお見事。伝え方もお上手。実体が自民党であることに用心が必要だが、これから安倍政権のブレーキの役目をしてくれるのなら、心で応援いたします。

 アメリカではトランプに対してハリウッドスターたちが堂々と抗議している。イギリスではトランプ訪英反対署名が185万人。欧米人は考えと行動が一致する。なのに日本人はどうして静かにしているのだろう。考えを行動に反映させないのだろう。政治が悪いといつも口で批判はするけれど、それが投票行動とはなっていかない。だから政治も変わらない。同調圧力があるとは思えないんだけど、きっと無駄に優しいんだよね。それとも勇気がないのかな。落語家や漫才師は別として歌手や芸能人は黙ってる人が目立つよね。せめてロックンローラーくらいはロックンローラーらしくして欲しいと思います。

▲ その次は二番三番春一番

◇ バーチャル『奥の細道』コース  室の八島に到着、通過しました。
次はいよいよ日光です。徳川家康のお墓、東照宮があります。
杉の並木道があります。いい所です。あと、61,467歩です。

現在の歩数、226,533歩。
正直を申しますと、これで奥の細道も3周目なんです
実は東北が好きなんです。


0224・金・

 プレミアムフライデイってバッカみたい。ぼくは花ですよのハナカマキリや、私は枯葉なのよの木の葉蝶みたいに、何かやってますの擬態が得意な安倍政権だけど、これで経済効果が上がると考えるのはちと早計のような気がする。そもそも何で年度末を控えたこの時期を選んでスタートさせるんだろ。それにサラリーマン経験のない自分がいうのも恐縮なんだけど、月末の週末にどれだけの人が早退することができるんだろう。そして有給で早退を認めてはもらえないサラリーマンたちが、よしんば早く帰れたとしても、どれだけ財布の紐をゆるめることができるんだろう。まずは賃金アップを企業トップに働きかけた方がよいのではなかろうか。それもアベちゃんのお得意でしょう。夕方のTBSラジオ、デイキャッチの阿蘇山大噴火レポーターによれば、夕方の新橋では満員の居酒屋が目立つと報告してたけど、嘘でしょう。何かの間違いか、それともみんな政府の回し者かサクラみたいな気がするよ。正式な調査結果が楽しみです。

 朝から晩まで 殺したの殺されたの、北朝鮮王朝の話題ばかりでうんざりしてる。もっと素敵なニュースを捜してよ。法律には違反してないのワンパターン。国会での安倍首相と麻生副総理の答弁の不誠実さは目にあまる。答弁がまともでなけりゃ、議論だって成立しない。国民の代表が聞いて呆れる。読書時間0時間の本をまるで読まない学生が5割を超えたと聞いて、これも呆れる、唖然とする。どうしちゃったの、みんな大丈夫。便利が売り物の自動券売機、自動改札だけど、この便利は誰の便利かわからない。動く歩道で歩く馬鹿どもが、エスカレーターを駆け上がる。自販機さえあれば誰とも言葉を交わさない。スマフォがあれば便利便利の文明社会。遠い人とはコミュニケーションして、目の前の人は平気で無視。便利で快適な暮らしが、知らないうちに人類を劣化させていく。考えなくさせていく。考えなくとも絵が出てくるよりも、考えないと絵が浮かばない読書の世界。ちょっとでも本を読めば、世界は無限に広がっていくのにね。

▲ 春めきて帰りたくない独り酒


0225・土・

 ボクの土曜日といえば朝から晩までラジオ。ラジオの合間に音訳読書をしてラジオの合間にキーボードを叩く。たまには絵を描く練習もする。で、今朝も目が覚めたらいつものようにNHKマイ朝ラジオを聴いている。今日は何の日コーナーでは1986年の今日、フィリピンのマルコス政権が崩壊したと伝えている。代わりにコラソンアキノ大統領が誕生したんだけど、この事件が勃発したとき、ボクは目黒の東大医科研病院で完全失明の不安と透析導入による不均衡症候群の酩酊と闘っている最中だった。フィリピンの国家的不安定と自分の肉体的不安定が妙にシンクロして、マルコスが抱いたであろう焦燥感や失意が自分のものであるような錯覚を覚えていた。視覚を失った直後から世界の出来事がまるごと自分の内側に引っ越してしまったような気がして、失明直後の印象といえば、この感覚かもしれない。
 朝8時になれば同じNHKラジオでラジオ文芸館を楽しむことになる。これ、大袈裟にいえば、ラジオ世界最高の朗読番組。最高の訓練を受けたであろうNHKのアナウンサーたちが最高の思い入れで朗読をして、それを技術スタッフたちが最高の音響的感覚と音楽センスで仕上げるんだから、朗読というよりは良質なラジオドラマを楽しんでいる気分にさせられる。一週間でいちばん幸せな時間である。
 10時からは「真打競演」。ラジオ世界の貴重な寄席番組。いつもオーソドックスな寄席気分を味あわせてくれるのだが、毎月最後の土曜日は「キャンパス寄席」といって、大学キャンパスでの録音で漫才コンビのサンドウィッチマンが若手を中心に注目の芸人たちを紹介する。今朝のメンバー、人気絶大のウクレレ漫談、ピロキさんはもう若手とはいえないポンコツおじさんだが、他の若手芸人たち、無名といって侮ってはいけない。ナオユキというピン芸人、あまりの面白さに思わず録音をしたくらい。コボちゃんにも聞かせたかったのである。今朝はサンドウィッチマンも新作漫才を披露して笑わせてくれた。まだ無名の頃、TBSラジオの日曜番組で草野球の球拾いをしてたなんて嘘のような出世ぶりである。石の上にも三年。芸人の鏡のようなふたりである。
 午後1時からはTBSラジオで久米宏さんの独白エッセイ12分間に傾聴する。70年代の突撃インタビューからずっと熱烈ファンなのである。だからこの12分間だけは逃さない。実はこれ、久米宏の「ラジオなんですけど」という2時間番組のオープニング。あんまり面白いと最初から最後まで耳を澄ませてしまうのでつまらないと安堵する。パスできるからだ。けれどもゲストが貴重であればラジオはそのまんま。で、本日は本年度の芥川賞作家の登場。偶然にもボクが今プレクストークで読んでいる小説「新世界」の作者である。この人、その昔に久米宏さんが脚本家、倉本聡さんが開いたばかりの富良野塾を取材したとき、そこで働いていた人物。ふたり並んで野良作業をしたことを思い出していたのには心を動かされた。正に人に歴史あり、である。
 17時15分からは再びTBSラジオに傾聴する。つい最近「わあわあ話芸」という15分番組が始まったのだ。若手噺家が活躍できる時間が開けたのだ。けれども今週は若手じゃない。売れっ子の春風亭一之輔の登場なのだ。出し物は「堀之内」。で、さすがの一之輔。しくじれば手垢のついた印象を与える古典中の古典に独特の工夫、ユニークなテクニックで新しい価値と笑いを付加させていく。さすがは一之輔。週刊朝日での連載エッセイが面白いのも納得である。
 深夜になればNHKラジオ第二で「朗読の時間」再放送。今夜は谷崎潤一郎の「蓼食う虫」に傾聴。朗読は長谷川きよさん。中学1年生のとき、ボクとデートしてくれた初めての女性と同じ名前でボクが勝手に心を寄せている読み手である。どこか青木裕子さん、軽井沢朗読館の館長と共通する雰囲気があるような気がして、口の中でアイスクリームが溶けるように物語世界に引き込まれていく。という訳で夜は次第に更けていき、ラジオ三昧の他は大したこともできないまま、この土曜日も過ぎていくのであった。ちゃんちゃん。

▲ ファインダー回る木馬と春の雲


0226・日・新月・

 東京マラソンの日である。ゴールが東京駅になって、何万人もの市民ランナーが塊となって、東京都庁前から新ゴジラが暴れまくった丸の内を目指して一斉にスタートする。様々な気持ちで走り出す。完走を志す人、調子が悪くなければ記録のことを考える人、それより、抽選によってランナーの資格を得た喜びに打ち震える人、いろいろといるだろうけど、走るのが極端に苦手なボクにその気分はわからない。宝くじだったらわかるけど、抽選で選ばれてまでマラソンに参加する人の気持ちがわからないのである。
 慶應義塾志木高時代、ボクら在校生は全員、毎年の春休み直前に狭山湖一周マラソン参加を義務付けられていた。これが嫌でたまらなかった。たった8キロのコースで、フルマラソンの5分の1にも満たない距離なのに、苦しくてたまらなかった。けれども喜んでいるやつもいる。全学年の全員参加だから健康優良児もいれば虚弱児もいる。青い顔して朝から晩まで机にかじりついてるタイプから、体育会まっしぐら、という向きもいる。中にはオリンピックに出られるんじゃないかくらいの猛者もいて、ボクが走り出した途端にゴールするやつまでいるのである。ボクといえば、人工雪で滑らせる、当時としては画期的な狭山スキー場が見えてくるあたりで必ずこむら返りをやらかし、のこのこと歩き出す破目となる。そうして教師が心配になる頃、夕暮れぎりぎりになって青息吐息でゴールするのである。スタート前は景色を眺めながら走れば楽しいに違いないなんて気楽に構えているんだけど、走り出せばたちまち地獄の現実。それから先はゴールするまで気息奄々。自分の運命を呪うのである。けれどももしも、もしもである。自分が健脚で、心肺機能も抜群で、おまけに脳内麻薬物質が容易に分泌されるタイプであったなら、きっと走るのは楽しいに違いないと憧れてもいる。そんな人間に生まれ変わったつもりで東京都庁から東京駅までの風景を、あれやこれやと心に描いてもみる。やっぱ、わくわくしちゃうよな。だからランナーに選ばれた人たち、心からおめでとうございます。

▲ 丸の内ゴール目指して三万人



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