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全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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Author:emunamae
いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2018年7月23日~29日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたりしたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。
 さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌のほとんどはリアルな出来事ですが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はどうぞご理解ください。


0723・月・大暑・

 今朝からNHKラジオでは夏休み子ども電話相談室が始まった。世の中は夏休みである。そして列島は猛暑である。そこで気になるのが水遊びによる事故。油断すると海や川はすぐに牙をむく。ボクも若い頃は何度か命の危険を感じたことがある。九十九里の海で引き潮に持っていかれそうになり、浜に向かって必死に泳いだこともある。引き潮の強さに恐怖を感じた最初の体験である。裏磐梯は小野川湖でシュノーケルによる潜水遊びをしているとき、ボートの下に潜り込んだら水圧でゴートの下に吸い寄せられて焦ったり、底の水のあまりの冷たさに全身が緊張したり、自分の肺活量を過信してシュノーケルで死にそうになったこともあった。毎年この季節、ニュースで水の事故を聞く度に他人事とは思えないのである。

 暦では大暑。世の中も大暑。落語家に大切なのはよいしょ。先人の知恵に敬礼。ということで山の中の透析室も熱かった。透析の終わった患者さんから次々に退出して、エアコンの効き目が復活しても、それでも暑かった。スタジオに戻ってラジオをつけたら東京の練馬駅前で温度計を見ながら、
「42度を超えてます」
とレポーターが金切り声を発している。通行人にマイクを向けて感想を求めれば、「暑いです」
と、それ以外の答えが返ってくるはずもない。練馬駅あたりは特別猛暑地帯であるらしい。
 埼玉熊谷で41度を記録。これまでの最高気温である。その昔、地球の軌道が狂い、太陽に接近して気温が上昇して人々がクルマで寒い地方に避難する途中、ギラギラと燃える太陽を見上げる、というようなシーンをテレビドラマ、トワイライトゾーン「世にも不思議な物語」で見たことがあるのだが、温暖化途上にあるこの地球も、とうとうトワイライトゾーンの世界に突入しつつあるらしい。

 帰り道、カッちゃんの店でランチをする。今日も千客万来。親子連れがあれこれ注文してるのが聞えます。鴨汁蕎麦が人気です。ボクとコボちゃんの注文は大好物の天ざるとなりました。大きな海老天と様々な野菜天たち。カッちゃんの栽培によるものもあり、新鮮で美味。ことにズッキーニとマイタケは最高。野菜天だけ別注文で食べたいくらい。そして冷たい水でしゃきっと上がった手打ち蕎麦。これは旨いです。そしていつもカッちゃんは一夜漬けのキャベツを山ほど供してくれるのです。仕上げは蕎麦湯。満腹になったタイミングでカッちゃんの書き入れ時も終了。あとはおしゃべり。ボクのラジオを聴いていただいたそうで、それで茶飲み話に花が咲きました。

▲ 蜩や今日の暑さもこれまでか


0724・火・地蔵盆・

 1927年、昭和2年の今日、芥川龍之介が東京田端の自宅で睡眠薬自殺で自らの命を絶った。35歳だった。これを聞くとボクのような凡人は勿体ないと思う。ボクは34歳で失明を宣告された画家である。画家としてその時点で命を絶たれている。芥川は狂気により35歳で作家としての路を絶たれた。ボクは失明により34歳で画家の道を絶たれた。でも、ボクはしつこいのだ。お前は画家としてアウトだよ、といわれても、そんなことないもん。なんとかするもん。とジタバタしているうちにこんな人生になってしまった。目が見えなくてもボクはボク。誰があきらめてもボクはあきらめない。もがいているうちに見えない文字で文章を綴り、見えない絵でイラストレーターに復活すれば、お声はかかるし道は広がる。泥をかけられて捨てられても、それでも拾う人が現れて、そして人生はますます面白くなる。もしも失明で命を絶っていれば、こんな展開はあり得なかった。孔雀のように絢爛豪華な羽を広げ、人々を魅了してから身を翻して舞台から消えるような天災人生はボクには許されない。ただひたすらドロガメの路を歩むだけなのだ。それでも生きていることは面白いもん。

 コボちゃんが大掃除を始めてしまった。高原の乾いた空気に背中を押され、スタジオクラスター北軽井沢支部をピッカピカに磨いている。いつ終わるかもわからない。猫のミミコを抱いて昼寝をしてても、パチパチとパソコンを叩いていてもまだ終わらない。結局、スタジオのドアに鍵をかけて、東京へスタートしたのはヒグラシも寝静まった頃となり、東京でボクらがゆっくりできるのは明日のことになるのだろう。

▲ 木陰にて猫と昼寝のハンモック


0725・水・

 2000年、平成12年の今日、エールフランスの超音速旅客機コンコルドが墜落した。離陸直後に火災を起こしたもので乗客乗員、地上にいた人など、合わせて113人が死亡した。この事故が切っ掛けとなり、3年後にコンコルドの運行は打ちきりとなってしまう。残念なことである。といっても、別に乗りたかったわけでもない。この超音速旅客機で旅した経験のある人から聞いたところ、座席は狭いし、窓は小さいし、ただ速いというだけで、旅の魅力には欠けるらしいのだ。ただ、とにかくカッこいい。飛んでいる姿が実にカッこいい。ロンドンのヒースロー空港に向かっている二階建てバスの二階から見上げた空に、着陸途上にあったコンコルドを発見したことがある。細長い先端を、まるで巨大な怪鳥のクチバシのように下方に下げ、地上の餌を狙うように空中に静止している。正に生きたマシーンである。金属の生き物である。人類が神との約束を破って誕生させた工学的な鳥なのである。その姿が二度とこの空に現れることがないのだと思うと、たとえボクに観られないとはいえ、本当に残念なのである。もっと大切に飛ばせてもらいたかったな。

 TBSラジオ「スタンバイ」の日本全国8時ですのコーナーで、お天気おじさんの森田正道(もりたまさみち)君が、今年の暑さについて、少し真面目にしゃべってる。
人間は100メートルを10秒で走れるか、という100メートル10秒の壁に挑戦し続けた時代があって、なかなか破ることが叶わなかった。ところが誰かひとり、10秒の壁を破った途端、次から次へと破られるようになる。と話を展開する。ボクも以前、ニューエイジサイエンス関連の書物で読んだことがあるのだが、その昔、グリセリン結晶化の壁を突破できず、長く科学者たちの苦労の時代があったという。ところがとある科学者が実験室に結晶化を期待されたグリセリンの容器を並べておいたところ、未知の偶然で、その中のひとつの容器内部で奇跡が発生し、グリセリンの結晶化が始まった。するとたちまち、連鎖的にすべての容器で結晶化が始まった、というのである。試しにそのひとつの容器を別の実験室に移動させると、その実験室でも、それまで結晶化を拒んでいたグリセリンたちが一斉に結晶化を始めたというのである。まるで物質同士がお互いの振る舞いから学習するごとくに、である。やがてこの現象を形態形成場理論という理屈で説明しようとするグループが登場する。百一匹目の猿も同じ理屈。とある猿集団に食べ物を洗って食べる百一匹目の猿が登場すると、世界のあちらこちらで同時多発的に食べ物を洗って食べる猿たちが現れる、というのである。まさかお天気に同じ理屈が通用するとも思えないが、お天道様にも学習能力があるのかもしれない。
 森田君は、これまでは国内の最高気温の壁は40度だったのが、一度超えたら、あっという間に41度。東京都内の39度の壁も、今後は軽々と越えられてしまうだろうと予言している。これら話題は北の丸での計測データによるもので、ここは大手町よりは涼しいはず。もしも今年も大手町での計測だったら、いったい何度になったのだろうと森田君は首をかしげる。雨の特別警報があるのなら・暑さの特別警報があってもいいんじゃないのかと、これが森田君の提案である。最近の暑さは災害であり、実際に熱中症で亡くなる人は年間千人に達するという。大雨よりも警戒を要する事態であるかもしれないのだ。この東京の暑さはオリンピックと関連付けられ海外で話題となっている。もしかして今度のオリンピック、遠慮した方がよろしいのではないかしらね。冗談でなく。

▲ 夕涼みベランダ煙草流れくる


0726・木・

 ネット環境に戻って張り切っている。朝の5時前から起き出して、昨夜から冷房漬けの身体に、夏の冷気を吹きこんでやろうと窓を開けたら蝉時雨。遊歩道の頭の上から落ちてくる。北軽井沢でヒグラシたちとほっこらしてたら東京はすっかりアブラゼミやミンミンゼミに征服されていたのだ。

 一仕事してラジオで気分転換。「おはよう一直線」で生島ひろしが7月からのラッキー占いを始めた途端、ちょっと余計なことを考えていた隙に9月を聞き逃した。これ、よくやります。古希を目前にしたエム ナマエ。コンセントレーション能力が著しく低下しているのです。

 朝9時のニュースのタイミングでオウム事件の残りの死刑囚6人が死刑に処せられたという事実が伝えられた。これで13人である。短期間に13人の死刑執行は国家によるジェノサイド、大量殺りくではないかとの国際的な批判も報じられた。印象として国家権力による見せしめの感じがする死刑執行であるが、そんなに急ぐ必要がどこにあったのだろう。まるで麻原彰晃の霊力を恐れるみたいで気持ちが悪い。
 一部の新聞によると、アベちゃんのいうなりで、死刑執行に気軽にハンコを押す上川ちゃんが法務大臣である間にやっちゃえ、やっちゃえ、ということらしい。上川ちゃんみたいにやたら死刑執行にハンコを押したがる法務大臣も、そうはおられないらしいのだ。
 真面目な話をすれば、ボクはこの死刑執行に反対である。麻原彰晃以外、今回の死刑囚は全員オウムの被害者であるともいえるのだ。国家はこの死刑執行により歴史の証言者をこの世から抹殺してしまったのである。曲解すれば、国家権力はオウム事件の国家的不始末に早く蓋をしたかったのだと思う。そして、そういう悪巧みに安倍内閣は適役なのである。ボクは見たことがないのでまこと無責任な発言になってしまうが、麻原彰晃と安倍晋三をふたり並べて、どっちが本当の悪人に見えるかとアンケートをとれば、そりゃ安倍晋三に軍配が上がること間違いなし。将来、安倍晋三が企てる海外での紛争で、失われるだろう自衛隊員の命の数を考えれば、当然の結果かもしれない。

 同じマンション、ベルギー人のニコラにブルドッグの赤ちゃんがやってきた。3か月の赤ちゃんブルドッグである。散歩中のコボちゃんとアルルに見せたくて抱えて連れてきた。まだ赤ちゃんだから、あっという間の会見である。とはいえ本物のブルドッグ。フレンチブルドッグでもハレンチブルドッグでもない、正真正銘のブルドッグ。抱いて連れてきたのだけれど、お兄ちゃんのフレブル、11キロのレオポルド君と、あんまり変わらない体重8キロの赤ちゃんブルドッグ。さて、大きくなったらどれだけになることだろう。このブルドッグは女の子で、名前をシャーロットちゃんという。ちなみに、ベルギーの王様がレオポルド、王妃がシャーロット。ベルギー人のニコラがそういうのだから本当なんだと思います。

▲ エアコンの窓を開けば蝉時雨


0727・金・

 1976年、昭和51年の今日、総理大臣だった田中角栄がロッキード事件で逮捕された。飛行機会社から大量にピーナッツを注文したから、というのが理由だが、嘘です、本当の理由はアメリカに歯向かったから。ハム買ったから、ではない。ピーナッツを買ったから、でもない。アメリカはいつだってナンバーワン。アメリカファーストはトランプの専売特許ではないのです。長く総理大臣の椅子に座っていたいなら、とにかくアメリカの言いなりでなくてはダメ。黙ってポチしてなさい。安倍晋三を見ればわかるでしょ。

 今日は金曜日。カルチャーラジオのテーマは科学。そこで「宇宙エレベーターが切り開く人類の未来」の第8回に傾聴する。スタンリーキューブリックの「2001年宇宙の旅」で活躍していたイオンエンジンのような優れた推進機関がまだ実現せず、悲しいことに宇宙へのアクセスが酸素と水素の化合による爆発エネルギーでしか可能でない現在、この宇宙エレベーターが実現すればどれだけ可能性が開かれるだろう。宇宙までロケットでぶっ飛んでいたのが、新幹線に乗るような気軽さで出かけていけるのだ。洋上の赤道基地から地球の静止衛星軌道上の宇宙ステーションへ、寝台車で旅するようなゆったりとした気分で誰でも旅ができるのだ。宇宙ステーションまで物資を運んで、そこで惑星間宇宙船を組み立てても面白い。エレベーターひとつで夢が広がるじゃありませんか。

 今頃コボちゃんは豪徳寺の行列のできる獣医さん、やさしい並木先生にアルルを診てもらっている頃。そしてボクはいつもの透析。今夜は音声映画、三谷幸喜監督作品「ザ・マジックアワー」をエンジョイしてる。これで何度目になるだろう。三谷幸喜の脚本がいいのだ。セットの街並みがいいのだ。映画にまつわる人々の情熱がいいのだ。この映画、市川昆監督最後の出演映画でもある。もちろん役者もいい。売れない役者に佐藤浩市。そのマネージャーに小日向文世(こひなたふみよ)。インチキ監督に妻夫木聡。ジャングのボスに西田敏行。ボスの愛人のダンサーに深津絵里。ボクはこの映画で、これまで大嫌いだった西田敏行を見直し、三谷幸喜作品に限っては彼を高く評価するようになってしまった。また、この映画で小日向文世(こひなたふみよ)という俳優さんの魅力に気づき、すっかりファンになってしまった。往年のミュージックスター、柳沢真一の渋い演技もいい。この映画、古い映画好きのハートのくすぐりどころ、満載で、観れば観るほど蟻地獄なのです。

 涼しい。だから窓を開けて横になってる。無論、エアコンは消してある。涼しいのだ。台風が接近しているというのに雨もなければ風もない。おまけに空気もカラリとしている。なんだ、この台風。いつものように西の方から時計回りでなく、東から逆回転でやってくる。どんなことになるのか、予想するのに過去の経験が役に立たないという。そんなわけで、この困った君の台風12号の迫りくる気配を感じながら、夜明けを迎えようとしているのだ。

▲ 一つ目が暑さ蹴飛ばしやってくる


0728・土・満月・皆既月食・

 1914年、大正3年の今日、第一次世界大戦が勃発した。皇太子を暗殺されたオーストリアがセルビアに宣戦布告、世界中の関係国が両陣営に別れ、歴史上初めての世界規模の戦争へと発展した。この戦争の反省でできたのがジュネーブの国際連盟。もう戦争はやめようね、ということになったのに、1941年には第二次世界大戦がまた始められる。そして懲りない人間たちがまたまた懲りずに国連を組織するのである。けれども世界平和のためのこの国連、最近になってトランプがお金を払わないので現金が足りなくなり、運営困難となっている。馬鹿がひとつ治まると、またまた馬鹿が勃興する。そして21世紀もまた馬鹿の世紀になりつつある。トランプが核ミサイルの発射ボタンを抱えて歩き回っていると思うと、背中のゾクゾクが止まらなくなる。

 本日は満月です。皆既月食です。おまけに火星接近で、その皆既月食真っ盛りの赤黒いお月様に並んで、光度を増した火星が、オイラが火星でございマースと元気に挨拶してくれるはずが、ヘソ曲りで意地悪な台風12号が、みんなオジャンにしてくれたのです。隅田川の花火大会もボクと田辺ファミリーのカラオケ大会も、みんなオジャンにしてくれたのです。

 ヘソ曲がりの台風である。ラジオは強い台風、強い台風と警戒を呼び掛けるが一向に雨も風もやってこない。強いけれどもチビ。もしかして、そういうことかもしれない。これからコボちゃんは東京スバルへ車検に出していたアウトバックを受け取りにいくことになっている。代車のチンケな軽自動車で取りにいくことになっている。皮肉なことに、出かけるタイミングになって強い雨が落ちてきた。
「いってきます」
 コボちゃんが飛び出していく。窓を開くと遊歩道から海の匂いが流れてくる。今まで気がつかなかったが、外は台風が運んできた海の空気で満たされていたのだ。で、そのまま窓を開いたきり、台風を聞いている。バラバラと音をたてて落ちる雨の音を聞いている。強くなったり弱くなったり、まるで喘いでいるような風の音を聞いている。外の台風と話をしているのだ。強くてチビな一つ目渦巻き小僧と仲良くしていたら、いつかあたりは夢の世界。ボクの仕事部屋にナチスドイツの兵隊たちがやってきて、腰のルガーを引き抜くと、バン、バン、バン。9ミリパラベラムを撃ちまくる。バンバン、バン。夢の世界の一瞬は永遠でと流れ、バタン。玄関ドアが勢いよく開いてコボちゃんが帰ってきた。
「ただいま!」
 何事もなく帰ってきたコボちゃん、よかったね。このヘソ曲がりの意地悪台風、ボクとコボちゃんには何も悪さをしてくれなくて助かった。

▲ 南風海の香りの遊歩道


0729・日・

 1978年、昭和53年の今日、東京両国の川開きが17年ぶりに復活した。隅田川における江戸庶民の夕涼み解禁イベントが、交通量の増加や建築物の密集化を理由に中断されていたのを、隅田川花火大会と名前を改め復活させたのである。ボクはこの日の翌日、開港されたばかりの成田から欧州へ旅立つことになっていたが、どうしてもこの川開きの復活に立ち会いたくて、当時の最愛の妻を強引に誘って両国へ出かけていった。ところが既に周辺は大変な人出で、川開きの現場までが長蛇の列。警察の命令通りに動くのだが、これがいっかな前に進まない。そうこうしているうちに、彼方から爆発音が聞こえてくる。連続的に聞こえてくる。この長蛇の列を待つことなく、花火業者は次々に点火して花火を打ち上げていく。けれどもここは密集地。尺玉みたいな、そんなどでかい花火を打ち上げられるはずがない。腕を少しでも動かせば隣の知らない人の汗だくの腕に触りそうな人間缶詰状態で、首を巡らせても見えるのはビルの群れ。そのビルの壁に、花火の閃光らしきものが反射する。結局、両国の駅に戻るまで、ただの一発も花火を目撃することなく、ひたすら汗だくの夏の夜であったのだ。で、それ以来、ボクは花火大会が嫌いになった。それからずいぶん挑戦したが、ただの一度も花火大会で楽しんだことがない。真下に場所を確保すれば、音はでかいし、燃えカスは落ちてくるし、目なんかあけてられない。花火大会が楽しいのは現場に到着するまで。それは計画してるときがいちばん楽しい、旅の経験とどこか共通しているのかもしれない。

 未明から起き出して窓を開ける。もう台風はどこにもいない。不安にさせるだけさせといて、本人は、一つ目小僧なんだから本人と呼ばせていただくのだが、そのご本人は最初の上陸作戦とはえらく違うコースで日本列島上陸を遂行しつつあるらしいのだ。おいこら、12号、あんまり西日本を苛めると、承知しないぞ。

 お昼になって日曜最大のラジオイベント、NHK喉自慢を聴こうと思ったら高校野球の東京地区の決勝戦。ちょいといい試合をやってくれてるけど、ボクはガッカリ。仕方ない、夏休みだ。ここしばらくはずっと高校野球に付き合わなくてはならないのだ。子ども電話相談室もあきらめなくてはならないのだ。はい。100回目ということで、いい試合を期待してます。

 夕方の散歩から戻ったコボちゃん、ニコラの赤ちゃんブルドッグ、シャーロットの心臓い穴があいてるのがわかったとしょげている。ペットショップで交換なんかしようものなら、処分されてしまうに決まってる。一度結ばれた絆である。お金の問題ではないのだ。頼りになるのは近所の獣医さん。ペットショップとグルになってる拝金主義の獣医なんか、信用できるもんか。そういうコボちゃん、夜になって豪徳寺の行列のできる獣医さん、並木先生の貴重なお時間をいただいて、アルルの抗癌剤治療について、細かく相談をさせていただいている。この先生のおかげで日本動物高度医療センターに紹介いただいたのだが、近所にこんな先生がいてくださると、愛犬家も愛猫家も安心して暮らしていけるのだ。ということで、そのお電話をいただいて、ボクからも心からの感謝をお伝えさせていただきました。

 一日遅れで開催された両国川開き、正式には隅田川花火大会の現場である。夜のニュースで女性グループがインタビューを受けている。
「延期のおかげでメンバーが減っちゃったわ」
 賑やかに答えている。このおばさんたちは警察の交通規制にも悩まされず、花火大会を楽しんだのだろう。人が集まるイベントでは、おばさんのように、自らエネルギーを放射してないと、雰囲気に敗けちゃうんだよね。おばさんの爆発力は尺玉にも負けてません。

▲ おばさんの熱に敗けてる川開き




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