全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2015年10月5日~11日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから29年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。


1005・月・
 まだ北軽井沢にいる。月刊ラジオ深夜便しじまのうたの12月号のイラストレーションを仕上げている。除夜の鐘がテーマなので、炬燵だとか「紅白歌合戦」だとか「いく年くる年」だとか、つまらないことばかりが頭に浮かんできて、自分の脳内データバンクの貧弱さに悩んでいたが、もうあきらめた。除夜の鐘で冒険するのは無理なのである。
 元北里研究所の所長さんがノーベル医学賞に輝いた。北里研究所にはご縁がある。というのも、この芝白銀(しばしろかね)の研究所のバス停から小生は、はるばる慶應義塾志木高校まで通っていたからだ。そればかりではない、このバス停から慶應義塾三田キャンパスへ往復したこともある。なんでこんなことを書くかというと、北里柴三郎は慶應義塾医学部との縁が深く、師を経済的に支援していたのが福沢諭吉であったからだ。この慶應義塾と縁の深い北里研究所を、当時のボクの勉強部屋から望見することができた。その特徴的な形状と色彩の屋根をいつまでも忘れることができないでいたら、三十路を過ぎた小生が犬山の明治村を訪れたとき、突如として眼前に出現したのが、その忘れることのできない屋根であったのだ。小生の知らない間に研究所の建物は明治村に移転されていたのである。さて、このノーベル賞受賞者の大村さんは薬の特許で大金持ち。その潤沢な資金で各方面へ多大な貢献をされているとか。そのひとつが資金不足に悩む北里研究所への援助。世の中は見えない糸が複雑に絡み合っている。そう。北里柴三郎こそ、最初のノーベル医学賞の最終候補者。氏の血清研究が評価され、その共同研究者だけが受賞者となったのである。当時の日本にもっと力があったなら、最初の医学賞は日本科学者の頭上に輝いていたかもしれないのだ。そう。あの湯川秀樹博士よりもはるかに早く、である。
 43年ぶりに小松左京先生の『日本沈没』を読んでいる。本の中で浅間山が噴火をし、溶岩を流している。そして現実世界でそれを読んでいるボクのいるのが北軽井沢。すぐそこが鬼押し出しで、浅間山が聳えている。実物の浅間山も今にも噴火しそうで、たまらない臨場感である。それにしても小松左京という作家のなんたる先見性。東日本大震災で発生した広域震源の超巨大地震を、東日本大震災のはるか以前に本の中で描いている。そしてそこに表現されている被災シーンが、まるで阪神淡路大震災や東日本大震災の報道を見聞きしているようにリアルなのである。ボクがことさらに小松左京先生と祭り上げる理由がそこにあるわけだ。
 さて、最近は人工透析が楽しくてたまらない。4時間が瞬く間に過ぎていく。これもまた、サピエ図書館のおかげである。一昨年からお世話になっているサピエ図書館が音訳図書ばかりでなく、音声映画まで数多く供給していることを知ったからだ。今週のブログからしばらく、この夏から秋にかけて鑑賞した映画についてちらほらと触れてみたい。
『南極料理人』
 実話の映画化であるらしい。事前知識も、何の期待もなく観たのであるが、脚本が見事だった。零下70度の南極をいかにしてビジュアル化したかについては興味を引かれた。伊勢海老の海老フライとか、手作り麺によるラーメンとか、料理人としてのアルバイト経験のあるボクとしては、その調理方法にも興味があるし、その撮影風景をあれこれ想像するのも愉快だった。
『容疑者Xの献身』
 主役の数学者を演じるふくやままさはる君がいい。この人、ボクが初めて個展を開いた1969年の生まれ。なのにボクは絵をかくだけで精一杯で、この人は才能の宝庫、というかデパートメントストア。おまけに美貌の持ち主というのだから始末におえない。なのに焼き餅を焼くどころか、一発でファンになってしまった。その賢そうな声音(こわね)と語りがグッときたのだ。直木賞をもらった東野圭吾の原作がいいから脚本もいい。まだ観てもいいな、と思わせてくれた作品である。
『ハリーポッターとアズカバンの囚人』
 二度目の鑑賞である。ステレオだから臨場感がすごい。文句なく楽しめるし、吹き替えの声優もいい。原作でイメージができているから、たちまちのうちに物語世界にワープする。気が付いたら透析が終わっていた。
『ハリーポッターと秘密の部屋』
 これも二度目である。アズカバンの囚人を観たおかげで、ハリポタ熱が復活してしまった。無条件で楽しめるので、透析の4時間に刃もってこい、なのである。
▲ 都から 戦の匂う 秋の暮れ


1006・火・
 大村さんのノーベル医学生理学賞に喜んでいたら、今度は物理学賞。またまたカミオカンデである。極微世界の超微粒子、またまたのニュートリノである。ニュートリノというとコシバ先生。無言館の成人式の会場で、コシバ先生にお尋ねするチャンスがあったにも関わらず、カミオカンデが陽子(ようし)、陽子さんではありませんよ、プロトンのことですよ。その陽子崩壊(ようしほうかい)の証明をするはずが、いつからニュートリノ検知装置になってしまったかというボクの疑問を晴らしてないのが残念でたまらず、自分の勇気の欠如に、今でも胃袋のあたりがソワソワして仕方がない。今度の受賞者は、そのコシバ先生のお弟子さん。カミオカンデに顔を出していたら、こういうことになってしまったらしい。でも、本当の受賞者は、カミオカンデやスーパーカミオカンデという、極超微粒子検知装置であるような気がするのだが、さてどうだろう。
 それでは引き続き、音声映画の話題。
『八甲田山』
 真夏に厳冬の世界をのぞいて、少しでも涼しさを味わおうとこの映画を選んだ。昔の軍隊にも丸投げってあったのね。それでも責任者は逃げない。逃げてばかりで責任をとらない永田町や霞が関の面々を思い浮かべながら観終わる。それにしても、三船敏郎とか高倉健とか、どうして日本人は大根役者が好きなのだろうか。これに出てくる加山雄三も、かなりの大根だった。ひとり輝いていたのが北大路欣也。この人、友人の談奈さんです。関係ないけどね。
『鍵泥棒のメソッド』
 脚本が評価されたというので観る。けれどもなんだかテレビドラマみたいで、ほとんど印象に残っておらず、何も想い出せない。
『アポロサーティーン』
 当時のことをあれこれと思い出す。最初の月面着陸で、着陸船が月面を離陸する場面が宇宙中継されたのが昨日のことのように蘇る。最初の個展を準備している頃だったから、アポロというと、あの頃の自分の絵がまぶたの裏に浮かんでくる。いずれにせよ、アポロ計画のあれこれはボクの青春時代であったのだ。
『タイタニック』
 ああ、そうなのか。こういう映画だったんだ。CGの合成映像だから、見えなくて残念とは思わない。けれども 、ヒーローとヒロインのダンスシーンだけは、ちょいと見たいと思わされた。
▲ ノーベルの 思いはるかに 秋の風


1007・水・
 朝、コボちゃんがアルルとの散歩から戻ってくる。林を歩いていると、団栗が音をたてて落ちてくるという。それら団栗たちが未来の森を引き継いでいく。人も森も、子どもがあって未来がある。
 北軽井沢から東京へ戻る直前、我妻地方に霜注意報が発令された。明日は寒露である。山が寒いのは当然かもしれない。けれども、もっと寒いのがアベちゃんの内閣改造。一億総活躍担当大臣って、なんだそりゃ!?そんなスローガンみたいな大臣がいてたまるもんか。あんまりインチキな内閣改造ばかりしてると、そのうち内臓が革命を起こして、お腹をくだすぞ。なんちゃって。それにしてもアベちゃんの大袈裟な物言いは北朝鮮の世襲権力者に通ずるような気がする。ところで、オレオレ詐欺に騙されるくらいだから仕方がないのかもしれないけれど、アベちゃんは次の選挙までうまく騙すつもりでいるのだろう。けれども一億総活躍なんてヒネリのないフレーズでは、オレオレ詐欺の方が騙しのテクニックについては役者が一枚も二枚も上なんだと思う。それにしても一億総活躍なんて、アベちゃんは一億がとても好きみたい。そういえば戦時中は一億玉砕とか、進め一億火の玉だとか、国家は本気で一億国民に本土決戦を無理強いしていたよね。考えてみれば、アベちゃん一族は戦争によって太ったことはあっても、ひどい目は経験していないはず。そんなアベちゃんが改造する内閣に中身があるとはどうにも思えないのである。とりあえず、トップニュースがノーベル賞関係で、内閣改造でないことが救いである。
 というわけで、何がというわけかは知らないけれど、今回も映画レポートの続きです。
『運動靴と赤い金魚』
 運動靴ひとつで運命が変わる。そんな貧しい家族がある。けれども家族の絆にとって、貧しいことが悪いこととは限らない。傷を癒す金魚の姿が華麗である。以前、話題になったイラン映画。観たいと思っていたので嬉しかった。サピエ図書館に感謝である。
『猟奇的な彼女』
 韓国のユーモアって、本当にこんな感じなのかしら、と驚きの連続。ボクにはよくわからない映画だった。
『ニューシネマパラダイス』
 イタリア映画である。以前から気になっていたタイトルだったが、まさか主人公のひとりが視覚障碍者だとは思わなかった。現在全盲の自分が映画を楽しんでいる。その事実を噛みしめながらの時間となった。『刑事』とか『鉄道員』とか『ミラノの奇跡』とか『自転車泥棒』とか、大好きなイタリア映画がいくつかある。この映画、そのひとつになるかもしれない。最後のキスシーンの連続場面だけが、この目で見られないのが残念だった。
『紙の月』
 角田光代原作である。早速サピエ図書館からダウンロード。原作を読み始めた。
『時を翔る少女』
 ここまでやっちゃうと、原作とは別の物語。筒井先生はどう思われているのだろうか。
『スラムドッグミリオネア』
 インドが舞台の映画だが、最後までよくわからなかった。映像があったら違う印象なのかもしれない。
▲ 改造で 減らした椅子は 元通り


1008・木・寒露・
 昨日を北軽井沢からの移動に当てたため、本日午後の変更透析である。以前はイレギュラーな透析が苦手だったが、最近は時間がいつでも場所がどこでもへいちゃら。透析でも矢でも鉄砲でも何でも持ってきやがれ。人間、古希に手が届くくらい生きていれば、図々しいもんである。プレクストークで週刊朝日10月9日号の斜め読みをして、今度は音声映画『もののけ姫』をじっくりと鑑賞。この映画、北軽井沢でコボちゃんに画面解説をしてもらいながら観たことがあるが、いまひとつよくわからなかった。けれどもそこは日本点字図書館。しっかりとした画面解説で映画鑑賞をサポートしてくれる。言葉の意味も深読みすれば宮崎駿の意図が見えてくる。音響もステレオだから、どっぷりと物語世界を堪能いたしました。
 そういうわけで、引き続き音声映画レポートです。
『超高速参勤交代』
 福島県は現在の岩城氏。江戸時代には何といったか忘れたが、その藩主が江戸幕府から無理な参勤交代を命じられる。さぁ、どうする。よくぞまぁ、こんな映画を作りました。といった印象だったけど、それなりに楽しめた。福島訛りがリアルだったし、役者も頑張って、日本映画健在、という感じである。
『カノジョは嘘を愛しすぎてる』
 漫画の映画化であるらしい。音楽シーンがお勧めということでダウンロードしたのだが、かなり中途半端な印象。とりあえず最後まで付き合ったが、これという感動もなく観終わる。ただし、役者たちは与えられた仕事をしっかりと遂行していて好印象。
『42・世界を変えた男』
 大リーグの伝説的黒人選手を描いた野球映画で、素直に感動した。ハリソンフォードが黒人選手を自分のチームに招き入れた球団オーナーを演じている。選手の名はジャッキーロビンソン。そして現在、42番は大リーグすべての永久欠番となっている。人種差別を題材にした作品を数々見てきたが、それだけ作品が世に出ているということは、それだけ人種差別の根が深いということであろう。人種差別に限らず、人間は差別しなくてはいられない生き物ともいえるのだ。と、これは以前も書いたこと。
『幸せへの軌跡』
 ノンフィクション作家が家族を引き連れて動物園つきの家に引っ越す。家も手に入れたが動物園も経営しなくてはならない。母親を失って苦悩する息子と父親。動物園が家族の絆となっていく。どうやら実話の映画化らしいのだが、それとは関係なく、生き物好きのボクは無条件に感動してしまう。父親と年老いた虎の友情が心に残る。
 ということで続きはまた明日。
▲ 秋晴れと まぶたに映す 映画館
 

1009・金・
 伊集院光氏の番組に出演していたトライセラトップスのリードボーカルの和田君って、あの偉大なイラストレーター、和田誠の息子さん。となると、ボクの絵本『はやくこないかな』を読んでやらないと寝ないと、和田誠氏を困らせていた張本人。道理でインテリジェンスを感じさせるパーソナリティーだと思わされたわけだ。
 ロシアのクルージングミサイル、大丈夫なのかしら。ISILに届かず、イランに落ちて大迷惑。プーチンは武器デモンストレーションのつもりだったんだろうが、逆効果だね。それにしてもプーチン、ロシアの兵器産業の後押しもしなけりゃならないから親分も大変だ。ま、日本ではアベちゃんが頑張っているけどね。
 デイキャッチのスタッフの誰でもいいから荒川強啓を少し黙らせてくれ。せっかくの宮台真司先生のトークを邪魔ばかりして番組をつまらなくさせている。どんな馬鹿でも自分の馬鹿に気がつけば、少しは馬鹿から離陸できるのに、本物の馬鹿は自分を賢いと思っているから、永遠に馬鹿地獄をさ迷うのである。
 気がつけば窓からの斜めの日差しが温かい。これからの晴れた日はグッドデイサンシャインでありがたい。寒さに向かう季節の中で、ボクの頼もしい味方である。
 透析からの帰り道で想いつく。痴漢撃退のグッズとして変装マスクはどうだろう。たとえば蛇女仮面とか、猫娘お面とか口裂け女マスクとか。後ろからおかしな靴音が近づいてきたら、パッと振り返ってやればいい。どんな痴漢も、後も見ないで逃げ出すに違いない。ただし、過剰防衛で訴えられても知らないよ。
 またまた、この夏から秋にかけての映画体験レポートの続きです。
『さぶ』
 山本周五郎の原作である。ジュリーやつまぶきさとしをはじめ、役者たちの好演がいい。外国映画の場合は吹き替えなので俳優の息遣いが直接には伝わってこない。だからどうしてもボクは邦画を優先してしまう。とりわけ三谷幸喜監督の映画で知ったつまぶきさとしという役者の、うまいのかへたなのかよくわからない演技に魅力を感じている。
『椿三十郎』
 黒沢明監督の1962年作品である。これまた山本周五郎の原作である。三船敏郎の37人連続斬殺シーンのすさまじさが話題になった。三船先生、大根役者だが、動きは素早く、目にもとまらない。ラストシーンの逆手抜刀斬りの意外さも話題になった。この映画が切っ掛けで、人が斬られるときの効果音が当たり前となった。この映画に触発されたのだろう、三十郎スタイルの3人の浪人が活躍するテレビ連続時代劇『三匹の侍」が大ヒットして、ドバッ、ズバッ、バシュッ、と音をたてて次々に人が斬られていった。この映画、何度観たかわからない。おかげで音声映画であっても、実に鮮明に映像が見えてくる。三船敏郎の去りゆく後姿、加山雄三の驚く表情など、手に取るように蘇る。人間の映像記憶って、いったいどうなっているのだろう。
『雨あがる』
 黒沢明脚本である。寺尾聡主演である。制作は黒沢明のご子息、黒沢久男。監督は黒沢明の助監督。つまり、黒沢明が生前に実現できなかった映画化をゆかりの人たちが作り上げた、ということだろう。もしも黒沢明がメガフォンをとったなら、こういう映画になったろうな、と思わせる出来になっているところがミソ。というわけで、二度も観てしまった。やっぱり黒沢明からは逃げられない。
『ウォーターボーイズ』
 つまぶきさとし。文字はわからないけど、面白い役者だと思う。三谷幸喜の『ザ・マジックアワー』という映画でこの役者を知った。うまいのかへたなのか、よくわからない。けれども魅力がある。というわけで、この映画も彼の主演ということでのぞいてみた。男子高校生のシンクロナイズドスウィミング。もしも目が見えていたら、この映画、どうだったんだろう。もしかしたら、見えないから楽しめたのかもしれない。
▲ 秋の日は 遠くのものが よく見える


1010・土・目の愛護デイ・
 本当の体育の日である。あの忘れられない、1964年東京オリンピック開会式の当日である。抜けるような青空に描かれた巨大な五輪。それを見上げながらボクは誓う。いつか世界を旅して、いろいろな場所から、この空を見上げてやろうと。そう。ボクの最初の個展のタイトルも「空」であったのだ。そしてその3年後、ボクは欧州に旅立つ。
 それからこれも大切なこと。今日はアリーナの命日。もうひとつ、自分の生涯で永遠に忘れられない日であるのだ。
 朝、窓を開放していたら、すぐ傍の枝でカラスが警告音を発している。ハシボソガラスの声である。そこでボクも警告音。喉の奥で、
「コロコロコロ」
と声を震わす。物真似は得意なのだ。するとカラス、すぐに反応。さらに激しく警告音。けれども障子が閉めてあるのでカラスからボクの姿は見えない。敵の正体がわからないから飛び去ることもできない。しばらく警告音のやりとりをしているとカラス、警告音を途中からおかしなつぶやき声に換えてしまった。そしていきなり場をとりつくような鳴き方をしたかと思うと、羽音を残して消えてしまった。また遊びにくるといい。頭のいいカラスは、馬鹿な人間にも付き合ってくれるからありがたい。
 NHKラジオ「真打競演」の漫談コーナーは松鶴家千とせ(しょかくやちとせ)師匠。
「俺が昔夕焼けだったころ、弟は小焼けで、お父さんは胸焼けでお母さんは霜焼けだった。わかるかなぁ。わっかんねえだろうなぁ」
 このフレーズ、40年以上も聞かされているのに、ちっとも飽きずに笑っている。この人のすごさはそこにある。大好きな芸人さんである。いつまでもお元気でご活躍いただきたい。
 日本沈没を感動のうちに読み終える。けれどもさすがの小松左京先生も、水戸の山奥あたりの方言にはお詳しくなかったらしい。長老のセリフが日本全国どこでも共通、落語でしか通用しない「なんちゃって方言」なのである。落語作家でもあった小松左京先生、ここはうまく誤魔化しましたな。というわけで、何がというわけかは知らないけれど、いよいよ第二部を読み始めるぞ。
▲ 次々と 色を変えゆく 秋の木々
◇ バーチャル『四国八十八カ所』コース  41番、龍光寺を仮想参拝、通過しました。
次は42番、仏木寺。あと7,143歩です。現在の歩数、1,463,857歩。2周目挑戦中!


1011・日・
 雨である。音をたてて落ちている。秋の雨はどこか寂しい。たとえ激しく降ろうとも、強さなんか感じない。まるでじじいの頑張りである。
 その雨の朝のラジオは志の輔(しのすけ)ラジオ「落語でデート」。今朝のお相手はまるごとリコさん。広島県出身のかなりユニークなシンガーソングライターである。子どもの頃、大きな声で歌っていると、父親から
「お前の声はまるでカエルだな」
といわれながら育ってきた。知人の結婚式の引き出物リストにギターがあったので親に頼んでそれを選んでもらい、以来弾き語りをしているという。出したばかりのミニアルバムがこころよほう。雨のち晴れというサブタイトルがついている歌。ユニークな歌声ではあるが、心に染みるかなりいい曲。広島県でブレークしたことが納得できる。全国の日の当たらない市町村にいき、ご当地ソングを作っているということだが、このシンガーソングライター、ひょっとすると化けるかもしれない。ボクは一度で気に入った。久しぶりに聴いた志の輔ラジオだけれど、やっぱり志の輔はいい。その優しさは談志師匠につながるものがある。とはいえ、これは立川談志という人物に直接触れたことがあるから思うことである。
 NHKラジオからすごいバイオリンが流れてきたと思ったら川畠成道さんだった。超絶技巧といえば一言で終わってしまうが、川畠成道さんの音楽にはそれを超えるものがある。こめられているサムシングが只事ではないのだ。また彼の演奏が聴きたくなった。
 自分だけ安全な場所で勝手をほざいてるアベちゃん。トルコのテロに対してだって、どんなこともいえるだろう。けれども集団的自衛権をアメリカの求めるままに行使したら、日本だってテロの対象になるんだぞ。今世紀のアメリカは東側ではなく、イスラム過激派との戦争を世界各地で展開している。もしも日本の同胞が、愛する人たちがテロ攻撃にさらされるようなことがあったらアベちゃん、あんたにとれる責任って、何があるのだ。政権を変換することぐらいでは許されないのだぞ。もしもそんなことになったら、あんたの首を差し出してくれたまえ。もっとも、首を差し出したら首相じゃなくなっちゃうけれどもね。
 お昼からのNHK「素人喉自慢」は奈良市からの生中継は大笑い。85歳の宇宙戦艦ヤマトを歌ったおじいちゃんは沖田艦長のコスプレで佐々木功さんも大喜び。次々に鳴らされる合格の鐘で挑戦者10名の半分が合格。チャンピオンはいちばん元気のよかった年若い最初の合格者。きっと将来性が評価されたんだろうな。数々の歌声、おかげで昼飯のいい御数(おかず)になりました。
 ぼんやりしていたらラジオから神奈川県でライトセイバーの競技会があったと流れてきて驚いた。スターウォーズのヒーロー、ルークスカイウォーカーの、あの携帯武器がとうとう現実世界に現れたのだ。となると、それってどんな競技?まさか真剣勝負じゃないよね。コンマ何秒かでそんなことを考えていたら次の瞬間、ライフセイバーの競技会を聞き違えたことに気がついた。ぼんやりしてちゃいけない。さもないと、世界を取り違えてしまう。
 午後のNHKラジオは伝統の漫才番組「上方演芸会」。1949年以来、すべて書きおろしネタで演じられている。本日は三味線漫談のきみやたまご。あの名人、きみこいしの娘さんである。いい感じ。鍛えられた芸である。父の遺言は芸人は死ぬまで勉強。その言葉が生きているのだ。漫才はぼんち。さすがベテラン。面白かった。
 久しぶりに東京で過ごす日曜日である。ラジオ三昧をしてしまったので、今からお勉強。パソコンに向かうことにしよう。
 そう思っていたのだが、日が暮れるまで『日本沈没』の第二部を耽読してしまう。再読である。43年ぶりに『日本沈没』の第一部に耽溺してからなので、三倍楽しんでいる。登場人物が誰なのか、前作とのつながりを強く意識しながら読み進めることができる。小松左京の偉大さを改めて思い知り、第二部に秘められた意味を深読みしながら読み進めている。日本人であることを噛みしめている。
▲ 深む秋 都の雨の 日曜日
◇ バーチャル『四国八十八カ所』コース  42番、仏木寺を仮想参拝、通過しました。
次は43番、明石寺。あと26,315歩です。現在の歩数、1,473,485歩。2周目挑戦中!




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