全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2015年5月18日~24日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから29年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしてありますが、これは視覚障碍者のための音声出力をサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。

0518・月・
 本日の東京、予想最低気温は17度、最高気温は25度。日の出は4時34分、日の入りは18時41分。そして週の始めは恒例の日本列島日の出の時刻。資料提供はラジオ深夜便。札幌は4時9分、仙台は4時24分、東京が4時34分、名古屋は4時47分、金沢が4時45分、大阪が4時54分、広島は5時6分、松江は5時2分、松山は5時6分、福岡が5時16分、そして那覇が5時42分。札幌と那覇の日の出の時間差は1時間33分。ラジオ深夜便のアンカーのいう通り、日本は細長い国なのです。
 麦秋(ばくしゅう)という季語があるという。麦の取り入れの時期、つまり初夏をいうらしい。調べたらこの言葉、二十四節気には存在しない。日本が米の国であるからだろうか。麦秋。いい言葉である。小さな頃、祖母の家は麦畑の真ん中にあって、麦畑の波を掻き分けていく船のようだった。この言葉を聞いて、真っ先にその光景を思い出した。
 二重行政の解消を目的とする大阪改革が僅少差で否決された。橋下(はしもと)市長の都構想を詳しく知らないのでこの結果が大阪経済に吉と出るか凶と出るかは予測できないが、この僅差は橋下氏の影響力の大きさを物語っていると思う。政治家引退宣言の際に発言したといわれる
「権力者は使い捨てがよい」
はカッこいいし、その通りだと思う。この人物に対する今後の評価に注目である。
 夜になって細かい雨が落ちてきた。小笠原には台風7号が接近しているので、その影響かもしれない。今年は早くから次々と台風が生まれている様子だが、いくら生まれてもいっから、上陸だけはしないでね。

▲ 麦秋(ばくしゅう)を 走り抜けてく ニュースたち

0519・火・
 蒸し暑い。小笠原諸島に台風7号が接近している影響だと思う。けれども奄美方面は梅雨入りというのだから今年の入梅は早くなる、ということか。だったら嬉しくない。台風の早い年は冷夏になるという。梅雨が長くて冷夏だったら最低。夏の好きなボクとしては暗くならざるを得ない。ま、天候のことで文句をいうのは頭のいい行為とはいえないので、もうやめます。

▲ 蒸し暑さ 好きじゃなくても 夏はきぬ

0520・水・
 本日の東京、日の出の時刻は4時33分、日の入りは18時43分。昼間の長さがピークに向かって急速に延びつつある。毎年のことだけど、得をした気分になるのは不思議なことである。
 高校1年生が登校時に祖母と母親を包丁で刺殺してしまった。衝動的に殺してしまったのだろう。その包丁を鞄に入れたまま警察へ自主したという。我慢ということさえ訓練されていれば、その鞄は学校へ下げていくはずの物だったのだ。それにしても単身赴任の悲劇の父親が気の毒でならない。そして考えるだけでつらいのが高校1年生のこの男子の未来である。瞬間の逆上がもたらした悲劇の人生を、これからの長い生涯に背負って生きていかなければならないのだ。彼は決して悪い人間ではないと思う。
 日本がオーストラリアへ潜水艦の技術を提供するという。日本の密閉式内燃機関を有する潜水艦技術は原子力潜水艦をしのぶものがあるのだ。これを日本では防衛装備品移転という。ついこの間までは武器輸出といっていた行為である。積極的平和主義とか防衛装備品移転とか存立危機事態とか、どんどん新しい言葉が作られて、国民はどんどん煙にまかれていく。

▲ 立ち止まり 隣を見れば 青い春

0521・木・小満・
 またまたオスプレイが落ちた。ハワイのオワフ島で落ちた。開発段階から58回も落ちたとかでその安全に疑問符だった新型の輸送機だが、ここしばらくは事故の話題もなく、輸出する方も購入する方も
「しめしめ」
と思っていた矢先の墜落なんだと思う。というわけで関係方面はかなり慌ててるんじゃないだろうか。本当は50億円のオスプレイだが、日本は100億円で買わされるらしい。ま、こういうお約束をさせられている関係だから、アベちゃんもワシントンであれだけ歓迎されるわけだ。なんでこの人、売国奴といわれないんだろ。やっぱ、自粛してんのかな。
 政府の考えた新国立競技場構想が暗礁に乗り上げている。以前から指摘のあった計画の欠点が形になり、お粗末な計画であったことが証明されたわけだ。誰が考えたのか、絵画館前の景観を滅茶苦茶にする東京都民なら考えないようなこのプラン。ところが政府側は責任の所在を明らかにしないどころか、東京都に500億円の支出を要請してきたという。これに対して舛添東京都知事は、これまでの情報開示を拒む政府を過去の大本営みたいだと批判したらしい。ま、どんどんいってやればいい。1964年の東京オリンピックの無計画な首都高速道路で江戸東京の景観はぶち壊された。さらに2020年の東京オリンピックでは絵画館前の風景が失われようとしている。東京を滅茶苦茶にされても文句のいえないような、そんなにオリンピックは偉いのか。ボクは今でも1964年の東京オリンピック以前の東京が懐かしくてたまらない。帰ってこい、都電。戻ってこい、スパゲッティーみたいな首都高速の存在しない広い空の東京都。

▲ 小満の 今夜も隣 カレーかな

0522・金・
 ラッシュアワーの小田急線に乗る。メクラにはきつい満員電車である。ところが乗りながら考えた。全盲でも一般の人々と同じように通勤電車で揺られて通う視覚障碍者がおられるのだと。自分は甘いなぁ。つくづくそう思う。
 目の前に腰掛けている人の膝とボクの膝が押し競饅頭(おしくらまんじゅう)をやっている。シャカシャカ、ペコパコと、斜め上からのステレオイヤフォンから音楽が漏れ落ちる。後ろではオバタリアンがでかい声でケータイをかけている。久しぶりの満員電車の環境はちっとも改善されてはいなかった。
 南新宿で降りると駅員が点字ブロックの上でぼんやりと突っ立っている。ボクらがそれを避けて迂回する。
「駅員が譲らないで、盲人が迂回して、どうすんのよ」
とコボちゃんが吐き捨てても駅員は気が付きもしない。点字ブロックの意味を知らないのだろう。小田急の駅員は馬鹿なのだ。
 改札口を出ようとすると、外国人の親子が道を開けてくれる。
「ありがとうございます」
 コボちゃんが頭を下げる。日本では外国人が道を譲ってくれ、アメリカでは日本人が衝突してくる。これが日米の白杖に対する反応の違いなのである。
 南新宿、紀伊国屋フロアのタリーズコーヒーでブラックコーヒーを飲みながらジャックロンドンの『荒野の呼び声』を読んでいる。斜め向かいの座席ではアメリカ人のご夫婦か、もしくは中年のカップルが熱心にしゃべっている。間違いない。美しいネイティブのアメリカンイングリッシュである。ボクの向かいでは年配の紳士がときどき咳き込みながらも本を読んでいる。あとは静寂。街にあふれている中国語も聞こえてはこない。少し離れたところから聞こえてくるコーヒーの注文を確認する女の子の声が早口で金属的なのが気になる。とはいえ、静かである。買ったばかりの本を読むには最適の環境なのだ。
 コボちゃんは医学関係書を求めて歩き回っている。広いフロアだから時間をかけて探せばいい。そのためにボクはプレクストークで「読書」をしているのだ。筒井康隆の短編小説『耽読の家』の作中で登場人物の間で話題になった小説『荒野の呼び声』を読んでいるのだ。筒井先生お勧めだけあって、夢中で読まされている。一気に読了してしまいそうな勢いである。でも、あんまり面白いので勿体ない。せめて読了は明日までに引き伸ばしたい。
 クルマの中で緊急地震速報が鳴り響く。透析からの帰り道である。ボクもコボちゃんも、そして後部座席のアルルも緊張する。ここで揺れたらどうしようと戸惑う。けれどもすぐに、それが奄美地方への警告であると知る。こういうとき、緊急地震速報の全国放送はどうなのだろう。やっぱり迷惑だと思う。人に無駄な緊張を強いるからだ。この場合、奄美地方の人々には申し訳ないが、奄美地方の人だって、東京方面の緊急地震速報を流されたら、同じように迷惑なのだと思うのだ。緊急地震速報は貴重な情報である。その情報を狼少年にしないためにももっと賢い運用方法があるような気がする。情報も流せばよいとは限らない。

▲ 風薫り 街にあふれる 外国語

0523・土・
 朝8時、NHKで「ラジオ文芸館」は橋本治の短編小説『にしん』。やっぱりうまいなぁ、と思う。イラストレーションに小説。ありとあらゆる表現活動。
「とめてくれるな、おっかさん」
の東大全共闘ポスターで一世を風靡した、あのスーパースターはいつまでもスーパースターなのだ。天才はどこまでも天災なのだ。ますます自分の鈍才ぶりを自覚している自分にとっては、ちょっと痛い朝になってしまったかもしれない。目の前に橋本治のシャープなドローイングがちらちらしている。口惜しいなぁ。
 豪徳寺へと散歩に出る。6月にもならないのに、もう紫陽花が咲いている。そういえば春蝉のニュースも届いた。季節が早いのか、今年が暑いのか。とはいえ、こんなに早くから暑くなってると、夏の分の熱が不足するんじゃないのかな、地球さん。人体にせよ、天然自然にせよ、ホメオスターシスで恒常性は保たれる。エネルギーは不変であり、普遍なのである。熱力学の法則なのである。あれ。どっか違うかも。ま、とにかく今年の夏は暑くないかもしれないのだ。
 世田谷線沿いの動物病院はいつも繁盛、たくさんのワンちゃんたちが玄関の前に並んでる。もちろん飼い主も並んでる。トイプードルにフレンチブルドッグ、ドーベルマンも並んでる。
「ほら、あの子。お友だちのドーベルマンよ。こっちを見てるわ」
 コボちゃんがいう。なんだか知らないが、アルルはドーベルマンに好かれるのだ。
 いつもの焼き鳥屋「とりたけ」でつくねとレバーを買い、豪徳寺駅前花壇でマックシェイクを飲む。立ち飲みの居酒屋からは人があふれ、若いアンちゃんとねえちゃんが『進撃の巨人』について口から泡を吹いて論じている。野球の話かと思えばそうでないことくらい、ボクも知ってはいるのだが。あはは。ああ、いい季節なのだ。駅前は人があふれているのだ。
 ジャックロンドンの『荒野の呼び声』を読了する。そしてジョージオーウェルがジャックロンドンから影響を受けていたことを知り、驚く。やっぱりもっと古典を読まなければいけないと思った。
 土曜の深夜はNHKラジオ第二で「朗読の時間」再放送。今夜は相馬御風(そうまぎょふう)の随筆集をBGMに「とりたけ」の焼き鳥で一杯やる。相馬御風は『春代こい』や早稲田大学校歌の作詞で知られる詩人。良寛和尚の研究家としても有名であるとか。その文章はどこまでも美しい。その美しいところを七代目瀬川菊之丞が読み上げるのだからたまらない。焼き鳥がなくともヨダレが垂れてくる。今夜のハイライトは加賀の千代女(かがのちよじょ)に関する記述であろうか。
「破る子の なくて障子の 寒さかな」
「蜻蛉釣り 今日はどこまで いったやら」
など、幼い子どもを失ったという発句の背景を知れば涙の出るところである。今夜も勉強になりました。

▲ もう夏日 季節は急に 止まれない

0524・日・
 お昼からは日曜日のランチタイムのお楽しみ、NHK「素人喉自慢」。高知県四万十市からの生中継。なのにアナウンサー、高知県は四国市からの中継とオープニングからとちって、ゲスト歌手のよしいくぞうから
「生中継ですよ」
とからかわれ、恥をかいている。さて、先週の放送もそうだったが、気候のよい土地では優秀な歌い手が育たないらしく、今週もイマイチシンガーの続出。それでも5人が合格の鐘を鳴らし、その中で歌手志望という美しい歌声の少女がチャンピオンに選ばれ、リスナーとしては安堵の結果となった。いずれにせよお国柄拝見という番組制作の意図は毎回成功しているわけで、来週も楽しみなわけである。あああ、オイラも当たり前のおっさんになっちまったな。
 相変わらず取組中は早口が過ぎて何をいってるのかわからない大相撲のラジオ中継ではあるが、この夏場所は面白かった。本日は千秋楽なので最初から傾聴する。負傷明けで心配していた遠藤だったが期待以上の活躍をしてくれて来場所が楽しみである。稀勢の里(きせのさと)がもっと頑張れば大いに盛り上がること間違いなしの大相撲なんだけど、そこはガラスのハートだから仕方がない。今場所も初優勝を期待させたけど、結局はモンゴルの新人力士に初優勝を持っていかれる。それにしても今場所も白鵬(はくほう)の態度の悪さが目立ったような気がする。武士道や日本人の美学を定量化、もしくはルール化していかないと、勝てばよいのだと思いこんでいる外国人力士には通用していかないような気がしてならない。どうだろう。サッカーに見習って、美しくない取り口を多用する力士や、態度のよくない力士にはイエローやレッドのカードを与えては。イエローカード3枚で黒星ひとつ、レッドカードで黒星とカウントする。これを適用するのは三役以上。こうしないと日本の大相撲の美学を維持できないような気がするのだが。

▲ 仏壇に 新茶の香り 鈴の音




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