全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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Author:emunamae
いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2014年5月12日~18日
☆ この日誌は透析患者が病人ではなく、機械が腎臓の仕事をしてくれる以外は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この文面では難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしてありますが、これは視覚障碍者のための音声出力をサポートするためのものです。決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではありませんので、どうかご容赦を。

0512・月・
 今日は視覚障碍者のためのインターネットボランティア、サピエ図書館による文学マラソンをスタートしてからちょうど1年目の日である。この1年間でほぼ200冊の読書をしてきた。この数字が多いのか少ないのかは別として、全盲のボクが最も読書していた70年代の、目の見えていた時代と同じような勢いでの読書を可能にしてくれている、この21世紀の科学的社会的状況を奇跡と驚愕している。そして、日本点字図書館を築き上げ、全国的な視覚障碍者のためのネットワークを築き上げた本間一夫先生に心からの感謝を捧げたい。
 未明のラジオ深夜便に飛びこんだのがバスジャックの速報。そんな中で警察に連絡した乗客の勇気に感心した。けれども、これは後の報道でわかったことだが、犯人がこれを望んでいたらしい。事件の裏に訳有りの人間関係があるのかもしれないが、人騒がせな話である。困ったもんだ。
 ラジオをTBS「おはよう一直線」に回したら、生島ヒロシアナウンサーがレッツゴー三匹のジュンちゃんの訃報を告げていた。おしまいの部分だけを聴いたのだが、告別式の模様を伝えていたので、お亡くなりになったのは本当のことだと思う。そしてとても悲しくなった。実はボクのケータイにはジュンちゃんのケータイ電話番号がひかえてある。一度だけだが、とても親しくお話をさせていただいたことがある。2002年の三越本店大展覧会のとき、ジュンちゃんと同じホテルに滞在していたことがあるのだ。そのとき、ジュンちゃんは三越劇場に出演中だったのである。三越本店の向かいにある某有名、高級焼き鳥店で飲んでいたら、隣のおじさんが話しかけてくる。それがジュンちゃんだったのである。犬が好きなジュンちゃんは、ボクでなく、ボクの盲導犬アリーナに声をかけてきたのだ。しばらくお話をしていたら、そのおじさんがレッツゴーのジュンちゃんだとわかり、演芸マニアのボクは狂喜乱舞、それからは演芸談義に夢中。図々しくもお友だちになってしまったのだ。展覧会の間、ホテルに滞在中はエレベーターホールなどでアリーナに声をかけていただいたり、挨拶を交わしたりで、いい思い出を作っていただいた。そのジュンちゃんがこの世から去ってしまったと思うと、ボクは悲しくてたまらなくなってしまったのだ。世の中には本当に素敵な人たちがいる。それもボクらの知らない、ありとあらゆる場面で。優雅で静かな人、レッヅゴーのジュンちゃんのご冥福を心よりお祈り申し上げたい。
 ポール・マッカートニーの武道館チケットが10万円で話題になっている。1966年に武道館でボクがビートルズを観たときのチケットはレコードアルバム1枚分の価格だった。2014年の武道館は、出演者は四分の一となり、チケットの値段は家賃なみになる。まあね、あれから48年だもんね。そりゃ、いろいろとありますよ。
 透析中は音声映画『蝉時雨』を、寝る前は『幸福の黄色いハンカチ』を観る。かなり楽しみにしていたので、どちらもちょっとばかり期待外れで残念。『蝉時雨』は主演男優の若さと甘さが気になったし、『幸福の黄色いハンカチ』は笑わせる観光映画だった。ただ、前者は風景の美しさ、後者はロケの見事さに感銘を受けた。そして、人間にとって最も価値あるものは花鳥風月、四季の移り変わりであると納得した。
▲ 風の日も 散ることはなし 若葉かな

0513・火・
 本日の東京、日の出は4時38分、日の入りは18時37分、月齢は14で、明日は満月。そういえば、月が膨れているとコボちゃんがいっていたっけ。
 アーモンドチョコレートをひとかじり。ブラックコーヒーをひとすすり。キーボードを叩いていたら、部屋がぐらり。立ち上がり、直ちにラジオに手をのばす。8時35分、首都圏に地震。東京は震度3の揺れ。震源は千葉県北西部。深さ80キロ。神奈川県でも埼玉県でも震度4を記録した。この地震、千葉県周辺のスロウスリップとどういう関係があるのか、またまた気になってしまった。
 NHKラジオ第2、先週からの「朗読の時間」が面白い。この「馬車の東京、市電の東京」という企画、戦後の東京で育ってきた人間にとって勉強になることばかり。便所を「はばかり」というのは、いうのもはばかるから。そんなことも教えられた。書き手も田山花袋とか岸田劉生とか、豪華絢爛。心して拝聴したい。
 谷岡ヤスジの「鼻血ブー」は評価され、「おいしんぼ」の鼻血には批判が集中する。表現の自由だ。漫画表現なんだから目をつぶれ。いろいろな声が聞こえてくるけれど、広島に原爆が投下されて以来、放射線と放射線被害の因果関係は定量分析化されたわけではない。因果関係が特定されても、鼻血の原因と特定されているわけでもない。加齢だって鼻血の原因になるわけで、理由のない鼻血は気持ち悪いだけ。さて、この議論、どんどん深めればいい。不安があるのは国が正しい報告をしていないからだ。何かを隠していると思わせるからだ。原発政策には、そもそもの絶対的危険があるからだ。ボクはそう感じている。
 今夜も散歩が気持ちいい。この季節、何をしても気持ちいい。酒はうまいし、ヤキトリもうまい。人間も、犬も猫も鳩も、みんな幸せ。
▲ 文机に 五月の風の よきことよ

0514・水・
 今年になって最も暑い日となる。動けばじんわり汗をかくけど、じっとパソコンデスクに向かっていると、風がひやり、頭も体も冷やしてくれる。なんていい季節。寒くないことがありがたく、ひたすら神様に感謝する。
 国際宇宙ステーションから日本人キャプテンが地球に帰還した。スペースシャトルでのスマートなご帰還ではなく、パラシュートでのフワフワドスンの墜落である。この地上との衝突のショック、かなりなものであるらしい。そして乗組員たちはソユーズ宇宙船から自ら降りるのではなく、救援隊によって運び出されるのである。無重力の世界から帰還したばかりの宇宙飛行士は最初、身動きもままならず、ケータイを持ち上げるのにも苦労をして、紙1枚にも重さを感じるという。前世期にボクら宇宙少年たちが夢に描いていたような人工重力の完備された宇宙ステーション、たとえば映画『2001年宇宙の旅』で描かれたような国際宇宙ステーションであったら、決してこんなことにはならない。現実の国際宇宙ステーションはつぎはぎのバラック長屋。つまり、2001年どころか、2014年になっても宇宙開発は遅々として進まず、デンデン虫の歩みなのである。
 音声映画『ゴッドファーザー』を鑑賞する。マフィアものが好きではないので、ずっと避けてきた作品である。とはいえ、あのフランシスコッポラを知らしめた映画であるから、必ず見るべきものありと想像し、偏見なしで試してみた。そして、やっぱり観なければよかったと思った。次から次へと人が殺されていく映画の後味がいいわけがない。というわけで、ボクの予測は正しかったわけだ。この映画の公開は1972年。この年、ボクの記憶が正しければ、日本では田中角栄が総理大臣に就任した。そして、ゴッドファーザーと田中角栄の生き方が重なって見えた。良くも悪くも今の世界、
「よっしゃよっしゃ」
と相談事のすべてを受け入れてくれる、そういう腹の大きな人物が消えてしまった。
 とてもおいしかった透析中の食事が、最近になって病院の都合で仕出し弁当になってしまった。そして、これがひどい。最初はまあまあだったのが、加速度的に手抜きになっていく。
「こんくらいは許せるでしょ?こんくらいの手抜きはバレないでしょ?」
てな具合に口に入る料理が減っていく。メニューにはポークポテトと書いてあっても、実際に口に入るのはサイコロ大の肉のかけらが、たったふたつと、ポテトがぱらぱら。竹の子の土佐煮とあっても、箸でやっとつまめる大きさの竹の子がふた切れだけ。そんなん、竹の子でなくてケチの子。これじゃ栄養失調になっちゃうよ。ざけんな、弁当屋。これで680円は泥棒だ。キャンセルして、これからはホカベンの持ち込みでいくからな。覚えてろよ。医療施設の世話になってる人間のすべてがヒツジだと思ったら大きな間違い。金はてめえで払ってるんだ、てやんでえ!そのことを思い知らせてやるからな。グワオ!と吠えたつもり。そして、本当に仕出し弁当を断ってしまった。吠えはしなかったけど。あはは。
 ケチな弁当のおかげで空腹を抱えたボクが家路についたら、夜空を見上げたコボちゃんが
「まぁ、きれいな満月」
と教えてくれる。心の中に明るいお月様が生まれて浮かんだ。それで空腹が解消されたわけではなかったけれど。
▲ 空腹に あんぱんみたいな お月様

0515・木・
 朝から雨である。昨日に比べたら涼しいといえるけど、寒さを気にせず、窓を開けていられる陽気というだけでボクは幸せ。とにかく寒いのだけは勘弁してほしい。
 とある出版社を盛り立てていた人物の訃報が届く。社長を辞した昨年以来、その動向が不明だったので気になっていたところだった。長い付き合いである。個性的な人だったので評判は別れるが、ボクは男っぽいところが好きだった。目の見えている頃は夜の新宿でお世話になったりした。失明直前の『消防自動車ドコデモ君』は忘れられない仕事となった。ボクの作家挑戦の背中を押してもくれた。失明後も、会えば必ず男同士でしか通用しない暗号を送ってきた。最近は仕事での縁は希薄になっていたが、社長を辞めた彼と会うのを楽しみにしていたので、寂しくてたまらない。女たらし同士の秘密の会話は墓場まで持っていくことにしよう。
 昨日は前頭四枚目の遠藤が新横綱の鶴竜(かくりゅう)を倒して夏場所を盛り上げていた。それにしてもモンゴルの横綱軍団、ハタキコミとかツキオトシとかハリサシとか、ボクとしては最近の横綱軍団の決まり手や取り口をあまり評価できない。親方たち、どうか最近の横綱たちに相撲道の美学を積極的に伝えてもらいたい。
 景気の谷底から這い上がろうとしていたタイミングをアベノミクスと偽ったアベちゃんが、お友だちの有識者を集め、結論ありきの会議を開き、お友だちの内閣同士で勝手に憲法解釈を歪めようとしている。中国も我が国も、頭の方にいけばいくほど部品が腐ってくる。
 東京ドームの巨人ヤクルトを聴いていたら、ゆらり。18時48分の地震である。ボクはすぐに立ち上がりポケットラジオのスウィッチを入れながら玄関に向かう。アルルに声をかける。けれども東京では震度2の小さな揺れで、ボクもアルルも安堵する。震源は相模湾。震源の深さは130キロ。マグニチュードは4.2で、東京ドームの誰もが気が付かないような揺れだった。でも、このボクが気づいたように、巨人軍のナインはこの地震にも動揺したのかもしれない。その証拠に今夜も敗退。このカードはヤクルトの完全勝利となった。ううん、明日もヤクルトがうまいぞ。
▲ 烏には 愛鳥週間 関係ない

0516・金・
 東京地方、今朝の日の出は4時36分、日の入りは18時40分。加速度的に光の領分が拡大していく印象。それに比例してボクも元気になっていく印象。
 世間はワールドカップ代表選出で騒いでいるらしい。サッカーのことを詳しくは知らないが、どんなチームが結成されようと、勝ち進めば盛り上がるし、勝てなければ盛り下がる。これまでのオリンピックもワールドカップも、ボクはずっとそうだった。ローマ時代のコロッセオでも東京オリンピックの国立競技場でも、観客はいつでも移り気で無責任。お気楽なものなのだ。
 大阪からのラジオ深夜便、今月のナイトエッセイは広瀬浩二郎さん。大阪の民族博物館の順教授である。この広瀬浩二郎さんの暗黒講演を一度拝聴して、ボクはすっかりファンになってしまった。針穴からの光ひとつないような真っ暗な会場で広瀬さんはわざわざ侍の扮装をして語る。聴衆にその意義を問う。ボクは彼が見ると見えるの違いを具体的に演出していたのだと理解している。つまり、見えないという状態にされた聴衆たちが、目の前の侍という形をした広瀬浩二郎氏をいかに見るか、という形を具体的に体験させていたのだろう。閉幕して聴衆と演者として言葉を交わしたのだが、その後はメルトモとなっていただいた。最もボクが尊敬する視覚障碍者のおひとりである。
▲ 開く窓 さざめく若葉 鳥の声

0517・土・
 今週は集団的自衛権に振り回された一週間。英語の正当防衛、セルフディフェンスを自衛権と翻訳した自衛隊が仲間のために武力行使を許せるようにしたくてたまらないアベちゃんとゲルゲルが、与党の政治的優先順位を無視して頭を寄せてあれこれと画策している。私的懇親会だか私的諮問委員会だか知らないけれど、アベちゃん応援団の結論を根拠にしようと考えるアベちゃんの神経は普通じゃない。それでも国民を馬鹿だと思っているアベちゃんだから、母子の絵がかかれているボードを使って、あり得ない状況を仮想しておかしな理屈を並べている。理屈もわからないしアベちゃんの滑舌の悪い言語もわからない。そもそも限定的な武力行使が限定的に終わることはない。戦争は始まったら命がけ。ルールもヘッタクレもない。本物の戦争は戦争自閉症のワガママ坊主たち、アベちゃんやイシバゲルゲルの想定外の連続なのである。そんなのに国民を巻き込んでおいて、国民の命と財産を守りたいとはちゃんちゃらおかしいカッパムシ。池におぼれて死んでしまえ。
 NHKラジオ、本日の「真打競演」に円熟のベテラン、三遊亭圓窓(さんゆうていえんそう)師匠が出演していると思っていたら、大間違い。語っているのは若手落語家、三遊亭窓輝(さんゆうていそうき)だった。この人、実は圓窓(えんそう)師匠のお弟子でご子息。そりゃ、似ているに決まっている。まぎらわしいったらありゃしない。
 劇団「娯楽天国」25周年記念公演『ゴドーを待つ』を観ている。面白い。所謂不条理演劇ということだが、劇団のボス、オグラ座長が自らの、塩辛のではなく、自らの筆で脚本、自らの演技で主演、自らの感性で演出したもの。そのオグラ座長と看板女優、高畠和子さんの、まるで上方の上質な夫婦漫才のような歯切れのよい関西弁の語りが最高。難解な芝居を、観客に最後まで飽きさせることなく展開させていく。この劇団とお付き合いして20年以上経過しているが、これまでのお付き合いが走馬灯のように流れていく。25年という年月がどれだけ人を育てるか。そのことを思い知らされている。見事な舞台だったとボクは無条件幸福したい気分である。
 本日のエスコートはエム ナマエの在宅秘書、絵夢助人(えむすけびと)さん。外資系銀行での秘書経験のある女性。今も弁護士事務所などで、その心遣いやパソコンスキルで貢献している。観劇のあとは下北沢界隈で食事。さすが秘書経験のある絵夢助人(えむすけびと)さん、事前に調査してあったレストランへと、迷うことなくボクを誘導していく。そして選んでくださったオイスターバーは最高。うまい生牡蠣と料理とパスタを味わった。この店、しばらくは秘密にしておく。ただでさえ賑わっているので、これ以上は予約を困難にしたくないのだ。
▲ オイスター 殻のお風呂で レモン浴

0518・日・
 今朝の文化放送、志の輔ラジオ(しのすけらじお)「落語でデート」の今朝のお相手は義太夫三味線、所謂太棹の名手、田中ゆみ子さん。芸大でピアノをマスターした西洋音楽のエリートが邦楽に目覚め、現在は太棹の名手として縦横無尽の大活躍をされている。文楽の世界では違法といわれる弾き語りも実演、すごい実力。性格も愉快で、おかしさにおいては志の輔師匠もたじたじ。このふたりで漫才をやったら抱腹絶倒間違いなし。今朝の落語は『浄瑠璃息子』。彼女に聞かせる落語としては、他のものは考えられないでしょう。あはは。
 今場所の大相撲、ますます面白い。白鵬(はくほう)が全勝のままで面白さを半減させてはいるものの、稀勢の里(きせのさと)は1敗を守り、優勝争いから1歩も退かない気迫を見せているし、まげを結ったばかりの遠藤も星はのばせないものの、場所の人気を引っ張っている。けれども新横綱の鶴竜(かくりゅう)は勝てばいいだろうという手抜きを演じて観客からブーイングをもらっていた。星のことばかり考えている力士は、金のことばかり考えている実業家と同じで、あんまり成功はしないだろうな。おそらく、今後どこかでこける気がする。
 沈没していたビートルズのCD5枚をサルベージしてもらったあと、古いロック友だちのコーちゃんこと安田光一夫妻とコボちゃんと、老舗の焼き鳥専門店「とりぎん」で炭火焼きの香り高い焼き鳥を味わいながら、一杯やる。砂肝は新鮮。たれで焼くレバーは、まるでフォアグラみたいに美味。いつだって「とりぎん」の焼き鳥は最高なのだ。さて、ボクらはジョンレノンミュージアムでビートルズナンバーを演奏したロック仲間。今ではボクはじじいロックンローラー。彼もそろそろおじんロックンローラー。でも、ロックの魂は若いまんま。会えば永遠の少年同士。何もかも変わらずに音楽を語っている。
▲ 初鰹 藁で焼かれて げーほげほ



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