全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2013年10月21日~27日
 ☆ この日誌は透析患者が病人ではなく、機械が腎臓の仕事をしてくれる以外は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この文面では難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしてありますが、これは視覚障碍者のための音声出力をサポートするためのものです。決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではありませんので、どうかお許しください。

1021・月・
 昨夜が眠れなかったので午前中はアルルを抱いて二度寝をする。これは犬好きにとってはすごい贅沢。一度でも大型犬と一緒に布団に潜り、安眠を体験したら、もうやめられない。嫌なことも悲しいことも吹き飛んでしまうのだ。
 特定秘密保護法案もTPPも、どちらも秘密がらみの事である。けれども主権者を村八分にしておいて、秘密も糞(くそ)もないだろう。政治家も官僚も秘密を独占して、何が嬉しいのだ。秘密が多くなればなるほど、またまた秘密が生まれてくる。まるでネズミ算のように。永田町も霞が関も、そのうち無数の秘密模様の蜘蛛が吐き出した蜘蛛の巣で身動きがとれなくなることだろう。そうして国家は腐っていくのだ。
 台風27号と28号が並んで日本列島に接近しているという。鉄人じゃないけど、この28号はかなり強いらしい。と、こんな冗談を書ける贅沢をボクは恥ずかしいと思うべき。天災に遭遇しないのは努力の結果ではなく、運命の悪戯なのである。
 マキコ特派員の配信によると、アメリカは南部テキサス州、フォートワースの民家で、犬がぶつかって倒したショットガンが暴発、近くでテレビを見ていた78歳の飼い主さんの女性が左足を負傷したらしい。けれども女性は警察に
「これは事故で、犬には責任がない」
と説明し、愛犬をかばった。警察も
「犬にも黙秘権がありますから」
として、犬種や名前を明らかにしていないそうである。
 筒井康隆の『漂流・本から本へ』を読了。興味ある超個人的(ちょうこじんてき)読書歴である。この『漂流・本から本へ』に触発され、川端康成の『片腕』を読む。非情にエロティックでシュールレアリズム感覚にあふれた短編で、新感覚派と呼ばれる理由を納得する。雨の中のラジオ放送の文句が秀逸。シュールでゾクゾクする。早速視覚障害者情報総合ネットワークの「サピエ図書館」から川端康成の短編集『眠れる美女』をダウンロード。しっかりと読むつもりである。
▲ 隠すだけ 秘密が秘密 生んでいく
1022・火・
 ローソクの火が飛んで火事の原因になると聞いて驚く。でも、原理を聞いて納得。水洗いをしたローソク立てを乾かさないまま、再び使用すると、燃え尽きようとするローソクの蝋の熱が水蒸気を発生させ、それが過熱されて爆発するのだという。火は20センチも飛ばされて障子などに引火、火事の原因になるらしい。お皿もコップもローソク立ても、洗ったら拭きましょう、ということなのだ。
 中国の大気汚染はますます深刻。PM2.5の危険性は国際的にも認められる。デイキャッチ情報によれば、ハルピンでは声をかけられても姿は見えず、散歩で連れている犬はスモッグに消え、開いた自分の手の平も見えないという。拝金主義の奴隷となった15億の民は大気汚染で窒息してしまうのだろうか。いや、その前に視界不良で工場は停止し、自動車たちは走れなくなって、大気汚染による経済活動の低下によって救われるのかもしれない。次々と太平洋に出現する台風さんたちも、みんな大陸にいって大気汚染を吹き飛ばしてやればいい。
 冗談をいっていたら、台風28号は鉄人以上に猛烈なパワーがあるらしい。あんまり暴れたら、金田正太郎君のリモートコントローラーで静かにさせてもらおう。このギャグがわかる人、かなり古い人。
▲ 湿り気が 秋の天使を いじめてる
1023・水・
 台風27号が接近している影響で、おそらく曇天なのだろう。日差しを感じない。とはいえ、雲の上ではお日様が笑っておられる。本日の日の出は5時54分、日の入りは16時56分、月齢は18.1とビッグバンで天体たちに与えられたエネルギーは確実にそれを維持、作動しているのだ。
 オイケンにメールして木曜日の待ち合わせ場所を確認する。オイケンとは国際ジャーナリストの及川健二氏のこと。今は国際映画祭の取材に多忙である。さて、この木曜日は元内閣広報審議官の下村健一氏とデイキャッチでお馴染みの宮台真司先生とオイケンの4人で韓国料理を囲むことになっている。このメンバー、会食を企画するとすぐに潰れてしまう。ボク以外の皆さんが忙しいからだ。今週も台風が接近して、この会食の企画を流そうとしている。さぁ、どうなるだろう。
 透析中、筒井康隆の『漂流・本から本へ』で触発されて読み始めたアガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』を読了。この作品、読んだと思っていたのは誤解だった。中学生の文化祭で演劇部の舞台を見たのを本を読んだつもりでいただけなのだ。おかげで大変に面白く一気に読了。とはいえ、やっぱりどこかにトリックの無理がある。クリスティーほどの作家でも、実験をしながら書くということはやらないのである。そしてボクは思うのだ。真実のリアリティーはSFやファンタジーにしか存在しないのだと。
 テレビか何かで見たのだろう。これはコボちゃんから聞いた話。どこかのご家庭で飼育しているカメ君は家中を自由に歩き回る。それは襖を自分で開けられるから。片足で襖をスイッと引いて、次の部屋に移動するというのだ。そして、大好きなおじいちゃんの布団に潜りこみ、一緒に眠るという。けれども、開いた襖をきちんと閉めるかどうかは聞いてない。このカメ君、おそらくはリクガメの一種だと思う。きっと可愛いだろうな。ヘビやカメなど、爬虫類は温かい布団の中で人間と眠るのが趣味であるらしい。ボクも小さな蛇と眠るのが夢なのだ。
▲ 雨続き 枯葉の音を 聞く暇もなし
1024・木・霜降・
 昼間、美しい花篭が届けられた。学生時代からボクを応援してくれるSさんという若い女性からである。この女性、今もこのブログを読んでくださるそうで、本当にありがたい。一度、彼女の肩を借りて経堂の街を歩いたことがあるが、貴重な思い出となっている。みんなそれぞれ大人になり、年齢を重ねていくが、たとえ時間が経過しても、こうしてお互いの元気を交換することも絆と呼べるのだろう。
 帰宅したコボちゃんがテーブルの花篭に喜んでいる。でも、すぐに着替え。ボクを下北沢に送り、新宿で買い物をするためだ。
 新しくなって初めて、下北沢の駅で降りる。地下深くからの急なエスカレーターを大きな男がドシドシと軽金属のステップを踏み砕くように駆け上がっていく。おいおい、やめてくれ。このエスカレーターが壊れたら、俺たちみんな、地下で立ち往生だ。そもそも、大雨が降っただけで電車が動かなくなってしまう欠陥地下駅なのだから。
 東京国際映画祭の取材とインタビューを終えた国際ジャーナリストの及川健二氏が改札口で迎えてくれた。その彼に、下北沢はひどい駅になったと大声で訴える。もちろん隣には駅員が立っている。
 下北沢駅からすぐの韓国伝統家庭料理「遊楽亭」に近づくと、周囲は思わず唾液を呑みこむいい匂い。その匂いに包まれて下村健一氏がケータイで打ち合わせをしていた。挨拶をして、3人で店に入ると、宮台真司先生も到着、みんなでご挨拶。このメンバー、集まるのがなかなか大変なのである。
 宮台先生が素早く料理を選び、オーダーしてくださる。料理はかなり旨かった。宮台先生とケンちゃんこと下村健一氏が焼いた肉をサンチュで包み、ボクに手渡ししてくれる。おお、なんたる豪華な手巻きサンチュ焼肉であろうか。
 それからの3時間、このメンバーでどんな話になったかは秘密。オイケンこと及川健二氏が記録しておけばよかったと悔やんでいたけど、オフレコの話題もあったので、やっぱり非公開がいいのだろう。それにしても、宮台先生のナマレクチャーは貴重であるし、朝日新聞の天声人語で著作を紹介され、時の人となっている下村健一氏の今に触れることができて、ボクは幸せであった。
▲ 花篭と 紅茶の香り 長い夜
1025・金・
 シャワーを浴びて髪の毛を拭いていると、TBSラジオ「スタンバイ」では宅急便の話題。クール宅急便は常温で仕訳しているとのスッパヌキがあったからだ。けれども、遠藤やす子アナウンサーも伊東コメンテイターも宅急便には感謝していると弁護する。ボクも同感。バイト時代、郵便局の横暴な局員に脅えながら荷物を発送したことから考えれば、民間の宅配便業者が整備した今の快適さは奇跡と感謝するしか他に道はないのである。
 午前中から午後までの数時間、南新宿付近をコボちゃんと徘徊する。ボケたわけではない。山下医院とJR病院で時間差検査を受けるためである。合間に喫茶店でプレスクトークによる読書をしているうちに、たちまち時間は過ぎていった。その間コボちゃんは何をしているかというと、普通に読書をしているのである。あはは。
 夕方になり、4年間使用しているケータイのバッテリー交換をしようと経堂駅前のドコモショップにいくと、たまげた、ではなくって、カマゲタ。怠けた、ではなくってカマケタ店員がハスキーな高温で囁きかけてきた。
「このバッテリーはありません。それよりも、ただで新しい機種に交換できますよ」
「えっ。本当?でも、これと同じじゃないでしょ?」
コボちゃんが疑わしげに応えると、
「いえいえ、まるで同じです」
と、奥のテーブルに案内され、電卓をカチャカチャやりながら、新しいケータイを取り出した。それからがドコモマジック。何が何高不思議でいっぱい。ただというのは、ただ同然という意味で、毎月に換算すると、ただ同然で買えますよ、ということだったのだ。
 ドコモショップを出てポケットラジオをつけると、デイキャッチで宮台真司先生と保坂世田谷区長が対談をしている。荒川強啓氏が横で何か言葉を発している。どうか、せっかくのいいお話しを邪魔しないでくださいな。
 ボクが保坂区長や宮台先生、田中康夫さんや川田龍平氏、故東郷健さんと出会えたのもオイケンのおかげ。彼の人間関係は実にカラフルなのである。
 強くなった風雨の中、コボちゃんと相合傘で透析より帰宅。新しいケータイをいじってみると、
「えっ!?違うじゃん!!まるで同じといったじゃん!!」
と、あのカマゲタ店員のいい加減さが露見した。翌朝までには新しいケータイには慣れたけれども、途中で途切れたバーチャル『奥の細道』コースの行く先は不明になってしまった。さて、ボクはどこへいくのやら。
 考えこんで眠ってしまったら、壁が不気味に振動して目を覚ます。台風ではない。地震なのだ。それも久しぶりのせいか、やけに長く激しく感じてしまう。ラジオをつけると、揺れる中で「東北と関東にやや強い地震」とアナウンサー。2時11分に発生したこの地震には津波注意報も出て遠くなりつつあった東日本大震災の恐怖の記憶が蘇る。日本列島に暮らす限り、いつでも油断は禁物と、心配事が蛇のように鎌首をもたげる。東電福島第一原発の壊れかけた4号機は地震にも台風にも強くはないはずなのだ。
▲ おちょこでも 相合傘は 悪くない
1026・土・
 地震のおかべで早起きをしてしまい、プレスクトークで重松清の『定年ごじら』を読了する。以前、ラジオ文芸館で感銘を受けた作品。重松清という作家の非凡さを意識した最初のきっかけである。この作品、短編を集めた単行本となってはいるが、『定年ゴジラ』というタイトルの、ニュータウンを舞台にした人間ドラマの長編であった。65歳になったボクは主人公の年齢を追い越しているわけで、その今だからこそ身につまされてわかることがある。だからこそボクよりもずっと若いこの作家に敬意を覚えるのである。
 コーヒータイムのBGMはいつものようにNHKのラジオ文芸館。今朝も再放送。作品は松本清張の『証言』。自分のための嘘で身を滅ぼすという現代社会のイソップ物語である。何度聴いてもお勉強になるのだ。
 パカパカ行進曲は特別番組で過去13年間のベストテンを放送する。最初から聴くと牛肉の当たるチャンスがある。要するにスペシャルウィークということだ。で、ボクも応募したが、お肉は食べられないこととなる。つまり外れたのだ。けれども抱腹絶倒。まるで嘘のような本物の馬鹿大人に乾杯。
 大デュマの『モンテクリスト伯』を読み始める。岩波の文庫本で7冊にわたる大作である。筒井康隆の『漂流』によれば、彼はこの大作を小学生時代に読んだとあった。実はこのボクも小学2年生になったばかりの春に『岩窟王』のタイトルで読んでいる。この経験をきっかけに、ボクは活字のみの書物と仲良しになる。たとえば『ロビンソンクルーソー』。たとえば『十五少年漂流記』。たとえば『宇宙戦争』。ただし、これらのすべては児童向けのリライト版。筒井康隆の読んだようなオリジナルではなかったのである。これは口惜しい。というわけで、今夜からこの文庫本7冊にわたる大作に挑戦することになったのだ。
 昨日の疲れが残っていて、どうにも眠くてたまらない。居眠りから目覚めれば、いつの間にか台風は消えていた。もうくるなよ、馬鹿と、これはセロ弾きゴーシュの猫へのセリフのように。でないと、枯葉たちは汚い色で濡れ落ち葉になってしまう。どうか、彼らに真っ赤なおべべを着せてあげてくださいな。
▲ 畏れられ 今ではただの 低気圧
1027・日・
 朝6時20分の文化放送で志の輔(しのすけ)ラジオ「落語でデート」は二代目三遊亭圓歌(さんゆうていえんか)の『竜宮』。江戸落語には珍しく音曲がたっぷりで、それもそのはず。そもそもが関西落語なのである。主人公は浦島屋の大番頭、太郎兵衛(たろべえ)さん。竜宮へいくと大歓迎を受けるが、最後は偽物として追い払われる。この太郎兵衛(たろべえ)さんの訪れる竜宮の描写が愉快。まるでSFみたいな落語なのである。
 NHK素人喉自慢は55歳で失明した男性が今週のチャンピオンに選ばれる。これが実に素敵な歌声で、歌っているときの自由を謳歌していて、美しい。ボクの場合は決して美しくはなかったが、失明当時の自分を思い出した。
 アンソロジー『不思議の扉・あり得ない恋』を読了。川端康成の短編『片腕』が収録されている短編集である。作品の中にはラジオ文芸館で放送されたり、ボクを虜にした作家の作品も含まれていて面白い。こうしたアンソロジーにより思いもかけない作家との出会いがあるのだ。
 マキコ特派員の配信によれば、ニュージーランドの空港では札束探知犬が活躍して、犯罪組織のマネーロンダリングの防壁となっているらしい。この札束探知犬を連れて街を歩けば、たちまち銀行に連れ込まれること間違いなし。それよりも小判探知犬を開発しての山歩きはいかがだろう。徳川幕府の埋蔵金を探り当ててくれるかもしれない。
 金曜日からアルコールを飲んでない。さて、今夜はどうしよう。もしも楽天が巨人軍を圧倒したら、旨い酒が飲めるかもしれない。
 パソコンを離れてラジオをつける。TBSラジオでは「爛漫寄席」を押しのけて日本シリーズが中継されていた。午後9時からのNHKラジオ「文化講演会」も聴きたいけれど、試合は続いている。マー君も投げ続けている。得点差は最小限。耳を離すわけにもいかない。というわけで楽天が勝利して星野監督の勝利インタビューが終わるまで野球中継を聴くことになった。
 というわけでコボちゃん特製の烏賊の塩辛スパゲッティーをつまにながら焼酎のお湯割りを飲んでいる。旨い酒というわけだ。この焼酎は麦。まるでウィスキーの香りと味わいのあるなかなか素敵な焼酎である。
 寝る前は江戸川乱歩の『孤島の鬼』を読み始める。これも筒井康隆先生お薦めの作品。この筒井先生は江戸川乱歩という大先輩に才能を発見されたのである。
▲ 嵐去り 風とお日様 日曜日




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