全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2013年2月11日~17日
☆ この日記は、透析患者が病人ではなく、機械が腎臓の仕事をしてくれる以外は、一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、漢字や熟語、固有名詞には振り仮名がしてありますが、漢字の難易度とは関係がありません。これらの振り仮名は視覚障害者のための音声モニターを容易にするためのガイドです。

0211・月・建国記念の日・
 建国記念日ではなく、「建国記念の日」といわなくてはならないらしい。ここいらが微妙。自衛隊を国防軍と呼ぶのか、平和憲法を否定するのか、建国記念の日の呼称問題を掘り下げれば共通の地下水脈が発見されるのかもしれない。
 いつもいうように、休日は午後の早い時間からの透析。この3時間の違いが1日の価値を大きくディスカウントする。いつもは仕事場のBGMにしている番組を、透析のベッドで静かに聴いている。
 朝からずっと、遠隔操作ウィルス容疑者逮捕の話題で持ち切りである。でもなぁ、容疑者よりも疑わしいのが警察。なにしろ、無実の人間を自白させる実力が、たっぷりと証明されている警察だから、有罪の決め手をエベレストのように積み上げなくてはならない。さぁ、どんな取調べが始まるのか。取調室の様子が可視化されてないのが残念でならない。
 あと1ヶ月で東日本大震災から2年となる。本日も被災地での慰霊祭の様子が次々とレポートされていた。まだ行方不明者の数は数千人。今日も必死の捜索が続けられている。大きな天災の起こるとき、いつも警察官や自衛官、消防署員や関係の方面に、本心から頭の下がる思いがする。
 ローマ法王の辞任は600年ぶりの珍事であるらしい。いずれにせよ、バチカンではまたまた法王選挙「コンクラーベ」が実施される。どうもこれが本物の根比べであるらしいのだ。世界中からやってくる枢機卿の皆さんの根比べ、ご苦労なことである。ツイッターをやったりして、ボクはこのローマ法王に期待しているところがあったのに、どうしてお辞めになるのか、気になるところ。まさか、バチカン内部で「いじめ」なんか、なかったよね。
 安倍晋三の人気が鰻上りであるらしい。でもなあ、この鰻、つい先ごろに絶滅危惧種の筆頭に挙げられたばかり。安倍晋三、鰻よりも先に絶滅しないとは限らない。
 もしかしたら、北の国が核実験をやらないかもしれない。そんな情報が流されている。早とちり、とアメリカが北の国からあざ笑われている。そんな噂も聞こえてくる。ボクとしては、アメリカの動向が心配。軍事行動に訴えなければよいのだが。戦争には賛成できないが、核兵器とミサイルを抱えた北の国の暴走はこの上もなく危険で、どこかでストップをかけなければならないように思えて仕方がない。
 水曜日に雪マークが点滅しているらしい。おいおい、やめてくれ。雪の心配は、もうたくさんだ。
▲ 省エネで 冬も活躍 扇風機

0212・火・
 昼になったらパソコンのウィルス検索が始まったので、仕事にならない。そこでベッドに潜りこんで、NHKラジオのニュースを流していた。すると突然、アナウンサーの口調が変わった。とうとう北の国がやらかしたらしいのだ。11時57分に北の国からのおかしな地震波(じしんは)を、韓国も我が国も計測。マグニチュードでいうと、5.2と爆発規模は小さくない。どうやら本物の核爆弾であるらしい。
 予測されていたことではあるので、驚きはない。ベッドに潜りついでに眠ってしまったのだが、ボクが夢の中にいる間だけでも、米国の武力行使のないことを祈る。でもなぁ、北の国の三代目に、そろそろお灸をすえてやる時期かもしれない。
 昨日は遠隔操作ウィルスの容疑者逮捕。本日は北の国の核実験。どこのチャンネルも同じことの繰り返し。お隣で原子爆弾が破裂したというのに、意外と皆さん、冷静にしている。みんな、100メートル離れれば、自分とは関係ないと思っている。
 今回の爆弾、ウランを燃料としたブーストタイプであるらしい。ウランの核分裂で中心の重水素を核融合させ、大量の中性子を発生させることにより、ウランの核分裂連鎖反応を効率化させるタイプで、水素爆弾への前段階(ぜんだんかい)であるらしい。これであれば、小型でも協力なため、ミサイルへの搭載が可能となる。ロドンに積めば、日本は核ミサイルで吹っ飛ばされる、というわけだ。さぁ、冗談ではなくなった。もう北の国の後進性を笑っていられる段階ではなくなってしまったのだ。
 この核開発、イランとの共同開発がきっとあるはず。イスラエルも米国も、イランに対する武力行使をちらつかせても、肝心の核実験を北の国でやられてはたまらない。さぁ、どうする米国、イスラエル。
 驚いたことに北の国はウランの産出国であるらしい。となれば、ウラニウム型の核爆弾の開発に必死になるのも当然である。ところで、我が国には核弾頭数千発分のプルトニウムの貯金がある。先日、オバマ大統領が核弾頭削減を宣言したが、その数は一千発。我が国だって、その気になれば、危険極まりない国家なのである。
  というわけで、本日は北の国のことばかり。その影響で、国会における石原慎太郎のオタンコナス質問も吹っ飛んだ。この暴走老人、憲法破棄などと発言したらしいのだ。お前こそ破棄されろ。それにしても三代目、せっかく留学の経験があるのだし、ディズニーランドの楽しさも知っているのだから、このあたりで危ない火遊びは打ち止めにしていただきたいものである。
 またまた、明日は雪だ雪だと脅かされてる。この間の成人式に大雪をもたらしたのは弾丸低気圧とばかり思いこんでいたのだが、真実は南岸低気圧(なんがんていきあつ)とのこと。まぎらわしいと思ってはみても、単なるボクの聞き間違い。列島の南岸沿いに東へ抜ける低気圧のことであるらしい。そいつがまたきて、雪を降らすらしいのだ。明日の朝が、積雪の朝にならぬよう、ひたすら願っている。ボクにとっては、核実験より積雪の方がはるかに脅威であるのだ。
▲ 北の国 空と地下との 花火かな

◇ バーチャル東海道五十三次コース 沼津を通過しました。 次は原。
あと11,400歩です。 現在の歩数、236,200歩。 2周目挑戦中!

0213・水・
 未明に起きてサンルームのカーテンを引く。アルミサッシを開くと、遊歩道は雨の音。赤堤通りを自動車が走っていく。どうやら積雪はなかったらしい。
 またまたニュースが飛びこんでくる。観光の島、グァムで通り魔事件が発生したのだ。被害者のほとんどは日本人。家族や友人との楽しい時間が、瞬時にして修羅場となってしまった。テレビやパンフレットでは夢のような観光地であっても、決して油断はならない。世界でいちばん安全なのはどこでもない、このニッポンなのである。
 NHKラジオ第2「お話の旅」は、誰でも知っているくらい有名な童話作家による物語。夢のようなストーリーではあるのだが、鶯は残念ながら緑色の小鳥ではないし、雌はさえずったりしない。どんなに素敵なお話でも、ひとつの嘘ですべてが白っ茶けてしまう。うまい嘘はストーリーを盛り上げるが、へたな嘘は聞き手を白けさせる。ただし、許せる嘘と許せない嘘の境界線は気ままで曖昧。聞き手次第で徘徊する。
 パソコンデスクに座っていると、左半身がオーブンで焼かれているような気がしてくる。北風でアルミサッシがゴトゴトいってるが、部屋の中は暖かく、暖房器具は沈黙をしている。
 次から次へと事件が勃発して、昨日のことも霞の彼方へと消えていく。円高と円安がくるくる回ってジルバを踊り、株式の上下で企業の金庫が重くなったり軽くなったり。出戻り首相は参院選までは猫をかぶって、早口で答えにならない答えを述べている。その目の前で石原慎太郎が独演会を開いている。国会という場面で某国を「シナ」と呼ばわり、憲法破棄を公言している暴走老人を見ていると、三遊亭白鳥(さんゆうていはくちょう)がいうように、靖国神社の地下で、宇宙戦艦ヤマトが建造されているという噂は本当かもしれないと疑ったりする。もちろん初代艦長は石原慎太郎である。この暴走艦長の波動砲攻撃のおかげで、尖閣諸島が某国の標的にされたのである。それ以後、考えられないような損失が発生しているのに、この暴走老人は暢気に国会で独演会なんか開いている。江ノ島猫事件の犯人よりも、このおっさんを真っ先に逮捕してもらいたいものである。それなのに、警察もマスコミも、この暴走老人を放し飼いにしておく。そうやって、クルクルと目先を変えているうちに、ボクらが忘れるとでも思っているのだろうか、あの原発事故のことを。蓄積された核廃棄物のことを。出戻り首相のハライタ晋ちゃん、あんたに無責任な再稼動なんか、決してさせないぞ。国民を衆愚とあなどっていると、いつかあんたが焼けどをする。
▲ 梅祭り 山の小鳥も 飛んできた
▲ 火の用心 今日も乾燥注意報

0214・木・バレンタインデイ・
 TBSラジオ「スタンバイ」で月尾嘉男(つきおよしお)東大名誉教授が土曜日の小惑星接近について語っておられた。ボクは先日、衝突すれば人類絶滅などと、かなり大袈裟に表現したけれど、13万トンの隕石がもたらす破壊力はそれほどのものでなく、せいぜい名古屋規模の都市がひとつ消滅する程度であるらしい。とはいえ、海に落ちれば、世界中に津波が押し寄せることは間違いない。だから、落ちてもらっては困るのである。世界中の天文学者の軌道計算に間違いのないことを祈っている。
 バレンタインデイのドアチャイムは、ちょっとばかりハートが弾む。けれども、バレンタインはボクにとっては微妙な日。1986年のバレンタインチョコレートの記憶がそのまま、ボクの完全失明と透析導入の記憶につながっているからだ。あの日、たくさんの義理チョコを残したまま、大雪の夜にボクは病院へかつぎこまれた。腎不全が極限の状態に達していたのだ。あれから27年。ボクの透析生活も、もうすぐ28年目に突入する。担当医師に余命5年と告げられてからその何倍もの、27年分の命をいただいてきた。朝に夕に、いただいたこの命に感謝を捧げる毎日である。
 夕方のティータイムは、手作りチョコのテイスティング。驚くことに、どれもおいしい。特に豚の形のチョコレートは秀逸のおいしさだった。万歳。
 マキコ特派員から、あのイタリアの忠犬ハチ公と称されたトミー君のその後についての配信があった。イタリアの忠犬ハチ公死ぬというヘッドラインのニュースによれば、トミー君は12日に亡くなった。飼い主の葬儀の行われた教会へ毎日通い、祭壇の最前列で礼拝?をしていたトミー君は、既に13歳と、大型犬としては高齢であったのだ。おまけに、病気も抱えていたらしい。イタリアのメディアは13日、このトミー君の死去を大きく伝え、世界中から哀悼のメッセージが寄せられているという。
▲ 生きられて 感謝のバレンタインデイ

◇ バーチャル東海道五十三次コース 原を通過しました。 次は吉原。
あと23,757歩です。 現在の歩数、248,643歩。 2周目挑戦中!

0215・金・
 京王線ホームの階段をあがってすぐ、新宿カレーに飛びこむ。けれども、注文したのはハヤシライス。診察がいつ終わるかわからないので、今のうちに腹ごしらえをしておくのだ。ハヤシライスは辛くはないので、時間がないときはこれに限る。
 久しぶりの女子医大。新城先生はいつもと同じ、明るくさわやかにボクらを迎えてくださった。ボクを両足切断の危機から救ってくれた命の恩人である。握手していただくだけで命が延びる。新城孝道先生は糖尿病フットケアの世界的権威。けれどもちっとも威張らない。残念なのは女子医大での診察が本日で最後になること。さあ、どうしよう。
 雪だ雪だと、またまた脅かされて、屋根の下に並んでバスを待つ。オバタリアンの割り込みやおしゃべりの被害に遭遇しながら、ハイブリットバスで無事に新宿に帰還。寒いけど、雨も雪も落ちてはいない。地下道に潜りこみ、立ち食いの更科蕎麦を胃袋に突っ込んで、京王デパートで「ルピシエ」の香り高い紅茶を3種類購入して、京王線で帰宅。うんと疲れてベッドに倒れこみ、2時間だけの眠り。
 夕方はいつもの透析。NHKラジオの「私も一言夕方ニュース」を聴いている。社会学者が出てきて、不可能性時代の若者について語っている。最近の傾向は、若者が自らの幸せを主張していること。未来の可能性に期待できないから、今を肯定する。昔の若者は未来に期待できたから、若くて未熟な今の自分の満足度をディスカウントすることが可能であったわけだ。俺の幸せはこんなもんじゃないのだと正々堂々、粋がる(いきがる)ことができたのだ。
 驚いたのが、ロシアで隕石被害のあったこと。隕石で人的被害が発生したのは有史以来初めての出来事であるのだ。隕石による火球(かきゅう)現象は珍しいことではない。けれども、建物の破壊や人的被害は、これまで一度も聞いたことがなかった。明日の未明、4時25分に13万トンの小惑星が地球に大接近するこのタイミングで、まことに不吉なことと不安になる。まさかこの隕石、あの小惑星と親子ではないよね。
 透析から帰宅すると、ネコドモがボクを迎えてくれた。キジバトポッポはサンルームの鳥篭に戻された。暖房があっても、指先のかじかむこの季節、犬猫人間、ストーブに集まっての団欒が嬉しいに決まっている。ただ、野鳥のキジバトポッポだけはマイペースを崩さない。むしろ、こちらのやることなすこと、すべて迷惑であるらしいのだ。
▲ 路線バス 終点までの 春の雪

0216・土・
 5時にケータイ君に叩き起こされて、安堵。直径45メートル、13万トンの小惑星は地球に衝突せず、無事に通過してくれたらしい。ただ、気がかりはロシアに落ちた隕石である。どうも、これが中途半端なものでなく、かなり立派な岩の塊、つまり小惑星であったらしいのだ。被害も報告される度に増大していて、建物被害も人的被害も大きく、プーチン大統領による非常事態宣言も発令されたとか。大気圏突入の際の衝撃波で発生した振動は気象庁でも検知され、もしかしたらその地震波は、北の国の核爆発より大きいかもしれないのだ。
 どこかの誰かが金の延べ棒の大盤振る舞いをしている。役人が復興資金を懐に入れてしまうので、匿名の正義漢がその穴埋めをしているのである。この国、いつか役人たちに滅ぼされてしまうだろう。
 こんなボクに今年も忘れずにバレンタインデイのチョコをプレゼントしてくださった妙齢の女性に電話をする。実はボク、その直前に彼女が亡くなってしまった夢を見て、そちらの世界で号泣をしていたのだ。お礼の電話が遅くなってしまったことを、よほど気にしていたのだろう。それだけではない。以前はあんなにデートをしていたのに、ここ何年間もお会いしていなかったせいもある。それ以上に、ボクに、そのような夢を見せているのは友人たちの健康問題だ。自分自身が病気の博覧会で、人様の健康について、あれこれいえるような立場ではないのだが、自分の痛みより、誰かの痛みの方がつらく感じられて仕方がない。なぜなら、自分の痛みなら、自分でいくらでもガマンできるのだが、人の痛みは、自分ではガマンできないからだ。病める友よ、どうか元気でいてください。
 その不治の病で苦悩している古い友に電話をする。1時間しゃべったけれど、あと数ヶ月で、そんなおしゃべりができなくなるかもしれないと考えると、1時間がとても短い。小学校1年生の仲良し三人組のひとりは、既に別の世界へ旅立ってしまった。ボクと彼は、三人組の生き残りである。今となっては、彼は共通の思い出を語り合える掛け替えのない存在。それがいかなる病であろうと、どうか乗り越えてもらいたい。最近、彼のことで心がいっぱいなのだ。
 夜はTBSラジオ、司馬良太郎短編朗読や、J-WAVEの「浅田二郎ライブラリー」に傾聴しながらおえかきデスクに向かう。今日も寒い。中途半端でなく寒い。指先もかじかんで、なかなか「おえかき」の気分になれない。そこをヒートポンプの力を借りて、なんとかおえかきデスクに向かうのだ。頭の中で繰り返しリハーサルした絵柄を、習作用のコピー用紙に何度も描き、練習をする。それをコボちゃんに見てもらい、ボクの意図するように見えるかどうか確認をする。これでOKと思えたところで、下絵の本番にとりかかる。そして、下絵ができた頃、ボクは腹ペコになっているのだ。
 寝酒のお供はラジオ第二の村上春樹作品朗読の再放送。つまり今週分の総集編である。先週も触れたが、ボクは語り手のオザワユキヨシという人物のキャラクターと、村上春樹の人格が重なって、大変にはまってしまっているのだ。朗読はこれで6週間続いている。「朗読の時間」としては異例の長さである。でも、正直にいって、もっともっと続いてもらいたいと思っている。
▲ あといくつ 指折り数え 春を待つ

0217・日・
 目覚めの洗顔をしながら文化放送の志の輔(しのすけ)ラジオ「落語でデート」を聴いている。今朝のお相手は結城千穂(ゆうきちほ)さん。でも、樹木希林(きききりん)さんのことではない。この名前、樹木希林(きききりん)さんが番組のオークションで売ってしまったのである。その値段、たったの2万2百円。買ったのはクラブのママさん。それ以来、そのママさんが結城千穂という名前を保有していたのだが、有望な新人女優がいる、ということでこの芸名をいただいた、ということである。今朝の落語は二代目の三遊亭圓歌(えんか)師匠の『河豚鍋』(ふぐなべ)。マイナーな出し物ではあるが、一度や二度は聴いたことがある。河豚(ふぐ)はうまいが、食べるのはこわい。そういう根多(ねた)である。この番組、物故された師匠方の珍しい落語や、声は知っているが名前は知らない師匠たちが続々登場してくるので勉強になっている。けれども、師匠である立川談志(たてかわだんし)師匠が登場しないのは、談志(だんし)師匠が15分の枠にはまらない落語家であるからだろう。
 土曜日の未明、直径45メートル、13万トンの小惑星は無事に通過してくれたが、ロシアに落ちた隕石も、実はかなりの規模の小惑星であったことがNASAの分析によって判明した。その大きさは直径17メートル、1万トン。広島型原爆30発分のエネルギーを衝撃波として放出しながら地上に落下したのである。衝撃波が日本で観測されるのも当然。北の国の核爆弾よりも強力であったことも納得できる。その威力が有史以来初めての人的被害をもたらした、というわけだ。ただ、これは威力の強さによる影響ではなく、運の悪さが原因。海に落ちていれば、魚が迷惑するだけで、他には何の問題もなかったのである。ただ、直径45メートルの小惑星なら事前に発見できても、直系17メートルだと世界中の観測者によっても発見が不可能だったことが明らかになった。これは大いなる不安材料となっていくだろう。その規模の小惑星でも大都市へ垂直落下すれば、被害は想像を絶する。桑原桑原である。
 ゆめぞうイラストレーションの下絵にコボちゃんからのOKが出る。苦悩した割には平凡なアイディアとなってしまったが、挑戦したのは初めてのもの。オーバーオールを着たネズミが、風船のブランコに乗って空中旅行をしている、という図柄である。彩色プランを立てて実行する。あとは根気のいる手作業となる。締め切りは明日の午後。間に合うことを祈る。
 我が家の愛車、クオリスで目黒へ向かう。下村家が近づいたところで奥様のカコさんのケータイへ電話をかける。ところが、聞こえてくるのは外国のコール音。このままニューヨークかどこかへつながったら大変。いくら請求されるか、たまったもんじゃない。というわけで、下村健一ご本人のケータイに連絡をする。
 ジャーナリスト、下村健一氏とのお付き合いは1990年の晩秋から。ボクが障害者アートバンク大賞を受賞したとき、TBSのアナウンサーだった彼が、その会場で別の取材をしていたのである。そして、そのとき握手したご縁が、次第に大きなパイプとなり、今でも変わらず続いている。
 自分以外はすべて教師。そう語る彼をTBS時代から最も信頼できるジャーナリストとしてリスペクトしてきた。あれから23年、普賢岳の火砕流、オーム事件、アトランタオリンピック爆弾騒動、ペルー日本大使館人質事件、ETC、ETC。テレビキャスターとして当然の結果かもしれないのだが、いつも現場にいた彼。地球というコマが彼を軸として回っているように、大きな事件が彼の立っている場所で、次々に展開してきたのは不思議なことである。もしかしたら、彼はそんな磁場を帯びているのかもしれないのだ。事実、彼と行動を共にするとき、奇跡は現れた。そのひとつが、エム ナマエ全米デビューである。エム ナマエニューヨーク個展実行委員の彼がギャラリーにいるとき、全米最大手のベビー服メーカーの副社長が偶然に現れ、奇跡の始まりとなったのである。
 ニュージャージー時代、小学生だったご長男は頼もしくもボクシングのアスリート。今年はICUからバークレーへ留学するという。ご長女は底抜けの明るさ。奥様のカコさんはスーパーウーマン。下村ファミリーとの会食は心から楽しく、ボクをリラックスさせてくれる。けれども、下村ファミリーとの会食は久しぶりのこと。なぜなら、彼は昨年の秋まで、内閣広報室の審議官であったからだ。
 2年間の任期の間、ボクが彼に実際に会えたのは、たったの一度だけ。あとはメディアというカーテン越しに官邸というブラックボックスの彼を見るだけだった。とはいえ、下村健一、つまりケンちゃんは東日本大震災のように日本の運命を左右するような瀬戸際は別にして、こちらの問いかけに、いつも誠実に応えてくれていたことは、このブログを通じて、読者の皆様はご存知のはずである。
 下村ご夫妻の結婚式に、ボクとコボちゃんは光栄にも立会人として列席させていただいた。同じテーブルには菅直人(かんなおと)議員。ケンちゃんと菅直人議員は強い絆で結ばれていたのだ。菅直人総理大臣が生まれたとき、ボクはケンちゃんに思わず電話をした。ケンちゃんが民間から入閣するような気がしたからだ。けれども、答えはNO。ケンちゃんが政治家になることをカコさんは決して許さない。けれども突然、事態は急転、ケンちゃんは内閣広報室の担当審議官として招かれることとなったのだ。そのとき、カコさんは菅直人総理に、下村健一を絶対に政治家にさせないと約束させたという。あれれ。これは内緒の話だっけな。
 ケンちゃんが官邸で働いているタイミングで東日本大震災が発生した。東電福島第一原発の事故も発生した。そしてケンちゃんは現場に飛んでいた。菅直人と下村健一が出来事の中心にいるのなら、この未曾有の危機もクリアできるに違いない。ボクは安心していた。けれども、期待通りに事態は運ばなかった。
 あのとき何があったのか。官邸はいかなる伏魔殿であるのか。菅直人とケンちゃんは、どんな事態に遭遇していたのか。誰でも興味のあるところを、内閣から解放されたばかりのケンちゃんに、そんな質問もしてみたかった。でも、その必要はなくなった。この朝、ケンちゃんは、ひとつの原稿を仕上げたばかりであったのだ。ボクだけでなく、国民の誰もが抱いた疑問に答える原稿を。それが3月14日に新刊本としてリリースされるのである。

朝日新書『首相官邸で働いて初めてわかったこと』
朝日新聞出版より3月14日に刊行
価格は税込みで819円。

 政権交代から民主党惨敗までのパースペクティブ。ボクがこの本に期待するのはこの点にある。2009年の政権交代の選挙のとき、ボクは大興奮してケンちゃんにメールをしたことがあった。けれども、ケンちゃんの反応は冷静だった。以前、TBSテレビで事件から75日というテレビコラムを担当していたケンちゃんが、民主党惨敗から75日というタイミングで上梓するこの本である。そこにジャーナリスト下村健一の、つねにバイアスを排除してきた彼の視線があるに違いないのだ。
 夢中で話しているうちに、3時間が経過していた。寒気の中、ファミリーのみんながマンションの外にまで出てきて、ボクらを見送ってくださる。ありがとう。楽しかった。
 コボちゃんはカコさんの骨董コレクションの螺鈿(らでん)細工の火鉢に目をつけてきた。螺鈿細工なら、ボクも興味がある。すぐにボクは、カコさんから教えてもらったばかりの、ケータイの正しい電話番号をコールしていた。
 最近の天気予報、降水確率の表記は雨か雪となっている。雨が先だと雨の確率が大きく、雪が先だと、積雪が心配になる。明日は雨水(うすい)。雪が雨に変わる季節の始まりである。ああ、雪の心配はもうしたくない。
▲ 雨と雪 肩を並べて 天気予報



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