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全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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Author:emunamae
いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2012年8月13日~19日
☆ この日記は、透析患者が病人ではなく、機械が腎臓の仕事をしてくれる以外は、一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、漢字や熟語、固有名詞には振り仮名がしてありますが、漢字の難易度とは関係がありません。これらの振り仮名は視覚障害者のための音声モニターを容易にするためのガイドです。

0813・月・
 世間の話題はロンドンオリンピック。ナデシコ以外、何も期待していなかったところの日本アスリートたちの大活躍に心からの拍手を送りたい。でも、メダリストのインタビューで、彼らが発する「国民」という単語が気になった。確かに日本を代表するアスリートとして、使いたい言葉であるのかもしれないが、オリンピックが終われば、あんたもひとりの国民なんだよといってあげたい。まあ、国民という塊でなく、独立した個人という立場で、力を合わせてオリンピックフィーバーから解放された日本という国を支えていこうよね。
 男子サッカーで日本に勝利した韓国チームの選手が、竹島領有権主張のプラカードを掲げてピッチを走り回った件で、選手は表彰式への参加を停止され、メダルの授与式のチャンスも奪われた。オリンピックを政治的に利用してはならない。ここにIOCの強い意志の表明がある。
 NHKラジオ第2「朗読の時間」はパール・バックの『神の火を制御せよ』の11回。ついにアインシュタインが登場して、大統領に原子の力について説明する。当時、ナチスも日本もソ連も原子力について開発中であったとされている。そういう現実を、小説の中の米国大統領がいかに認識するか。そこから主人公である科学者たちの苦悩と闘いが始まるのだ。
 週末で仕上げた月刊「ラジオ深夜便」、ゆめぞうイラストレーションをW記者にお渡しする。真夏の暑さの中でのご足労である。それにふさわしい作品でありたいと願う。
 10月のゆめぞうは、我が家のデブネコ、ミミと並んで窓の外の日没の風景を眺めている。そこは夕焼け水族館。魚になった落ち葉たちが泳いでいるのだ。
 1973年から、この経堂に住んでいる。最初の10年間、ボクはオバQアパートと呼ばれていた、駅前の高層アパートで暮らしていた。10階の窓から見える空と街並みが好きだった。夏になると、大きなガラス窓の内側にプランターを置き、朝顔を蒔いてやる。発芽して、蔓が伸びれば、窓ガラスにセロテープでとめてやる。今から考えれば、ずいぶん乱暴なやり方だったが、朝顔たちはすくすくと成長し、やがて次々と花を咲かせてくれた。その花たちを透かしてみる8月の空がボクは好きだったのだ。
 どちらかといえば、ボクは昨日から機嫌がよくない。そういうボクに、庖丁の入らない、まるごとハンバーグが供された。透析中の夕食のことである。食べようと思うが、箸ではなかなか持ち上げられない大きさ。かじるにも、かぶりつくにも、実に扱いにくい代物(しろもの)である。食べているうちに、ボクは腹が立ってくる。同時に料理人の無神経さに悲しくなる。好きで盲人になったわけではないし、望んで透析患者になったわけでもない。そういう状況でのベッドでの夕食である。せめて、ラジオでも耳にしながら、楽しく食事をしたいではないか。この透析室におられる患者のすべてが、きっと同じ気持ちでいるはずだ。そういう患者たちの気持ちもわからず、ルーティーンワークで食べ物を供する人間たちの心配りの欠如に、ボクは猛烈に腹が立ってきたのである。これを作った人間に、ボクと同じ状態で、このまるごとハンバーグを食わせてやりたい気分になる。いや、呪ってやりたい気分にもなってくる。そこで看護師主任に抗議。これを作った人間と話をしたいと申し出た。
 まるごとハンバーグでイライラしていたら、そこへドクター。このドクター、優秀なお医者ではあるのだが、ちょっと軽い。先日の胃カメラの異常なしの結果を知らせにきてくださったんだけれども、悪いけどなんだか安心できない。
「ポリープに変化はありませんでしたね」
「えっ、ポ、ポリープがあるんですか。細胞検査のためのサンプル、取ったんですか?」
「取らないでしょ。変わり、ないから」
「食道は大丈夫ですか」
「逆流性食道炎も大丈夫」
「そうですか。まさか、癌なんか、ないですよね?」
「ないでしょ。まあ、また来年、ということですよ。あはは」
てな具合に、お言葉を残して立ち去る。ええとね、苦労して胃カメラを呑んでるんだから、もうちょっと重々しく診断していただきたいと思ったボクでありました。とほほ。
 本日は8.13でJ-WAVEの日。-Jam the World-でなく、特別番組をやっていた。でも、どちらかといえば、いつもと同じがいちばん望ましい。
 NHKラジオ、今週の「ラジオ深夜便」のナイトエッセイはプチ生物研究家が担当。第一回の今夜はゴキブリとナナフシの話題。ナナフシは、一度でいいからこの目で見たかっにた生き物であったが、テレビでしか拝見できず、残念。実際に対面して、その姿を拝んで見たかった。で、できれば見たくないのがゴキブリ。コガネムシは金持ちだ、と歌われるあのコガネムシはゴキブリだ、という説があるのをご存知であろうか。ゴキブリは小判の形をした卵巣を腹に抱えて移動する。その姿を金持ちに見立てたのである。
 さて、コボちゃんに発見されたゴキブリほど悲惨な存在はない。コボちゃんは新聞紙を丸め、ゴキブリを追跡する。
「バシッ、バシッ!」
と叫びながら、丸めた新聞紙でゴキブリを追跡、叩きつけてバラバラに粉砕する。それを見て、恐怖に震えるアルルを、ボクは抱きしめてやるのである。ああ、ゴキブリに生まれなくてよかった。
▲ 朝顔を透かして空の青さかな

0814・火・
 未明に金星食があるという。東南の空にあがったばかりの新月と、明けの明星が重なるのだ。金星食が終わって、新月から金星が現れる様子は、まるでトルコの国旗のように見えるとのことで、ボクはコボちゃんにこれを見てもらいたいと望んでいた。そこで、未明の、それも、明けの明星が新月のダークサイドから顔を出すタイミングで目覚めたのだが、窓を開けてガッカリ。しとしとと、間断のない雨が落ちていたのである。それにしても、盲目は便利。たとえ実際に目撃できなくとも、その美しい情景を心に焼き付けることは可能なのだ。
 まるごとハンバーグの後遺症か、昨夜のボクは妙に興奮して眠れなかった。その影響で、今朝のボクはおかしい。気力も元気も失っている。コボちゃんがアカシアの蜂蜜でハニートーストを作ってくれたので、それでなんとか気力を取り戻してはみたものの、パソコンに向かっても集中力がわいてこない。コボちゃんに朝の散歩を誘われても、いく気になれない。今日のボクはダメ。勝手にそう決める。
 お昼のニュースを聴いていたら緊急地震速報。久しぶりに耳にする警告音である。ただ、揺れの予想される地域が北海道であったため、ボクもコボちゃんも落ち着いている。それを見て、アルルも落ち着いている。0時1分、北海道で震度3。震源はオホーツクでマグニチュードは7.3、深さは590キロとの情報。その後、この緊急地震速報は誤報ではないかとの見解もあったが、ボクは誤報を恐れず、緊急地震速報は出していただきたいと考える。もしも、本当に大きな地震であれば、数秒間の猶予はおおきな救済をもたらすのである。
 入院中の幼馴染から電話。抗癌治療がうまくいって、数年間のQOLが保障されたとのこと。元気そうで安心した。ラジオで誰かがいっていた。女房は交換がきくが、幼馴染は掛け替えがない。彼とは小額1年生からの付き合い。既に57年が経過している。そんな彼をボクは決して失いたくない。
 求心力の低下した李明博(いみょんばく)大統領が竹島に上陸したり、その理由を慰安婦問題に転化するにあたっては、様々な議論があるだろうが、李大統領の政治センスが劣悪であることは明らか。人気取りが成功するとは思えない。また、天皇陛下が韓国を訪問することがあれば、陛下自らのご判断で謝罪のお言葉を述べられることであろう。そのことで日本国民の感情を著しく害するという見方について、ボクはいささか懐疑的である。そもそも、平成天皇は客観的で冷静な歴史認識をされておられる。我が国が朝鮮半島において、歴史的過ちを行使したことは明白な事実。これを否定することはできない。もしも否定すれば、周辺諸国に対して、いかなる主張も許されなくなる。個人的には、中国の友人にも朝鮮半島の友人にも、ボクは謝罪の気持ちを前提にしてお付き合いをしてきた。ボクらは歴史において、無知であってはならないのだ。それと同じ意味で、ボクはロシア政府と国民に正しい歴史認識を要求したい。終戦後、ソ連が北方領土で、国際条約に違反して、いかなる暴挙と凌辱を行使したか。それによって支配した北方領土について、現ロシア政権は、すべての権利主張を放棄すべきなのである。ロシア、人間も芸術もいいのに、どうして政治が悪いのだろうか。不思議でならないが、それがロシアだといわれたら納得するしかないだろう。
 コボちゃんの用事に付き合った帰り道、豪徳寺のデニーズに入る。劇辛のタンタンメンが食べたかったのだが、夏は冷たいタンタンメンしかないという。となると、今のデニーズは食べるものがない。そこで、最後の手段としてのサーロインステーキを注文。驚くほど安いのに、これがなかなかのステーキなのである。その昔、ボクは平井和正の「狼男」シリーズを愛読していた。この狼男、食事はいつもステーキと決まっている。そして、食後はブラックコーヒーだけ。狼男はサラダなんか食わないのだ。その真似をして、ボクもステーキのお供はブラックコーヒーと決め手いる。まあ、デニーズのステーキでは、あまり形にはならないけれど。元気のないときは、ステーキがいい。牛肉には元気の元が詰まっているから、アメリカ人は戦争が好きなんだろう。
 ステーキで元気になったから、元気に仕事ができたかというと、元気に熟睡してしまった。とほほ。
▲ 疲れたらステーキ食べて夏休み

0815・水・敗戦記念日・
 またまた、この日がやってきた。8月15日をボクは敗戦記念日とする。とある番組で、そう表現したパーソナリティーに、終戦記念日と訂正したアナウンサーがいたが、その認識を押し付けることには反対したい。それぞれの思いで迎える8月15日である。ボクらは歴史を間違えてはならないのだ。
 どうもお腹を冷やしたらしい。朝から何度もトイレのお世話になっている。汗で手先がべたつかない限りは、夏の外気温にさらされていたい。そうすれば、アイスクリームもアイスコーヒーも、おいしく楽しめるのだ。
 NHKラジオ第2、「お話の旅」は『黄色いバケツ』。ボクが失明して、童話作家に転身しようとしていた頃に感想文コンクールの課題図書になったことで記憶にある作品だ。ボクだったら、どんな感想文を書くだろうか。そんなことを考えながら聴いていたが、何も思い浮かばなかった。どんな解答も可能な作品。もしかして、それが課題図書になる条件なのかもしれない。とにかく、ボクには難しい作品だった。
 正午の時報に合わせて、西の空に向かって起立黙祷。310万人の戦没者のご冥福をお祈りする。一言で表現すればそういうことなのだが、1分間で浮かぶことは、広島、長崎、東京の無差別大量殺戮。勝っても負けても、戦争に勝利はない。残るのはただ悲劇のみである。武道館では天皇陛下がお言葉を述べられる。平成天皇の国民に対する愛情と貢献には、いつも頭の下がる思いがする。心から尊敬のできる天皇陛下を仰ぐ幸せに感謝する。
 透析中、栄養士と調理師が謝罪にきた。例の、まるごとハンバーグ事件である。けれども、真意から謝罪されている気持ちにはなれなかった。言葉が通っていかない、暖簾に腕押し、糠に釘の感がいなめなかったのである。とはいえ、ボクは少し依怙地(いこじ)になっているのかもしれない。まるごとハンバーグは、それほどにボクを傷つけたのである。
 NHKラジオでは「新・話の泉」をやっていた。立川談志(たてかわだんし)師匠が始めた番組で、その空席を六代目桂文枝(かつらぶんし)師匠がうめている。番組冒頭では、談志(だんし)家元のお元気な声。家元の残した文化と伝統が守られていることに感謝する。
 長崎の鐘楼流しで、ファンたちが立川談志師匠の鐘楼船を作って川に流した。師匠の魂は銅鑼や爆竹の賑やかな音に送られ、再び浄土へ戻っていく。それにしても、師匠自ら名づけたという「うんこくさい」という戒名はどうなったのだろうか。
 敗戦記念日というタイミングで竹島や魚釣島への上陸が相次いでいる。諸外国がいかなる行動に出ようと、領土問題の悪化だけは避けたい。この敗戦記念日に、改めて戦争の絶対回避を誓いたい。戦争の悲惨さを考えたら、国のプライドなど、捨ててもかまわない。平和だからこそ、上陸ごっこも可能なのだ。
▲ 敗戦を知らずに散った花思う

0816・木・
 結局、李明博(いみょんばく)大統領は日刊関係を犠牲にして、自らの政治的延命を図る、という最低な政治化であることが明らかになりつつある。優先順位さえ間違わなければ、外交が複雑であっても、犠牲は最小限にとどめることは可能である。それでも、外交の失策を政争の具にしようとする国内の動きは後を絶たない。平和の敵は外側にも内側にも存在する。権利の座にある者に、優先順位の取り違いは許されないのだ。
 夜、涼しくなってからアルルを連れて豪徳寺へ。途中、シベリアンハスキーの銀君と出会うが、銀君、北極圏で活躍するワンちゃんだけあって、既に夏バテ気味。ボクに仕方なく撫でられて、アルルとは遊ぼうともしない。イヌ族に日本の夏は過ごしにくい。いや、イヌ族だけでなく、コボちゃんも、暑い暑いの連発。飲んだビールも汗になる。
 カラアゲショップが扇風機作戦をやめてから、駅前花壇の悪臭は消えつつある。そして、カラアゲ待ちのお客も減りつつある。コボちゃんにいわせると、若者向きにしては高価だから、すぐに客が離れるだろうと予言する。下北沢や経堂のように、若者の入れ替わりが盛んであれば別だが、豪徳寺はカラアゲには向かない地域なのである。
 ポケットラジオで、たまたま流れていた中日巨人の試合、我が家の玄関を開いた途端のサヨナラゲームで大笑い。巨人軍、あんなにたくさんの選手が控えているのに、どうして延長戦では勝てないのだろう。今シーズン、まだ一度も勝ててないはず。まあ、これからはドシドシと連敗をしていただいて、秋に向けて、プロ野球を面白くしていただきたい
 ラジオの世界では、ときどきシンクロニシティーが発生する。NHKラジオ第2でパール・バックの『神の火を制御せよ』でマンハッタン計画が進行すれば、TBSラジオのDIGでは、コメンテイターが原爆投下の真相について語る。NHKラジオ第2で『黄色いバケツ』がかかれば、FMJ-WAVEの-Reading for Your Heart-で『またおいで」がかかる。実は両作品とも同じ作者でキツネの子供が主人公。出版社も同じなら、感想文コンクールの課題図書に選ばれたのも同じ。そこで、またまた考えてみる。もしもボクだったら、この物語で、どんな感想文を書くだろう。そして、やっぱり結論は出なかった。
 今夜は「ラジオ深夜便」のナイトエッセイの最終回。プチ生物研究家、タニモトユウジ氏の「私の好きなご近所の虫たち」は深い内容で心を動かされた。ボクも子供時代は虫が友達だった。家の中にも庭にも、近所の原っぱにも、様々な虫たちが、無尽蔵に暮らしていた。彼らの犠牲でボクは学び、そして成長できたのだ。今夜の最大の収穫は「座敷鷹」(ざしきたか)という遊びが江戸時代にあったのを学んだこと。これは座敷における鷹狩のこと。ただし、この場合の鷹(たか)は国内最大の蜘蛛(くも)、ハエトリグモであり、獲物はハエである。ちなみに、世界最大の蜘蛛(くも)はタランチュラで、和名はトリトリグモである。ボクらも、ジョロウグモに相撲をさせて遊んだが、虫の存在は即ち風流でもあったのだ。もしもまた、目の見えることでもあれば、再び虫の世界で遊んでみたい。最後に、タニモトユウジ氏は虫を無視すると、人類はとんでもないことになる、とダジャレで警告していた。
 ビールを飲みながら、三遊亭圓生(えんしょう)をじっくりと聴く。見事な芸である。スキのない名人である。それでは最高の落語家かと問われれば、ボクは違うと答える。どこで聴くか、誰が演じるか、何を演じるか。落語は変幻自在の生き物で魔物。同じ芸人だって、よくもなれば、悪くもなる。落語の底なし沼にはまったら、もう死ぬまで出られないのである。
▲ 立秋も残暑に猛暑歯が立たぬ

0817・金・
 窓を開放し、扇風機を弱の間歇(かんけつ)でタイマー運転させ、電子蚊取りで武装する。それでも目覚める熱帯夜。ビールで熟睡したせいもあって、未明から活動を開始する。今朝は来年のオリジナルカレンダーのプランニングなのだが、今回は非売品。大型版なのに、ちょっと残念。
 先日、大津の教育委員会の教育長が19歳の大学生にハンマーで襲われた。精密検査の結果、目の上の切り傷だけでなく、頭蓋骨が骨折していることも判明した。報道によれば、ご本人は病院のベッドで、かなりガックリとされているらしいが、いかなる心境なのだろう。本心を聞いてみたい。蓋をしたはずの事件がマスコミとネットでほじくり返され、「こんなはずではなかった」とでも思っているかどうかは、やっぱり本人に聞いてみなければわからない。大学生はハンマーだけでなく、両端を木製の取っ手にくくりつけた針金まで準備していた。それで教育長の首を絞めようとしている現場を取り押さえられたというから殺意は濃厚である。ゼロゼロセブン・シリーズの『ロシアより愛をこめて』で、主人公のジェームス・ボンドが疾走するオリエンタルエクスプレスの中で、ソ連のスパイに、腕時計に仕込まれた針金で首を絞められるシーンがあったが、それを思い出す。ジェームス・ボンドだからピンチを脱したわけで、教育委員会の座布団に座り続けて運動不測の教育長に、その芸当は不可能だから、教育委員会の職員に救助されていなかったら、今頃はあの世にいたことは間違いない。この大学生の殺意をどう分析すればよいかはわからないが、連日の報道やネットで飛び交う情報が、彼をこの凶行に追い込んだことは容易に想像できる。非難されるべき犯罪ではあるが、どうもボクにはその声が聞こえてこない。聞こえてこないということは、大津市別館で起きたこのハンマー殴打事件を肯定する空気が世間に存在する証拠であろう。犯罪は否定されなければならないが、大津市から広がった波紋が「苛め事件」を一掃するムーブメントに発展することを願う。
 李明博(いみょんばく)大統領の愚考も非難されなければならないが、日本政府の対応も非難されてしかるべき。ここは国際司法裁判所に提訴なんかして洗面器を泡立てるより、日本海の波が静まって、おさまるのを待つのが賢い対応。隣国の為政者が国民のハートをつかもうと、過去の日本の愚考を利用していることは明らかで、勝手にやらせておけばいい。李大統領の再選の可能性は限りなく透明に近いのだから。金大中(きむでじゅん)大統領の配慮以来、これまでの両国の歩み寄りで良好に進んできた日韓関係をチャラにすることはない。新大久保駅前の賑わいが悲しくなってしまうではないか。正しいのは大人の対応。領土問題の解決法は棚上げしかない。尖閣諸島も同じこと。つまらんナショナリズムに激昂している都知事のコメントなど流してないで、ここは政府の大人の対応を評価すべき。前原さんが、前回の失敗でお勉強したという噂も流れてきている。とにかく、ここは中国の顔を立ててやらなければ、日本の立場も危うくなる。中国と争っても、今の日本に勝ち目はない。いずれにせよ、平和外交のみが、日韓中の未来を開いていく。
 BGMは高校野球。ブログの原稿くらいだったら、高校野球を聴きながらの執筆も可能。けれども、カレンダーのコピーとなれば、そうもいかない。ラジオを消して、ちょっと真面目に考える。
 山本コウタローが、またまたライブに招待してくれた。ジョン・レノン博物館での再開以来、古い付き合いが復活している。12歳の出会いだから、その歴史は長い。あちらは歌手、こちらは画家であるが、学生時代のデビューは同じ。イラストレーターとして走り始めた当時、徹夜で聴いていたパックインミュージックでは、ボクの投書を、懐かしそうに読んでいた。友だち思いのやつだから、彼のライブはいつも満席。9月のライブは70年代を語るそうだから、これも楽しみ。大学教授をやってるくらいだから、彼のトークは面白い。
 な、なんだ、この暑さ。冷房の効いてないキッチンに入ると、たちまち眩暈(めまい)に襲われる。息も絶え絶えの猛暑である。ラジオでは東京都心が35.7度に達したと伝えている。なのに、デブネコのミミは、開け放したベランダに頭を向けて寝ている。どうもネコという生き物は暑さには鈍感であるらしい。
 エアコンは28度設定。けれども、少しでも動けば汗だらけ。暑さだけでなく、湿度もかなりなもの。汗だくで透析室で体重を測れば、飲んだビールは、すべて汗となって消えていた。
 寝る前もビール。夏だから、安心してビール。猛暑が、ボクの水分調節をうまくやってくれるのだ。冬になれば、ボクはビールの飲める立場ではない。なんせ、ボクは透析患者なのだから。
▲ 世の中が湯浴みするよな暑さかな

0818・土・
 午前8時からの「ラジオ文芸館」は残念ながらお休み。それも仕方がない。なんてったって、高校野球の真っ盛り(まっさかり)。どうしても東北方面を応援してしまうが、熊本が負けてしまったのは残念。どの高校を応援するかは、それぞれの個人的理由が最優先。その応援する気持ちがあるからこそ、高校野球に面白味が増すのである。
 それにしてもである。あの甲子園の場内アナウンス、どうにかならないものだろうか。球状の音響効果を考えてのことなのかもしれないが、ボクには鼻がとれて落ちてしまったアナウンス嬢の顔しか浮かんでこない。すべてが鼻に抜けて聞こえるのだ。嘘だと思ったら、ご自分で確かめることをお勧めする。
 昨日ほどの暑さではないが、湿度が高いのでエアコンを入れておえかきデスクとパソコンデスクに向かう。でも、頭の上から雷鳴。高校野球のバックグラウンドにも雑音が入る。そのうち落雷。こうなるとパソコンの電源を落とさなければならない。アルルは震えてボクのベッドに避難してくるし、もう仕事はやめにして、アルルと抱き合って眠ることにする。
 花火の音がやけに近い。多摩川のはずなのだが、駅前で打ち上げているような響きである。けれどもアルル、雷鳴はこわいくせに、花火は平気。スタスタと豪徳寺まで歩いていく。途中、道端では蟋蟀(こおろぎ)の声。いよいよ秋である。
 いつもの駅前花壇でアルルはおやつ。ボクらはアイスコーヒー。コボちゃんが、某ハンバーガーショップはドアを全開にして冷房を入れていると証言。プロ野球の特別ルールや、終戦記念日の武道館の氷柱など、わざとらしい節電PRもへいちゃらで無視をする、その商魂にはお手上げ。それで100円コーヒーを販売できるということは、このコーヒーの原価を改めて考えてしまう。
 帰り道、失明以来懸案の原稿にインスピレーションが降りてくる。気がつけば簡単なことだが、その考えに至るまでが長年の旅。ひとつヒントをつかむと、あとは自然にストーリーが浮かんでくる。久しぶりに創作上の興奮を味わい、幸せな気分で帰宅。
 「朗読の時間」の再放送『神の火を制御せよ』を味わいながらのビール。同位元素とか重水とか、わかっているようで、何にもわかってないことに気づく。ああ、勉強することばかりだなぁ。
 いきなり萩原朔太郎を聴きたくなる。枕元にポータブルのCDプレイヤーをセット、蟋蟀(こおろぎ)を鳴かせるようにして、『猫町』(ねこまち)を流す。
▲ 蟋蟀(こおろぎ)にソロを譲って夜の蝉

0819・日・
 5時にコボちゃんから散歩に誘われるが、パソコンデスクにしがみついてることを選ぶ。しばらくして、玄関ドアが開いてアルルの激しい息が聞こえてきた。ご帰宅である。コボちゃんによれば、日大(にちだい)のグラウンドあたりでヒグラシを聞いたとのこと。ヒグラシなのに、どうして朝に鳴くのかというので、ヒグラシは朝夕関係なく、涼しい時間帯に鳴くのだと伝える。つまり、ヒグラシという名前が誤解を生むのである。ちなみに、ボクはソノヒグラシ。
 6時より文化放送では志の輔(しのすけ)ラジオ「落語でデート」。今朝の落語は名人、五代目古今亭志ん生(ここんていしんしょう)の『変わり目』。何度聴いても笑える。倒れる以前の録音だろうか。語り口というより、客の反応が自然なのだ。客が大袈裟に笑っているような録音は志ん生(しんしょう)が倒れたあとのもの。つまり、客の応援する気持ちが寄席に充満しているのである。
 落語が終わればニッポン放送に回して、藤沢周平傑作選を聴く。今朝から新しい作品『神隠し』。知っている作品だが、朗読が変われば作品も別のものになる。
 インスピレーションを得た作品のメモをとる。構想は失明以来であるが、具体的な形が見えたのは今回が初めて。輪郭がはっきりとしてきたら、執筆を開始するつもり。これから選ぶ朗読CDも、その作品を意識してのもの。
 よせばいいのに尖閣諸島で上陸ごっこなんかして、騒いでいる連中がいる。相手国の噴き上がりも困るが、国内の噴き上がりが問題。領土問題に戦争以外の決定的な解決策などない。といって、戦争ができるわけがない。となれば、お互いの巧みな外交と、国民の冷静な対応で棚上げにしておくしかない。でないと、オスペレイなど必要ない、なんて議論も空しくなってくる。沖縄の海において、アメリカ軍の活動に期待するような事態は避けなければならない。オリンピックで熱くなってるナショナリズム、そろそろ静めましょうよ。
 本日は終日おえかきデスクにしがみつく。ここ最近、習作がうまくいっているので、そろそろ下絵の本番に取り組む決心をしたのである。大きな作品というものは、それなりの覚悟を必要とする。なぜなら、一度でも筆をおろしたら、一気に仕上げなくてはならないからだ。その勢いから離れたら、もう二度と同じ気分にはなれない。そこを覚悟しておえかきデスクにしがみつくのである。
 「おえかき」のBGMは高校野球。応援するチームが勝ったり負けたり。いつもだったら日曜日午後の楽しみである伝統の演芸番組「上方演芸会」も高校野球で塗りつぶされてしまう。それにしても、高校野球の実況中継でいつも思うこと。中継技術や情熱は評価できても、リスナーへの配慮の欠けることが多い。ことに戦況。CMがないせいか、区切りが曖昧となり、どちらがどちらを攻撃しているのかがわからない。キッチンでも仕事場でも、昔の茶の間のように、人々はラジオにくっついて聴いているわけではない。ほんの時折でいいのだから、チームの名前や戦況などの必要情報を取り混ぜていただきたい。ところで気のせいか、今年は熱戦が目立つ。オリンピックイヤーの影響だろうか。
 高校野球が終われば、朗読CDをBGMにして「おえかき」を続ける。エアコンの効いた室内でボクは夢中でドローイング。コボちゃんはマッサージチェアでデブネコのミミを膝に抱いて熟睡。アルルは足元で寝息をたてている。平和な日曜日。
 夜になって、2枚の下絵が完成。目覚めたコボちゃんからOKをもらう。ひさびさの大作だったので、バランスのとれた絵が描けて幸せ。次は、もっと大きな絵に挑戦しよう。
 肩と背中がバリバリになったところで夜の散歩。遊歩道の入り口でコーギーのメイちゃん。遊歩道でシベリアンハスキーの銀君と遭遇。イヌはイヌ同士、人間は人間同士でおしゃべり。
 豪徳寺の花壇は以前の静けさが戻っている。カラアゲショップの勢いが落ち着いたせいだろう。油の匂いもないし、いつものメンバーが、いつものように花壇に腰掛け、おしゃべりをしていた。ボクらも、アメコカのイギ君のパパとおしゃべり。カラアゲショップには静かにしていてもらいたいという意見で一致する。
 カラアゲの匂いがないせいか、今夜は中高年の酔っ払いが花壇周辺をうろついている。落語に出てくるような、大工や左官の親方。柴又の寅さん。そんな酔っ払いがアルルに話しかけてくる。あんまり寅さんそっくりなので、コボちゃんが涙を流して笑いながら、酔っ払いの相手をしている。でも、ボクとアルルは迷惑。話の通じない酔っ払いの相手はゴメンだ。
 有線放送の落語チャンネル、枝雀(しじゃく)師匠の落語で笑いながらの寝酒。日付が変わったら芥川龍之介で眠る。
▲ 黄昏や忍び寄る秋虫の声




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