全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
プロフィール

emunamae

Author:emunamae
いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



リンク

このブログをリンクに追加する



カテゴリ



最新記事



検索フォーム



月別アーカイブ



RSSリンクの表示



QRコード

QRコード



最新トラックバック



2012年5月14日~20日
☆ この日記は、透析患者が病人ではなく、機械が腎臓の仕事をしてくれる以外は、一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、漢字や熟語、固有名詞には振り仮名がしてありますが、漢字の難易度とは関係がありません。これらの振り仮名は視覚障害者のための音声モニターを容易にするためのガイドです。

0514・月・
 5時半より活動開始。ひさびさ、「おはよう一直線」の運勢占いをチェック。ラッキーレベルはスタンダードだが、ラッキーカラーがゴールドとあって、ピュアゴールドのペンダントヘッドを装着することにした。ゴールドという金属は腎臓に効用があると聞いたことがあり、それ以来、できるだけ肌に密着するようにしているのだ。。
 NHKラジオ第二の伝統的番組、「お話出てこい」は『かちかち山』(かちかちやま)。この物語、実に残酷な内容である。だから面白い。NHKだから、そこまではやらないが、オリジナルだと、タヌキはばあさんをだまして殺し、煮て「タヌキ汁」ならぬ、「ばあさん汁」にしてしまう。だから、ウサギがばあさんの仇討ちとして、タヌキの背中を焼けどさせたり、その傷に唐辛子を塗りこんだり、泥の船でおぼれさせても痛快なのである。この「ばあさん汁」の前提がなければ、このウサギは、ただのサディズム愛好者となってしまうのだ。ううん。御伽噺は残酷であればあるほど面白い。考えてみれば、『舌切り雀』(したきりすずめ)も『花咲じじい』(はなさかじじい)も、驚くほど無慈悲で残酷なところがある。
 ランチは関越道のサービスエリアでゲットした高原野菜のサラダ。このレタスとトマトのなんと美味なこと。BGMはTBSラジオの「小沢昭一的ココロ」。今週のテーマは三代目。一代で築き上げた家を、三代目が潰す。この法則を明らかにしようという企画であると想像する。本日は北の国の三代目。もしも彼が周囲の期待を外し、北の国を瓦解させれば、世界中が万歳を唱えるのだが。
 天気はいいらしいのだが、風が冷たい。24.5度と聞いても、ピンとこない。もしかしたら、大手町と世田谷では空気が違うのかもしれない。というわけで、窓を閉めてパソコンに向かっている。土曜日に遊んだ分も仕事をする。
 透析に向かうクルマの中で大相撲を聴いている。横綱の白鵬(はくほう)、またまた負けてしまった。強い横綱が負けるのは、たまでいいのだ。こう負けてしまうと、悲しくなる。そろそろ休場して、ゆっくりと指の怪我を治していただきたい。
 大飯(おおい)原発の再稼動問題、町議会の多数決だけで左右されてよいものか。交付金はおおい町の命綱。大飯原発、それは関西電力の命綱。原子力発電は日本経済の命綱。それでも、原発事故が発生すれば、今度は関西の命が絶たれる。あらゆる困難は、いつかは解決する。けれども、放射能は永遠に浄化不可能な存在であるのだ。
 最近、ウクレレとリコーダーのカルテットの演奏に注目していた。ビートルズなど、誰にも馴染みのある名曲を、いかにもとぼけた味で調理する音楽グループである。透析中、雑音除去に苦労しながらFMのJ-Waveを聴いていたら、彼らが生出演していて、ピストン西沢がインタビューしている。これがなんと、おじんグループ。新しいアルバムは、あのジョン・ウィリアムスを料理したもの。『ジョーズ』や『ET』のテーマをウクレレとリコーダーで、なんとも牧歌的に演奏してくれるのだ。このグループ名、ボクの耳には「ウクレレクリコーダー」と聞こえた。もしも、そんなとぼけた音楽をどこかで聴いたら、ちょっとチェックしていただきたい。
 -Jam the World-、今夜はコンプガチャの話題。これが禁止されると、グリーやDeNAはどうなるのだろう。倒産するのだろうか。いずれにせよ、無料というフックで多数の会員を集め、そしてガチャという「あおり」で営業促進をかける。「ひっかけ」と「あおり」で急成長したこれら企業を支えているのは、会社が会員に「あおり」をかけ、会員は会員同士で「あおり」合うという仕組み。これらの支えが崩壊したとき、ソーシャルゲーム企業は果たして衰退するだろうか。それとも、再び新手を繰り出してくるのだろうか。いずれにせよ、ヨコハマベイスターズの運命が気にかかる。
 広島の福山のホテル火災で7人が亡くなったばかりだが、本日は福島の飯坂温泉の旅館で火事。ただし、こちらは従業員の適正な誘導で、怪我人ひとりも出なかった。命を失いたくなかったら、あまり安い旅館はやめた方がいい。
 寝る前、コボちゃんと老酒を飲みながらおしゃべりをしていたら、25時を過ぎている。老酒は旨い酒。時間まで忘れさせてしまう。
▲ 髪揺らす風に色あり散歩道

0515・火・
 朝寝坊で目覚めたら、本日は沖縄返還40周年の日。反射的に当時の記憶が浮かび上がる。嘘か本当か、感激して涙を見せていた当時の総理、佐藤栄作。これで戦後が終わったと語っていたが、さて、本当にそうなっただろうか。国内の米軍基地の74パーセントを背負わされている沖縄。それを放置しているのは無関心に他ならない。どこかの賢い人が、内地は安保というエアコンの恩恵を受ける室内で、沖縄はエアコンの室外機と語ったそうだが、そういう印象は免れない。歴史を見ても明らかなように、沖縄は迷惑をかけられっぱなしである。ボクが長いこと、沖縄に旅できなかったのも、そういう理由だった。これからの我々は、積極的に米軍基地を内地に受け入れようではないか。それが日本の安全のためなら当然である。ボクは基地の町に暮らしたことがある。家の頭上を戦闘機がすれすれに通過していく。街には美しいハーフの女の子。ボクは米兵と親しくなり、基地のスロットルマシーンでドルを稼ぐ。受け入れてしまえば、基地の町に暮らすのも悪くはない。ゴミの問題も、基地の問題も、みんなで受け入れるべき任務なのである。もしも、安保がいやならば、強い軍隊を備えればいい。リスクを背負わないで、安全や利便性だけを追求することはルールとマナーに反するのである。
 よせばいいのに、ドジョウ総理が沖縄でスピーチなんかしている。この人の言葉、どこまでも薄っぺらに感じられ、盲目のボクには、この総理がペープサート人形に見えて仕方がない。これからは彼をペープサート総理と呼んであげることにしよう。
 熱海の坂道でブレーキが効かなくなったトラックが次々にクルマと衝突し、一軒の家を破壊して停止した。トラックには重機が搭載されていた。長い坂道で、ずっとブレーキをかけていれば、やがてブレーキはその効力を失う。ブレーキが加熱して、運動エネルギーを熱エネルギーに変換できなくなるからだ。この理屈のわかっているドライバーはブレーキに頼らず、エンジンブレーキを効果的に使用する。もちろん、そうすればガソリンの節約にも通じるわけだ。
 大相撲、横綱白鵬(はくほう)が横綱のプライドをかけて、新大関の鶴竜(かくりゅう)に土をつける。そう、これでなくっちゃ。やっぱり強い横綱がいい。ボクの気に入りの稀勢の里(きせのさと)は1敗を守り、トップを独走。ぜひ有償していただきたい。できれば、早く横綱になっていただきたい。
 我が家でのJ-Waveは高音質で聴取可能。そうなれば、-Jam the World-も心地よい。今週のケースファイルは「そうしょくだんし」。草を食べる草食男子ではなく、僧侶の職業、僧職男子である。「ビボーズ」なんてビジュアル系雑誌が売れるほど、イケメン僧侶がもてているらしい。それは外見ばかりではなく、一般女性、いや、女性に限らず、大衆の興味が仏教に向けられている現われだろう。仏教の教え、釈尊の言葉には真理と科学と哲学がある。キリスト教が世界を救うことができないのは、イスラエルを見れば明らかだ。これからの日本人、真摯に仏教と向かい合い、心の平安を取り戻していただきたい。
 米国の最新鋭ステルス戦闘機F22ラプターの出動が見合わされているらしい。原因はパイロットの呼吸困難。装備が不十分なのか、それとも戦闘機の構造の問題なのか、コクピットに排ガスが混入して一酸化炭素中毒を起こすらしく、パイロットからは不評で、搭乗辞退が相次いでいるらしい。そもそも、ステルス戦闘機なんて卑怯な武器、あちらこちらに不都合があって当たり前。透明人間になって相手をひっぱたこうなんて、それは騎士の精神に反する。
 オンラインの英会話業者のサイトから11万人分の個人情報が漏洩したとのニュースがマキコ特派員から届く。ううん。ネット関係に自分の大切な情報、特にカードナンバーなどを登録するのはヤバイと以前から考えている。どう考えても漏れない保証はないからだ。そもそも、ツイッターやFacebookは最も巧妙に仕組まれたスパイウェアであるとも噂されている。あれだけの個人情報が蓄積されれば、株価だってスーパーセルのように急成長するだろう。その人にとって、何が守るべき個人情報であるかは千差万別だ。ボクなど、自分の健康状態を隠そうとはしていないが、ある人にとって、それを漏らすことは命取りにもなりかねない。まあ、ボクなどはホームページやブログで健康について開示していくことが、病気に向かう人間のあり方のサンプルとしての役割と考えているわけだ。そういうボクでも、知られたくない個人情報はある。そして、それら情報は、どんな優秀なハッカーがアタックしてきても、パソコンから流出する可能性は皆無。なぜならば、それら情報はパソコン内部には存在せず、ボクの脳味噌の中にあるからだ。あはは。
 大分県の麦焼酎にはまっている。「100年ロマン」とかなんとかいう銘柄だが、香りに優れた焼酎である。でもね、ボクはウィスキーでも老酒でもビールでも、リラックスの結果、眠りへといざなってくれさえすれば、酒はなんでもいいのである。
▲ 沖縄があるのはこの日だけじゃない

0516・水・
 水曜日のカルチャーラジオは「科学の歴史」。一度でも耳にしたらはまってしまうと避けていたのだが、その魔力に勝てず、誘惑に負けてしまった。そして、その泥沼にはまりこんでいる。しばらくは、この科学の揺れにより、ボクは液状化してしまうのだ。
 この世の中は既得権益者とその被害者から構成されている。そう想うことがときどきある。既得権益者は公けとは限らない。そこから露のしたたりを受けている民間も存在する。既得権益者による鉄壁の構造があるのだ。メスを入れたくても、その鉄壁は容易に刃を跳ね返す。投票によって政治に影響を与えることは可能であっても、公けの組織は選挙に影響されることはない。江戸の時代から綿々と続いている役人根性がその温床で養われ、そして巨大化していく。その結果が一千兆円の負債、というわけだ。法律や枠組みが既得権益者たちの手にある限り、たとえば電力会社の発送電分離やPPSの成長などあり得ない。地熱発電が原発にとってかわることもあり得ない。もちろん、公務員、もしくは見なし公務員の削減も、天下りのための団体や組織や、そして税金のチョロマカシの根絶などもあり得ない。放置しておけば、国の財政は破綻する。民間がどれだけ頑張って税金を支払っても焼け石に水である。こうした現状が橋下徹(はしもととおる)現大阪市長に
「強固な身分保障に甘えているとしかいいようがない。緊張感がまったくない。何をやったって首にならない、降格にならないという甘えが出ている」
と発言させているのであって、本質は刺青(いれずみ)の問題ではないのである。
 本日から有線放送の落語チャンネルで、新しいプログラムが始まった。鈴々舎まるこは天才かもしれない。三遊亭白鳥といい勝負になるかもしれない。そんなことを考えながらランチをする。
 夏日である。風が気持ちいい。湿度も塩梅がいい。これで上空い冷たい空気さえやってこなければ安心なのだが。
 新撰組の土方歳三(ひじかたとしぞう)に憧れた元JR職員が逮捕された。旅先の京都で購入した新撰組の法被(はっぴ)をはおり、模造刀を腰に挿して、東神奈川駅のホームで喫煙、暴れていたために駅員が通報したらしい。本人は「誠」の文字を背中にして、すっかり土方歳三(ひじかたとしぞう)になりきっていたらしい。おめでたいのはよいけれど、逮捕されては面目丸潰れ。
 大卒の就職率が93.6パーセントであるとの報告がある。就職指導をする大学側が学生に、大手ではなく、中小にターゲットするようにアドバイスした結果とされている。本当だろうか。中小人気が高まっていることは事実だ。けれども、そもそも大手に入社可能な学生の割合は悲劇的に小さい。大卒イコール大手という図式ははるか昔に瓦解している。それよりも、もっと気になるのが大学側の就職率の発表である。その中身、果たして正社員はどれだけいるのだろうか。派遣や契約社員も入れての計算となると、高い就職率も、明るい未来の指針にはならない。
 透析中はラジオに傾聴。けれども、スカイツリーの電波が遠いせいか、FMのJ-WaveやNHKの音質が劣化していて、やっぱり不愉快。FMは音質が命なのだ。けれども、-Jam the World-は内容の勝負。今夜も堤未果(つつみみか)さんの美声に浸る。今夜からのプロ野球は交流戦。けれども、ここ最近の巨人軍、弱小チームにしか当たっていない。どうしても五割復帰にして、ファンのキゲンをとりたいらしいのだ。でもなぁ、後半で強敵とばかり勝負するのもつらいよね。
 どこまでも保守的な原子力委員会。原発事故がまるで教訓になっていない。核燃料サイクルに、使用済み核燃料の中間処理に気の遠くなるような予算を投じても、計画実現の可能性は皆無。それでも計画が変わらないのは、やっぱりお役人仕事なのである。彼らには、未来に対する責任感というものが悲劇的に欠如しているのである。
 透析室に迎えにきたコボちゃんが、クロアゲハを見たと喜んでいる。道路で水溜りの水を飲んでいたというのだ。いい季節になって、蝶たちよ、どんどん姿を現してくれ。
 お風呂からあがったばかりのアルルにドライヤーをかけてやる。この新型強力ドライヤーはアルルの初体験。最初は熱と轟音を嫌っていたが、丁寧に説明したら納得してくれた。さすが強力ドライヤー。あっという間に濡れ鼠だったアルルが乾いてしまった。
 パソコンを開いたら深尾博士からメールが届いている。感謝。やっぱりブログを読んでくれていたのだ。そして高坂(たかさか)サービスエリアで遭遇したS君とは誰かと尋ねてくる。さあ、6年4組のみんな、クラス会が召集されるぞお。深尾博士、ありがとう。
▲ 晴れた空蜜より水のクロアゲハ

0517・木・
 麦焼酎の目覚めも悪くない。予報だと、午後から天気は荒れるそうだが、気持ちのいい朝なので気分は晴れている。
 「お話の旅」はやなせたかし先生。ボクのお師匠である。ご自分のポエムを朗詠し、語り、そして歌う。いつの録音だろうか。おそらくは最近のものだと想う。93歳の先生、やなせスタジオ情報では、とてもお元気とのこと。国会図書館には先生の書物が2千冊もおさめられているというが、いつまでもご活躍いただきたい。
「漫画は絵でかくポエムである」
 このやなせ先生の言葉にインスパイアーされ、この世界に入ったエム ナマエのペンネームの由来もそこにある。
 上空に冷たい空気がやってきて、本日も竜巻、竜巻と騒いでいる。ピンポイントの気象現象である竜巻。もしも襲われれば、宝くじに当たったみたいなもの。あんまり心配しても仕方がない。もしもやってきたら、トイレにでも逃げこもう。
 ランチをしていると、窓辺でキジバトポッポが鳴いている。網戸から気持ちのいい風がやってきて、遊歩道の匂いに心が弾んでいるのかもしれない。
 東日本大震災当時に経済産業相だった海江田万里(かいえだばんじ)議員が国会に呼ばれ、当時を振り返って、ゴチャゴチャと証言しているらしい。「伝言ゲーム」と称されるほど、原発事故当時の官邸や東電の連携体制は不十分であったと想像される。下村内閣審議官によれば、当時の技師たちがパニックになり、ケータイの使い方も忘れて呆然としていたとの証言もある。その底辺にあったものは原発安全神話だ。東電や原子力保安院に不足していたものは危機意識の悲劇的な欠如である。当時の班目春樹(まだらめはるき)原子力安全委員長は菅直人首相に、原発の爆発はないと断言していた。ところが原子炉は爆発した。これはボクの想像だが、原子力安全の最高権威とされる人物は、水素爆発について無知であったのかもしれない。原子力村の村民たちを選んでいたのは、そもそも誰であったのか。推進派だけで正しい判断ができるわけがないのである。これからの第三者委員会の人選が公平で客観的であることを心から祈りたい。まあ、かなわない願いであるとは思うのだが。
 大相撲、稀勢の里(きせのさと)がモタモタしている。さっさと有償を決めて、大相撲人気を奪回してほしい。相撲協会は大きな問題を抱えている。そのためにも、とにかく人気回復に全力投球をしていただきたい。でも、野球じゃないからね。
 コボちゃんとアルルの帰りを待ちながらキーボードを叩いている。すると、遅いご帰宅。豪徳寺までいってきたとのこと。やっぱり、好吃(はおつ)の中華オードブルを買ってきてくれたのである。うまい肴で老酒をやりたいと想っていたタイミング。さっさとパソコンを終了させ、プログラムの新しくなった落語チャンネルをBGMにグラスを傾けた。
▲ 青い風遠く山鳩鳴いている

0518・金・
 5時より活動開始。明日のトークショウに備えて、資料を読む。念のため、小話のリハーサルもする。やはり、少しは笑っていただかないと。
 未明に日本のH2Aロケットが韓国の人工衛星を起動に打ち上げることに成功をしていた。日本のロケットビジネスも、これで軌道に乗ればよい。ボクら宇宙少年にとって、当時はペンシルロケットやラムダ、カッパーロケットがせいぜいで、液体燃料ロケットなど、夢のまた夢であったのだ。その日本のロケット技術がここまで進歩したことを誇りに想う。今後は有人宇宙旅行を視野に入れたロケット開発を行うと聞いている。軍事ではなく、その平和利用に、日本が大いに貢献することを祈る。
 どな・サマーの訃報が届く。70年代後半、買ったばかりのビディオデッキで最初に録画したMTVが彼女のものだった。その姿が今も網膜に焼き付いている。アルバムも何枚か購入。音楽も耳に残っている。63歳とは、ボクと同じ年齢。その早過ぎる旅立ちに合掌、ご冥福を祈る。
 パソコンに向かっていたら、いきなりの落雷。ラジオをつけると雑音の嵐。おそらく、窓の外は積乱雲で真っ暗になっているに違いない。予報が的中したのだ。すぐにパソコンの電源を落とし、プラグを抜く。アルルが飛んできてボクの足元にまとわりつくので、ベッドに上がり、抱いてやる。キッチンでは湯沸かし器の排気口のカバーが金属音を発しているので、もしかしたら雹(ひょう)が落ちているのかもしれない。うん。チータでないことは間違いない。いや、ライオンやゾウが落ちてきたらきたで、それは面白いことなのだが、アルルがこわがることだけは変わらない。
 大相撲を聴いていたら、足元が揺れている。17時19分、東京で震度3の地震。震源は茨城県南部、深さ50キロ。マグニチュードは4.8と発表された。かなり揺れた印象があったが、夏場所の国技館、観客に動揺はなかった。おそらく、次々に負けていく大関たちに対する動揺の方が大きかったに違いない。
 透析中、フォルスクラブ、- Reading for Your Heart -を聴く。今夜はやなせたかし絵と文『やさしいライオン』である。忘れられない絵本である。おそらく、ボクが20歳か21歳のイラストレーターとして走り出したばかりの頃、やなせ先生の名刺を胸に、ヘラルド映画の試写室にいき、その当時は無名だったが、後にテレビの映画紹介番組で有名になるヘラルドの映画スタッフに、この『やさしいライオン』の劇場用アニメーションを映写していただいたことがあった。広い試写室にはボクひとり。喫煙も自由である。でも、ボクは喫煙も忘れて泣いていた。絵本で泣き、映画で泣き、そして今夜は秀島アナウンサーの朗読で泣かされた。秀島アナウンサーも泣かされたといっていた。ボクはやなせたかしにインスパイアーされ、この道を歩いてきた。驚いたのは、やさしいライオンの名前がブルブルであったこと。『ひみつのブルブル』の主人公のデブネコもブルブル。やさしいライオンがブルブルだったことなんか、まるで覚えていないのに、やはり影響されているのだ。もっと驚いたのが、警官隊のライフルでブルブルの撃たれる場面。その状況はボクの『ナクーラ伝説の森』で、ナクーラが兵隊の矢で打たれるシーンとそっくりなのである。つまり、ボクのアイディアソースはやなせたかしにいただいた種が発酵してできたもの、といっても過言ではなかった。今週は、なんだかやなせたかしウィークみたいになっている。ボクら「詩とメルヘン」ファミリーは、やなせたかしという偉大なる師匠、先輩、もしくはゴッドファーザーを仰いで幸せである。
 明日に備えて今夜は早寝をする。夜食も酒もなし。ひたすら眠るのである。
▲ 揺れている地震落雷大相撲

0519・土・
 6時に出発、東名高速を浜名湖へまっしぐら。途中、静岡放送でラジオの生放送。エム ナマエのエムナマ放送。だから張り切って、まっしぐら。なのに、車体後部から奇妙な音。防音壁に反射している。やがてゴロゴロと激しい音。コボちゃんが緊張した声を発した。
「パンクだわ!」
 クオリスを路肩に寄せ、コボちゃんが慎重にクルマから降りていく。右側を猛烈な勢いでクルマの群れが通貨する。コボちゃんは発煙筒に着火。三角標も立てている。そうしておいてからJAFに連絡。電話の段階で的確なアドバイスをもらう。
「さすが。こういうときのためのJAFね。助けられたのはこれで3度目だわ」
 40分かかるといわれていたが、パトロール隊のクルマが到着してすぐ、JAFもやってきた。その仕事の迅速なこと、丁寧なこと。書類にサインをすると、クオリスを発車。クルマの流れに合流した。
 けれども、スペアタイヤは不安。ひとまわり、タイヤも小さいのだ。出してもせいぜいスピードは80キロから100キロ。せっかく新東名を走るのに、勿体無いことである。
 のろのろ運転に加えて事故渋滞にまきこまれる。SBSの菊池プロデューサーに電話。
「すいません。生放送に間に合いません」
 そこで、サービスエリアから電話出演ということになる。静かな駐車スペースにパーキングすると、燕の鳴く声。周囲の騒音チェックが終わった頃、ケータイに電話がかかってきた。
 10時20分、SBSラジオ、生放送に出演は20分間。「山田辰美の土曜はごきげん」。インタビュアーのケンケンさんはSBSの若手アナウンサー。情熱家だから、既に展覧会を取材、ボクの原画をご覧になっているし、画集も買ってくださった。楽しくしゃべっているうちに、あっという間の20分間。やっぱりラジオが好き。聴くのもいいけど、出るのはもっと好き。
 新東名の某サービスエリア、誰が考えたのか、デザインが悪い。道路にしても、建物にしても、デザイナーの我侭が優先して、使う側が迷惑している。特徴を出したい気持ちはわからないではないが、お客が迷惑しては仕方がない。ことに、道路のデザインは、人の命がかかっているので始末が悪い。駄目だよ、頭で考えちゃ。もっと身体感覚と経験を生かさなくっちゃ。そして、許せないのが食べ物のまずさ。ラーメンもハンバーガーも値段は標準以上、味は標準以下。くだらないデザインに金をかけて家賃が高騰。それが値段に跳ね返る。ああ、やだ、やだ。
 浜名湖の湖畔を走っているとコボちゃんが
「きゃあ、鰻が空を泳いでる!」
 浜名湖のほとりを鰻のぼりが舞っている。周囲のお店は「鰻」の文字で埋め尽くされていた。眼科医の石井先生によれば、最近の浜名湖には怪物が出没するとか。湖の巨大鰻かもしれないし、浜名湖のハマッシーかもしれない。いずれにせよ、どんな怪物でも、売り物の鰻を食べていれば巨大化するに違いない。
 カフェギャラリーに到着すると、アルルのパピーウォーカーの田村英子さんが出迎えてくださった。けれども、アルルはポカン。お母さんがわからないのだ。犬の記憶は4年間が限界線。その間に会っておかないと忘れられてしまうと聞いたが、それは本当のことだったのだ。田村英子さんは見事なパピーウォーカー。それはアルルの性格にも反映している。アルルは絵本になったり、童話の主人公になったり。以前から一度、ぜひお目にかかって、お礼を伝えたかったのである。
 田村英子さんはパピーウォーカーだけでなく、盲導犬の繁殖もサポートされている。これまで何度となく盲導犬のお産に立ち会っているのだ。しばし、ワンちゃん談義。犬好きにはたまらない会話が続いた。ことに、子犬の口の匂いがたまらなく好き、という点で意見の一致したのには嬉しかった。
 展覧会場に入ると、視覚障害のお母さんに声をかけられる。彼女はイラストレーターのまみーこさんがお連れになった。そのお母さんによると、浜松でボクの原画展を見たことがあるとおっしゃるのだ。えっ。そうだ。思い出した。1993年と2001年、浜松駅ビルで原画展を開いたことがあったのだ。けれども、ボクは駅ビルを一歩も出ず、あそこが浜松であることをすっかり忘れていたのだ。
 トークショウが始まった。ライオンズクラブのお歴々。フィリピンからもお客様がお見えになってる。ちょっと緊張。そうでもないか。あはは。
 静岡放送の美人アナウンサー、鈴木通代(すずきみちよ)さんが、ご主人と来場してくださった。アナウンサーのご夫婦である。菊池プロデューサーも新妻とご来場。以前、エム ナマエも参加して制作して評判のよかった番組の紹介をしてくださった。
 ミニコンサートはうまくいった。それは、PAを担当してくださった佐々木幸弥さんの音響技術のおかげ。小さな会場に、最適の音量とバランス。でも、佐々木さんが最高のテクニックを駆使したのには立派な理由がある。それは、奥様の筝曲演奏家、大橋雅美穂さんのために最高のセッティングをしたからである。エム ナマエのヘタッピーな歌が終わって、いよいよ大橋雅美穂さんの演奏が始まる。20弦の筝から発せられる極楽浄土の音色が、ご主人の手によるPAで増幅され、天井から音のシャワーとなって落ちてくる。しばし、ボクはその絶妙な演奏テクニックと音色の美しさに我を忘れていた。
 トークショウも無事終了。サプライズ企画というのは、眼科医の石井るみ子先生がお相手だったこと。これからも、お医者さんとのコラボに積極的に参加していきたいと願っている。医者と患者の漫才でもかまわない。こうした場で、医師と患者がフラットな立場で意見交換することにボクは価値を感じている。小話で爆笑をとったし、今日はとってもいい気分。会を企画してくださった浜松の眼科医、石井るみ子先生に感謝。
 タイヤのパンクがあったせいで、帰りもスペアタイヤののろのろ走行。とはいえ、新東名は快適だった。いちいちのサービスエリアをチェック。あちらこちらをのぞいて歩いた。ドッグランにドッグカフェ。最近は愛犬を連れたドライブでも困ることはない。それでもコボちゃんはスペアタイヤのドライブで疲労困憊。クオリスの座席で熟睡してる。ボクはそっとドアを開いて外に出た。すると、夜のサービスエリアにジャスミンの香りが漂っていた。
▲ 浜名湖の空に泳ぐは鰻かな

0520・日・
 あんまりゆっくりしてたから、鮎沢サービスエリアでは、すっかり朝になっていた。クオリスをパーキングさせた途端、コボちゃんが叫んだ。
「あっ。シロクマがいる!」
 それは真っ白なグレートピレネー。体重は50キロ。ボクとほとんど変わらない重さである。これから、グレートピレネーの愛好者の集まりがあるらしい。飼い主さんと楽しく会話しているうちに、ボクは図々しくもシロクマたちの隣に椅子を運んできて座りこみ、シロクマたちが自分の犬であるかのように触りまくる。写真の掲載も許していただいた。写真は左から、なみちゃん、北斗くん、グレイスちゃん。

* グレートピレネーは大型犬の代表選手。シロクマみたいと、コボちゃん。
左から、なみちゃん、北斗くん、グレイスちゃん。
 犬に始まり、犬に終わる。ボクらのドライブは、いつでもどこでも犬まみれ。ああ、愉快だった。
 鮎沢サービスエリアには燕の巣がいっぱい。不思議なことに、サービスエリアには燕の天敵、カラスがいないのだ。それはゴミの始末がいいから。つまり、カラスが悪いのではなく、ゴミの始末のできない住民のせいで街にカラスが満ちるのである。
 東名高速をおりてイエローハットにクルマを入れる。結局、タイヤはすべて交換となる。その間、ボクはお店に断って、アルルと待合室で待機。ここでもアルルのインチキ盲導犬力の発揮である。小さな子どもが、
「こわいこわい」
といいながら、アルルに
「バイバイ」
と挨拶していった。
 アルルのために振動の少ないタイヤを選んだ。これからはどんなに長距離ドライブでも、アルルの快適さは保障されたのである
 大相撲夏場所は平幕の旭天鵬(ひょくてんほう)の優勝で終わる。最初に日本にやってきたモンゴル力士の優勝には感動すべきものがある。それにしても、盛り上がらなかった夏場所。強くない大関が6人いても仕方がないのだ。
 帰宅して安堵する。高速道路でパンクして無事だったのは、クオリスが3ナンバーのステーションワゴンだったから。ボクはそう考えている。やはりクルマは小さいより、大きい方が安全な気がする。もちろん、大きいクルマを選ぶのは、アルルのためである。
▲ 燕飛び君は烏になればいい






FC2 Blog Ranking