全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2012年1月16日~22日
☆ この日記は、透析患者が病人ではなく、機械が腎臓の仕事をしてくれる以外は、一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、漢字や熟語、固有名詞には振り仮名がしてありますが、漢字の難易度とは関係がありません。これらの振り仮名は視覚障害者のための音声モニターを容易にするためのガイドです。

0116・月・
 早寝効果で3時より活動開始。執筆に集中する。あまり器用ではないので、エンジンを温めるのに時間がかかる。けれども、温まれば、それは持続する。今の原稿についてはシフトチェンジがうまくいったので、しばらくは早朝の執筆がはかどりそうだ。
 今週は「お話出てこい」も「お話の旅」も再放送。けれども、我輩は猫である』の続きが楽しみ。優れた朗読家は作品理解を容易にしてくれる。
 デブネコのミミが月刊「ラジオ深夜便」のI記者を大歓迎。I記者、イラストレーションの出来よりも、ミミが気になって仕方のない様子。ミミに人気が集中しているので、アルルは面白くない。マッサージチェアで丸くなったまま、呼んでも動く気配もない。
 火星軌道投入に失敗したロシア火星探査機、フォボス・グルントが地球に落下してくる。大半は大気圏で燃え尽きるのだが、200キロに相当する燃え残りが落ちてくる。その時間と範囲がなかなか特定できない。日本にも落下する可能性があるので、ちょっとスリリングだったが、こっちの知らないうちにどこかの海に落ちていたらしい。隕石にしろ、人工衛星にせよ、それにぶつかって死んだ人のいないことは奇跡的。宝くじに当たっている人は、いくらでもいるというのに。
 いつもの透析はラジオを楽しみながら。大笑いなのが除染対策。除染ビジネスはゼネコンが独占するらしい。こういう結果になるのは、きっと、どこかにカラクリがあるのだろう。絶対安全を保証していた原子力村とゼネコンに対放射能スキルがあったとも思えないが、除染対策の膨大な予算が、またまた原子力村の住民たちの間で回されるのだ。原子力で儲かる向きは嬉しいのだろうが、放射能で避難しなければならない住民はたまらない。
 ミドリムシが話題になっている。正式にはユーグレナ。この地球では人類よりはるかに先輩。ミドリムシとあるが、虫ではない。植物と動物の双方の特性を有する微生物。将来有望な栄養食品である。ミドリムシクッキーには既に人気が集中しているらしいのだ。
 帰宅して時間を潰し、やっと藤沢修平の『海鳴り』の続きを聴くことができた。それまでの時間、「ラジオ深夜便」のナイトエッセイを楽しんだ。今週のテーマは「てずま」。手品のことであるが、大袈裟な道具を使わず、手さばきだけで見せる技である。江戸時代には大変に流行したらしいが、昔も今も、海外で人気があるらしい。芸人さんが語るので、話がうまく、今週が楽しみである。
▲ かじかんで縮んで遠き春よこい

0117・火・阪神淡路大震災から17年・
 5時半に起きてNHKラジオをつけると、神戸から追悼式の生中継をやっている。17年前のあの朝を思い出す。やはり早起きで、大震災の第一報を耳にしたのだが、未明のことで、詳しい情報が入ってこず、不安な時間を過ごしたものだった。
 TBSラジオに回すと、「おはよう一直線」のハッピー占いは最高レベル。何かいいこと、あるかもしれないと無駄な期待をしてしまう。
 キジバトポッポが解放され、窓辺の新聞紙の運動場で遊んでいる。乾いた新聞紙がリズミカルに鳴って、心地よい。
 NHKラジオアーカイブスは有吉佐和子さん。『恍惚の人』や『複合汚染』で知られる大作家だが、53歳とは早死にで惜しい。一日に2時間しか執筆できなかったというほど、原稿用紙の上で命を磨り減らしていたのだろう。田中康夫さんもおっしゃっていたが、知事の仕事より、原稿執筆の方がはるかに消耗するそうである。そういう自分も、お金をいただく原稿となれば、やはり緊張の度合いが違うのだ。
 遭難した豪華客船の乗客たち、次々に日本へ帰ってくる。そのインタビューを聞いて驚く。
「救命ボートに乗っていた半分以上が客船のクルーなんですよ」
 船長も船長なら、乗組員も乗組員。乗客の命より自分の命の方が大切なのだ。ううん、こういう国民性だからユーロが危うくなるのだろう。どうしても、そんな風に思えてしまう。
 今年もセンター試験が話題になっている。この試験、この時期でないとダメなのだろうか。ボクにも経験があるが、雪道を試験会場へ向かうのはつらい。風邪でもひいたら、不利なこと、この上もない。センター試験を遂行する側に緊張感や責任感が感じられない。大学当局も、毎年のように変わる試験方法に戸惑っているに違いない。フランスのバカロレアみたいな、もっと洗練されたシステムにするか、もしくは入試は各大学の裁量に委ねた方がいいような気がしてならない。
 建物入り口までビックリバンの藤澤監督が迎えにきてくださった。経堂の事務所で、これから牡蠣鍋パーティーがあるのだ。馬場民子さんの料理であるから楽しみ。驚いたのが源氏物語の山下智子さん。あのごつい牡蠣を器用にむいて、次々に生牡蠣を食べさせてくれた。映画『いのちの林檎』のタイトル文字を書いたボク。パンフレットをデザインしたマモさん。この5人で深夜まで愉快におしゃべり。ボクは立川談志師匠の真似で、パーティージョークを連発。みんなを笑わせるのではなく、笑われる。こころみ学園のタナノートンの赤ワインと馬場民子さん手作りのパエヤが秀逸で、ああ、おいしかった。
 帰宅したら日付が変わっていた。酔っ払って熟睡。でも、無意識でもきちんと着替えていたのには、自分で自分を褒めてあげたい。
▲ 生牡蠣やレモンとワイン新年会

0118・水・
 「おはよう一直線」のハッピー占いのラッキーレベルは最低。でも、生島アナウンサーは愉快。今朝も手元の原稿を明るく無責任に紹介する。
 遭難したイタリア豪華客船の脱走船長と沿岸警備隊の交信記録が公開された。両者ともイタリア人であるから、会話の内容からすれば、まともなイタリア人もいる、という証明にはなるだろう。それにしても、なんたる腰抜け船長。夢の豪華客船の旅ではあるが、今後の乗客の減少は免れないであろう。
 記録的な乾燥注意報の連続である。インフルエンザも流行している。ワクチン接種は済ませてあるとはいえ、手洗いとうがい、洗顔だけは忘れてはならない。
 福島あたりで、またまた地面が揺れている。あそこの原発、本当に大丈夫なのだろうか。内視鏡でのぞいている場合ではないような気がする。それにしても、東電社長の会見には驚いた。謝罪するところを開き直ってどうするのか。最悪の事態を想定しなかった責任は甚大ですぞ。
 日本の捕鯨活動を阻止し、逮捕された反捕鯨活動家たちにオーストラリア国内にも批判の声が高まっているとのニュースが届いた。以下はマキコ特派員からの配信記事の転載である。
 オーストラリア沖で調査捕鯨船団の監視船・第2昭南丸に乗り込んで拘束され、豪州側に引き渡された同国人活動家3人が16日、帰国した。3人のうち1人は別件で地元警察当局により拘束されたが、2人は帰宅を許された。 今回、3人の身柄を引き取るために要した燃料などの移送費用は数十万豪ドル(数千万円)。豪国内では活動家への批判の声が強く、移送費用を活動家本人に支払わせるべきだとの自己責任論がわき上がっている。 豪AAP通信などによると、今月8日、第2昭南丸に乗り込んだ豪州の環境団体「フォレスト・レスキュー」の活動家3人は16日、豪税関船で同国南西部アルバニーに到着。うち1人の男性活動家(44)は過去の違法行為による罰金が未払いだったため、帰港直後に拘束されたという。 「フォレスト」関係者は電話取材に対し「過去の団体の活動をめぐる罰金が未払いだったため逮捕された。罰金を支払えば釈放されると言われた」と話した。 ただ、今回の乗り込み行為をめぐっては、ギラード豪首相が「無責任だ」と指摘。調査捕鯨を批判する有力紙シドニー・モーニング・ヘラルドも、税金でまかなわれた移送費用について「彼らに結果責任を負わせるべきだ」と主張している。インターネット上でも「豪州のイメージを汚した」との声が寄せられているほか、乗り込みを支援した米反捕鯨団体、シー・シェパードにも責任を負わせるべきだとの批判が出ている。(佐々木正明)
 河馬は鯨偶蹄目(くじらぐうていもく)に属する。つまり、鯨と河馬は親戚なのである。鯨類を神聖化する白人たちはこの事実を知っているのだろうか。盲目的な反捕鯨活動にボクは批判的である。イルカやシャチ、ザトウクジラを魅力的な生き物であると認める。けれども、食材としての鯨をボクは高く評価もする。そもそも、欧米における捕鯨の歴史を、反捕鯨家たちは勉強したことがあるのだろうか。欧米の機械油を採取するだけで残りは打ち捨てる商業捕鯨と、日本の文化としての捕鯨を比較研究したことがあるのだろうか。ここは宗教観の違いもあるだろうが、反捕鯨の白人の脳味噌を、ボクは薄っぺらと笑ってあげたい。
 透析中の食事は右手一本でする。左の腕には透析のための注射針が2本、挿入されているからだ。もう26年も右手一本の食事をしてきているが、今夜は困った。チーズで固まったグラタンがフォークに刺さったまんま、どうにも抜けないのである。それを目撃したヘルパーの女性、Kさんがすぐに助け舟を出してくれた。盲目で片手。その状況で食事をする患者もいる。もう少し、料理の内容を考えていただけるとありがたい。
▲ ラジオでは東京砂漠流す朝

◇ バーチャル四国八十八カ所コース

 21番、太龍寺を夢想参拝、通過しました。 次は22番、平等寺。
 あと34,785歩です。 現在の歩数326,815歩。 1周目挑戦中!

0119・木・
 5時より活動開始。「おはよう一直線」のハッピー占いのラッキーレベルはスタンダード。これを確かめると一日が始まる。
 ラジオがついて、パソコンが立ち上がると条件反射のように、アルルが起きてきて、すぐにボクのベッドに跳び上がり、丸くなる。
 目覚めたらエンジン全開。すぐに執筆に集中できるようになった。先日のNHKラジオアーカイブスの有吉佐和子や、寺村輝夫先生がいつもおっしゃっていたように、原稿執筆に集中できるのは朝の2時間だけ。ボクの場合も同じで、原稿となると、同じパソコンに文字を打ち込むのでも磨り減る神経が違うので、2時間過ぎると、身も心もヘタヘタになる。
 マキコ特派員から驚くべき情報が配信されてきた。犬猫ホスピス。このような施設がたくさんできており、動物愛護団体が抗議をしているとのこと。当然であると思う。以下はそのホスピスの広告文句。犬猫を愛する人たちは、これを読んでどう受け取るのであろう。世の中には恐ろしいビジネスが存在する。
【あなたの大切な愛犬をお預かりいたします】
 老犬ホーム・老猫ホーム○▽□は、自然豊かな環境と広々とした犬舎・猫舎・ドッグランを備えた犬や猫たちが安心して暮らせる、ケアホームです。病人の介護や転勤・海外出張、住宅事情の変化などにより愛犬、愛猫と離れて暮らさなければならない場合の生涯お預かり・長期お預かりいたします。
 拝金主義の世の中、万事お金で解決できると思っていたら、とんでもない。悪魔のような連中が牙を研いで新しいビジネスを考える。リテラシーが必要なのは報道だけではないのだ。
 イーストマン・コダックが破産した。コダックファンのボクは寂しくて仕方がない。エム ナマエの作品ストックもすべてコダックのポジフィルムである。その昔、コダックフィルムの美しさに感動したことが懐かしくてたまらない。
 イタリアでは、脱走した船長に警告を与えた沿岸警備隊の隊長に人気が集中しているとか。こうなると、脱走船長の名前、スケッティーノも間が抜けて聞こえるから不思議である。さて、世界的な豪華客船ブームにも問題はあるらしい。あのタイタニック号が2千人、今回の豪華客船コスタ・コンコルディア号が4千人、中には6千人を収容する大型客船まであるというから、近年の豪華客船の大型化はすさまじい。故に安全対策も強化され、船体の強度や操船テクノロジーも格段に向上しているに違いない。けれども、技術が革新されればされるほど、技術過信となり、ヒューマンエラーの発生する可能性が大きくなる。10万トン級の豪華客船が年間10隻も建造されるとなると、乗組員教育も間に合わない。素人ばかりが乗った豪華客船は恐ろしい。
 朝から執筆に集中し、それに疲れると、気分転換に17文字原稿をまとめる。絵夢助人さんに送信したのは夕方になってから。
 「デイキャッチ」のコメンテイター、山田ゴローさんの発言にはいつも注目している。本日も面白いことをいっていた。ステルスコマーシャルである。最近話題のタベログのやらせは今に始まったことではないらしいのだ。昭和64年、天皇陛下崩御の際の自粛ムードと、その後のバブル崩壊で広告業界の苦戦が始まった。そうなれば、広告奪取合戦である。そこで現れたのがステルスコマーシャル。雑誌の中のサブリミナル効果とでもいおうか。記事の形をした広告、つまりやらせ記事である。そこで雑誌媒体は信頼を失い、コマーシャルでないところのネット関係に人々は情報を求めるようになった。けれどもやらせサイトが問題になった昨今、今こそ雑誌媒体の信頼復活の好機ではないのかと山田ゴロー氏は力説するのである。
 大相撲で大関がふたりも飛んだ。把瑠都(ばると)に稀勢の里(きせのさと)。全勝対2敗の勝負だったが、楽しみにしていただけに把瑠都(ばると)の変化は期待外れだった。結びの一番は横綱白鵬(はくほう)に大関日馬富士(はるまふじ)。今度は大関が飛んだ。ふたつの取り組みに要した時間がたったの2秒だったと聞いてあきれる。金を支払っての観客であるから、変化相撲に対する失望は当然であり、これでは大相撲人気の復活は期待できない。
 雪が降るかもしれないという。けれども、コボちゃんの帰宅が遅い。心配していたら、ちらほら何かが降っているといいながら、コボちゃんが転びもせずに帰ってきたので安心した。いよいよ、初雪となるらしい。
 今夜も早寝。遅い時間に電話が鳴っていたが、そのまま眠り続けている。夜中にふと目覚めると、ミミの声がする。どうやら、ボクの熟睡している間にキジバトポッポとのバトンタッチがあったらしい。
▲ 初雪や滑って転ぶ雪だるま

0120・金・
 早寝のおかげで3時から活動開始。夏でもないのに、この時間の原稿執筆に集中できるのは幸せ。これからも、なんとか寒さに打ち勝ちたい。
 いつもの時刻にラジオをつける。「おはよう一直線」のハッピー占い、運勢は最低レベル。けれども、気分は充実。原稿の先が見えてきたのだ。
 コボちゃんが起きてきて、第一声が
「雪が降ってる!」
 ちらりほらりの雪でなく、本格的に降っているらしいのだ。困った。本日は信濃町の慶応病院にいく予定なのだが、雪道での転倒だけは避けなくてはならない。
 NHKラジオ第二「お話の旅」はエコーとナルシス。ギリシャ神話を若山玄蔵が語っているのだが、ミスキャストのような気がしたのは脚本のつまらなさの影響かもしれない。効果音もチープだったような気がする。日本のどこか、霞のかかった里山の風景が見えてきてしまう。ギリシャの空気が再現されていないのだ。そんなことを考えて聴いているうちに、コボちゃんが受診の予約を変更してくれていた。
 大相撲、初場所は意外な展開。把瑠都(ばると)が全勝を維持して、白鵬(はくほう)が負け、千秋楽を前にして大関の把瑠都(ばると)の優勝が決まってしまったのだ。新大関の稀勢の里(きせのさと)の頑張りもあるので、今場所はまだまだ面白い。
 志木高の友人夫婦と今年最初の顔合わせ。昨年暮れに愛犬を失って、その寂しさが伝わってくる。愛犬を失うつらさは肉親の死に匹敵する。
 駐車場のクオリスに雪が積もっていた。コボちゃんがそれを手袋をした手で払い落とす。それにしても中途半端な積雪。もっと積もればアルルも雪遊びができたのである。
 いつもの透析。金曜の夜は東京FMがいい。18時からのピーター・バラカン。20時からの柳家喬太郎。このふたりの番組がいい。
 ピーター・バラカンの番組では昨年、上杉隆が勇気ある宣言をしていたが、今夜のゲストは吉田照美。「やるまん」の、あの吉田照美である。吉田照美さんと小俣雅子さんには本当にお世話になったが、あの当時、ボクが何度も「やるまん」に出演させてもらっていた頃の吉田照美さんはおチャラケたイメージで、シモネタの人、シモニタのネギではありません、であったのだが、今夜の彼は違う。まともなことを語っているのだ。聞けば、3.11をきっかけに、彼の内側で何かがシフトしたらしい。アーサー・ビナードや上杉隆氏ともつながっているらしく、ことに、今夜の彼が紹介していた詩人のアーサー・ビナード氏の言葉、テレビは民を安心させ、そこに定住させる、は真実を切り取っていると思った。我が家でも以前からテレビとは縁が遠かったが、チデジ化を垣根に、完全にテレビとは無縁になっているが、不便を感じたことは一度もない。大切な時間をテレビなんかに吸い取られてたまるものか。
 たまに聴くだけだった柳家喬太郎(やなぎやきょうたろう)のきんきら金曜日」、最近になって必ず聴くようにしている。喬太郎(きょうたろう)は落語だけでなく、インタビュアとしても傾聴すべきものがある。今夜のゲストは廃屋写真家。この人物も不思議に魅力的。喬太郎(きょうたろう)の巧みな問いかけや返答が廃屋写真家の口を滑らかにする。彼は幼児の頃から捨てられた物たちの写真を撮っている。それは彼が生まれた新宿に、廃線になった都電の線路があったせいだろう。ゴールデン街を横切るように延びていた廃線を、ボクもよく覚えている。忘れられない魅惑の風景であった。傷つくことを恐れ、孤独を恐れた幼年時代の廃屋写真家が打ち捨てられた物たちに魅かれるのは、忘れられた建物が、錆付いた線路が、誰も通る者のないトンネルや鉄橋が、打ち捨てられた機関車が、忘れ去られる恐怖を超越し、孤独を克服し、朽ちていく寂しさに耐えている姿であるという。
「アンチ・アンチエイジング」
 廃屋写真家はこれを提唱する。諸行無常。すべては移り変わるのだ。
 ボクも古い建築物や鉄道、廃墟に興味があり、若い頃は古い発電所や原爆ドームのような絵を描いたり、滅び行く蒸気機関車を夢中で追いかけていた時代があった。廃屋写真家の勧める廃道のポイントが、ボクの生まれた場所や暮らしていた場所のすぐ近所にあって、見たこともないくせに、それが具体的な映像となって浮かび上がってくるのには驚いた。ラジオはいい。いくらでも好きなようにイメージを膨らませることができるのだ。もしも目が見えたなら、この写真家の本、すぐに購入することだろう。
 今夜も早寝に徹する。このリズム、大切にしたい。
▲ 白い物降れば予報士出突っ張り

0121・土・大寒・
 5時より活動開始。予定の時刻まで執筆に集中する。頭脳が原稿執筆モードに入っているので、キーボードに指がかかれば、たちまち集中できるようになっている。
 ただし、NHKラジオ「当世キーワード」だけはチェックする。今朝、引っ掛かった言葉は「コンカツ女」。別名、「カスタネット娘」。高いカカトのサンダルで、コンクリートの道路や階段をコンコンカツカツ鳴らして歩く迷惑ギャルのことである。あれはやかましい。ボクなんか、耳がこだまして、メクラになってしまう。
 音声腕時計のアラームで頭を切り替え、パソコンから離脱する。8時からはNHKで「ラジオ文芸館」。ただし、今朝は再放送。記憶にある作品だったので、朝食をしながらのんびりと聞き流す。
 コボちゃんは大寒の日の冷たい雨の中を千葉まで出かけていく。仲良し5人組とランチの約束なのだ。
 久米宏の番組に「希望学」の研究者が登場するとあって、パソコンから離れ、傾聴する。東大の研究グループであるらしいのだが、絶望しなければ希望も見えない、というボクにとっては至極当然の話をしていた。それにしても久米宏さん、もう少し出演者に語らせてくださいよ。出演者を出しにして、己の勉強熱心をアピールしてどうすんのさ。
 最近は天気が悪く、やたらに寒いので散歩もせずに運動不測。パカパカ行進曲をBGMに筋力運動とストレッチ、室内徒歩で、せめてもの運動をするのである。ただ、サタデイ大人天国で笑いながらだと、筋肉が目覚めず、本当の運動にはならないらしい。ときどきは各部の筋肉に訴えかけ、「今、お前を鍛えてあげているんだよ」と声をかけてやらなければならない。
 どうも寒くていけない。こう寒いと、キーボードを叩く指もかじかんで勤労意欲も萎えてしまう。そういうタイミングで、コボちゃんが震えながら帰宅。外は氷雨が降っていて、尚更寒いのだ。
 ボクのリクエストにより、コボちゃんの買ってきてくれた新潟特産の牛肉弁当を肴に日本酒をやりながら、NHKラジオ「真打競演」を聴く。漫才の春風幸太福太(こうたふくた)は笑わせてくれたが、牧伸二(まきしんじ)の歌はマンネリでつまらない。この人、本当はもっと面白いのに、芸の出し惜しみはやめて。三遊亭歌武蔵(さんゆうていうたむさし)は8日の日曜日、TBSラジオ「爛漫寄席」で聴いたばかり。「真打競演」も「爛漫寄席」も、どちらもラジオには貴重な寄席番組なのだから、双方が歩み寄り、プログラムについて、もっと打ち合わせができないものかと思ってしまう。
 酔っ払ったので、すっかり寝る準備をしてから、22時25分からのラジオ第二「朗読の時間」再放送、『我輩は猫である』を聴く。ベッドで横になっているから、いつか熟睡してしまう。
▲ 大寒やここを過ぎればあと一歩

0122・日・
 3時より起きて原稿執筆に専念。オノマトペ、もしくはてにおはエンジンが温まっているので、たちまち集中できる。こうした時間を体験できることを幸せだと思う。
 6時になればパソコンから離脱して気分転換。文化放送では志の輔(しのすけ)ラジオ「落語でデート」が始まるからだ。今朝のデートのお相手は六代目モーニング娘のリーダー。志の輔(しのすけ)師匠、25歳のギャルの軽さに苦戦している。このギャル、落語よりもボケていて面白い。落語は三代目三遊亭金馬(さんゆうていきんば)師匠の『七の字』。一度も寄席で聴いたことのない根多(ねた)で、ボクの金馬CD全集にも収録されていない珍しい話。モームスの先代リーダー、火鉢がわからず、落語の中身も見えていなかった様子。無理もない。中学生のときから芸能界で活動しているのだ。でも、この明るさがあれば、どんな未来にも対応できるだろう。頑張れ、頑張れといったら、余計なお世話といわれるだろうな、やっぱり。
 6時半よりニッポン放送では藤沢周平傑作選。予告通り、暗い展開である。『木綿触れ』の背景にある封建時代の搾取の構造と人間模様が次第に明らかにされていく。
 NHKラジオ「音楽の泉」をBGMにして前日の日記をつけることにした。今朝はベルリオーズの幻想交響曲。魅惑的なタイトルなのに、どうして心が弾まないような旋律なのだろうと以前から不思議だったが、今朝の皆川先生の解説でわかった。これは主人公の作曲家が遭遇する悲劇的な物語がテーマなのである。
 9時半よりNHKラジオ第二で伝統の番組「上方演芸会」。この番組、原稿執筆に疲れた神経をリラックスさせるには最適の時間帯。気分を解放して笑いで神経をほぐしてやってから、しばらくベッドで横になる。するとアルルもベッドに跳び上がる。その丸くなった背中を抱いて眠るのである。
 日差がないので寒い。おまけに氷雨も降っている。けれども、暖かい部屋にいられる幸せ。それでも指がかじかむので、ポットから熱い湯をカップに注ぎ、それで手を暖めながらキーボードを叩くのである。
 大相撲は千秋楽。新大関稀勢の里(きせのさと)が琴欧洲(ことおうしゅう)を下し、琴奨菊(ことしょうぎく)も日馬富士(はるまふじ)を相手に勝ち越しを決め、横綱白鵬(はくほう)は把瑠都(ばると)の全勝優勝を阻止して横綱の意地を見せた。週末になれば満員御礼、今後の大相撲に期待である。
 この日曜日、ときどきラジオでリラックスしながら、仕事をぼちぼち進めることができてよかった。これで春がきてくれればいうことなし、なのだが。
 氷雨はやんだのだろうか。コボちゃんがアルルを連れて夜の散歩に出かけていった。ここ最近の悪天候である。晴れてくれないと、アルルもつまらない。
 20時よりTBSラジオでは「爛漫寄席」。十代目桂文治(かつらぶんじ)の特集である。この秋に十一代目を襲名する当代文治(ぶんじ)が先代の演じる『親子酒』を解説している。先代桂文治(かつらぶんじ)は、伸二(しんじ)時代によく新宿の世界堂をうろついていた。とてもチャーミングなお師匠で、目が合うと、あの大きな目玉でギロリと見つめられたものだった。おそらく、新宿末広亭の出番までの時間を潰しておられたのだろう。もちろん寄席で何度も拝聴した大好きな落語家だった。
 コボちゃんが特上和牛を使ってキノコたっぷりの肉豆腐を作ってくれた。それを肴にワインを飲みながら有線放送の落語チャンネルを楽しむ。コボちゃん、和牛があんまりに安売りされていて、農家が気の毒でたまらないという。不景気が原因なのか、放射能が影響しているのか、せっかくの牛肉を大切にできる世の中であって欲しいと思う。
 今夜も早寝。今、いちばん楽しいのは未明の執筆なのである。
▲ 今日もまた雨か雪かの天気予報




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