全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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Author:emunamae
いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2011年11月14日~20日
☆ この日記は、透析患者が病人ではなく、機械が腎臓の仕事をしてくれる以外は、一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、漢字や熟語、固有名詞には振り仮名がしてありますが、漢字の難易度とは関係がありません。これらの振り仮名は視覚障害者のための音声モニターを容易にするためのガイドです。

1114・月・
 5時前より活動開始。「おはよう一直線」の運勢占いは星がひとつで最低レベル。そういう一日は心を引き締めて。
 今朝も歌の練習をする。この年齢になって、高校生当時にビートルズのレコードと一緒に歌ったのと小名木キーで歌えることを嬉しいと思う。高らかに歌うことは生きる喜びのひとつである。
 11時、月刊「ラジオ深夜便」のI記者お見えになる。月刊「ラジオ深夜便」2012年1月号ゆめぞうの締め切りである。1月号ということは、つまり2012年度最初のイラストレーションということになる。この連載も8年目。来年のゆめぞうには、俳句の歳時記に合わせてパフォーマンスをさせるつもりであるが、さて、どんなゆめぞうになることか。
 I記者、「ラジオ深夜便」の取材で各地を巡っているが、その武勇伝がいつも面白い。今回は香川県のとある温泉地での聞くも身の毛のよだつ露天風呂の体験談。もうひとつ、おまけの武勇伝はニューヨークの謎のホテル。武勇伝を重ねながら、I記者はボクの知らない間に、いつも世界中を飛び回っている。
 今夜も透析中はラジオに傾聴。FMはJ-Waveの-Jam the World-が興味深い。民主党のTPP反対派の議員が出演して、小泉竹中構造改革の実態を暴露していたが、あれ以来、日本はアメリカのいいなりにされてきた。現在の不景気の原因の一端はここにある。そしてアメリカはTPPで更に日本を食い物にしようとしている。盲目的に構造改革を支持してきた日本人、ここは目覚めて、TPPにより津波のように押し寄せるアメリカ農産物や畜産物、医療や薬品、保険の前に、安全な日本のプロダクトやサービスを優先して選んでいただきたい。日本を守る最後の砦は政府や霞ヶ関ではなく、我々ひとりひとりの民間人なのである。
 日本のスパコン「京」(けい)が世界連覇をした。なんせ、1秒間に1京回(1けいかい)、つまり1兆の1万倍の計算をするというからすごい。これで計算すれば、地球環境のことや気象ばかりではなく、自動車の空洞実験や衝突実験も、すべてバーチャルでスピーディーに行える。このスパコンを駆使して、日本の産業に役立てていただきたい。ただしスパコンの世界の競争は激しく、数年後にはこの数百倍の性能のものが出現すると予測されているらしく、日本もおちおちとしてはいられない。個人的な願いをいえば、こうしたスパコンを兵器開発に使うのではなく、宇宙開闢や物質の究極に迫り、真実を明らかにしていただきたい。
 透析からの帰りは雨の街。クオリスでいくと、コボちゃんの急ブレーキ。この雨でカエルが道路に跳ね出してきたのだ。秋の虫の声も聞こえなくなって、そろそろカエルたちも安眠の場所を探しているのだろうか。コボちゃんはビニール袋の手袋を手に、外に出たら、後方からクルマ。コボちゃんはカエルの保護をあきらめて運転席に戻ってきた。そっと発進、慎重に運転して前方へ。あのカエル、無事に安眠の地へたどり着くことができるだろうか。
 無言館の館長、窪島先生からいただいた秩父の葡萄酒を飲む。ラベルによると、かなりな年代ものである。コルクを抜くといい香り。香りはブルゴーニュのように高いのだが、味は濃厚でボルドーのよう。せっかくの豊かな赤ワインであるから、とっておきのデンマーク産のブルーチーズを開封して、ワインと楽しんだ。
 日付が変わり、「ラジオ深夜便」では藤沢修平の『海鳴り』の朗読に傾聴。今夜で80回。意外な展開が続き、どんなラストにつながっていくのか、ちょっとワクワク。本を準備して一気に読んでしまえば結果は直ちにわかるのだが、それをしてはつまらない。80週間も続く月曜日の夜の楽しみを、壊すのは利口なやり方ではないのだ。
▲ 冬の雨宿を求める蛙あり

◇ バーチャル奥の細道コース 色の浜に到着、通過しました。
 次は大垣。 あと、33,463歩です。 現在の歩数3,766,537歩。 1周目挑戦中!

1115・火・
 今朝は朝寝坊。ゆうべの赤ワインのせいだろうか、よく眠ってしまった。おかげで運勢占いを逃してしまうが、運勢がどうあれ、今日も一日が無事に暮れてくれればそれでいい。
 バーチャル奥の細道も、いよいよ残り3万歩で採集地点に到着する。歩き始めが2010年の3月26日。それから1900キロ、380万歩の旅である。昨年の初夏は日光から会津方面へドライブをして、バーチャルだけではないぞ、と遊んでもみた。けれども、今年の3月11日に、ボクのバーチャルな奥の細道も震災でイメージが激変した。そして今年の秋、また別な気持ちで会津方面を訪れたのであった。あと3万歩ほどで奥の細道を踏破するとは感慨無料で、松雄馬生と同じ距離をバーチャルにでも歩けたことを名誉と思う。毎日、命をいただけること、心よりありがたいと感謝する。
 焙煎工房のコーヒーをじっくりと味わってから、歌の練習。当日のプログラムも送られてきて、気分も高揚、すっかりその気になっている。熊本では夏目漱石の『草枕』の舞台、那古井で、あのお那美さんの宿に案内していただける。お那美さんは作品の中でも実に魅力的な女性だが、実在のお那美さんは歴史に深く関わった大変な人であるらしいことが、熊本の山部さんからの手紙で判明し、ボクはやたらと感動している。
 寺田寅彦の科学随想の朗読が終わると、カルチャーラジオはNHKアーカイブ。今朝は、あの久保田万太郎の自作朗読である。さすが、話芸の世界での重鎮。演出を受けた女優が羨望したという朗読は見事。どの文豪の朗読よりも巧みであった。でも、ボクが感動したのは、その語りではなく、作品の内容。それは三田の山、慶應義塾の思い出であったのだ。我々が謳歌していた自由の気風。その空気に、まだ慣れない若き久保田万太郎は、田町の食堂や寿司屋、天麩羅屋に昼飯を食べにいく中学生たちとは別の、小さなミルクホールで独りぽつんとワッフルを食べている。作者の自作朗読は、その洋菓子への思いを綴った随想であったのだ。浅草の小学校から、慶應義塾の普通部に入学したばかりの久保田万太郎の慶應義塾の気風に対する抵抗感が伝わってきて面白い。けれども、こうした塾への心の軋轢は、たちまちのうちに思慕へと変わっていくから面白い。慶應義塾のかなりのメンバーが、こうした経験や記憶を共有していると考えられる。ボクが慶應義塾のメンバーに許されたのは1964年のこと。今はすっかり変貌してしまった田町周辺ではあるが、この久保田万太郎の随想にあるような風景を、もしかしたら15歳のボクは見てきたのかもしれないと思うと、はるか過去の随想であっても、とても親しいものに感じられるから不思議である。いずれにせよ、この年齢になって今更、永井荷風や久保田万太郎に憧れる自分を無知であったと笑ってやりたい。
 慶應義塾ゆかりの久保田万太郎をこよなく愛している小沢昭一先生は早稲田の出身。今週の「小沢昭一的ココロ」のテーマは「おかめ」。お多福とも称される、昔の日本における美人のことである。本日はこんな川柳を紹介していた。
「おかめ蕎麦ひょっとこ口で吹いて食い」
 おかめもひょっとこも、悪口に使われるのは残念なこと。双方とも、本当は神様であり、尊敬の対象となるべき存在なのである。
 冬になっても、晴れてさえいればパソコンルームに暖房の必要がない。サンルームには豊かに日差しが入ってくる。鳥かごのキジバトポッポが楽々と焼き鳥なれるくらいの太陽である。だから冬のボクは温度調節に忙しくなる。リビングでは、デブネコのミミが羽根布団のクッションに潜りこんで暖かくなっている。
 日本点字図書館岩上(いわがみ)元館長よりご丁寧な電話をいただく。11月10日は日本点字図書館の創立70周年記念日だったので、その当日にエム ナマエの絵を日本点字図書館に寄贈できてよかったとおっしゃる。でも、その当日になったのは、ボクの絵の制作が遅れたせいなのである。まこと、面目ない。
 昨日、締め切りのいくつかを、きっちりと守れた影響で、本日はやたらと眠くて仕方がない。こうしたとき、無理をしてよい結果の出たこともない。そこで素直に横になる。けれども、日本シリーズは気になるので、ちょっとラジオをつけてみる。すると、やっぱり。ドラゴンズ対ホークスの日本シリーズ、ドラゴンズの外人ピッチャーに期待できないなぁと思っていたら、予想通りの展開。ここは無理をして眠気と闘うこともないかと、さっさと布団をかぶってしまう。
 すると、たちまち夢の世界の旅人となる。不思議な形をした建物のベランダで、天才と呼ばれた少女歌手が懐かしい歌を歌っている。ボクはヘリコプターに乗って、その少女の周囲を飛び回って聴いている。愉快な歌を楽しんでいたら、空の彼方から電話のベルが鳴る。電話は大切な有人からだったが、あの夢、ちょっと勿体無かったなぁ。
 深夜になって、ニュースの確認。初雪と聞いて、なんとなく違和感。今年は妙に暖かくて、雪の話題がいかにも唐突に感じられてしまうのだ。不愉快なのがサッカーの結果。北朝鮮の対応、大半の日本人が抵抗を感じたのに違いない。サッカーとタイミングを同じくして、国内では拉致問題の再燃の兆しあり。今朝のラジオでは、「スタンバイ」の金曜日のレギュラー、小沢遼子さんが日本サポーターとして、現地に飛んでいるという情報があるので、そのレポートが楽しみである。北朝鮮、小沢遼子の恐ろしさをまだ知らない。
 空腹で眠れなくなったが、軽い食事をしたら、たちまち眠りの世界へ逆戻り。今日だけは、自分に惰眠を許してやる。
▲ 初雪を日向ぼっこで聞いている

1116・水・
 5時より活動開始。今朝は「おはよう一直線」の運勢占いもチェックできて、リズムはOK。けれども、ビートルズを歌わない。喉を休ませてパソコンデスクに向かう。音声モニターに合わせて、ボクの代わりに鳥篭のキジバトポッポがボウボウと歌っている。
 「お話の旅」は、先週と同じ。森本レオが臭く朗読をしている。この人の『ポラーノの広場』は、あんなにいいのに、宮沢賢治ではなく、グリム童話になると臭くなるのはどうしてだろう。それはボクの偏見に決まっている。あはは。
 「朗読の時間」は寺田寅彦の科学随想。昭和8年の函館の大火を分析する。当時、寺田寅彦が警告していたように、平成の世の中で、家事の科学というものは確立しているのだろうか。寺田寅彦の分析と警告は普遍的なもの。我々は時代を超越して、この優れた随想者のアドバイスに傾聴すべきなのである。
 言葉の絵本アンコールの原稿と構成の修正。やはり出版を急がなくてよかった。今年の初めに仕上がっていた原稿であったが、東日本大震災の衝撃で出版を躊躇し、その後に加筆修正するが、客観的になれば、それも不満足。この時期に、この未完成な原稿と格闘することにボクは喜びを感じている。
 ランチタイムは有線放送の落語チャンネルがBGM。本日から新しいプログラムも始まる。どんな若手が出てくるのか、どんな上方の落語家なのか、半月はじっくりと楽しめる。
 芸人の猫ひろしさんが本当にマラソンでオリンピックに出場することを目指しているらしい。この情報には以前から注目していたが、彼の宣言通り、彼はカンボジアの国籍を取得。インドネシアで開催中の「東南アジア競技大会」で、カンボジア代表選考レースでもある本日のフルマラソンに出場した。結果は5着であったとか。さあ、彼はロンドンオリンピックに出場できるのだろうか。本日のTBSラジオ「デイキャッチ」の川柳では
「小判よりメダル欲しがり走る猫」
などと読まれていたが、この芸人さんの根性は見上げたもの。もともと、芸人という職業は生半可な決意で続けられるものではない。もしかしたら、オリンピック選手になることと同じくらいの情熱が必要なのかもしれないのだ。
 ラブラドールレトリバーを愛するボクとして嬉しかったニュースは、雪の北海道で行方不明になり、一夜を過ごした自動車の車内で、運転手の3歳の孫を、7歳のブラックラブ、ジュニアが暖めて守っていた、という報道。優しくて、しかも大型犬であるラブラドールレトリバーだからこそ、と思うのはボクだけだろうか。このラブラドールがアルルと同じブラックラブであったことも、個人的には喜ばしい。以前、冬の荒野で老女を救ったイヌもあったが、イヌが人を救うことは珍しいことではない。とはいえ、やはり顔がほころんでしまう知らせである。
 寒くなると覚悟していたのに、ちっとも寒くない。季節は確かに冬ではあるが、肉体がちっとも冬を感じていないのだ。
 透析中はラジオに傾聴。ドラゴンズはここというチャンスにタイムリーが出ないで、連敗。ここまでくれば、7戦まで、とことんやってくださいよ。
 TPPは気になることばかり。すべての品目で貿易が自由化され、日本の枠を撤去されれば、狂牛病の肉も、遺伝子組み換えの農産物も、新しい薬品も、津波のように押し寄せてくる。肺癌特効薬のイレッサ裁判の患者側の逆転敗訴も、もしかしたらTPPと関係があるのかもしれないと疑心暗鬼。小泉竹中の構造改革や郵政民営化のときもアメリカの圧力に抵抗できなかった日本。ここでまた、民主党は自民党以上のドジをやらかすのか。グローバリゼーションなんて糞(くそ)くらえ。日本よ、お前を優しく鎖国してやりたい。漢民族やアングロサクソンの魔の手から守ってやりたい。
 フリーマーケットで購入した玩具の付属品がラジウム226であった、というニュース。耳をかすめただけの情報だったので、正確さには欠けているのだが、このラジウム226も、箱の表示には蛍光塗料とあったらしい。こうした夜光塗料の原料としてのラジウム226は、街にガイガーカウンターのあふれている今、次々に発見されるのではないだろうか。ボクのように、夜光塗料系の玩具マニアだった子どもは、いつも放射線を浴びていたことになる
 透析からの帰り道に思い出したこと。秩父のあの、おいしい赤ワインがまだ残っている。そこで吉野家(よしのや)の牛皿(ぎゅうざら)の大盛りをテイクアウトで入手して、帰宅したら、そいつを肴に、大きなワイングラスでぐびりぐびりと飲んでやる。吉野家の牛肉、今のところは日本の法律で守られている。そして、この秩父の赤ワインは、マルゴーとかメドックとかいった、そうした高級なボルドーワインに匹敵する濃厚な葡萄酒なのである。 酔っ払って眠るつもりになっていたら、大切なメールがいくつか。ほろ酔い気分で返信をしてからベッドに潜りこむ。そして、またまたイーハトーボの美しい野原に遊ぶのである。
▲ 猫の背にいく秋を観る掌(たなごころ)

1117・木・
 秩父の濃厚な葡萄酒を楽しんだ余韻で、今朝もまたまた朝寝坊。運勢占いも無視して惰眠をむさぼっていた。けれども、「おはよう一直線」に田中康夫さんが出演しておられる時間だけ、耳だけは起きていてもらう。
 J-Waveの-Tokyo Morning Radio-にアニャンゴという日本女性のケニア民族楽器奏者が出演していた。彼女はケニアのルオー族の長(おさ)に弟子入り(でしいり)し、その民族楽器を学んだというのだが、その楽器に女は触れてならない、という仕来りがあったとか。そこを曲げた彼女の熱意と明るさは、ラジオからも伝わってくる。アニャンゴは午前中に生まれた女の子、というルオー語であるという。世界が尊敬する100人の女性に選ばれたという彼女、ボクも一耳愡れ(ひとみみぼれ)になってしまった。
 10時からのカルチャーラジオは矢野誠一氏による「落語の楽しみ」。今朝は上方落語(かみがたらくご)の四代目桂米團治(かつらよねだんじ)。人間国宝、桂米朝(かつらべいちょう)のお師匠である。ボクはその声を聴くのは初めて。それもそのはず、録音は78回転、SPレコードによるものであった。今年の圓朝祭(えんちょうさい)では当代、つまり五代目桂米團治(かつらよねだんじ)をナマで聴くことができた。これぞ最近までの小米朝(こべいちょう)、桂米朝の息子である。五代目桂文枝(かつらぶんし)はご存知桂三枝(かつらさんし)のお師匠で、やがてその六代目を三枝が継ぐことになっている。上方落語の面白さを矢野誠一氏が巧みにレクチャーしてくれて、ボクにはたまらなく有意義な時間となる。
 ランチを食べたら満腹で眠気。ここは眠る。4時を見当にに寝て、面白い夢を見る。といっても、どうしても仕事場や画材屋、本屋が舞台になってしまう。
 マキコ特派員がまたまたボクの狂喜乱舞する宇宙最新情報を配信してくれた。いよいよ木星四大衛星(よんだいえいせい)のひとつ、ええと薀蓄を傾ければ、これら四つの月を、最初の発見者の名前をとって、ガリレオ衛星と称するのだが、で、もっともっと薀蓄を披露すれば、これらガリレオ衛星は、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストといい、今回の話題は、そのエウロパに巨大な湖の存在する証拠に迫ったという発見である。木星探査船ガリレオはエウロパの表面を覆う氷の下に、大量の海水があって、生命の存在する可能性があると発表したのである。エウロパ生命存在説は長く語られてはいるが、その具体的証拠に迫ったのは大きな成果である。といっても、エウロパ表面の氷の形状によって、海水の存在が濃厚になった、ということで、生命存在はまだまだ予測や期待の範疇を超えてはいない。
 驚愕のニュースは以下の記事。まんまを転載させていただく。中国関連のニュースは上海の河崎真澄記者によるものが多い。
 文芸作品の90%は模倣」、中国当局者が“コピー大国”の実態を追認[中国] 【上海=河崎真澄】「目下(もっか)のところ中国の文芸作品の90%は重複(ちょうふく)か複製か模倣だ」。中国国家版権局の柳斌傑局長による異例の実態追認が波紋を広げている。中国紙、新京報(電子版)などによると、柳局長は12日に開かれた「2011年版権年会」で著作権の保護を訴えた際、「(中国人は)創造力が不足している」と指摘した。 中国が著作権保護で後れをとる“コピー大国”であることを当局者自らが認めた格好だ。さらに、柳局長は「外国の映画に人気が集まるのは中国の作品よりオリジナリティーが高いからだ」と述べ、中国人の創造力育成へ新たな基金を設立する構想を打ち上げた。 これに対し中国のインターネット上では、「手っ取り早くカネを稼ぎたい連中が多すぎる」との意見に加え、「中国人が創造力を失ったのは言論や表現の自由がないからだ」との当局批判も飛び出している。 中国の知的財産権侵害問題では、とりわけ米国がいらだちを見せており、四川省成都で20、21両日に開かれる米中間の合同商業貿易委員会でもこの問題が協議される。「創造力」を求める前に、「90%の模倣」を取り締まる中国当局の姿勢が改めて問われそうだ。
 日本シリーズはドラゴンズの得点能力の絶対的な低さが明暗を明らかにしている。この戦力でドラゴンズをセリーグの覇者とした監督の手腕(しゅわん)は評価されず、この短期決戦の結果だけで評価されてしまう立場は厳しい。勝負は結果がすべてだとはいえ、勝負の世界には時の運がつきまとう。監督はまた、ギャンブラーでもあるのだ。
 野球中継をBGMに室内徒歩をしていたら、今夜はずいぶん歩いてしまった。とうとう奥の細道を踏破したのだ。このケータイ万歩計のサービスを始めたのは2009年4月9日のこと。あれから527万歩を歩いてきたことになる。昨年の3月26日からは1900キロ、380万歩を歩き切ったのだ。この健脚をくださった旭川医大の笹嶋唯博教授に改めて感謝する。
 寒い夜となる。ガスストーブを背中に沖縄焼酎のお湯割りで外側と内側から自分を暖めてやる。
▲ 長距離で紅葉列島駆け抜ける
▲ 初雪の冷たさ残る宅配便

◇ バーチャル奥の細道コース
 大垣に到着。 ついにゴールです!!
 奥の細道の旅にお付き合いくださり、本当にお疲れ様でした。

 現在の歩数3,800,000歩。 奥の細道、1周目終了です。
 次回より、「四国八十八カ所コース」を歩き始めます。
本当はいったことのない場所をバーチャルで歩きます。

1118・金・
 5時より活動開始。「おはよう一直線」の運勢占いは星がふたつでスタンダードレベル。まあ、普通に生きていこう。と思っていたら、放送の中で、永六輔さんがご自宅で転倒、骨折されたというニュース。これは大事件である。
 TBSラジオ「スタンバイ」で北朝鮮にサッカー観戦にいった小沢遼子さんが出演。さぞや毒舌を吐くかと思いきや、とても温厚で好意的なコメントばかり。実は来日した北朝鮮の選手たちに、日本も冷たいあしらいをしたとかで、その仕返しをされただけらしいのだ。仕返しの仕掛けはサッカー場だけで、平壌(ぴょんやん)市内では皆さんとても親切であったとか。小沢遼子さん、また訪問したいとのこと。さすがである。
 午前中は歌の練習。いよいよ日曜日が本番である。こんなボクでも少しは緊張し、少しはマジメになるのである。
 オバマ大統領がオーストラリアを訪問している。アメリカ、アジア太平洋に新戦略を展開するつもりなのだ。軍事拡大をする中国に対して、日本もアメリカと足並みを揃えなくてはならないだろう。民主党、盲目的にTPPに付き合うだけでなく、防衛や沖縄問題に鮮明な方針を示す時期にきている。
 米国で奇跡のワンちゃんの新しい飼い主が話題となっている。これは殺処分から奇跡的に生還したワンちゃんとして有名になったビーグル犬に新しい飼い主を募集したところ、大変な人気となった結果である。と、これだけのニュースであるのだが、ボクを驚かせたのは、米国でも犬の殺処分が行われているという実態である。ペットが売買され、人間の都合が優先される社会では、避けられない悲劇であるのだろうか。ここ世田谷界隈でも保護犬(ほごけん)を飼育する家庭が増えている。ブランド犬も悪くはないが、ボクは殺処分から救われた保護犬(ほごけん)たちに特別な親しみを感じてしまうのだ。もしかしたら、恐怖体験をしたかもしれない彼らに、人間はそれほど悪くないということを、実感で知らせてあげたいと思う。
 ボクは中国が好きである。そもそも、『三国志』に代表される中国の歴史や文化を尊敬する。中国人も好きだし、華僑に有人も少なくない。というのは、中国での旅は素敵だったし、いろいろな外国で、華僑の人たちに、とても親切にしていただいたからだ。もちろん在日の中国人とのコミュニケーションもうまくいっているし彼らのお店も大好きである。ところが、中国から届くニュースは、その中国のイメージを歪めるものが多い気がする。それは、短期間にこの国が著しい変化をとげている、という現実によるものだろう。以下のニュースはマキコ特派員からの配信を、まんまで転載したものである。
 外信コラム】北京春秋・危険の多い料理店・兵馬俑で知られる陝西省西安市の料理店で14日朝、大規模な爆発が起き、9人が死亡、約40人が負傷した。テロの可能性は早々に否定されたが、背景には違う恐ろしさが潜んでいた。 地元警察当局の調べによると、爆発の原因は漏れだした液化ガスに引火したこと。安全センサー装置の設置が義務化されるなど安全対策が進み、事故件数がピーク時の約10分の1まで減少した日本と違い、中国では「液化ガスが関係する事故は、レストランでは珍しくない」という。 専門家が言うには、液化ガスにかかる費用は年間5万元(約60万円)。天然ガスや都市ガスは、その3倍のコストがかかるため、多くの料理店やホテルは液化ガスを選ぶ傾向にある。さらに、販路を拡大するために、使用期限が切れたボンベにガスを充填(じゅうてん)するなどの不法行為が横行し、安全管理が後回しにされているという。 16日には、甘粛省で幼稚園の送迎バスが大型トラックと衝突し、園児ら21人が犠牲になった。定員9人のワゴン車に64人を詰め込んでいたというから度を越している。“人災”の危険があちらこちらに潜んでいる中国。寒さが厳しくなり、火鍋が恋しい季節になったが、テーブルの下の大きなガスボンベを目にすると、おちおち舌鼓も打っていられない。               
 NHKラジオ第二の「朗読の時間」は寺田寅彦の科学随想の最終回。先生は軽井沢で浅間山の噴火を詳細にレポートされている。そして感激したのが、その舞台が星野温泉は、千ケ滝(せんがたき)なのである。そこは軽井沢朗読館の所在地。途端に筆者を身近に感じてしまう自分は、なんと軽薄なことであるか。寺田寅彦随想朗読の最終回にあたって、その朗読をされたありかわひろしさんという人物は、先月急逝されたという。もしかしたら、この朗読が故人最後の仕事であったのかもしれない。ご冥福を祈る。
 毎日、永六輔の「誰かとどこかで」を楽しみに拝聴している。本日は言葉の話題。
「見識のない大学教授と話をした」
という文章に驚くが、本当は
「面識のない大学教授と話をした」
と書きたかったのだ。見識と面識。同じようで同じではないのだ。ボクも偉そうなことはいえない。このサイトだって、危なっかしくて、いつも辞書とニラメッコなのである。
 ところで、骨折をされた永さん、手術中であるらしい。どうか早く完治され、放送の現場に戻ってくださることを心から祈念する。
 本日からアルルはアリーナドッグスクールにしばし入学。明日からは菅平(すがだいら)でワンちゃん合宿である。アルル、迎えにきてくれたアリーナドッグスクールの神田豊茂訓練士の顔を見上げてしきりに抗議。
「なんであたしを放っておいたのよ。あたしはつまんなかったんだから」
と叫んでいる。アルルは兄弟分のアリーナやチャッピーのいるアリーナドッグスクールの方が、ずっと楽しいのだ。ボクを振り返ることなく、さっさと階段をおりていってしまった。まあ、主人としては、寂しい限りである。
 TBSラジオ「デイキャッチ」の金曜日は宮台真司教授がコメンテイター。本日は漫画『マカロニほうれん荘』の話をしておられた。鴨川つばめ(かもがわつばめ)の作品である。これは少年雑誌に連載されてはいたが、かなりエロい漫画で、『こまわり君』にも共通するが、あの頃から漫画世界はボーダーレスになっていた。
 明日が早いので、透析より戻ると、沖縄焼酎のお湯割りを一気飲みして、ベッドに潜りこむ。
▲ 晩秋や奥の畳に日の光

◇ バーチャル四国八十八カ所コースへようこそ
   コース概要 全長:約1,300km。 報奨:88ヶ所。 歩数:約260万歩。

◇ バーチャル四国八十八カ所コース
   2番、極楽寺を通過しました。 次は3番、金泉寺。

   現在の歩数6,687歩。 1周目挑戦中!

1119・土・
 5時より活動開始。旅の支度をしながらNHKラジオの「当世キーワード」をかける。メール夫婦、ミニカード、ピンク男子、オジグツなど、説明しないとわからないキーワードが続々と登場。ピンク男子なんて、恥ずかしくて、とても説明はできない。
 出ようとすると、オバQ線で人身事故。新宿と経堂の間が不通となっている。けれども、運を天に任せて外出。ボクは無類の晴れ男。駅に到着した頃には、きっと電車が動いているさ。
 そういう思いもあったが、万が一のことを考えて経堂ではなくて、下高井戸へ向かう。京王線で新宿へ一直線。車内では、イヤフォンでNHKの「ラジオ文芸館」を聴くが、電波が悪くて物語がよくわからない。これが現代小説なら、多少は想像でカバーできるのだが、山本周五郎の時代小説だから、言葉を逃すと物語も消えてしまう。あきらめてポケットラジオの電源を落とす。
 観光シーズンなのか、モノレールも空港も混雑していた。搭乗手続きのボディーチェックが面倒臭いので、七つ道具を潜ませたジャケットや、Gパンのポケットの財布や、腰のベルトまで、金属に関係のある物はみんな脱いで外してゲートをくぐる。まあ、ちょっとしたストリップである。
 久しぶりのJALである。スターフライヤーみたいにアテンダントさんがキャピキャピのギャルとはいかないが、皆さん落ち着いたベテランばかり。こちらも安心していられる。ところが、機内の内装は新しく、座席のスウィッチ類も真新しいデザイン。これがまるでバリアフリーではなく、使いにくいこと、この上もない。肘掛けの下の位置だから、たとえ目が見えていても、見ながらの操作などできない。つまり、見た目をいくら考えても無意味なのに、やたらファッショナブルにできていて、触っただけではスウィッチの区別もつかず、メアキでも使いづらいだろうに。アテンダントコールも同じ形なので、やたらとアテンダントが飛んでくる心配がある。ボクが盲人になった途端、世の中から優れたデザイナーが絶滅したらしい。
 空港で買った天むすのソラベンを食す。一口サイズとはいえ、5個は多い。でも、ボクは無類の天むす好きなので、もぐもぐと一気に食べてしまった。空港でコーヒーを飲む余裕がなかったので、アテンダントさんにコーヒーをもらう。JALのコーヒー、おいしかった。ニューヨーク個展では大変にお世話になったJALである。これからも、可能な限り、JALに乗ろう。
 昨日、鹿児島県の徳之島で竜巻被害があり、死者が出たばかり。コボちゃんとの飛行機の中での会話は、熊本市の場所について。ボクは熊本は福岡に近いとばかり考えていた。すると、コボちゃんが馬鹿にして大笑い。熊本県は鹿児島県の隣であるというのだ。となると、熊本の天気はどうなっているのだろう。
 そういえば、飛行機に乗る前、天候不順で、羽田に逆戻りか、福岡に緊急避難の可能性があるから覚悟しておくようにといわれたのを思い出す。飛行機に乗れば乗ったで、キャプテンは、わざわざ機内アナウンスで、熊本阿蘇空港には天候不良で着陸できるかどうか自信がないというし、ボクは不安でたまらない。ひとつだけ、心の拠り所(よりどころ)は、ボクが台風を曲げるほどの強烈なる晴れ男であるということ。そう考えているうちにも、熊本はどんどん近づいてくるのだ。
 飛行機が高度を下げていくと、コボちゃんが
「あっ。町が見える。晴れ間が出ている」
と叫ぶ。機内アナウンスでは、キャプテンが、予定通りに着陸できそうだという。そうら、ご覧。ボクの晴れ男パワーを。乗客の皆様、どうか感謝してくださいな。
 空港では、山部さん、井上さん、猪野さんなど、エム ナマエを熊本に呼ぶグループの皆様の出迎えを受ける。毎回必ず、大きなプラカードで「エムさん、熊本へようこそ」と派手にやってくれるのはありがたいが、ううむ、ちょっと恥ずかしい。でも皆さんのお気持ちはありがたい。特に、2008年の阿蘇展覧会では全面的にエム ナマエの世話をしてくださり、一昨年浄土へ旅立った高原希(たかはらのぞみ)さんのお母様の猪野さんは今年もメンバーに加わり、歓迎してくださって、ありがたい。
 井上さんの運転する大型車でステーキハウスへ直行。ボクは天むすを5個も食べたばかりなのに、ジュージューと音をたてているサーロインステーキをペロリ。熊本の牛肉は旨いのだ。お米もおいしくて、御飯もペロリ。
 満腹となったところで、クルマは那古井(なこい)へ直行。那古井はボクの憧れのユートピア、夏目漱石の『草枕』の舞台である。以前から、この舞台はどこがモデルとなっているのだろうと大変に興味があったのだ。いきたくてたまらない土地。それが那古井であったのだ。その那古井が実在で、毎年のように訪れている熊本のお膝元にあるのがわかったのは山部京子さんのおかげである。
 1時間ほどドライブすると、クルマは峠道にさしかかる。もしかして、『草枕』の冒頭で、漱石が転んだり雨に降られたりするあの峠なのか。鶏のいた茶屋があった、あの峠なのかと訪ねると、そこが茶屋の跡であると山部さんがいう。
 那古井とは漱石の創作した地名で、本当は小天(おばま)温泉という。那古井は、ヒロインのお那美さん恋しいの意味があるというのは本当かもしれない。役所が運営する資料館に入ると、漱石が宿泊した、前田家別邸の全景のわかる模型がある。お那美さんの本当の名前は前田卓(まえだつな)。つなのなはお那美さんの那かもしれない。お那美さんのお父上は前田案山子(かがしといい、細川家に仕えた槍の至難で、この小天一帯の土地の所有者であった。前田案山子(かがし)は毎日歩いて熊本城まで参上したというから豪傑である。この前田案山子こそ、日本最初の参議院議員となり、自由民権運動に参加し、中国の孫文(そんぶん)をサポートし、辛亥(しんがい)革命に関与したとされる偉人なのである。
 ヒロイン、お那美さんのモデル、前田卓(まえだつな)の写真があるという。コボちゃんに聞けば
「美人!」
の一言。ボクは満足。
 那古井に憧れていたのはボクだけではない。つい最近は、某アニメーション監督が、『草枕』をヒントに、『崖の上のポニョ』という映画を制作、この地も、資料館も訪れたというから驚きである。
 夏目漱石と前田卓との関係など、興味のある人は、どうかネット検索で、「那古井」や「お那美さん」や「草枕」を調べていただきたい。明治維新直後の日本、九州は熊本の文化の高さなど、いろいろと勉強になることは間違いがない。ことに、細川の殿様は、どこにも仕官されなかった宮元武蔵を迎え入れ、この熊本の地で『五輪の書』を完成させたのである。明日、ボクが歌うことになっている武蔵ケ丘教会の武蔵は、宮本武蔵の武蔵であったのだ。
 海岸線へおりていくと、前田家別邸、夏目漱石が宿泊した建物がある。傾斜地に建てたため、回廊や階段でつながれた特殊な建築物で、その特異さは『草枕』でも詳細に描かれている。ことに興味を引かれるのが、漱石の泊まった部屋と、お那美さんと遭遇する半地下の湯殿である。奇跡的に、このふたつの場所は百年以上の年月を隔てて、当時のままに保存され、解放されていた。その六畳間に上がったボクの興奮を想像していただきたい。繰り返し読んだ小説の舞台に、自分が現れたのであるから。湯殿については、その雰囲気や空気の匂いを嗅ぐ(かぐ)だけである。頼りはコボちゃんの説明。いや、説明ばかりでなく、漱石が訪れてから百年以上も年月にさらされた古い壁や木材や唐紙など、べたべたと触らせるのである。それにしても、小天(おばま)の役所は懐(ふところ)が深い。こんな、どこの馬の骨かも知れない人間を、監視者なしで、自由に立ち入らせてくれるのだから。
 幸せな気分で那古井の地を去る。小説を読めばおわかりだと思うが、舞台はみかんの果樹園に囲まれていて、そのみかんは今が収穫期。見事に熟れて、美しい色を見せているらしく、クルマのメンバーはそのみかんにばかり目を奪われている。手を伸ばせば、すぐにでも食べることができるのだが、さすがは淑女たち。それはしないで、道路の出店で購入。この小天(おばま)みかん、格別に大きく甘く、美味である。これほどおいしいみかんというもの、もしかしてボクは初めてかもしれなかった。
 みかんの果樹園を過ぎると、道路の左右は皇帝ダリア。今が盛りと咲いている。高さ3メートルの幹に美しい花が次々に開かれるというのだから、これも見事である。みかんも皇帝ダリアも、気候ののいい熊本ならではの植物。晴れ男の威力で、夏目漱石のように、峠でざんざかの雨に降られずに済んだのである。
 熊本市内では、以前もお世話になった喫茶店「マザーグース」で一休み。この店にはエム ナマエの絵本がおいてあり、ときどきは買ってくださるお客さんもあるという。本日はその書籍にサインをさせていただいた。店を去るとき、オーナーが、特製のドライカレーをくださって、嬉しい。このドライカレーがまた、おいしいのだ。それは、前回の来店で経験をしている。
 飛行機で天むすを食べ、到着直後にステーキをたいらげ、お土産にドライカレーを抱えながら、桂花(けいか)ラーメンの暖簾(のれん)をくぐる。2008年から毎年熊本にはお邪魔しているが、実はボク、本場の熊本ラーメンを未経験だったのである。
 今から30年以上昔から、ボクは東新宿にある「くまぼっこ」という熊本ラーメン専門店のリピーターであった。当時は桂花ラーメンなど、影も形もなかったのである。桂花ラーメンのブームは最近だが、ボクは食べたことがなかった。熊本では桂花ラーメンは50年も続いた老舗。で、皆さんにお願いして、桂花ラーメンに付き合っていただいたのである。けれども、コボちゃんは胃袋がいっぱいで食べられないといい、隣で、ボクがタラコクチビルでおつゆを周囲に飛散させないよう、あれやこれやと食べ方に注文をつけるのであった。
 桂花ラーメン、旨かった。スープは「くまぼっこ」と同じ、濃厚な豚骨スープで、ニンニクが効いている。麺は固めで、スッキリとしている。熊本で熊本ラーメン。ああ、ボクは幸せなのだ。
 ホテルのフロントで世話をしてくれたのは中国の若い女の子。世界中で、ボクは優秀な若い中国人に出会っている。パリの目抜き通りのチャイニーズレストランの中国ギャルソンは日本語はもちろん、5ヶ国語を流暢に使いこなしていたし、上海の貴金属店の売り子さんは、実に美しい英語を話したし、ヨーロッパの各地では、中国、台湾、香港からの中国人たちと、一緒に旅をしたり、食事をしたり、もしくはその土地の華僑の店で、とても親切にしていただいたこともある。政府と政府の問題は隣によけておいて、人間同士は、必ずうまくやれる。個人は国家の事情に惑わされてはならないのだ。
 ホテルに落ち着くと、コボちゃんとビールで乾杯。そして眠る前は、マザーグースのドライカレーをペロリ。ボクの胃袋は東京を離れた瞬間から巨大化するのである。
▲ 那古井へのみかんロードは峠道
▲ 冬の前会いにきましたお那美さん

◇ バーチャル四国八十八カ所コース

 3番、金泉寺に到着、通過しました。 次は4番、大日寺。 あと9,559歩です。
 現在の歩数11,241歩。 1周目挑戦中!

1120・日・
 満腹で目覚め、シャワーを浴びてからの朝食はコーヒーとキャベツの千切り。ユデタマゴが食べたかったのだが、ナマタマゴしかなく、あきらめて、玉子焼きを口に放りこむ。
 慶應義塾の法律L組の友人、Kが近所に暮らしていることを思い出す。ケータイでクラスメイトに連絡して、彼の電話番号をゲット、連絡をすると、現れるといってくれた。当時のボクは漫画ばかり描いていて、法律L組にはほとんど顔を出さず、彼は数少ない友人のひとりなのである。
 市内の空き店舗で急造ビートルズのリハーサル。昨年のメンバーに、キーボードが加わった。新しい曲は『アンナ』1曲だけだが、昨年とは楽器編成が違うので、全曲が新曲と同じようなもの。緊張感を要求する。みんなで注文を出し合いながら歌を進めていく。それでも、やっぱりビートルズ。音楽をやる人間には世界共通語。たちまちユニットとして融合していく。
 午後になって会場の武蔵ケ丘岡教会に入ると、既にKがきてくれていた。福岡からは歯科医師の加藤先生ご夫婦もお見えである。昨年と同じお客さんとも親しく談笑。中でも、ドイツ人の女性に連れられてきた、大分県の盲学校からの少年、峻平(しゅんぺい)君は清冽な印象で、ボクの心に強く残った。
 司会は今村さん。エム ナマエとビートルズを歌う会のボランティアスタッフで、昨年は運転手もしてくださったが、本当は看護師である。本日は教会でのリハーサルが実現せず、午前中の礼拝が終わってからのPAセッティングだから、その間、マイクなしでシンガーソングライターの永松英利さんにアコースティックギター1本で歌ってもらう。彼はボランティアグループ「わがままチンパンジー」のメンバーで、オリジナル曲を100以上も作詞作曲をしている。わかり易く、すぐ覚えられる曲なので、ボクの隣ではコボちゃんも一緒に歌っていた。
 教会の宮川牧師先生がエム ナマエのエッセイ『やっぱり今がいちばんいい』を朗読してくださる。牧師先生が読むと、穢れた(けがれた)人間の文章でも、まともに響くから不思議である。宮川先生、本当にいつもありがとうございます。
 いよいよビートルズごっこ。まず、最初のナンバーは『イマジン』。これは教会をも畏れぬ(おそれぬ)暴挙。なにしろ、キリスト教会で
「天国のない世界を想像してごらん。足の下には地獄もなく、頭上には空が広がるだけ。みんな、ひたすら今日を生きている。イマジン。国境のない地球を想像してごらん。何かのために殺したり、死んだりしなくていい世界を。そうさ。宗教なんかも消えているのさ」
 昨年も、この歌を歌わせてもらったが、本当に宮川先生、すいません。
 メンバー紹介はボクのいつもの相棒、元編集者でギタリスト、シンガーでボードビリアンの山部洋史(やまべひろし)さん。
 アコースティックギターは昨年もサポートしてくださった高橋淳二(たかはしじゅんじ)さん。卓越した技術ながらも、技巧に走らず、歌い手に寄り添うそのセンスは抜群。ふう&じゅんじを支えるギタリストである。
 キーボードは浪床伸一郎(なみとこしんいちろう)さん。シンガー・ソングライターで、キーボード奏者。熊本のビリー・ジョエルとも・エルトンジョンとも噂されているが、本当の歌声はギルバートオサリバンだと山部洋史さんはいう。
 ドラムスは昨年も楽しく演奏をした仲間、巧さん。最近は専らヘビメタのギタリストであるのだが、この急造ビートルズのために、この日だけ、ドラマーをしてくださるのだ。
 途中、軽いトーク&ジョークを交えて、次々とビートルズナンバーを歌っていく。現場リハーサルが完璧でなかった分、不安な瞬間もあったが、みんなに支えられて歌い切る。
 ビートルズごっこを終えた浪床(なみとこ)伸一郎さんがソロで『レットイットビー』と『ヘイジュード』を歌う。キーボードのアレンジと透明な歌声がいい。オリジナルも素敵だった。
 本日のクライマックスはふう&じゅんじ。ヴォーカルとギターのデュオ。ふうさんこと、本田芙貴子(ほんだふきこ)さんは奇跡的に舌癌(ぜつがん)を克服。魂の歌声は感動的。一度彼女の歌を聴いて、ボクはすっかりファンになってしまった。今日も教会を満たした聴衆を虜にしている。お見事なパフォーマンスで、これがプロだと納得させられた。
 最期に、マイク片手に独りで舞台に立つ。ちょっとジョークで『ハッピークリスマス』のさわりを歌い、今度はハーベイミルクを育てたゲイの街のため、『思い出のサンフランシスコ』をアカペラで歌う。カラオケで歌う『はじめの一歩』は、自分の歌だから、ひたすら一生懸命に歌うだけ。本当に皆様、どうもありがとうございました。
 サイン会も終わり、峻平君とメルアドの交換をして、晩餐会が始まる。教会だからといって、最後の晩餐会とはならない。また来年もやりましょうと、宮川先生とメンバーの力強いお言葉をいただく。慶應義塾時代の友人Kも素敵なスピーチをしてくれた。
 Kの運転するBMWでホテルへ。再会を強く約束して分かれる。
 ビールを飲んだら、さっき食べたウツボがお腹の中で泳いでいるのだろうか。たちまち眠くなってベッドに潜りこむ。夢の中でニホンシリーズの第7戦を聞く。残念ながら、落合監督の日本一は実らなかったようである。落合さん、8年間をお疲れ様でした。でも、落合博満を浪人させておくほど、日本プロ野球界は愚かではないはず。
▲ 教会でイマジン歌う秋の午後




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