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全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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Author:emunamae
いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2011年8月15日~21日
☆ 漢字や熟語、固有名詞には振り仮名がしてありますが、漢字の難易度とは関係がありません。これらの振り仮名は視覚障害者のための音声モニターを容易にするためのものです。

0815・月・敗戦記念日・
 5時半より活動開始。運勢占いはペケ。ただし、ラッキーカラーがゴールドということなので、外していたピュアーゴールドのペンダントを装着した。今年はずっと節電で、やたらと汗だくになってたので、外していたのだ。
 その節電のことだが、高校野球も始まり、暑さもピークとなっても、電気予報や電力情報では危機的な数字は聞こえてこない。だから、熱中症予防の意味でも、28度設定でエアコンに働いてもらっている。聞けば、このピーク時のためだけに原発は存在しているらしい。ここをなんとかしのげれば、原発に頼らなくても過ごせるのではなかろうか。
 原発については、これまで知らなかったような議論が様々に噴出している。そして、この国には、どうやら原発マフィアのような組織が存在しているのではないかと疑念を抱くくらい、原発周辺では巨大な何かが動いてきた。そうした闇からのパワーが、ボクら国民に原発は必要なのだという脅迫観念を植え付けていたのだろう。あな、おそろしや、アナコンダ。
 今朝も朝の執筆に集中する。次第にラストに近づいてきて、楽しい作業なのに、だんだん緊張感が増してくる。実は、この緊張感がこの作品の完成を、ここまで遅らせてきたのだ。
 コーヒータイムのBGMはTBSラジオの「スタンバイ」。京都で燃やされなかった陸前高田の松たち、千葉県は成田さんで燃やされることになった。京都はやたらと放射能を恐れていたようだが、汚染されているのは表皮だけ。それさえ除去すれば問題はなかったはずなのだ。京都、松の木でも一見(いちげん)さんはお断りなのかもしれない。
 いつものラジオタイムを楽しみに17文字原稿の執筆をしていたのだが、ラジオをつけたら、「お話出てこい」はまたまた再放送。この長寿番組だったら、アーカイブは無限にあるはずなのに、どうしてこんなに再放送が続くのだろう。楽しみにしている子どもたちも失望するのではないか。まあ、少なくとも、ボクは失望している。
 ラジオを高校野球に回すと、熱戦が続いている。ベスト16から、いよいよベストエイトに勝ち残るのだ。負ければ消える、トーナメントはつらく厳しい。だからこそ、高校球児たちは激しく燃えるのだ。
 正午の時報とともに黙祷。戦没者310万人の霊に対して頭を下げる。その中には空襲などで落命した民間人80万人も数えられているのだ。黙祷が終われば天皇陛下のお言葉。
「八月は六日九日十五日」
という俳句がある。八月というのは、正にそういう月なのだ。
 そして今年は真珠湾攻撃から70年目の年でもある。スピルバーグに『1941』という映画があったが、すべては歴史のカーテンの裏側に隠されていく。それを防ぐためには、これらの問題を今の自分のこととして認識していくしかないような気がしている。
 マキコ特派員から多元宇宙についての科学記事が届く。宇宙の黒体輻射(こくたいふくしゃ)の歪みを測定し、そのためのアルゴリズムを使ってコンピュータシュミレーションすれば、宇宙同士の衝突でできた傷が発見されるはず、という論拠による科学的調査のことである。ボクらが小さい頃から多元宇宙論はあった。それを定量分析で立証しようというのだからすごい。結果がわかるのはまだまだ先のことらしいが、こんな宇宙がたくさん存在する世界というものを、ボクのようなボンクラ頭脳に、具体的に想像するのは不可能に近い。
 デイキャッチをBGMに、冷房の効いたリビングで室内徒歩をする。28度の冷房だけでは汗が引かないので、扇風機にも働いてもらう。我が家でひとり、冷房を歓迎しないのがネコのミミ。相変わらずアコーディオンカーテンの下をくぐって、外気温のダイニングキッチンからベランダに出て暑さぼっこをしている。そのミミをつかまえて、ブラッシングをする。最近は優れもの(すぐれ物)があって、ちょっとすいてやると、抜け毛がゴッソリととれるのである。その間、ミミはゴロゴロと喜悦の声を出している。
 原子力安全庁というものができるらしい。まあ、今度はそう簡単に国民は騙されない(だまされない)ぞ、といいたい。これまでの原子力安全委員会とか保安院とかエネルギー開発庁とかから、続々と人が集まってくるのだろう。経済産業省から環境省へと傘も変わるらしいのだが、どちらも同じ穴のムジナ。こうなったら、今までなんとなくタブーだった反原発をみんなで堂々と叫ぼうではないか。反原発を宣言する政治家を応援しようではないか。そして、電力会社への天下りだけ考えている役人どもをクビにさせようではないか。
 デイキャッチの町田というレギュラーコメンテイタのご意見。この人、優れた経済ジャーナリストではあるのだが、どうも科学音痴というか、お金のこと以外では、あまり本質が見えていない印象。ご本人はそんなおつもりはないのだろうが、その論を拝聴していると、原発は安価である、という印象を受けてしまう。目の前に、これだけの放射能被害が具体的に広がっているのに、まだ原発の安全と安価の神話を信じているのか、もしくは信じさせようとしているのか。だとしたら、悪いけど、アホといいたい。町田氏はしきりに電気料金の値上がりについて触れておられるが、今回の原発事故についての損害補償や慰謝料、農水畜産への補償にどれだけの費用がかかるのか。原発廃炉にどれだけの経費が必要なのか。それを考えたら原発が安価なんて寝言はいってられない。そして、東電にそれらの負担能力がなければ国が支払う、となれば、税金の上乗せ以外に手立てはない。さあ、増税がいいか、電気料金値上げがいいか。発電所からの送電ロスを考えれば、庭の太陽電池や町内の風力発電のような、電力の地産地消が望ましいのだ。遠隔地からの送電は、あまりにエネルギーロスが大き過ぎる。
軽井沢朗読館の青木裕子館長によると、お盆の軽井沢では、土地の人はあまり動かないとか。さて、お盆も終わり。今年の高速道路の渋滞はどうなのだろう。
 いつもの透析。20時まではグッスリと眠って、FM-J-WAVEの「ジャム・ザ・ワールド」に傾聴。フィフティーンミニッツには慶應義塾の講師で明治天皇のご子孫である作家が出演。反原発の持論を展開されていた。彼のような典型的な保守の立場の人間が反原発を唱えるにはかなりのリスクがあったらしい。この話は非常に興味深いものがあって、すっかりボクの頭におさまったので、いつかまた、ここで書かせていただきたい。
 帰宅して、烏賊の唐揚げのゲソだけ拾って肴にして、ビールを飲む。「ラジオ深夜便」のナイトエッセイはスバル望遠鏡による宇宙の話題。今週は寝ていられない。日付が変われば藤沢修平の『海鳴り』の朗読の第67回。主人公が自分に伸びる魔の手の正体に肉薄していく予感あり。もしかしたら、結末は遠くないのかもしれない。なんせ、この作品があまり長いので、コボちゃんはとっくに飽きているのだ。
▲ 赤い河帰り車(かえりぐるま)の尾灯かな

0816・火・
 5時半より活動開始。運勢占いはまたまたペケ。まあ、落ち着いて一日を過ごすことにする。
 執筆は快調。書いていると、盲導犬アリーナと過ごした時間に戻ることができる。アリーナが隣にいるような気がするのだ。
 おしゃべりパソコンに合わせて、キジバトポッポが歌っている。波長が合うのだろうか、パソコンにしゃべらせると、キジバトポッポが反応するのだ。
 朝8時からの高校野球がボクを誘惑する。ベストエイトを決めるこの闘い。面白いに決まっている。けれども、仕事にならないので、ときどきはガマンする。
 朝日小学生新聞『ルナとアリーナ』のイラストレーション最終回分の発送。打ち合わせから8ヶ月はあっという間だった。まだ連載は終わっていないが、テキストもイラストレーションも楽しんで仕事ができた。何よりも嬉しかったのは子どもたちからの反応。物語の舞台である、はるばる島は本当に存在するかの質問は最高に幸せ。ボクの作品にリアリティーを感じてくれたのだ。でも、絵が上手ですね、にはズッコケル。子どもたちはボクが全盲であることを知っているのだ。
 デブネコのミミにまたブラシをかける。今日はミミ、嫌がらずにさせている。ブラシをかけると、喜んでゴロゴロいいながら、ボクの顔に頭をぶつけてくる。昨日もかけたばかりなので、抜け毛はほとんど出なかった。
 なんとなく蝉に元気のあるような気がする。そろそろ夏も終わりに近づいている、ということだろうか。蝉たちも子孫を残すため、せいぜい大きく鳴くのだろう。
 夕方からは高校野球をBGMにおえかきデスクにしがみつく。日本点字図書館から依頼されている作品があるのだが、何度かいてもコボちゃんからダメが出て、少し自信を喪失していたのだ。けれども、その心を奮い立たせ、新しい気持ちで下絵に向かう。日曜日に失敗したばかりだから、頭の中でのリハーサルは済んでいる。そこで、同じ失敗をしないよう、集中して下絵を仕上げていく。
 20時からはFM-J-WAVE「ジャム・ザ・ワールド」をBGMに作業を続ける。そして完成。コボちゃんからもOKをもらい、安堵する。
 下絵作業の連続で、右手と背中がバリバリになる。グラフィックデザイナーの横尾忠則氏が自らを猫背と称しているらしいが、ボクも首の骨がずれていること、猫背になりつつあることは自覚している。つまり、これは職業病なのである。そこで、マッサージチェアにかかり、硬直した背骨を元に戻してやる。
 マッサージのBGMはやっぱり「ジャム・ザ・ワールド」。芥川賞作家で慶應義塾の荻野アンナ教授が出演している。その昔、荻野教授とは交流があった。彼女、小三治師匠の大ファンなのだが、あのとき貸した落語のCD、まだ返してもらってない。もう、忘れているだろな。
 「ラジオ深夜便」をBGMにビールを飲む。ナイトエッセイはハワイのマウナケア山頂のスバル望遠鏡で何が見えるか、という話題。そうした高性能望遠鏡で見るのははるかなる銀河。ビッグバンから生まれた、最初の銀河たちを見つけるのである。それらの銀河までは128億光年。つまり、それらの銀河は128億年過去に生まれた銀河なのである。そして、宇宙の年齢は137億歳といわれている。ボクが最近ゲットした情報では、132億光年先の銀河が発見されたらしいが、これは宇宙に浮かぶハッブル望遠鏡によるもの。本当は月面に巨大な望遠鏡を建造して宇宙をのぞけば、もっとすごい発見ができるのだが、それが実現するのはいつのことだろう。
 椅子に座り疲れたので、お尻の筋肉をマサイ族の投擲武器でほぐしてやる。これは胃腸によい効果があるらしく、最近やたらに便通がよいのだ。で、お尻と心をほぐしてから眠りに就く。
▲ 油照りなげやりに鳴く烏あり

0817・水・
 5時より活動開始。運勢占いは最高。ラッキーカラーはまたまたゴールド。そこでまた、ボクもピュアゴールドのペンダントヘッドを胸に垂らすのである。これ、金の価値がバブルになっているので、売ったらいくらになるのだろう。なんてことを考えていると、幸運が逃げていく。
 ラジオを消して執筆に集中。やはり、至福の時間であることに変わりはない。すぐに夢中になれるとは、なんたる幸せ、サンタルチア。
 朝から高校野球をやっていて、途中から聴く。1点差で青森の光星(こうせい)高校が勝利。ベストフォーに残る。勝利監督の言葉が印象的。
「勝ちに不思議あり。負けに不思議なし」
 9時23分にグラリとくる。埼玉で震度4。東京では震度3。震源は栃木県。ここ最近、ナマズが暴れている場所である。
 ここ最近といえば、耳にしたくない嫌な事件がある。例の大阪天王寺の事件である。ところがニュースは昼とか夕方とか、食事のタイミングが多い。でも、これは食事しながら聞けるニュースではないと思う。TBSラジオの昼前のニュースでは、詳細克明にレポートしていて、ああ、おぞましい。けれども、NHKラジオはさすが。この事件については、あれこれと新事実が明らかになったのに、まったく触れていなかった。もしかしたら、リスナーからの苦情が届いているのかもしれないが、NHKラジオの配慮に、食事中のボクは感謝する。
 昼のニュースの直後に地震の速報。今度は宮城県。新幹線を止めて線路の点検をしてるとか。本日も列島はよく揺れている。
 慶應義塾のマンガクラブの先輩、漫画家で恐竜評論家のヒサクニヒコ氏に電話をする。3日前に夢を見て、気になっていたのだ。すると、童話作家の神戸淳吉先生が逝去されて、その告別式があったと教えてくれた。ヒサさんによれば、その夢は虫の知らせではなかったかという。神戸淳吉先生とは最初の絵本で仕事をさせていただき、その『ざっくりぶうぶうがたがたごろろ』という絵本は今も売れ続けている。また、ご子息の俊平さんとはケニアで一緒に旅をして、その取材から『チンパンジーのキキ』という一冊の絵本を仕上げたこともある。1980年には淳吉先生ご夫婦とも、一緒にケニア旅行をしたことがあったのだ。ボクとヒサさんは、その俊平さんつながりでもある。淳吉先生は91歳。ご家族や親戚が児童出版関係にうとかったらしく、関係者に連絡がなかったので、出席者の少ない告別式であったらしい。淳吉先生ご夫妻は敬虔なクリスチャンだった。淳吉先生のご冥福を心よりお祈りする。
 夕方、コボちゃんがクリームソーダを作ってくれる。この猛暑、毎日のように、ふたりでガリガリ君を食べていたのだが、本日はクリームソーダ。グラスの底に残ったクリームを、ストローでズーズーと音をたてて吸い込んでいる。人前ではできない芸当である。その音に刺激されたのか、キジバトポッポがしきりにボーボーと鳴いていた。三日ぶりに鳥篭から開放され、嬉しいに違いない。
 いつもの透析。つい、うとうとしてしまうのだが、中日巨人がいいゲームをしていた。チャン投手は、あと一歩でパーフェクトというピッチングを展開。こうした緊張感のあるゲームはいい。けれどもボクはやっぱりFM-J-WAVEの「ジャム・ザ・ワールド」に傾聴してしまう。今夜は宮城県の過疎の漁村に毎週末、ボランティアで駆けつけ、診療行為を続けている女医さんが出ておられた。この方、東京は山王クリニックの石井院長。お声から察するに、お若く、また上品で色気がある。この石井院長、震災直後の3月12日に新潟経由で宮城県は石巻にクルマで急行し、診療活動をするが、もっと深刻な状況の過疎の漁村がある、ということで、そちらへ向かう。この漁村、市立の病院はすべて流され、ドクターもナースも犠牲になっていた。それからは毎週末、山王クリニックの休診日に漁村に駆けつけ、今も診療行為を続けておられるという。土地の人の申し出れで建物を借りて、今は孫の手診療所という形で医療活動を続けているが、週末だけの診察では不十分。そこがかえって自治体の自覚を促し、正式な診療所の発足を早めることになるのではないかと語る。東日本大震災以来、無給かつ無休で診療行為を続けている石井院長と、それを支えるご主人を尊敬する。ちなみに、ご主人は一般人。ただ、阪神大震災での被災者だったことがあり、今回の震災では救援活動をする側に立った、とのことである。
 タケムラシンイチ先生のグローバルセンサーは妃殿下製品と聞こえて驚く。よく聞いていると、非電化製品のことであった。つまり、電力に頼らないエアコンや照明、冷蔵庫のこと。この発明者、「ラジオ深夜便」でボクもラジオで話を拝聴したことがある。この発明者のすごいところは、各方面からの製品化の話を断り、ワークショップで無償でその製造法を伝え、実際に製品を作らせてくれるという。システムは実にシンプル。水を循環させるだけなのである。雪国では雪を貯蔵し、それを冷蔵や冷房に利用しているという。ボクらは電力に頼り過ぎてきたのだ。だから原発事故に泣かされることになるのだ。
 猛暑の中を帰宅。またまた、烏賊のゲソの唐揚げをつまみながらビールを飲む。「ラジオ深夜便」のナイトエッセイは、スバル望遠鏡のテクニカルな話題。でも、ボクの本当に知りたいのは、その望遠鏡で何を見ているのか、という話なのだ。
 明朝の最低気温は29度と聞いてゲッソリ。今夜も扇風機に働いてもらう。
▲ 気前よく首を回して送る風

0818・木・
 5時半より活動開始。今朝の占いは最低と出た。でも、それでいいのだ。無理はしないのだ。こういう日は、バカボンのパパになり切って、つつましく生きるのだ。
 コーヒータイムまでの時間、執筆に集中。この時間がいちばん充実している。盲導犬アリーナとの時間に戻れるのだ。
 朝の8時を過ぎると、どうしても高校野球を聴いてしまう。ベストフォーを選ぶ緊張したゲームが続いている。ボクはキジバトポッポを足元に、マッサージチェアでそれを聴いている。
 アルルのブラッシングをしてやる。呼ぶと、アルルは尻尾を振って飛んでくる。右を向け、左を向け、ひっくりかえろ、裏がえろ、といろんなポーズをさせられながら、おとなしくブラッシングを受けている。それにしても、インチキ盲導犬としては実に聞き分け画いい。ブラッシングでこんなに喜んでいるのだから、毎日してやろうかと思う。
 永田町では相変わらず団栗の背比べをやっている。誰が代表になっても、国民は関係ないと感じている。今、政治と国家はまるっきり信用を失っている。冷静に考えれば、日本ほど暮らし易い国はない。それを意地している国家のシステムを、我々はもっと評価すべきなのかもしれないが、表面に出てくる出来事が国民を白けさせているのだろう。
 本日は今年の最高気温ではなかったか。東京でも36度を越していたような気がする。外に開放してあるダイニングキッチンであれこれしていると、その猛烈な暑さが迫ってくる。となると、設定28度の冷房が、どれだけ涼しいことか。
 午後、神戸淳吉先生ご逝去のメールを各編集者に送信する。おそらく、児童図書出版関係は誰もそのことを知らないはずなのだ。
 今夜もFM-J-WAVE「ジャム・ザ・ワールド」を聴く。ステレオを鳴らしていると、マッサージチェアの運動場にいるキジバトポッポが、夜も遅いのに、またまたボーポーと鳴いていた。
 「ラジオ深夜便」のナイトエッセイ、次世代天体望遠鏡の話。この先生、高齢者にもわかり易く話をしようとしていて、ちょっと物足りない。系外惑星における生命の可能性については、もう少し詳細なレクチャーが欲しかった。ただ、国立天文台が新しい望遠鏡を建設するのに、莫大な予算を必要としていることだけは確実に伝わってきた。
本日も座り過ぎで、お尻が不愉快。マサイ族の投擲武器で尻の筋肉をほぐしてやる。そうしているうちに眠ってしまうのだ。今夜の眠りへのパイロットは青木裕子朗読の宮沢賢治作品。
▲ 猛暑日は体温計の泣き笑い
▲ 猛暑日は頭の螺子が逆回り

0819・金・
 4時から活動開始。ルーティーンワーク。旅支度など、あれこれ。本日の透析は朝に変更。
 入室の1時間前から透析室の廊下で待機。新人のY看護師がベッドへ連れていってくれる。
 本日からラジオはステレオヘッドフォンを使用。金曜日の午前中のラジオをずっと聴いている。高校野球は緊張のゲームが続く。途中、雨による中断もあり、西から天気が崩れている様子。
 天気予報が当たった。昨日までの猛暑が嘘のよう。軽井沢滞在に向かって、上着を準備。高原で風邪をひきたくはない。
 高校野球をBGMにランチ。日大三校(にちだいさんこう)対関西(かんぜい)学園。9回、14対4になったところで緊急地震速報。アルルがボクを見上げて、どうするの?と聞いている。緊急地震速報は福島と宮城に対しての警戒を呼びかけている。もしも揺れがひどかったらと、とりあえず玄関のドアを、いつでも開けられるようにスタンバイ。アルルも足元でスタンバイ。そこへラジオ放送が入り、福島で震度5弱。震源は福島沖地下10キロ。マグニチュードは6.8と告げている。津波注意報が出されているが、ボクとアルルは警戒解除。それからはNHKラジオの地震速報に傾聴。高校野球の結果は後で知ることになる。
 パソコンあれこれ。神戸淳吉先生ご逝去のお知らせメールに対して、送信した出版社からご丁寧な返信をいただく。改めて合掌。神戸淳吉先生のご冥福をお祈りする。ご子息で友人でもある俊平(しゅんぺい)氏に連絡がしたかったが、お宅にはどなたもいらっしゃらなかった。
 TBSラジオ、デイキャッチをBGMに室内徒歩。本日のゲストは小沢一郎の元秘書。小沢一郎という人物について語る。
 以下はボクの印象。検察の小沢一郎への攻撃が民主党を骨抜きにした。霞ヶ関はタッグを組んで、自分たちの既得権を小沢一郎内閣が実現することによって奪われることを阻止したのである。作戦は見事に成功。選挙民はお金にダーティーというイメージだけで政治家の資質を評価する。小沢一郎が機能しないことにより、民主党は解体に気としい打撃を受けたのではあるまいか。代表選挙で団栗の背比べをしている民主党。朝のラジオ「スタンバイ」のリスナーによる投稿では、菅直人が辞めることにより、民主党はますますバラバラになるとされる。菅直人下ろしのフィーバーが去れば、菅直人が辞める意義を見出せなくなっている。その証拠に、誰が代表にふさわしいかについてのメールや電話では、前原や海江田より、菅直人を支持する割合が多かったこともその表れであると思われる。
 軽井沢へ向けてのドライブ。アルルは後部座席から、じっと前方を見つめている。コボちゃんは睡眠不足で運転がつらい。おまけに雨でフロントグラスが曇りがち。そこでボクがミントのお菓子を補充しながら声をかけ、コボちゃんの眠気除去に努める。
 料理写真家の青木岳志ご夫妻が横川で待機してくださっていた。予定していたとりめし弁当や釜飯は既に売り切れ、レストランも閉まっている。そこで、名物の麦豚ラーメンをみんなですする。空腹だったので、胃袋の安堵するのが伝わってきた。
 スタジオクラスターの北軽井沢、NKスタジオに到着したときには日付が変わっていた。森は雨に濡れ、広いスタジオは寒々としていたが、人間が入ることで建物が生き返るのが感じられる。2階に上がった瞬間、アルルが跳躍、ボクに回し蹴りをくらわせる。昨日から「ドライブ」と「軽井沢」をアルルに連発していたので、アルルはわかっていたのだ。このNKスタジオ、アルルのいちばん好きな場所なのである。アルル、狂ったようにスタジオの2階を駆け回る。
 ヒロコママが食料を大量に準備していて、それらを肴にビール。未明まで楽しく談笑。屋根を打つ雨の音が心地よかった。ただし、気温は低く、一気に季節は晩秋ににワープした印象だった。
▲ 薫り立つ雨の腐葉土軽井沢

0820・土・
 徹底的な朝寝坊。テレビはもちろん、ラジオもない。世間の雑音と隔絶されて、ただ雨音だけを聞いている。
 ヒロコママが豪華な朝食を準備してくれる。ヒロコママの焼いた目玉焼きはボクの好物。それに料理写真の第一人者の青木岳志カメラマンがあれこれとアドバイス。楽しい朝食となった。
 青木カメラマンが広い居住空間に電気掃除機をかけている。青木カメラマンが万人の認めるカメラマンであると同時に、神楽坂スタジオクラスターの経営者として成功しているのには、こうした労を惜しまない人柄にわけがあるのだ。怠け者の自分には、頭の下がる思いである。
 アルルは広いスタジオに大興奮。2階の居住空間と違い、1階のスタジオ空間はワックスなしの自然木のフローリング。青木カメラマンとアルルは室内でボール遊びをしている。アルルは嬉しくてたまらない。ボールをくわえて、青木カメラマンのあとをついて歩いている。
 小降りになって、中軽井沢へドライブ。青木カメラマンの大型四輪駆動のクルマに乗せてもらう。アルルは後部座席にクッションを積み込み、その上でオスワリ。途中、カッちゃんの蕎麦屋に立ち寄る。ここの鴨汁蕎麦(かもじるそば)は大好物。暖められた濃厚な鴨汁で手打ち蕎麦をたぐる贅沢。ボクらが着席したら、次々と来客。カッちゃんはたちまち多忙。注文を聞いて回っていた。
 中軽井沢の朗読館へ一直線。軽井沢を熟知している青木カメラマンでなければ、すぐに迷ってしまいそうな自然林が続いている。千ケ滝(せんがだき)。その突き当たりに軽井沢朗読館は立っている。
 エム ナマエ原画展は明日が最終日。青木裕子館長がキャプションを素敵に制作してくれて、立派な原画展となっていた。
 アルルはTPOを心得ている。NKスタジオでは飛んで跳ねていたくせに、軽井沢朗読館のフローリングでは絶対に走ったりはしない。ただただ、本物の盲導犬のように従順にしている。お客様はその姿を見て、アルルが盲導犬であることを疑わない。けれども、アルルの正体はインチキ盲導犬なのだ。
 嬉しかったのは慶應義塾の大学1年生のときから、その美しさに憧れていた同窓生が来館してくださったこと。エム ナマエ公式ウェブサイトで情報を知ったとのこと。大学1年生のときと、ちっとも変わらない美しい声をされていた。その彼女、最近は朗読を始めたという。早速、青木裕子軽井沢朗読館長に紹介。朗読指導を受けることをお勧めする。そのTさん、変わらぬ美しさであることはコボちゃんも認めるところ。慶應義塾の三田祭準備委員会などで、以前もお会いしたが、いつも必ず爽やかさをボクの中に残してくれた。また、彼女が当事のクラスメイトを何人も連れてきてくださった。おかしな話だが、彼女たちはみんな、ボクの最初の恋人のクラスメイトでもあったのだ。
 青木裕子館長の大先輩たち、元NHKアナウンサーの方々も来館されていた。紹介されて光栄である。
 17時、軽井沢朗読館で青木裕子+小澤章代で『銀河鉄道の夜』の朗読コンサート。開演前の挨拶で、朗読館の窓から熊を目撃した話題。この周辺では、星野旅館のご意向もあり、理想的な形で自然が意地されている。青木裕子館長、星野旅館が運営する森林レンジャーのピッキオに早速連絡。もちろん駆除などしない。出会い頭の遭遇を避けるため、外出中は必ず音の出る物、たとえば鈴などを身につけるようアドバイスされたとか。青木裕子館長の愛犬はチワワ。とても熊から館長を守ってくれるとは思えない。
 朗読の間、アルルはおとなしくはしていてくれる。でも、盲導犬ではないので、ときどき当たり前のイヌがするように後足で首輪のところをかいている。その度にカウベルが鳴るので、ボクはカウベルを指で押さえ、音の出ないようにするのが大変。でも、しばらくすると、アルルはいびきをかいて眠ってしまった。カウベルよりはましではあるが、いびきも迷惑な話である。おい、アルル。おりこうにしてないと、インチキだとばれてしまうぞ。
 いつもと変わらず、『銀河鉄道の夜』の朗読と、チェンバロとシンセサイザーの演奏を楽しむ。小澤章代(おざわあきよ)さんの演奏、いつ拝聴しても見事である。
 朗読が終わり、サイン会をさせていただく。エム ナマエの画集『夢の力』や朗読画集『銀河鉄道の夜』に絵をかき、サインをさせていただく。お客様の中には、朗読家の草分け的存在、幸田弘子(こうだひろこ)さんもお見えになっていて、画集にサインをさせていただいた。また、鉄の彫刻家、安斉重夫さんご夫妻も、被災地である福島県からおいでになっていて、しばらくは芸術論など交換する。驚いたのは、お互いが漫画の神様、永島慎二先生の影響を受けていること。安斉夫人がおっしゃるには、ボクらの創作世界には共通点がいくつもあるという。特にエム ナマエの失明前の作品にそれを感じておられるのだ。安斉重夫氏の作品展も軽井沢朗読館で開かれる。憧れのTさんも、ボクの画集を購入してくださった。今夜はたくさんの来館者。おかげさまで画集の売れ行きも好調で感謝。
 雨の中を北軽井沢へ。NKスタジオでヒロコママの豪華なディナー。背後でストーブが部屋を温めてくれている。青木カメラマンがルージュのスパークリングワインを飲ませてくれる。満腹になったところで、テーブルを移動して、東君平文、石原均イラストレーションの絵本『そらとぶカエル』の朗読を聴く。これは中国地方のとあるFM放送局の番組をCDにしたもの。ここで、改めてこの絵本の素晴らしさを味わった。2003年、盲導犬アリーナもイラストレーターの石原均さんと、このNKスタジオで夏を過ごしている。東君平さんも、そしてキンさんもアリーナも、みんなあちらの世界にいってしまった。けれども作品は残り続ける。我々にとって仕事がすべてなのだと改めて思う。
 四人で真面目に絵本論や編集者について語り合ってから、今度は気分一新で志の輔(しのすけ)の落語で笑う。『ハンドタオル』に出てくる奥さんと、ヒロコママの考え方が同じなので、いまいち、ヒロコママは笑えなかったのかもしれないが、それもまたおかしい。
 日付が変わったので、眠ることにする。アルルはボクとコボちゃんのベッドの間で、静かに丸くなる。屋根を雨が楽器に変えていた。
▲ 八月のストーブ囲み軽井沢

0821・日・
 5時より目覚めている。活動開始といいたいが、このNKスタジオはあまりに広く、独りでは動くに動けないし、そもそも、おしゃべりパソコンがないので、手も足も出ない。ただあれこれと考えを巡らせる他、何もできずにいた。
 しばらくすると、激しくアイネクライネナハトムジークがかかる。それはヒロコママのケータイの目覚まし音楽だった。
 ヒロコママが朝のコーヒーを入れてくださりテーブルでそれをすする。ゆうべ、軽井沢のスーパーで購入した京都の名店のブレンドである。
 ヒロコママのリクエストで、ボクが持ち込んだお風呂ラジオで世間の様子に耳を傾ける。それから、群馬県の天気予報を電話で聞く。ここ北軽井沢は長野県でなく、群馬県なのだ。気象庁によれば、北群馬には大雨注意報と濃霧注意報が出ていた。結局、一度も晴れることなく軽井沢を後にすることになりそうだ。
 アルルが階下で青木岳志カメラマンと激しくボール遊びをしている。もう、アルルは嬉しくてたまらない。外は大雨で散歩にもいけず、腐っていたのがこんな広い室内で走り回れるなんて、初めての経験なのだ。
 またまたヒロコママの豪華な朝食。高級食材をふんだんに使っての料理である。それも、次々にヒロコママが熱いフライパンからサービスしてくれるのだ。
 別荘村に別荘としてではなく、自宅として住み着いてしまったお隣から、高原野菜があれこれと届く。ヒロコママはそれらを我が家の荷物に差し入れる。
 後片付けをして、荷物の整理をして、NKスタジオを後にする。アルルはボールをくわえ、これも持って帰りたいとねだっている。やはり、青木カメラマンとのボール遊びが最高に嬉しかったのだ。
 軽井沢朗読館へ一直線。岡山県からOさんがわざわざお見えになるのだ。
 間に合った。Oさんはタクシーでこられていた。ホワイエのお洒落な喫茶コーナーで、青木裕子館長の入れてくれた日本茶を飲みながらおしゃべり。Oさんは、どんな場所であれ、ボクの展覧会には必ずといっていいくらい訪れてくださるのだ。
 16時を過ぎた。奥田さんもお帰りになった。そこで青木ご夫妻とコボちゃんと、青木裕子館長で作品撤去。館長自ら手作りのキャプションは記念に保存することになる。作品10点は青木カメラマンの大きなクルマに搭載。青木裕子館長と、ご主人の精神科医、金杉先生とチワワのシンノスケ君にお別れの挨拶をして軽井沢を後にする。
 一路、東京へ。途中、渋滞はあったが比較的スムースなドライブ。夕食はサービスエリアでネギチャーシューラーメンを食べた。軽井沢でも豪華に食事をして、仕上げがチャーシューたっぷりだったので、途端にお腹にきた。
 青木ご夫妻は遠回りをして我が家に絵を降ろし、そのまま3階まで運び上げてくださった。なのに、ボクはトイレに入ったままで出られない。個室から大声でお礼のご挨拶を差し上げる。オイラって人間は、なんたる失礼なやつだろう。
 コボちゃんもくたびれた。ボクも睡眠不足でくたびれた。さすがのアルルも長距離ドライブでくたびれた。そして、留守番していたキジバトポッポは、いきなりの涼しさに羽毛を立てて膨らんでいる。でも、ボクには楽しみにしていたラジオドラマがあるので、まだ眠るには勿体無い。
 22時15分、NHKラジオでは田辺聖子の源氏物語のラジオドラマ。声の出演はキョウモトマサキとクロダヒトミ。このドラマ、源氏物語をパロっているのだが、山下智子さんの源氏物語語りの会のおかげで、すべての登場人物について、理解できた。男と女の物語。田辺聖子にかかればその普遍性が浮かび上がる。1時間、面白かった。
 ベッドに潜ったらたちまち熟睡。睡眠導入剤としてかけた三笑亭可楽(さんしょうていからく)の落語は夢の中で聴いたのである。
▲ 手土産に高原キャベツ軽井沢




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