全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2011年1月17日~23日
0117・月・阪神大震災より16年・
 5時より起きて原稿執筆。新しい本、言葉の絵本アンコールに向けての執筆だが、難しい。時間ばかりが過ぎていく。ラジオもつけずにパソコンに向かっていたが、オンにすると、阪神大震災の慰霊祭について報じていた。そういえば、あの夜明け前、大地震のニュースで震え上がったことが、ついこの間のような気がしていたのが、あれから16年も経過していたとは。気がつけば、その時刻はとっくに過ぎていた。
 今朝も、この冬いちばんの寒さ、というフレーズがラジオから流れてくる。マキコさんの家の給湯システムの配管が凍結したとか。新築してから20年が経過しているが、こんなことは初めてであるそうだ。
 これは夕方、コボちゃんから聞くのだが、経堂駅前のJ信用金庫の前の歩道に水をまいた人間がいて、それが凍結しており、コボちゃんは転倒。膝と手首に打撃を受けた。今朝の日本列島はどこも零下。都心でも皇居のお堀が凍結しているのだ。路面の水が凍結するくらい、子どもだって想像がつく。もしも、水撒きをしたのが信用金庫の職員だったら、利子の計算ばかりで、視野狭窄に陥っているのかもしれない。やはり、お金は心の栄養にはならないのだ。余談だが、この信用金庫、ボクとコボちゃんの結婚披露パーティーを開いた喫茶店の跡地に建てられた箱。
 また月曜日。今朝も『浮雲』の朗読が面白い。林芙美子という作家の発するこの艶っぽさ、どう表現すればよいのだろう。抑えた文体なのに、そこから肉感的な雰囲気が匂ってくる。この人、どんな人物だったのだろう。『風琴(ふうきん)と魚の町』くらいしか読んだことがなかったので、とても損をしていた気分になる。
 寒い。アルルとタッチ交換してマッサージチェアに座ると、そこに冬の日差し。暖かい。思わず
「神様」
とつぶやく。感謝。
 午後、睡魔。たまらず仮眠。やたらに眠いのは風邪のせい。
 アステラスの「明日も元気で」は、いつも傾聴している健康番組。今週は多発性硬化症。つい先日、友人のご子息がこの病にかかったので、しっかりと聴いておきたい。何かの役に立つかもしれない。
 なんでもなかった人が、いきなり病(やまい)に襲われる。ボクもそうだったが、運命はいきなり天から落ちてくる。
 本日のあきれたニュース。自分のクルマが壊れたからといって、パトカーを盗み、タクシーを盗み、高速道路を逆行して、1時間も逃走したやつがいる。驚き。その間、起こした事故が6回というからあきれる。
 帰宅したコボちゃん、転倒した手足が腫れてきた。明日の道路凍結を心配して、信用金庫に電話。冬の早朝の水撒きをやめてもらう。おかげで、いつもの透析は遅刻する。
 透析中はよく眠る。けれども、NHKラジオの「真打競演」の時間になると、自然に目覚めるから不思議。コント、ヤマグチ君とタケダ君で抱腹絶倒。自分の口を押さえて笑う。透析質であることを忘れてしまったら大変なことになったろう。隣のベッドのSWさんも笑っていたから、同じラジオを聴いていたに違いない。
 22時のNHKラジオニュース「NHKジャーナル」で阪神大震災の特集をやっていた。当時の話をする、我が子を失った母親や、手を握ったまま、孫を見送った女性の話に、思わずもらい泣きをしてしまう。ボクも阪神大震災で家族と死別した女性が登場する芝居を書いたことがある。あの頃は、懸命になって寄付などしたものだった。
 帰宅して24時半からは「ラジオ深夜便」、藤沢修平作品『海鳴り』の朗読をBGMにアイラスコッチの水割りをやる。この香り、なんともいえず、旨い。作品『海鳴り』はますます深くなっていく。やはり藤沢周平、人気があるのはよく分かる。
 明日の早起きをイメージしながら眠りに就く。
▲ 激震の第一報は夜明け前
▲ 四歳のその子 あの世で成人式

◇ バーチャル 奥の細道コース新庄に到着、通過しました。
 次は最上川。あと、139,052歩です。現在の歩数1,774,948歩。

0118・火・
 5時に目覚め、原稿執筆の続き。ちょっと苦労している。
 寒いが、日差しが出てくる。そこで、日向ぼこをしながらマッサージチェアにかかる。今朝解放されたキジバトポッポは足元で遊んでいる。あまりに日差しが強くなったので、掃きだし窓を少しだけ開いてやる。すると、冷たい空気が入ってきて、いい塩梅(あんばい)。
 10時15分はカルチャーラジオ「おもしろ生物学」。モトカワタツオ教授の今朝の話題は「珊瑚礁での共生」。珊瑚に養われているサンゴガニ、珊瑚の天敵であるオニヒトデを撃退する。テッポウエビとハゼの関係。テッポウエビはハゼを番犬にして、敵から身を守りながら餌を食べる。珊瑚礁の掃除屋のホンソメワケベラ。イソギンチャクとクマノミ。よく知っている生き物の名前が次から次へと出てきて、その度にボクの頭に彼らの姿が浮かび上がる。もしもボクが裕福な家庭で育ち、画家にならなかったとしたら、間違いなく自然科学者になっていたと思う。天然自然の世界ほど魅力あるものはない。
 引き続き、NHKラジオ第二で『浮雲』の朗読に傾聴。林芙美子という作家の魔術に、すっかりやられてしまった。もしも朗読という形でなかったら、ボクはこの書物に出会っていただろうか。
 14時、月刊「ラジオ深夜便」ゆめぞうイラストレーション締め切りで、IY編集者くる。ラジオ深夜便のホームページのための写真撮影。ボクはゆめぞうのヌイグルミを抱いてカメラにおさまる。
 デイキャッチをBGMに室内徒歩。大学生の就職難が話題になっている。そうはいっても、学生の質の低下にも原因があるのではなかろうか。自分が企業の求めに応えられる素材か。まず、そこから振り返る必要があるような気がする。これは実感でもあるが、無試験で大学生になった人間のうち、学力は中学生のレベル以下、という例があるという。それでは使い物にはならないでしょう。労働でお金をいただくこと。自分の力量で社会貢献すること。社会参加するためには、それぞれに超えなくてはならないハードルがある。とにかく、何はなくともプラクティス。そうしてあなたはプラクティカル。そうすれば、どんな環境でも生きていくことができるのだ。
 110番は警察で、119番は消防署。では、118番は何の番号。それは海上保安庁。海難自己に遭遇したら、ケータイで118番して救われよう。
 22時のNHKジャーナルまで原稿執筆。来週の頭までには形にしたい。そう願って集中する。BGMはモーツァルト。
 夜食に幼馴染の山下の奥様からいただいた日本酒をやる。富山県の銘酒である。肴は青木カメラマンのご母堂特製のお料理。青木カメラマンのご実家は新潟県柏崎のお寺。日本海の海の幸、山の幸でいい気分になり、幸せな眠りに就く。
▲ 日溜まりで 鳩が翼を広げてる

0119・水・
 今朝も5時起き。やりたいことは山ほどあるが、とりあえずできたのはルーティーンワークだけ。
 着替えを済ませてコーヒータイム。出かける前、NHKラジオ第二をICボイスレコーダーで録音しておく。
 9時、OKさんが迎えにきて、タクシーで現地へ。途中、OKさんとの会話がおしゃべりエンジンのウォームアップになって助かる。先日、老夫婦の襲われた現場近くを通過。OKさんが、別の道にすればよかったとつぶやく。
 10時から1時間、N教会にて、N幼稚園のお母様方に、絵本『あしたのねこ』についてのトークをする。絵本作家、きむらゆういち氏が友情出演。というか、そもそも彼の娘たちが、この幼稚園にお世話になっていたので、きむら氏はそのお礼のご奉公となるわけだ。
 きむら氏が遅刻してくる、とのことなので、最初はボクひとりで友情について語る。ボクにとって友情といえば慶應義塾志木高校以来の無二の親友のことになる。そしてまた、きむらゆういち氏も、ボクの地獄の時代に、ずっと寄り添ってくれた親友のひとりなのである。と、ここまで語ったとき、きむら氏到着。
「そうなんだぁ。そういう親友がいるんだぁ」
と感心しながらトークに参加。それからはいつものふたりトーク。打ち合わせひとつしてないが、息はピッタリ。そのうち、お互いが今年初めてであることに気づき、
「明けましておめでとう」
なんて言葉を交わしてステージで握手する。夢中で楽しいおしゃべりをして、質疑応答とボクの言葉の暗誦が終わると、ぴたり11時。音声腕時計の時報が鳴った。
 N教会の寺田牧師先生とは初対面ではないらしい。共通の友人知人の話になる。友人でも知人でもないが、このN教会、元防衛大臣のゲルゲル氏もお見えになるとか。最近、ボクは彼を評価している。政治家は権力の座から降りると、その姿がよく見えてくることがある。彼もそのひとりである。つまり、権力者は批判されることが大前提であるのだ。仕方ないよね。
 熊本の武蔵ヶ岡教会の宮川牧師先生は教会なのに、宮川。この寺田先生も教会なのに、寺田。そう。日本はもともと、お宮とお寺の国なのだ。
 ボクはこの寺田先生ともよいコミュニケーションができて幸せ。本日のトークで、ボクは神様に救われた人間であることを皆様に告白した。教会という空間は告白を容易にしてくれる。感謝。
 きむらゆういち氏と並んでサイン会。お母様方とも楽しく談笑。園児も一緒に記念撮影。
「ブログに載せますよお。はい、ニコニコニッコリニシニッコリ」
とボクが号令をかける。でも、撮影したケータイはきむら氏のもの。
 ああ、お腹がすいた。きむらゆういち氏のオフィスのスタッフとの会食となる。ボクときむら氏以外、みんな女性。ここの来来軒(らいらいけん)は全国の来来軒(らいらいけん)の最初の店であるとか。創業77年になるという。いや、さすが。チンジャオルースーが旨かった。ボクはチンジャオルースーの出来で、その中華料理店のレベルが分かるのだ。
 5人で好みの料理を取り、みんなでシェアする。OKさんがよく面倒を見てくれたので、しっかり食事を楽しめた。きむらゆういち氏、優秀なスタッフに恵まれている。
 タクシーで帰宅するつもりが、きむらゆういち氏が自分のクルマで我が家まで送ってくれる。OKさん、彼のジャガーに乗るのは初めてであるとか。彼女によると、ボクと一緒のとき、きむら氏は機嫌がいいらしい。ボクにとっての彼は、いつも変わらず機嫌がいいのだが。ふたりのトークが楽しかったので、今月中にまたふたりトークをしよう、ということになる。
 帰宅してICボイスレコーダーに録音していたNHKラジオ第二を聴く。ずっと回していたので、5時間分が録音されているのだが、ボクの興味は『浮雲』の朗読の15分間だけ。ますます林芙美子のフィジカルな世界に陥っていく。明日は大寒というのに、このボクは仏印、フランス領インドシナの息苦しいような空気に包まれている。
 いきなりドアチャイム。知らない声で書留だという。中目黒の事件があったばかりだから、そうは簡単にドアは開けられない。まず用心棒のアルルを呼ぶ。アルルは自分の役目を知っていて、訪問者に不審ありと察し、たちまちボクの傍らに寄り添う。そこでドアを通じて郵便物の差出人を確認、心当たりがあったらドアを開く。けれども、最初に顔を出すのはツキノワグマみたいなアルルの顔。問題なく郵便物を受け取れば、アルルはお役目ご苦労さん、でマッサージチェアに戻っていく。アルルは盲目のボクが、守るべき存在と認識していてくれるのだ。盲導犬にはなれなくても、それなりの役目は果たしてくれている。
 K出版のHK氏より電話。『ひみつのブルブル』と『ひみつのブルブルさらわれる』の原稿が届いたとの報告。今まで、落語関係の出版物の校了だったらしい。この画家、ボクが失明によって途中であきらめた『宇宙人のいる教室』の挿絵を途中から担当した人であるとか。これは、マキコさん情報。Hさん、来月には打ち合わせにくるという。さあ、どうなるか。
 アステラスの医事番組「明日も元気で」で多発性硬化症について傾聴する。神経細胞を食べてしまうT細胞を駆逐するのが最新療法であるらしい。
 いつもの透析。1時間だけ熟睡して目覚める。20時から「ためしてガッテン」は動脈硬化がよくなる、という予告だったので、期待していたのだが、女性の方が動脈硬化のリスクが低いという話題で、ちょっとはぐらかされた印象。医学的常識もどんどん移り変わるので、何が重要なのかは素人には分からない。こうしたテレビ番組も、エンターテイメントとして捕らえるのが賢いのかもしれない。つまり、テレビスタジオも、いろいろな人の生活のかかっている場、ということなのだ。
 愉快なニュースは卓球競技で、10歳の少女がふたり、最年少勝利記録を更新したという話題。アイちゃんを超える存在が現れるようになったのも、やはりアイちゃん効果。アイちゃんの業績は大きく彼女もまた新しい挑戦を続けている。
寒い夜。駐車場のクオリスでは、ボクの用心棒、アルルが丸くなってボクらの帰りを待っている。アルル、ボクの手をペロリとなめる。
 コボちゃんにシングルモルトウィスキーはアイラスコッチの水割りを作ってもらう。BGMに有線放送の落語チャンネルをつけると、落語『試し酒』の上方版がかかっていた。
 日付が変わって、若き談志家元の『つき馬』がかかる。なんたる軽快な語り。とはいえ、きっちりと登場人物を色分けするその優れた技量。立川談志はすごい。でも、家元のすごさが天才ゆえなのか、それとも努力の成せる業なのかは、凡人のボクには想像がつかない。ボクが初めて本物の立川談志に出会い、話しかけたのは18歳のとき。この録音は、その頃のものなのか、それともあれ以後のものなのか。ふと考える。談志家元、お元気でいていただきたい。
 夏目漱石の会話文学と水割り効果でたちまち熟睡。眠りに落ちながら、夏目漱石も落語が好きだよな、と考えた。
▲ 教会の 庭は園児のおしくらべ

0120・木・大寒・
 暦の通り、日本列島は冷凍庫。カマキリも高い枝に卵を産みつけている。彼らには積雪量が予測できるのだ。
 北海道では冷夏20度を下る寒さという。こうした極寒の状態では不思議なことが起きる。そのひとつが四角い太陽の出現。ラジオ深夜便のレポーター、北海道のカメラマンがつい先日、これを目撃したという。20年以上北海道で暮らして、初めての目撃だという。
 極寒の世界では、様々に美しくも不思議な現象が現れる。このボクもダイアモンドダストを目撃したことがあるが、この天然自然界、美しさに満ちている。
 今朝も5時に起床、パソコンに向かう。と書いているが、この起床とパソコンデスクの間にはいろいろと儀式がある。そのひとつが舌磨き。口腔内を清潔に保つことが胃腸や心臓によい結果をもたらす。舌磨きは口臭予防にもなるので、ぜひお勧めしたい。食べ物の味も変わりますよ。
 生島ヒロシのお気楽な語り、おはよう一直線を聞き流しながら、パソコンでのルーティーンワーク。根拠の曖昧なのに、占いの気になるのはボクの弱さのせいか。でも、本日の貴君の調子はよいですよ、といわれて悪い気はしない。だから占いが儲かるのだ。このような行為を売卜(ばいぼく)という。これは落語『井戸の茶碗』で覚えた言葉。ボクの教養は落語が源泉なのだ。あはは。
 今朝のコーヒータイムはおいしい紅茶。アリーナドッグスクールのユカリちゃんが選んでくれたおいしいお茶である。お茶という飲み物もまた不思議なもの。研究してみれば、きっと面白い。そういえば、今週のラジオ深夜便、ナイトエッセイは番茶の話だった。もっと真剣に傾聴すればよかったと悔やむ。
 さて、アリーナドッグスクールだが、この春のワンちゃん合宿へのお誘いがあった。もちろんボクもコボちゃんもアルルも参加する。でもなあ、アルルは運動会ではいつもビリ。参加賞しかもらえません。
 TBSラジオ「スタンバイ」の8時からは月尾嘉男(つきおよしお)東大名誉教授のレクチャー。今朝は新しいエネルギー資源について。石油に代わるものとして挙げられているのがオイルサンド。砂岩から石油を抽出する技術が確立されたので有力視されているらしい。この埋蔵量は石油を凌駕するという。ただし、化石燃料であることは間違いないので、カーボンニュートラルという視点からはどうなのだろう。月尾嘉男先生でも、化石燃料からは卒業できないのか。それとも、先生はリアリストであられるのか。ボク個人は日本近海のメタンハイドレートに期待している。メタンなら二酸化炭素の排出量も減少する。ただし、メタンも取り扱い注意の気体。人類にとって、エネルギー問題は食糧や水と同等に重要な課題なのだ。と、そんな心配をしている間にも、人類は絶滅するかもしれないのだが。どうせ自分はすぐ死ぬ、なんて考えるのは賢くない。生まれ変わってくる世界を、今のうちによくしておく方が賢明である。
 なんとなく眩暈(めまい)がするので血圧を測ったら低い。深呼吸をしてラジオをつける。NHKラジオ第二では新見南吉の童話『おじいさんのランプ』をやっていた。傾聴していたら落ち着いたので、パソコンに向かう。
 音声腕時計のアラームが鳴ったので、再びNHKラジオ第二に傾聴。『浮雲』の朗読である。南国の息吹を感じながら筋力運動。体が熱くなる。
 本日も気温は低いが、日差しがあってありがたい。その日差しを浴びてマッサージチェア。近くの部屋からは工事の音。ドリルが建物全体を鳴らしている。来週はいよいよこの部屋で工事が始まるのだ。どれだけうるさいかと思うと、今から憂鬱になってしまう。この正月のリズムが悪いのも、この工事の悪影響なのである。
 TBSラジオ、デイキャッチをBGMに室内徒歩。アメリカと中国が大袈裟に仲良くして見せている。世界第一と第二の経済大国だから、がその理由。けれども、本当かなあ。日本は追い抜かれてはしまったけれど、中国の人口は日本の10倍以上ですよ。本当は正確な人口などは把握できてない。経済的な報告だって、関係者からして信じていない。中国のバブルが弾けるのも時間の問題だし、アメリカも日本も、いやどの国も、足元を固めた方がいいような気がする。
 そのためには農業ですよ。環境ですよ。若者よ、就職難があるのなら、農業に従事しましょう。いざとなって、いちばん強いのが農民です。からっぽの脳味噌で4年間も遊んできたのだから、スポンジが水を吸い取るように、農業スキルが身につきますよ。もしもボクが健康だったら、晴耕雨読して、表現者の道を模索しますね。そろそろ皆さん、目覚めましょうよ。
 コボちゃん帰宅。ふたりで熱いスープをすする。ボクのお気に入りはポルチーニ茸のポタージュ。とてもインスタントとは思えません。
 ボクは仮眠。肉体的には疲れているのに、どこか神経が興奮しているのだろう。金縛り(かなしばり)に見舞われる。この金縛りというやつ、強烈にリアルな映像を見せてくれる。だから一般人は霊的な現象と受け取るのだ。だが、ボクは騙(だま)されない。だってボクは盲人。リアルな映像なんか、嘘に決まってる。夢に決まってる。つまり、金縛りというやつは、スーパーリアルな夢なのだ。で、金縛りと闘っているうちに、いつか本物の眠りに落ちていた。
 目覚めて夜もパソコン。言葉の絵本アンコールの準備をする。NHKジャーナルをBGMにして、原稿執筆ははかどらない。
 原稿が形になったので、ラジオ深夜便をBGMに夜食タイム。こんな時間なのに、何故かカレーライスが食べたくなったのだ。今夜はキーマカレー。この辛さにはナマタマゴがよく合います。
 日付が変わっても仕事を続けるつもりだったが、満腹で眠くなり、パソコンに向かっていられなくなる。で、ボクは金縛りとは闘うけれど、睡魔とは闘いません。たちまち眠りに就きました。
▲ 鳥の声 窓を開けば白い息
▲ 大寒や 春に焦がれる堀の土手

0121・金・
 5時に目覚め、パソコンに向かう。
 10時15分、NHKラジオ第二ではカルチャーラジオ、「永井荷風再考」。いよいよ永井荷風が永井荷風になっていく、という件(くだり)。明治の文明開化についての永井荷風的批判はその後の彼の文学の基調になっている。ボクが魅かれるのもその点にある。文明へ向けての日本人の振る舞いは、昔も今も変わらない。永井荷風は西洋でも国内でも、人と分化を愛したのだ。
 10時45分からは青木裕子朗読による『浮雲』。ヒロインと林芙美子は、どういう関係にあるのだろう。少し、林芙美子について勉強したい気分になっている。
 ラジオに傾聴している間、筋力運動を続ける。日毎に鉄アレイが軽く感じられる。
 昼のTBSラジオニュース、アナウンサーが
「これは交通事故ではなく、交通事件というべきでしょう」
のコメントには共感。こうした発言はNHKのアナウンサーにはないだろう。もしもあるとしたら、村上信夫アナウンサーくらいなものか。彼は最後の鴾(とき)が死んだとき、
「最後の鴾(とき)が亡くなりました」
とアナウンスして物議をかもした。けれども、永六輔さんはこれを評価したという。
 さて、この交通事件。28歳の無職の酔漢(すいかん)が歩道の高校生を轢き殺した(ひきころした)という事件。確かに、これはもう事故とは呼べない。今後、この手の酔払い(よっぱらい)運転については、交通事件に統一するとよい。
「国民の声に敏感な政権」
というようなフレーズが耳に飛び込んできた。さあ、どうだろう。ツイッターの反応に右往左往する政権など、ボクは信頼できない。国民の人気取りに終始する政権に、いい仕事ができるとも思えない。ボクは迎合を嫌う。迎合を歓迎する空気をもっと嫌う。
 昼休みが終わると、建物が唸り(うなり)出す。頭の上で配水管工事をやっているのだ。そして、いよいよ来週、この部屋に、その工事がやってくる。ああ、この騒音に一週間も悩まされると思うと、今から気が重い。この工事のため、我が家のリズムは完全に狂っている。
 ガラス窓からの強い日差しを浴びながら、午後は原稿執筆に集中。途中、あまり日差しが強いので、窓を全開にして、冷たくて新鮮な空気を部屋に呼び込んでやる。風のよい匂いがした。左から右へと、ご婦人方のおしゃべりが通過していった。
 時間ぎりぎりまで原稿執筆。シャワーと髭剃り、着替え。デイキャッチは宮台先生がコメンテイタ。挑むようなコメントであるが、その底辺には深い愛情が流れている。この愛情の伝わらない人間は、頭が悪いといわれても仕方がない。
 いつもの透析。金曜日はピストン西沢のミックスマシーンがないので残念。その代わり、テレビのニュース音声に傾聴する。
 天下のBBCが広島と長崎で二重被爆をした日本人を笑いのネタにした。この番組が物議をかもしている。ニュース原稿という形でなく、実際の録音を初めて耳にして驚き。ボクは少しは英国の英語のニュアンスを理解する。そして伝わってきたのが嘲笑であったのだ。明らかに、その不運を笑っている。それは、個人に対してだけでなく、原爆を投下された日本そのものを嘲笑しているかのごとくに聞こえた。アングロサクソンは黄色人種を人間とは思っていない。こういう意見を耳にしたことがある。そうは思いたくないが、このイギリス人たちの嘲笑は、そのことを象徴していた。そうなのだ。日本人を人間と思えないから原爆を投下したのである。おそらく、アメリカは、どれほど戦況が混乱しても、欧州に原爆を投下することはなかっただろう。日本国政府、英国公共放送であるBBCに強く抗議し、謝罪させるべきである。
 腹が立ったら疲れた。おかげで透析中はよく眠れた。
 帰宅したらミミの出迎え。キジバトポッポはサンルームの鳥篭の止まり木で休んでいた。
▲ かしましさ 落ち葉踏みしめ遊歩道

0122・土・
 5時前より起きてパソコンに向かう。寒いが、筋力のついたおかげで、睡眠中は体温が上がっていて、しばらくは暖房なしでも寒くない。早起きの習慣が定着したので、体調も安定している。風の名残はあるが、元気。心配されている心臓君も快調、しっかり働いてくれている。
 日差しが当たれば暖かい。直射日光は日焼けができるほど。キジバトポッポがはばたくので、サンルームのカーテンを引いてやる。キジバトポッポも、それなりに人間の使い方を知っている。
 原稿執筆。けれども、隣の部屋で配水管工事をやっている。猛烈なる騒音。ボクもパソコンの音声モニターのボリュームをアップし、BOSEのウェイヴの音量も上げ、エリッククラプトンを大音量でかけた。部屋も振動する騒音にも負けず、原稿の推敲に情熱を傾けるのは面白くもある。
 あまりの騒音に、デブネコのミミが別宅へ逃げ出した。でも、隣の部屋だって、騒音は変わらないのだ。
 ランチタイムは落語チャンネルをかけながら。中堅の若手のホープ、入船亭扇好(いりふねていせんこう)の特集をやっているが、うまい。ボクの敬愛する入船亭扇橋(いりふねていせんきょう)師匠のお弟子さんだが、独特の雰囲気があって、江戸の落語家も層が厚く、ますます進化している。でも、上方落語の熱さの前では影が薄いのも事実。これに対抗するには江戸の「粋」(いき)を武器にするしかないのか。いや、江戸落語にも熱い噺家はいくらでもいるはずだ。
 工事が昼休みに入ったのか、静かになっている。騒音との闘いに疲れたボクはベッドで横になる。
 目覚めて原稿執筆は快調。言葉の絵本アンコールの言葉たちは、それぞれの完成形になりつつある。
 コウノトリが飛んでいる。時速2万8千キロである。日本のロケット技術もロボット衛星技術も完成したらしい。今後はスペースシャトルに代わって、国際宇宙ステーションへの物資補給は、このコウノトリが担当するわけだ。コウノトリもハヤブサも大活躍である。日本の宇宙ビジネス、ガンバレ。
 余談ではあるが、JAXAの関係者によれば、日本は既に有人宇宙船の技術を確立しているとか。残された問題は予算だけなのであろう。おい、仕分け担当大臣、ここは予算を削るところではないぞ。
 夕方、なんだか暖かく、ストーブもエアコンもなしで過ごす。部屋全体が春の雰囲気。何故だろう。
 言葉の絵本アンコールのまえがきを考える。なかなか原稿にまとまらない。考えこんでしまい、また眠くなる。
 22時15分、NHKラジオでは「ラジオ文芸館」。樋口一葉の『十三夜』を阿部陽子アナウンサーが朗読する。文語調の名調子である。以前から彼女の朗読については注目しているが、ますます腕を磨き、精進されておられる様子。まこと頼もしい。最近はこのラジオ文芸館の質の低下が目立っていたので、なんとなく安堵する。この素晴らしい朗読については、彼女の先輩である軽井沢朗読館の青木裕子館長にも報告のメールを送信した。
 朗読は体を動かしながらの傾聴。室内徒歩を45分間。じっとしていては勿体無い。
 いきなりタマゴかけ御飯が食べたくなり、コボちゃんに御飯を炊いてもらう。日本酒の肴はナマタラコ、筋子、ナマタマゴと、タマゴのオンパレード。新潟の蛸の塩辛も、箱根の椎茸のピリカラ佃煮も旨かった。
 BGMは落語チャンネル。桂三木助(かつらみきすけ)の名調子に富山の酒も旨い。これらはすべていただきもの。ありがたい話である。
 ベッドで夏目漱石を楽しむつもりだったが、数十秒もしないうちに眠っていた。騒音との闘いに疲れているのだ。でも、来週はいよいよ配水管工事との接近遭遇である。
▲ 膨らんだ雀咲かせて 桜の木

0123・日・
 5時に目覚めるが、日曜日だと気がついて、二度寝する。けれども、5時55分の音声腕時計のアラームで目覚める。先週の失敗を思い出し、すぐにラジオをオンにする。
 朝6時、志の輔(しのすけ)ラジオ『落語でデート』。今朝のお相手は茶道家でアナウンサーの女性。有名な人らしいが、テレビを見ないボクは聞いたこともない名前。かなり雄弁で、あの志の輔(しのすけ)が一方的に聞き役に回っていた。落語は三代目金馬(きんば)師匠の『茶の湯』。で、彼女の感想がまた理屈っぽくてうんざり。もうちっと、馬鹿を演じられるくらいの賢さがあれば、ボクもファンになって、生江くらい覚えたかもしれないのに。
 ニッポン放送では藤沢周平傑作選朗読。1回でも間を飛ばすと、物語が見えなくなってつまらない。いやあ、先週は本当に失敗した。
 久しぶり、コボちゃんとゆっくりのコーヒータイム。BGMは有線放送の落語チャンネル。最近のこのチャンネル、実に質が高い。今朝の三遊亭円窓(さんゆうていえんそう)も、三遊亭円楽(さんゆうていえんらく)も出し物がいい。そして、身動きひとつできずに慶弔したのが柳家小三治(やなぎやこさんじ)の『芝浜』。ボクの所蔵している『芝浜』とは別の録音で、初めて聴くもの。これが壮絶なるリアリズムで、息を殺して聴いてしまった。おかげでアルルとの散歩が大幅に遅れる。
 豪徳寺に到着したのはランチタイム。いつもの花壇でアルルにおやつをあげたら、ボクが空腹に見舞われる。
 家路を直行せず、線路際のオーエックスに立ち寄るが、ボクの食欲をそそるものなし。そこで経堂のすずらん通りを目指す。
 途中、歩道を占領してベンツが駐車して、行く手をはばんでいる。歩道でクルマが人間よりでかいツラをしているのだ。乗っているのは夫婦。塾からの子どもの帰りを待っているのだ。他人を犠牲にしてまで、自分の子どもを進学させても、彼らが成長する頃には、大学も企業もブランドとしては何の足しにもならなくなっている。ベンツで送迎されて塾で学んだ人間が、どれだけサバイバルのスキルを磨けるか、甚だ疑問である。まあ、ベンツ大切さに、歩行者を危険に陥らせるような夫婦の子どもが優秀なる逸材に成長するとはとても思えない。窓から首を突っ込んで、コボちゃんの一言。
「ここは歩道ですよ」
 で、ボクも小さく
「バアカ」
とつぶやく。
 すずらん通りの中国人の料理店、コボちゃんによれば、店に魅力はないが、ボクにいわせると、味は本物。そこで、お持ち帰りでボクの好きな料理を作ってもらう。ずっと、野菜たっぷりの中華料理が食べたかったのだ。
 アルルはパン屋さんの前で待機。通りかかるイヌ好きたちに声をかけられているが、知らん顔。さすが盲導犬の血筋とコボちゃんが喜んでいる。
 まっすぐ帰宅。まだ熱々の料理で暖かい御飯をかっこむ。お米は魚沼産の新米です。満足。
 パソコンに集中。言葉の絵本アンコールのまえがきと闘う。ボクは苦戦をを強いられている。
 メガマウスをネット検索する。「メガマウス」と「鮫」を打ち込むと、わあい、出てくる出てくる。詳しくはネットで調べられるので、ここでは触れないが、ボクの予測通り、どうやら深海魚らしいのだ。それでも、せいぜい深度100メートルから200メートル程度の深海だし、ヒゲクジラやジンベエザメ同様、プランクトンを食べているので、夜中は海面近くを浮遊しているのではなかろうかとはボクの勝手な空想。驚いたのは最初の発見が1976年であること。そんな奇形な鮫が、どうしてこんな最近まで見つからなかったのだろう。もっと驚くのは、その発見例の少なさ。世界全体で40例程度というのだから、あのシーラカンスよりも希少価値のある種類なのだ。そして、もっともっと驚くのは、日本近海で多数が捕獲されていること。各地の水族館にはホルマリン漬けや剥製が陳列してあるらしい。体長6メートルというから、迫力ある姿を思い浮かべてしまうが、見られる人が羨ましい。先日のNHKによる遊泳映像が貴重であることは間違いない。YOUTUBEにアップされないのだろうか。わあ、興味あるなあ。
 20時TBSラジオでは「爛漫寄席」。偶然の一致ではないだろうが、TBSラジオでも三代目の金馬特集。『居酒屋』と『寝床』。ことに『居酒屋』は金馬の十八番。ボクも小僧の口真似が得意である。その口真似をしながら室内徒歩。
 ニュースは宮崎県でトリインフルエンザ騒動。またまた何充満という命が抹殺されていく。家禽であろうと、家畜であろうと、命であって、人間の道具ではない。たとえ食べるにせよ、自分の命としていただく命である。何かよい方策はないものだろうか。悲しくなってきた。
 夢路いとし喜味(きみ)こいしのこいし師匠が亡くなられた。83歳。肺癌であったそうな。大好きな上方のしゃべくり漫才の大御所であった。NHKラジオ、上方演芸会では最多出演記録保持者。その記録を保持したまま、あの世へ旅立たれた。そして、あの世ではお兄さんである夢路いとし師匠が待っておられるのだろう。これからは極楽での漫才だ。
 新潟の柏崎産の蛸の塩辛で寝酒ををやる。BGMは三遊亭円窓(さんゆうていえんそう)の落語。この落語チャンネル、その日その日のコンセプトが決まっている。本日は柳家(やなぎや)と三遊亭(さんゆうてい)がメインテーマだったのかもしれない。余裕さえあれば、じっくりと落語三昧をするのだが、生活のある身にとっては、そうもいかない。
 原稿の仕上げは明日の未明、ということにして、早寝をする。
▲ 日溜まりで熱を集めて黒い犬



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