全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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Author:emunamae
いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2010年12月20日~26日
1220・月・
 いつもの週明け、いつもの朝。ゆうべも遅くまで遊んでいたので、のったりとした一週間の立ち上がりである。
 パソコンに向かっていたら、思わぬタイミングで引き出しから音声腕時計のアラーム。思い出した。来年から始まる朗読家、青木裕子さんの『浮雲』を聴くリズムを作るため、今からこの時間の朗読愛聴の習慣をつけようと、毎朝10時44分にアラームをセットしておいたのだ。
 NHKラジオ第二、10時45分の名作朗読の今朝は、正岡子規の作品集だった。『墨汁一滴』の最終回。病床にあった作者の創作欲求に心を動かされる。その気持ちが伝わってくる。正岡子規の病床に夏目漱石が通っている。そのことにも心が動く。平成の今、才能たちは隔離されてはいないか。人として交流をしているだろうか。フィジカルなお付き合いが双方の絆を育てるのだ。
 眠気はあったが、昼寝なしでパソコンに向かう。新しい原稿執筆に集中。時間となり、新しいお風呂ラジオをお供にシャワーを浴びる。ラジオからはデイキャッチ。どうやら朝鮮半島で戦いは起きていないらしい。ひとまず安心。
 いつもの透析。TBSテレビの夕方のニュース。特集は今年あの世に旅立った有名人たち。大好きだった人たちが、もうこの世にいない。あるのは思い出だけ。でも、その思い出を胸に、ボクも死ぬまで生きるのだ。ひとりひとりの魂に合掌。本当に好きだった人たちばかり。こうして、目に見えない速度で歴史の新陳代謝が進んでいく。
 疲れていたのだろう。透析中は熟睡。NHKラジオのいつものプログラムも、うとうとしながら耳にする。どれも頭に入らなかった。
 帰宅してパソコンに向かい、昼間の作業の続き。そのうち時間となり、ラジオ深夜便、藤沢周平作品朗読に傾聴。『海鳴り』も36回を数えている。一年間が52週間だから、物語が始まってから、ずいぶん時間が経過しているのだ。こうして毎日が過ぎていく。気がつけば、今年も残り少なくなったなぁ。
▲ いつの間に 後姿の今年かな

1221・火・
 いつもの朝、いつものルーティーンワーク、いつものコーヒータイム。
 TBSラジオ、スタンバイではテレビや新聞の世論調査とは異質のリスナー調査の結果。そこから考えられるのはラジオリスナーの質の高さである。時折テレビ音声をラジオで耳にするが、驚くほどワンパターンの解説やコメントを流している。新聞の社説に触れることはないが、世論調査の結果にあきれるケースが多いところからも、独自の見解を自由自在に展開しているとは思えない。今、自由自在を許されるメディアは民放の、それもAMラジオだけかもしれない。FMは好きだが、ジャムザワールドなど、浅い掘り下げと画一的なコメントには失望することが多い。けれども、これがFMの宿命かもしれない。
 寒い。日差がないのだ。エアコンを入れてマッサージチェアにかかる。肩と背中がバリバリになっている。BGMは録音でいただいたラジオ時代劇である。聴いていて思い出したのは、ボクが歌謡ドラマや山下智子さんを意識する前に、このラジオドラマを聴いていた、ということだった。ボクはずっとラジオドラマの熱烈ファンである。そういう中で出会ったのが二木てるみさんであり、山下智子さんであるのだ。ときどきテレビドラマの音声を耳にすることがあるが、おお、ナンタルチヤ、サンタルチヤ。若い役者のなんと修行の足りないこと。
 夕方、民子さんが迎えにきてくれる。豪徳寺まで歩く。まだ雨は降らない。フィレンツェに到着すれば、定例会の望年会。デザイナーのマモさん、声優の智子さん、びっくりバンの民子さん、そしてボク。このメンバーにとっては、忘れたくない一年間であったのだ。
 白ワインで乾杯し、肴はおしゃべりとイタリアンフード。夢中でおしゃべり4時間。外に出たら大雨。智子さんが店から大きめの傘を借りてボクにさしかけてくれる。和装の智子さん、自分が濡れるのもかまわず、ボロボロの革ジャンを着ているボクを濡れないようにしている。この人、美しいのは姿だけでも声だけでもない。心も本当に美しいのだ。
 マモさんは豪徳寺界隈を熟知しているらしく、洒落た喫茶店へ案内してくれた。おしゃべりしているうちに、コボちゃんがクオリスで迎えにきてくれた。世田谷線山下駅前でメンバーは解散。
▲ 大きめの 傘を鳴らすは冬の雨

1222・水・冬至・
 本日は冬至である。この一年間でいちばん昼間の短い朝に早起きをしてしまう。未明よりパソコンに向かう。毎日の外出だったから、少しは落ち着いて机に向かう。
 コーヒータイムでテーブルにつくと、封筒に手が触れた。マキコさんよりビブーティーが届く。このビブーティー、ただのビブーティーではない。と書いても、ビブーティーが何なのか知らない人には興味のない話題。ビブーティーとは聖灰、聖なる灰のことである。ボクもマキコさんもとある聖者に守られている。これについて説明すると長い物語になってしまうので、いつかの機会に語りたいが、このインドの聖者が真実の存在である証が、その物質化能力にあるといわれている。そんな手品めいたことをせずとも、聖者の語るところを正しく受け取れば、存在が真実そのものであることは明白なのだが、善良で頑迷なる市民には通用しない。そこで物質化現象を披露するわけだ。ところがこの物質化、真摯に帰依する者には、その個人にも起きる現象。聖灰は白く香り高い粉末。これが何もないところから噴出するのである。この現象、ボクには起きなかったが、マキコさんには起きている。そこで彼女はその聖灰をボクに贈ってくれた、というわけだ。このビブーティーをいただけば、明日に違いが起きるであろう。いつか、聖なる存在に帰依するという命題について、じっくりと語ってみたい。
 愛育社と電話打ち合わせをしていたら、いつも応援してくださるOAさんが会社に遊びにきてくださったという。エム ナマエの本をすべて揃えたいというご意向だったとか。彼女、どんなに遠い場所であれ、事情が許す限り、エム ナマエのイベントに駆けつけてくださる。そして行列に並び、ほんの一言二言を交わすだけ。ボクにとっては謎の存在であり、また感謝の対象である。
 時間までパソコンに集中。新しい原稿執筆に向けての本格的な準備である。食事も忘れて没頭した。
 ときどきパソコンルームから出ていくと、デブネコのミミが転がるようにまとわりつく。洗面所、台所、トイレ。どこもかまわずついてくる。パソコンルームに入れてくれとせがむ。けれども、ここにはキジバトポッポが翼を休めているのだ。いや、ポッポは飛べない鳩だから、翼ではなく、どこを休めているのだろう。同じ家に、天敵のネコという生き物が暮らしているストレスを忘れようと努力しているのかもしれない。
 いつもの透析。疲れたせいか、熟睡。おかげで血圧が下がる。MEのF技師がよく面倒を見てくれた。
 帰宅して、すぐに熟睡。やはり疲れているらしい。本日は暖かい一日。そして、明日から日が長くなると思うと、どことなく嬉しい。でも、地球物理学的にいうと、明日からが本格的な寒さなのである。
▲ 南瓜食い(かぼちゃくい) 柚子湯(ゆずゆ)で穢れ(けがれ) 清めてる

1223・木・天皇誕生日・
 祭日だが、いつもの朝のルーティーンワーク、いつもの朝のラジオ。原稿執筆。
 冬至は過ぎたが寒さはこれから。けれども今朝も暖かい。日差しがよいので朝の散歩は豪徳寺へ。いつもの花壇で暖かいコーヒーを飲みながらコボちゃんの買い物からの帰りを待つ。豪華野菜の味噌ラーメンをリクエストしたので、その材料を買出しにいったのだ。
 クリスマスイブのイブ。祭日であるから駅前も賑わっている。そんな中、花壇に腰かけ、独り安心してられるのはアルルのおかげ。ボクの右側にぴったり寄り添い、ボクをガードしているのだ。通り過ぎていく人たちが小さな声で
「おりこうさんね」
とつぶやいていく。おそらく、ボクの白杖を見てのことだろう。盲導犬と間違えているのか、さもなければ、気の毒な盲人を守っている健気な番犬と思うのだろう。
 ランチは超豪華野菜たっぷり味噌ラーメン。野菜のこくで濃厚なスープになっており、そのスープの底から、いくらでもガーリックとネギと生姜の微塵切りがわいて出てくる。
 本日からは大阪にて朝日厚生分化事業団主催のクリスマスチャリティー展開始。25日までだが、エム ナマエも出品している。絵が売れればそのすべては寄付されることになっている。
 原稿執筆に疲れて落語をBGMにマッサージチェア。いつの間にか熟睡していた。
 休日なのでNHKラジオのニュースがなくてつまらない。で、ボクは夜も原稿執筆。コボちゃんはTBSラジオDIGの労働基準法の話題に傾聴していた。
 日付が変わってからも原稿執筆。神経を休ませるため、ひさびさ、赤ワインを飲む。日本酒とチャンポンだったので、明日の目覚めが心配。
▲ 靴の音 街に無数のサンタさん

1224・金・クリスマスイヴ・
 未明に起きたら胸に違和感。狭心症の発作かと思って焦るが、昨夜の安物赤ワインが原因の吐き気だった。すぐに落ち着く。血圧も正常で安心。やっぱり安酒の深酒はよくない。気分の悪さは朝のシャワーで洗い落とした。
 支度をしながらスタンバイに傾聴。そしたら、思わず落涙しそうになる。あの赤坂プリンスホテルの旧館が保存されることが決定したというのだ。バブルが弾けて、経営方針を変更せざるを得なくなって、新館が消えることになったプリンスホテルだが、あの赤坂のシンボルともいえる歴史アルアル建造物だけは残すという英断を評価したい。そう。歴史的価値も認めるのであるが、ボクにとっては中学時代の三年間、毎日校庭から眺めていた、美しくも懐かしい館(やかた)なのである。
 金権がただの紙になるというニュース。我が家には音楽券も図書券も文具券もないとは思うが、相当な量のテレカとかメトロカードがある。みんなボクのデザインだ。コボちゃん、それをどうしようか悩んでいる。まあ、金に換えてしまえば、何も残らない。ボクは自分の仕事は残しておきたい。
 朝からの透析ではひたすらラジオに傾聴。面白い。ウィキリークスのおかげで、各国高官の内緒話が漏れてくる。とある中国高官は、自国の経済が世界第二位であることを信じていないそうだ。あの国なら、何があっても不思議ではない。判断基準が国際標準からかけ離れているため、信頼できる柱が存在しない。あるのはただ共産党役員の利権と支配だけ。相手をまともと思うから腹が立つこともある。とはいえ、中国民族と分化が偉大であることに変わりはない。その歴史をいつもボクはリスペクトしている。
 NHKラジオの第二の午前中では、ボクが幼児の頃から愛聴している「お話出てこい」がまだまだ健在。ドンドコドンと太鼓が鳴って童話が始まる。今朝は佐野陽子さんのネコとおばあさんの童話。故人となられた佐野陽子さん、名作をたくさん残されていった。作家として最高の幸せである。
 クリスマスイブのラジオドラマはアンデルセンの『マッチ売りの少女』。何度聴いても泣いてしまう物語。
 カルチャーラジオはアラビアンナイトで、これは先日来傾聴しているが、ファンタジーを理解する過程でのひとつの筋道である。
 そして朗読は正岡子規作品集の最終回。あの有名な句「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺(ほうりゅうじ)」が生まれる切欠となったエピソード。奈良の旅館、可憐な下女が彼のために御所柿を包丁で皮むきをする場面が描かれていた。いい情景である。実際の鐘は法隆寺ではなく、東大寺であったのだが。
 病床の正岡子規、最期の場面は指ひとつ動かせなくなった正岡子規が高浜虚子に代筆してもらい、口頭で伝えたもの。名文であった。おそらく、このしばらく後、子規は絶命したのであろう。
 透析中の食事は海老ピラフとチキンのキノコトマトソース。おまけにイチゴがのっかったケーキ。病院の調理室もクリスマスイブの演出をして患者を盛り上げようとしている。そうなのだ。ボクにとってはダブルチキンとなるわけだが、クリスマスイブにチキンを食べるチャンスのない患者さんだっておられるのだ。
 透析終了間際、苦痛を訴えている患者がいて、技師長が細やかに対応している。ずっと傍に付き添い、あれこれとケアをしている。この技師長とは23年のお付き合い。つまり、コボちゃんと同じ長さのお付き合い。ボクが元気に透析を受けられているのも、このM技師長のおかげなのだ。彼の人間性があるから、ボクはこの透析質を離れないでいるのである。
 帰宅してパソコンに向かう。ICボイスレコーダーのメモをパソコンのデータとして書き込む。これらがエム ナマエのアイディアソースとなるのだ。
 金曜デイキャッチが始まる。今年は警察と検察が、その権威を地に落とした一年間となった。信頼されなくなった警察と検察のもたらす社会現象はいかに、と思うと不安になる。犯罪の犠牲者にはなりたくもないが、また警察や検察の犠牲者にもなりたくはない。
 小沢一郎さんがニコニコ動画を駆使してらっしゃるという情報。確かにテレビは受ける場面しか放映しない。その点、ノーカットのインターネットは伝えたいことを伝えるツールとしては最高だ。いずれ、知能程度の低いテレビ周辺はインターネットに駆逐されるのであろう。でもなあ、デジタルデバイドの影響は小さくないよな。オイラだってデジタル難民のひとりであるし。とほほ。
 宮台先生、今夜は家族で教会にいくそうな。さて、宮台ファミリーはカトリックかプロテスタントか。ボクとしては興味があるのです。
 19時、経堂北教会のイブ礼拝に列席。ラフな服装ではあるが、足元は黒ラメのキラキラスニーカー。今夜のボクは足元だけクリスマスバージョン。青木ファミリーのクリスマスプレゼントに感謝。
 コボちゃんが隣で囁く歌詞を頼りに賛美歌を歌う。クリスマスの賛美歌だけはボクも知っている。それなりに宗教の勉強しているから、歌詞の意味も理解できる。
 ボクは歴史の中の救世主降誕と、神の業を実感したいがため、イブ礼拝に身を置くのである。感謝をするのである。間違いなく神は人類の歴史に関わっておられるのだ。
 旧友のロコとメリークリスマス。ママを失った杉本パパとも、少し悲しいメリークリスマス。いつものイブは、ママから暖かいメリークリスマスをもらっていたのだから。ロコのママと挨拶してから帰宅。軽装だったから、夜の冷えがきつかった。帰宅してからも、しばらくは頭の痛さや体の振るえがとまらなかった。
 クリスマスディナーはこころみ学園のシャンパン、グランノボをあける。沖縄サミットで各国のVIPが味わったとされる美酒である。これだったら、いくら飲んでも二日酔いはない。日本製シャンパンのグランノボはクリスタルと共通の風格がある。このナッツの香りはどこからくるのだろう。不思議でならない。
 クリスマスケーキはアルルももらえる。だから、カットされるまで、アルルは目がらんらん。幸せを神様に感謝するイブとなる。命をありがとうございます。
▲ その夜は ひとつの星に導かれ
◇ バーチャル 奥の細道コース
      立石寺に到着、通過しました。 次は新庄。
   あと、122,788歩です。 現在の歩数 1,651,212歩。

1225・土・クリスマス・
 予報では朝の外気温は1度とか。寒い朝である。ゆうべのシャンパンがよかったせいか、すっきりとした目覚め。先日、こころみ学園の園長先生が90歳でお亡くなりになったが、このシャンパン、グランノボは変わらず醸造を続けていただきたい。坂田明さんをはじめとして、みんなが応援するこころみ学園に未来あれ。
 ブラックコーヒーで頭脳を目覚めさせ、パソコンに向かう。ICボイスレコーダーのメモをパソコンに打ち込む。本当は土曜日のラジオに傾聴したいのだが、山下達朗のクリスマスアルバムをかけっぱなしにしてパソコンに集中。年内の片付けをする。そうして、懸案の原稿執筆に集中したいのである。
 ランチはNHKラジオの昼のニュースと有線放送の漫才チャンネルがBGM。ひさびさ、懐かしいコンビが次々と登場、面白かった。年末のニュースは交通事故の悲惨な報告。暴走して散っていく若い命を惜しいと思う。勿体無い。と思うと、35歳のコンビニ店長が、2歳児のお腹を踏みつけて死亡させている。クリスマスにあって欲しくない事件である。神様に許された命を、どう受け止めるか。ここに個人の生き方が関わってくる。
 午後、1時間だけ横になろうと思ったら、次々に電話とドアチャイム。のんびりとはしていられなかった。
 パカパカ行進曲をBGMに筋力運動と室内徒歩。有酸素運動を1時間。本日は終日室内で仕事。少しは体を動かしておきたいのだ。
 クリスマスではあるけれど、ラジオからは心がうきうきする音も情報も流れてこない。今夜、赤坂名物だったアカプリの巨大クリスマスツリーの最期の夜となるそうだ。クリスマスナイトに若者のカップルを集めていたシンボルが消えていくわけで、またひとつの時代が過去へと沈没していく。
 有線放送の落語と漫才をBGMにクリスマスの食べ物をつまむ。アルルはケーキの残りが気になって眠れない。アルルは日付が変わり、ボクらのケーキのお相伴(おしょうばん)をするまで、ボクの足元で骨をかじっていた。パソコンにはいくつかのメール。みんな、それぞれの年末を暮らしている。
▲ 赤坂の巨大ツリーが灯を落とす

1226・日・
 5時20分に目覚め、NHKラジオをつける。当世キーワードをやっていた。傾聴したが、時代のヒントになる言葉として心に引っかかってくるものはなかった。気になってる番組なので、チャンスがあれば来年も注目したい。
 6時になれば、文化放送に回す。志の輔(しのすけ)ラジオ『落語でデート』。吉沢ひとみという元気のいいギャルが出演。八代目三笑亭可楽(さんしょうていからく)師匠の1962年12月26日に収録した『尻餅』は、このギャルには理解不能だったらしい。彼女と可楽を結びつける言葉も生活習慣も小道具も、どこにも存在しないのだ。これを志の輔(しのすけ)は、貧しさを知らない結果ではないかと分析していたが、納得のいく分析ではある。とはいえ、50年前の録音。半世紀が過ぎれば、周囲はみんな未来人。タイムスリップのできない人がいて当たり前なのである。
 すべての人が落語好きである必要はない。ただ、落語を知らない分だけ、人生で何かを損なうことだけは確実。人間、学んだ者の勝ちである。
 ニッポン放送では藤沢周平傑作選朗読。以前、NHKのラジオ文芸館で聴いた作品であるが、読み手が違うだけで、とても同じ作品とは思えない。朗読、ますます不思議な世界。
 NHKラジオに回したが、既に年末モードに突入しているのか、いつもの名作朗読にはありつけなかった。
 パソコンでルーティーンワーク。本日でTCC東京キャラクターズコレクション2010・青山スパイラルの閉幕。昨日は佐々木信也ご夫妻が訪れてくださったそうで、奥様が絵葉書を購入。メールでいろいろとご質問を拝受した。実際の原画をご覧になり、いろいろと不思議をお感じになったのだと思う。
 外は猛烈な寒さ。とはいえ、日差しは暖かく、豪徳寺まで猛スピードで歩いていく。たちまち体が熱くなる。世田谷線の音をBGMに、山下駅前花壇で日向ぼっこをしながらのコーヒータイム。真っ黒なアルルの体毛が、日差しで熱くなっている。撫でていると、ボクの手が暖かい。
 急いで帰宅。急いで身支度。頭から足の先までバーバリー。けれども、靴だけイタリアン。時間がないので、日曜日の空いた道路をタクシーで。妙に真面目なタクシードライバーで、こちらもちょいと妙な感じ。
 14時、開演ぎりぎりに入場。平松利津子さんが丁寧に椅子まで案内してくれる。14時、下北沢アレーホールにて葉祥明(ようしょうめい)さんの絵本「ハチゾウの不思議な旅」のミュージカル朗読劇。声優さんや俳優さんたちの歌と演技が見事で、ボクは楽しく笑わせてもらった。音楽とリリックがいいのだ。もちろん、主役のハチゾウの女の子、本当に素敵な歌声で、ボクの頭脳には可愛いキャラクターが浮かんでいた。
 葉祥明(ようしょうめい)さんのサイン会を見守る。ひとりひとり丁寧に対応している。それから葉祥明さんが出演者メンバーにエム ナマエとコボちゃんを紹介してくれた。葉祥明さんと親しく談笑。彼、とても幸せそうで、ボクも心よりの祝福を伝える。ボクとコボちゃん、葉祥明さんと三人でがっちりハグをする。楽しい一時(ひととき)。来年2月にアカプリでの再会を約束。平松さんご夫妻とエレベーターまで見送ってくださった。
 ひさびさ、下北沢でお茶する。珍しく喫煙を許す喫茶店。だから客が多く、煙がたなびいていた。コボちゃん、京王デパートでパンプスの買い物。そのやりとりをボクは静かに楽しんでいた。そこから歩いて2分。集合場所の中華レストランの個室に座って、メンバーの到来を待つ。
 18時、「生江一族の幹事会、望年会」。新宿西口新宿ビル地下2階・「謝朋殿」(しゃほうでん)。最初に現れたのは三井ホーム社長、生江隆之(なまえたかゆき)氏。そして、日本福嗣大学、生江明(なまえあきら)教授ご夫妻が現れる。そこへ日本有数のルポライター、なまえゆうじ思ご夫妻。これで全員集合である。
 この四人、ほとんど兄弟。みんな隆之、明、雅則、有二と名前で呼び合う。なにしろみんな生江(なまえ)だから、名前で呼び合うのがいちばん。ウェイトレスのお嬢さん、
「皆さん、本当にナマエさんなのですか?」
と驚愕していた。それにしても、旧知の友、というか兄弟のように親しく談笑。店名も「謝朋殿」。ピッタリである。
 誰がいい出したか、さすがは生江一族、頭蓋骨の形がよく似ているという。で、四人集合したところで、その頭蓋骨を並べて標本撮影。ボクも帽子を取り、普段は見せない薄毛の頭蓋骨を披露した。パチリ、記念撮影。
 三人の、結婚して生江(なまえ)を名乗る運命に遭遇した女性たちに、そのときの印象や決心を尋ねたが、全員なんとも思っていない。ただ、生江という名前は便利だという。みんな、きっちりと覚えてくれるからだ。
 来年の企画もあれこれ。生江一族に伝えられている秘伝のお雑煮を食べることにもなる。これが複雑な製造法で、今からボクは楽しみである。
 なまえゆうじ氏ご夫妻と小田急線で帰る。これも昨年と同じ。そう、昨年の12月26日も生江の会であったのだ。
▲ 年忘れ 四つ並べた頭蓋骨




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