全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2010年11月8日~14日
1108・月・立冬・
 起きてパソコンに向かい、ルーティーンワーク。スタンバイは耳の後ろを通過していくだけ。もう、ロッテ優勝の話題には満腹しています。
 コーヒータイムの後、マッサージチェアで胃腸を刺激。足元ではキジバトポッポが遊んでいる。アルルはボクのベッドで寝息をたてている。と、いきなりの電話。ところが中身が理解できない。最近どうもコミュニケーションに問題を感じる。つまり、誰もが自分中心で、自分が基準になっているから言葉が言葉として機能しないのだ。そして、この責任はお互いにある。
 宮台真司教授からご丁寧な返信をいただく。宮台先生の個人との関係を大切になさる態度には心よりの尊敬を感じる。ボクなどの拙劣な頭脳に対しても、きっちりと説明をしてくださる。ボクにとっては最高の指導者のおひとりである。
 時間までパソコンに向かう。シャワーの後は室内徒歩。BGMはデイキャッチ。デイキャッチの荒川強啓さん、ご本人はどういうおつもりか知らないが、すぐに
「勝たせてあげたかった」
とか
「優勝させてあげたい」
とかおっしゃるのだが、いったいご自分を神様とでも思っておられるのだろうか。どれも個人個人が努力した結果なのだ。そこに荒川強啓さんが関与するスペースなど微塵もないのである。たとえば、どんな熱心なロッテファンでも、自分がロッテを優勝させてあげた、なんて思っているやからはいないだろう。この荒川強啓さんのいつもの勘違いは、しかし笑いのネタにはなっても、それでメクジラを立てるほどのことではない。
 とはいえ、そのモチャモチャとしたしゃべりは、江戸っ子のボクをイライラはさせてくれる。デイキャッチのスタッフ、彼の助詞の間違いを訂正して差し上げた方がいい。ボクは長年荒川強啓氏を敬愛して拝聴しているが、きっと純粋な人なんだろうなあと想像してはいる。まあ、ボクよりはずっと真人間だと思います。
 いつもの透析。ラジオでパーソナル障害という言葉を知る。若い世代に、この境界型が多く見られ、自殺の原因になっていると考えられている、とか。とはいえ、この新しい精神障害であるパーソナル障害については詳しい解説がなかったので、原因も症状についても不明のままである。これから、この調査研究について、もっともっとレポートされていくのだろうか。
 さて、現代社会において、本当に新しい病気が増えているのか、それともますます分類化が進んでいるだけなのか、疑問である。いずれにせよ、病気と治療は表と裏、陰陽の関係にある。
 NHKラジオの「真打競演」は漫才のロケット団。このふたりは寄席の高座で活躍しているので、ボクには馴染みである。いつもの調子で、NHKのステージで張り切っていた。笑わせてもらった。俗曲は玉川すみ。芸暦(げいれき)87年の大ベテラン。頭も冴えていて、芸暦90年の独演会を目指して頑張っておられる。ぜひ実現していただきたい。落語は当代三遊亭小遊三(さんゆうていこゆうざ)。『野ざらし』を演じたが、これがちょっとユニークで面白かった。そして、それ以上に枕が笑えた。「上方演芸会」のパワー不足が気になるが、「真打競演」の東京芸人は頑張っている印象がある。
 帰宅したら木村裕一氏から電話。日曜日の不足分を補うように長電話になる。コボちゃんにいわせると、仲良しの小学生同士の会話であるという。でも、本当は中身のある会話なのだ。
 キジバトポッポの足の爪が長く伸びて、千昌夫(せんまさお)の女房のようになっている。自然の野山で暮らすキジバトや野鳥にはあり得ないことだが、新聞紙や、つるつるの止まり木が環境のポッポにとっては仕方のないこと。でも、これではいずれ止まり木にもとまれなくなるだろうし、新聞紙の運動場も歩けなくなる。ということで、ボクがポッポを抱いて、コボちゃんがその足の爪を切ることにした。さあ、ポッポは暴れる暴れる。ただ、ポッポについて感心することは、ただの一度も人をつついたことがないことだ。そういう点では、ポッポにいくら顔を近づけても不安はない。ただひたすら逃げようとするだけ。でも、すぐにあきらめて、なすがまま。うまく爪が切れました。
 24時半からは、ラジオ深夜便で藤沢周平作品朗読は『海鳴り』。今回は人生を感じた。作家が何歳の頃の執筆なのだろう。この主人公の心境、リアルに迫ってきた。
 今夜も山猫と団栗たちに会いに、夢の森に分け入っていく。
▲ 星空はただ振り返る日々のこと

1109・火・
 最近、早起きができていない。やはり連載を抱えていたときは緊張感が増して早起きが容易になっていたのだ。でも、今朝は腹具合が気になるので跳ね起きる。寝起きの胃袋には冷たいミルクが効き目抜群。そこで冷たいミルクをチビリチビリ。ミルクの一気飲みはいけません。
 さて、ミルクの効果は抜群。大建中湯(だいけんちゅうとう)の効果と融合され、ボクは晴れてトンネル開通。予想していたよりも安産で、生まれたのは女の子。名前を雲(くもこ)子といいます。男の子だったら雲虎(くもとら)という名前にするでしょうけれど。
 朝のルーティーンワークが終わらないうちに、晴天だから散歩にいこうと連れ出される。暖かくて風の強い日。盲目のボクは風の音に邪魔をされ、周囲が見えなくなる。いつものボクは音の反射で周囲の風景を見ているのだが、それが不可能となってしまうのだ。すごく不安。けれども、盲導犬ごっこのアルルが、ボクをうまくガイドする。
 豪徳寺の駅前花壇でコーヒーを飲むが、紙コップに埃(ほこり)が入らないよう、蓋をしたまま飲める工夫をしていたら、マックのコーヒーも、スタバのコーヒーと同じように、蓋の一部を開いて、そのまま飲めるような細工がしてあったのだ。よかった。
 風上で待機していたアルルが、ボクの許可なしで風下へ移動する。アルルのくりくり目玉に砂埃(すなぼこり)が入ったのかもしれない。
 帰り道、この風に家々の窓も閉められているらしい。いつもは吠えるワンちゃんたちも、家の中で静かにしている。
 風邪が鳴り、枯葉舞うユリの木公園の散歩道。カサカサ流れていくのは大きなユリの木の葉っぱたち。そのひとつをコボちゃんが拾い上げ、触らせてくれる。大きな葉とは思っていたが、実際に触ってみたのは初めて。
 アルルの足元でグリーン、イエロー、イエローオレンジ、オレンジ、ライトレッドの枯葉が、乾いた音をたてて踊っている。それをアルルは蹴散らして喜んでいる。
 遊歩道は建物の谷間になっているので、風が渦を巻き、ものすごい轟音となっている。もう、ほとんど台風である。これは後で知るのだが、この日の東京の最大風速は20メートルであったらしい。台風と間違えるのは仕方がない。
 帰宅してパソコンを立ち上げていたら、日本点字図書館の田中理事長よりお電話。大変に名誉な会への参列を許された。この日、木村裕一の絵本講座の講師を依頼されていたので、すぐに彼に連絡をして変更をお願いする。
 青木裕子軽井沢朗読館館長より電話。暗黒対談で合流することになる。その暗黒対談のホームページ記事を絵夢助人さんに送信。
 パソコンに向かっていたら、いきなり不安な気持ちに襲われる。理由は判然としないのだが、足元をすくわれるような感覚である。原因が分からず、嫌な気分でいたら、昼のNHKラジオのローカルニュースで、関東地方に小さな地震のあったことを知り、納得する。このマンションは震度1くらいではまったく揺れないのだが、それでもボクを不安にさせるくらいの動揺はするのだ。
 ランチに石和図書館の斉藤館長からいただいた熟柿(じゅくし)を食べる。熟柿(ぎゅくし)は秋の味覚の王様である。ところが、ボクにはリスクもあるので、食べたいだけ食べる、というわけにいかないのが残念。
 毎日新聞大阪本社から電話で、『ひみつのブルブルさらわれる』のイラストレーション全点を受け取ったとのこと。ひとつ仕事を終えた、という気分。これでまた別の集中を作ることができる。
 コボちゃんは大洗濯大会。ボクとアルルの共用となっているベッドのシーツを洗濯して乾かしている。
 新しくなって、お日様の匂いのするシーツ。アルルはくんくんと匂いをかぎ、遠慮してなかなかベッドに上がらない。アルルでも遠慮することがあるのだ。
 コップ10関係の情報。北極圏の地下深く、シードバンクという施設があるらしい。もしも地球の植物が全滅状態になっても、この零下に保たれたシードバンクの種は無事となる。この何万種類という種たちが地球の生命圏を復活させるかもしれないのだ。けれども、この種たちが、紛争の種になる可能性もある。エネルギーも水も食料も、足りなくなれば、すべて紛争の種となるのだ。
 コボちゃん特製の醤油ラーメンで満腹になったら、しばらく熟睡。で、結局そのまま朝まで眠ることになる。やたらと眠い一日だった。
▲ カラフルな落ち葉のプールで泳げ犬

1110・水・
 5時に目覚め、サンルームのカーテンを開いてやる。しばらくすれば空の明るさがキジバトポッポを照らすだろう。
 パソコンに向かい、ルーティーンワーク。5時半になると、本日の占いが気になって、TBSラジオのおはよう一直線をかけてみる。くだらないとは思いつつ、無料の御神籤(おみくじ)だと思って、ときどき聞いている。羅針盤にはならないが、自分への反省材料にはなってくれる。
 世間は漁船衝突映像リークの犯人捜しに躍起になっている。このデジタル時代に秘密なんか存在でひるわけがない。秘密にしようと思うこと事態ナンセンスなのだ。要するに事実は事実で、問題は理解と対処なのである。
 宅急便でクリスマスのリースが届く。クロネコさんが運んできたのだが、新しいお兄さん(おにいさん)。すると、今までボクのベッドで眠りこけていたアルルが跳ね起きて玄関へすっ飛んでくる。知らない人間がきた、というのでボディーガードをしているのである。ところが、これがいつもの配達のお兄さんであれば、アルルはベッドで身動きもしない。この判断をアルルは足音、ドアフォンの受話器の声、ボクとのやりとりで総合的に、それも瞬時にするのである。アルル、というか、犬という生き物は優れた能力であふれている。
 パソコンに向かっていると、窓からの日光で照り焼きになりそう。たまらずTシャツ1枚になるがますます照り焼きの気分である。
 臨時ニュースが入ってくる。どうやら漁船衝突映像のリークした本人が、自らの行為であると申し出たらしい。こりゃあますます大騒ぎになるなあ。
 着替えをしてデイキャッチをBGMに室内徒歩。本日は散歩のできない日であるのだ。
 デイキャッチの荒川強啓さん、今日も出鱈目な助詞を駆使している。イチローの10年間連続ゴールデングラブ受賞の話題なのだが、イチローは毎日の鍛錬で「体が作る」じゃあないでしょう。「体ができる」でしょう。ヨコハマの国際会議で「警戒が引いている」ではなくって、「警戒が敷かれている」だと思うのだけれども。まあ、出鱈目な日本語を使うラジオ出演者は強啓さんにとどまらないのだけれども、ボクは一人前のラジオパーソナリティーとしては合格の域には達していないと思うのです。ああ、とうとうオイラは小言大家(こごとおおや)になってしまった。
 さて、あのバカブッシュが回顧録を出版したとか。オバマ不利のタイミングだから出せた本なのだろうが、その中で、小泉元首相を大変に褒めているそうだが、あの人に褒められて嬉しい人なんているのだろうか。まあ、小泉さんだったら、きっと喜ぶのだろうな。
 いつもの透析。思った通り、テレビのニュースは映像流出事件のことばかり。ただ、日本テレビの特集で、新しい詐欺についての情報を提供したことには価値を認める。敵の手の内を知ることが最大の防御となるのだ。
 透析質のW技師がよく面倒を見てくれる。ときどきボクの背後霊みたいに、後ろをくっついて歩くのは鬱陶しいが、こういう純粋な青年が医療の現場にいてくれることは心強い。透析室は医者が現場に張り付いているわけではないので、信頼できるスタッフの存在だけが頼りである。
 帰宅したら、絵夢助人(えむすけびと)さんが鎌倉の山下智子さんの語りの会に参加したいとのことで、彼女の許可をいただいてメールを転送する。その後、無事予約とのメールが山下智子さんよりあった。
 久しぶり、秋の夜長にシングルモルトウィスキーを味わう。オンザロックというやつは時間の経過と共に味わいが移り変わっていく。ことにアイラスコッチにおいて、それは著しいような気がする。いい気持ちで熟睡する。
▲ 照り焼きは小春日和のサンルーム

1111・木・
 今朝は朝寝坊。ラジオをかければ、スタンバイは朝刊読み比べ。ボンヤリとニュースを耳にしながら、ルーティーンワーク。
 8時からのモーニングブレイクは月尾嘉男(つきおよしお)東大名誉教授。今朝は天体望遠鏡の話題。望遠鏡が発明されたのは1608年。ガリレオが自ら制作した天体望遠鏡で天体観測を開始したのは1609年。そして、その5年後には日本へも望遠鏡は伝来している。
 さて、光学式天体望遠鏡にはふたつのタイプがあって、まずガリレオ式。これは屈折望遠鏡といい、レンズを組み合わせたもの。ただ口径が大きくなればなるほど、映像に偏向による問題が生じる。これに対してニュートン式は反射望遠鏡。凹面鏡を利用したタイプで、レンズを通さないので映像の質が高い。1999年にハワイ島のハレアカナ山頂に日本が建設したスバルは当時の世界一。ただし、そのスバルも、現在は第8位にダウン。現在計画中の反射望遠鏡は鏡をコンピュータで組み合わせて、口径を飛躍的に増大させている。
 光学式天体望遠鏡に対して電波望遠鏡というものもある。電磁波で宇宙を探索しようというシステムだ。この電波レンズの口径も、コンピュータによるシステムアップで飛躍的に増大しつつあって、その口径は数百メートルにも及ぶという。
 さて、人類はどうしてこのような巨費を投じて宇宙を見たいのか。それは宇宙の果てを観察することによって、我々人類がどこからきたのか、という永遠の命題に結論を導き出すことにある。そして、その結果は、人類がどこへいくのか、という謎にも解答をあたえてくれるのだ。小さな人類が、この広大無辺な宇宙の謎に挑戦している。美しいことである。
 豪徳寺へ散歩。盲導犬ごっこのアルルがブンブンと尻尾を振っている。世田谷線の踏み切りで西岡さんとアメコカ(アメリカンコッカースパニエル)のイギー君と鉢合わせ。アルル、イギー君と挨拶。イギー君もアルルを覚えてくれたらしい。
 豪徳寺商店街のモスでブランチ。開店前の居酒屋の前でアルルは待機。モスのガラス越しにボクらの食事を見つめている。その格好が、利口そうに待機している盲導犬のように見えるのか、通り過ぎる犬好きの人たちがアルルに好意的な視線を投げかけている。
 花壇で一休み。商店街からアルルに声がかかる。目の前を自転車に引かれてジャックラッセルが走っていく。ときどきペダルをこいでいる女主人の足に飛びつき、咬みついている。ワンちゃんにとっては遊びなのだろうが、ずいぶん乱暴な遊びである。
 帰り道、ユリの木講演の枯葉はきれいに掃除されていた。遊歩道で保育園の園児たちと擦れ違う。アルルを可愛いといってくれる。ここ最近、お風呂に入ってピカピカに輝いているせいか、アルルは子どもたちから評判がいい。
 午後からはパソコンに集中。ゆめぞう2011年度の背表紙のアイディアと、年間を通じての月刊「ラジオ深夜便」イラストレーションプランニング。落ち着いて考えることができたので、なんとかクリアする。
 デイキャッチではカラスの話題。どこやらの権威ある調査研究でカラスの識別能力の水準の高さが証明された。カラスは人間の男女も識別しているらしい。そこで専門家が電話出演、解説をしている。カラスは自分を嫌う人間を覚え、その人間の使用する自動車も認識するという。当然、駐車中のクルマはカラスのウンチの爆撃目標となる。そればかりでなく、本人が歩いていれば、頭上からの爆弾投下もあるという。代わりに、好きな人間に対しては、プレゼントを運んでくるという。そのプレゼントが何なのかは、ちと不安だが。
 ボクはこのブログでも書いている通り、カラスとおしゃべりするくらいのカラス好き。だから、ボクが屋外のどこかに座って休んでいれば、隣にカラスが舞い降りる。歩いていれば、声がかかる。窓辺にカラスがやってきて、カアカアと呼びかける。カラスは個体差が著しく、ボクにはすぐ、それらカラスが識別できる。というわけで、カラスとのコミュニケーションにもリスペクトが必要なのだ。おかげで、ボクが犬に噛み付かれたことがないのと同様、カラスの被害にも遭遇したことがない。ボクにとって、カラスはただ愉快な存在でしかない。
 18時、馬場民子さんに連れられ、秋田屋で声優の山下智子さん、デザイナーの鈴木衛さんと合流。
 秋田屋の串焼きは炭火焼き。特にここのシロの串焼きはボクの知る限り、日本一の味。今夜は牡蠣の串焼きも旨かった。
 おしゃべりに花が咲く。ボクにとって、ラジオドラマのヒロインこそが世界一の美女となる。そのナマの美声に傾聴するだけで幸せな気分。ボクにとっては、ラジオのようなこの世界。その中で、声優の山下智子さんは最高のヒロインなのだ。
 デザイナーのマモさんはキッドの源氏物語の会を通じて知り合った人。でも、ボクと山下智子さんと鈴木衛さんは不思議な縁でつながっている。以前からマモさんとはじっくりと話をしたかったのだが、今夜はそれが実現して嬉しい。
 アイバンラーメンで胃袋は満杯。でも、最初のときと味の印象が違っていた。同じ味を維持することはプロの条件で、というか、同じ味が期待できなければ、それはもうプロではない。ちょっと残念である。
 マレットで酒を飲んでいると、ライブハウスのオランのマスターから声がかかった。懐かしい。
 馬場さんから、あの有名な木村秋則(きむらあきのり)さんの完全無農薬林檎をもらう。これが「いのちの林檎」なのである。
 帰宅したのは25時前。ダナキャランの革ジャケにラーメンのスープをこぼしたとコボちゃんに叱られる。仕方がない。あきらめて熟睡する。
▲ 落ち葉踏む和装美人の肩の杖

1112・金・
 TBSラジオ、スタンバイの朝刊読み比べの時間かっきりに目覚める。朝のコーヒータイムのBGMは小沢良子さん。この人の評論はいつも面白い。昔からのファンである。
 満腹になれば、キジバトポッポの遊ぶのを足元に、マッサージチェアにかかり、胃腸を刺激する。
 午前中は雑用に追われ、午後からはパソコンに集中。17文字原稿の執筆と送信。
 金曜デイキャッチをBGMに室内徒歩。宮台先生は体調をパーフェクトに復活されたらしい。興味深く拝聴していると、荒川強啓氏が横から少しばかりトンチンカンな突っ込みを入れてくる。そこまでのリズムと格調を破壊する。客観的に聴いているリスナーにとって、ふたりの格差が明らかになってくる。強啓さんは、このことに気づいておられるのだろうか。一度冷静に、ご自分の番組の録音を再確認することをお勧めしたい。
 西日本に中国からの黄砂がやってきているとか。11月の黄砂は5年ぶりのことであるとか。広島では視界7キロであったそうな。この厄介物、明日は東京にくるかも。コボちゃんは昨日、洗濯を済ましておいてよかったと安堵していた。
 いつもより早めに出て、クリニックの外来で心電図の測定。この外来、最近やけにスタッフの入れ替わりが目立つような気がする。ただ、教育が行き届いてきたのか、最近は患者をなめた「ためぐち」をきく馬鹿な看護師はいなくなった。
 緊張を続けてきたせいか、透析中はよく眠る。上方演芸会を聴いていても、ついウトウトしてしまう。というか、人をウトウトさせるような芸だったのかもしれない。ガンバレ、上方お笑い。
 昼寝をしないと物事ははかどるが、ついつい眠気に負けそうになる。帰宅したら、すぐにベッド。眠気は充分だったので、たちまち眠りに落ちる。瞬間だけ目覚めたら、『団栗と山猫」のラストシーンが流れていた。ボクの無意識が、気になっていたラストシーンだけ聴かせてくれたのだろう。
▲ 厄介は小春日和の砂嵐

1113・土・
 目覚めてからキジバトポッポのサンルームのカーテンを開き、パソコンに向かうと、ルーティーンワーク。
 ラジオでは土曜ワイドが始まっていたが、アルルを連れて豪徳寺へ向かう。ここ最近は盲導犬ごっこを続けているので、アルルもマジメに歩いている。
 いつもの花壇は季節外れのパンジーでカラフルであるのだが、コボちゃんにいわせると、パンジーは改良され、季節とは関係がなくなったらしい。三色スミレとかドいわれたのが七色以上あるという。
 花壇に座っていたら、作家のマキコさんが自転車でやってきて、面白いグッズを見せてくれる。それは水煙のタバコ。吸うと、LEDの赤い光が明滅し、口からは白い煙が吐き出される。これが匂いもニコチンもない水煙。ところが吸った感覚はタバコに酷似しているのだ。直感的に、ボクはこのグッズでは禁煙が難しい気がした。ボクも吸ってみて、ちょいと本物が懐かしくなってしまったのだ。
 帰宅して土曜ワイドをかけながら仕事。永さんたちは先週に引き続きのマカロニ製造談義。この説明の難しい製造法をいかに言葉だけで伝えるか、もしくは伝わるかに出演者がプライドをかける。永六輔(えいろくすけ)さんによる新聞原稿が紹介されるが、この原稿で永さんは、どんな事柄であろうと、必ず言葉だけで伝えることができると主張する。それは真実で、既にボクには伝わっているのだ。ただ、言葉だけでイメージすることに熟練していない個人には難しい作業であることは間違いない。それにしても、この原稿、さすがは永さん、まこと名文である。
 午後のラジオをBGMにして、月刊「ラジオ深夜便」ゆめぞうイラストレーションの下絵。15時からはパカパカ行進曲。本年度の秋のベストセレクションは笑えた。爆笑のあまり、仕事の手が止まってしまうほど。いやあ、本当に世間には面白い、というか、本物の馬鹿な人がいて、みんなを楽しませてくれるのだ。けれども、落語でいちばん偉大な登場人物は与太郎(よたろう)であって、馬鹿な人は、本当は馬鹿でないことの方が圧倒的に多い。
 17時からは東京FMのサタデイウェイティングバー『アバンティ』。今夕は先日亡くなったクレージーキャッツの谷敬(たにけい)の特集。谷敬さんは、この番組に何度も出演されていて、それら音源を編集したものだった。いや、長年人気ナンバーワンのコメディアンでジャズプレイヤーだった谷敬さんの語りは傾聴すべきものばかり。ときどきは仕事の手を止めて傾聴してしまうのだ。
 ボクが初めてナマのクレージーキャッツを見たのは小学生高学年のときだったと記憶している。日本通運の社員慰安会に出演して、ボクはその最前列で彼らの演奏とギャグで笑った。そのとき、同じ舞台には林家三平も出演していて、今から考えるとずいぶん豪華な慰安会だった。この当時から、クレージーキャッツも林家三平も既に人気者であったのだ。
 夕食は光陽楼のニラレバ炒めと雲呑麺。ボクは時間が気になって仕方がない。ポケットラジオのイヤフォンを耳に突っ込み、街を歩く。
 22時15分、NHKラジオではラジオ文芸館。今夜のラジオ文芸館はヤマザキナオコーラという作家。名前を聞いたことがあるような、ないような。ただ、ボクの好みの作品であることは伝わった。『お父さん大好きよ』は血のつながらない娘の一言までの展開がいい。軽妙なようで、それぞれのエピソードに含蓄があるのだ。瞬間、この作家の語らんとするところと、ボクの言葉の絵本が重なってくる。もしかしたら、ボクも言葉の絵本の一言一言を小説に説いてみた方がよいのかもしれない。
 ラジオ深夜便が始まってから2011年新年号の月刊「ラジオ深夜便」のゆめぞう扉イラストレーションの下絵にとりかかる。ハヤブサに憧れたゆめぞうが小惑星にラブレターを配達する絵だ。小惑星には木の家があり、その玄関でウサギが空を見上げている。遠くに地球が浮かんでる。
 ボクは2011年の日本が宇宙時代の文明開化になるといいと願っている。そういえば、菅直人首相も開国宣言をしているじゃないか。そうだ。この袋小路から、わが国は飛躍脱出するのだ。
 BGMのラジオ深夜便では小児精神科医の語る「人生私流」。マルタでの留学経験の逸話が示唆に富んでいた。このお医者の文明論は秀逸だった。我々は文明の副産物に縛られて、みんなが病気になっているのかもしれない。この64歳の人物に著作があれば、ぜひ拝読してみたい。
 またまた宮沢賢治を聴いてから眠る。とてもリアルな夢世界で絢爛豪華な建築物に抱かれて遊んでいたら、突然に目覚める。トイレにいきたくなったのだ。
▲ マカロニを作れば残るスパゲッティ

1114・日・
 5時55分に目覚め、すぐにラジオのスウィッチオン。朝6時、文化放送では志の輔ラジオ『落語でデート』のお相手は「箪笥でゴン」の女優さん。ボクはあまりよく知らない。それで落語は二代目の円歌(えんか)。『巻き返し』という新作落語であるが、時計の螺子を巻くことと、お金のやりとりでの巻き返しを重ねた意味。ここで志の輔も女優も、この巻き返しのお金のやりとりが最後まで判然としなかった、というか、させなかったのであるが、ボクはこの戯作者、もしくは演者がどこかでミスをしたのではないか、と密かに思っている。それにしても1963年の録音で、時計やラジオが貴重品であった時代の新作。舞台のアパートも時代を象徴していて面白かった。
 落語が終わったら、すぐにニッポン放送に回す。藤沢周平傑作選朗読のタイトルがやっと判明。『醜女』(しこめ)。その荒筋が分かったので、俄然興味が湧いてきた。こうなると現金なもので、登場人物に親しみを覚える。人間の基準なんて、実に曖昧、適当なもの。
 NHKラジオのクラシック番組をムネポケットに散歩に出る。ところがレクイエムがかかっていて、気分が滅入ってくる。で、BGMなしで歩く。
 今朝のアルルはゴキゲン斜め。何か面白くないことがあるのだ。盲導犬ごっこはマジメにやらないし、どこか反抗的。そこで服従訓練を厳しく繰り返す。きっちりとできるようになってからスタート。すると、アルルは尻尾をブンブン振りながら歩き出した。
 いつもの花壇でご褒美の儀式を終えてからモスへ。コボちゃんがリードを持つと、アルルは抵抗して動かない。そこでボクがリードをホールド。アルルを歩かせる。いつもの居酒屋の前にアルルを待機させる。そうなのだ。モスはアルルをインチキ盲導犬として認めてはくれないのだ。
 アルル、かっきりと正座、もしくは正しい伏せの姿勢でガラス越しにボクらを凝視している。知らない人から見れば賢いワンちゃんである。
 帰り道、ユリの木の乾いた落ち葉を踏みしめて歩く。アルルははしゃいで、わざわざ大きな音をたてて歩く。その度にアルルの足元で乾いた落ち葉が粉々に砕かれる。
 帰宅してパソコンに集中。昼からの素人喉自慢をBGMに仕事をしたので、あまり印象に残らなかった。一期一会の素人歌手だから、マジメに傾聴しないと、その人の人生は見えてこない。
 パソコンに向かっていたら、いきなりの睡魔。とても闘えそうもなく、素直に敗北、昼寝をする。けれども、音声腕時計のアラーム以前に目は覚める。
 17時、朴慶南(ぱくきょんなむ)さんとキッド・アイラック・アートホールのブックカフェで待ち合わせ。カフェは満席。それなりの年配者が多いのは中村敦夫効果だと思う。
 コーヒーを注文してから朴慶南さんが某雑誌に書いた原稿を読んでくださる。この記事、朴慶南さんがボクに取材し、それを原稿に上げたもの。ボクは以前から朴慶南さんの文章が好きで、そのご本人が目の前で朗読をしてくださるのである。これは感激、有難い。少してれてしまう箇所もあるが、評価していただくことは名誉である。
 この原稿、永六輔(えいろくすけ)さんにもお渡ししたとのこと。ボクが毎日必ずTBSラジオの「誰かとどこかで」を拝聴していることを伝えてくださったとか。以前、永六輔さんがボクの展覧会にきてくださり、ボクがそれに気づかなかったのは、日常の永さんは静かで控え目だから、ボクには、あの永さんとは認識できなかったためだろう。きちんとお話ができなかったことは、今でも残念でならない。
 ここ最近、永さんはすっかりお元気になられ、安心と同時に、ちょっとガッカリ。静かな永六輔は魅力的であったからだ。
 18時開場、キッド・アイラック・アートホールにて窪島誠一郎VS中村敦夫の「暗黒対談」。
 最前列に朴慶南さんと並んで座る。詩人のわすれなぐささんが挨拶にきてくださる。しばらく談笑。
 そこへ窪島誠一郎大先生、渋滞に巻き込まれるとの速報。すると、中村敦夫さん、おひとりでステージに現れ、ワンマンショウを展開。そのトークの面白いこと、愉快なこと、含蓄にあふれていること。さすが、一世風靡の俳優である。きちんとした裏づけがあるのだ。ご本人はラッキーとおっしゃるが、出来事は必然性に担保されている。学歴や経歴だけでも降参に値する豪華版。歴史のある人の語りは迫力あります。
 途中で遅れてきたのは青木裕子軽井沢朗読館館長。見えないボクに手を振っている。そして、もっと遅れて現れたのが窪島先生。みんな楽しくやっているせいか、なんとなくオズオズとステージに上がった。中村敦夫さんのワンマントークでは、既に木枯らし紋二郎になるまでを語ってしまったので、まあ、それからの対談はフリートーク、肉薄していてホールは笑いと興奮の渦となる。
 ブックカフェでの打ち上げは中村敦夫ご夫妻と窪島先生を中心に盛り上がる。今夜はまさに文芸サロンのテイストであった。ブックカフェの早川さんの料理はいつもおいしい。ボクは左手に朴慶南さん。右手に青木裕子さんの両手に花状態。酔いました。
 そういうわけで、とーっても酔っ払って帰宅。たちまち熟睡する。
▲ 暗黒で鬼のいぬ間(ま)に紋二郎




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