全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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Author:emunamae
いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2010年9月13日~19日
0913・月・
 5時に目覚め、パソコンに向かう。窓を開放すると、草木の香りがする。酷暑の間は感じられなかった匂いである。
 週末、汗のかき方が少なかったので水分摂取に気をつける。午前中は原稿執筆。集中して仕上げる。
 日本点字図書館にメッセージを600文字で送信。途中、友人の作家と怒涛のメール交換。
 ランチタイムの後はおえかき。おえかきデスクの隣でキジバトポッポが歩いている。ときどき、ボウボウと鳴き声をあげる。
 17文字原稿執筆は途中まで。明日には送信できるだろう。
 有線放送の落語チャンネルをBGMに室内徒歩。汗をかいてシャワー。いつもの透析。
 芸能人の裁判員裁判のニュースが気になる。この芸能人がどこまでエゴイストであるか、その正体をどこまで暴露するか、興味があるが、ニュースを聴いているうちに眠ってしまった。
 21時からはNHKラジオで「真打競演」。ところが、首都圏に竜巻と洪水注意報。せっかくの三遊亭圓歌(さんゆうていえんか)の落語が細切れにされてしまう。おい、積乱雲。迷惑だぞ。
 ところが、この積乱雲。帰り道のクオリスに豪雨の集中攻撃。まるでバルカン砲で撃たれてるみたい。
 建物の玄関にクオリスを横付け。アルルと階段をあがっていく間、コボちゃんがクオリスを駐車場に。ミミがのんびりと鳴きながら迎えてくれる。キジバトポッポはサンルームで鳥篭の中。
 白菜のおしんこでビール。蒸し暑いのでさっぱりといく。24時半からはラジオ深夜便で藤沢周平作品朗読は『海鳴り』。目の前に本があれば、一気に読んでしまう小説を、毎週というのんびりとしたリズムで楽しむのも悪くはない。ハリーポッターも藤沢周平も、要するに人間ドラマなのだ。
 暑苦しいのでパンツを脱いで寝たら気持ちよかった。
 それにしても、ひさびさの豪雨。日照り続きで、いつまでも雨がなかったので、夕立のことなんか忘れてしまった。
▲ 落語より竜巻雷雨NHK

0914・火・
 未明より起きてパソコンに向かう。ルーティーンワークとメールあれこれ、原稿執筆。
 まだまだ残暑が厳しい。コーヒータイムでコボちゃんに手紙類を読んでもらう。ミミがコーヒーカップとボクの唇の間に割り込んでくるので、口のまわりが猫の毛だらけになる。どうしようと思っていたら、コボちゃんにくっついて、別宅にいってくれた。おかげで部屋を開放して、風通しをよくすることができた。
 朴慶南(ぱくきょんなむ)さんより電話がある。先日の取材を原稿にされている最中であるらしい。美しくてお元気な声を拝聴できてラッキー。
 暑いがエアコンをオフにして、自然の風だけで過ごす。夢中でキーボードを叩いていたら、隣でキジバトポッポがボウボウと歌った。
 午後、17文字原稿を送信する。夕方、おえかきデスクに集中。落語をBGMに絵を描く。
 ラジオを点けるとTBSラジオはデイキャッチ。民主党代表選挙は菅直人氏勝利。けれどもご本人、あんまり喜んでいない様子。小沢氏の鶴の一声で政界再編があるのではないか。小沢氏が上機嫌なのがなんだか怪しい。
 言葉の絵本新シリーズの出版が決まって、その執筆準備。大量のメモの整理。作業をしているうちに、次第に構想がまとまってくる。
 夜の散歩も豪徳寺へ。途中、明らかな低血糖症状で、発汗して足が重くなる。なんとか世田谷線の山下駅まであるき、自販機で甘い缶コーヒーで血糖値を上昇させる。砂糖のパワーはすごい。あっという間に立ち直り、頭も舌もスムースに回る。
 すると、いきなり雨。かなり粒の大きい雨。小田急線のガード下に避難する。巨大な招き猫の裏側にアルルと座る。ますます雨音が激しい。いつまで待ってもやまないので、濡れるのを覚悟して歩いて帰路につく。遊歩道をつたっていく。アルルは雨に興奮してはしゃいでいる。
 帰宅して、言葉のメモ整理の続き。空腹だったので、コボちゃんがとっておきのメニューを公開。でも、これは内緒。以前から、こんな食品があればなあと思っていた秘密兵器で夜食。梅酒を飲んだらいい気持ち。たちまち眠りに落ちていく。
 けれども、夜中、お腹を冷やして目覚める。既に秋。めっきり夜が涼しくなったのだ。パンツを脱いで眠るのは考えものである。
▲ 雨粒が夏の終わりを歌ってる

0915・水・
 5時半に目覚め、パソコンに向かう。ラジオから薄焼きタマゴを敷き詰めたような曇り空、というような表現が流れている。
 昨日からの作業の続き。長い期間に渡ってメモしてきた言葉のヒントを整理、列記していく。
 作業をしていると、次々に新しいイメージや言葉が浮かんでくる。この言葉の絵本のシリーズを後押ししてくださった絵門ゆう子さんや、窪島先生や朴慶南(ぱくきょんなむ)さんに感謝する。以前から愛育社に勧められていた新シリーズのスタートを決心できたからである。これら言葉は年内にも来年のカレンダーや言葉の絵本となることだろう。
 コーヒータイムはあっさりと。ラジオからは秋の涼しさの話題。出演者も半袖ではいられなくなった。ボクもコボちゃんからトレーナーを出してもらう。
 ミミは別宅。キジバトポッポは運動場。涼しい。ちょうどいい気候である。すべての扉と窓を開放して、ランチタイムまでパソコンに集中。
 青木裕子軽井沢朗読館長と25日のトークショウの電話打ち合わせ。11月の窪島誠一郎VS中村敦夫(なかむらあつお)の暗黒対談には一緒にいこう、ということになる。
 涼しくなったので、アルルも一緒にクオリスに乗る。駐車場でアルルはクオリスの番犬をする。アルルのおかげで窓を開放していても、一度も盗みの被害はなし。というか、我が家のクオリスに金目のものは何もない。
 いつもの透析。大相撲が始まっている。クオリス車内からベッドに至るまで、ずっと取り組みに耳を傾けていた。独り横綱が連勝街道を突っ走っている。なんせ、ライバルがいないのだから、新記録もあっという間だろう。
 ニュースはつまらない。政治もつまらない。政治に期待するよりは、自分に期待した方がいい。彼らを変えることはできなくても、自分を変えることは可能だからだ。
 帰り道、駐車場でクオリスを降りると草木の香りに包まれる。緑たちも日照りからすっかり立ち直ったのだ。その緑の向こうに静かに秋が立っていた。
 雨がぱらぱら落ちている。明日、アルルを連れてマキコさん宅を訪問する予定なのだが、雨ならば中止である。
 白菜のおしんこを肴にビールと日本酒。明日仕事が休みのコボちゃんと、ラジオや落語をBGMに、2時間もおしゃべりをした。
 ベッドに入ったら歌謡ドラマを聴く。歌謡ドラマの放送がなくなった今、しっかりと録音しておいてよかったと思う。ほんの少し若い山下智子の演技がフレッシュでいい。必要なのは才能と基礎。でなければ、長くは活躍できない。継続しているすべての表現者に乾杯。てなことを考えていたら眠っていた。
▲ 雨に濡れ木の葉の影で秋の色

0916・木・
 未明に激しい雨音で目覚める。キジバトポッポが濡れないために窓を閉める。サンルームだから雨が吹き込んでくることがあるのだ。その雨音をBGMに二度寝をしたら、朝寝坊。目覚めたのは7時だった。
 お休みのコボちゃんはよく眠っているので、静かにパソコンを立ち上げ、昨日の続きにしばらく集中する。
 本日、ボクの出演した静岡放送制作のラジオ番組が民放連の日本一を受賞したことが発表される。秘密が解禁となるのだ。以下が関係者からの知らせである。
 東京の麹町の民放連のビルで、平成22年度の民間放送連盟賞中央審査が行なわれ、教養部門で全国7ブロックの地区審査1位の作品計7本が審査されました。そしてなんと、エム ナマエさんに出演いただいた「It's a Wonderful world 心は伝わる」が最優秀賞、つまりラジオの教養部門で日本一になりました!今回もエム ナマエさんのコメントの良さを審査員から評価されました。エム ナマエさんには本当に感謝しなければなりません。賞は今までもいくつかいただきましたが、日本一は初めてですから本当にうれしいの一言です。ちなみにSBSラジオとしても最優秀は初の快挙でした。ですから僕よりむしろ、会社の上司やさらに上の偉い人たちが喜んでくださっていることでしょう。
 午後、コボちゃん特製の炒麺を食べる。炒麺と書くとカッコいいのだが、その実態はソース焼きそば。でも、豚肉とキャベツが麺と同じ量、入っていて、屋台や海の家の焼きそばとは大違い。とはいえ、ああしたソース焼きそばには祭囃子(まつりばやし)や波の音のスパイスが効いている。
 我が家でのBGMはお囃子(はやし)や波音でなく、落語。本日から有線放送の落語チャンネルが更新された。今回はどんな根多が登場するのだろう。ゆっくりと楽しむことにする。
 満腹になったら睡魔。デイキャッチの時間まで仮眠。目覚めたら山田五郎が現代美術についての卓見を述べていて、面白かった。そうだよな。アンディーウォーホールなんか、本当にそうだよな。
 夕方から17文字原稿にとりかかる。BGMはプロ野球。ヤクルト巨人は猛烈な雨で試合中断。ボクの窓の外も、激しい雨。キジバトポッポのために窓を閉めてやる。で、この雨のために、アルルはジョイと遊べなくなった。
 17文字原稿が仕上がる頃、ヤクルトが巨人軍に勝利した。最近の原監督のコメントは、いつも負け惜しみに聞こえて仕方がない。というわけで、夜のNHKラジオのニュースまでには試合終了。喜んでNHKラジオに回したら、こっちでも野球中継をやっている。おいおい、NHK。民放の真似をして、プロ野球を試合終了まで放送を続ける必要なんてないんだぜ。
 遅れて始まったNHKニュースを片耳で聞きながら、パソコンあれこれ。ふと飛びこんできた話題は京都のお寺の合鴨の親子。夏留鴨(かるがも)ではなく、合鴨(あいがも)と言い切っていたので、本当に合鴨(あいがも)なのだろう。だとしたら、食べられないとよいのだが。
 さて、この合鴨の親子、お寺の池で子育てをしていて、とうとう加茂川に引っ越すことになる。鴨川までは距離にして500メートル。けれど、そこまでが市街地だから、超えなくてはならない関所がいくらでもある。その最大の難所が交通の激しい大通り。鴨の親子は住民の誘導で横断歩道を渡ろうとしている。
「まだ赤信号よ」
とか
「もうすぐ青よ」
とかの声が聞こえる。すると、
「危ない!」
の叫び声。歩道を突進してきた自転車に驚いて子鴨が車道に飛び出しそうになったのだ。京都にだって暴走自転車がいるのである。
 さて、合鴨の親子は市民の誘導で、無事に大通りを渡り、加茂川の土手に到着。仲良く水に飛び込んだ。よかったね。どうか、食べられたりしないように。
 で、こんな話題を頭に流しこみながら、頭のもう片方では仕事をしている。そうしているうちに遅れてラジオ深夜便が始まった。アンカーはしきりに、遅れて始まったことを強調している。そうだよな。野球中継よりラジオ深夜便の方がはるかに大切だよな。
 ボクは空腹となり、コボちゃんに夜食の催促。BGMは有線放送の落語。本日から新しいバージョン。ボクらにとって、落語は最大の楽しみのひとつ。今月はいくつか予定している落語会がある。
 酔っ払って眠るが、夜中に足の指先が気になって、ベッドに座って爪を切った。寒かったので、窓を閉める。鳥篭でキジバトポッポが小さく羽を動かした。
▲ 雨音が秋の気配を連れてきた

0917・金・
 少し朝寝坊。起きてパソコンに向かい、ルーティーンワーク。開放された窓から気持ちのいい空気。秋めいて、というほどではないのだが、空気は乾いている。
 友人の編集長からの情報だと、こういう空気を色のない風と表現するのだそうだが、酷暑だったこの夏から考えると、確かにこの空気は色を失った、というような印象を歌人に与えるのかもしれない。けれども、目の見えないボクに、この風に色がないとはとても思えない。これから来訪する本物の秋の情報が満載されているからだ。
 コーヒータイムに幼馴染の作った水羊羹を食べる。作家の林望氏が提唱するアントーストの、その餡子を使った水羊羹である。煎茶でなくて、コーヒーともばっちりの相性。ああ、旨い。
 コボちゃんがキジバトポッポを窓辺に解放。上手にはばたき、新聞紙の運動場に着地。途端にぐるぐる歩き回る。
 本日誕生日の親友に電話。15歳からの付き合いである。お互い還暦を過ぎて、お互い加齢したはずなのに、しゃべれば高校生時代へ逆戻り。何も変わっていないのだ。不思議なものだ。この無二の親友、絵夢工房の社長として、エム ナマエをずっとサポートしてくれている。
 遊歩道から蝉の声が聞こえてきた。昨日はまるで聞こえなかった蝉の歌。いく夏を惜しむ気持ちと、早く秋を迎えたい気持ちが綱引きをしている。
 本日はパソコンに集中できた。予定通りにはかどる。ランチタイムの後は筋力運動と室内徒歩。BGMは昨日から更新した有線放送の落語チャンネル。しっかりとしたベテランの高座ではあるが、ボクは若手をもっと聴いてみたい。で、パンチのある落語が欲しくなったので、しばらく志の輔(しのすけ)落語で軽く運動を続けた。コボちゃんが勤務で外出できない日は、室内徒歩で下半身を鍛えるのだ。
 午後からは連載童話の準備に集中。メモも揃った。おおよその流れも見えてきた。細かいギャグも浮かんできた。週末からは執筆開始である。
 本日は菅直人内閣のリニューアル。申し訳ないが、まるで興味がわかず、また期待する気持ちにもなれない。衆愚政治だから政府が無力なのも当たり前なのか。日本の頭脳集団なのに、卓越した専門家が見当たらない。結局、この日本を支えているのは民主主義なんかに期待してない縁の下の力持ちたちなのかもしれない。
 充電池の切れたシェーバーに電源を差込髭剃り。いつもの透析。ラジオは新内閣のことばかりで、つまらない。今から短命内閣であることは明々白々なのだから、興味が持てるわけがない。そう思っていたら、ラジオの充電式バッテリーが切れた。本日はバッテリーの厄日らしい。
 帰宅して、アルルといつもの儀式を済ませたら、すぐに眠る。BGMは山下智子の歌謡ドラマ。演歌歌手たちとの競演だが、歌手は舞台も経験するから、それなりに演技ができている。で、面白くなってきて困ったので、電源を落として眠ることにした。窓は開けっ放し。涼しい空気が流れている。キジバトポッポが小さく羽を振るわせた。
▲ 秋晴れに何を歌うか迷い蝉

0918・土・
 目覚めてすぐパソコンに向かい、ルーティーンワーク。いつもの時間になって、テレビ音声を鳴らしたが、ケンちゃんの声が聞こえてこない。またまた新内閣の話題かと思い、興味がわかず、ラジオを消した。どうにも魅力を感じないのだ。胸がわくわくしてこないのだ。どうせイリュージョンのこの世界。政治家だって手品師や魔術師でよろしいのだ。根拠なんかなくていいから、希望だけを見せてくれ。そうしたら、未来も希望についてくる。
 空は絵にかいたようなスカイブルーだとコボちゃんが上機嫌。快晴であるらしい。着替えをして外に出る支度。アルルはブラッシングをしているときから期待してそわそわ。これからジョイに会いにいく、というと、ますますそわそわ。今から楽しいことが待っているのが分かるのだ。
 経堂駅前を通過してアルルカンでケーキを買う。そのまま本町通りを一直線。消防署の前でマキコさんに電話。お地蔵さんの前で待ち合わせ、ということになる。
 ところが、なかなかやってこない。コボちゃんに聞くと、確かにここがそうだ、という。目の前に小さな鳥居があるから、がコボちゃんの言い分。ちょっと待ってよ。鳥居は神社のシンボルだよ。神社ってのは神道だよ。けれども、お地蔵さんは地蔵菩薩といって、仏教。ここにお地蔵さんはいないよ、よく見てごらんよ、というと、コボちゃんは本当だと納得。お地蔵さんは少し先にあり、マキコさんもジョイもそこでボクらを待っていた。
 マキコさん宅のリビングに上がった途端、アルルとジョイはかみかみし合って、ぐるぐる回る。今度は自分のテリトリーだから、ジョイは余裕たっぷり。それでもまだ、アルルとの遊び方がマスターできず、アルルに押されていた。
 サブちゃんの入れてくれたコーヒーでケーキを食べた。アルルとジョイは並んでサブちゃんからオーガニックのクッキーをもらっていた。
 
 夫婦二組でひたすらの犬談義。子は鎹(かすがい)でなくて、犬が鎹(かすがい)の夫婦である。
 明日の豪徳寺はお祭りだとか。祭囃子(まつりばやし)の流れる山下商店街の「満来」でチャーシュー雲呑麺。ここの焼き豚は本当に旨い。アルルは銀行の駐輪場の日陰になっている安全な場所で待機。
 帰宅してからパソコンに向かい、原稿あれこれ。パカパカ行進曲をBGMにマッサージチェア。そうしたら眠くなり、16時半まで仮眠。
 クオリスで下高井戸。京王線と都営地下鉄で神保町。古書センタービルのカレーレストランで少しばかり上等なポークカレーを食べる。初めての店なので、試しに一人前だけオーダー。そしたら、それが正解。かなり辛くてボリュームたっぷり。開演までの時間がなかったので、コボちゃんと半分ずつを急いで食べた。でも、上等な豚肉なので美味。次はゆっくりと時間をかけて食べにこよう。
 19時開場、19時半開演、らくごカフェで柳家一琴(やなぎやいっきん)独演会。一琴師匠は本日未明に東北北海道の落語ツアーから東京に戻ったばかり。けれども、その疲れをまるで感じさせない熱演。4席の根多を次々に披露した。秀逸は『粗忽長屋』(そこつながや)。この落語はボクが最も好きな根多で、これまで何百回聴いたか分からない。けれども、今夜の一琴師匠の仕上がりは、それらの中でも秀逸であった。ボクもコボちゃんも、並んでゲラゲラ。いつもだったら、途中で一度は居眠りするコボちゃんも、今夜は最初から最後まで、きっちりと楽しんでいた。
 さて、高座を降りた一琴師匠。メルマガで予告していた通り、かなりでかくなっている。それもそのはず。ボクと変わらない身長で92キロは体重オーバーですよ。でも、芸も一回りも二回りも大きくなったので、まあ、いいか。それでも、握手のついでにボディーにタッチさせてもらったら、アドバルーンみたいに膨れていて、驚いた。来月の根多おろしの会までに、どれだけダイエットできるだろうか。
 まっすぐ帰宅。玄関ドアを開いた途端、NHKラジオではラジオ文芸館が始まった。作品は以前、歌謡ドラマで扱っていたもの。朗読とドラマを同じテーブルで論じることは無意味と思いつつも、ついつい比較してしまう。こうなると、単に演者の好き嫌いの問題でしかない。しかし、森ひろみという作家、うまいなあ。
 しばらくパソコンに向かって作業。メールあれこれはカレンダーのプレゼンテーションの依頼が1件、デビュー40周年のイベントの提案が1件、ありがたい。
 作業が終われば、ビールを飲む。ビールはうまいが、ラジオ深夜便のゲストに興味がわかず、有線放送の落語チャンネルに切り替える。それでもつまらないので、録音していた歌謡ドラマを聴く。日付が変わったのでNHKラジオのニュース。すると、おおたか静流のメルマガ、シュガーランドを発信している日本最南端のはてるま島が台風にさらされようとしている。何事もないといいが、と祈る。
 夜中、ふと目覚めると、なんとなく胸がざわつく。不安になる。そんな原因はどこにもないのだが、落ち着くために起き上がり、パニック症候群予防のためのお守り・安定剤を口に放り込む。太宰治の『佐渡』の朗読CDをかけ、よく知った世界で遊んでいるうちに眠くなる。
 と、どこかで何かが鳴いている。キジバトポッポだった。キジバトポッポは夜中に鳴いたと思うと、アルルと並んで歩き出し、新聞紙の運動場から風呂場まで遠出した。そこで、コボちゃんが目覚め、運動場へもどしてやる。けれども、ポッポはちっともコボちゃんに馴れず、すぐに逃げようとする。キジバトポッポはペットではない。キジバトポッポはいつまで人間と暮らしても、野鳥のまんま。それがキジバトポッポの魅力なのだ。
▲ レトリバー白と黒とで待ち合わせ
▲ 青空や祭囃子(まつりばやし)の商店街

0919・日・
 腕時計のアラームが命じるままに5時55分に目覚める。6時からは文化放送で志の輔ラジオ『落語でデート』。今朝の相手は水前寺清子(すいぜんじきよこ)。さすがはチータ。志の輔をからかって遊んでいる。
 落語は三遊亭百生(さんゆうていひゃくしょう)の『宿替え』。聴いた途端に上方落語の天才、桂枝雀(かつらしじゃく)の型を連想する。これまで聴いたどの『宿替え』よりも枝雀(しじゃく)の型に酷似していて、おそらくこれがオリジナルの形なのだろうと納得する。そういえば、ボクはまだ米朝(べいちょう)の『宿替え』を聴いたことがない。
 チータがしゃべりまくっているのを無視してニッポン放送に切り替える。藤沢周平傑作選は剣豪ものなので、どう展開するか楽しみ。これもやはり、このボクが続き物の引力に負けているだけなのだろうか。
 豪徳寺までの散歩は10時過ぎ。花壇の周辺ではスピーカーからの祭囃子(まつりばやし)で賑やか。お昼からお神輿(みこし)が出るらしい。おおきな神輿は豪徳寺の商店街、小さな神輿は山下の商店街。
 この山下という地名、このあたりが世田谷城の城山の下にあたる土地であるかららしい。そういえば城山通り、というような道もあり、引っ越してきて37年にもなるのに、初めて知ったことばかり。これら事実はラーメン一筋60年の「満来」の店内に貼り出してあった新聞記事によるもの。その満来の扉にも貼り紙がしてあって、本日の営業は夕方までとか。
 帰り道、クルマのイグニッションみたいに、なかなかエンジンのかからない蝉の声。気温は上昇しているのに、もう蝉に体力がないのかもしれない。
 びっしょりと汗をかいて帰宅。裸になってパソコンに集中。来年のカレンダーと言葉の絵本新シリーズのための言葉を綴る。数百のメモがあるので、それらを選び、推敲する。
 午後、コボちゃん特製のスパゲッティペペロンチーノを食べる。唐辛子を効かせてくれ、といったら、コボちゃんが辛くてたまらない、といっているが、ボクにはちょうどいい。以前は辛いのがまるで苦手だったのに、今は辛くないと食べた気がしないようになっている。
 7時過ぎ、夜の散歩に出ようとしたら、建物の入り口で1Fのマサミさんから声をかけられ、生まれ故郷のお土産ということで、ちょいと素敵な調味料をいただく。しばらく立ち話。どうやら、怪しい宗教の勧誘が徘徊しているらしい。
 豪徳寺に到着すると、商店街は大騒ぎ。花壇に座ると、すぐそこで
「そいやそいや」
の掛け声。けれど、ちょいと待てよ。ボクの記憶だと、江戸の祭りは
「わっしょいわっしょい」
だぞ。まさか、神田ばかりでなく、豪徳寺の祭りにも神輿マニアがでしゃばっているのだろうか。と、そこへマイクの声がかかり、
「どっこいどっこい」
とガイドする声。おそらく、これが本当の豪徳寺の八幡様のやり方なのだ。どこからくるのか知らないが、世田谷にこれだけ祭り好きの若者がいるとも思えない。とはいえ、街には人出。外国人も見物をしていて、活気のあることはいいことだ。
 神輿(みこし)の列がだんだん近づいてきた。ボクの足元でアルルが彼らを見上げている。すると、神輿をコントロールしているガードマンが、「満来」の店主であることをコボちゃんが発見。この店主、作家のマキコさんはイースター島のモアイに似ているという。マキコさんにとって、モアイさんは古い知り合い。彼女は高校生の頃から「満来」の常連であったらしい。
 帰り道、コンビニでフリスクジャパンを買ってもらう。本物のフリスクは1個200円。海賊版のフリスクジャパンは1個100円なのである。なのに、味は変わらないし、入れ物はフリスクジャパンの方がよくできている。やはり、日本人はアレンジが得意。
 帰宅してパソコンに集中。ルーティーンワークと言葉を完成させる。新しい言葉の絵本シリーズの出版も、そう遠いことではないと思う。
 キジバトポッポとミミがバトンタッチ。昨日から新聞紙を歩き回っていたキジバトポッポはサンルームの鳥篭でひっそりとしている。夜食ができるまで、17文字原稿に取り掛かる。日付が変わってから夜食は豚肉キムチ。昨日からずっと豚肉ばかりを食べている。この季節、豚肉がやけにおいしいのだ。やっぱり秋のせいだろうか。
 ずっと行方不明だった夏目漱石の『草枕』の3枚目のCDをコボちゃんが見つけてくれたので、それを聴きながら眠る。ちょっと心が落ち着いた。
▲ 秋祭り蝉と蟋蟀(こおろぎ)歌合戦
▲ よそ者が担ぐ神輿の露払い





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