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全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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Author:emunamae
いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2010年9月6日~12日
0906・月・黒の日・
 目覚めてラジオを点けたら、本日は9月6日でクロの日だという。誰が考えたのか知らないが、語呂合わせ(ごろあわせ)も大概にせよ、といいたくなる。でも、面白いから黒い健に電話でもしよう。ひさびさ、声も聞きたいし。
 ラジオからの話題は鰯雲。この猛暑ではあるが、季節は確実に動いている。
 これも気象の話題ではあると思うが、先週の金曜日、沖縄の会場に出現した謎の渦巻きには興味をそそられた。エドガーアランポーに渦巻きの小説があったが、鳴門の渦など、渦巻きというような自然現象には興味があるので、実際にこの目で見たかった。さて、森田気象予報士の分析では、これは潮の関係で、短時間に現れた渦ではないか、とのこと。自衛隊の哨戒機が撮影したのだが、人間の気づかない、こうした現象はいくらでもあるような気がする。ボクはいつも空を見上げていたので、頭上の不思議な現象なら、そんな経験をいくつか持っている。
 コボちゃんがキジバトポッポを窓辺に解放する。アルルが傍をいったりきたりしているのに、ポッポは元気に歩いている。
 部屋を全部開放して、パソコンに向かう。積み残しばかりなので、本日中に仕上げる決心をした。
 黒の日だから黒い健氏に電話をする。元気だった。ボクなんかの電話を喜んでくれて、古い友人はありがたい。お互いを大切にできる友人がいること。これは人生の喜びのひとつだ。
 いつもの透析。週末とはいえ、3.3キロと増えが多く、透析の後半は楽ではなかった。眠いのに眠れず、NHKラジオの「真打競演」も耳に入らなかった。
 外に出ると風が強い。ただし、この風の中に秋の香りがする。涼しくはないのだが、旅支度を始めた夏の顔が見えた。とはいえ、京都では本日も39.9度を記録したらしいのだが。
 帰宅して、すぐにベッドに潜り込む。眠らないよう努力して、24時半まで起きている。ラジオ深夜便で藤沢周平作品朗読を聴く。睡魔と闘いながら、なんとか最後まで聴けた。ラジオを消すと同時に眠りに落ちていた。
▲ 虫の声残暑小僧の三度笠

0907・火・
 5時より目覚め、原稿執筆。『ひみつのブルブル』続編へのアプローチ。締め切りの足音が近づいてくる。ボクには何よりも恐ろしい足音である。おまけに新聞連載だから、絵まで描くのである。ああ、昨年の暮れに描いた主人公のケントの顔を忘れてしまったあ。どうしよう。
 8時になってから散歩に出る。直射日光は厳しいが、どこか風がやさしい。肌に絡みつかないで、体温を奪ってくれるのだ。蝉時雨にはまだ勢いがあり、つくつくほうしも鳴いている。けれども、真夏と違うのは、足元で蟋蟀(こおろぎ)がバイオリンを弾いていることだ。
 豪徳寺のいつもの花壇でマックのアイスブラックコーヒー。そしたら、モスの顔見知りのおばさんが挨拶をして通り過ぎる。飲んでいるのがマックだと、バレてないかとコボちゃんが不安になる。やっぱ、240円と120円の違いは大きいのだ。あはは。
 帰宅してラジオをBGMにパソコンに向かい、ルーティーンワーク。先日京都で観測された最高気温39.9度はどうやら観測機器の不具合からきているらしい。通風孔に蔦が絡まっていて、それで観測機器の内部が高温になっていたのだ。気象庁としてはこの記録、訂正はしたくないのだろうなあ。
 ボクが子どもの頃、伯父が秋葉原をアキバハラと発音していた。今週のTBSラジオ、小沢昭一的ココロは、その秋葉原の特集。秋葉神社(あきばじんじゃ)の原っぱだから秋葉原なのだそうだ。この原っぱ、災害時の避難所だったらしい。ボクの伯父が秋葉原に勤めていて、よく近所の万世橋(まんせいばし)に連れていってくれ、肉の「万世」(まんせい)で、当時は高価だったステーキをご馳走してくれたものだった。ボクはこの伯父が大好きで、父親よりもはるかに強く愛情を感じていた。この伯父のおかげで、神田や秋葉原方面には様々な思い出がある。
 腹ふさぎにカレーカップヌードルをかっこんでから、20ある言葉の額から五つの言葉を選び出す。14時、日本点字図書館の小野俊己氏副館長と伊藤史書がくる。額装原画ベストコレクションの21点と言葉の額を5点お預けする。
 小野副館長、かなりな猫好き。しばらく猫談義で盛り上がる。このとき、ミミは別宅で、小野さんに見てもらうことができず。小野さんも『ひみつのブルブル』を読んでおられるので、モデルのミミを直接見てもらいたかったのであるが、本日はキジバトポッポが自由になる番。新聞紙の遊び場を歩くキジバトポッポを珍しそうに見ておられた。
 15時半、キッド・アイラック・アートホールへ作品と書籍を搬入する。坂本さん、早川さんと挨拶。予約がまだ20席と聞いて少し不安になる。果たして客席がガラガラだったらどうしよう。
 明大前から豪徳寺へ直行。あのラーメン一筋60年の店で炒飯(ちゃーはん)と雲呑(わんたんを食べる。この炒飯の焼き豚が旨い。炒め方もうまい。御飯粒(ごはんつぶ)が一粒一粒独立しているのだ。そして、この雲呑、なんと300円。コボちゃんとボクで、1300円とは安いではありませんか。いや、心配になるほど安い。けれども、この老夫婦のおふたり、悠々自適の暮らしをされていて、美しくもお見事。
 ローソンでフリスクを補給し、クオリスで経堂駅へ。17時、経堂駅で朴慶南(ぱくきょんなむ)さんと合流。アルルカンのおいしいコーヒーで取材を受ける。ペラペラと2時間もくだらない話をして、あとで唇が寒くなる。その寒さはクーラーのせいではない。
 アルルカンへ迎えにきたコボちゃんとアルルとで、またまた豪徳寺へ散歩。いつもの花壇で炭酸チリチリのコカコーラを飲む。久しぶりのコカコーラは新鮮だった。
 帰宅して志ん朝(しんちょう)をBGMにマッサージチェアにかかっていたら、睡魔の襲撃。プロ野球の結果も待たず、熟睡。目覚めたのは翌日の2時半。ラジオからは1978年ヒットのダイアーストレイツ『悲しみのサルタン』が流れていて、たちまち覚醒する。ラジオ深夜便は須磨佳津江アナウンサー。3時からのビギンの特集もよかったので、彼らの音楽をBGMに仕事を始めてしまった。
▲ 蝉時雨撃たれて弾くはヴァイオリン

◇ バーチャルおくのほそ道コース  塩釜に到着、通過しました。
    次は松島。あと、17,700歩です。現在の歩数1,046,300歩。

0908・水・白露・
 未明2時半に起きる。ラジオからはダイアーストレイツが流れている。「悲しきサルタン」には1978年当時の思い出が蘇る。担当は須磨佳津江アナウンサー。この人のしっとりとした声は眠気を誘うのだが、ダイアーストレイツのおかげで、すっかり目覚めてしまった。
 パソコンに向かい、ホームページ記事あれこれ。メールあれこれ。気がついたら、未明4時。この時間からはラジオ深夜便、「明日への言葉」となる。
 ボクは昔、三浦雄一郎の記録映画を見るのが好きだった。感動したのは富士山、エベレスト直滑降。そのカメラを担当した人間が語っていて、興味深い。片耳で聴いて、肩耳でパソコンの音声モニターを聴いていた。
 台風9号上陸。ちょっと変わった台風で、能登半島からの上陸は観測史上初めての珍事であるとか。
 コーヒータイムはミミがスリスリしてくるので、ボクの顔もコーヒーカップも毛だらけ。鼻がくすぐったくて仕方がない。
 10時、愛育社の伊東社長くる。来年のカレンダーのことなど、伊東社長と打ち合わせあれこれ。新しい言葉の絵本シリーズをまとめることになる。長年の蓄積、エム ナマエのメモが大活躍することになる。
 14時、月刊「ラジオ深夜便」締め切り。NHKサービスセンターの岩坂記者来訪。寿司を握っているゆめぞうを見て、岩坂編集者、帰り道に寿司を食べていこうかな、なんていっている。
 鈴木宗男氏が投獄されそうだ。議員バッジも剥奪されるし、釈放されても5年間は被選挙権も剥奪される。彼が最も悲しいのは、子どもたちを犯罪者の子どもにしてしまうことだ。検察の横暴が話題になっている昨今、最高裁のこの決定、いかに評価されるのだろう。政治の世界の大きな損失にならねばよいが。少なくても、ボクにとっては鈴木宗男のいない政界は、どこか空気が抜けている。
 睡眠不足なので横になり、志の輔落語(しのすけらくご)を聴いてリラックスする。軽くうとうとしてしまう。
 強い風の中、コボちゃんが帰宅。汗をかいたといいながら、コボちゃんが飲んでいるカルピスを一口横取りする。
 いつもの透析で熟睡する。やはり睡眠不足なのだ。
 熱帯性低気圧になった台風9号、雨を降らせて大暴れ。静岡や神奈川で時間120ミリとか、9月の降雨量の1.6倍を記録とか。きっと協力な雨女が雨乞いでもしたのだろう。日照りの後が大雨で、自然は黙ってバランスを取る。
 帰り道、街にポリフェノールが香っている。この雨で、日照りで痛めつけられていた草木が生き返ったのだ。
 寝る前、コボちゃんと有線放送の落語チャンネルをBGMに寝酒。梅酒のオンザロックがうまかった。パンツがきつかったので、脱いでしまう。気持ちよく眠れたらしく、朝、なんだか元気だった。
▲ 雨上がり夜に草木が目を覚ます

0909・木・
 5時からニッポン放送の「あさラジ」に松崎菊也氏がメインパーソナリティーでナマ出演。のっけから鈴木宗男を演じていた。夜には窪島先生との暗黒対談があるというのに、友人の松崎菊也のピンチヒッターパーソナリティーの3時間すべてに付き合う。ボクはこの菊也氏にぜひともレギュラーでラジオパーソナリティーを担当していただきたい。彼の「あの人の独り言」は最高のパフォーマンスであり、風刺である。
 午前中から午後へかけて、コボちゃんに窪島誠一郎著『父への手紙』を読んでもらう。ボクにとって、これはエキサイティングな作品。不思議だが、この人の幼児記憶というか、過去の記憶にボクはとてもシンパシーを感じてしまうのだ。それは何故だろう。今夜の対談で、その謎は明らかにされるだろうか。分からない。
 着替えて、小田急線と山手線で高田馬場へ急ぐ。駅から日本点字図書館への途中、ラーメンの大正軒(たいしょうけん)を発見。いつかここの「もりそば」とやらを食べてみたい。
 15時、日本点字図書館で原画飾りつけの確認作業。エディターの逆瀬川さんがサポートしてくれる。日本点字図書館の小野副館長や伊藤さんがデザインや美術の道のツワモノであることは知らなかった。これは驚きである。自主制作のポスターが素敵であるらしい。
 飾りつけ現場では日本点字図書館のスタッフやボランティアの皆様から声をかけられる。実際の展覧会が楽しみである。
 16時半に作業終了。逆瀬川さんのベンツで明大前へ。車中での逆瀬川さんとの意見交換が対談のウォーミングアッぷとなった。
 早めにブックカフェに到着、コーヒーとホットサンドで腹ごしらえ。ブックカフェの早川さんは舞台照明から料理まで、なんでも完璧にこなすキッド・アイラック・アートホールの守護神である。
 絵本作家のヨード卵、有田さんがボクとコボちゃんに挨拶にきてくれる。慶應義塾法学部のクラスメイトも声をかけてくれる。
 みんなホールへ上がってしまうと、窪島先生がブックカフェに現れる。なんとなくふたりとも緊張して黙って出番を待っていた。
 ブックカフェから窪島先生の肩を借りてホールへ。窪島先生、やたらと大きい。身長は180センチを超えていて、無駄な肉がなくて、鍛えられた肉体であった。むむむ、カッコいい。
 ステージに上がるとB2の作品が2点。『雨粒』と『階段のある街』。いちばん好きな絵の前での暗黒対談は、夢中で何も覚えていない。そこで、この会にきてくれた、ボクが敬愛する某編集長のメモを拝借することにした。
---焼け跡の風景から始まり、東京オリンピック体感自慢合戦。
「漫画は絵で描くポエムです」
「最近の取材で、つらいほどに親の悪口を言っていた」
「自分の絵を見たい為に、絵を描いていた。今は、誰かがやがて見てくれるだろう、出会うだろう、それらすべての人(心)に届くようにと絵を描いている」
「信じるに値するものは目が見えないところにあるような気がします」
「本能的に全盲の人は色を感じて生きている」
「すべてのものに色がある。万物に。体感も触感も音にも風にも食べ物にも」
「委ねるというところで絵を描いている。委ねることによってボクの人生は成り立っている」
「人生半分の闇と引き替えの絵」
「見えるから見ない。知っているから考えない」
「笑って通り過ぎられなくなった着地点」
「句読点をどこでつけるか」
「生きてきた呼吸のカルテ」
「俺ってカッコイイ」
 画材の話はパステルとアクリルが中心。ミロやシャガール、ダリの作品が好きだった。ルーブル美術館の小さな部屋で再会したコローの『真珠婦人』。青木繁の『海の幸』の、こちらを向いてる少女の顔。万博美術館で再会したムンクの『思春期』の裸の少女。とまどっているような、憧れているような、その表情。それからステンドグラスの話題へ。エム ナマエをプロデュースしたいとか。---
 まだまだ編集長のメモは続く。これは彼の心に見えた風景である。また、あえてこれら発言がボク、もしくは窪島先生どちらかのものかは明記しない。
---エムさんの絵の中を自然光が通り抜けて、薄暗闇に座した椅子で老若男女がエムさんの光を感じながらゆっくり安息の時間を過ごす。作品を見上げながら静寂を感じる。八百万の神がニコニコ見下ろしている。こんあ風景が一瞬、眼前(網膜)に出現してきました。一幅の絵になるなあ。ひょっとしてエムさんはステンドグラスに出会うためにさらなる運命を背負っているのかもしれない。窪島先生のプロデュース。60代カッコイイオヤジ同士のスクラム。多くの人が時代の先からどんどん歩み集ってくる。生あることの喜びが永遠に満ち満ちた時空間の演出。ううん人生っていいなあ。有り難いなあ。路傍の草草に感謝するような心。ニョタイの起伏に指を遊ばせながらちょっぴりいたずらしようとする心。ときめく心。なにかにつながりたい、つながれるかも。そう感じられる心の色と色と色。昨夜は新しい命をいただきました。---
 この編集長、ボクが最も信頼する人物で、エム ナマエの良き理解者でもある。このメモに感動していたら、続編が届いたので、またまたご許可をいただいて、ここに転載させていただく。
---「作品への評価は、作品から入ろうと、人間(人物)から入ろうと、同じ奥の大広間に至るんだなあ」
「めくらは真っ暗ではない」
「友人の画家が語ったごぜ(瞽女)さん小林はる?さんの話なんだけど、『目が見えない人が語る越後の青い空ほど美しく感じたことはない』」
「とっても簡単なことなんですけど、僕は色の三原色を基調に、濁色にならないよう気を配っているだけなんですよ」
「パステルって画材は大変始末に負えない難しい素材なんだよね。色を重ね合わせることがねえ。なんで見えなくなってあえて最も難しい画材を選んだの?ぼかしの技法なんかも……」---
 編集長のメモは次第に興奮して、ほとんど妄想と化していく。
---エムさんのこだわりの話。画材が乾いてくる経緯の質感。体感。指先の感覚の表現。あまりに専門的すぎる内容でしたがなぜか哲学的にも詩的にも心に響いてきました。
 エム&クボ(コボちゃんには失礼)、お二人はすでに危ない関係だと思います。死に向かって燃えさかる愛の炎。お互いの炎は公衆の面前であっても堂々とじゃれあい自慢合戦仕合い、くんずほぐれつ、つかず離れず、ヒクヒク、レロレロ、ワヌワヌ、二人の世界にもう誰も立ち入ることができませぬ。---
 対談が終わればサイン会。書籍がよく売れたのは
「この人は貧しいのです」
の窪島先生の一言。見事な後押しである。
 サインはコボちゃん公認の第二夫人、順子ちゃんがサポートしてくれる。麹町中学のマドンナや慶應義塾法学部のクラスメイトもきてくれた。劇団「娯楽天国」の座長夫人や役者の佐和子さんもきてくれた。きむらゆういち氏や、もう退社した、絵本『あしたのねこ』の担当編集者もきてくださった。ありがたい話である。
 打ち上げは地階のブックカフェ「塊多」で。ホールも超満員だったが、打ち上げも中に入れば、既に満席状態。座れないで立ち飲みしている人もいる。源氏物語の常連、清原さんは空気を読んで、ずっと立ち飲みを続けてくださった。写真取材にきてくださった絵夢助人(えむすけびと)さんも、満員なので、参加をあきらめてお帰りになった。残念である。
 ボクは窪島先生と役者の中村敦夫(なかむらあつお)さんの前に座る。左隣には女優の山下智子さん。右の隣は歌姫、おおたか静流さん、朗読家の青木裕子元アナウンサー、現在の軽井沢朗読館長。ラジオ深夜便の須磨佳津江アナウンサー。朴慶南(ぱくきょんなむ)さんもいらして、ものすごく贅沢な両手に花状態である。ボクの最も敬愛する某編集長や、その部下の可憐な女性が平均年齢を引き下げる。絵本作家のヨード卵、有田さんも参加してくださり、またまた平均年齢を下げてくれた。窪島先生に順子ちゃんを公認第二夫人と紹介した直後、彼女の本物の夫が現れる。遅れてきむらゆういち氏も参加。ボクと並んで座った状態を窪島先生が大物演歌歌手の競演みたいだと茶化している。
 窪島先生とボクのブラックジョークでのバトルを続けていたら、突然、源氏物語の常連メンバーからエム ナマエ誕生日の花束をいただいて驚く。ボクがとまどっていたら、歌姫おおたか静流(しずる)さんがオリジナルナなハッピーバースデイを歌ってくれ、頬にキスしてくれ。感動。アンコールで静流(しずる)さんはヒットナンバーの「花」をメンバーのために歌う。全員、沈黙して傾聴する。今夜の静流さん、いつもに増して素晴らしい歌声だった。
 窪島先生、快調で、次々と面白い話題でボクらを楽しませてくれた。文化の中心にいるが、俗物でも偽善者でもない貴重な先達。話を聴いているだけで学べることばかり。ボクはひたすらワインとシャンパンを飲み続ける。
 何時になっても誰も帰らない。結局、窪島先生の毒ガス発言で解散となる。キッド・アイラック・アートホールのスタッフの皆様、本当にありがとうございました。
 青木裕子館長とコボちゃんとタクシーで帰宅。帰宅したらアルルが嬉しくて吠えた。梅酒のオンザロックを飲み、反省会をして眠る。
▲ ブックカフェ明大前の夜は更けて

0910・金・
 二日酔いだが5時に目覚め、パソコンに向かう。すると、頭のクラクラも胸のドキドキも忘れられる。
 朝、日本点字図書館原画展告知メールをBCC配信。朝のうちにシャワーと髭剃り、着替えを済ませておく。10時45分、代々木山下医院にて、全身骨のレントゲン。11時、副甲状腺エコー、採血。この日までの採血データを持参する。
 またまた、このコミュニケーション能力のないレントゲン技師。障害者に対する明らかな差別があって、いつも不愉快な思いをする。この技師は人を人と思っていない。残念ながらレントゲン技師の中にはこのタイプがまだ生き残っている。要するに医療の地層に生息する化石の恐竜である。と思うと、エコーの検査技師のお行儀のよいこと。言葉遣いはもちろん、患者を人間として扱っている。昨今の病院経営には欠かせない人材である。あのレントゲン技師も早く改心するといい。
 山下先生はいつも素晴らしい。こちらのどんな素朴な質問にも、丁寧に時間をかけて説明をしてくださる。適当にあしらい、追い出すようなことは決してなさらない。笹嶋唯博教授も四津良平教授も女子医大の新城孝道先生も、同じように尊敬できる医師である。その患者に接する態度は見事というしかなく、心からのリスペクトに値する。
 いつもの店で長崎チャンポンを食べる。豚肉の角煮ののっている特製チャンポン。ときどき無性に肉が食べたくなることがあるのだ。で、角煮は旨かった。
 満腹で小田急線に乗る。帰宅してパソコンに向かう。最近のニュースで心に残ったのは、幸せと年収の関係。米国の調査機関によれば、幸せの絶頂は年収7万5千ドル。日本円なら650万円であるとか。それ以上になると、幸せの実感はむしろ低下する。これはボクの経験とも合致する。というのは、今の貧乏なボクは、それなりに幸せであるからだ。
 厚生労働省の女性官僚に無罪判決。これで腐った検察の実態がますます明らかにされていく。これからは検察の主張が引っくり返される判決が増加していくことだろう。検察の威厳は地に落ちた。これで冤罪がなくなればいい。
 ボクがいつもの透析を受けている間、コボちゃんは外回り。キッド・アイラック・アートホールからの作品搬出。コボちゃんは窪島先生からの秩父ワインをもらってきた。生葡萄酒とラベルにある。秩父のどこに葡萄園があるのだろう。
 梅酒のオンザロックを飲んで眠る。疲れているせいか、熟睡したおかげで、早起きできた。
▲ 紫外線掻き分けていけ秋風よ

◇ バーチャルおくのほそ道コース松島に到着、通過しました。
   次は石巻。あと、99,462歩です。現在の歩数1,064,538歩。

0911・土・ナインイレブンから9年・
 起きてパソコンに集中。お礼メールの送信。途中、TBSテレビ音声をかけるが、ケンちゃんの声は聞こえてこなかった。民主党代表選挙で内容が変更になったのだろう。この選挙、外野には手も足も出せない。
 散歩に出ようとしていたら、建物入り口でコボちゃんがミニのミドリカマキリを発見した。触ってみると、鎌攻撃を仕掛けてこない。体長3センチというから、まだ幼いのだろうか。コンクリートに座っているので、草むらに放してやると、ピョーンと飛んだ。蟷螂(かまきり)と思ったのは飛蝗(ばった)だった。コボちゃん、蟷螂(かまきり)は猫の顔だけど、飛蝗(ばった)は馬の顔だよ。
 歩いていたら、ケータイに電話。アリーナドッグスクールの神田訓練士だった。本日未明、日付が変わった直後、男児誕生。おめでとうございます。報告する神田訓練士の声が、どこか潤んでいた。
 ユリの木公園で小型犬のグループに遭遇。全員がアルルの仲良しで、犬の佃煮の出来上がり。佃煮の新しいメンバーはノーリッジテリアのガイア君。
 豪徳寺の花壇で作家のマキコさんとバッタリ。花壇に座ってアイスコーヒーを飲みながら、おしゃべりあれこれ。目の前のラーメン一筋60年の店名を教えてもらう。「満来」。豪徳寺在住のマキコさんが子どもの頃から経営しているというラーメン屋。彼女の息子たちが、ラーメンよりもコーラの高い店と噂していた。このご時勢になっても、ラーメン200円は安い。しかも、ちゃんとしたチャーシューがのっかっている。そして、この焼き豚が旨いのだ。とはいえ、ボクはまだ200円ラーメンを食べてはいない。食べたのは雲呑麺と雲呑。いずれにせよ、スープが本物なのだ。マキコさんと明日の約束をして別れる。
 コボちゃんは外回り。画材関係や日本点字図書館へ作品の搬入。ボクの午後は、ひたすらパソコン。そろそろお尻に火がついてくる。
 コボちゃんが帰宅。途中、幼馴染の山下の店、「いせや」で団子や饅頭を仕込んでくる。どうにもコボちゃんは「いせや」の前を黙って通貨することができないのだ。
 山下の作る和菓子は特別。自然な柔らかさの団子を食べてからボクは仮眠。で、仮眠より目覚め、腕時計のアラームをセットしてパソコンに集中。外出ばかりだったので、積み残しが多い。時間になったので、ラジオに傾聴。
 22時15分、NHKラジオではラジオ文芸館。作品は、以前歌謡ドラマでやっていた『栞(しおり)の恋』。第一印象は効果音が大きくてアナウンサーの語りを邪魔している。次の印象はアナウンサーの朗読が下手糞。朗読なのか、それとも演技なのか、徹底した方がいい。演出がまずい。ただし、作品の魅力で最後まで引き付けられた。しかし、歌謡ドラマの山下智子の、あの鍛えられた演技と、どうしても比べてしまうのはいけないことだろうか。
 コボちゃん特製の豚肉の生姜焼きで乾杯し、反省会のあれこれをしてベッドに入る。歌謡ドラマの録音をかける。女優、山下智子のひたむきの演技が光っていて興奮してしまい、なかなか眠れなかった。
▲ 蟷螂(かまきり)の背中を撫でて秋の風

0912・日・
 未明より起きてパソコンに向かう。積み残しを捌く。
 朝6時からは、文化放送では志の輔(しのすけ)ラジオ『落語でデート』。四代目柳亭痴楽(りゅうていちらく)の『親爺の勉強』。枕の「痴楽綴り方教室」が面白くも懐かしい。
 8時半、コボちゃんがクオリスで作家のマキコさん夫妻とジョイを迎えにいく。アルルはコボちゃんの追い鳴きをしていたが、コントロールをかけて、一緒に階段をおりる。アルル、服従して階段をゆっくりと降りる。ちょいとばかり危うい(あやうい)が、よく従った。
 建物の玄関でジョイの到来を待つ。しばらくして、マキコご夫妻とジョイが到着。アルルとジョイの挨拶。アルルが嬉しくて一声鳴いただけで、あとは2頭の大型犬、犬同士らしく、うまくやっている。アルルは犬に慣れているが、ジョイは犬との遊びにまだ慣れてはいない。それでも、部屋に入ってからはアルルがしきりに遊ぼうと誘う。で、ジョイはアルルのヨダレだらけ。ホワイトゴールデンレトリバーのジョイは実におとなしくて、まるで無駄吠えをしない。人間によくなつき、いうことにも従う賢いワンちゃんである。
 実はジョイ、アリーナドッグスクールの神田訓練士が先生で、ボクも神田訓練士も基本的には同じやり方でワンちゃんに接するので、ジョイは本能的にそのことを理解するのかもしれない。嬉しいのは、ジョイが真っ先にボクに挨拶してくれたことである。
 マキコ夫妻とは犬の話題ばかり。難しい話は一切なし。コボちゃんが再びマキコ夫妻とジョイをお宅までクオリスで送っていく。
 クレージーキャッツのメンバー、谷啓(たにけい)さんが亡くなったらしい。ニュースを中途半端に耳にしたので、詳しいことは分からない。だが、事実ならば残念だ。クレージーキャッツのメンバーも次第に消えていくが、いい時代のシンボルだったし、ボクらのアイドルであったのだ。またひとつ、高度成長時代が遠くなっていく。
 ランチはコボちゃん特製のタンタンメン。とうとうそういうシーズンになった。このタンタンメン、王味(わんみー)スタイル。麺より沢山の竹の子と椎茸の微塵切りと挽肉がかかっていて、ヘルシーで美味。本当はスープを全部飲みたいのだが、それはなんとかガマンする。
 来客のSさんが駅のトイレで財布を落としたとの電話。約束を1時間ずらして経堂駅方面へ歩く。残暑ではあるが、風が秋めいている。
 Sさんとはメールの往復でお互いよく知ってはいるのだが、会ってしゃべるのは初めて。ずっとお互いの美術論を中心に語り続ける。頭のいい人なので、ボクも頑張った。
 真剣におしゃべりしたので、かなり疲れる。ちょっとのつもりの夕方の仮眠が仮眠でなくなり、目覚めたらラジオ深夜便が鳴っていた。
▲ 夕暮れの青い蜻蛉(とんぼ)を見たという





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