全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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Author:emunamae
いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2010年4月12日~18日
0412・月・
 5時に目覚め、パソコンに向かってアイディアのメモをまとめる。温かさの訪れは創作意欲を連れてきてくれた。とはいえ、本日は冷たい雨が降っている。またまた、冷たい雨の月曜日なのである。けれども、パソコンに夢中になっていれば、時間はあっという間に過ぎ去っていく。しばらくはメールからも離れていたので、気になっていた方々へ次々に返信する。
 14時、月刊「ラジオ深夜便」6月号イラストレーションの締め切り。編集部のIさんがきて、15歳の老猫、キロンを膝に乗せて談笑。Iさんは冷たい雨の中、生まれたばかりのゆめぞうを連れてNHKサービスセンターへ帰っていった。
 パソコンに夢中になっていたら、フリスクが切れてしまった。ボクはニコチン中毒からは解放されたが、フリスク中毒は重症化しているので、ハッカに飢えてもだえていた。そこへコボちゃんが帰宅、フリスクの配給にありつけた。
 いつもの透析。FM-J-WAVE、グルーブラインZは新番組。DJのミックスマシーンは相変わらず笑えるのだが、ピストンの相手役がしっくりこない。この少女、まだおじさんの良さが理解できていないらしい。新しい副所長を迎えた「おもしろ研究所」は日光の手前で、イマイチ。おお、古いギャグ。日光結構ダイワ観光♪。
 21時5分からはNHKラジオの「真打競演」。なだこうじとモダンカンカンを聴くのは久しぶり。
「地球の上に朝がくりゃ♪」
の名調子は歌姫美空ひばり誕生の立役者かわだはるひさの名調子そのままに歌い継いでいる貴重なボーイズである。メンバーの高齢化も目立つが、腕は落ちちゃあいねえよ、といいたげに、気持ちよく歌っていた。漫才の高峰和裁洋裁(たかみねわさいようさい)はマンネリで、漫才も巧みとはいえないのだが、古い芸にはそれなりの味があって、つまり寄せの楽しみというのはそこにあるのだ。知らなかった芸人との出会い。それが寄席の醍醐味である。ボクはこの「真打競演」というラジオ寄席に、そのポイントで期待をしているのだ。トリの落語は三遊亭笑遊(さんゆうていしょうゆう)。「丁寧におをつけて呼ばないでね。お醤油」が枕。出し物は『かわず茶番』。今夜の「真打競演」はまさに寄席の幕の内弁当的な良さを味わうのにふさわしい構成だった。
 帰宅してコボちゃんとビール。ひさびさのアルコールであるこーる。つまみはチンした中華五目あんかけ焼きそば。肉団子もあったけど、睡眠前にはちとヘビー。
 TBSラジオのDIGの月曜日にはあまり期待していないので、ラジオ深夜便に回して葛西聖司アナウンサーの甘い囁きに耳を澄ます。24時半からは藤沢周平作品朗読。今夜からは新しい作品が始まる。長編小説、『海鳴り』の第一回である。これから、またまた月曜日の深夜が待ち遠しくなっていく。
▲ 月曜日冷たい雨の花散らし

0413・火・談志家元高座復活の日・
 午前中はベッドで寝返りをうちながらラジオを聴いている。なんとなくグズグズしたかったのである。
 予定の時刻に小田急線に乗る。車内で、作家なまえゆうじ氏からメールをもらったばかりだったので、彼の噂話をしていたら、隣の人に声をかけられる。ボクと同世代で、同じ業界の人らしき雰囲気。昔の飲み仲間らしく、なまえゆうじ氏が元気で活躍していることを知り、喜んでいた。
 一般の人は、テレビに出なくなるだけで、その人がいなくなったような錯覚をするものである。どこで誰が聞いているか分からないから、いい加減な噂話だけはご法度である。さて、そういうボクも、ここしばらくはテレビに出ていない。エム ナマエはもう活動中止したのではないかと思う人がいても無理はない。テレビには、それだけの力があるのだ。良し悪しは別にして。
 新宿駅西口のバスターミナルから東京女子医大いきのバスに乗る。運賃を払うのに、いちいち障害者手帳を見せるのは面倒臭い。障害者にもパスモとか、ケータイ財布のようなノンタッチのパスがあればよいのに。新宿駅から東京女子医大までは15分間。この道程はボクのある時代を思い出させる重要な経路。様々な風景が心に蘇る。
 14時、東京女子医大に到着。新城孝道(しんじょうたかみち)先生受信。待ち時間に立川談春(たてかわだんしゅん)の『赤めだか』をコボちゃんに小さな声で朗読してもらう。けれどもコボちゃん、昨日からの鼻風邪で、ときどき喉を枯らしている。本日、高座に上がる談志家元の喉の調子はどうだろう。家元復活の日に弟子の書いた本を読むのも不思議な気分である。
 新城先生は決していい加減な診察はなさらない。だから待ち時間は短くはない。けれども、ボクはいつもこの待ち時間で朗読を楽しんでいるのだ。そうしているうちに、看護婦さんから名前を呼ばれた。
 新城孝道先生はいつも必ず新しい何かを教えてくださる。本日は下半身と背中の手入れ。ボクの筋力運動の指導者も新城先生なのである。カーテンで仕切られた診察室を新城先生は次々に訪れ、ひとりひとりの患者さんに対して、実に丁寧な治療と指導をなさる。だから患者たちは、いくら待たされても決して不満をもらさない。きちんとした説明をする、という意味では代々木山下医院の山下賀正(やましたのりまさ)先生も同じ。だから患者たちは、待たされることを決して苦痛とは思わない。優れた先生方に恵まれていることは幸せなことである。
 懐かしいバスで新宿紀伊国屋(きのくにや)ビルへ。懐かしいカレースタンドでしゃぶしゃぶカレーはシーフード。喫茶店はアジアの言葉で満ちている。新宿は東京というよりは香港の雰囲気。駅前地下街を歩いていると、左右からヒップホップの重低音攻撃。
「わあ、あの女の子の目、黒いゲジゲジに襲撃されてるみたい。ほらほら、あの子はタヌキよ。パンダだったらよかったのに。お化粧落とすの、大変でしょうね。視力、低下しないかしら」
 コボちゃんは女の子たちの目の厚化粧を心配している。とはいえ、そんな情景描写に、ボクは魑魅魍魎の闊歩する新宿駅前お化け屋敷を空想して遊んでいた。
 モンスタータウン新宿に別れを告げて、経堂駅に降りると、いきなり涼しい。やはり新宿よりは田舎なのだ。
 帰宅したら某放送局のディレクターさんよりの留守電。ラジオをつけたら巨人阪神で阪神の敗色濃厚。ラジオを消してBGMはポールウィンターとザトウクジラのコラボ。パソコンに向かい、あれこれしていたら、次々にメールが入ってくるので、楽しくメール交換。
 22時からのTBSラジオは神保テツオの「DIG」火曜日。テーマはツイッター。ゲストは宮台真司、水道橋博士、ホリエモン、他。「DIG」という番組がツイッター普及番組であることが判明。ただ、ホリエモンひとりが、入手したばかりのアイパッドで遊んでいた。要するに、ツイッターにせよ、アイパッドにせよ、皆さん新しい玩具が欲しいのだ。ボクだって、目が見えたら一日の大半をゲームに費やしていることだろう。
 ブレインカムパニー、H2OのKH氏とメールでチャット遊び。駄洒落やツイッターについてあれこれと意見交換。実に愉快だった。
 ベッドに横になると早速、新城先生のご指導の通り、腰と背中のメンテナンスをする。道具は1977年のケニアで、マサイ族の戦士から入手した投擲武器。球根のある木を掘り出し、削り、乾燥させたもの。適度な重みと丸みがあり、鉄のように堅牢である。投げるための柄がついているので、背中に押し当てても位置を動かすのには都合がいい。というわけで、足のストレッチをしながら、腰と背中の壷を刺激した。これまで、このマサイ族の武器、肩たたきなど、いろいろと便利に使ってきたが、これぞ本物の氏名を与えられたように役立ってくれている。志ん朝(しんちょう)の落語一席がメンテナンスには充分で適度な時間かもしれない。おかげで体はかなりリラックスできた。
 ラジオを点けてみると、プロ野球のニュース。巨人阪神、6対0から7対9で阪神の大逆転勝利であったことを知る。さぞや面白いゲームだったろうと想像して笑う。セリーグもパリーグも、団子がいちばん楽しい。
 ベッドに入って思うこと。新宿はいつも面白い。エムも歩けば棒にあたる、である。
▲ 春うらら桜飛んでるバス通院

0414・水・
 5時に目覚め、NHKラジオを点けると、耳に入ってきたニュースは立川談志(たてかわだんし)高座復帰。20分間の高座を勤めた家元が、声の出ないことを悔やみ、引退をほのめかしたと伝えているが、ご自分の芸も含め、すべての演芸を心より愛している談志家元のことである。体力の回復を実現し、これからも高座を努め続けられることをボクは信じている。
 スタンバイのモーニングブレイクはお天気お兄さん、でなくって、そろそろお天気おじいさんの森田君が担当。北極振動について語っていた。今年は太陽が不活発で黒点も観測されていないらしい。エルニーニョさえ終息しつつあるという。どうして北極の気圧が高く、そこから冷機が噴出しているかは謎であるらしいが、今年の春が冷たい春であることは現実だ。これからの冷夏を思うと憂鬱になる。ボクは太陽さんさんの夏が欲しいのだ。
 話題は違うが、最近のボクは地球温暖化説に対してかなり懐疑的立場を取っている。データ改竄問題もあるが、小さな気温変化よりも、宇宙のダイナミズムの方がはるかに大きな影響力を有していると思う。人類は己のエゴのため、悲劇的に視野狭窄に陥っている。すべての論は、己のエゴイズムの充足のために用いられているような気がしてならない。
 パソコンに集中していたせいで、神経が興奮しているのでマッサージチェアにかかる。昨夜のマサイ族の武器による壷刺激で下半身はリラックスできたが、肩と背中は凝ったまんま。それで背中全体をほぐしてやって、1時間半の熟睡をゲットした。
 珍しいことに、しきりに電話が鳴っている。某放送局のKディレクターとは話と気分が合ってしまい、長い時間、楽しく意見交換してしまう。実際の収録が楽しみである。
 いつもの透析。傾聴するはラジオ解説。世界中で発生する核物質盗難は100件を超えるという。これは驚きである。オバマ大統領が核テロ防止のための国際会議を招集するのは当然の配慮だろう。というよりは、核テロを最も恐れ、心配しているのが米国なのである。なんせ、いちばん恨まれていますから。
 さて、この話題の提供がFM-J-WAVEのジャムザワールド。フィフティーンミニッツの出演者は元自衛官の軍事アナリスト、カミウラモトアキ氏。先週から始まったTBSラジオの「DIG」の第一回でも出演していたが、兵器オタクだったボクは、彼のレポートをかなり信頼している。武器という物は、それを取り扱ったことのある者にしか分からない感覚がある。西部劇に出てくる拳銃で有名な物はコルト45・ピースメーカー。人を殺傷するための武器の名称が平和作り人なのであるが、兵器や武器というものは、いつもこのパラドックスをはらんでいる。カミウラ氏はこの感覚とコモンセンスを有する、信頼すべき軍事アナリストなのである。
 この夜の彼は最新兵器情報を語っていた。驚くべきは無人兵器。アフガニスタンで敵地を攻撃する戦闘機は、米国のマイホームから通勤して、オフィスから遠隔操作するパイロットによって操縦されているのだ。戦車も同じである。周囲の景色を見回しながら敵をたたくのは、やはり、母国のオフィスに座って遠隔操作するオペレーター。小銃にしたって、銃口に備えられたテレビカメラで敵を狙撃する。狙撃者はその場には不在だから、自分が撃たれる心配はない。こうなると、戦争にも技術や貧富の格差が生じ、まこと不公平な戦いとなる。こんな戦争形態が許されるなら、いっそロボットゲームやバーチャルウォーゲームで雌雄を決してもいいじゃないか、と思いたくなる。戦争で貴い人名を賭ける必要がなくなるわけだ。それにしても技術革新があまりに早過ぎて、もはや現実はSFを超越していた。
 透析終了直前、背中の壷を刺激してやりたくなる。そこで思いついたのが胡桃。早速、帰宅したら机の南部鉄の胡桃の化石レプリカをつまみ上げる。これぞ、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』のプリオシン海岸で発掘される、あの大きな胡桃の化石なのである。これは2005年に花巻の宮沢賢治記念館で購入したもの。で、これで壷を刺激すると、ちょっといい気分。これからは、この『銀河鉄道の夜』の胡桃を透析の友にすると決めた。
 パソコンを開くと、沖縄の比嘉タクシーに関するメールが届いている。ホームページの記事を読んだ人が、やはり比嘉タクシーに感激して、最近の比嘉さんの仕事ぶりをつたえてくれたものである。YKさんからいただいたそのメールの一部を、ご本人のご許可をいただいて、ここに掲載させていただく。
 先週、沖縄へ行きました、横浜在住のYKと申します。タクシーの運転手さんにとてもお世話になり、心に残る楽しい思い出ができました。一緒にとってもらった写真をお送りしたいのですが、その方からいただいた名刺と、インターネットで見るSタクシーの住所が違っていたので、調べようと色々検索をしていたところ、エムナマエさんのHPに行き着きました。拝見していると・・・「毎日が感動」に登場するタクシーの比嘉さん、まさに私達もお世話になった比嘉さんだったのです!!とてもびっくりして、どうしてもお伝えしたくて、失礼ながらメールをお送りしている次第です。バス停で少し迷っていた時に声をかけていただき、南部めぐりをお願いしました。あまりにも楽しかったので、次の日も水族館まで連れていっていただき、二日間お世話になりっぱなしでした。3日目から比嘉さんが一緒じゃないのでちょっと残念でした。いろんなお話をしてくださり(もちろんサンシン付)、とても楽しく過ごすことができました。また、お仕事に対する姿勢などとてもすばらしく、温かさのようなものが伝わってくる方で、お会いできただけでもとても貴重なことでした。一緒に泡盛のみたかったです・・・。二日間しかお会いしていませんが、また沖縄にいく機会があればぜひお会いしたい方です。今日は偶然にも私の誕生日です。こんな日に偶然にも、エムナマエさんのHPに出会い、比嘉さんのお話を拝見し、とても嬉しいです。エムナマエさんの絵、お見かけしたことがあります。お名前は存じ上げていなかったのですが、絵やエッセイを拝見して、心に響くものがありました。また拝見させていただきます。それでは。
 ありがたいメールである。そして比嘉さんが少しも変わらずにご活躍されていることが本当に嬉しく、盲導犬アリーナと3回も訪れた沖縄の空気を思い出し、懐かしさでいっぱいになった。最後の沖縄への旅が、事実上、盲導犬アリーナとの最後の長旅であったのだ。このとき、アリーナは今話題の普天間の小学校で、全校生徒を相手に遊んだのである。あのときの、小学校の真上に飛来する攻撃ヘリコプターのローター音を忘れることができない。
 さて、今夜のTBSラジオ「DIG」のテーマはペットの葬儀屋。悪徳業者が話題になっているが、沖縄来訪の翌年にこの世を去った盲導犬アリーナもペットの葬儀屋さんにお世話になった。このときのことは現在執筆中の『ありがとうアリーナ』に詳しく書くが、大変に丁寧な扱いをしてくださり、ボクにとっては永遠に忘れられない別れの場となった。あのペット葬儀屋さんの丁寧で親切な対応に、ボクは今も感謝している。
 腰の壷を南部鉄の胡桃で刺激しながら志ん朝(しんちょう)の落語を聴き、その銀河鉄道のプリオシン海岸で出土した胡桃の化石を枕元に眠る。
▲ 春よこいお天道様よ燃え上がれ

0415・木・
 アルルを連れて千葉の海岸で遊ぼうと予定していたのだが、冷たい雨の降る、とても4月半ばとは思えない寒い一日で、ドライブはあきらめ、家にいることになる。ずっと恒例だった千葉方面ドライブは今年も実現できないのか。早くアルルを海岸で遊ばせてやりたい。
 そういうわけで、猛烈なる朝寝坊。昨日の疲れがあったのかもしれないが、午後3時前まで熟睡してしまった。TBSラジオの「キラキラ」をBGMにパソコンを立ち上げる。
 いつもだったら朝の儀式を午後にしているので、体も頭も不調。眠っていた神経を目覚めさせるため、筋力運動と室内徒歩に励む。BGMはデイキャッチだが、ニュースヘッドラインを聴いて頭を傾げる。佐渡で、自然に戻される直前の、あの鴾(とき)たちを襲ったと疑われるテンが捕獲されたと伝えているからだ。ケージに仕掛けられたトラバサミをテンが引きずっているのだ。残酷ではないか。鴾たちのケージに残されていた体毛と、このテンの体毛のDNA鑑定をして、このテンが犯人であったかどうかを特定するのだそうだが、だったらどうするのだ。絞首刑にでもするというのか。鴾であろうと、テンであろうと、自然界では弱肉強食の法則の下、バランスを保って共生している。そのバランスを崩して鴾を絶滅させたのは人間ではなかったのか。今や、テンも貴重な野生動物である。そのテンだって毛皮の材料として乱獲されたではないか。テンを犯人扱いするニュース原稿も、これを発表した当局もセンスを疑われていい。そもそも、鴾を絶滅に追いやったのも、復活させた鴾たちを死なせたのも、すべて人間の間抜けさなのである。デイキャッチランキングでは荒川強啓氏も山田ゴロー氏も同様のコメントをしていたので、これが一般的な反応であることを確認して安堵する。要するに当局の頭が幼稚なだけなのだ。
 気象庁の発表だと、今年は開花から満開まで、長く桜を楽しめた年であったとのこと。このニュースについても、荒川強啓氏と山田ゴロー氏は、桜はパッと咲いて、パッと散るのがいい、と反論している。ごもっともなご意見である。けれども、ボクにはどちらでもいい。人が桜を見て嬉しければ、ボクも嬉しいのだ。
 ギンギラ大臣経験者とそのまんま知事が何やら相談をしているらしい。このふたり、仲良くすればするほど逆効果。人気もたちまち急降下。けれども、こうした動きがあるのも鳩山首相が何を考えているのか分からないから。鳩山首相の腹案とは、どういうお考えなのだろう。期待はしているが、安心はしていない。
 しばらくパソコンに集中していたが、ラジオを点けると野球中継をやっている。またまた阪神が巨人軍をリードしているので愉快な気分となる。もし勝てば、阪神の5連勝となるのだ。
 それとなく阪神を応援しながら、ラジオをポケットに入れ、外出。外は寒いが寝惚けた頭には好都合。気持ちよく歩きながら経堂駅前の光陽楼へ。大好物の雲呑麺を注文する。満足。帰りはすずらん通りの人気パン屋で買い物。寒かったり雨が降ったりの天候不順が原因だとは思うが、世間になんとなく元気のないのが気になった。
 帰宅して林檎を食べる。最近、おいしい林檎がなかったのだ。コボちゃんは、いくら冷蔵技術が進歩しても、季節外れがおいしいはずがない、という。けれども、やっと満足できる林檎が見つかってよかった。とはいえ、我が家でいちばん林檎を食べているのはアルルである。
 しばらくパソコンに向かっていたら、野球の結果が気になった。ラジオを点けると、阪神の逆転負け。知らないでおけばよかった。
 TBSラジオでは「DIG」をやっている。この番組、慣れて聴けば面白い。毎回、その道のエキスパートたちが電話出演して持論を披露する。スタジオのメンバー次第ではあるが、かなり高度な議論が展開されるし、時事問題が掘り下げられていく。リスナーの電話出演がなくなったのは寂しいが、要するにこの番組はツイッターの普及プログラムという側面のあることが見えてきた。世の中はディベートからツイートへシフトしようとしているのか。無駄に長い議論よりも、短歌や俳句が好まれるのかもしれない。とはいえ、世の中がツイッター一色になることはない。生物の多様性の保護と同様、メディアやコミュニケーション、表現手段の多様性が保護されて当然である。グローバリズムの裏側で、見えない地球が膨張している。メディアから漏れている事実はスーパーコンピュータのキャパを遥かに超越していく。
 ラジオ深夜便で24時のニュースを聴いてから、いただいたままになっていたメールへ返信をする。終わったのは1時半。それから志ん朝の落語をBGMにストレッチ。それにしても、寒くてつまらない一日だった。
▲ 四面楚歌飛べない鳩がタマゴ抱く

0416・金・
 毎日のニュースに耳を傾けていると、世界はどこへいくのだろうと不安になる。けれども、いつの時代も世界は激動していたし、市民は不安におののき、そして未来は暗黒だった。けれども、今日もボクは生きていて、人類は過去を飽きることなく繰り返している。だから、これでいいのだ。ボクら地球座の役者には、ひとりひとりの役柄が与えられているのだから。
 春の海岸をドライブしようと休みをとったコボちゃんだが、この真冬の天気で、家の中にイヌやネコ、ヤマバトとひきこもってる。
 ネコドモを別室に隔離してからキジバトポッポを窓辺に解放してやる。するとポッポ、アルルの腹の下を横断ではなく、縦断して窓辺まで歩いていく。ポッポからアルルはどんな生き物に見えているのだろうか。窓の外では霙(みぞれ)が降っていた。
 オバマ大統領、2030年までに人間を火星に送るといい出した。1961年にケネディーは10年以内に人類を月面に到着させると宣言し、1968年にそれは実現した。果たしてオバマは人類火星探検の夢を実現できるのだろうか。このニュースを耳にしながら、ボクは小学生低学年のときに高田馬場のパール座で見たSF映画『火星探検』の映像を思い浮かべていた。
 夢といえば、今週の動きとして心に残ったのが時効撤廃への道が開かれたこと。議論はあるが、この動きで安堵している人たちが確実に存在する。
 安易に激昂する人たちが増えている。この傾向に対して宮台真司教授はグループワークの教育の有効性を説いている。社会のミニチュアとしてのグループの中で、人間の多様性に触れることにより、寛容性を養うことができるとしているのだ。多様性の坩堝(るつぼ)で、様々な個性、能力、才能があることを実感することは必要であると思う。
 ボクは中学までは公立だった。小学校は班教育で、机をT字の形に並べて勉強したものだったが、今でもそのひとりひとりの顔を思い出す。そのひとりが軽井沢朗読館の建設コンダクター、首都大学東京の教授、日本建築学界副会長の深尾博士である。ボクにとって、ああした天才少年と学んだ経験が、というか、夢を競った経験が、今の自分を作っているのだ。金持ちの子も、貧乏人の子も、天才もボクのようなアホも、みんなでコミュニケーションしていた。相撲をとり、ドッジボールをぶつけられ、女の子の噂をした。手出しをしないで、黙って見守っていてくれれば、子どもたちは自分で気づき、学んでいくのだ。大人は子どもをもっともっと信頼していい。
 そういえば、宮台教授と深尾教授は同じ教授会だった。ボクのパーティーで、おふたりを紹介したことを思い出した。
 いつもの透析。最大のニュースはアイスランドの火山噴火。欧州の空路はすべて断ち切られた。北極振動と火山灰。今年は冷夏に悩まされるような気がしてならない。
 野球中継は広島中日。広島の放送局による中継だが、ニュートラルなアナウンスと解説がいい。東京の放送局は、どうしてあんなにヒステリックに巨人軍を応援するのだろう。頭が悪いとしか思えない。どうも放送局の重役よりもリスナーの方がレベルは上かもしれない。その証拠に、明らかに巨人ファンは減少しているのだ。マスコミに今いちばん必要なのは多様なニーズに応えようとする姿勢だろう。それともまだ聴取率や稚拙なアンケートの結果を信じているのだろうか。そもそもアンケートに答えること自体がオッチョコチョイの証拠なのだ。
 上方演芸会は漫談のナオユキが印象的だった。この芸人さん、これから注目していきたい。ベテランもいいが、新しい才能にどんどん出てきて欲しい。
 あまりに寒いので、鹿児島の芋焼酎のお湯割りを飲む。膝には老猫のキロン。15歳とは、既にアリーナより長生きをしているのだ。
▲ 温暖化遮るように火山噴く

0417・土・
 朝から雪が降っている。気温は2度。これで最も遅い降雪記録と並んだ。1969年以来の、実に41年ぶりのことである。その当時、ボクは渋谷の児童会館真正面の深夜クラブでバーテンダーをしていた。その日、地下の店から階段を上がっていくと、雪が降っていたことを思い出す。ボクはそこで働きながら個展を開く準備資金を貯めていたのだ。そしてその11月、最初の個展「空」を開くのである。翌年の1970年、ラッキーなボクはイラストレータとしてデビューすることができたのだ。ボクにとって、渋谷という場所は人生の方向を決める重要な拠点であった。
 朝はTBSテレビ、下村健一のサタズバレポート。今朝は重たいテーマ。法学部出身のボクではあるが、法律関係の単語が行列しているのを耳にするだけで拒絶反応が出てしまう。ケンちゃんには悪いが、内容がちっとも頭にはいってこなかった。ただ、検察官が不起訴できなかった事案(じあん)を民間が起訴に持ち込む困難だけは伝わってきた。
 パソコンに向かっていたら、コボちゃんが新聞を抱えて飛び込んでくる。川田龍平君の奥様、ジャーナリストの堤未果(つつみみか)さんが誰だか分かったといってる。新聞記事は昔、テレビで活躍されていた馬場康一氏
の訃報だった。堤未果(つつみみか)さんは馬場康一さんのお嬢さんであったのだ。
 ここでボクは、今までしまい忘れていた大切な記憶を蘇らせる。ボクは馬場康一ご夫妻にその昔、お世話になったことがあるのだ。それはボクがイラストレータになったばかりの頃のエピソードである。渋谷西武デパート7Fはボクの人生にひとつの方向を与えた場所。ボクはそのフロアの催事場で絵本の原画展を目にしたのだ。マンガクラブのメンバーだったボクは瞬間、将来の方向を絵本作家にシフトした。そして、そのフロアにカミカという紙製品だけを取り扱うユニークなショップがあって、興味を抱いたボクは毎日のように通ううち、その経営者と顔見知りとなり、現代音楽の作曲家、北村得夫さんから仕事を依頼されたり、以前から可愛がっていただいていた漫画家のやなせたかし先生に似顔絵を描いてもらい、食事をご馳走になったり、という経験をした。ボクの最初のミニ絵本「雪の坊やを販売していただいたり、展覧会をさせてもらったこともある。それだけではない。それがご縁で、当時のガールフレンドがカミカでアルバイトをすることになった。そのユニークなショップの経営者こそが、馬場康一ご夫妻であったのだ。元NHKアナウンサーの下重暁子さんのレコードジャケットの仕事をさせてもらったのもこのショップとの関係だった。
 ボクが渋谷を拠点にしている間に、渋谷西武デパートもパルコも生まれ、原宿も公園通りも賑やかな繁華街へと発展していった。その走りともいえる喫茶店「時間割」にもボクは出入りをしていて、店主に「雪の坊や」を売ってはみないか、と勧められたこともあった。プロの画家になったばかりの鮮烈な記憶は、すべてこの渋谷の街に集約している。
 パカパカ行進曲をBGMに特製タンタンメンを食べて、そのエネルギーで筋力運動をする。
 17時、太陽が傾き、北風の吹く中、豪徳寺まで往復の散歩。途中、ボストンテリアのチャップリン君とアルル、空中戦で遊ぶ。北風の中を急ぎ足で歩くと、顔面だけを残して、身体全体が温かくなる。
 22時15分、NHKラジオではラジオ文芸館。スギモトソノコ作品「冬の蝉」は江戸を舞台にした侍サラリーマン小説。再放送だったので、気楽に楽しめた。サラリーマン経験のないボクにとって、これは面白いだけの物語となってしまう。宮仕えの気苦労をボクは具体的には知らないのだ。ただ、有名出版社でのアルバイトが長かったので、実際のサラリーマン生活の疑似体験だけはしている。今となって、その経験は貴重なものとなっている。
 ヒメカミのイーハトーボをBGMにパソコンに向かう。ICレコーダーに蓄積したメモやアイディアをコンピュータの内部に整理する。
 コボちゃんはラジオ深夜便で林望(はやしのぞむ)氏の話を聴いている。どうやら帰国したらしい。これから源氏物語の翻訳に挑戦するらしいが、彼は英文学者ではなかったのかな。林望氏は幼馴染の山下の親友で、また小学校時代の仲良し、林あすかちゃんの親戚である。ご本人とは面識がないが、不思議なご縁を感じている。
 2時までデスクワークをして、柳家小三治(やなぎやこさんじ)と小さん(こさん)の落語で頭をリラックスさせてから眠る。
▲ 懐かしき景色の浮かぶ春の雪

0418・日・
 朝6時、文化放送では志の輔ラジオ『落語でデート』。テレビを観ないからボクは知らないが、今朝のゲストはバラエティーで大活躍しているオペラ歌手。その知識と見識は、量産されたタレントの中では輝いて見えるものかもしれない。面白そうな人物だった。落語家は六代目三遊亭円生(さんゆうていえんしょう)。出し物は『豊竹家』(とよたけや)。円生お得意の音曲物(おんぎょくもの)で、つい最近、お弟子の円丈(えんじょう)師匠が同じ出し物をラジオで披露していた。ただし、新作落語ではトップランナーの円丈師匠は義太夫のうまさを、というよりはそのアレンジのうまさを披露していた。亡くなった先代円楽(えんらく)師匠も、この円生(えんしょう)の愛弟子であった。五代目古今亭志ん生(ここんていしんしょう)、六代目三遊亭円生(さんゆうていえんしょう)は昭和に輝く永遠の名人であって、これを襲名する咄家はもう出てはこないだろう。長嶋や王と同じ、永遠の欠番である。
 気持ちのいい日差しの中、豪徳寺へ散歩。途中、コボちゃんが軍団を目撃、回避したので、少し遠回りをする。駅前でアルルにおやつをあげてからモスで食事。そこで面白い人物に出会って、思わず握手をする。やはりモスは大人のための店なのだ。帰り道、天気に浮かれてカラスたちがしきりに歌っていた。
 軽く食事をして着替えをしていると、ミュージシャンのコーちゃんからケータイへメール。アースデイで、山本コータローがステージにいるらしい。コータロー、いつもの調子でやらかしているらしい。彼とは連絡を取り合ってはいるが、いつもお互い、留守電のメッセージ。とはいえ、けっこう長くしゃべっている。彼のステージは愉快なので、また早く聴きたい。以下はコーちゃんからのメール。
 代々木公園の野外フリーイベント,アースデイには毎年,情報収集も兼ねて遊びに行っているのですが,たまたまそのステージでコータローさんがメッセージを声張り上げていたのを見たら心が熱くなって,エムさんを思い出して突然メールを発信してしまったのでした。思えばエムさんたちと一緒に出演していたジョンレノンミュージアムのカフェでコータローさんは熱く語っていました。偏った情報に世間が躍らされている様な状況が頭にくるんでしょう,きっと。僕もそんなとこあるので共鳴してしまうのです。コータローさんの発声に共鳴した僕がエムさんに電波を発信してしまったのです。三寒四温というにはあまりにも強烈なこの頃ですがお身体お大事にして下さい。又フィレンツェに行きたいです。
 17時、1Fのマサミさんが玄関を叩いてくれる。アルルが大歓迎をしていた。彼女のエスコートは初めてだが、スムースに歩く。小田急線、千代田線、三田線で春日へ。
 山下智子さんの源氏物語の語りの会にきてくれた枳穀聖子(げずせいこ)さんの朗読コンサートへ出かけてきた。このエチカの会は後楽園の古民家カフェで開かれたドラマリーディングと称される朗読コンサート。原作は川上弘美作品(新潮文庫)『おめでとう』)から。この会場は後楽園にある古民家カフェ。70年昔の建物で、二階へあがるのは階段というよりは急な梯子である。けれども、いい雰囲気の店だった。座ると、隣に長谷川清子さん。ご夫妻できていた。清子さんはこの古民家の正面の長屋で生まれたとか。彼女にとっては懐かしい場所なのだ。八千代からは清原さんもきていて、キッドアイラック・アートホールの源氏物語のメンバーが集まった印象。
 さて、枳穀聖子(げずせいこ)さんの語りは川上弘美作品の不可思議な雰囲気を、リアリティーをもって伝えている、という印象だった。ご本人は関西訛りを気にしていたが、朗読の邪魔になるほどではない。ただ、きちんとしたトレーナーがつけば、もっとスムースな朗読にはなるだろう。とはいえ、ボクが最近思うのは、朗読はこれでなくちゃいけない、ということがない、ということだ。文学が無限の多様性と可能性を秘めているように、朗読表現にも無限の広がりがあっていい。朗読にお手本はない。ボクはそう考える。枳穀聖子という語り手の情熱と技量は、それ自体で評価されていいのだ。少なくとも、ボクは今夜の語りを充分に楽しみ、笑わせていただいた。
 終演後、椅子から立ち上がると、二階の床が傾いていることを知る。この古民家、あと半年で壊されるという。日本は古い物を大切にしない。ロンドンだったら考えられないことである。清子さんもいっていたが、どこもかしこも知らない街に変身していく。
 階下に降り、キッドのメンバーで赤ワインや食べ物で談笑。帰り道の地下鉄、清原さんとは途中まで一緒で、マサミさんとマンションの1Fでお別れしたのは午前0時。あっという間の夜だった。
▲ 古民家で不思議の噺春の夜





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