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全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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Author:emunamae
いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2009年12月14日~20日
1214・月・
 未明、4時より起きて『ありがとうアリーナ』執筆。ほんの少しばかり二日酔いの気分だが、仕事をしていれば気にならない。
 コボちゃんも早起きをして月刊「ラジオ深夜便」のイラストレーションの仕上がりをチェック。赤ちゃんドラゴンの瞳の彩色を忘れていたらしく、どうするか聞かれる。しっかりやっているつもりだが、ボクの目の中と、目の前の絵には若干のズレがあるのは仕方がない。それをコボちゃんが指摘してくれる。いちばんありがたいのは、コボちゃんがずぶの素人であることだ。盲目のイラストレータにとって必要なサポートは純心な目と、洗練されていない手なのだ。
 コボちゃんは慌しく出勤。ボクは缶コーヒーで孤独なコーヒータイム。ラジオをBGMに17文字の原稿をまとめる。
 毎年、今頃になると必ず、今年は激動の一年だった、という声が聞こえてくる。嘘だろう。激動しなかった一念なんて聞いたことがない。歴史は常に激動しているのだが、人間がすぐに忘れてしまうだけだ。その証拠に、人類は歴史に学ぶことがないから、戦争の絶えることがない。
 大きな包みが届いた。コボちゃんが帰宅してから、開けてもらうのが楽しみ。中身は何だろう。
 昼が近いのに、柳家一琴師匠のメルマガが届いていない。心配になり、電話する。すると、ただ忘れていただけ、という。よかった。師匠はクルマで移動するし、血圧も低くはないから、事故か病気かと心配になったのだ。一琴師匠には、ぜひとも生きて化けて欲しい。ボクはこの師匠が高座でしくじったのを一度も聴いたことがない。そうなのだ。ただの一度でもかんだり滑ったりしないのだ。皆さん、ぜひとも一琴師匠の落語を体験して欲しい。ボクの知る限り、最も正当な落語家らしい落語家のおひとりである。
 午後、窓から日差し。キジバトポッポは窓辺でアルルと日向ぼっこ。月刊「ラジオ深夜便」イラストレーションの締め切りでやってきた岩坂さん、その様子を観察していった。
 デイキャッチが始まるまでパソコンに向かう。シャワーと髭剃り、着替え。いつもの透析。グルーブラインのミックスマシーンが始まるまではテレビ音声でニュースを聴く。
 ラジオから聞こえてきた冷たい家庭をテーマにした川柳は
「我が家では温かいのは便座だけ」
というもの。笑う。家庭の冷たい理由は愛情不足というよりは、むしろ不景気。テレビのニュースの特集も安売りとローン破産と、不安を誘う話題ばかり。
 4時からずっと仕事をしたせいか、7時のNHKラジオニュースを聴いていているうちに眠っていた。目覚めたら、青木裕子アナウンサーの声。彼女が副所長の「おもしろ研究所」では、またまた所長がおかしな食べ物で泣いている。奈良漬カステラ。さて、お茶で食べるか、コーヒーで食べるか。いちばんいいのは別々に食べること。
 真打競演を聴くが、この番組も歴史が長い。ボクが聴き始めた頃の司会は立川談志と三遊亭円楽だった。当時、この番組は迫力と緊張感にあふれていたのだ。
 帰宅して田中康夫と亀井静香のアクセスを拝聴。亀井静香という人はまともな政治家。我々が間違うのは、政治のパワーバランスの中で、個人を見失うからだ。
 24時半からのラジオ深夜便で藤沢周平作品朗読は『殺すな』。今夜から、また新しいエピソードが始まった。
 ラジオ深夜便の葛西聖司アンカー、元禄時代のこの日、これからの時間に起きる赤穂浪士の討ち入りについて、深い感慨をもって語っていた。この葛西聖司アナウンサー、歌舞伎や芝居については著作もあるほどの専門家なのである。
 萩原朔太郎の朗読CDをかけて眠る。
▲ 缶コーヒー窓辺に置いて暖める

◇ 秩父札所めぐりコース

法王山岩之上堂に到着、通過しました。
次は要光山観音寺。

1215・火・
 5時より起きてブログのための17文字原稿のまとめ。コボちゃんはボクのベッドで眠っている。勤務が休みなので、ゆったりと眠っている。コボちゃんが起きる前に17文字原稿を仕上げてしまう。
 いつもだったらTBSラジオのスタンバイを聴く時間だが、コボちゃんが寝ているので、小さく音楽をかけて缶コーヒーで独りコーヒータイム。で、あれこれ考えながらパソコンに向かう。
 先日亡くなられた南田洋子さんのお店の名前をずっと思い出していた。今も愛用しているトルコ石の指輪も、その店で購入したものだ。今、その店のあった小田急経堂アパートやOX、ジョイフル商店街のあったビルは、この地上から消えてしまった。そして、南田洋子さんも。けれども、ボクが10年間仕事をさせてもらったそのアパートの入り口横にあった店の名前をどうしても思い出したかったのだ。そして、それは不意にボクの頭脳に降ってきた。「ペリ」おそらく間違いはないだろう。一応ネット検索をかけたが、今のところは発見できずにいる。ずいぶん昔のことだし、小さな店だったから、検索は難しいかもしれない。店主だった南田洋子さんご本人から確認できない以上、あとは誰かに確認してもらう他は確かめようがないが、ペリという言葉には懐かしい響きがある。他の人にはまるでどうってことのない話題だが、このことは、ボクには大切なことなのだ。
 コボちゃんが目覚めたので、タッチ。今度はボクがベッドで眠る番。
 昼前にすずらん通りの「英」に駆けつける。ひさびさ、コッテリバリカタのラーメンを食べたくなったのだ。いや、旨かった。正午のチャイムが鳴る15分前には満席。東京で屈指のラーメン店という人気は変わらない。
 満腹となり、すずらん通りを歩いていたら、アサズバで紹介されたとやらの焼きたてメロンパンの店に行列ができている。たちまちコボちゃんがモジモジ。じゃあ買えば、ということでコボちゃんは食べ歩き。おいしいの?とボクが聞くと、焼きたてであることは間違いない、とあとはノーコメント。要するにそういう味なのだ。
 すずらん通りの入り口、小田急の旅行代理店へ。仙台への往復新幹線のチケットをゲット。
 帰宅してパソコンに向かう。午後のコーヒータイムはラフランスとジャムのような熟柿。またまた満腹になったので、アルルを従えて豪徳寺まで散歩。世間では寒波到来とかいっているが、ボクは薄手のトレーナーに革ジャンだけでOK。過去、あれほど寒がりだったボクはどこかへ消えてしまったらしい。これも血行再建の手術と筋力運動の成果である。
 世田谷線の山下駅前で軍団と擦れ違うが、摩擦は生じなかった。飼い主がダメだとイヌもダメになるのだが、少しは躾に成功したのか。モンスターペアレントが話題になるが、イヌにもモンスターペアレントがいる。でも、この界隈で軍団といわれていること、ご当人たちは知る由もあるまい。
 グルリと終点の世田谷線山下駅を回り、ノンストップで帰ってくると、デイキャッチの時間となっていた。キジバトポッポは止まり木、アルルはマッサージチェアで、並んで外を見ている。そろそろ日没が近い。
 仙台イベントでの講演原稿と、東北芸術工科大学院講義のコンセプトを考える。原稿をまとめてICレコーダーに録音。これで講演の準備は完了。日曜日の講義のテーマは創作と出会いにしたいとボクは考えている。これはまだ岡田教授には確認していない。
 このパソコンルームでボクは三つのシステムを併用している。そのひとつのモニターの上にゴジラが出現した。限定制作の、全長1メートルはあるだろう、かなり大型のフィギアである。ボクのモニターはブラウン管だから、こんな大きな人形でも乗せておけるのだ。薄型の液晶パネルだったらこうはいかない。このゴジラ、405号室でずっと眠っていたもの。ボクはひさびさのゴジラ出現で嬉しくてたまらない。そして、ゴジラもボクに頭を撫でられて喜びのあまり、万歳をしている。
 ゴジラは失明直前にボクに作家転向を決心させた恩人。いや、恩獣。国際版ゴジラが企画されたとき、そのオリジナルストーリーのオファーがあって、見えない目で書きあげた原稿がボクに勇気を与えてくれたのだ。だから、ボクもゴジラ万歳。
 夜食は新潟から泳いできた生鱈子を肴に日本酒。ボクが鱈子を食べると共食いになることは、ボクの周囲では周知の事実。さて、この生鱈子の煮物、これでおしまい。日本酒との相性が抜群で、実に幸せな一週間でした。青木岳志カメラマンのお母上、まことにありがとうございました。
 フリスクがなくなりそう。フリスク中毒のボクはパニック。と思ったら、食卓にフリスク。知らない間にコボちゃんが買い物にいってくれていたのだ。これで安心して明日も仕事ができる。
 今夜のラジオ深夜便は須磨佳津江アナウンサー。なんだかいつもと声とスピードが違う気がする。お疲れなのか、それとも逆に張り切っておられるのか。と、あれこれ思いながらも、酔っ払って寝てしまう。
▲ 我が人生ゴジラなしでは語れない

◇ 秩父札所めぐりコース

松風山音楽寺に到着、通過しました。
次は光智山法泉寺。

1216・水・
 5時に起きて『ありがとうアリーナ』執筆。コボちゃんはアルルを散歩に連れていく。キジバトポッポはサンルーム。
 コーヒータイムではネコドモがまとわりつく。天気が悪く、寒い。体が硬く、気分もサッパリしないので、マッサージチェアにあたる。BGMは円生と三木助の落語。膝に羽根布団をかけていたら、その上にキロンが丸くなっている。キロンとミミのネコドモ、キジバトポッポがきてからというもの、ボクからの扱いが悪くなっている。冬になれば、パソコンルームのベッドはキロン専用だったのだ。けれども今はネコドモは立ち入り禁止。でも、ボクの仮眠ベッドは最近ではアルルとコボちゃんに奪われている。
 パソコンルームに入ろうとすると、ミミが離れてくれない。移動すると、ミミはテーブルに立ち上がり、ボクの胸に前足をかけ、背伸びをして頬刷りをしてくる。仕方がないのでストーブをつけ、椅子に座ってミミを膝に乗せてやる。FM-J-WAVEで音楽を聴きながら、しばらくはミミの相手をしてやる。
 ランチを食べたら気分がゆるんだ。少し横になってから時間までパソコン。本日はネコドモに邪魔されて、おえかきの仕事ができなかった。
 デイキャッチは時事川柳。今はロサンジェルス在住のチャンピオンで強力。本日の句は
「ゴルフやめ穴があったら入りたい」
で、この川柳はもちろんタイガーのことである。これでチャンピオンは防衛に成功。ボクはもっと勉強をして、鳩山政権が落ち着いた頃に再び時事川柳に挑戦するつもり。
 いつもの透析。前半はラジオ。後半はICレコーダーに吹き込んだ講演原稿を聴いていた。
 透析後、レントゲン。今夜は珍しくレントゲンは技師長さん。この人、とても楽しい人で、いつもおしゃべりをしてしまう。
 帰宅したら、すぐにコボちゃんはうとうと。そのコボちゃんに頼んで吟醸酒をぐい飲みについでもらう。アクセスは若い論客たちのバトルトーク。皆さん、前頭葉型人間の典型。ボクはついていけません。それにしても、彼らにネットは不可欠の存在。となると、デジタルデバイドは広がるばかり。彼らにとって、ゲームは小説と等価地なのだろうか。人生をゲームにたとえるのならよいが、人生をデジタルゲームに埋没させるのはいかがなものか。まあ、思考そのものがゲームなのかもしれないが。なんていってるボクは、ゲーセンのゲームキングだったことがあるのだ。あはは。
 夏目漱石を睡眠導入剤として眠る。
▲ 寒波きて気分はやっと冬篭り

1217・木・
 5時に起床して『ありがとうアリーナ』執筆。BGMはスティービー・ダンとクールドライブメイカーズ。
 『ありがとうアリーナ』については、毎日新聞の取材でも語ったように、来春には脱稿したい。それにしても、改めてこの原稿執筆が、アリーナとの時間がボクとコボちゃんにとっての宝石であったことを確認する作業となっている。特にニューヨークでの出来事は、人と人との絆によって起きた稀有な出来事であったのだ。
 コボちゃんは出勤。アルルはマッサージチェアで日向ぼっこをしている。気温は低いがいい天気。サンルームは日差しで暖かく、キジバトポッポは鳥篭でゴキゲンの気配。と思っていたら、行方不明事件以来、初めて聞くような元気な歌声で鳴いていた。これには嬉しくなる。もしかしたら、キジバトポッポは春の気配を感じたのかもしれない。
 クール便でロースハムが届く。いよいよ正月の気分である。
 午後は東北芸術工科大学院仙台スクールでの授業準備。テーマは「創作と出会い」。憧れが人生を導いていく。そんな話ができたらいいと思いながら、講義の下原稿を仕上げる。意外に長いものになり、それをICレコーダーに録音。当日までに繰り返し聴くつもり。
 あまり心の動くニュースがない。というよりは、ニュースに心が動かない。気になるのは天皇陛下の政治利用。自民党は騒いでいるが、どうかしている。日本の歴史は天皇をいかに利用していたかの歴史。京都原住民の言葉が曖昧なのも、天皇制を利用しようとするアンニャモンニャが出入りするから、本心を悟られまいと発達した言語ではないのだろうか。まあ、これは私見でしかないが。さてさて、日本の権力者ども、明治政府以後は特にだが、天皇を錦の御旗として、ありとあらゆる方向で利用してきたじゃあないか。それでも、ひたむきに国民に貢献する皇族の姿に我々は尊敬を覚えるのだ。政治家たちは、少しは天皇陛下のお姿に学ぶべきである。政治利用が聞いてあきれる。この局面で、天皇陛下を誰がいちばん政治利用しようとしているかは国民には見えているはずだ。笑える茶番劇。
 パソコンに向かっていたら、なんだか身体が揺れている。血圧が高いのかな、と思っていたら地震だった。また伊豆の当方沖でナマズが暴れているらしい。海底火山ではなかろうか。
 その昔、コボちゃんと改定火山でパニックになっていた伊東の温泉宿に遊びにいったことがある。当日は台風で、よけいにお客がなく、高級温泉旅館を独占したことがあるが、低価格で最高のもてなしを受けた。それ以来、ボクは伊東が好きである。というか、幼少時代のボク、最初の温泉記憶も伊東なのである。思い返してみれば、伊東や箱根という場所は、東京に暮らしてきた人間には、様々な意味で思いで深い場所であるはずだ。とにもかくにも、伊東市民のご無事を祈る。
 本日はやたらと眠い。勤務から帰宅して転寝をしているコボちゃんに影響され、ボクも仮眠のつもりが熟睡してしまった。
 目覚めると、TBSラジオのアクセスにサザエさんのマスオさんが出演していた。この人、40年間マスオさんを演じているが、アニメのマスオさんだけは加齢と縁がない。
 コボちゃんと、ちびりちびりと日本酒をやりながら、正月の相談。来年も質素にやりましょう、という結論。せめて蟹くらいは食べたいかなあ。というか、ボクは正月以外は、ほとんど蟹は食べないようにしている。この季節になると、ラジオショッピングではやたらに蟹のセールスをやってるが、地球上から蟹が消えるのではないかと心配になる。海老の養殖は聞いたことがあるが、蟹の養殖ってあるのかしら。
 夏目漱石をかけて、早起きをするつもりで就寝したが、目覚めたのはやっぱりいつもの時間、5時だった。
▲ お正月海の中ではお葬式

1218・金・
 5時より『ありがとうアリーナ』執筆。そうしたら、いきなりグラグラッとくる。伊豆半島東方沖の群発地震かと思ったら、茨城の地価80キロが震源。道理で周期の長い揺れだと思った。TBSラジオのおはよう一直線のイクシマヒロシのお兄様も、TBSのビッグハットがおかしな揺れをしているとおののいていた。
 さて、執筆を続ける。ボクの個展オープンのため、ニューヨークに集まってくれたメンバーについて書いていたが、当時のことを山口のシゲちゃんにメールで尋ねる。シゲちゃんのご主人も、ドキュメンタリー制作の古賀さんも、キンさんも亡くなってしまった。エリちゃんも小野さんも病床だし、11年の時間は人生に様々な加工をする。しばらくするとシゲちゃんから返信があり、なんとなくお互いしみじみとしてしまった。でも、みんなにとって、あのときのニューヨークは特別な時空間だったのだ。
 そこへまたまたグラグラッとくる。今度は伊東の沖でのナマズ君。このナマズ、マグマを食べて生きているらしい。その伊東市役所のTさんから大量のみかんが届く。やっぱり、ボクにとって伊東は特別な場所なのだ。
 仕事をしていても、トイレに入っていても、シャワーを浴びていても、本日は次々に荷物が届く。毎年楽しみにしている富山のうまい日本酒も届く。それを送ってくれた幼馴染の奥様に電話。ついでにハワイフリークの幼馴染と談笑。ハワイでボクのベビーアパレルにヒントを得たらしきベビー服がブームになっているとか。友人から見ると、エム ナマエの盗作にしか見えないらしく、口惜しがっていた。
 ランチタイム。食後は日記を書く。午後のニュースは荒川沖駅構内他で9人を殺人傷害の現行犯逮捕されたカナガワマサヒロに死刑判決下る。本人にとって死刑判決は希望の結末。彼の殺人行為の動機は死刑になりたかったから。退廷する犯人はにやりと笑ったとか。やるせない結末である。弁護団は直ちに控訴したが、これは職業的判断だろう。こうした事件における死刑判決は国民感情のカタルシスにはなるかもしれない。けれども、犯人に本当の苦しみを与えるのは終身刑であろう。長い時間を孤独に過ごせば、考える時間はいくらでもある。そうすれば、己の行為の罪を思い知り、本当の苦しみを味わうことになるのだ。死なせてたまるものか。死刑よりは終身刑の方がはるかに重たい。日本国刑法、早急に死刑を廃止し、終身刑を採用すべきである。ところで、秋葉原の無差別殺人の犯人はどうしているのだろう。最近、話題にならないのは不思議。
 富士山で片山右京氏遭難のニュース第一報が入る。
 仙台でのイベントにおける講演の予習。40分間で話が終わるだろうか。
 新作イラストレーションの挑戦。難しい構図で、何枚も失敗してきた作品。でも、今回は手ごたえあり。けれども、仕上げるまでには時間がない。デイキャッチが始まるまでの時間ぎりぎりまで下絵を続けるが、途中まで。
 デイキャッチをBGMにシャワー。ニュースランキングのトップは元F1レーサーの片山右京氏が富士山で遭難。3人のパーティーで、右京氏ひとりだけが無事帰還。残りのふたりは絶望的状況にある。冬であれば、富士山も人の命を奪う。右京さん、ふたりの社員を失い、これからその荷物を背負ってどう生きていくのだろう。
 そのままデイキャッチをBGMに髭剃りと着替え。コペンハーゲンの宮台先生、コップ15のレポート。この会議は失敗だったとの結論。日本の外交能力に問題あり。EUと日本、アメリカと中国、そして途上国の三つのグループの主張に齟齬。この溝は簡単には埋まらない。炭素削減には数字のトリックがあり、我々にその実態は把握できない。どの国も、環境よりは国益。みんなお金が好きなのだ。
 いつもの透析。透析中もグラグラと揺れている。伊東沖のナマズは頑張っている。
 アルルはアリーナドッグスクールへ。迎えにきたカンちゃんを見て、アルルは狂喜乱舞。最近のボクらは忙しく、あまり遊んであげていないのだ。カンちゃんの家には、アルルの従兄弟、アリーナ二世がいる。やはりワンちゃんはワンちゃんのいる環境がいちばん。ネコやキジバトでは満足できないのだ。
 歌謡ドラマはモリヒロミの短編、家族の言い訳より「イブのクレヨン」。クリスマスシーズンにじいんとくる作品。母親に対して複雑な心を抱いている人間には迫ってくるものがある。山下智子、さすがは女優。いかなるキャラクターも見事に演じる。ドラマが終わる寸前、またまたナマズが暴れた。けれどもNHK、ちゃんとドラマが終わるまで、自信速報を控えていたのは気が利いていた。
 帰宅途中のセブンイレブンでオデンを買う。このコンビニの入り口でコボちゃんが不思議なカップルを目撃。先をいく男子が、後をついてくる彼女のためにドアを開けて待っているどころか、バタンと閉めてしまうのだ。そして、ドアに衝突した彼女は「あいて」と小さくつぶやき、男の後をついていくのだ。それもにやりと笑いながら。まあ、どちらもどちら。可愛い女の子なのに、この人はどこで愛されて、もしくは愛を受け取っているのだろうか。
 さて、このオデンだが、幼馴染の奥様から贈っていただいた富山のうまい日本酒の肴にするが、これがいい味。さすがはセブンイレブン。研究の成果が味に出ている。セブンイレブンのオデン、お勧めである。特にこんにゃくに味がしみこんでいて格別だった。それにオデンを入れる容器がいいのだ。これならテイクアウトしても、いつまでも温かいまんまで食べられる。セブンイレブン、宣伝してあげたから、今度オデンのセットをプレゼントしてね。オデンのプレデント。
 オデンで酔漢となったボクに、夏目漱石の『草枕』が睡眠導入剤。眠りに落ちる前に浮かんだのは富士山遭難のこと。人は冒険に命を懸ける。成功と死は常に隣り合わせ。けれども、成功を重ねれば、失敗との壁が知らないうちに薄くなっていく。いずれにせよ、すべての人の結末は生命の地平線の彼方にある。
▲ 冬ばれの真白き峰に死の匂い

◇ 秩父札所めぐりコース

光智山法泉寺に到着、通過しました。
次は岩谷山久昌寺。

1219・土・
 5時半からパソコンに向かう。出かける前に、やることはいくらでもある。
 朝7時、下村健一のサタズバレポートをBGMに髭剃りや着替え。ひさびさ、革のパンツをはく。上着は革のネールカラージャケット。一応、ブランド品。MYDCはニューヨーク・ダナキャラン。でも、革のパンツはソウルでのオーダーメイド。革のパンツは暖かいので、モモヒキの必要がないのです。
 デイパックに荷物を放り込み、キジバトポッポを窓辺に解放。ポッポ、たちまち歩き回っている。アルルがいないので、今回はキジバトだけのお留守番。
 午前9時に出発。うまい具合に小田急線の急行に乗ることができた。新宿駅で駅弁フェア。発熱剤の仕込んである鰻弁当を買ってもらう。
 中央線快速へのホームエレベーターで、親切な人が、ボクが降りるまで、オープンのボタンを押していてくださった。で、中央快速
に乗ると、たちまち席を譲られるけど、そんなにヨボヨボに見えるかなあ。目は見えないけど、いたって元気なのです。でも、断るのは失礼なので、座らせていただく。
 東京駅を歩いていると、イヌの散歩じゃあるまいし、長さ50センチの引き手を引っ張って、カートで荷物を散歩させている人がいる。危ない。後ろに目があるわけないから、危険そのもの。これで怪我をさせられる人が続々と聞く。世の中は貧富の格差だけでなく、馬鹿と理工の格差も開いている。
 東京駅10時56分発、仙台12時37分、東北新幹線はやて15号で仙台駅へ。
 着席と同時に弁当の紐を引く。たちまち蒸気が噴出して、温かい鰻弁当が出現。これが旨いのだ。車内販売のコーヒーも香り高く、満足。コーヒーをすすりながらトークショウの講演原稿の予習を繰り返す。ボクのICレコーダーは知恵袋。これには10パターンくらいの講演原稿が内臓されている。たった50グラムの記憶バンク。ボクはこれさえあれば、どこでも講演の予習復習が可能。と、勉強していたら、隣の座席のオバハン、いきなりケータイでのおしゃべり。しゃべり終わったタイミングで、思い切り叱責する。もちろん、やさしく丁寧に。でも、腹筋を使って、相手に届く言葉で。それ以後、このオバハンたちのおしゃべりも小さくなって助かる。
 定時に到着。中央口で大学院生早坂さんが迎えにきている。さすが寒波到来の東北。仙台の郊外は行きが積もっていたし、市内でも雪がちらついている。空気はまるでゲレンデみたい。やっぱり、革のパンツと革のジャケットで正解。革は温かい。
 タクシーでイベント会場のメディアテイクへ。東京フォーラムを真似たわけではないだろうが、ガラスの殿堂。柱が中空になっていて、エレベーターが人を運ぶ。昔、地球防衛軍という映画に出てくる宇宙人、ミステリアンの地球基地のエレベーターみたい。でも、こういう建物の耐震計算はOKだろうか。日本を代表する建築工学博士、深尾精一教授にそんな質問をしたことがあったが、地震になってみないと分からないといっていた。わあ、不安。イベントが終わるまでは地震よくるな。でもなあ、日本列島、昨日もあちらこちらで揺れてるからなあ。ますます不安。
 午後2時より、仙台「森の都」ラブストーリーフェスタ、「アンプラグド」トークショウに出演。14時~14時40分 大葉由佳さんの講演。14時50分~15時30分、エム ナマエ。15時40分~16時20分、さとう宗幸さんの歌と講演。16時30分~17時まで 上記3人による「愛やラブストーリー」についてのシンポジウム。
 大葉由佳さんの話は、以前どこかのラジオで耳にしたことがあり、覚えていた。コメディエンヌの異名をとるフリーアナウンサー。若々しい人だ。皆さん笑って聴いていた。ボクも笑う。彼女、マイボトルを持参して、ステージでお湯を飲む。これがエコです、というから、ボクは客席から、それがホントのエコノミーだと掛け声。客席も舞台もほぐれる。
 でも、ボクのトークのときは、皆さんマジメに聴いていて、すすり泣きも聞こえてくる。困るなあ、笑ってくんないと。でも、ボクの女神が客席にいます、と話すと、 客席から「コボちゃん!」と掛け声。どうして知ってんの?と聞くと、本を読んだからとまたまた掛け声。
 ラブストーリーのフェスティバルではあったけど、ボクは宇宙の愛について語る。それこそ、すべての愛の源泉なのだ。
 控え室に戻ると、さとう宗幸さんと挨拶。さすがは一流の芸能人。ボクのことをネットで調べていてくださって、スムースにコミュニケーション。さとうさん、長い期間、仙台で月金のテレビワイドショウをやっていて、パーソナリティーとしても一流。もちろんステージも一流。人の心をがっちりと捕らえる。
 アカデミー賞でオスカーをもらったモッくんはテレビドラマでの彼の教え子。今年、還暦を迎えたさとうさんを囲んで、彼の還暦を祝う会を企画したのもモッくん。けれども、当日の前日、彼はオスカーを受け取る日であったのだ。さて、さとうさんの還暦を祝う会では2年B組のクラスメイト、すっかり大人になったクラスメイトが全員集合。そして、その2時間を、ロスから駆けン戻ったモッくんが司会をしたそうだ。こういう人だから、オスカーもゲットできるのでしょう。これまでの経験でいえるのだが、一流の芸能人には、すべて共通するオーラがある。
 フェスティバルの途中で企画立案者の岡田勲教授に案内されてスーパーホテルへ。途中の路上、仙台市の目抜き通りで「ヒカペ」、つまり、光のページェントの点灯式に遭遇。老若男女の歓声があがる。みんな純粋。だから、つまらんテレビドラマなんかの餌食になるんだよなあ。西田○△やタケダ◎▽なんかに騙されるんだよね。あはは。
 岡田教授とホテルから仙台一の牛タン屋へ。この牛タンが旨かった。お世辞でなく、これまでで最高の焼き牛タンだった。麦飯もオックステイルスープにも満足。亭主が、ここのはOGビーフで、牧草で育っているから牛タンもやわらかいのだと説明してくれた。ここは誰もが認める仙台のナンバーワン牛タン焼肉屋であるのだ。
 岡田教授は、そのまま酔っ払って、イベント会場に戻り、またまたレクチャーをするらしいが、ボクらは脱走して、コムズというホテルを発見、そのバーでピュアモルトウィスキーを3種類、オンザロックで駆けつけ三杯。マッカラン、グレンフィデック、アードベック。このアードベックは強烈なフレイバー。ウィスキーというよりはクレオソート。でも、味わっているうちに、香りの奥からウィスキーが立ち上がってきた。
 隣の席の四人のオバハン、しゃべっている言葉が理解不能。東北弁とも思えない。でも、じっくりと聴いていると、岩手の山奥か、津軽の先端からヒカペ見物にきたらしい雰囲気。瞬間的に「一週間」とか「お母さん」とか「姉」とか、日本語の単語が解読できる。本日、仙台で耳にした最初の本物の東北の言葉だった。
 仙台の目抜通りには焼き芋屋。ヒカペに群がる群集に安くない焼き芋を売っている。でも、コボちゃんはミスタードーナッツでエンジェルクリームなんかを買っている。ボクはブラックコーヒー。
 顔に雪があたるのを心地よく感じながら、夜の仙台目抜き通りをいく。ホテルに戻る途中、11時となり、ヒカペが消えてしまう。
 ホテルに戻ると入り口に、スーパーホテルはエコを目指しますと書いてある。エコはエコでもエコノミー。部屋に入ると、ここもエコエコ。なんでもエコ。ロハスホテルと自慢はしてるけど、要するにケチなのだ。人件費と材料費節減に、エコは素敵な口実。まあ、ケチでもなんでも、エネルギーは大切に使いましょう。でも、カーテンやブランケットもエコだと、暖房費はエコではなくなるのよ、経営者さん。
 ボクもコボちゃんも酔っ払っているし、疲れているので、そのままバタンキュー。たちまち眠りに落ちていた。
 今夜は二木てるみさんの朗読コンサートだが、いけなかった。読夢の会の忘年会でもあったが、やっぱりいけなかった。これが残念でたまらない。重なるときは重なるのだ。
▲ みちのくの光に雪の舞い落ちる

1220・日・
 ケータイに秩父札所めぐりコースのメールがきていない。そうだ。エコホテルの影響で、ケータイの電源を落としておいたのが間違いだった。昨日は1万歩も歩いたというのに、口惜しい。
 起きて慌てて朝食はやっぱりエコで、プラスティックのプレートに、おかずあれこれのバイキング。お客はほとんどが若者。若者なら、エコでいいんだ。でも、コーヒーの機械に並ぶのが大変。で、東北芸術工科大学院仙台スクールの控え室で缶コーヒー。これが旨かった。缶詰とバカにするでないぞ。
 午前10時、東北芸術工科大学大学院仙台スクールにて授業は80分間。話の中身は1時間。残りは紹介と質疑応答。11時20分までの予定が、12時までしゃべってしまう。講義の内容は「創作と出会い」。大学院生は社会人経験もある26歳の早坂さんや、昨日のラブストフェスタの実行委員長の鈴木さん。大葉さんと舞台でデモンストレーションの相手役だったノリコさん。皆さんしっかりとボクの話を聴いてくれた。院生が全員で8名のメンバーというのは一体感があって、理想的な講義といえる。
 そうなのだ。イラストレータ40年のボクの経験のすべてからいえることは、どんな勉強をするかではなく、どんな人に出会うかが大切なのだ。それらすべてを語るには、あまりに短い時間ではあったけど、伝えたいことは伝えたつもり。院生の反応も素敵だった。
 彼らの前でおえかきパフォーマンス。でも、質疑応答がもっと積極的であったら、もっともっとよかったと思う。
 みんなと別れて駅のドトールでコーヒーを飲んでいたら、院生のノリコさんから声がかかる。結局、同じテーブルで1時までおしゃべり。彼女もデザイナーの経験者。真実の勉学は社会経験の後からついてくる、とボクは常日頃から考えている。
 駅ビルの寿司屋通りの一軒に飛び込む。生牡蠣が抜群に美味だったが、魚すべてが新鮮なのは、やっぱり仙台であるからだ。その昔、歌手の長谷川きよしと、寿司を食べるためにだけ仙台にきたことがあったっけ。三木助の落語の『鼠』の舞台も仙台だが、左甚五郎が寿司を注文する件もある。
 14時44分の新幹線で仙台より東京に戻る。これが二階建ての新幹線、マックスやまびこで、小田急トラベルのボヤーッとした女性販売員が、こちらが障害者であるのに、とても歩いていけそうもない、座席を売ってくれたのだ。これは小田急のオネーちゃんが悪いのか、それとも正確な情報発信をしていないJR東日本が悪いのかは分からないが、とにかく車掌に座席を変えてもらった。またこれが座りにくい椅子。ホンマにこれが世界に誇る新幹線なのかいな。アホ。でも、椅子に座ったらたちまち眠りに落ちる。目覚めたら、お尻が痛かった。
 まっすぐに帰宅。キロンが怒っている。キジバトポッポは元気。旅は楽しいけれど、やっぱり我が家がいちばん。ポッポはサンルームに戻ってもらい、ネコドモがやってくる。でもやっぱり、アルルのいないのが寂しい。
 ニュースでは、世界中に寒波到来を告げている。ニューヨークは積雪30センチ。ワシントンの40センチはすごい。
 さて、ボクはなんだか元気。いきなり、おえかきデスクに座り、途中になっていた新作イラストレーションの下絵にとりかかる。この絵には手ごたえがあったのだ。落語をBGMに、一気に仕上げる。コボちゃんからもOKをもらう。
 背中がバリバリになったので、落語をBGMにマッサージチェアで疲れをとる。やっぱり落語をBGMに、コボちゃんとビールを飲む。いい気持ちになって、たちまち眠りに落ちる。
▲ 北半球西も東も雪化粧

◇ 秩父札所めぐりコース

万松山円融寺に到着、通過しました。
次は竜河山大渕寺。





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