全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2017年10月2日~8日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたりしたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。
 さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌のほとんどはリアルな出来事ですが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はどうぞご理解ください。

◆ ウィークリーフレーズ 今週の言葉です

山のてっぺんであろうと 目もくらむ谷底であろうと
出発点に 変わりはありません
大切なのは 歩き出す その勇気です


 反省はするけれど後悔はしたくない。それは理想です。けれどもこれまでどれだけ悔やんできたことでしょう。そのとき、やれることをしてこなかった。やれるときにやらなかった。そして最大の失敗は考えるだけで何もせずに済ませてきたことです。そうなのです。もう少し待てばボクの頭はもっと良くなる。準備だって完了する。きっとこれ以上はない、というタイミングがくるに違いない。坂本九が歌ってたみたいに、テカテカテカグッドタイミング、いつか最高のタイミングがやってくる。そう思って何もせずにいたことです。けれどもちろん、それは間違いでした。やりたいと思ったときにやらなければ、いつやるのでしょう。今やらなければいつやるのでしょう。やらなければどんどん時間は経過して、その発想の新鮮さは失われ、情熱も能力も落ちていく。頭は良くなるどころかますます悪くなるし、言葉だってぽろぽろこぼれていく。思い返せば、これまでやらないで悔やんだことだらけだけれど、そのやらなかったことたちのことも、もう忘れかけている。そうなのです。どう考えても今が最高最大で絶妙のグッドタイミングなのです。そのやりたいという気も地だって、今がピークに間違いないのですから。


1002・月・

 1985年の今日、関越自動車道のうち前橋湯沢間の工事が完成、全線が開通した。これで東京新潟間が3時間半で結ばれた。そのおかげかどうかはよく知らないけれど、東京と軽井沢も便利になって、こうして月に二度も北軽井沢にお世話になっているのである。
 というわけで今朝もコボちゃんとアルルが北軽井沢の森の中で朝の散歩を楽しんでいる。そしてふたりは梟のハンティングを目撃。そう。コボちゃんとアルルは森の中で大きな鳥が何かをつかまえている現場を目撃したのである。羽音がしなかったのが梟であることの動かぬ証拠。そう。梟はまるで羽音をたてずに空中を移動できることは梟と暮らしたことのあるボクがよく知っていること。梟の存在も貴重だが、それを目撃できるのも得難い経験で、これも関越自動車道のおかげであるのだ。

 北軽井沢スタジオの庭をほじくると青い胡桃の実が出てくる。リスが運んできているのだ。そのまま埋めておけば周囲の果実が腐り、中身の胡桃の種が出てくる。果実は臭くてまずいけど、種子の中身は香りがよくて旨いのだ。それをリスたちはよく知っているのだ。もちろん人間たちも知っている。けれども人間たちはリスみたいな丈夫な歯を持たないから、そこで便利なクルミ割りを発明したのです。

▲ お宝は腐れば光る胡桃の実


1003・火・

 スタジオクラスターのマダムといえばヒロコママ。そのヒロコママのお友だち、カッちゃんの店でお蕎麦ランチをする。駐車場にクルマを止めると同時にコボちゃんがカッちゃんの店の庭で光を放つ薄紫色、ラベンダーの木通(アケビ)の果実に目を留めた。周囲の紅葉も赤く色づいているのに、まずは果実に目を留めたわけである。もちろんカッちゃんのことだから、その木通の果実も提供してくれる。思わぬデザートである。
 カッちゃんの店は場所もいいしお蕎麦も旨いし姉ちゃんも綺麗なので、当然のこととして千客万来。いつも駐車場はクルマでいっぱい。けれど午後も遅くなれば手を休める時間だってある。そこでコボちゃんはカッちゃんとお嬢さんとで北軽井沢の噂に花を咲かせる。例えば泥のスープに浮かび出る灰汁のように草の根元から無数に生まれ出たヤスデの大量発生のこと。実はコボちゃんだけでなく、カッちゃん親子も今年のヤスでの大量発生には悩まされていたのである。たとえば雉の親子のこと。実はコボちゃんがウズラの親子のお通りと思っていたのは雉のお母さんと子雉たちのお通りだったのである。それから三本足の狐のことも。やはりあの狐、この界隈では知られる存在だったのである。木通の果実ばかりでなく、そんな話題も土産に持ち帰り夜はビールで乾杯。新鮮な枝豆も上手に茹で上がり、おいしくいただきました。

▲ ひっそりと割れて誘うよ木通嬢


1004・水・十五夜・

 午後、スタジオのベランダで美しいキジトラネコが日向ぼっこをしているのをコボちゃんが発見。太って大きな雄猫であるから、きっと近所のお金持ちの別荘から遊びにきたのだろう。コボちゃんが声をかけたら逃げていったという。声なんかかけなければいいのにといったら、猫のミミコの遊び相手になってくれと頼むつもりだったらしい。ま、そんなにうまくいくわけはないよね。

 北軽井沢にきてから改めて村上春樹の「海辺のカフカ」を読んでいる。そうしたら面白くてやめられない、たまらない。こんなに面白い小説だったかと驚いている。それに影響されてコボちゃんも隣で聴いている。こういうとき音訳図書は便利なのだ。ふたり並んで仲良く同じ本で読書ができるのだ。さて、村上春樹の「海辺のカフカ」を最初に読んだのがサピエ図書館を導入した2013年の9月。今からちょうど4年前のことになる。その頃、村上春樹について近所の女流児童文学者から嵐のように先輩風を吹かされ、あれこれとつまらぬ先入観念を吹き込まれ、今更ながらに損をしていたと思う。それを薬にして、これから改めて村上春樹を読み直してみたいと思っている。その書き手が好きになったら、ボクは何度でも読み返す。たとえば夏目漱石、宮沢賢治、筒井康隆、小松左京、そして東海林さだお。今度はそれに村上春樹が加わったのである。

 今夜は十五夜、晴れている。おかげで軽井沢の高原をお月見ドライブと洒落こんでいる。これから東京へ向かうのだ。ボクの膝の上で踏ん張り、フロントガラスを透かして猫のミミコが真ん丸い月を見上げている。じっと黙って見上げている。どんなにクルマが揺れてもボクの膝に爪を立てて踏ん張り、じっと見上げている。明るい月が浅間山の上にかかる雲を白く浮かび上がらせているのだ。もちろんそれを眺めることのできるのはコボちゃんと猫のミミコだけ。ボクは盲目で見えないし、リアシートのアルルは角度が悪くてせっかくの名月が死角になって見えないのである。

▲ 明るくて猫もあきれる秋の月


1005・木・

 日本生まれの英国作家、カズオイシグロがノーベル文学賞に輝いた。以前、福岡伸一博士のお勧めで、といっても彼がエッセイの仲でカズオイシグロの作品を評価していた、という話なのだが、「私を放さないで」を途中まで読んだことがあったが、まだ読了できてはいなかった。作品世界に入りこむ前に他の作品に気を取られてしまったのである。ということは、とにかく静かな物語なのである。主人公にしても出来事にしてもいつまで待っても激しく動くようなことはなく、どれほど経ってもわくわくドラマが始まらないのだ。とはいえノーベル文学賞とあれば話しは別。流行に後れるわけにはいかないじゃありませんか。早速サピエ図書館から「日の名残り」をダウンロード。出版社はこのノーベル文学賞パニックに増刷が間に合わないと慌てているが、こういうときサピエ図書館は最大の味方。早速最初から読み始める。「私を放さないで」には再度挑戦するつもり。あの辛口で有名な書評家の豊崎由美さんによれば読み易いという評判なので、これは後回しでも大丈夫だと思う。とにかく走り出した新型超特急に乗り遅れないようにしたいのだ。失明というトラブルで村上春樹という列車を逃してしまうという経験をしたが、あの頃のボクはサピエ図書館という座席指定券の入手方法を知らなかったのである。

 近所の掃除のおばさんの証言である。といってもボクが直接聞いたのではない。コボちゃんが聞いてきた話である。そのおばさんによれば、都会のカラスは飛んでいる鳩を襲って食べているという。都会のカラスは飢えているのだ。石原慎太郎のカラス駆除作戦が普及したのか、とにかくカラス対策が充実してきて、どの生ごみにもカラス除けの雨網がかぶせられ、カラスたちは思うように食べ物に有り付けないらしいのだ。それにしても、どうしてそれほどにカラスたちを嫌うのだろう。普通に生きてきて、これまで一度もカラスをコワイと思ったことはないし、もちろん襲われたこともない。なのに世間には黙っていてもカラスが襲いたくなるような人間が存在するらしいのだ。たとえばこの近所で紙袋からいきなりエアガンを取り出し、カラスい向かって発砲しているオヤジをコボちゃんが目撃したことがある。そういう輩が出没するのが石原慎太郎効果なのか。カラスは賢い生き物である。馬鹿な人間が余計なことをしなければ、黙って平和に暮らしていきたい存在なのである。餌くらいあげたっていいじゃないか。独り占めじゃなく、人間と生き物たちで、仲よく都会暮らしを楽しもうじゃないか。

▲ 渡り鳥烏見上げる枝の先


1006・金・満月・

 1997年の今日、パリで開かれた国際柔道連盟の総会で青色の柔道着の導入が圧倒的多数の賛成多数で決定する。テレビ映りがよく、選手の区別がし易いという理由だが、さてどうなのだろう。ボクは見たことがないので想像するしかないのだが、どうにもピンとこない。青い柔道着の姿三四郎やイガグリ君、スポーツマン金太郎など、どう想像してもピンとこないのである。ま、ここはあきらめるしかないだろう。そもそも柔道をオリンピック競技にしたこと自体が間違いなのだ。時刻に金メダルを誘いこむためには欧米諸国は何でも犠牲にする。日本の美学や武士道などに花を贈る気持ちなど毛頭ないのである。動物園の片隅で肩を落として泣いている年老いたカンガルーに、これまでご苦労様だったねとちょっと伝えるだけのエネルギーだって惜しむのである。

 ふざけてるとしか思えない小池百合子の大姉御、ユリノミクスとは笑わせる。あんたのような女親分、夜の怪物、鵺の化け物に騙されてたまるもんかと思っても、騙される呑気な人々もいるんだよね。安倍晋三も生まれついてのキツネだけど、この緑のタヌキにも油断はできないのだ。希望の党は与党でも野党でもない、「ゆ党」だとはジャーナリストの二木啓孝(ふたつきひろたか)さんの名言。「や」と「よ」の間で「ゆ党」。小池百合子の「ゆ党」だとジャーナリストの二木啓孝(ふたつきひろたか)さんはおっしゃってました。卓説だと思います。

 FM・J-WAVE・Somewhere in Asia、金沢雅美さんの初めての放送を聴こうとラジオをつけたらピロピロリン!いきなりの緊急地震速報のチャイムが鳴り響き、腰が抜けた。23時56分、福島県沖を震源にマグニチュード5.9の地震の発生。震源の深さが50キロと深かったので東京もかなり揺れる。コボちゃんが、
「あ、きたきた」
とまるで遠くからのお客を迎えるみたいに声を上げていた。アルルは緊急地震速報のチャイムにそわそわと腰が落ち着かない。こういうとき蘇るのが東日本大震災の記憶。そしてその通り、これも東日本大震災の余震だったのである。福島県浜通りでの震度は5弱。けれども津波の心配はなしということで胸を撫で下ろす。地震も厄介だけど、津波はもっと恐怖。ザバッときて、何でも持ち去ってしまう。永六輔さんの俳句に、
▲ 大津波みんな持ってけ馬鹿野郎
というのがあるがその通り、火事は消すことができるが、津波は泳ぐしかない。そして津波の水の力は人間に1センチも泳ぐことを許さないのである。ところで満月と地震の関係があれこれ取沙汰されることがあるが、確か今夜は満月。さぁ、本当のところはどうなのだろう。

▲ 満月を青いラムネでボトリング


1007・土・

 1945年の今日、神戸市沖で客船室戸丸が機雷に接触して沈没、475人が犠牲になる、という悲惨な事件が発生した。終戦から1か月半も経過してからの出来事である。天皇陛下の玉音放送があってからの犠牲者である。要するに機雷なんかで死ななくてもいい人たちが殺されてしまったのである。この機雷、戦争中、米軍が投下されたまま撤去されず、残っていた機雷だったのである。今でも世界各地で戦争が終わっても取り残されている地雷のアンラッキーな起爆が障害者を生み出している。始まれば瞬く間に広がる戦争ではあるが、その終息は実に時間とエネルギー、そして人身の安全が犠牲にされるのである。

 2014年初版、永六輔の「大晩年」を読了する。46年間続いた長寿番組「誰かとどこかで」が2013年に終了して、その記念的対談集である。そして2016年、永さんはこの書物を残してあちらの世界へ旅立つことになる。本の中で永さんは2012年に身罷った小沢昭一さんや、2002年に見送った奥様のこと、そしてこれまで永さんが見送ってきた仲間たち、「上を向いて歩こう」や数々の名曲を世の中に送り出してきた作曲家の中村八大さんやいずみたくさん、歌手の坂本九さんのことを語っておられたが、きっと今頃、永さんもその輪の中に加わり、思い出話に花を咲かせておられることだろう。心からご冥福をお祈りすると同時に、残してくださった言葉の贈り物にしっかりと感謝して味わっていきたいと思う。

▲ この本に今も命が宿ってる


1008・日・寒露・

 本日は木の日であるという。10月8日の十と八の文字を合わせると木となることから木の日と決められたらしいのだ。日本木材製造団体連合が1977年に決めて、それ以後、毎年この日に木材の普及活動を行っているということなのである。最近はセルロースナノファイバーに対する関心も高まり、燃料にせよ建材にせよ、木材がもっと注目されてよいのである。森林は地球のためにも人類のためにももっと大切にされるべき。なんせ植物はすべての地球生命の根っこを支えてくれてるんだから。

 毎週日曜日のお楽しみはお昼からの「NHK素人喉自慢」なんだけど、どうも最近は涙もろくていけない。そうなのだ。今日もこのプログラムに泣かされそうになってしまったのだ。陸上競技で東京パラリンピック出場を目指している知的障害のある青年がこの喉自慢に挑戦、堂々と無垢な歌声を披露してくれた。最初はまるでそんなつもりはなかったんだけど、ボクの臍にはまだ臍の胡麻で汚されていない部位もあるらしく、その白く無垢な細胞たちが思わず感動して、臍と目頭を結ぶ神経細胞たちが激しく痙攣して、その結果として涙腺ダムは崩壊寸前となり、目頭が瞬間湯沸かし器みたいに熱くなってしまい、落涙に至りそうになってしまったのである。巧みな歌ばかりが人を気持ちよくさせるとは限らない。この世界には技術も訓練も才能も及ばない真実の歌というものが存在するのである。

▲ 指先の乾き気になる寒露かな



2017年8月28日~9月3日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。


0828・月・

 毎日必ず耳を傾けているNHKラジオの「昼の憩い」に天才ピアニスト、フェビアンレザパネ、パネさんの音楽がかかっていた。石垣島あたり、沖縄をテーマにした楽曲である。おそらく作曲とピアノがパネさん。その他、パーカッションやウッドベースが聞こえているのは彼の率いるユニットであるに違いない。パネさん、御健在。嬉しいことである。その昔、長谷川きよしさんのご縁で、パネさんのライブを聴きにいったり、一緒に食事をしたり、ずいぶん遊んでもらいました。実はパネさん、世田谷のご出身。駅前の美登利寿司(みどりずし)で並んで寿司をつまんでいたら、店主が、
「おい、パネ。お前、こんなとこで何してんだよ」
と声をかけてきた。実はクラスメイトだったのです。

 今夜は文化放送、金沢雅美の「ちょっと寄ってかない」のオンエアだから、というわけじゃないとおもうけど、よく眠れない。昼寝もできなかった。で、透析中にもしも居眠りをしていて本放送を聞き逃すのも口惜しいから、看護師に8時になったら起こしてもらうようにお願いしておいた。おかげで聴くことができた。そのためにいつもポケットラジオを携帯しているのである。それにしても、自分の声をラジオから聴くって、かなり恥ずかしいです。これまでは、ラジオ出演のほとんどが生番組だったから。帰宅したら、放送を聴いてくれた人たちからあれこれとメールが届いていた。ありがたかった。

▲ あの人の声が聞えるいわし雲


0829・火・上弦・

 またまた朝から大騒ぎである。朝の5時58分、懲りない金正恩がミサイルを打ち上げたのだ。すわ一大事。6時2分、日本政府はJアラーとを発令。頭をかかえろ、頑丈な建物に逃げこめ、地下道に潜れと大騒ぎ。んなこといわれたって、山で芝刈りをしているおじいさんや、川で洗濯をしているおばあさんはどうすんのさ。田んぼで野良仕事をしている善男善女はどうすればいいのさ。日本国民で核シェルターを準備している人なんていないんだから、パニックになるだけじゃんか。安倍晋三、あまり無責任に騒ぎなさんなよ。あの戦争が終わって72年も経ってるのに、あの頃の空襲警報と同じことをやってるなんて、進歩がないよね。いや、むしろ退歩してるのかな。少なくともあの頃の日本人は防空壕だけはお庭に掘っていたからね。それにしてもケータイ電話が普及してんのに、やれることが同じなんて、情けないじゃありませんか。頭を使ってない証拠です。で結局、ミサイルは北海道上空を通過し、太平洋に落下した。不審な物体を発見した場合、近寄ったり触ったりせず、すぐに警察や消防に通報してくださいとは納得のアナウンスメント。なんせ北朝鮮の液体燃料には毒性の高いジメチルヒドラジンという物質を使用しているという情報があるからね。大量に吸引すると死ぬというのだから恐ろしい。やっぱ北朝鮮には液体酸素や液体水素を取り扱うにはお金がかかり過ぎるのかもしれないね。

▲ 赤蜻蛉超えてミサイル飛んでいく


0830・水・

 蒸し暑くて冷房のお世話になりっ放しである。ここまで天気が悪く、まるで真夏らしくない8月だったけど、これって8月の最後の悪あがきなんだろうか。ま、夏が大好きなボクだから、暑いのはウェルカムなんだけどね。

 2005年の昨日って、ハリケーン・カトリーナがアメリカ本土に上陸した日なんだよね。それまでの最大級のハリケーンがルイジアナやミシシッピーを直撃して、1300人以上が犠牲になり、66万棟の家屋が全半壊したんだよね。というわけでアメリカを襲ったハリケーンとして記憶に残っているのがカトリーナなんだけど、実は今もアメリカを強大なハリケーンが襲っているのだ。このハリケーン・ハービーがもたらした降水量は1300ミリ。実に深さ1.3メートルの雨だからたまらない。アメリカ第四の都会、ヒューストンは腰の高さまで水につかり、大変な洪水被害となっている。これまでに判明しただけで死者10人、1万3千人が救助され、2万人が避難しているという。それでも現地の警察や消防はまだ被害の全体像をつかめていないらしく、取り残されている人たちもおられるらしい。現地ではこれからも雨が続くらしく、被害の拡大が懸念されている。ハリケーンが熱帯低気圧に変わったとしても、今後も線上降水帯なんて事態が発生して、地球温暖化を否定しているトランプも悲鳴を上げるんじゃなかろうか。アメリカ市民が被害をこうむるのは歓迎しないけど、トランプが右往左往するのはちょっと見てみたい気分である。これは後で聞いた話になるけど、お天気おじさんの森田君によると、このハリケーンで琵琶湖の三杯分の水がアメリカにもたらされたというのだ。ハリケーンの何と強力なことよ。とても人間に太刀打ちできる存在ではないのである。

 恩田陸の「錆びた太陽」に夢中になっている。この作家の作品に注目したのは2015年に週刊朝日にこの作品が連載されてから。それまではNHKのラジオ文芸館で放送された「かたつむり予報」や「観光旅行」で、ちょっと面白い作家がいるなと思ったくらいで、この作家が女性とは考えてもいなかったのだ。「錆びた太陽」で見せてくれた世界観はボクの興味をそそり、それからは次々にサピエ図書館からダウンロード、片っ端から読破してきた。「蜜蜂と遠雷」に耽溺したことは既に報告させていただいた。そして待望の『錆びた太陽」の一気読みが実現したのである。ああ、もうすぐ終わってしまう。勿体ないなぁ。

▲ 台風にけちらされてるいわし雲


0831・木・

 今日はいよいよ8月最後の日。そしてボクが68歳最後の日。いよいよ明日から69歳で、60歳代最後の1年間に突入するのである。あああ、いやんなっちゃうな。

 涼しい。北側のキッチンから吹き込んでくる風がやたら涼しくて、キーボードを叩く背中がゾクゾクする。昨日はやたら蒸し暑くて冷房を頼りにしっ放しで、今日は涼しいと文句をいっている。人間ほど当てにならない生き物はない。犬や猫の方がよっぽどまともだと思う。

 今日も北朝鮮のミサイルで大騒ぎをしている。安倍晋三が威勢のいいことをいっている。安倍晋三は北朝鮮がミサイルを打ち上げる朝には首相公邸に泊まっているという。それって、金正恩がミサイルを打ち上げるタイミングをあらかじめ知っているということではありませんか。そしてその情報はアメリカからもらっているのでしょうか、それとも金正恩から直接もらっているのでしょうか。とにかくあらかじめ知っているミサイル打ち上げを、わざわざJアラーとで大騒ぎするってことは、何か企みがあるってことでしょう。やっぱ金正恩はアメリカと日本の軍需産業を儲けさせてあげたいんだよね。そして日米軍需産業からの献金で核開発とミサイルの技術促進を謀っているんだよね、きっと。これって三方一両損(さんぽういちりょうぞん)といおうか、ギブアンドテイクといおうか、それとも共倒れといおうか、ううん、悩むなぁ。

▲ 秋風や誰かに名前呼ばれてる

◇ バーチャル『奥の細道』コース  尿前に到着、通過しました。
次は尾花沢。あと、96,880歩です。
現在の歩数、1,493,120歩。3周目の奥州をうろついてます。


◆ 9月・長月・
0901・金・二百十日・関東大震災記念日・

 本日はエム ナマエ69歳の誕生日である。そして二百十日であり、関東大震災記念日である。1923年、大正12年の今日、関東大震災が発生した。相模湾を震源とするマグニチュード7.9の大地震は東京と神奈川を中心に家屋の全壊はおよそ13万棟、焼失家屋は45万棟、死者行方不明者は14万人以上の大惨事となる。この体験を寺田寅彦は物理学者らしい冷徹な観察眼で記録している。そして吉村昭の「関東大震災」という優れたノンフィクションで当時の様子を知ることができる。自分がこの世に生まれてくる四分の一世紀前に発生した未曾有うの大災害を優れた文芸から想像でカバーできるのである。みんな、本を読もうよね。

 はっきりしないわけである。この8月の日照時間はこれまでの最低を記録したというのだ。それでも毎月恒例、その月の最初の日、全国の日の出と日の入りのレポートをさせていただきます。
 札幌の日の出は4時58分、日の入りは18時10分。仙台の日の出は5時6分、日の入りは18時7分。東京の日の出は5時13分、日の入りは18時9分。大阪の日の出は5時31分、日の入りは18時25分。福岡の日の出は5時52分、日の入りは18時44分、ということです。

 高速道路を東京から離れれば離れるほど天気がよくなっていく。空は薄い水色。一面のうろこ雲の下を軽井沢へ一直線。
 9月になった途端、あっという間に高原は秋の雰囲気。学校が始まったせいか、軽井沢のスーパーマーケットは大人の雰囲気。団塊の世代グループが酒売り場で談笑しながらスコッチだ、日本酒だと今夜の相棒を選んでいる。ラブラドールレトリバーの子犬を抱いたおじさんが入り口で愛想を振り撒いている。夏休みが終わった軽井沢の高原は団塊の世代のパラダイスとなるのである。

▲ 高速の空は一面うろこ雲


0902・土・

 北軽井沢スタジオで朝からカレンダーの下絵の練習。耳の大きなコウモリがうまく描けるかどうか、大きな革鞄が、らしく見えるかどうか、とにかく練習。この手が覚えてくれるまで、ひたすら繰り返しの練習なのである。けれども、ボクが納得したってコボちゃんからOKが出なければやり直し。彼女はボクの目。手がOKをしたって、目がOKしなければ、何も始まらないのである。それはそうと、あの蝙蝠君はどこへいってしまったのか。おおい、出てこい。

 またまたNHKマイ朝ラジオ「今日は何の日」の受け売りなんだけど、1985年の今日、1912年に沈んだ豪華客船タイタニック号の船体を発見したとフランス国立海洋科学研究所が発表している。カナダのニューハウンドランド島の沖合600キロ、深さ4千メートルの海底に船体の残骸が横たわっていたというのである。映画「タイタニック」は音声映画でしか観てないけど、あのオープニングシーンでは深海底に横たわるタイタニック号を調査する場面を見せられたけど、本当にあんな良好な保存状態が保たれているかどうかはわからない。ただ、その後の調査でタイタニック号に使われていた鋼鉄が安物だったということは聞いたことがある。ま、戦艦大和(やまと)の場合もそうだったけど、沈んだ物は沈んだ物として、空想の中に沈めたまんまにしておいた方がいいような気がするんだよね。そう。アポロ計画のときもそうだったけど、現実は空想の甘い夢を破壊します。

 北軽井沢滞在でいつもお世話になっている病院の9月冒頭の診察を受ける。今朝だけ山の院長先生のサポートは透析室の透析技師さん。とても優秀な人で、昨年も彼女のテキパキとした判断と対応で危ないところを助けてもらった。その手際のよさにはコボちゃんも感動していたほど。その彼女が面倒を見てくれる透析室だから、今日も安心してベッドで本を読んだり映画を観たりできるのだ。もちろん耳での読書、耳での映画鑑賞なんだけどね。
 さて、今日は音声映画、高倉健の「網走番外地」を観る。別に高倉健のファンではないんだけど、有名な作品だから少しは期待する心があった。なのに、あまりの馬鹿馬鹿しさで苦笑してしまう。あの頃の東映映画って、観客を馬鹿だと思っていたに違いない。脚本は穴だらけだし、突込みドコロ満載だし、リアリティーに欠けること、この上なし。日本のどこの刑務所が脱走する囚人に拳銃を乱射するのかよ。時間と空間の設定も滅茶苦茶で、役者のスケジュールで舞台を設定しているとしか思えない。ご都合主義で舞台がくるくる変わるのだ。ひとつだけ収穫は嵐勘十郎がカッこよかったこと。とにかく笑える網走番外地でありました。で、確認できたのは、やっぱり高倉健が大根役者であること。でも、大根役者が極道を演じると様になるんだよね。人気の秘密はそこいらにありそうです。

▲ 山の道銀の組員芒の穂


0903・日・

 5時に目覚めて活動開始。パソコンを前にルーティンワークを仕上げ、ダイニングテーブルへ移動してスケッチブックを開く。いつものスベスベの紙。うん、これこれ。筆圧をかけると描線がほどよく沈む紙。今朝はそこへカレンダー5月の下絵を仕上げていく。コボちゃんはまだ眠っている。その間に集中して仕上げておくのだ。不出来かどうかはコボちゃんが起きてくれば判明すること。とにかく今はできることのひとつ、下絵の制作に心を沈めていく。まずは蝙蝠。耳が大きくて吸血鬼でもないのに牙をはやしていて、鼻は獅子鼻、目はニッコニコ。蝙蝠傘みたいな翼をはばたいて、大きな革鞄をぶら下げている。革鞄には丸や四角のシールが貼ってあって、蝙蝠のこれまでの旅の遍歴を物語ってる。引っ越しの目的地はツリーハウス。いつも仲間外れにされている鳥たちの暮らす場所。ほうら、ミミズクやオオハシガラスが胡散臭そうに蝙蝠を見上げているぞ。ツリーハウスの根元にはウクレレガエルの家があって、ビッキーなんて表札がかかってる。5月の新緑の季節だから、ウクレレガエルも外に出て、ジェイクシマブクロなんかを夢見てウクレレを奏でている。その足元ではニワトリが餌をついばむ。ニワトリは飛べないくせに、蝙蝠をバカにしているのだ。許せないのだ。さぁ、どうする蝙蝠君。君の行く手は甘くない。と、こんな絵になるように頑張っているのです。

 林の彼方から蝉の声が聞こえてくる。涼しくはなったけど、まだ蝉が鳴いていると思うと嬉しい。秋、あんまり早くくるなよ。で、そんな秋の林の中でコボちゃんとアルルがウサギを目撃。まだ緑の草むらで茶色い姿をして、じっと動かないでいる。きっとお母さんウサギから、人の姿が見えたら見つからないようにするんですよ、といわれて育ったんだろうね。だからコボちゃんも気がつかないふりをしてそっぽを向いていたら、いつの間にか消えていたというのです。ウサギさん、悪いキツネには気をつけてね。

 NHKラジオのお昼の喉自慢をコボちゃんと仲良く聴いている。挑戦者たちはここが人生のワンチャンス。公開放送の晴れの舞台で磨きをかけた自分の歌声を披露している。なのにそこへ臨時ニュース。情け容赦のないアナウンスメント。気象庁が朝鮮半島で不自然な地震波を記録したというのだ。北朝鮮が核実験をやらかしたのだ。それも水爆。マグニチュードの大きさで、それが水爆であることは明らかだ。さぁ、大変。またまた安倍晋三の鼻息が荒くなる。考えただけでウンザリだ。ねぇねぇ、金正恩。いつまで安倍晋三の応援団をやるつもりなの。

▲ バス停や見渡す限り芒の穂




2017年 7月31日~8月6日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。


0731・月・上弦・ビーチの日・

 今日はビーチの日、ということらしいです。なんでかというと、海の日と山の日の真ん中で海岸の日、ということらしいんですけど、731で波のいい日、ということでもあるらしいのです。まさか、日本国政府は海岸の日まで国民の休日にしよう、なんて企ててないといいんですけど、これ以上、お休みを増やしてどうすんだよ、という気分なんです。海の日に山の日に海岸の日。加えて都会の日に田舎の日に郊外の日。おまけに電車の日にバスの日にお散歩の日。ポピュリズムの世の中、政権政党のやりそうなことで、コワイです。

 NHKマイ朝ラジオ情報によると、1970年の今日、当時の国鉄山手線の車両に冷房が導入されたそうです。国鉄にとっては初めての冷房車、ということらしいです。その当時、東京の私鉄では通勤電車の冷房を始めていたけど、国鉄も敗けまいと頑張り、試験的に導入することになったらしいのです。1970年というと万博の年。進歩と調和の年で、ボクがイラストレーターデビューした年。冷房車とは何の関係もないけれど。考えてみると、それ以前の山手線には冷房車が存在しなかったわけで、みんなどうして通勤時間帯の暑さを克服していたのだろう。あの頃の暑さと今の暑さは違う。そんなご意見も聞こえてきそうだけど、あの頃だって猛暑日はあったはず。昭和30年代に小学生だったボクはクラスの気象観測委員をやらされていたことがあって、夏休みなっても小学校の校庭に設置された百葉箱まで歩いて通い、温度計を記録させられていたので、そんな記憶があるのです。ま、気象庁に問い合わせればたちまち判明することだけどね。

 ここは3階なのに煙草の匂いが漂ってくる。浴室の窓から煙草の煙が侵入してくるのだ。これは隣人がベランダで吸う煙草。おそらく、奥様にいわれて部屋のそとで吸わされているのだろう。ごめんなさい。ヘビースモーカー、いや、手からシガレットやパイプの離れることのなかったチェーンスモーカーだったボクが口にできる言葉ではないのだが、それって自分勝手ではないですか。お部屋が臭くなるとか、部屋の壁が黄色くなるとか、お気持ちはわかりますけど、身勝手ではないのですか。煙はいつかどこかへ流れていきます。必ず流れていきます。消えてしまうように錯覚するのは、流れていくからです。そして流れた先ではお宅の部屋で起きることと同じことが必ず起きるのです。煙の流れた先での他人様の迷惑を少しは想像してくださいよ。想像できましたら、どうぞ旦那さんに煙草をやめさせてくださいよ。愛の言葉でやめさせてくださいよ。ボクの奥さん、コボちゃんがやったみたいに、やめさせてくださいよ。ベランダで吸っても煙草は煙草。流れた先で人に迷惑をかけるのですから。あのね、一度でもやめられた人間にとって、煙草の煙は耐えられないものなのです。そう。やめればおわかりになりますけど、やめられると、世の中が楽になりますよ。

▲ ベランダの煙草の煙流れくる


◆ 8月・葉月・
0801・火・水の日・

 新しい月のオープニングの恒例、今月一日の全国日の出と日没の時刻です。札幌の日の出は4時25分、日の入りは18時56分。仙台の日の出は4時39分、日の入りは18時47分。東京の日の出は4時49分、日の入りは18時46分。大阪の日の出は5時8分、日の入りは19時1分。福岡の日の出は5時30分、日の入りは19時19分。そういうことでした。

 今日は水の日であるという。水の大切さを広く理解してもらおうと1977年に政府が決めた日であるという。ま、この季節、水不足が話題になることが多いもんね。余計なお世話と思っても、権力というものは常に国民に対して何かをしていますよと、ポーズしたがるものなのだ。どこか後ろめたいところがあるから、いい人らしく振舞いたがるのだ。とにかく今日から1週間は水の週間ということで、皆さん大切に水を取扱いましょうよね。何かあれば困るのは私たちなのですから。

 フランスの女優、ジャンヌモローが亡くなっていたことがわかった。大好きな女優さんだった。特に美人というわけではないのに、強烈な色気があり、なおかつ知的だった。89歳ということだが、長生きをされていたのだ。法令線に特徴のある顔立ちだったが、89歳になられたジャンヌモローはボクには想像もつかない。美しく加齢されたことを祈るばかりである。思い出の映像は数え切れない。特に彼女に憧れたのは高校時代。1966年日本公開の映画「ビバマリア」ではブリジットバルドーとの競演で円熟の女優がふたり、その色気を競い合い、観客の男どもを悩殺しまくった。その姿はボクの網膜にも焼き付けられている。また1964年制作の「大列車作戦」も忘れられない。白黒画面に激走する蒸気機関車の勇姿とジャンヌモローのお色気の対象がまこと印象的だったのである。高校時代といえば女性に敏感な頃。そんな時代にジャンヌモローのお色気で年上の女性に憧れを抱いた自分は果たして幸運だったといえるのだろうか。とんとわからない。でも、ジャンヌモローという女優さんのお姿はボクの中で永遠の存在として輝き続けることだけは間違いない。そのご冥福をお祈りし、心から手を合わせます。憧れをありがとう。

▲ 空蝉を集めて歩く子らの声


0802・水・

 1979年の今日、千葉県君津市のお寺で観光用に飼育していた2頭のトラが逃げ出した。2日後に1頭が、26日後にもう1頭が付近の山林で射殺された。この事件、今も忘れられない。猟友会のスキルアップの口実にされた2頭のトラが気の毒で仕方なかったのである。檻の鍵をかけ忘れたのが原因だが、そんなマヌケな落ち度、猛獣の檻に鍵をかけ忘れるという基本中の基本、基礎的な失策さえなければ2頭のトラは無駄に殺されることはなかったのである。坊主の仕業とはいえ、人間の罪は大きい。ここのお坊さんたち、とても極楽浄土には浮かばれません。

 外では気の早いツクツクボウシが鳴いていて、やたら涼しい。季節を間違えそうである。これって台風5号の悪ふざけに違いない。台風5号が長寿台風とおだてられ、まだうろうろしているのだ。とんでもない勘違い台風になっているのだ。海水温が高いものだから勢力がちっとも衰えない。小笠原あたりをうろついていたかと思うと今度は日本列島に北上しようとしている。なんかこの台風、いつまでもうろついて、日本列島に文句でもあるのだろうか。因縁でもつけたいのだろうか。往生際の悪い台風である。この台風、いつもとは反対に太平洋の東側からやってきたらしいとはお天気おじさん、森田正道(もりたまさみち)さんの情報。うろうろしているのは偏西風の蛇行が原因であるらしいのだ。この夏の異常さもそこからきているので、天気予報がまるで当たらず、気象庁が梅雨入りも梅雨明けも外したのはそれが理由であるとは言い訳に好都合な気象状態であるのだ。

▲ つくつくと聞える声の夏の果て


0803・木・

 1985年の今日、撃沈された戦艦大和(やまと)の船体が確認される。太平洋戦争末期に沖縄特攻に向かったところ、九州は鹿児島県沖でアメリカ軍の雷撃隊に爆沈されたもの。東シナ海、およそ340メートルの海底で発見、撮影に成功した。宇宙戦艦ヤマトではこの船体が修復され、宇宙戦艦として生まれ変わり、地球を救う大活躍をする筋書きになっているのだが、実際の船体は無残に打ち砕かれ、四散していた。そっと眠らせておいてあげた方がよかったと思うのはボクだけじゃないだろう。

 昼寝をしてたらお風呂でケータイを水没させる夢。必死になってタオルで拭っていたらそのケータイがブルル。本当に電話がかかってきて、それで目が覚めました。相手とお話しをしながら、寝小便をしなくてよかったなと安堵する。でも、電話を切ってから気がついたのは、ボクは腎不全でおしっこがまるで出ないのだということでした。

 バンジージャンプのワイヤーロープが切れたという。冗談じゃない。いくらお金を積まれてもボクはお断わりだけれど、ただでさえ恐怖のバンジージャンプがますます恐怖の対象となる。でも、もっとゾッとする事実がある。このバンジージャンプ、全国に11カ所もあるらしいのだが、その安全基準がまるで決められてないという。ね、コワイでしょ。

▲ 救われて空蝉どこへしがみつく


0804・金・

 1兆円には届かないと思うけど、青年億万長者のホリエモンが起業した宇宙ベンチャー、インターステラテクノロジズが全長10メートルの宇宙観測ロケット打ち上げに挑戦している。経済的なエタノールを燃料として宇宙空間を目指して発射されたが、北海道の沖、8キロに着水、というより落下した。結果は失敗だったが、日本の民間最初の宇宙ロケット打ち上げとしては大成功とボクは思いたい。その昔、ソ連やアメリカが人工衛星競争をしている頃、日本のロケットは鉛筆サイズ。ペンシルロケットを飛ばすのが精一杯だったのだ。あの糸川教授が音頭をとっていても、鉛筆みたいなロケットを、それも上空ではなく、水平に飛ばすのが精一杯だったのだ。それから考えればホリエモンのロケット、すごいもんです。金正恩のミサイルなんかに絶対に負けるなよ。

▲ いっちょうは大き過ぎます冷奴


0805・土・

 1962年の今日、あのマリリンモンローが亡くなった。自宅のベッドで亡くなっているのを発見されたのだ。シャネルの5番だけをまとった全裸であったかどうかについては触れられていないが、睡眠薬による自殺説や他殺説も伝えられ、世界中の関心を集めた。中には恋人と噂されたケネディー大統領が係わった説、なんてのがあり、大いに我々男性たちの興味を引いたものだが、その後この説は尻切れトンボになっている。誰か本を書いてくれないかな。いずれにせよ、マリリンモンローは我々男どもにいろいろな夢を見させてくれました。

 終日、来年のカレンダーの下絵を描いている。そろそろアイディアがまとまり始めている。楽しくなってきている。おえかきのいいところはBGMが音楽でなくてもいいこと。音訳読書もはかどるところ。絵を描く神経と本を読む神経は別の働きであるらしいのだ。じゃ、文章を書いているとき、BGMが音楽なら何でもいいかというと、実はそんなこともない。特に最近ボクが惚れ直している渡辺美里の歌はBGMとしては聴き流せない。この人が歌うと普通の言葉も魔法の言葉に変わってしまう。その楽しみをBGM扱いしていては聞き逃してしまうのだ。そういう理由で渡辺美里の歌は透析中、音訳読書に疲れたとき、自分の元気を回復させてもらおうと、ヘッドフォン宇宙でその歌唱力を全開させてもらうのだ。美里さん、ありがとう。

 土曜日の深夜、22時25分から23時40分まではNHKラジオ第二の「朗読の時間」再放送を聞き逃せない。今週からは谷崎潤一郎の「猫と庄造と二人のおんな」。これから25回、この小説を一流の朗読で楽しめるというのはラッキー。始まったその日から滅茶苦茶に面白くて引き込まれている。ことに猫についての谷崎潤一郎の描写がいい。作者自身がかなりな猫好きであることがうかがわれる。猫姫様のコボちゃん公認第二夫人もこの小説を高く評価していて、主人公の庄造を森重久弥が演じている映画のあることも教えてくれた。おお。サピエ図書館でいつかこの映画、音声化してくれないだろうか。ネット検索してみたら、二人の女の配役もすごいし、母親が浪花千栄子というのもスゴい。この映画、ぜひ観たいものである。

▲ 没頭のスケッチブック汗ひとつ


◇ バーチャル『奥の細道』コース 中尊寺をお参り、通過しました。
まだ金色堂の輝き煮目がくらんでます。およよ。
次は尿前。あと、143,002歩です。ちと遠いなぁ。歩くの、やだなぁ。
現在の歩数、1,346,998歩。3周目の徘徊です。ひたすらウロウロです。


0806・日・広島平和記念日・

 この朝のことである。平和祈念式典の中継中、8時15分から1分間の黙とうを捧げようと立ち上がったボクの口に、コボちゃんがいきなりバナナを突っ込んだ。これって、いつものルーティーン、朝の儀式なのである。カリウム摂取を制限されている透析患者のボクはバナナ人房を食べれば確実に死亡する。けれどもボクはバナナが大好物。それで毎朝必ずバナナを食しているコボちゃんは、食べる前に必ずその最初の一口をボクに与えるのである。仕方がない。ボクはそのバナナを一口、咀嚼することなく、黙って1分間の黙とうをささげたのである。バナナを口に突っ込まれたまんまの1分間は長かったけれど、被爆した広島への黙祷が終われば、充分に咀嚼して胃袋に送り込む。そうして広島市長と安倍晋三のスピーチに最後まで傾聴した。それにしても広島市長の平和宣言と並べると、安倍晋三の言葉の何と空虚なことか。いつものインチキ記者会見だったら、プロンプターの指示される通りに言葉を発するのだが、平和祈念式典会場ではそうはいかない。そこで背広の胸からおもむろに取り出した原稿を声高らかではあるけれど、舌足らずに朗読するだけ。もちろん官僚の準備した原稿であるから、そこにはアメリカに叱られるようなマター、核兵器禁止条約なんてことには一切触れられてはいないのである。反省しているはずの安倍政権の内角改造のときも思ったけれど、この人の言葉ほど空しいものはない。言葉では反省していても、態度はまるで反省してない。今朝のスピーチも核兵器廃絶と語ってはいても、その具体的行動は微塵も見せることはないのである。

▲ 日の丸が焼かれていますキノコ雲


2017年7月17日~23日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。


0717・月・海の日・下弦・

 東京都心は今年最初の猛暑日を記録した。この暑さは人類からやる気や根気を奪うけど、大相撲名古屋場所では若い力士たちが暑さを吹き飛ばしながら頑張っているけど、若い力士が人類じゃないという話題じゃない。中でも注目がとびざるという力士。飛翔の翔と猿でとびざる。猿飛(さるとび)ではない。この猿という文字は本人が希望したという。この名古屋場所では宇良という若手力士が見る者の予測を裏切る素早い動きで先輩力士たちを翻弄しているが、この翔猿(とびざる)という力士もしこ名通りの活躍をしてもらいたいと思う。

 透析からの帰り道、駐車場から歩き出すとコボちゃんが素っ頓狂な声をあげた。例のあの生き物が目の前を横切っていくというのだ。猫のようで猫でない、あの生き物である。猫のように見えるのはこの生き物がジャコウネコの親戚、ハクビシンであるからだ。体は猫よりは少し大きく、猫よりはスマートにできている。特徴は優美な尻尾。柔らかく動かすのはリスのように肉体のバランスをとっているのかもしれない。コボちゃんはもっとよく見ようと近づいていく。けれどもこのハクビシン、まるで警戒していない。見ている前で塀を駆け上がり、すたこらと忍者のように塀の路を歩いていく。このハクビシンが自らの動きを見せびらかすように振る舞ってくれたのはブラックラブのアルルがいなかったせいかもしれない。猛暑日の今日、アルルは冷房の効いた部屋でボクのベッドにひっくり返り、今ごろ大きなイビキをかいている頃なのである。

▲ ほっとけば氷たちまちお湯となる


0718・火・

 安倍政権の支持率は29パーセント。ギリギリの低空飛行である。一日も早く失速してくれたらありがたい。でないと今度は日本が失速する。

 聖路加病院名誉院長の日野原先生がお亡くなりになられた。105歳だった。理想的な生き方を日本国民に示してくださった日本の恩人である。聖職者とも思えるような偉大な医療従事者だった。某出版社がボクとこの偉大な先生との対談を企画してくれたことがあったが、実現せずに今も残念に思っている。心よりご冥福をお祈りすると同時に、生き方と死に方のお手本を見せてくださったことにお礼を申し上げたい。

 じっくりとサクランボを楽しんでいる。一粒一粒噛みしめて味わっている。大切な宝石を扱うがごとく、ベロの上で食べ残った種を優しくつまみ出している。食べかすなのに、ダイヤのように扱っている。昨夜のラジオ深夜便の山形県レポーター、川下りの船頭さん、古瀬イツ子さんが、現地ではこれらサクランボ、勿体なくて滅多に口には入らないといっていた、そのサクランボを次から次へと口の中へ放り込んでいるのである。山形県の友人知人に感謝しながら口の中へ放り込んでいるのである。何たる贅沢、何たる幸せ。
 それにしても暑い。クソ暑い。今日でもう2週間連続の猛烈な暑さが続いているのだ。既に梅雨が明けているのかと思うのだが、なかなか気象庁はそれを認めてくれない。さっきから頭の上では雷鳴がしていて、あちらこちらでゲリラ降雨をやらかしているらしいのだが、これが終わると関東地方から梅雨前線が消滅して、それから梅雨明け宣言がされるのだろうとTBSラジオの気象予報士はほのめかしてる。だとしたら何たる間抜けな梅雨明け宣言。梅雨が明けたと思って暑さに耐えるのといつ梅雨が明けるのだろうかと憂鬱になりながら暑さに耐えるのとではどちらがマシか、というマシか、マシでなしか問題に梅雨明け議論が発展してしまうのだ。ああ、この暑さ、たまらん。日本列島は既に完全なる熱帯です。ヒアリが棲息する南方のジャングルと変わりません。

▲ つまみあげ拝んで食べるサクランボ


0719・水・土用の入り・

 気象庁より梅雨明け宣言。何を今更の梅雨明け宣言。おいおい、梅雨なんか本当にあったのかよ。そういいたくなる梅雨明け宣言。けれども西日本ではまだ梅雨が明けてない。ことしの梅雨は西日本がすべて引き受けてしまったのである。

 生徒に対して、窓から飛び下りろとか、明日から学校にくるなとか発言する横暴教師が問題になってるけど、この小学校教師、34人クラスの生徒たちに明日からは33人でやっていこうな、と呼びかけてもいたらしい。言葉の暴力だけでなく、実際に靴の裏側で蹴飛ばすなんて正真正銘の暴力も振るっていたというからちょっと許せない。この生徒がどんな乱暴狼藉を働いたかは情報として提供されていないが、いずれにせよクラスという閉鎖環境で起こる事態であるから、そこは教師の腕の見せ所で、蹴飛ばして問題解決する場面ではない。小学校や中学校時代、ボクも乱暴教師や横暴教師に泣かされた記憶がある。消せない心の傷がある。ことに小学校6年生のときのクラス担任を今も許せない気持ちでいる。理科のドリル。最も得意な科目。その紛失したドリルを捨ててしまったのだろうといわれて猛烈に口惜しい思いをさせられた。金持ちクラスの中でブルーカラーの家庭で育ったボクの身なりはクラスメイとに比べれば多少は貧しいものだったかもしれない。このクラス担任は家庭からの貢物で生徒の取り扱いを決めるという個性の持ち主で、そういう意味でボクは評価の外にあったのだ。3年後、卒業生の全員が無事に高校入学をしたタイミングで開かれたこのクラス会に慶應義塾の制服で参加したボクを、信じられないという顔つきで見つめていたこの横暴教師の顔を、ボクがどんな気持ちで眺めていたかは想像にお任せしたい。けれども慶應義塾なんて学校は両家の子女でなければ門をくぐることも叶わないのだと生徒にほのめかしていたこの教師の鼻を明かしてやりたかった、という気持ちが心のどこかにあったことは認めます。

 ヒアリが続々と見つかっている。もしかしたらとっくに定着していたんじゃないの。退治しようにも、既に真美合わない状況にあったんじゃないの。そういうことだから、毎年100人の死者が出ているという情報は誤りでしたとか、何度も刺された専門家が無事でいるとか、環境省筋は外来生物の危険情報の火消しに躍起になっている。ヒアリだけに火消しに余念がないのである。

▲ 先生に赤点つける生徒たち


0720・木・

 1969年の今日、人類が初めて月面への着陸を実現した。1963年に暗殺されてしまったケネディー大統領が予告した通り、アメリカ合衆国は60年代までに月旅行を現実のものにしたのである。人類初の月面歩行者となったアームストロング船長は
「これは人間の小さな一歩に過ぎないが、人類にとっては大きな飛躍である」
と月の世界から地球の全人類にメッセージを発信したことを昨日のことのように記憶している。宇宙時代に生まれ、宇宙に憧れ続けてきた自分にとって、この瞬間は希望の未来がひとつの形で実現した瞬間であったのだ。

 本日から取水制限20パーセント。そうなのだ。西日本では雨の被害が続いているのに、ここ関東地方は雨に困っているのだ。荒川水系で20パーセントの取水制限というのは平成6年以来のこと。実に23年ぶりのことである。関係方面は20パーセントじゃ一般家庭の水道の蛇口からの水に問題は起こらないといってはくれているけれど、やっぱり心配です。そうなのです。いよいよ出番なのです。歌姫でもあり、また雨ふらしの女神様でもある、あの偉大なる歌姫、おおたか静流さんの出番なのです。砂漠のコンサートで砂漠に雨をもたらした実績のある、あのアジアの奇跡の歌声、おおたか静流さんの出番なのです。おそらく今日あたり、彼女のところには雨乞いの依頼が殺到していることでしょう。なんて考えてたら彼女の声が聞きたくなってきた。

 ここのところ敵であれ味方であれ、安倍政権にとって不利な情報があふれ出してきてる。ってことは、要するにアベちゃんがますます嫌われてきてるってことじゃないのかしらん。アベちゃんを筆頭に稲田防衛大臣や、あの頼りない連中、法務大臣や地方創生大臣たちに早く辞めてもらいたいということでしょう。そこんとこ、アベちゃんはわかってあげなきゃいけないんだと思うよ。

▲ 彼方から雨をくれそな夏の雲


0721・金・

 今朝は夜明けとともに蝉の声で目覚めたのである。ミンミンゼミかニイニイゼミか、あんまり気にしたことはないけれど、いつものあの夏の声が聞こえてきて本物の夏の気分になれたのである。じゃ、これまでの真夏日の記録的連続攻撃がボクを夏の気分にさせなかったのかというと、実はそうなのです。真夏日がどれだけ続こうと、どんなにすごい猛暑日がやってこようと蝉の声が聞えなきゃ、それは夏の日とはいえないのです。ああ、大好きな夏よ、ようこそいらっしゃいました。そしてボクとコボちゃん、イヌとネコドモは今日から高原の生き物になるために、ここ北軽井沢にやってきたのです。

 ドボルザークのシンフォニー「新世界」にひたすらに、じっくりと、気が済むまで耳を澄ませていた北軽井沢の一日が、ヒグラシの声に連れられ暮れていく。物悲しくも暮れていく。前回の北軽井沢ではハルゼミが泣いていたのに、ほんの半月ほどでハルゼミの声はヒグラシの声に変わっていたのだ。東京都おんなじで、昼間は猛烈に暑いけど、この北軽井沢、夜になれば速やかに涼しくなる。昼間はTシャツ一枚で過ごしていられたけれど、寒がり屋のこのボクは、夜になればコボちゃんにトレーナーを出してもらうのである。ああ、寒いの、嬉しいな。

▲ 新世界そっと暮れゆく夏の空


0722・土・

 秋田では大雨になっている。7月の雨を一気に降らせてしまったらしい。ここ北軽井沢でも雷鳴とともに激しい雨音をたてて雨粒が落ちてきた。アルルは散歩にもいけず、猫のミミコと一緒に北軽井沢スタジオで留守番をさせられている。その間、ボクは山あいの病院で透析を受けている。上空の大気と一緒で、ボクの気持ちも不安定。透析室の雰囲気も不安定。患者さんの内緒話によると、本日はカナメの技師がお休みということで透析室の進行がスムースにいってなかったらしいのだ。気心の知れた透析スタッフがいてくれないと心安らかに透析を受けることは難しい。よく知らないナースたちの中で唯一、話しの通じる透析技師さんがつきっきりでケアしてくれたので最後まで安心していられたのは助かった。医療技術を最大限に引き出すのは信頼関係。この人がいてくれなかったら、透析の4時間は地獄の一丁目となっていたことだろう。ただ、そのおかげで夜のビールがやたらおいしかったことだけは付け加えておきたいと思います。

▲ たらたらと汗をかきますアイスティー


0723・日・大暑・新月・

 毎週日曜日、NHK「マイ朝ラジオ」は「生き物いろいろ」が面白い。今朝はバードカービング作家、鈴木勉さんのレクチャー、アマツバメのお話。アマツバメはその生涯を空中で暮らすため、足の指が退化し、親指にあたる指が小さくなって他の指と並んでしまっている。そのため、四本指に見えるという。空を飛びながら食べ、水を飲み、セックスをして眠る。地上に降りるのは産卵と抱卵のときだけ。それも岩場に限られる。アマツバメの翼はブーメラン型。そのためにグライダーのように省エネで飛行ができるのだという。アマツバメは分類的にはツバメの仲間ではなく、翼の形がツバメに似ているだけ。そういえばツバメもはるか彼方から海の上を飛んでやってくる。やはりその翼は長時間の飛行に適しているのだろう。形は目的の結果なのである。キリンの首が長いのもゾウの鼻が長いのも目的の結果なのである。

 終日、雨が降っている。秋田県では大変な水害が出ている。秋田県も気の毒だが我が家のアルルも可哀想。歩いて30分のプリンスランドにお散歩できないということはつまり、ソフトクリームにありつけない、ということなのである。北軽井沢でのアルルの楽しみはお散歩とソフトクリームに尽きるのである。そしてコボちゃんの最大の楽しみは分身アルルにソフトクリームを食べさせることなのだ。

 いきなりの涼しさである。避暑地とはいえ、あまりの涼しさである。そのせいで猫のミミコがやたら人間にくっついてくる。人間から体温を奪おうとくっついてくる。そして人間は仕事ができないと不平をいいながら、くっつかれるのを楽しんでいる。いればうるさいし、いなけりゃ寂しい。猫はおかしな生き物なのである。

 大相撲名古屋場所は本日が千秋楽。結果は白鵬の優勝。強いのは努力の賜物。強くて頭がいいのだから、優勝しなければ嘘なのである。そこは尊敬の的になっていいのである。白鵬、おめでとう。よかったね。

▲ 立ち上がる蝉のコーラス雨上がり



2017年5月1日~7日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。

◆ 5月・五月(さつき)・
0501・月・メイデイ・

 今日から五月です。そして恒例の全国日の出と日の入りの時刻です。札幌の日の出は4時29分、日の入りは18時35分。仙台の日の出は4時40分、日の入りは18時28分。東京の日の出は4時49分、日の入りは18時27分。大阪の日の出は5時8分、日の入りは18時43分。福岡の日の出は5時30分、日の入りは19時1分。さあ、夏至に向かってまっしぐら。昼間がどんどん成長していくのです。

 米軍の補給艦をニッポンの自衛官が護衛して房総半島沖から四国沖まで仲良くランデブーするらしい。いよいよ安保関連の新しい法律が効力を発揮するのだ。自衛隊がアメリカ軍のお手伝いを具体的にしなければならなくなるのだ。安倍政権の仲良しお友だちグループがわくわくするような事態が現実になってくるのだ。
▲ 戦争が廊下の奥に立っていた
 この、渡辺白泉の戦前の俳句みたいに、再びこの国には戦争へのやる気が満ちているような気がしてならない。誰のやる気か知らないけれど。
 日本の周辺にはニミッツ、カールビンソン、ロナルドレガンと3隻の原子力空母と原子力潜水艦のミシガンがうろちょろしている。するとそれを聞いた滋賀県の誰かが驚いた。琵琶湖のミシガンが日本列島の底を突き進み、いつ日本海へ飛び出したのかと。いや、それは間違いです。あなたのいってるミシガンは、琵琶湖の観光船、あの外輪船のミシガンでしょ。あっちのミシガンは原子力潜水艦。流線型の、戦争のできるおっかない船なのです。

 午後、気の早い雷雲(かみなりぐも)がやってきた。五月の雷様がやってきた。アルルはおろおろ、部屋の中をうろつき回る。安全な場所を求めて徘徊する。しまいには、ボクのお尻について回る。けどね、ごめん。エアコンで暑さは退治してあげられても、遮光カーテンでは雷の音は消してあげられないのだよ。

▲ 春雷や犬は金魚の糞となる

0502・火・

 気持ちのよい夕方だからお散歩に出る。いや、気持ちのよい夕方を口実にしての豪徳寺駅前商店街までの買い出しである。鳥武(とりたけ)の取り立ての、じゃなくって、焼き立ての焼き鳥の買い出しウォークである。住宅街にさしかかるとジャスミンの香りに包まれた。ますますいい気持ちになって歩いていくと、下校する小学生の女の子がスマートな大型犬のボルゾイと並んでスキップしている場面に遭遇する。顔が長くて脚が長くて、強くて優しそうな大型犬と、楽しそうな学校からの帰り道。真っ白なボルゾイを連れているのはお父さんなのか、それとも知らないおじさんなのか。ランドセルを背負った女の子が噛みつかれもせず、ボルゾイの首のあたりの長い毛につかまっているところを見ると、よっぽど仲が良いのだろう。となると、やっぱ知らないおじさんじゃないよな。ま、ボルゾイが用心棒をしてくれるなら、小さな女の子でも登下校は絶対安全に違いない。アルルもあれくらい脚が長くて強そうだったらコボちゃんのボディーガードになれるのに、それを短足のアルルに求めるのは、ちょっと気の毒かもしれないね。

 日本はかなり変わった国である。北朝鮮でミサイルという名の打ち上げ花火が上げられると、たちまちにして地下鉄が止まったりする。お約束で止まったりする。高校生になると地毛証明書を携帯し、自分の生まれつきの髪の毛の色を証明しなくてはならなくなる。こうした、他の国では見られない日本だけの現象は、探せばいくらでもあるだろう。これすべて、大人になれない国家の特徴です。なんせ、国家の代表がアメリカの顔色ばかりうかがっているのですから、国民が大人になれるはずがないのです。

▲ 髪の毛も顔も色々白いシャツ

0503・水・憲法記念日・上弦・

 本日は憲法記念日である。1947年、ちょうど70年前の今日、現在の憲法、日本国憲法が施行されたのである。主権在民、基本的人権、平和主義を国家が国民に初めて認めてから70年。今、その日本国憲法が揺らいでいる。安倍晋三という憲法の理念をまったく理解しようとしない権力者が国民からそれら権利を剥奪しようとしているのだ。安倍晋三、憲法改正より自分の滑舌を改正して、洗面器いっぱいの味噌汁で顔を洗ってから出直してこい。

 1946年の今日、極東国際軍事裁判、東京裁判が開廷された。A級戦犯容疑者として、東条英機をはじめ、旧政府、旧軍部関係者28名が出廷した。この中には今の首相、安倍晋三の祖父、岸信介も含まれていたはずである。今、それを話題にすることはなぜか避けられている。安倍晋三の憲法改正への情念は岸信介が投獄中に心に燃やし続けていた怨念からきているのである。

 人間ドッグといっても、あの人間ドッグではない。人間のおしっこの匂いを嗅ぎ分けて癌のあるなしが判断できる犬のことである。朝のラジオでそんな話題を耳にしたあと、近所の公園のワンちゃん集会に顔を出した。ファッションモデルか演歌歌手みたいにまつ毛の長いミニチュアシュナウザーやコーギーのメイちゃん、レオ君の集まるワンちゃん周回である。たくさんのワンちゃんが楽しく遊んでいたが、残念ながらアルルの大親友、メイちゃんの姿は見られなかった。まさか、人間ドッグのアルバイトに出かけたんじゃないよね。

▲ 夏だから煎餅やめるお父さん

0504・木・みどりの日・

 水族館のフラッシュ撮影でクロマグロが死んだという事件が話題になっている。どんな場所であるにせよ、公共の場所でのフラッシュ撮影は禁止すべきだと思う。わざわざ貴重な魚たちの泳ぐ水槽の前で、家族の記念撮影をする必要なんかないんじゃありませんか。そもそも、どうしてそんなに記念撮影がしたいのだろう。ボクは世界中、あちらこちらに出かけていったけど、自分の姿を景色の中に置いて写真なんか撮ったことがない。こんな醜い姿で美しい風景を汚すことに耐えられないのだ。ま、記念撮影をする人たちは、よっぽどご自分の美貌に自信がおありなのでしょう。

 TBSラジオ、「スタンバイ」で窪島誠一郎先生の無言館のことを取り上げていた。あの遠藤泰子さんの声で紹介されると何だかとても嬉しくなる。そして可能ならば成人式のことにも触れてもらいたかった。その成人式に参加させてもらって毎年のように思うことだが、成人の日に当たり前に行われる成人式ではなく、ゴールデンウィークに長野県上田市の無言館での成人式を選択する若者たちの生き方を見事だと思う。全国から集う若者たちを思わず尊敬してしまう。これから先の未来、彼らが成熟すればするほど、自分の選択が誤っていなかったことを確信するに違いない。そう。自分の人生は自分で決めていくのである。

 今朝のワンちゃん集会には誰もこなかった。9時では遅すぎたのだ。昨日は7時半で早過ぎて、今日は遅すぎた。とにかく今日もアルルの大の仲良し、コーギーのメイちゃんには会えなかったのだ。
 そこで豪徳寺の花壇へと向かう。薄曇りの上からの太陽光線で日向ぼこをしていると足元にワンちゃん。お風呂屋さんの箱入り息子、コーギーのレオ君が特徴のある大きな耳をピコピコさせてボクに挨拶してくれた。でもアルルもレオ君も再開の喜びの挨拶はあっても積極的には遊ばない。ゴールデンウィークの陽気は犬たちには既に暑いのである。みどりの日の今日、北海道では31度を超える真夏日を記録して、日本列島で最も暑い場所となったという。ヒグマたちもきっとビックリしていることだろう。
 ボクらの座っている花壇に向かって小さなリュックを背負った幼児が一生懸命歩いている。けれどもコボちゃんの見ている前で段差につまずきバッタリ、転んでしまった。でも大丈夫、すぐに立ち上がり、心配そうに見つめていたコボちゃんに手を振った。コボちゃんも振り返す。明日は子どもの日。少子化が進んでいると世間ではいうけれど、素敵な子どもたちが増えているような気がしている。少子化であろうとなかろうと、世界が子どもたちの笑い声で満ちていてくれ、と心から祈っている。

 大変だ。経堂駅前ラーメン店「光陽楼」の雲呑麺がメニューから消えていた。亭主が麺を茹で、女将さんが雲呑を茹でる。そのタイミングがずれると雲呑麺のアンサンブルが崩れてしまう。すると夫婦喧嘩となってしまう。娘が間に割って入る。仲裁に苦労する。と、そういう事情で雲呑麺がメニューから消えて久しいという。では、どうしてボクはこれまで、雲呑麺を無事に食べられていたのだろう。そうお尋ねすると、ナマエさんは特別なのだと娘さんはおっしゃる。そう。ボクは1973年以来、ずっとその雲呑麺を食べ続けていて、光陽楼の雲呑麺が生き甲斐になっているからである。これまでこのブログで、光陽楼の雲呑麺を皆様にお勧めしていたけれど、残念ながら、この事実をレポートしなければならなくなった。でも、雲呑だけなら食べられます。ラーメンだけなら食べられます。それから夏季限定で冷やし雲呑麺なら作ってくれるそうです。熱い場合と冷やしの場合は事情が違ってくるあたり、ここが光陽楼のこだわりなのです。光陽楼の雲呑、とにかく最高、お勧めなのです。

▲ 飛んでいく胸のバッジや天道虫

0505・金・こどもの日・立夏・

 1955年の今日、戦後の占領状態にあった旧西ドイツが主権を回復。ボンで開催された米英仏による高等弁務官会議で10年間にわたる占領状態の停止が宣言された。西ドイツはナチスドイツの悪夢から目覚めるまで10年間を要した訳である。

 2012年の今日、国内すべての原発が運転停止となった。当時唯一運転中だった北海道泊(とまり)原発3号機が定期検査のため発電を停止、翌日原子炉が完全停止して1970年以来、42年ぶりに国内に50機あるすべての原発が完全に運転を停止した。ここから国と政府の原発再開のための悪知恵を総動員させるのであるが、やればできる原発ゼロを、どうしてやらないのだろう。そんなにアメリカが恐ろしいのだろうか。放射能の方がよっぽど恐ろしいと思うのだけれど。

 TBSラジオ「スタンバイ」の現場にアタック。子どもの日特集で、現役の小学生たちに東京オリンピックを楽しみにしているかと尋ねると、そうでもないとクールに答える割合が4割を超えているのには驚いた。大人たちよりもはるかに冷静なのである。安倍政権に煽られて浮かれている大人たちと比べると頼もしさを感じてしまう。つまり、子どもたちの方が冷静なのである。なんせ、借金はすべて子供たちに負わされるのだからね。

▲ ベランダに干されてるよな鯉のぼり

0506・土・

 1937年の今日、ドイツの大型飛行船ヒンデンブルグ号がアメリカニュージャージーの飛行場に着陸する寸前に爆発炎上し、乗客乗員36名が死亡。この事故をきっかけに空の大量輸送の主役だった飛行船は衰退の道をたどる。このニュースフィルムはあまりに有名。一度でもこれを見てしまったら、とても飛行船に乗る気はしなくなるだろう。

 1970年の今日、プロスキーヤーの三浦雄一郎がエベレストを直滑降で滑り降りた。標高8千メートル付近から直滑降で滑り降りた。ヘルメットにカメラを装着して、パラシュートをひらひらさせて、距離にして3キロ、時間にして2分20秒間の命がけの滑りだった。今は冒険家として知られる三浦雄一郎、ボクはスピード記録を更新している頃や、富士山直滑降のプロスキーヤーの時代から注目していて、この記録映画も早速映画館に観にいった。富士山直滑降の映像も記憶に新しかったけど、やっぱエベレストは別だった。エベレストを滑り降りる途中、転倒した三浦雄一郎が白い景色の中でゆらりと立ち上がったとき、思わず涙ぐんだことを覚えている。思えば、このときから彼とエベレストは運命の糸で結ばれてしまったんだよね。

 老女連続殺害事件の容疑者の女性を自殺させてしまった警察って、何を考えていたんだろう。どうして家に帰してしまったんだろう。きっと愛媛県って、長く平和が続いて、殺人も盗みもなくって、だから警察もお仕事というと、夫婦喧嘩の仲裁くらいで、きっと油断し切っていたんだろうね。困ったことなんだけど、これまで困ったことのなかったことには、感謝しなくてはならないんだと思う。

▲ 晴れたから蝶ちょになって生まれたの

0507・日・

 1945年の今日、ナチスドイツが連合軍に無条件降伏している。日本もこのときに幸福しておけば広島にも長崎にも原爆を落とされずに済んだのだ。すべて国と軍部の責任なのだ。天皇陛下の責任ではないのだ。そのことで、昭和天皇がどれだけ心を痛めておられたかを考えると、国家と権力の無責任さに臓物が沸騰する思いである。今の権力者たちも、いざとなれば尻尾を巻いて逃げ出すのだろう。本当に責任をとらされるのは常に一般市民なのである。

 連休最後の日である。ちょうどよい具合の気温と湿度である。いい具合の風である。この五月の晴れの日の、あまりの心地の良さにボクは眠くてたまらない。これまで、世間は黄金週間のおかげでずいぶんのんびりしてきたことだろう。そしてボクもずいぶんのんびりさせてもらった。そしてそれはそうなのだけれど、こういう天気になると、ますますのんぎりしたくなるのが人情というもので、ゴールデンウィークの締めとして、この一日、最後ののんびりを思い切りやらかそうと思うのだ。

▲ 柏餅味噌か餡かで口げんか





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