全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。

0306・月・

 目覚めると寒くない。雨のせいで寒くないのである。たとえ雨でも暖房の必要を感じないのはありがたい。湿度と体感温度は密接に関係しているのだ。もしも日本の夏が乾いた夏だったらもっと過ごし易いし、冬の空気が湿っていたら、それほどに肌はピリピリしないだろう。と愚痴るのは簡単。寒さも暑さもガマンしていればいつかは過ぎ去る。生きていくコツはカメさんみたいに首をすくめていること。それを上手にやってのけてるのが我が家であるにも関わらず思ってもいないときに踏んでしまい、突如爆発する地雷みたいな奥さんの前の亭主たちなのだと思います。

 今週のNHKラジオ、昼の憩いは先週お亡くなりになられたロックミュージシャン、かまやつひろしさんの特集。力が抜けてお洒落で、当時としては先進的だったムッシュの音楽を次々に紹介してくれることになっている。この「昼の憩い」、音楽チョイスが滅茶苦茶よくて、さすがのNHKなのである。流れ石の日本放送協会なのである。ありとあらゆる歌謡曲に精通している、マニアというよりほとんどモノマニアなスタッフがおられるのに違いない。往年の歌謡曲はもちろん、ドリフターズやクレージーキャッツの冗談音楽だったり、山本コウタローの隠れた名曲だったり、ここでしかかからないレアな楽曲に出会えることもあって、NHKニュースの口直しとしては欠かせない時間なのである。先日の、
「上から読んでも下から読んでも世の中馬鹿なのよ」
などという回文の作詞もユニークな日吉ミミの「よまいごと」などは秀逸の選曲だった。
 さて、ムッシュ、かまやつひろしの話に戻ります。NHKばかりでなく、本日はTBSラジオでもコラムニストの小田嶋隆さんがムッシュの「ゴロワーズという煙草を吸ったことがあるかい」をリスナーに捧げている。
「ゴロワーズという煙草を吸ったことがあるかい?」
と声高くムッシュが歌うんでなく、脱力したみたいに語りかけるように口遊む(くちずさむ)、当時としては画期的な音楽的チャレンジで、そこがムッシュの面目躍如たる所以なのである。小田嶋隆さんはゴロワーズは口が曲がるほどひどい煙草だったとおっしゃってたが、とんでもない。ゴロワーズはおいしい煙草です。とはいえ、ジタンやサンミシェルなんていうフランス煙草に精通している本物の煙草マニアでないとわからない味かもしれない。フランスのゴロワーズ、ドイツのゲルベゾルテなどの両切りシガレットは、マイルドセブンとかキャスターみたいな空気みたいな煙草を煙草と思っているような連中にはとても耐えられない代物かもしれない。でもね、そいつが男の匂いだと思われていた時代もあったんだよ。ジャンギャバンやムッシュかまやつみたいな男が男として認められていたみたいにね。

 北朝鮮からのミサイル4発がお行儀よく並んで千キロも飛んできて、秋田県沖300キロの排他的経済水域に落下した。実験成功大成功と喜ぶのもいいけれど、おい、日本の漁船に衝突したらどうすんだよ。ちゃんと弁償してくれんのかよ。そっちは在日米軍の攻撃訓練のつもりかもしれないけど、こっちの迎撃ミサイルなんか、まだ打ち上げ花火と変わらないんだから、少しは遠慮しとけよ。米韓合同軍事演習に抗議してとか、トランプ政権のゴキゲンうかがいとか、いろいろと事情はあるんだろうけど、少しは考えておくれよ。日本海は日本の漁船ばかりでなく、お宅の漁船だってうろちょろしてんじゃないのかな。お隣の韓国大統領がいくらレームダック状態だからって、いつかは一緒の国になるのかもしれないんだから、お隣にも礼儀は守っておいた方がいいと思うな。それにアメリカに甘えるのもいい加減にしたらどうなのさ。トランプ政権だって、まだ何を考えているのかよくわからないんだよ。あの人だったら平気で頭にきて、簡単に核ミサイルの発射ボタンを押すかもしれないよ。いくら液体燃料から固体燃料へ技術革新させても、どれだけ命中精度を向上させても、アメリカの核攻撃には勝てっこないんだからね。

▲ 鯨にも羽がはえます朧月

0307・火・

 あんまりいい天気じゃないし寒いんだけれど豪徳寺へ歩いてみる。枯れ枝の雀の群れに交じって二羽のメジロが鳴いていて、コボちゃんがカップルかしら、という。雀のおしゃべりおばさんたちにからかわれないといいんだけれど。上空ではカラスも呑気に鳴いている。寒いんだけど、雰囲気だけは春なのである。天気予報は曇りときどき晴れで、コボちゃんは空模様を気にしてる。お日様が出たら布団を干してやるつもりなのである。
 突如として頭上で物凄い音が轟いた。地震なのか、それとも北朝鮮からのミサイル攻撃に対する自衛隊のイーグル戦闘機のスクランブル発進なのかとボクがビクビクしていると、そうじゃないわよとコボちゃんがいう。雲が分厚いため、小田急線の通過音が反射されて恐ろしい音を響かせているのだと解説する。さすがお天気を気にしているだけのことはある。
 曇っているので寒いと思っていたらいきなり晴れて日当たりがよくなって、どんどん暑くなってきた。途端にボクのお腹の虫が鳴く。
「とりたけの焼き鳥が食べたいんだけど」
「まだ焼いてくれる時間じゃないわよ。それより帰りましょ。布団が干したいの」
 そういうとコボちゃんは世田谷線山下駅前の小さなレストランでポークジンジャー弁当を注文、湯気の立つのをぶら下げてボクを家まで引っ張っていった。けれども夕方になってからコボちゃんはアルルと一緒に「とりたけ」まで焼き鳥のお買物。おかげで晩酌は焼き鳥三昧。おまけにトラネコミミコが落っことしたまんまで音の出なくなっていたミニコンポのスピーカーのラインもつないでもらってステレオに復活、パソコンデスクでJ-WAVE、ピストン西沢のグルーブライン、ミックスマシーンも楽しむことができたのである。

▲ 声あげて首をかしげる春烏

0308・水・

 寒い。今朝の最低気温は摂氏0度で氷点下。そうなのだ。氷点かはマイナスなのかと思っていたら氷点は0.2度で0度Cは氷点以下なのだそうで、お天気おじさんの森田君が「スタンバイ」でレクチャーしてくれた。森田君、手前味噌ばかりでもないのです。

 1935年、昭和10年の今日、忠犬ハチ公が渋谷駅近くで死んでいるのが発見された。亡くなってしまった飼い主を迎えるため、渋谷駅に通っていたハチ公を見守っていた街の人々の目が優しくていい。鎖につながれることなく、自由に犬の歩けたいい時代だった。今だったらたちまち通報されて、犬なのに豚箱に入れられてしまうだろう。このハチ公、剥製でよかったら上野の科学博物館で面会できます。ただ、ボクがハチ公に偶然にも出会えたのはまだ目の見えていた三十年以上も昔のことなので、会いにいくときは事前に調べてみてください。

▲ 黒猫が白旗あげるねを上げる
 これはTBSラジオ「デイキャッチ」時事川柳、本日の秀逸。で今年の流行語はアベノミクスではなく、アベノミセスになるだろうと詠むリスナーもおられて、安倍晋三夫人が公人か私人かで問題になっている。ところが、当のご本人は本日の国際女性デイの記念会場でのインタビューに答えて、自分が注目されてる理由が理解できないとピントの外れたコメントをしておられて、世間にあきれられている。あきえ夫人だけにあきれられている。首相夫人が国の政治に影響力がない訳がない。どこの亭主も女房には弱いのだ。
 こんにゃくが百万円。レンガが1千万円。これ、政治家の隠語だそうです。でも、アッキード事件のおかげでもう、隠語じゃなくなっちまいましたよね。そんな中、アベちゃんの自民党総裁の任期が延長されそう。国有地低価格払下げ問題は問題なし、とお考えなのだろうか。関係者は沈黙を守り通すことができると安心しておられるのだろうか。それにしても9年間は長いよな。それだけあれば憲法改悪も叶うだろうと見透かしておられるのだろうか。アベちゃん、どうしても憲法改悪を実行しようというのだからコワい。共謀罪を推し進める法務大臣や教育勅語を崇める防衛大臣を擁立するこの政権がどんな政権であるのかを考えれば考えるほどコワい。こんにゃくやレンガが飛び交い、国有地がロハ同然で権力者のお友だちに売り渡されたり、自衛隊の日誌が隠蔽されたり、そうした不正を見逃しているうちに憲法が改悪され、国民に保証されている基本的人権や三権分立が揺らいでしまうのだから戦慄なのである。

▲ つくしんぼ片手いっぱいランドセル

0309・木・ありがとうの日・

 3月9日の今日はサンキューでありがとうの日だってさ。いろいろと考えるけど、考えるだけでなく、声に出して、ちゃんとありがとうっていいましょうよね。

 NHKマイ朝ラジオの今日は何の日コーナーによると1894年、明治27年の今日、日本最初の記念切手が発行されたという。明治天皇のご成婚25周年を祝う記念の切手である。それからどれだけ記念切手が発行されたか知らないけれど、1958年、昭和33年の今日、関門トンネルの国道部分の開通式が執り行われた。世界最初の海底国道である。明治天皇の記念切手のことは生まれてなかったので何にも覚えてないけど、関門トンネル開通記念切手は郵便局に買いにいって窓口に並んだ記憶があるし、その絵柄も目に浮かぶ。ボクらがガキの時代は我先に切って集めに専念していて、毎日のように切手帳に並んだカラフルな記念切手を眺めて悦に入ってたもんなのだ。ところが藤原君というクラスメイトは質より量。大型の切手帳にずらり一円切手を並べて得意になってたけど、アホとは思っても、ちっとも羨ましいとは思わなかった。そもそも前島密(まえじまひそか)の茶色い切手なんか、ちっともカッこよくなくて、大型封筒や速達便の料金不足分にぺたぺた貼られているケチな印象しかなかった。とはいえ、ボクの切手帳にも一円切手が一枚だけ並んでいましたっけ。あはは。

 今日も国会でしどろもどろの安倍晋三。印象操作はやめてくださいよと頻りに繰り返す。あれれ。印象操作は安倍政権の得意技じゃなかったっけ。武器輸出を防衛装備品移転と言い換えたり、集団防衛権や重武装化を積極的平和主義と定義づけたり、お札のばらまきをアベノミクスとネーミングしたり、共謀罪をテロ準備罪として国民のイメージチェンジを誘ったり、印象操作によってどんどん国民を洗脳してるじゃありませんか。要するにアベちゃん、攻撃するときも防衛するときも同じ手を使うんだよね。

▲ 東風吹かば言ってみせましょありがとう

0310・金・

 NHKマイ朝ラジオでは鶯が地鳴きからさえずりに変化したというリスナーからの便りが紹介された。どこの話だったかは忘れてしまったけれど、東京でないことだけは確かである。東京で春らしい話題といえば花粉の飛散だけ。TBSラジオ「スタンバイ」では森本キャスターが花粉症デビューかもしれないといっていて、パートナーの遠藤やす子アナウンサーが仲間が増えたといって喜んでいる。でも笑えない。実はボクも不安なのだ。花粉の飛散と同時にくしゃみがやたらに出るし、鼻水もときどき垂れる。目も痒いような気がするのだ。もしかすると来年は本格的デビューになるのかもしれない。そうなればあちこちから大歓迎されて、役に立つもの立たないもの、様々なアドバイスをいただくことになるのだろう。

 熱い韓国市民が注目する中、憲法裁判所が裁判官の全員一致で朴槿恵(ぱくくね)大統領の罷免を決定した。これで60日後には新しい大統領が誕生することになる。大陸間弾道弾と核開発にしか興味のないねずみ花火みたいな三代目が率いる北朝鮮を相手に不安定な政治に早く終止符を打つ必要があるのだ。韓国のガバナンスが安定しない原因のひとつは大統領に権限が集中し過ぎることだし、5年ポッキリという任期にも問題があるのだが、最大の原因は韓国が21世紀になっても法治国家というより人治国家という色合いが濃厚なことにある。その傾向は忖度と斟酌の韓国裁判所の判決にも明かである。法律よりも国民の気分が優先するのである。司法が国民の顔色をうかがっているようでは仕方がない。真に民主国家を目指すなら人治より法治。人治主義は中国に任せておけばいい。

 本日は東京大空襲から72年目。アメリカによる無慈悲な焼夷弾の絨毯爆撃により数十万人が焼き殺されてしまったことはボクの脳裏に焼き付けられている。けれども最近は東日本大震災の影に隠れてラジオではあまり取り上げてくれない。ここのところラジオは震災のことばかりである。もしかしてアッキード事件で攻められてばかりの安倍政権も内心でホッとしているのではなかろうか。冗談じゃない。誤魔化されてたまるもんか。

▲ 焼夷弾夕焼け空に風車

0311・土・

 土曜日の午後、何か特別なことがない限り、TBSラジオで久米宏さんの独白エッセイ12分間に傾聴する。話の中身は勿論、庭の片隅の犬小屋で涎を垂らし放題にしている年寄りイヌのようなこの人の笑い声が好きなのだ。相手役の堀井みかさんの外したリアクションもいい。そしてもしも14時からのゲストが面白そうだったらそのまんま、ラジオをかけっ放しにしておく。片耳をノートパソコン、片耳をラジオに向けて時の流れに身を任す。いや、暇を潰すのである。
 さて、今日、東日本大震災から6年目の日のゲストはノンフィクションライターのおくのしゅうじさん。話題は彼のご著書、「魂でいいからそばにいて」。震災後の霊体験を当人たちにインタビューしたノンフィクションで、恐怖より感動をもたらす怪談集という印象。大切な存在を瞬時に奪われたら幽霊でいいから出てきて欲しいという気持ちは誰にもあるだろう。番組が進んで、午後2時46分になると、久米宏さんの呼びかけで1分間の黙祷、TBSラジオからかっきり音が消えた。放送事故になるはずなんだけど、その扱いをどうやって回避したんだろう。さすが久米宏さん、である。

▲ 大津波知らぬ顔して春の海

0312・日・満月・

 満月のこの日の朝、4時57分に福島県沖で地震が発生した。気仙沼在住のNHKローカルレポーターが西に沈む大きな月が見えていたので自信が心配だったと伝えてたが、スリーイレブンの翌日だから無理もない。あの大津波とその後に発生した大火災、繰り返す津波によって押し寄せる石油火災の火の群れ。あの日、気仙沼の人たちはこれらを体験したのである。

 いつもだったら日曜日のちょっと遅い午後はNHKラジオの伝統番組「上方演芸会」で吉本興業の若手やベテランの新作漫才で抱腹絶倒するのだが、今日はそのお笑いが30分間繰り上がり、その時間に放送されたのは大相撲春場所の初日。それもそのはず。この時間は土俵入りが執り行われるのだ。新横綱にとって本場所最初の土俵入りなのだ。考えてみるとラジオでの土俵入りは初めてかもしれない。テレビならいざ知らず、ラジオでの土俵入りはあまり意味がないようだけど、聴いてみて驚き、試して合点、経験して納得。静まり返る会場に鳴り響く柏手の大きさに驚いたり、モンゴル横綱に対する声援の誠実さに感動したり、子どもたちの無垢な声援に心を洗われたりしているうちに、太刀持ちと露払いを従えた雲竜型や不知火型を演じる横綱の姿が浮かび上がってきて、ラジオでの土俵入りも悪くはないのだと得心する。
 さて、新横綱の土俵入りである。大関時代はここという大舞台でファンの期待を裏切り続けてきた稀勢の里である。ガラスのハートと呼ばれた稀勢の里である。その稀勢の里にとって本場所初めて経験する横綱としての土俵入りなのであるから、どんなにずっこけるかとハラハラしてたら見事にやってのけた。落ち着き払ってやってのけた。雲の上ではお師匠の隆の里(たかのさと)も笑って見守っておられたに違いない。おしん横綱といわれ、ポパイとあだ名された隆の里は糖尿病に苦しみながら30歳になってからの1983年の夏、第59代横綱に昇進した。そして同じ年の同じ夏にボクは糖尿病で入院していた。そしてボクら糖尿病患者たちは喫煙フロアのシートに並んで新横綱の隆の里を応援した。ボクらにとって新横綱は希望の象徴だったのである。その姿を見ることは当時人気絶頂だったテレビドラマ「おしん」と並ぶ最大の気晴らしだったのである。
 さてさて、新横綱の稀勢の里。お師匠と同じ30歳という年齢で、糖尿病こそなかったがガラスのハートに打ち勝って、ここまで辛抱して横綱に昇進したことを考えれば、お師匠の隆の里に共通する点もあるのだが、そのお師匠は新横綱で全勝優勝した相撲世界でも稀有な横綱。さあ、稀勢の里。この荒れる春場所でどんな相撲を見せてくれるのだろう。ハラハラなんかしないでじっと見守っているからね。

▲ 園児から児童へジャンプ春休み



2017年2月27日~3月5日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦くださいませませ。

0227・月・

 トランプ大統領がホワイトハウスにおける記者会への出席を拒否した。例年、ここでの大統領と記者とのやりとりで大統領のユーモアのセンスが評価されるのだが、ユーモアに不可欠なのが教養と思考力と忍耐力。そのどれもがトランプには欠けている。いろいろと記者から質問されて笑いのあるコメントで返せず、希薄な中身を露呈することを恐れたんだろうね。そういえば、この人からは笑いを感じられない。トランプ支持者たちはどう受け止めているのだろう。米国内におけるインテリジェンスへの反発がトランプ政権を生み出したような気がしている。ヒラリーへの反感の根っこもそこにあるのではないだろうか。貧富の格差は教養の落差を拡大する。けれどもノーレイン、ノーレインボウ。雨が降らなければ虹も出ない。トランプ旋風の終息がアメリカの断裂を修正して、雨降って地固まるの結果となれば世界はゲッティングベター、それでよくなってくれればいいのである。

 おかしな拝み屋を信じて自分の子どもを死なせてしまった両親がいる。この拝み屋、憑依霊のお祓いと称して、1歳の児童に衝撃を与え、殺害したのである。自分の子どもより、金銭欲のための嘘を信じた悲しい結果である。どうして他人を信じこむのだ。自分の子どもを信じないのだ。自分の目を信じられないのだ。
 幼い頃、ボクには屈辱的な発音矯正装置の記憶がある。ある日、父親が妙ちくりんな装置を購入してきた。一見すると、ジェットパイロットの酸素マスクのような形状。その先端からチューブが延びて二股に別れ、イヤフォンにつながっている。そいつを両耳に突っ込んで声を出させ、児童の発音を矯正させようというのだ。冗談じゃない。ボクは早口だけど、発音は間違ってない。言葉が伝わらないのは頭脳の回転速度の問題だ。人のいうことよりも、ボクのいうことを信じてくれ。結局、その矯正装置はボクの宇宙旅行ごっこの小道具にされてしまったが、子どもをネタにした金儲けの企みはいくらでも生まれてくる。例えば幼児の英語教材。つまらん金を浪費するより、ビートルズのアルバムを親子で肩を並べて楽しんだ方が英語の勉強になる。まっしぐらに人生を楽しむこと以上に効果的な学習方法はないのである。いずれにせよ、親は割に合わない商売かもしれない。

▲ 遥かなる電車聞える春の雲

0228・火・

 今日はビスケットの日。江戸時代、栄養があって保存が効くということで水戸藩が注目、長崎に製法伝授を依頼した手紙を出した日、ということで決められたらしい。そこで今朝のNHKマイ朝ラジオでは、たたけばたたくほどビスケットが増えていく「不思議なポケット」がかかっているとばかり思っていたら、今日はその作詞をした詩人、まどみちお先生のご命日であったのだ。2014年、享年104歳。ボクにとって最初の大型絵本、中野重治の詩の絵本「きかんしゃ」を制作中、その担当編集者がまどみちお先生の絵本を同時に進行中で、その卓越性を耳に胼胝ができるほど聞かされていたのと、まどみちお先生を神と崇めているその態度からボクもすっかり洗脳されてしまい、絵本作家のよちよち歩きの時代から崇拝者となっていた。それだからご本人としばらくの間とはいえ、おしゃべりできたことは奇跡の栄誉である。今から20年ほど前、恩師の渡辺茂男先生の奥様、一恵さんの告別式の帰りに、小田急線車内で並んで座り、しばらく世間話をさせていただいたことがあったのだ。動物園にいった子どもたちが、クマ、トラ、ライオンと呼び捨てにするのに、ゾウだけはゾウさんとさんづけで呼ぶのも先生の功績である。誰か詩人の名前を挙げろといわれたら、ボクは迷いなくやなせたかしとまどみちお、という。やなせ先生は94歳で、まどみちお先生は104歳で虹の橋を渡られた。偉大なる詩人たちの旅立ちである。そしてまた2015年の今日、松谷みよ子先生が亡くなられた。ボクが児童出版美術家連盟の理事をしている頃、JBBYの理事会で定期的にお目にかかっていた。優しい視線で挨拶をしてくださる素敵なおばちゃまだった。ほんのちょびっとでも、こうした偉大な先輩たちとコミュニケーションできたことに感謝している。あの世でお会いしたら、どんなご挨拶ができるだろう。今から楽しみである。

 血圧を測っていたら頭がぐらぐらぐら。血圧が高いのかと焦ったら自分でなくて地面が揺れていた。16時49分、東北地方で強い地震。震源は福島県沖で深さ52キロ。マグニチュードは5.7で宮城県や福島県浜通りで震度5弱を記録したが津波の心配はなし。ということで血圧も安定して津波もなくて、そっと胸を撫で下ろす。生きていれば血圧も地震も津波もみんな気になる。忙しいことである。

 2月は逃げる、3月は去るという。2月はたちまちともいうけれど、気がついたら明日からはもう3月。ボヤボヤしてたらすぐ来年。そしてその来年の2月の最期の日にも今日と同じことを考えるのだろうな、きっと。

▲ 背中から頬寄せてくるやよいさん

◆ 3月・弥生・
0301・水・

 今日から3月である。NHKのマイ朝ラジオでは小鳩くるみの「どこかで春が」がかかっている。ここ最近は「春よこい」とか「春がきた」とか、親切なNHKラジオがいろいろと春の童謡を聞かせてくれてありがたいけど今日の天気予報は晴れるとはいってくれてない。夜から雨で明日も雨。雨が降れば寒くなったり温かくなったり。ま、これが春の天気、三寒四温というやつなんだよね。で、その親切なNHKラジオの長寿番組「昼の憩い」ではリスナーからのこんな俳句を紹介してくれている。
▲ 母の年越えてかなわぬ木の芽和え
 いいなぁ、これ。俳句や川柳の先輩たち、いつもありがとうございます。で、俳句の次はTBSラジオ「デイキャッチ」の時事川柳。
▲ 猫の手も借りるヤマトの忙しさ
 労働環境の過酷さや料金値上げが話題になってる黒猫便、働いている皆さんは本当に真面目で親切です。心から信頼しています。感謝します。

 さて、月初め恒例の全国の日の出と日の入りの時刻です。札幌の日の出は6時11分、日の入りは17時24分。仙台の日の出は6時9分、日の入りは17時30分。東京の日の出は6時11分、日の入りは17時36分。大阪の日の出は6時28分、日の入りは17時54分。福岡の日の出は6時47分、日の入りは18時15分。日の出がちょっとずつ早くなり、日の入りがじりじりと遅くなってくると、なんとなく春らしい気分になってきませんか。

▲ 本物の春を待ってる弥生かな

0302・木・

 ときどきキーボードを叩く手を止めて、ラジオの国会中継に耳を傾けている。共産党の小池議員の質問に役人が青くなって答えているのだ。いや、答えてないのだ。明らかに明白な答弁を避けているのである。テーマは所謂アッキード事件。国有地の不自然な低価格払下げ疑惑である。ロハ同然払下げ疑惑である。安倍晋三記念小学校疑惑である。安倍総理は政治生命をかけて自らの関与を否定してるけど、奥様が名誉校長で自らの名前が学校名の冠にされていて、これで関係がないはずがない。天網恢恢疎にして漏らさず。安倍政権が束になって否定してもいつか真実は明らかにされていくと思いたい。それとも政権が望む通り、国民の興味は事実の究明を待たず、新しい事件に向けられてしまうのだろうか。ここはジャーナリズムの真剣勝負に期待したい。舵取りを権力者から奪回して日本丸を正しい方向に向けさせたいと思うなら、便利や快楽の方向に向けられがちな我々のエネルギーを少しは修正した方がいいだろう。上も下もアホになってたら、日本丸は確実に沈没いたします。

 かまやつひろしさんの訃報が届く。78歳だったという。残念である。素敵な人だった。ザ・スパイダースの音楽的推進人物だった。1966年、ザ・スパイダーズはブルーコメッツも参加していたビートルズ公演の前座ステージを断っている。当時から自分たちをビートルズと対等と位置付けていたのである。かまやつひろし、今日という日に改めて聴いてみると、驚くほどの音楽性とさりげなさ。本当に音楽を愛していた人なんだなと思わせられる。心からご冥福をお祈りする。

▲ 擂粉木で切なさ潰す春の夜

0303・金・雛祭・耳の日・

 さすが雛祭の朝である。NHKマイ朝ラジオでは児童合唱団の「うれしい雛祭」がかかって、桃の節句としての雰囲気を盛り上げてくれている。そして温かくて部屋がしっとりしてもいる。お天気電話で調べてみたら湿度100パーセント。そりゃ空気が柔らかいはずである。今年の雛祭はこうして無事に明けたが、1933年、昭和8年の雛祭は無事に暮れはしなかった。三陸沖で巨大地震が発生したのである。マグニチュード8.1の地震エネルギーは直後に大津波を誕生させ、死者行方不明者3064人という悲劇を生み出した。今月は東日本大震災から丸6年。日本列島に暮らす限り、地震と台風から逃げることはできない。雷親父も家事から逃げることはできない。そして安倍政権を非常識な低価格での国有地払下げ問題から逃げることは許さないぞ。そんな桃の節句にいたしましょうよ。

▲ 父親はまだ飾りたい雛人形

0304・土・

 いつものように絵や文章をいじくったりラジオ三昧の平々凡々の土曜日に終始するかと思っていたら謎の焼酎事件が勃発した。以下はその顛末である。
「ねぇねぇ、これ、黒なんとかという、おいしい焼酎のはずなんだけど、なんか変なのよ」
「どれどれ」
 ボクは全盲で何も見えない。けれども嗅覚と味覚は抜群。そしてコボちゃんは目が見えるけど匂いがダメ。カレーの代わりにウンコを出されてもわからない。ボクらはふたり合わせて一人前なのである。
「あたしね、鼻が音痴でしょ。でもね、味もしないのはいくら何でもちょっとおかしいと思って…」
「うん。焼酎でもなけりゃ、黒でも白でもない。これ、ただの水だよ」
「嘘。開封したばかりなのに、もうアルコールが抜けちゃったなんて」
「そうじゃなくって、最初から水だったんだと思うよ。ミネラルウォーターを間違えて買ってきちゃったんじゃないの」
「そんなこと、ないわよ。これ、ペットボトルじゃないし、ちゃんと焼酎と印刷してある紙パックだもん」
「だとしたら、酒の代わりに水を売るとはボロい商売だな。それとも社員どもが油を売ってばかりで水をボトリングしちゃったのかな。ま、お酢を飲まされたんじゃなくてよかったよ。酸っぱいは成功の元。なんちゃって」
 そういいながらボクは洗面所に飛んでいって口をすすいだ。毒でも入っていたら大変なことになる。
「やだ、あたし飲んじゃったわよ」
「ということは即死だけは免れるってことだな」
「あたし、取り換えてもらってくる」
 しばらくしてコボちゃんはガサガサと買物袋の音高く戻ってきた。さすが、名のあるスーパーである。店はコボちゃんを悪質クレーマーと疑うこともなく、すぐに取り換えてくれたという。
「メーカーに送り返して原因究明してくれるってさ」
「そうだよね。無事に済んでよかったけど、ゴキブリでも入っていたら大量に回収しなきゃなんないもんね。ところでその袋、何?」
「美登利寿司。だって半額になってたんだもん」
 それからボクらは穴子や青柳、美登利寿司の握りを肴に香り高い焼酎で乾杯と決め込んだ。
「ずいぶんいっぱいあるなぁ」
「だって半額だもん」
「いつもの倍はあるよな」
「当たり前でしょ。半額だもん」
「これじゃ太っちゃうよ」
「仕方ないでしょ。半額だもん」

▲ 花粉だけ要らぬ親切春の風

◇ バーチャル『奥の細道』コース   日光を観光して、通過しました。
日光観光、大和観光。うわぁ、懐かしい。でも古いなぁ。
次は黒羽。あと、88,419歩です。
〓現在の歩数、289,581歩。これで3周目なんですけど、まだまだ飽きてません。

0305・日・啓蟄・

 啓蟄の本日は最高気温16度とさすがの温かさ。とはいえ緩慢な春への歩みである。どこの誰だ。今年は暖冬といった奴は。いくら待っても春になんかなりゃしない。それでも温かさを感じるときは希望を感じる。生きる幸せを感じる。春夏秋冬。太陽が生まれそして死んでいく。季節の移り変わりに人の一生を重ねてしまうのは季節の変わり目だからだろうか。
 さて、温かいのはありがたいけど、今年は何となく微妙。南風が吹いて温かくなれば花粉も飛び回る。そしてボクの内側の抗体反応もリミットを超越し、そろそろ花粉を抗原と認識し始める。そうなのだ。今年は春の足音を聞くようになってから、やたらくしゃみが出るし、鼻水は垂れてくるし、何となく目の周囲が痒いような気がしてるのだ。花粉に接すれば接するほど花粉症への境界ラインを超え易くなるという。となれば、花粉もインフルエンザウィルスと同じで、帰宅したらうがい手洗い洗顔で洗い流すしかない。幼少の頃、お腹に回虫蟯虫真田虫を大量に飼育していたので、自分には無縁と思っていた花粉症だが、これは油断できないと頭の片隅で危険信号が点滅を始めたのである。もしかしたら予備軍に入隊しちゃったのかな。来年は本格デビューかな。そしたらやだな。桑原桑原。あ、これは雷よけのおまじない。誰か、花粉よけのおまじないを知りませんか。

▲ 啓蟄や虫の気分で目を覚ます

2017年2月20日~26日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。


0220・月・

 東京では春一番ではなく、春二番が吹き荒れた。風速28メートルという暴風により電車も止められた。こんな大風で喜んでいるのは空のカラスくらいなもの。日本の話じゃないけれど、世界には木端をひっつかんでウィンドサーフィンをやらかす連中もいるというんだから見上げたもんである。我が家では窓ガラスというカラスがガタガタと鳴り、ブラックラブのアルルが怯えて飛んできて、助けてくれとボクを見上げた。カラスも真っ黒。アルルも真っ黒。同じ黒でもカラスと犬じゃ度胸が違う。
 結局本日は最高気温20度に達する温かさとなる。となると、明日はまた寒くなるんだよね。春一番の翌日も春二番の翌日も必ず寒くなるんだよね。となると、春三番もあるのかしら。

 1923年の今日、丸ビルが完成した。地上9階は当時としては東洋一の規模を誇る建築物であったとか。今は東京ドームを計量カップにして物事を測るのが流行りだが、ボクの耳に馴染んでいたのは丸ビル何杯分という言い回しだった。その丸ビルも建て替えられ、真新しくなってから久しい。新ゴジラは再開発された丸の内で暴れたらしいが、ボクにはちょっとイメージしにくい。東京もどんどんリニューアル。ゴジラもどんどんリニューアル。なんでもかんでもどんどんキンピカになっていくけど、実際の風景と、ボクの空想の中の風景と、本当はどっちがキンピカなのか。これだけは永遠にわからない。

 毎週月曜日のTBSラジオ、デイキャッチにご出演の北丸雄二さんによれば、トランプの脳味噌には悪い病原体が蔓延しているとか。その昔、遊びまくって悪い病気をうつされ、その害毒がそろそろ脳味噌に回る頃と噂されているらしいのだ。アメリカでは精神科医が直接の患者以外には無暗にコメントしてはならない、という協定があるらしいが、そのリスクを冒してまでも精神科医たちが連盟でトランプの精神が破綻を来たしているのではないかと提言しているのである。ロシアンゲートとか、クレムリンゲートとかいわれてロシアとの癒着を疑われているトランプ大統領ではあるが、ここにきてCIAは大統領への秘密情報をストップしているとか。その根拠は情報のルートをトランプ政権がロシアにリークしかねないから。就任から1か月の今日ではあるが、既に大統領周辺は激震に見舞われている。いつまでもつのか、この政権。トランプも気が気じゃないだろうが、トランプとの仲良しごっこを世界中に見せつけたアベちゃんも、きっと今頃は気が気じゃなくなっているのだと思う。

▲ 家鳴りして犬も怯える春の風


0221・火・

 本日は月刊ラジオ深夜便「しじまのことば」の締切日である。仕上げて間もない、ホカホカと湯気の立つよな原画が収納されたキャリーケースをひっつかみ、突進するコボちゃんの腕に必死にしがみつき、駅前ケーキショップ「アルルカン」に向かってズリズリと引きずられていく。いつもの打ち合わせの場所である。午後3時の気温は8度C。けれども北風で体感温度は限りなく氷点下に近い。温かい室内のテーブルについても両方のほっぺたが凍ったみたいで言葉が出てこない。台詞を忘れた三文役者である。月刊ラジオ深夜便のS記者さん、大根でどうもすいません。すると彼女がボクの手に何かを触らせてくれた。拙著「失明地平線」である。古書店で発見してくれたそうなのだが、発売直後みたいに真新しい。絶版にして大量放出したのではないかと疑ってみる。それをSさんはしっかりと解読、ここに注目して欲しいのよ、という箇所ばかり、痒いところに手が届くように質問してくださり、書き手としての最高の喜びを噛みしめたのである。楽しく談笑。来年度も連載は続く。この楽しみも続くのである。けれども来年でやめてしまうというアルルカン。38年も続いた評判のケーキショップ。それでも閉店してしまうとパティシエのマスターがいうのだから仕方がない。我が家恒例、毎年のクリスマスケーキや記念ケーキは必ずここでバタークリームの特注品。食べてしまうのが勿体ないようなマジパン特製、エム ナマエとコボちゃん、盲導犬アリーナの人形で飾られてあったこともある。おいしいだけでなく、そんな楽しいケーキや落ち着いた雰囲気での打ち合わせが期待できないとなると、これは由々しいことである。ボクと同世代のマスター、どうかいつまでも元気で続けてくださいな。

▲ 春の宵今から遠き帰り道


0222・水・

 おいおい、ゴミの撤去に8億円かよ。それを差し引いて算定価格のたった14パーセントで国有地を手に入れた不届き者がいるらしい。愛国心を売り物にしながら国と国民の財産を不当に値切る不埒な奴がいる。どうしたらそんなに安くなるんだよ。そのあきれるような低価格で国有地を落札した建設予定の某小学校に疑惑が生じている。おまけに安倍晋三夫妻と関係があるというのだから疑惑はますます甲子園球場のロケット風船みたいに膨張する。安倍首相夫人が名誉校長で安倍晋三記念小学校というこの小学校、考えれば考えるほど怪しくなってくる。安倍晋三ひとりが政治生命をかけて清廉潔白を主張するけど、安倍晋三以外の誰ひとり、それを信じる人間はいない。納得できるのは生徒が集まらなくて困っているという噂だけ。幼い子どもたちに教育勅語と安倍首相万歳を唱えさせようというんだから当たり前の話である。さて、小学校と総理大臣夫妻の関係を掘り下げると何が見えてくるのだろう。ここしばらくは目が離せません。

▲ 春愁や恋の悩みが懐かしい


0223・木・

 昼まで雨で、午後は春三番が吹きまくるとか。予想最高気温は20度で沖縄よりも高くなると聞いてわくわくしたりはらはらしてたらそれほどでもなかった。温かくもならなかったし、嵐のようでもなかった。ただ窓ガラスだけがガタガタと無駄に震えて愛犬のアルルを震えさせただけ。迷惑な天気である。この季節、三寒四温だから天気が安定しないのも仕方がない。この三寒四温という気象現象、その昔、サンカンシオンというフランス語が語源とばかり思っていた時期がある。ま、よくある話です。夕焼け小焼けのアカトンボは子どもたちから追われてみたのではなく、子守り女の背中に負われてアカトンボを見ていたのだと知ったのも比較的最近のことなのです。ボクシングの判定でイーブンというのはレフリーの言い分だと思っていたのはボクじゃなく、とある元世界チャンピオンだったという話は単なる噂です。笑わないでくださいな。

 小池都知事が都庁の「海苔弁状態」からの脱却を目指すと宣言した。東京都の秘密主義を海苔弁当に例えたのである。この首長(くびちょう)、本当は何を考えているかは不明だが、言葉の使い方が実にお見事。伝え方もお上手。実体が自民党であることに用心が必要だが、これから安倍政権のブレーキの役目をしてくれるのなら、心で応援いたします。

 アメリカではトランプに対してハリウッドスターたちが堂々と抗議している。イギリスではトランプ訪英反対署名が185万人。欧米人は考えと行動が一致する。なのに日本人はどうして静かにしているのだろう。考えを行動に反映させないのだろう。政治が悪いといつも口で批判はするけれど、それが投票行動とはなっていかない。だから政治も変わらない。同調圧力があるとは思えないんだけど、きっと無駄に優しいんだよね。それとも勇気がないのかな。落語家や漫才師は別として歌手や芸能人は黙ってる人が目立つよね。せめてロックンローラーくらいはロックンローラーらしくして欲しいと思います。

▲ その次は二番三番春一番

◇ バーチャル『奥の細道』コース  室の八島に到着、通過しました。
次はいよいよ日光です。徳川家康のお墓、東照宮があります。
杉の並木道があります。いい所です。あと、61,467歩です。

現在の歩数、226,533歩。
正直を申しますと、これで奥の細道も3周目なんです
実は東北が好きなんです。


0224・金・

 プレミアムフライデイってバッカみたい。ぼくは花ですよのハナカマキリや、私は枯葉なのよの木の葉蝶みたいに、何かやってますの擬態が得意な安倍政権だけど、これで経済効果が上がると考えるのはちと早計のような気がする。そもそも何で年度末を控えたこの時期を選んでスタートさせるんだろ。それにサラリーマン経験のない自分がいうのも恐縮なんだけど、月末の週末にどれだけの人が早退することができるんだろう。そして有給で早退を認めてはもらえないサラリーマンたちが、よしんば早く帰れたとしても、どれだけ財布の紐をゆるめることができるんだろう。まずは賃金アップを企業トップに働きかけた方がよいのではなかろうか。それもアベちゃんのお得意でしょう。夕方のTBSラジオ、デイキャッチの阿蘇山大噴火レポーターによれば、夕方の新橋では満員の居酒屋が目立つと報告してたけど、嘘でしょう。何かの間違いか、それともみんな政府の回し者かサクラみたいな気がするよ。正式な調査結果が楽しみです。

 朝から晩まで 殺したの殺されたの、北朝鮮王朝の話題ばかりでうんざりしてる。もっと素敵なニュースを捜してよ。法律には違反してないのワンパターン。国会での安倍首相と麻生副総理の答弁の不誠実さは目にあまる。答弁がまともでなけりゃ、議論だって成立しない。国民の代表が聞いて呆れる。読書時間0時間の本をまるで読まない学生が5割を超えたと聞いて、これも呆れる、唖然とする。どうしちゃったの、みんな大丈夫。便利が売り物の自動券売機、自動改札だけど、この便利は誰の便利かわからない。動く歩道で歩く馬鹿どもが、エスカレーターを駆け上がる。自販機さえあれば誰とも言葉を交わさない。スマフォがあれば便利便利の文明社会。遠い人とはコミュニケーションして、目の前の人は平気で無視。便利で快適な暮らしが、知らないうちに人類を劣化させていく。考えなくさせていく。考えなくとも絵が出てくるよりも、考えないと絵が浮かばない読書の世界。ちょっとでも本を読めば、世界は無限に広がっていくのにね。

▲ 春めきて帰りたくない独り酒


0225・土・

 ボクの土曜日といえば朝から晩までラジオ。ラジオの合間に音訳読書をしてラジオの合間にキーボードを叩く。たまには絵を描く練習もする。で、今朝も目が覚めたらいつものようにNHKマイ朝ラジオを聴いている。今日は何の日コーナーでは1986年の今日、フィリピンのマルコス政権が崩壊したと伝えている。代わりにコラソンアキノ大統領が誕生したんだけど、この事件が勃発したとき、ボクは目黒の東大医科研病院で完全失明の不安と透析導入による不均衡症候群の酩酊と闘っている最中だった。フィリピンの国家的不安定と自分の肉体的不安定が妙にシンクロして、マルコスが抱いたであろう焦燥感や失意が自分のものであるような錯覚を覚えていた。視覚を失った直後から世界の出来事がまるごと自分の内側に引っ越してしまったような気がして、失明直後の印象といえば、この感覚かもしれない。
 朝8時になれば同じNHKラジオでラジオ文芸館を楽しむことになる。これ、大袈裟にいえば、ラジオ世界最高の朗読番組。最高の訓練を受けたであろうNHKのアナウンサーたちが最高の思い入れで朗読をして、それを技術スタッフたちが最高の音響的感覚と音楽センスで仕上げるんだから、朗読というよりは良質なラジオドラマを楽しんでいる気分にさせられる。一週間でいちばん幸せな時間である。
 10時からは「真打競演」。ラジオ世界の貴重な寄席番組。いつもオーソドックスな寄席気分を味あわせてくれるのだが、毎月最後の土曜日は「キャンパス寄席」といって、大学キャンパスでの録音で漫才コンビのサンドウィッチマンが若手を中心に注目の芸人たちを紹介する。今朝のメンバー、人気絶大のウクレレ漫談、ピロキさんはもう若手とはいえないポンコツおじさんだが、他の若手芸人たち、無名といって侮ってはいけない。ナオユキというピン芸人、あまりの面白さに思わず録音をしたくらい。コボちゃんにも聞かせたかったのである。今朝はサンドウィッチマンも新作漫才を披露して笑わせてくれた。まだ無名の頃、TBSラジオの日曜番組で草野球の球拾いをしてたなんて嘘のような出世ぶりである。石の上にも三年。芸人の鏡のようなふたりである。
 午後1時からはTBSラジオで久米宏さんの独白エッセイ12分間に傾聴する。70年代の突撃インタビューからずっと熱烈ファンなのである。だからこの12分間だけは逃さない。実はこれ、久米宏の「ラジオなんですけど」という2時間番組のオープニング。あんまり面白いと最初から最後まで耳を澄ませてしまうのでつまらないと安堵する。パスできるからだ。けれどもゲストが貴重であればラジオはそのまんま。で、本日は本年度の芥川賞作家の登場。偶然にもボクが今プレクストークで読んでいる小説「新世界」の作者である。この人、その昔に久米宏さんが脚本家、倉本聡さんが開いたばかりの富良野塾を取材したとき、そこで働いていた人物。ふたり並んで野良作業をしたことを思い出していたのには心を動かされた。正に人に歴史あり、である。
 17時15分からは再びTBSラジオに傾聴する。つい最近「わあわあ話芸」という15分番組が始まったのだ。若手噺家が活躍できる時間が開けたのだ。けれども今週は若手じゃない。売れっ子の春風亭一之輔の登場なのだ。出し物は「堀之内」。で、さすがの一之輔。しくじれば手垢のついた印象を与える古典中の古典に独特の工夫、ユニークなテクニックで新しい価値と笑いを付加させていく。さすがは一之輔。週刊朝日での連載エッセイが面白いのも納得である。
 深夜になればNHKラジオ第二で「朗読の時間」再放送。今夜は谷崎潤一郎の「蓼食う虫」に傾聴。朗読は長谷川きよさん。中学1年生のとき、ボクとデートしてくれた初めての女性と同じ名前でボクが勝手に心を寄せている読み手である。どこか青木裕子さん、軽井沢朗読館の館長と共通する雰囲気があるような気がして、口の中でアイスクリームが溶けるように物語世界に引き込まれていく。という訳で夜は次第に更けていき、ラジオ三昧の他は大したこともできないまま、この土曜日も過ぎていくのであった。ちゃんちゃん。

▲ ファインダー回る木馬と春の雲


0226・日・新月・

 東京マラソンの日である。ゴールが東京駅になって、何万人もの市民ランナーが塊となって、東京都庁前から新ゴジラが暴れまくった丸の内を目指して一斉にスタートする。様々な気持ちで走り出す。完走を志す人、調子が悪くなければ記録のことを考える人、それより、抽選によってランナーの資格を得た喜びに打ち震える人、いろいろといるだろうけど、走るのが極端に苦手なボクにその気分はわからない。宝くじだったらわかるけど、抽選で選ばれてまでマラソンに参加する人の気持ちがわからないのである。
 慶應義塾志木高時代、ボクら在校生は全員、毎年の春休み直前に狭山湖一周マラソン参加を義務付けられていた。これが嫌でたまらなかった。たった8キロのコースで、フルマラソンの5分の1にも満たない距離なのに、苦しくてたまらなかった。けれども喜んでいるやつもいる。全学年の全員参加だから健康優良児もいれば虚弱児もいる。青い顔して朝から晩まで机にかじりついてるタイプから、体育会まっしぐら、という向きもいる。中にはオリンピックに出られるんじゃないかくらいの猛者もいて、ボクが走り出した途端にゴールするやつまでいるのである。ボクといえば、人工雪で滑らせる、当時としては画期的な狭山スキー場が見えてくるあたりで必ずこむら返りをやらかし、のこのこと歩き出す破目となる。そうして教師が心配になる頃、夕暮れぎりぎりになって青息吐息でゴールするのである。スタート前は景色を眺めながら走れば楽しいに違いないなんて気楽に構えているんだけど、走り出せばたちまち地獄の現実。それから先はゴールするまで気息奄々。自分の運命を呪うのである。けれどももしも、もしもである。自分が健脚で、心肺機能も抜群で、おまけに脳内麻薬物質が容易に分泌されるタイプであったなら、きっと走るのは楽しいに違いないと憧れてもいる。そんな人間に生まれ変わったつもりで東京都庁から東京駅までの風景を、あれやこれやと心に描いてもみる。やっぱ、わくわくしちゃうよな。だからランナーに選ばれた人たち、心からおめでとうございます。

▲ 丸の内ゴール目指して三万人



2017年2月13日~19日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから30年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。

0213・月・

 朝から晩まで冬に攻められ、いい加減寒いのに慣れたはずなのに、こんなに寒いのは何故なんだろう。今日もやたらに寒さが身に染みる。懐が寒いせいもあるだろう。政治がお寒いせいもあるに違いない。そしてトランプの就任以来、そのお寒いメッセージがトップニュースであり続けることにも原因がありそうだ。ここ当分は春の到来以外、私たちを温めてくれるニュースはなさそうなのである。そうなのだ。今、トランプのオルタナティブファクトが世界を騒がせている。そしてアメリカでは今、イギリスの作家、ジョージオーウェルの作品が注目されている。彼が第二次世界大戦が終結して、ソビエト連邦が勢力を拡大している時代に書かれたSF小説「1984」がベストセラーになっているのである。核戦争後の世界を描くSF小説ではあるのだが、空想科学、サイエンスフィクションのSFというよりはソーシャルフィクションのSFという意味合いが大きい。描かれるのはビッグブラザーという独裁者が支配する世界であり、そこでは国民は常にテレスクリーンという双方向の映像装置で監視され、自由を束縛されている。それまでの英語を一方的に改竄したニュースピークという新語法を強制的に普及させ、言語体制を簡素化することにより人々は体勢に反発する思考力や正しい歴史認識を奪われていく。戦争は平和である。自由は服従である。無知は力である。これら言い換えのスローガンによって国民は常に洗脳を受けている。平和省では戦争を推進し、豊富省では貧しい食糧事情をコントロールして、真理省では国民に偽りの情報を垂れ流す。正にトランプ政権のいうオルタナティブファクトの支配する世界を連想させるのである。安倍政権の得意な、戦争を積極的平和主義と定義づけたり、武器輸出を防衛装備品移転と言い換える現実を考えてもいい。トランプ政権が圧力を増す中で「1984」をベストセラーに押し上げるアメリカ社会の知性が合衆国を生き返らせるのか、それとも分断を促進するのか、ここは注目である。
 これまでオルタナティブファクトを最大限に駆使してきたのが北朝鮮だった。けれどもとうとうアメリカ合衆国まで同じ穴のムジナになってしまった。北朝鮮がアメリカに向けてミサイルをぶっ放したくなる気持ちもわからなくはない。

▲ 猫の恋捨てて甘えるおらが猫

0214・火・聖バレンタインデイ・

 今日も寒さが身に染みるけど、チョコがちょっこり届いて、温かい気分になってます。ありがたいです。
 けれども心配なこともあるのです。原子力発電は国にとっても企業にとっても鬼門じゃないかと心配なのです。東芝が潰れそうですが、日米原子力協定にいつまでも固執してると、日本まで潰れてしまうような気がして気が気でないのです。そしてもっと心配なのがアベちゃんの軽率さです。トランプに胡麻ばかり擂ってるとイスラム圏を敵に回して、いつかアメリカと一緒に闘う破目になるんじゃないだろうかと気が気ではないのです。日本社会がイスラムテロの標的になるんじゃないかと気が気ではないのです。日本にとっていちばん鬼門なのはアベちゃんじゃないのかと気が気ではないのです。

▲ 黒猫が笑って渡すチョコレート

0215・水・涅槃会・

 今朝の日の出は6時28分、そして日の入りが17時23分。まだまだお日様の影響力が春らしさを演出するには足りないような気がするが、それでも次第に温かくなりつつはある。大分県では鶯の初鳴きが記録されたとラジオも伝えているしね。下手糞な歌に違いないけど。それでもいいから早く私たちにも聞かせて
おくれよね。

 世の中は真実よりも感情が優先されるようになってきた。退屈な事実よりも心を浮き立たせるような嘘に拍手喝采するのである。post truthが年間英語に選ばれて話題になってたけど、フェイクニュースでなく、本当にトランプが大統領になってしまって、今やオルタナティブファクト、もうひとつの真実という言葉がもてはやされるようになっている。伝え方によっては嘘も本当になってしまう。虚構が真実よりも力を得るのである。人々は期待する方向で物事を考える。あって欲しい嘘なら容易に受け入れる。アメリカの貧しい白人たちはトランプの嘘を希望の公約として信頼し、投票したのである。
 民主主義は理想のシステムだけれど、民主主義が理想を実現する訳ではない。理想世界のためにシステムがあればよい訳でもない。人々が己の欲望のために民主主義を運用すればエゴの世界が現れる。己の欲望を許して他社の希望や欲求を粉砕する社会が顕在化するのである。
 トランプのツイッター政治は正に朝令暮改を絵に描いたようなもの。そして言葉足らずは頭足らず。彼の指先から発信されたメッセージはどう考えても沈思黙考の結果とは思えない。トランプという人物はテレビで演じるのは得意でも書くことで考える人ではないだろう。書く子は育つというけれど、メディアが進化してテレビやネットで文字と映像が対決すれば、書き言葉と話言葉のどちらに軍配が上がるのかはわからない。話言葉が強くなっているのだ。話し言葉の方が書き言葉よりパワーを持ってきているのだ。
 人は本を読むことによって人となっていく。そして聞けばトランプの周辺には一冊の本もないという。いつか誰かがいっていた。百人の無駄話に傾聴するより一冊の本を読んだ方が学びになると。本を読まなければ本を読んだ人と読まない人との区別がつかなくなるのは当然のこと。選ぶ側がテレビばかりに目を奪われていると、深く考えないで行動するような人物を頂点に座らせてしまうような結果となるのだ。

▲ 鶯の便り届けるラジオかな

0216・木・

 本日はマレーシアのクアラルンプール空港で発生した、北朝鮮によるものとされる暗殺事件で朝から晩まで大騒ぎ。トップニュースを飾っている。社会主義の看板を掲げる北朝鮮の独裁体制って、まるで王朝みたい。弟に殺されるのではたまらない。独裁者の兄貴なんかに生まれたくはないものである。このお兄さん、わざわざ偽のパスポートで日本へ観光にやってきてディズニーランドで遊んだり、吉原のお風呂屋さんで泡踊りを楽しんだりしてるのを見ると、権力の座よりも人生を楽しむことにエネルギーを注ぎたかった人なのだ。誰の子どもに生まれたかで人生が決められてしまう。誰の兄弟に生まれたかで人生が左右される。殺されてしまったお兄さん、権力者の都合で大事にされたり命を狙われたりの人生ではなく、きっと静かな人生を送りたかったに違いない。本当に殺されてしまったのなら、心からご冥福をお祈りする。

 あまりのボキャ貧に冷や汗を垂らしてパソコンに向かっている所へコボちゃんが飛び込んできた。
「J-WAVEにこれから宮台先生がお出になるわよ!」
 そう騒いでいる。それなら冷や汗をかいている場合ではない。宮台真司がデイキャッチとは違う側面を見せてくれるかもしれないとミニコンポをFMにセットする。するとJam the WorldのBreak Throughから宮台先生の声が聞こえてきた。トランプ以後の国際秩序について語っておられる。今夜のお相手はいつもと違い、頭脳レベルに落差がないので新幹線の速度で話が弾む。邪魔が入らないのである。ただしボクの頭脳レベルとも格差があるので、ボクもついていけない。語彙の足りなさを思い知っていた所を今度は学問的フォーマットの不備を思い知らされたのである。デイキャッチで荒川強啓がいちいち宮台先生の揚げ足を取るのは話しのレベルをリスナーに合わせたいとの司会者としての配慮かもしれなかったのだ。エム ナマエと宮台真司とでは脳味噌の構造が違い過ぎる。こんなボクなんかと遊んでくれる宮台先生の偉大さに、またしても冷や汗なのである。

▲ 春の朝予報頼りに服選ぶ

0217・金・

 朝からすごい風である。気象庁が春いちばんだといっている。昨日からの予想最高気温が19度でその通り、春いちばんが吹きまくってる。でも風速20メートルはたまらない。春いちばんのネーミングにふさわしく、もう少しおしとやかにしていただきたい。そして春いちばんと聞いても油断は禁物。例年のことを考えれば春いちばんの翌日は必ず冷え込むと相場が決まっている。春いちばんを春の代名詞と思い込んではいけないのである。

 イスラム国がトランプ暗殺を呼びかけている。そしてボクも密かにその成功を願っている。このこと、どうか誰にもいわないでいてね。

 違和感を覚えていたのはボクだけではなかったのだ。今朝のTBSラジオ「スタンバイ」で小沢遼子さんが語っていた。NHKの電話アンケートに答えているのはどんな方々なのだろうと。答えられる人たちって、どんな人たちなのだろうと。おれおれ詐欺の餌食になるような、そんな人たちではないのかと。どんな時間帯を選んで電話をかけているか知らないけれど、いちいちの電話アンケートに答えられる人って、誰でもみんな、という訳にはいかない。そもそも、家にいられる人って、限られると思うのです。そうもおっしゃっていた。そんな電話アンケートの結果で世論を判断されては困るのです。そしてそんなデータで安倍政権が鼻息を荒くしてもらっても困るのです。そうもおっしゃっていた。そしてボクもそう思うのである。そもそも電話アンケートなんて一度もかかってきたことがない。日曜日や休日など、人がくつろいでいるタイミングを狙ってかけてくるのは人の金や時間を奪おうとする暴力的なセールスの電話だけ、いかに騙してやろうかと舌なめずりをしてる電話だけなのである。

▲ 迷惑な海の向こうの春いちばん

0218・土・雨水・

 雨水(うすい)である。水が温み、草木の芽が目覚める頃ということらしいが、今朝も洗顔には湯沸かし器の助けを借りている。そして今朝もNHKのマイ朝ラジオの「今日は何の日」を聴いている。それによれば、1977年の今日、スペースシャトルの1号機のテスト飛行が実施されていたとのこと。ジャンボジェットの背中に乗せられて高度5500メートルを飛んだという。要するに自力ではなく、おんぶされて飛んだということである。大型旅客機におぶさって飛行するスペースシャトルはおんぶバッタみたいに、何かの生き物に見えたことをボクもよく覚えている。ハッブル宇宙望遠鏡を打ち上げたり、国際宇宙ステーションを建設したり、繰り返し打ち上げられたスペースシャトルだったが、考えてみればスペースシャトルはいつも何かにおぶさって飛んでいた。つまり、他力本願の宇宙船だったのである。

 同じNHKマイ朝ラジオで、掃除をしていたらフローリングを天道虫が歩いていたというリスナーからの投稿が紹介されていた。毎年この頃になると冬眠から目覚めた天道虫が現れるというのだ。多いときは7匹とか8匹とかの天道虫が家の中で冬を越しているという。手紙の主は掃除機に巻き込まれないよう、天道虫を窓枠の上に連れていったという。小沢昭一さんの俳句に、
手の中の散歩の土産てんと虫
というのがあるが、家の中での天道虫との出会いは春いちばんと同時にやってくるのかもしれない。とはいえ、春いちばんの翌日は必ず寒くなるとのことで、その通り、今朝は寒さが戻っている。屋外で天道虫たちと出会うにはまだ寒いこの頃なのである。

▲ 逢引やまだまだ寒し梅林

0219・日・下弦・

 本日はボクの透析導入記念日なのである。1986年の今日、激しく雪の降り積もる中を目黒の東大医科研に緊急入院した。大袈裟にいえば、ほとんど死にかけていた。それから人工透析によって救われるのではあるが、医師はボクの母親に余命を5年と宣告した。そしてそれから丸31年間、よくぞここまで生かされてきた。すべての人たち、すべての自然現象、すべての運命に心から感謝している。合掌。なお、この入院については拙著「失明地平線」で詳しく述べているので一読いただければ幸甚である。なんちゃって。よろしくお願いいたします。

 夕方、パソコンに向かっていたらいきなりぐらぐらとくる。反射的にNHKラジオに回す。18時19分、関東地方にやや強い地震。東京23区では震度3と伝えているが驚いたせいか、もっと強く感じた。震源地は千葉県東方沖で震源の深さは60キロ、マグニチュードは5.4で津波の心配はないという。最大震度は茨城県南部で震度4だった。意外に大きいのは透析導入記念日にちょっとショックを与えて、ぼんやりと生きてないで、無事に生かされていることへの感謝を忘れないようにという、ボクへの天からの警告かもしれない。出来事はそれ以上でも以下でもないけれど、マイナスでないのなら、出来事に意味を考えるのは決して悪いことではないと思う。

 これまでは良識のシンボルと思っていたホワイトハウスだが、トランプの時代になったら何て呼ぼうか。やっぱ、ブラックハウスしかないかな。悲しいけれどもね。

▲ 黒く塗れホワイトハウス春の夜

2017年2月6日~12日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから30年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。

0206・月・
 朝9時になったのでNHKラジオ第2に回してみたらみんなの歌の「回転木馬に僕と猫」は1月で終わってしまったみたい。残念無念。いい歌だったのに。またぜひ聴きたい。録音したい。くよくよしてたら蛍光灯みたいなオイラの脳味噌にLEDが閃いた。YOUTUBEがあるじゃないか。早速ネットリーダーで検索したら出てきた出てきた「回転木馬に僕と猫」。いい歌じゃありませんか。もう耳について離れない。しばらくは虜になりそうです。
 造影剤を使った腎臓のCTスキャン検査の結果がでた。結論は異常なし。エコー検査による血流は癌によるものではなかったのだ。安堵といえば安堵なのだが、どうせ働いてない腎臓だから癌なら癌で除去してもかまわないと腹をくくってはいたものの、3年ぶりの検査だから、もしも全身に癌が転移してたら手を焼くことになるぞ、とも考えていたので、何事もなかったというのがいちばんありがたい。何が嬉しいって、今日が昨日とおんなじで、明日もおんなじで、いつもおんなじがいちばんありがたい。平凡な平和が最高な幸せと信じて疑わないこの心境は自分が年を取った、という証明なのだろうか。となると、変化を望んだアメリカの民衆はまだ若いということか。さて、どうだろう。
 170文字の指先介入で世界を動かそうという企みに抗議する声が上がっているのは事実だけれど、トランプの大統領令を支持する勢力が過半数を超えるという現実も忘れてはならない。ヒトラーが世界を掻き回してから70年という歳月が流れ去り、戦争もホロコーストも人類の喉元を通り過ぎてしまった、ということなのだろうか。トランプをヒトラーに仕立てることのないよう、最初はどんなに小さくてもいいから、抗議の声を上げていきたい。スーパーボウルで「わが祖国」を歌い上げたスーパーレディーみたいな大きな舞台でなくてもよいから、違いを超えてぼくらはおんなじ、という理想を権力に訴えていきたい。ここはアメリカじゃなく日本だけれど、カルフォルニアもメキシコ湾流もないけれど、この国はあなたの国、ボクの国、あなたと私のために作られた、と歌い上げたいと願うのである。
▲ ふくらんだ雀の横に梅ひとつ

0207・火・
 風速20メートルを超える猛烈な北風でこの老朽化マンションのアルミサッシが心細げに悲鳴を上げている。さっきまで豪徳寺の「とりたけ」で焼き鳥を買いに散歩にいくつもりだったのが中止となったのは当たり前の話なんだけど、コボちゃんの理屈がよくわからない。
「ひどい風よ。こんなんで外に出たら目にゴミや花粉が飛び込んで目が見えなくなっちゃうから、家の中にいなさいよね」
 というコボちゃんは自転車のブレーキが壊れているというので修理のために出かけていった。おいおい、ボクは最初から目が見えないんだから風は関係ないし、強風の中をブレーキが壊れている自転車で出かけていくなんて、目が見えているだけ余計に危ないんじゃないの。といったら、
「最近、お勧めのディズニーアニメってある?」
と聞いてくる。
「あるよ。ズートピアとベイマックス。ズートピアってのはアメリカが動物たちの国になる話。それからベイマックスは人形劇団ポポロのお嬢ちゃん、まいちゃんの出てくる話」
「何よ、それ?ちっともわかんない」
「見ればわかるよ。わかんなかったら解説したげる」
 ということでコボちゃんは2時間もかかって自転車のブレーキを修理して、レンタルショップでDVDをまとめて借りて、それから焼き鳥をあきらめた代わりにケンタッキーでフライドチキンとフライドポテトを山ほど買ってきたのだった。でボクはその間に小説「罪の声」を読了する。最後の40ページを残すだけになっていたのである。1984年に発生したグリコ森永事件をテーマにした感動の長編小説なんだけど、このグリコ森永事件というのが小説も真っ青の驚愕の事件で、物語の展開よりも事実の複雑怪奇さに心を奪われてしまう。事件が発生した1984年は半年の間、ボクは病院で失明と闘っていて世間に対してあまりレーダーを向けてはいなかった。その頃に犯人グループはグリコの社長を誘拐し、身代金を要求し、それからは森永、丸大、ハウス、不二家と次々に食品会社と製菓会社を脅迫していく。その間、犯人グループはマスコミ各社に警察に対する脅迫状や挑戦状を公開し、徹底的に警察を嘲笑する。企業に対する脅迫は身代金で、その人質は世間の子どもたち、という仕掛けでコンビニに青酸化合物の毒入りお菓子を並べていく。けれども犯人グループはミスを冒さない。ひとりの犠牲者も出さなかったのである。
 「劇場型犯罪」はこの事件をきっかけに生まれた言葉だった。けれどこの当時、1984年の半分はボクは病院に缶詰にされ、失明と闘っていた。世間の大事件にも心は動かされたが、それ以上に自分の人生に発生した大事件に精神を揺れ動かされていたのである。あれから33年、改めて「グリコ森永事件」の特異性に心を揺れ動かされた。関西で発生した事件だけに、阪神淡路大震災に匹敵する震度7の激震で心を揺すられる数日間を過ごしてきたのである。
 という訳でビールでケンタッキーフライドチキンを胃袋に送り込みながらコボちゃんに小説「罪の声」についてレクチャーをする。
「ね、すごい小説でしょ?」
「うん。わかったからさ、今度はアルルカンのショートケーキを食べましょよ。おいしいわよ」
 そういうとディズニー映画「ズートピア」を観ながらコボちゃんはコーヒー片手に苺と生クリームの山とふんわりケーキに闘いを挑んだのである。
▲ 北風に負けるな若い梅の花


0208・水・
 戦闘の危機が高まっているという自衛隊のレポートが存在したらしい。破棄されていたとされる自衛隊の南スーダンにおける日報の存在が明らかになったのである。国会では現地での紛争が戦闘なのか衝突なのかで議論が紛糾している。弁護士の資格を有する防衛大臣はたとえ現地でいかなる紛争が生じても法的な意味での戦闘行為ではないと主張するのだ。その根拠はPKOと憲法九条の関係性にある。もしも戦闘と認めてしまえば自衛隊の平和維持活動が違憲になるからである。言い換えの特異な安倍政権の優秀なる防衛大臣の答弁を深読みすると、憲法九条さえなければ、あたしはこんな苦労をする必要がないのよ、といっているように聞こえてくる。早く九条を破棄して日本も中国と対等に戦争のできる国にしたいとの安倍政権の本音が聞えてきそうである。とはいえ、いくら平和ボケしているとはいえ、国民もそこまで馬鹿になってはいないだろうと思いたい。もしも憲法を改正して自衛隊の重武装化に着手するとしたら安倍政権に任せてはおけない。安保問題の解決よりも国民の権利や自由を制限する憲法に書き換えられてしまう懸念があるからだ。
▲ 梅咲くや胸のジッパー引き上げる


0209・木・
 毎朝5時から必ず聴いているNHKラジオ「マイ朝ラジオ」のコーナー、「今日は何の日」で、1989年の今日、手塚治虫先生が逝去されたことを伝えていた。60歳。今の自分の年齢から考えると、そのあまりの若さに愕然とする。医学博士でありながら、自らの健康を顧みることなく世界中の漫画ファンのために作品を送り続けてこられた当然の結果であるのかもしれない。作者の病はブラックジャックでも治すことができなかったのである。
 つい先日、この冬いちばんの寒波とかいってたけど、今きているやつが、またまたこの冬一番とかいわれてて、その強力な寒波のおかげで西日本では無敵の冬将軍が暴れるかもしれないのだ。東京でも雪が降るかもしれないと予報されてて、そうなったら大騒ぎ。この頃は南岸低気圧なんて言葉にも敏感になってて、寒波と南岸低気圧がカップルになれば、そりゃ雪になるわさ、なんて条件反射みたいに恐れる訳です。気象予報士さんにいわれなくてもね。
 で、南岸低気圧と雪の関係なんかをつらつら考察してたらたまたま雪が降ったこの日に、まるで図ったようにTBSラジオの伊集院光の朝の番組に、ツイッターで一般市民に呼びかけて、雪の結晶写真をコレクションしていることで知られる、慶應義塾を中退して気象庁で気象研究に従事している雲の研究者、荒き健太郎さんがご出演、素人ながらお天気マニアのボクにとって、興味深い話をしてくれていた。東京の雪と南岸低気圧の関係についてはまだデータが不足しているとかで、それで各ポイントの雪の結晶写真が必要だという。スマフォの接写機能を最大限に使用すれば、雪の結晶構造まで撮影が可能、ということだった。観天望気なんて、これまで聞いたことのない言葉も教えてくれて、これは経験を積んだ漁師が積乱雲の形で天候の急変を占って危険を回避する局地的天候予想のこと。またまたお勉強になっちゃったもんね。なんて文化放送の無敵の聴取率を誇った名番組「やるまん」の小俣雅子さんみたいなことをいってたら、今朝はその小俣さんからメールをいただいて驚いた。実はボクもやるまんファミリーのひとりで、最後の放送でも電話出演させてもらったことがあるのだ。どうもボクの暮らしはラジオ中心に回っているらしい。
 デイキャッチの木曜担当、山田五郎コメンテイターが赤坂の豊川稲荷で雀の大軍を目撃したとレポートしている。ボクも先日、紀尾井ホールにおける川畠成道ニューイヤーコンサートからの帰り道、赤坂見附へ向かう途中の清水谷公園で雀の大軍を体験したばかり。ボクもそうだけど、都会の雀が少なくなったと山田五郎さんも心配していたので喜んでもいいことなのだが、壁が動いているのではないかと思うほど密集している雀たちは、いったい何を食べているのだろうか。それとも豊川稲荷には、雀の神様がおられて、都会の雀たちのパワースポットになっているのかもしれない。猫に爪をかけられただけで即死するようなはかない小鳥ではあるけれど、群れればそれなりの迫力がある雀たち。それにしても山田五郎さんがいっておられた、まるで蝙蝠みたいに壁にへばりついてる雀の大軍というのはちょっと想像がつかないんだけれど。
▲ 押しくらで負けるな雀春の雪


0210・金・
 西日本では大雪被害が出ているのに前のめりの安倍晋三は政府専用機にまたがって、勇んでアメリカへ飛んでった。爆風トランプにせかされて余計なことを口走らないとよいのだが。会談よりもトランプが招待するというゴルフの方が心配だ。TBSラジオ、水曜日のデイキャッチで秀逸の時事川柳は
▲ クラブより尻尾のスウィング目立ちそう
 どうやらトランプ大統領はエアフォースワンを使って安倍晋三をフロリダ半島の自分の別荘へ連れていくらしいのだが、そこで飛行機が落ちてくれれば、一挙解決となるのだが、こんなことを夢想するボクという人間はきっと悪役キャラクターなのでしょう。
 運転中、スマフォを操作してトラックを歩道に突っ込み、2歳の誕生日を迎えたばかりの児童を連れていた母親を轢き殺した運転手、遺族に謝りたいと反省しているらしいが、土下座で頭を地面に擦り付けて平身低頭しようとも、残された幼児は母親を奪われたままの生涯を送らなければならない。この母親、目撃者によれば、子どもを突き飛ばして自分を犠牲にしたらしい。ケータイであれ、スマフォであれ、移動中の携帯端末を使用不可能にする方策はないものだろうか。GPSを応用すれば方法はあるはずなのだ。歩きスマフォや運転スマフォで、これ以上人の命が奪われることのないよう、社会の設計者たちは知恵を絞らなければならないのだと思う。
▲ 火の用心人の憂いも風ひとつ


0211・土・建国記念の日・満月・
 立春を過ぎてからの寒さを余寒というらしいが、ここ数日の寒さは余寒なんて生易しいものではない。山陰を中心に日本海側では大雪が暴れまくっている。福井県や鳥取県ではいつもの10倍という積雪で交通渋滞も発生している。なのに東京は今日も晴天。ありがたいけど申し訳ない。嬉しいけれど喜べないで困ってる。自然現象は誰にでも平等に訪れる。けれども気まぐれ、なのである。
 TBSラジオ、久米宏の「ラジオなんですけど」に「罪の声」の作者、塩田武士さんがご出演。長編小説「罪の声」についてはつい先日レポートしたばかりだが、実はこの小説を読んだ切っ掛けがこの番組のホスト、久米宏さんがやたらお勧めになるのでサピエ図書館からダウンロードして読了したのである。本にして409ページ、音訳読書だと13時間の長編だが、一気に読了してしまったのは先週、その作者自身が今週のゲストであると聞いたからでもある。
 作者の塩田武士さんは1979年生まれで、グリコ森永事件が発生した当時は5歳。犯人グループが脅迫に使用した音声テープの男の子と同年齢である。あの子どもたちがそのまま生きていれば自分と同じような年齢になっているはず。その思いがこの小説を書かせたという。そしてその通り。小説「罪の声」のふたりの主人公、新聞記者と京都在住のテイラーも塩田武士さんと同年齢なのである。
 塩田武士さん、実にしゃべりがクリアーで、久米宏さんとのトークもスムース。それもそのはずで、彼は役者経験も漫才師としての経歴もあったのだ。そして主人公と同じ、新聞記者としての経歴がノンフィクションと錯覚させるようなリアリティーを作品に与えているのである。小説「罪の声」は既に15万部を超えるベストセラーとなっているが、これからますます増刷されていくだろうし、様々な賞も獲得していくに違いない。作者自身もメディアから引っ張り凧になることも確実であるが、賢明な作者はこの爽やかな語りとサービス精神をいつまでもキープしていくことだろう。
▲ わが猫のしがみついてる余寒かな


0212・日・
 毎朝5時に目が覚める。そして目覚めるとすぐNHKのマイ朝ラジオに傾聴する。番組に寄せられるリスナーからの便りが全国各地の風物を伝えてくれるからである。それによると西日本ではまだまだ雪が暴れているらしい。瀬戸内海気候に守られた温かいはずの四国の愛媛県でも雪に不慣れな人や自然が雪の朝の静けさに驚いている。ベランダの菜園では出たばかりのブロッコリーの芽が消えているので不思議に思って見ていたら、やがて両手に乗るくらいの野鳥が現れてプランターをついばんでいる。雪の中で食べ物に苦労しているのだと同情して、もっと食べさせてやりたいと思ったとのリスナーからのメールも紹介されて、東京のこの温かさにあきれたり感謝したり、複雑な気持ちにさせられた。
 トランプの馬鹿の壁は飽く迄も国境閉鎖の象徴にしかならない。どんなに金をかけても万里の長城よりも堅牢な壁を築けるとは思えないのである。そしてあの万里の長城でさえ、その気になれば簡単に乗り越えられるのである。それにしても壁マニアの大統領にゴルフに誘われ有頂天のアベちゃん、恥ずかしいったらありゃしない。朱に交われば赤くなるというけれど、あまり利口そうに思えないアベちゃんが、ますますアホに見えてくる。ふたりで内緒して人にはいえないような恥ずかしい計画でも建てているのではないかしらと、世界中がはらはらしてるなんて考えもしないで、きっとゴルフに現(うつつ)を抜かすんだろうな。困ったもんです
と思っていたら北朝鮮のミサイルで大騒ぎ。グレートデンかマスチフみたいな大型犬の影に隠れて尻尾を振ってる狆ころみたいな安倍晋三の姿が目に浮かんできて恥ずかしいったらありゃしない。けれども、ミサイルを打ち上げてトランプにかまって欲しくてたまらない北朝鮮も恥ずかしい。打ち合わせたみたいなタイミングのミサイルだが、まさか打ち合わせてはいないよね。
▲ 野の鳥も途方に暮れる春の雪




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