全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2017年10月9日~15日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたりしたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。
 さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌のほとんどはリアルな出来事ですが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はどうぞご理解ください。

◆ ウィークリーフレーズ 今週の言葉です

ああ どうしてあのとき
ぼくはあの人のことを
もっとよく 知ろうとはしなかったんだろう

 これまでどれだけ自分のくだらないおしゃべりで損をしてきたことでしょう。つまらぬことをしゃべってる間に、人の話を聞けばよかったと、どれだけ後悔してきたことでしょう。わかっているはずなのです。自分が愚かであることを。そのことを素直に認めることさえできれば、世界中の人々が掛け替えのない友人になってくれるかもしれないし、人生の教師になってくれるかもしれないのです。けれどももう、その人はどこかへいってしまって、二度と会えないのです。


 今日はハッピーマンデイで体育の日ということになってるけど、どう考えてもインチキな体育の日で、ぜんぜんピンとこないのだ。やっぱ体育の日は10月10日じゃなきゃ。あの日の晴れた空を思い出させる東京オリンピック開会の10月10日じゃなきゃね。

 よかった、よかった、よかった。行方不明だった4歳の子どもが見つかってよかった。無事に保護されたのだ。静岡県の別荘地での出来事だったけど、関係者の喜びが伝わってくる嬉しいニュースである。こういう事件ばかりだといいんだけれど、事件と聞いて朗報を連想するケースって、ほとんどないんだよね。そこでニュースをもうひとつ。空港で犬が逃亡して大騒ぎ。スタンダードプードルというと、トイプードルとは事情が違う。トリミングをしてないと、むくむくのちょいとした大型犬なんだけど、そのワンちゃんが40分間、滑走路を逃げ回り、飛行機は着陸のやり直し。係り員はケージに網をかけ忘れたといってるが、ワンちゃんだって飛行場の雰囲気にビビッてる。チャンスさえあれば逃げるのは当たり前。ま、保護されてよかったと思う。犬であれ人間であれ、無事なニュースがありがたい。

 ここんとこ、10月31日の抜けてるカレンダーのことで電話やメールをいただいている。2017年エム ナマエカレンダーのことである。10月になって紙をめくり、スケジューリングをしているときにコボちゃんも気がついた。そう。10月になってから気がついたのである。それまで誰も気がつかなかった。デザインや印刷や校正刷りなど、それぞれのプロセスで発見するチャンスはいくらでもあったのに、こういうことってあるのです。世界中でどれだけカレンダーが印刷されるか知らないけれど、本当に大変なお仕事だと思います。と、全盲の立場からの、これは完全なる責任回避。ごめんなさい。

▲ つごもりで終わる十月だめごよみ


1010・火・目の愛護デイ・

 本日は目の愛護デイ。そしてアリーナの命日である。2004年の10月10日、盲導犬アリーナは天に召されたのである。そして今日こそ、本物の体育の日。1964年の今日、東京オリンピックの開会式で航空自衛隊のブルーインパルスが東京の青空に巨大な五輪を描いた日なのである。でも、2000年になったらハッピーマンデイとやらで、体育の日がその年の曜日の都合でフラフラと動かされることになってしまった。お天気おじさんの森田正道(まさみち)さんによれば、10月10日は統計的に観れば、圧倒的に晴れの確率が高いとかで、晴れの特異日。この日が運動会に選ばれる最大の理由となっていたのである。ところでボクはずっと晴れの得意日、とばかり思っていた。ね、これって納得できる間違いですよね。

 衆院選公示ということで、ラジオは朝から安倍晋三がうるさくてたまらない。嘘つきな狐、安倍晋三の声を朝から何度も聞かされて、とことんうんざりしている。モリカケ問題があってもなくても、この人のいうことを一度でも信用できたことがあっただろうか。この人のおじいちゃんにせよ、この人にせよ、地球を取り巻く大気のように嘘の雰囲気が渦巻いている。真実の気配など、真空宇宙ほどに感じられないのである。とにかく迷惑な選挙であるのだが、この牽強付会で理不尽なる解散の責任者は福島県に出張し、田んぼの真ん中で実った稲の真似をして頭を下げて演説してはいるけれど、周囲は支持者ばかり。関係者以外は立ち入り禁止の街頭演説、いや、田園演説なのである。秋葉原で集まった「こんな人たち」は近くにも寄れないのである。正に裸の王様。でもねえ、今度の選挙、アベちゃんのいく先々で「こんな人たち」が集まっていると思うよ。

 暑い。ほぼ真夏日である。スクワットしてたら汗が出てくる。日照時間が10時間以上が2日間も続いたのは東京では3か月ぶりのことだという。とにかく天気に恵まれない秋であったのだ。けれども今日はゴキゲン。鳥たちも元気がいい。窓から聞える雀のお宿のかまびすしさも最高潮。機銃掃射のようにさえずり合い、喉も裂けよとばかりかしましく、これまでの欲求不満を解消しているのである。

▲ かしましく雀のお宿秋の暮れ

◇ バーチャル『奥の細道』コース   
ありがとうございます。新庄に到着、通過しました。
次の最上川まであと、138,795歩です。
現在の歩数は1,775,205歩。三度目の徘徊です。
不思議ですけど、ますます元気になってます。


1011・水・

 1874年、明治7年の今日、日本最初の鉄道事故が発生した。東京新橋駅構内で列車が脱線したもので、日本に鉄道が開かれてから2年後のことだった。さて、それからどれだけ鉄道事故があったのだろう。便利さに伴う危険。犠牲は常に支払わなければならないのである。

 気のせいかもしれないけれど、真昼間の幻想なのかもしれないけれど、空気が振動しているような気がする。頭上を邪悪で不吉で巨大な何かが耳に聞こえない轟音を発して威圧的に通過していくような気がする。遅れてジェットのエンジン音も通過していく。と、これは本当の音。ボクの鼓膜もフィジカルに振動している。あとでニュースで米軍のB1戦略爆撃機と航空自衛隊のF15J戦闘機がスクラム組んで訓練飛行をしたということが伝わってきたけど、まさか、あれがそれじゃないよな。やな感じだな。新しい安全保障体制になったら、たちまち集団的自衛権が実行されようとしている。と、そんなことじゃないよな。とにかく、どうか北朝鮮とは戦争だけは避けてもらいたい。衆院選の投票をしてる間に東京が水爆で滅亡、なんてことにだけはしないでもらいたい。

▲ 目に見えぬボンバー浮かぶ秋の空


1012・木・下弦・

 1960年の今日、社会党の浅沼稲次郎委員長が日比谷公会堂で演説中に17歳の少年に刺されて死亡した。ちょうどこのとき、ボクは我が家の近所を散歩中。目の前を救急車や警察車両がサイレンを響かせながら次々に通過していったのを目撃している。そう。このときの我が家というのは内幸町の東電社宅。帝国ホテルとジャパンタイムスに囲まれた鉄筋4階の建物だったのだ。小さなベランダがあるだけで庭なんかなかったけれども、すぐ目の前が日比谷公園でボクはそれを庭として利用していた。どこのお屋敷よりもでかい庭だったのだ。ボクの学校、永田町小学校は国会議事堂のすぐご近所で、校章も国会議事堂。おかげで国会議事堂へ向かうデモ行進の通り道で、いつも彼らを屋上から見下ろしていたし、全学連の女子大生が機動隊との衝突で死亡した現場を肌で感じたりしていることから、ボクが安倍晋三のおじいちゃん、岸信介を毛嫌いするのも、そんな空気に感染したせいかもしれない。とにかく、世間の出来事に敏感でなくてはいられない少年時代であったのです。

 2013年の今日、東京都心で最高気温31度3分の真夏日を記録。統計をとり始めて以後、最も時期の遅い真夏日の記録を更新した。温かい空気に覆われ、東日本を中心に気温が上昇したもので、各地で季節外れの暑さとなった。とはいえ、ますます温暖化はエスカレート、今日だって千葉県で31度を記録して、これまた記録更新てなことになるんじゃないのかな。

 またまた沖縄で日本占領軍のヘリコプターが墜落して炎上した。でも日本の警察は手も足も出せない。仕方ないよな。なんせ相手は占領軍だもんな。総理大臣が安倍晋三だもんな。いろいろと義理がらみで、抵抗できないんだと思う。

 駅前ラーメン店、光陽楼(こうようろう)で雲呑麺を食べていたら激しく落ちる雨の音。通りの人々が傘を取り出した。れれれ。雨は夜9時からじゃなかったの。気象予報士のお嬢さん、いつも勇み足だよね。傘、持ってきてないよ。雨がやむまで、餃子もう二人前。体重増加も地球温暖化のせいなのです。

 アルルがそわそわ落ち着かない。今年最後の北軽井沢への荷物の準備をしているのが伝わっているのだ。わかるのだ。猫のミミコもそわそわ。連れていかれちゃたまらないと、今からどこかへ隠れようとしている。でも出発は明日の朝。その頃には猫のミミコは忘れてしまうのだ。

▲ 禁煙の灰皿去年の木の実かな


1013・金・

 朝の空気にうっすらと排気ガスの匂いがする。リアシートには愛犬アルルと猫のミミコ。関越道を走りながらNHKマイ朝ラジオの「今日は何の日」を聴いている。そして2013年の今日がわがお師匠の偉大なる漫画家、やなせたかし先生のご命日であることを伝えている。94歳。ご存命であれば今年で98歳になられるはずだったのだ。100歳は軽く超えられると思っていたのはボクばかりではない。サンリオ美術賞や「詩とメルヘン」の仲間たちはみんなそう思っていたのだ。お亡くなりになる直前まで病院のベッドで机に向かわれていた先生の仕事への愛情を今も忘れられない。そう。仕事への愛情というのは、大袈裟にいえば人類への愛情なのである。そしてそれこそアンパンマンの愛情なのである。

 いつもの顔で北軽井沢スタジオがエム ナマエファミリーを歓迎してくれる。これもすべてスタジオクラスターのおかげである。ラップトップパソコンとプレクストークのための外部スピーカーをセットすると準備完了。コボちゃんがプシュッと缶ビールを空ける。肴は軽井沢のつるやスーパーで見つけたマグロの刺身。たっぷり山葵の醤油プールでひと泳ぎさせて口に放り込む。ああ、幸せ。今年最後の民族大移動。しっかり仕事をさせていただきます。

▲ 天高くアンパンマンのお父さん


1014・土・

 1974年の今日、長嶋茂雄が現役を引退した。ボクはこの日のことを昨日のように覚えている。目の見えていた頃のことでも、昨日のように覚えている。いや、目が見えたからこそ記憶は鮮明なのかもしれないし、後楽園における長嶋茂雄の引退セレモニーが強烈だったせいかもしれない。人工芝の緑の上でスポットライトを浴びたミスタージャイアンツ。巨人軍は永遠に不滅ですのワンフレーズ。マイクの前で涙を抑えるその姿。ボクは仕事机で絵筆片手にテレビ画面と白い紙と交互に睨めっこ、リアルタイムで生中継を見たのです。あの頃は本気で巨人軍を応援していたのです。若気の至り、無知の恥辱。神よ、お許しあれ。

 山の中の病院で透析も終わり、昼には雨も上がり、気温まで上昇している。帰り道、カッちゃんの店でランチ。たぬき蕎麦と天麩羅盛り合わせを合体させ、自主制作の天麩羅蕎麦でランチ。豪華絢爛カスタマイズ蕎麦をかっこんでいる。蕎麦汁でほとびた揚げ玉と天麩羅の衣って、どうしてこんなにおいしいのでしょう。てなことを考えていると、ハーレーダビッドソンの重たい排気音が集団でやってきて、駐車場でエンジンを切ったかと思うと、次々にスタンドを立てる気配がして、ガラリ。勢いよく引き戸が開かれ、ぞろぞろとおじさん軍団が侵入してきた。全部で8人。思い切り訛ってる。栃木か茨城か、それとも福島か。その見事な訛で思い思いの注文。でもみんな温かい蕎麦ばかり。そうなんです。バイクでのツーリングは体が冷えるんだよね。温かいものが食べたくなるんだよね。ボクも夢の中ばかりでなく、本物のバイクでツーリングしたいよな。体が冷えても構わないから秋晴れの空の下、思う存分鉄の馬を走らせたいと思う。あの爽快感は今もボクの中で生き生きと息づいているのです。さて、満腹になったボクたちはアルルとクオリスの待っている駐車場へ。すると8台の大型バイク。ハーレーダビッドソンが7台とスズキの千CCが1台、すべて福島ナンバーでした。

▲ 秋晴れや大型バイク親父たち


1015・日・

 今日は世界手洗いの日。正しい手洗いの大切さを伝え、世界の子どもたちの命を守ろうと国際衛生年の2008年にユニセフが中心となって定められた。ということで入念に手を洗い、銀座ウェストのリーフパイを食べようと思ったら、テーブルのお盆の中をハサミムシ君が歩いているのをコボちゃんが発見、早速ティッシュペーパーで逮捕される。哀れなハサミムシはそのままティッシュに包まれ窓の外に追放される。もちろん怪我の心配はない。ティッシュペーパーがパラシュートになってくれるのだ。それにしてもハサミムシ、どうやってお盆のへりを乗り越えてきたんだろう。あの人、そんなに長い脚はしてないはずです。

 外で元気よく鳥の声がしているので耳を澄ますと、誰かがコツコツと屋根をノックしているのが聞えた。と思ったら、屋根に木の実の落ちる音。気持ちのいい秋の日であるのだ。そこでボクの気持ちも秋晴れにして、白い紙と向かい合う。おかげで一日、依頼作品に没頭できました。

 晩秋の日が暮れて、雨の気配がひっそりと板張りのフロアに忍び込んでくる。静かなるワンナイト。広大なワンルームの片隅で俎板の上で包丁の踊る音がする。そろそろお腹がすいてきた。さぁ、何が食べられるのかな。スタジオクラスターには料理写真のスペシャリストたちが集っている。その面々のための北軽井沢分室である。楽しく台所仕事に専念できるようになっている。お洒落な食器も揃ってる。となれば、おえかきだってお料理だって楽しくなるに決まってるじゃありませんか。

 クライマックスシリーズ、ファーストステージの2日目はセパ両リーグとも3位のチームが勝利しちゃって、2位のチームに逆王手をかける形となった。つまり面白くなってきたのである。ところが衆院選の投票日まであと1週間。ここにきて丁寧な議論という言葉が必殺の魔球みたいに飛び交っている。けどなぁ、屁理屈のこねくり回しのような気がしてならない。これまでも丁寧な説明といわれて、さんざん誤魔化されてきたもんな。これでまた騙されるんなら、やっぱ日本人は馬鹿でオタンチンということになるよな。オイラもオタンチンですけど、ますます面白くなくなってきたのです。

▲ 丁寧な狐得意の二枚舌



2017年10月2日~8日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたりしたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。
 さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌のほとんどはリアルな出来事ですが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はどうぞご理解ください。

◆ ウィークリーフレーズ 今週の言葉です

山のてっぺんであろうと 目もくらむ谷底であろうと
出発点に 変わりはありません
大切なのは 歩き出す その勇気です


 反省はするけれど後悔はしたくない。それは理想です。けれどもこれまでどれだけ悔やんできたことでしょう。そのとき、やれることをしてこなかった。やれるときにやらなかった。そして最大の失敗は考えるだけで何もせずに済ませてきたことです。そうなのです。もう少し待てばボクの頭はもっと良くなる。準備だって完了する。きっとこれ以上はない、というタイミングがくるに違いない。坂本九が歌ってたみたいに、テカテカテカグッドタイミング、いつか最高のタイミングがやってくる。そう思って何もせずにいたことです。けれどもちろん、それは間違いでした。やりたいと思ったときにやらなければ、いつやるのでしょう。今やらなければいつやるのでしょう。やらなければどんどん時間は経過して、その発想の新鮮さは失われ、情熱も能力も落ちていく。頭は良くなるどころかますます悪くなるし、言葉だってぽろぽろこぼれていく。思い返せば、これまでやらないで悔やんだことだらけだけれど、そのやらなかったことたちのことも、もう忘れかけている。そうなのです。どう考えても今が最高最大で絶妙のグッドタイミングなのです。そのやりたいという気も地だって、今がピークに間違いないのですから。


1002・月・

 1985年の今日、関越自動車道のうち前橋湯沢間の工事が完成、全線が開通した。これで東京新潟間が3時間半で結ばれた。そのおかげかどうかはよく知らないけれど、東京と軽井沢も便利になって、こうして月に二度も北軽井沢にお世話になっているのである。
 というわけで今朝もコボちゃんとアルルが北軽井沢の森の中で朝の散歩を楽しんでいる。そしてふたりは梟のハンティングを目撃。そう。コボちゃんとアルルは森の中で大きな鳥が何かをつかまえている現場を目撃したのである。羽音がしなかったのが梟であることの動かぬ証拠。そう。梟はまるで羽音をたてずに空中を移動できることは梟と暮らしたことのあるボクがよく知っていること。梟の存在も貴重だが、それを目撃できるのも得難い経験で、これも関越自動車道のおかげであるのだ。

 北軽井沢スタジオの庭をほじくると青い胡桃の実が出てくる。リスが運んできているのだ。そのまま埋めておけば周囲の果実が腐り、中身の胡桃の種が出てくる。果実は臭くてまずいけど、種子の中身は香りがよくて旨いのだ。それをリスたちはよく知っているのだ。もちろん人間たちも知っている。けれども人間たちはリスみたいな丈夫な歯を持たないから、そこで便利なクルミ割りを発明したのです。

▲ お宝は腐れば光る胡桃の実


1003・火・

 スタジオクラスターのマダムといえばヒロコママ。そのヒロコママのお友だち、カッちゃんの店でお蕎麦ランチをする。駐車場にクルマを止めると同時にコボちゃんがカッちゃんの店の庭で光を放つ薄紫色、ラベンダーの木通(アケビ)の果実に目を留めた。周囲の紅葉も赤く色づいているのに、まずは果実に目を留めたわけである。もちろんカッちゃんのことだから、その木通の果実も提供してくれる。思わぬデザートである。
 カッちゃんの店は場所もいいしお蕎麦も旨いし姉ちゃんも綺麗なので、当然のこととして千客万来。いつも駐車場はクルマでいっぱい。けれど午後も遅くなれば手を休める時間だってある。そこでコボちゃんはカッちゃんとお嬢さんとで北軽井沢の噂に花を咲かせる。例えば泥のスープに浮かび出る灰汁のように草の根元から無数に生まれ出たヤスデの大量発生のこと。実はコボちゃんだけでなく、カッちゃん親子も今年のヤスでの大量発生には悩まされていたのである。たとえば雉の親子のこと。実はコボちゃんがウズラの親子のお通りと思っていたのは雉のお母さんと子雉たちのお通りだったのである。それから三本足の狐のことも。やはりあの狐、この界隈では知られる存在だったのである。木通の果実ばかりでなく、そんな話題も土産に持ち帰り夜はビールで乾杯。新鮮な枝豆も上手に茹で上がり、おいしくいただきました。

▲ ひっそりと割れて誘うよ木通嬢


1004・水・十五夜・

 午後、スタジオのベランダで美しいキジトラネコが日向ぼっこをしているのをコボちゃんが発見。太って大きな雄猫であるから、きっと近所のお金持ちの別荘から遊びにきたのだろう。コボちゃんが声をかけたら逃げていったという。声なんかかけなければいいのにといったら、猫のミミコの遊び相手になってくれと頼むつもりだったらしい。ま、そんなにうまくいくわけはないよね。

 北軽井沢にきてから改めて村上春樹の「海辺のカフカ」を読んでいる。そうしたら面白くてやめられない、たまらない。こんなに面白い小説だったかと驚いている。それに影響されてコボちゃんも隣で聴いている。こういうとき音訳図書は便利なのだ。ふたり並んで仲良く同じ本で読書ができるのだ。さて、村上春樹の「海辺のカフカ」を最初に読んだのがサピエ図書館を導入した2013年の9月。今からちょうど4年前のことになる。その頃、村上春樹について近所の女流児童文学者から嵐のように先輩風を吹かされ、あれこれとつまらぬ先入観念を吹き込まれ、今更ながらに損をしていたと思う。それを薬にして、これから改めて村上春樹を読み直してみたいと思っている。その書き手が好きになったら、ボクは何度でも読み返す。たとえば夏目漱石、宮沢賢治、筒井康隆、小松左京、そして東海林さだお。今度はそれに村上春樹が加わったのである。

 今夜は十五夜、晴れている。おかげで軽井沢の高原をお月見ドライブと洒落こんでいる。これから東京へ向かうのだ。ボクの膝の上で踏ん張り、フロントガラスを透かして猫のミミコが真ん丸い月を見上げている。じっと黙って見上げている。どんなにクルマが揺れてもボクの膝に爪を立てて踏ん張り、じっと見上げている。明るい月が浅間山の上にかかる雲を白く浮かび上がらせているのだ。もちろんそれを眺めることのできるのはコボちゃんと猫のミミコだけ。ボクは盲目で見えないし、リアシートのアルルは角度が悪くてせっかくの名月が死角になって見えないのである。

▲ 明るくて猫もあきれる秋の月


1005・木・

 日本生まれの英国作家、カズオイシグロがノーベル文学賞に輝いた。以前、福岡伸一博士のお勧めで、といっても彼がエッセイの仲でカズオイシグロの作品を評価していた、という話なのだが、「私を放さないで」を途中まで読んだことがあったが、まだ読了できてはいなかった。作品世界に入りこむ前に他の作品に気を取られてしまったのである。ということは、とにかく静かな物語なのである。主人公にしても出来事にしてもいつまで待っても激しく動くようなことはなく、どれほど経ってもわくわくドラマが始まらないのだ。とはいえノーベル文学賞とあれば話しは別。流行に後れるわけにはいかないじゃありませんか。早速サピエ図書館から「日の名残り」をダウンロード。出版社はこのノーベル文学賞パニックに増刷が間に合わないと慌てているが、こういうときサピエ図書館は最大の味方。早速最初から読み始める。「私を放さないで」には再度挑戦するつもり。あの辛口で有名な書評家の豊崎由美さんによれば読み易いという評判なので、これは後回しでも大丈夫だと思う。とにかく走り出した新型超特急に乗り遅れないようにしたいのだ。失明というトラブルで村上春樹という列車を逃してしまうという経験をしたが、あの頃のボクはサピエ図書館という座席指定券の入手方法を知らなかったのである。

 近所の掃除のおばさんの証言である。といってもボクが直接聞いたのではない。コボちゃんが聞いてきた話である。そのおばさんによれば、都会のカラスは飛んでいる鳩を襲って食べているという。都会のカラスは飢えているのだ。石原慎太郎のカラス駆除作戦が普及したのか、とにかくカラス対策が充実してきて、どの生ごみにもカラス除けの雨網がかぶせられ、カラスたちは思うように食べ物に有り付けないらしいのだ。それにしても、どうしてそれほどにカラスたちを嫌うのだろう。普通に生きてきて、これまで一度もカラスをコワイと思ったことはないし、もちろん襲われたこともない。なのに世間には黙っていてもカラスが襲いたくなるような人間が存在するらしいのだ。たとえばこの近所で紙袋からいきなりエアガンを取り出し、カラスい向かって発砲しているオヤジをコボちゃんが目撃したことがある。そういう輩が出没するのが石原慎太郎効果なのか。カラスは賢い生き物である。馬鹿な人間が余計なことをしなければ、黙って平和に暮らしていきたい存在なのである。餌くらいあげたっていいじゃないか。独り占めじゃなく、人間と生き物たちで、仲よく都会暮らしを楽しもうじゃないか。

▲ 渡り鳥烏見上げる枝の先


1006・金・満月・

 1997年の今日、パリで開かれた国際柔道連盟の総会で青色の柔道着の導入が圧倒的多数の賛成多数で決定する。テレビ映りがよく、選手の区別がし易いという理由だが、さてどうなのだろう。ボクは見たことがないので想像するしかないのだが、どうにもピンとこない。青い柔道着の姿三四郎やイガグリ君、スポーツマン金太郎など、どう想像してもピンとこないのである。ま、ここはあきらめるしかないだろう。そもそも柔道をオリンピック競技にしたこと自体が間違いなのだ。時刻に金メダルを誘いこむためには欧米諸国は何でも犠牲にする。日本の美学や武士道などに花を贈る気持ちなど毛頭ないのである。動物園の片隅で肩を落として泣いている年老いたカンガルーに、これまでご苦労様だったねとちょっと伝えるだけのエネルギーだって惜しむのである。

 ふざけてるとしか思えない小池百合子の大姉御、ユリノミクスとは笑わせる。あんたのような女親分、夜の怪物、鵺の化け物に騙されてたまるもんかと思っても、騙される呑気な人々もいるんだよね。安倍晋三も生まれついてのキツネだけど、この緑のタヌキにも油断はできないのだ。希望の党は与党でも野党でもない、「ゆ党」だとはジャーナリストの二木啓孝(ふたつきひろたか)さんの名言。「や」と「よ」の間で「ゆ党」。小池百合子の「ゆ党」だとジャーナリストの二木啓孝(ふたつきひろたか)さんはおっしゃってました。卓説だと思います。

 FM・J-WAVE・Somewhere in Asia、金沢雅美さんの初めての放送を聴こうとラジオをつけたらピロピロリン!いきなりの緊急地震速報のチャイムが鳴り響き、腰が抜けた。23時56分、福島県沖を震源にマグニチュード5.9の地震の発生。震源の深さが50キロと深かったので東京もかなり揺れる。コボちゃんが、
「あ、きたきた」
とまるで遠くからのお客を迎えるみたいに声を上げていた。アルルは緊急地震速報のチャイムにそわそわと腰が落ち着かない。こういうとき蘇るのが東日本大震災の記憶。そしてその通り、これも東日本大震災の余震だったのである。福島県浜通りでの震度は5弱。けれども津波の心配はなしということで胸を撫で下ろす。地震も厄介だけど、津波はもっと恐怖。ザバッときて、何でも持ち去ってしまう。永六輔さんの俳句に、
▲ 大津波みんな持ってけ馬鹿野郎
というのがあるがその通り、火事は消すことができるが、津波は泳ぐしかない。そして津波の水の力は人間に1センチも泳ぐことを許さないのである。ところで満月と地震の関係があれこれ取沙汰されることがあるが、確か今夜は満月。さぁ、本当のところはどうなのだろう。

▲ 満月を青いラムネでボトリング


1007・土・

 1945年の今日、神戸市沖で客船室戸丸が機雷に接触して沈没、475人が犠牲になる、という悲惨な事件が発生した。終戦から1か月半も経過してからの出来事である。天皇陛下の玉音放送があってからの犠牲者である。要するに機雷なんかで死ななくてもいい人たちが殺されてしまったのである。この機雷、戦争中、米軍が投下されたまま撤去されず、残っていた機雷だったのである。今でも世界各地で戦争が終わっても取り残されている地雷のアンラッキーな起爆が障害者を生み出している。始まれば瞬く間に広がる戦争ではあるが、その終息は実に時間とエネルギー、そして人身の安全が犠牲にされるのである。

 2014年初版、永六輔の「大晩年」を読了する。46年間続いた長寿番組「誰かとどこかで」が2013年に終了して、その記念的対談集である。そして2016年、永さんはこの書物を残してあちらの世界へ旅立つことになる。本の中で永さんは2012年に身罷った小沢昭一さんや、2002年に見送った奥様のこと、そしてこれまで永さんが見送ってきた仲間たち、「上を向いて歩こう」や数々の名曲を世の中に送り出してきた作曲家の中村八大さんやいずみたくさん、歌手の坂本九さんのことを語っておられたが、きっと今頃、永さんもその輪の中に加わり、思い出話に花を咲かせておられることだろう。心からご冥福をお祈りすると同時に、残してくださった言葉の贈り物にしっかりと感謝して味わっていきたいと思う。

▲ この本に今も命が宿ってる


1008・日・寒露・

 本日は木の日であるという。10月8日の十と八の文字を合わせると木となることから木の日と決められたらしいのだ。日本木材製造団体連合が1977年に決めて、それ以後、毎年この日に木材の普及活動を行っているということなのである。最近はセルロースナノファイバーに対する関心も高まり、燃料にせよ建材にせよ、木材がもっと注目されてよいのである。森林は地球のためにも人類のためにももっと大切にされるべき。なんせ植物はすべての地球生命の根っこを支えてくれてるんだから。

 毎週日曜日のお楽しみはお昼からの「NHK素人喉自慢」なんだけど、どうも最近は涙もろくていけない。そうなのだ。今日もこのプログラムに泣かされそうになってしまったのだ。陸上競技で東京パラリンピック出場を目指している知的障害のある青年がこの喉自慢に挑戦、堂々と無垢な歌声を披露してくれた。最初はまるでそんなつもりはなかったんだけど、ボクの臍にはまだ臍の胡麻で汚されていない部位もあるらしく、その白く無垢な細胞たちが思わず感動して、臍と目頭を結ぶ神経細胞たちが激しく痙攣して、その結果として涙腺ダムは崩壊寸前となり、目頭が瞬間湯沸かし器みたいに熱くなってしまい、落涙に至りそうになってしまったのである。巧みな歌ばかりが人を気持ちよくさせるとは限らない。この世界には技術も訓練も才能も及ばない真実の歌というものが存在するのである。

▲ 指先の乾き気になる寒露かな



2017年9月25日~10月1日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたりしたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。
 さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌のほとんどはリアルな出来事ですが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はどうぞご理解ください。


◆ ウィークリーフレーズ 今週の言葉です

 人は 見ている方向に 進むもの


 30歳を過ぎてバイクに乗り始めた頃の話です。最初のバイクはゼロハン。50CCのチンケなバイクでした。原付自転車とも呼ばれる原始的な乗り物です。スピードも出ないし馬力もありません。でも急なカーブではすごく緊張しました。ブレーキがあまり効かないからです。不安でたまりません。路肩に衝突するのではないかと道路の端っこばかりに目をとられます。するとますますバイクは路肩に向かって進んでいくのです。やがて中型免許を取得するため、ボクは自動車教習所へ通うようになりました。ゼロハンでは危なくてたまらないからです。そしてそこでもボクは同じ過ちをやらかしました。並んだパイロンを避けきれず、蹴散らしてしまったのです。教官に怒鳴られました。
「おい、お前!バイクは見ている方へ進むんだ。コーナリングしているバイクレーサーたちの顔はどっちを向いていると思うか。みんな、コーナーの出口を見てるだろ。そうしてりゃ、バイクは自然にコーナーを抜けてくんだ」
 目から鱗が落ちました。それからボクは一度もコーナリングをミスったことがありません。やがて失明したボクは二度とバイクには乗ることができなくなりましたが、盲人人生においてもコーナリングの名人になることができました。
 一瞬先は闇かもしれないが、また光かもしれない。そうです。ボクは盲人人生を明るい未来に向かって発進したのです。


0925・月・

 NHKラジオ第2「朗読の時間」は今朝から夏目漱石の「坊ちゃん」。これ、何度読んだかわからない。そして何度読んでも面白い。小6のとき、この「坊ちゃん」を初めて読んで夏目漱石をかじったつもりになっていたけど、とんでもない。かじるどころか、蠅が秋刀魚の開きにすがって、ほんのひと舐めしたほどにもわかってなかったのだ。この歳になるまで、どれだけ読んできたかわからないけど、読めば読むほど面白い。新しいことがどんどん出てくる、見えてくる。世の中、若過ぎて意味がわからないことだらけ。夏目漱石の文学もそのひとつなのだと思います。だからいくら年齢を重ねても、今から始めて遅過ぎるということはないのだと思います。

 「香」という文字をふたつ重ねてシャンシャン。これで手を打ってシャンシャン。パンダだけに、この名前で白黒がつきました。シャンシャン。いや、チャンチャン。

 透析中、ポケットラジオで文化放送、金沢雅美さんのラジオ「ちょっと寄ってかない」を聴く。半年間、お疲れ様でした。そう。残念なことに今夜でこの番組、終了してしまうのだ。帰宅してすぐ、その残念という気持ちをお疲れ様でしたという言葉を添えてメールする。すると金沢雅美さんからもメール。実は次のラジオが決まっていたのだ。提供は「ちょっと寄ってかない」と同じくリンレイ。そして放送局はJ-WAVE。ボクとコボちゃんの大好きなJ-WAVEである。そして番組名はSomewhere in Asia。金沢雅美さんはヤーメイというキャラクターで番組をナビゲートもする。国際パーソナリティー金沢雅美さんにふさわしい役柄といえるだろう。こいつは春から、じゃなくって、秋からめでたい話なのである。

 今朝の日の出は5時31分、日の入りは17時34分。ずいぶん季節が進んでいる。気がついたら蝉の声が聞えなくなっている。そんな真夜中、窓の下で密やかにツヅレサセコオロギが鳴いている。実は窓を開け放したまんまで寝ているのだ。油断していると風邪をひく季節ではあるのだが、まだ夏の余熱が残っている。天気予報は当たらないし、それなのに情報は飛び交う死、ここまでは大丈夫という肉体に装備されているサーモスタットを信じてやるしかないのである。もちろん枕元には電子蚊取り。この余熱の中では秋の蚊たちは吸血活動をやめたりはしないのである。
 それにしても玄関や階段の隅に潜む秋の蚊の吸血軍団にやたら襲われている。痒い痒い、痒くてたまらない。秋の蚊はなんでこんなに痒いのだ。子孫繁栄のためとはいえ、ひどいじゃないか。ポチンと吸われたたった一か所の局部的な痒みがたちまち全身に広がっていく。くそ。蚊のアマゾネス軍団、こういうことをやってるから蚊取り線香とかキンチョールとか、殺虫剤が次々に開発されてしまうのだ。パチンと潰され、無慈悲に殺され、鼻クソのように丸めて捨てられても文句はいえないのだ。

▲ 秋の蚊は搾り取りますアマゾネス


0926・火・

 また夏が戻ってきたみたいな陽気だけど、太陽は確実に傾いていて、日差しがボクの左半身を温めている。いや、温かいのを通り過ぎて熱くなってきているのかもしれない。低温火傷の心配もあるけど、これが冬になると暖房費の節約に大きく貢献してくれるのだ。日当たりがよいと、それだけ生活が楽になるのである。

 世田谷線の招き猫電車が話題になっている。東急世田谷線に幸福の招き猫電車が登場することになっているらしいのである。つり革も招き猫仕様で、猫耳と猫招き手がついている。この招き猫電車、東急世田谷線の前身、玉川線の開通110周年を記念したラッピング電車というのがその正体。コボちゃんとアルルとの散歩コースの終点、小田急線豪徳寺駅は世田谷線の山下駅前でもあるのだ。小田急線豪徳寺駅は招き猫発祥の地を記念して、巨大な招き猫が鎮座ましましている。豪徳寺には無数のまねきねこがコレクションされているとかで、どうやらこの電車、それら招き猫のデザインでラッピングされているらしいのだ。床にはピンクの猫の足跡もプリントされているとかで、うまく出会えるとラッキー、てなことになるのだが、さてさて、どうなるか。

 笑った笑った、嘘八百に笑った。並べた並べた、屁理屈を並べた。安倍晋三の苦し紛れの解散騒ぎ、どう弁明したって不自然極まりない。実はこの解散、仏滅解散といわれている。9月28日は仏滅なのである。北朝鮮のミサイルに備えるための解散とか何とか理屈を並べちゃっているけど、この時期の解散って、敵に背中を見せるようなもの。仏滅どころか、神様も呆れる敵前逃亡解散とも呼ばれているが、この場合の敵は北朝鮮じゃない。もりかけ問題で安倍晋三に迫るまっとうな国民のことなのである。で、安倍晋三が動き出した途端、小池百合子も新党をリセットいたしますとか何とかいっちゃって、行動を開始した。憲法改悪を自分の手柄にしたくてたまらない安倍晋三と、女性初の総理大臣になりたくてたまらない小池百合子。テーブルの下でそっと手を握り合っていないといいのだが。危ない、危ない。

▲ 世田谷に猫の電車と秋の空


0927・水・

 朝5時22分、顔を洗っていたらピロピロリン。久しぶりの緊急地震速報である。揺れに備えていたら揺れる予測の中心は東北と北海道。家具を押えていた手の力を抜く。やがてラジオから伝わったのは青森県を中心に最大震度4の地震が発生したという情報。マグニチュードは6、震源は岩手県沖で深さ30キロ、ということだった。大きな地震でなくて本当によかったと思う。政府は予知を前提とした警戒宣言の発令を再検討すると発表していたけれど、本当に地震予知ができると思っていたのだろうか。大風呂敷を広げるのは勝手だが、税金は大事に使っていただきたいと思う。

 秋の風がちょんわガラスの声を運んできた。ああ、元気だったのかと思う。今までどこをほっつき歩いていたかと、いや、ほっつき飛んでいたかと思う。最近のカラス事情は食糧難と聞いてとっても心配してたんだぞ。お前とオイラ、古い付き合いじゃないか。口真似をするオイラを確かめに、ベランダにやってきたりするじゃないか。道で出会えば挨拶なんか交わすじゃないか。な。迷惑かもしれないけれど、これからも仲良くしてくれよな。

 夜、いい音がしている。しとしとと優しく雨が落ちている。明け方になると激しい雨になると天気予報はいってるけれど、本当かしらと疑いたくなる。最近の天気予報、外れてばっかりだもんな。
▲ 風の音拾う補聴器秋桜
 これはNHKラジオ「昼の憩い」のリスナー俳句。秋らしい吟であると思う。

▲ 秋風や烏の声を運んでる


0928・木・上弦・

 前原誠司のせいで民進党が消えてしまう。永田町は魑魅魍魎が跋扈するだけでなく、キツネやタヌキも大活躍。赤いキツネと緑のタヌキ。そう。小池百合子は緑のタヌキと呼ばれているのです。フィルムを破り、蓋を開くまでは中身の見えないタヌキです。その正体はもしかして、民進党の暗殺者かもしれません。

▲ 秋風や年寄り連れの若い犬


0929・金・

 今朝の北海道は氷点下になったという。岩手県の盛岡近辺でも氷点下になったという。おまけに稚内の海の先、利尻島の利尻富士では初冠雪が観測されたらしい。つまり何がいいたいかというと、もう冬がすぐそこまできていますよという話です。

 まるでヒステリーのマントヒヒ。そんなに絶叫しなさんなよ、安倍晋三。モリカケ前線、敵前逃亡。インチキ解散、嘘八百。腹の中のどす黒さや弱みを見せないために必死になっているとしか思えません。とにかく解散という最後っ屁でこの政権の難所を乗り越えて、何が何でも早いとこ、憲法改悪をやらかしたいんだよね。困ったもんです。

 最近は緑のタヌキが板についてる小池百合子のおねえさま、次々に言葉は生まれてくるけれど、具体的なことは何もいってない。新しい政党で何がやりたいのか、ちっとも見えない、サッパリわからない。そんなことで本当に総理大臣になれると思っているのかしら。要するに我が国最初の女性総理大臣になりたい。ただそのことだけが目標のように思えて仕方がない。都知事になってずいぶん経つけれど、未だに鵺そのものの小池百合子が代表の希望の党は立ち上げ当人と同じく、さっぱり正体不明なのである。それにしても前原誠司が無所属で立候補するって、何だ、この動きは。要するに前原誠司も鵺の仲間だったということなのか。前からフラフラしてて、ちっとも肝の定まらないチンケな男だとは思っていたが、ここにきてついに尻尾を暴露したな。

▲ 解散の風に舞い立つ秋の蠅


0930・土・

 1999年の今日、茨城県東海村の核燃料加工会社JCO東海事業所で臨界事故が勃発した。ウラン燃料をバケツで掻き回し、青い燐光が発生して臨界に達したことに気づいたときは既に手遅れという、お粗末極まりない事件である。この違法な作業が原因で現場の作業員2名が死亡、住民を含む600人余りが被爆した。不思議なのは原子力村関係がこの事故によって何も改善されていないこと。これ以後も原子力関係の不祥事が延々と続いている。その最大の事故が東電福島第一原発の一連の出来事だろう。被害者の存在や被害の形は明らかなのに、一向に原因や責任の所在が明らかにされていないし、満足な賠償金の支払いも済んではいない。原子力村の住人たちに自覚してもらいたいのは、自分たちの取り扱っている品物が地上最悪の毒物であるという間違いのない事実なのである。

 涼しくなったから途中でラーメンが食べられる。クルマの中にイヌやネコをそのまま留守番させていても、熱中症になることもない。というわけで、関越道嵐山(らんざん)サービスエリアで醤油ラーメンをたぐる。ここのラーメン、オーソドックスなラーメンなんだけど、チャーシューが秀逸。胃袋が見逃してくれれば、チャーシューメンを食べたいところだけれど、チャーシューを残したりするとコボちゃんに、
「年寄りなんだから無理しないでよ。お肉が勿体ないじゃないの」
と一喝される。このラーメン、メンマが実にメンマらしく、その香りがラーメン全体を実に中華なハーモニーに整えてくれて、実に幸福感を高めてくれる。そして仕上げはスープに浮遊するネギの小片の掬い取り。目が見えなくても大丈夫。箸というセンサーを器用に操作して、微塵に刻まれたネギたちをワンポイントに集合させ、口の中に誘導する。イヌ食いと馬鹿にされそうだが気にしない。それよりひとかけらでもネギを無駄にしたくないのである。ああ、満腹。これで軽井沢がいくら涼しくても大丈夫。胃袋に供給されたラーメンがエネルギーとなって、肉体を冷たい空気から守ってくれるに違いないのだ。

 北軽井沢のスタジオに到着したら早速、ラップトップパソコンと外部スピーカーをセッティング、今回の滞在の日々に備える。安心したらぐっすりと眠る。早朝の出発だから、やたら眠いのだ。犬も猫も眠いのだ。けれどコボちゃんだけは元気。プリンスランドのソフトクリームを餌にアルルを散歩に引っ張り出した。そしてボクは夢の中に沈みこみながら、玄関ドアに鍵のかかる音を確認するのである。

 コボちゃんに声をかけられて目が覚めた。プリンスランドで超大型犬のバーニーちゃんと遊んでいたら、こんな時間になってしまったのだという。そう。もう外は真っ暗なのだ。
「バーニーちゃんと遊んでいると、アルルが子犬みたいに見えるのよ」
「バーニーちゃんって、あのバーニーちゃん」
「そう。あなたも会ったことのある、あのバーニーちゃん。で、その飼い主さんね、半年間は別荘暮らしだから、この界隈のことはよくご存じなのよ。たとえばあの三本足のキツネの子。あの可哀想なキツネの子はみんなによく知られていて、最初は欠けていたのは足の先だけで、それがだんだん短くなって、そして肩のところまで欠けてしまったんだって。きっとだんだん腐ってしまったのね。今年の冬を無事に乗り越えられるといいんだけど」
 さて、プリンスランドには大きな胡桃の木があって、この季節、バーニーちゃん、胡桃の実を目当てに集まるリスを追いかけたくて、毎夕、この庭にやってくるのだという。
「ねえねえ、胡桃の果実って見たことある?」
「みたことあるよ、もちろん。あのチロリン村と胡桃の木の胡桃だろ」
「そうよ、その胡桃の実よ。でも、本当は見たことないでしょ」
「あるよ。クルミ割りで割って食べてたもん」
「だから、その割らない分」
「いってること、わかんない」
「じゃ、見せてあげる、ほら」
「うそ!」
 ボクの手に乗せられたのは丸くて柔らかくて細かい毛がはえた小さなキーウイフルーツみたいな果実。ボクの知っている胡桃の実とは似ても似つかぬ代物。そしておかしな匂いがする。あのやさしい香りの木の実とははるかに遠い匂いである。
「あのね、そのまわりの果実が腐って落ちると、あの堅くてゴツゴツした、ほら、梅干しの種みたいな木の実が出てくるのよ」
「そういえばこいつも何となく梅に似ているかも。
 そしてこいつの匂いは漬物にしてもどうしても、食べたいという気にはさせてくれない。このまんま地面に埋めてほったらかしにして腐るにまかせ、そして中身の堅い種が出てくるまで待つしかないらしいのである。くるみ割り人形の出番はそこからであるらしいのだ。

▲ お土産は青くて丸い胡桃の子


◆ 10月・神無月・
1001・日・都民の日・

 1920年、大正9年の今日、第一回国勢調査が実施された。この調査により日本国の人口は5千5百96万3千53人と発表された。その頃から考えると、今の日本人は倍になってる計算である。それでも人口が足りないといわれるのだから、つまり日本人はずいぶん無駄な暮らしをしているのかもしれない。少ない人口で少ない資源を大切にする暮らしが営めれば、本当に豊かな暮らしができるのに。そして1964年の今日、東海道新幹線が開業された。5年半の歳月と3千8百億円の工事費が投じられ、10月10日開幕の東京オリンピックに間に合わせた快挙であった。こういうことは得意なのだ。人工が倍になったから可能なのだ。だからといって、次のオリンピックがうまくいくとは限らないのだよ、フェルプス君。

 毎月一日恒例、全国の日の出と日の入りの時刻である。札幌の日の出は5時31分、日の入りは17時17分。仙台の日の出は5時32分、日の入りは17時20分。東京の日の出は5時36分、日の入りは17時25分。大阪の日の出は5時52分、日の入りは17時43分。福岡の日の出は6時12分、日の入りは18時3分。じゃんじゃん昼間の長さが短くなっていく。お日様の出番が少なくなっていく。これからはどうやって夜を楽しむかが勝負となるのだ。

 目覚めると我妻地方に霜注意報が発令されていた。ラジオがそう伝えているのだ。その通り、コボちゃんがアルルを連れて外に出ると、あたり一面真っ白になっていて、思わず手袋が欲しくなるほど空気が冷たくなっていたという。これまでで経験した最も寒い北軽井沢となっていた。けれども強力な石油ガスストーブのおかげでボクは寒さ知らず。軽井沢の別荘地帯の皆さんが薪ストーブを愛用するわけである。

 今日から10月、値上げがあれこれ。あんまり耳にしたくない情報ばかりだけど、この秋で緊急地震速報が10年目に入るとはほんの少しばかり興味ある話題である。東日本大震災で毎日のように鳴り響いていたチャイム音だけど、それでも認知度はまだまだであるらしい。ま、世間はやたら広くて、いろいろな人がおられるのだ。あれだけ騙されてもそれでもまだオレオレ詐欺に騙される人々がいたり、安倍晋三を当選させる人間がいたりするわけだから、世間が広いということは、それだけ多種多様な感性があるということなのだ。それにしても困るのはNHKラジオの全国放送を聴いているときに鳴り響く緊急地震速報。それが沖縄なのか北海道なのか、それともこのあたりなのか、最後まで聴いてみないとわからない。そしてぼんやりしてたら、このあたりだとわかってからじゃ間に合わない。なのでとにかく、緊急地震速報が聞えたら取り敢えず玄関に飛んでいって、飛び出す準備だけはしておくのである。

 横長のお皿に新秋刀魚の塩焼きが一匹半横たわっている。隣の鉢には山盛りの大根おろし。今年の秋刀魚は不漁と聞いていたが、今回の秋刀魚は大きくて脂も乗っている。そんな新秋刀魚の上半身が二体、下半身が一体、ジュウジュウと音をたててボクの箸を待っているのだ。秋刀魚のはらわたの苦さと醤油のアンサンブルが好きなボクのために上半身が余分に提供されているのだ。というわけで軽井沢と新秋刀魚。こいつが素敵なアンサンブルといえるかどうかはわからないけど。

 DeNAのセリーグ3位が決定した。クライマックスシリーズの出場が決定した。そしてジャイアンツはBクラスが決定した。ついに巨人軍、このシステムが始まって以来、初めてその出場資格を失ったのである。そして次第にジャイアンツは普通の球団に落ち着いていくのかもしれない。あの栄光のVナインは二度と戻ってこないのかもしれないのだ。

 鳥取環境大学の小林朋道こばやしともみち)教授のご著書「先生、犬に山椒魚の捜索を頼むのですか・鳥取環境大学の森の人間動物行動学」をプレクストークで聴いている。コボちゃんと酒を飲みながら聴いている。ことに蝙蝠育ての話が感動的なのだ。日本の大学にこれほどに蝙蝠を愛して育てるグループが存在したのかと驚きと喜びをもって拝読している。蝙蝠の赤ちゃんの体温が低下しては大変と、授業中も懐から蝙蝠ベイビーを瞬間も放さない小林先生の生き方がたまらない。こういう内容の本だとは思っていなかったので、今夜は幸せな気分なのだ。

▲ 一匹と半身が並ぶ新秋刀魚



すいませーん 10月は31日まででした
■ 2017年度カレンダーのことです

◆ 10月になったらコボちゃんが

「あれれ、10月って30日までだったっけ?!」
とカレンダーを見ながらいってます。
スケジュール確認をしていて気がついたのです。

親友からも電話があって、
「おい、ナマエ。31日が抜けてるぞ」
とのお叱りがあり、
永田町小学校のクラスメイトからも
「10月が30日で終わってるわよ」
とのご親切なメールがありました。

すいませーん。

関係者一同、みんな大慌て。
誰も気がついてませんでした。

本当に申し訳ありませんでした。
はい。
来年のカレンダーが刷り上がろうとしていますが、
来年のは大丈夫です、
と思いますので、よろしくお願いいたします。

現在、販売の準備中です。
愉快なカレンダーになりますので、
どうかお楽しみに。



2017年9月18日~24日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたりしたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。
 さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌のほとんどはリアルな出来事ですが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はどうぞご理解ください。

◆ ウィークリーフレーズ 今週の言葉です

その人は あなたのそばにいるときから
ずっとずっと神様でしたし
あなたから遠く離れた今は
 もっともっと神様なのです


 どうしてそのときに気がつかなかったんだろう。いつもそう思ってしまいます。本当は感謝すべきことばかりなのに、自分は失ってしか気がつきません。本当に馬鹿なのです。


0918・月・敬老の日・

 本日は敬老の日である。ほんの少し前まで、地球の裏側の出来事ほどに縁がないと思われたはずのこの祝日を、気がついたら高齢者となっていた自分が北軽井沢という土地で向かえている。これを不思議といわず、何と表現すべきだろう。ああ、時の流れは非人情。泣きたくなってくる。
 そんな未明のことである。北軽井沢の高原では雨の音が激しくなり、風の舞う気配がしてきている。何だか部屋の空気まで動いているみたい。台風18号が接近しているのだ。けど、心配しても無駄。布団をかぶって寝てしまう。地球の発する巨大な開店エネルギーを前にして、他に何ができるというのだ。どうあがいても無駄なのである。それに嬉しいデータもある。この群馬県、雷はすごいが、台風被害が驚くほど少ないのである。
 目覚めたとき、台風18号は北の海へ向かっていた。この低気圧の渦巻き、北海道にまで迷惑をかけようというのだ。けれども関東地方は台風一過で朝からいい天気になっている。前橋や東京は33度の真夏日になるとのこと。山の中の透析室へのワインディングロードでは蝉が元気に鳴いていた。台風一過が思わぬ夏を連れてきてくれたのである。親子なのか夫婦なのか、茶色い鳥が三羽、山の道路を横断していく。カルガモか、それともウズラのファミリーか。とにかく無事に横断してくれ。そしてドライバーたち、どうか、山の道では制限速度を守ってくれ。

 本日やっと、大切に読んできた書物、惣路紀通(そうじのりみち)著「カブトガニの謎」を読了。そしてわかったことは、本文中のイラストレーションがヒサさんだったこと。あの偉大なる先輩、慶應義塾マンガクラブの創始者、ヒサクニヒコ大先輩だったのである。漫画家で恐竜博士、第二次世界大戦研究家、銃器マニア、玩具と民芸品のコレクター、そして古生物のオーソリティーのヒサクニヒコ先輩だったのである。
 これはまこと残念なことであるのだが、音訳図書の場合、ボランティアが自分の音訳している内容の重大性とか意味を理解せず、ただ活字を声にしているだけのケースがあり、この書物の場合もヒサさんがイラストレーションを担当されていることの意味が理解できず、本文最後のあとがきと奥付によってその事実を土壇場で知ることがあるのだ。
 ヒサさんのイラストレーションがいかなるものなのか、残念ながら音訳者の説明ではよく伝わってこない。音訳者の大半の方々は絵を読むことにあまり得意ではない。月刊ラジオ深夜便の毎月のボクのイラストレーションも音訳者に解説していただいているのだが、ときどき大笑いをしてしまうことがある。活字はそのまま言葉にできるけど、絵を読むことはそれほど楽な作業ではないのである。
 カブトガニは昔から大好きな生き物だった。その、5億年前の古生物、三葉虫を思わせる形や、蠢く足の怪しさや、頭の上の単眼の魅惑など、生きているカブトガニなら読売ランドの水族館に通って確かめたり、その形の美しさや手触りは江の島の土産物屋で買い求めた標本などで味わっていた。つまり、ボクが勝手にカブトガニに恋していたのである。もちろん今も、その標本とは一緒に暮らしている。
 読売ランドの水族館には生きたオウムガイも展示してあって、古生物ファンにはたまらない施設であったのだ。目の見えた時代、読売ランドには経堂からオートバイでときどき通っていた。あの水族館、今はどうなっているのだろう。カブトガニやオウム貝、ジュゴンたちはどうしているだろう。世代を超えて、どうか元気でいて欲しい。

▲ 台風や部屋の空気が動き出す


0919・火・

 な、な、なんだって。9月28日からの臨時国会の冒頭で解散だって。金正恩のミサイル応援団のおかげで安倍晋三、とうとうその気になってしまった、ということか。冗談じゃない。前原誠司の民進党は崩壊寸前だし、小池百合子の新党は準備不足だし、ここで選挙をやられたら、またまた安倍晋三が息を吹き返してしまうじゃないか。この政界の野良狐め。どこまで根性が汚いのだ。ふざけんなよ、と怒り狂っても解散権は狐の総理大臣が握っている。ここは野党の脆弱さを嘆くしかないのか。それともボクら愚民のアホさ加減を嘆くしかないのか。とにかく馬鹿にされてますよ。

 ついてない。カリッっと揚がったおいしい天麩羅で冷たいザルソバをつるつるっと食べたかったのに、カッちゃんのお店はお休み。明かりの消えた店内を横目に中軽井沢へ向かって方向転換、東京へ一直線。途中のサービスエリアで煎餅をかじりながら居眠りしたので帰宅したら午前様。そして未明、ラジオ深夜便をBGMにラップトップパソコンや外部スピーカーのセッティング。
 今夜のラジオ深夜便のアンカーは須磨佳津江さん。昭和32年のヒット曲特集をやっていた。「港町13番地」は美空ひばり。「東京のバスガール」は初代コロンビアローズ。「青春サイクリング」は小坂和也。「東京だよおっかさん」は島倉千代子。「有楽町で逢いましょう」はフランク永井。懐かしくて思わず一緒に歌ってしまう。この「有楽町で逢いましょう」は60年も昔の曲なのに、すらすらと歌詞が浮かんでくる。
 あなたを待てば雨が降る。濡れてこぬかと気にかかる。雨もいとしや歌ってる。甘いブルース。あなたと私の合言葉、有楽町で逢いましょう。ビルの谷間のティールーム。ああ、風景まで浮かんでくる。そうなのだ。この歌、有楽町駅前で開店したデパート「そごう」をPRするためのCMソングだったのだ。そしてこの歌がヒットした翌年、ボクの家族は内幸町に引っ越しをする。有楽町までは歩いて5分。それから毎日、有楽町駅前のデパート「そごう」はボクの遊び場になったのである。風景が浮かんで当たり前なのである。

▲ 懐メロを歌うラジオや秋の夜


0920・水・新月・動物愛護週間・

 またまたNHKマイ朝ラジオの受け売りである。1945年の今日、終戦の結末として教科書の墨塗りが始まった。当時の文部省の通達で教科書に書かれていた軍国主義的な記述を墨で塗りつぶして削除したのである。この方針の大変換を当事者の子どもたちはどう受け止めていたのだろう。それまで国のために死ぬことを教えてきた学校教師たちの態度変換に怒りを感じていたのではないだろうか。国は信用できない。大人は信用できない。そうした子どもたちの中には空襲で親を失った戦災孤児たちもいたことだろう。そしていつか、その子どもたちが日本を高度成長に押し上げていくのである。だからこの時代の後期高齢者たちを大切にしなければならないのである。勝手に年金のシステムをいじくったりしてはならないのである。

 もう世界のどの都市もオリンピックに立候補してくれない。ここにきてパリとロサンジェルスしかオリンピックをやってくれる都市がない。アテネに固定するか、それともオリンピックをやめてしまうか、もうそれしか選択肢がない。とにかく金がかかり過ぎるのだ。ことに2020年の東京オリンピック。コンパクトにやれるはずが、どんどん話がでかくなり、今や転がるユキダルマ状態。オリンピックを水戸黄門の印籠みたいに振り翳し、われもわれもで自らの懐に利益誘導する。それじゃオリンピックを安上がりにできるわけがない。おかしいじゃないか。日本国は世界最大の赤字国家じゃなかったのか。納得できないなぁ。

 これも台風18号の影響だろうか。また暑くなってきている。そして痒くてたまらない。そう。この暑さをチャンスに蚊のアマゾネス軍団が子孫繁栄のため、必死になって血液を集めているのである。

▲ 秋晴れや猫苛めるな下校の子


0921・木・

 1934年、昭和9年の今日、室戸台風が日本に上陸、猛威を振るった。四国の室戸岬測候所で912ヘクトパスカルという記録的な低い気圧を観測。その後、西日本を直撃し、死者行方不明者は3036人にのぼる。今も昔もこの季節、日本列島は台風銀座となるのだ。嬉しくない銀座となるのだ。

 存亡の機か、それとも存亡の危機か。足を掬うか、それとも足元を掬うか。文章の触りとはその要点のことなのか、それとも冒頭部分のことなのか。本日のラジオ世界では言葉が話題になっている。たとえば話の触りである。義太夫の世界では触りを最も感動的な部分としているが、一般的には話の概要ということになっている。けれど最近は話しの冒頭部分と思っている人が圧倒的だという。言葉は変化する。民衆が不勉強であればあるほど変化する。知恵熱(ちえねつ)もそう。幼児の発熱を意味するのが正しい説なのだが、このボクも知恵熱を無理して頭を使ったときに出る熱と誤解して覚えていた。言葉は社会のもの。ボクらは日本語の正しい意味と使い方を理解して、個人的な誤りを修正していかなければならない。でなければ言葉の正しい作法が失われ、やがては社会が機能不全に陥ってしまう。けれども衝突を懸念するあまり、人々は他人の誤りを指摘しなくなっている。だからラジオやテレビの言葉に耳を傾けたとき、アナウンサーでさえ日本語が怪しくなってきているのである。ああ、誰か修正してやってよ。ボクのこの言葉も含めてね。
 そうそう、言葉問題のついでですが、重箱読みに対して湯桶読み(ゆとうよみ)という言葉があるのをご存じでしたか。これ、コボちゃんに聞かれて調べたんだけど、まさか音訓読みの重箱読みに対して訓音読みみ該当する単語として湯桶読み(ゆとうよみ)なんて言葉が存在することも知らなかったのです。そう。どれもまとめて重箱読みで済ましていたわけです。ようするに我々は日頃、言葉を学ぶ努力を怠っているのです。と反省すること頻り。

▲ 曲がり角夕餉の匂い秋の暮れ


0922・金・

 本日の東京の予想最低気温は20度、最高気温は25度。日の出は5時29分、日の入りは17時38分。季節は確実に冬へと移行している。どんどん夏から遠ざかる。悲しくてたまらない。

 キーボードの打ち込みに難儀をしていたら、爪がのびているのに気がついた。専用研磨具で手入れをしていたら、TBSラジオ「おはよう一直線」のラッキー星占いで9月生まれは爪の手入れをするとよいといっているのが聞こえてくる。不思議なんだけど、この占い、よく当たるのです。

 野良犬といおうか、それとも野良狐といおうか、パタパタとトランプの横で尻尾を振っている安倍晋三が恥ずかしくてたまらない。この姿、他の国の人々の目にはどんな風に映っているのだろうか。独立している国々の指導者の目にいかに映っているのだろうか。あれは犬の態度だよな。属国の姿勢だよな。奴隷のポーズだよな。そんな感想ではないだろうか。そんな安倍晋三がトランプの隣で尻尾を振りながら解散風を吹かしている。その風を利用してモリカケ問題に煙幕を張ろうとしている。小池百合子の隙をうかがい、民進党の弱体化に乗じて卓袱台返しをしようとしている。冗談じゃない。逃げようたって、そうはさせるもんか。

 猛烈に久しぶり、初恋の人と長電話をしていたら、彼女がおれおれ詐欺に引っかかっていたことを知らされる。銀行員が気がついてくれ、未遂に終わったそうである。ラジオの広報で、
「あなたにもかかってくるオレオレ詐欺」
てなコピーがあるが、まさかの本当なのである。哲学者の内山節(うちやまたかし)さんによれば、日本人は狐に騙されなくなったそうだが、オレオレ詐欺にはどんどん騙されているし、アベちゃんにもまたまた騙されようとしている。それにしても初恋の人がオレオレ詐欺に引っ掛かるなんて、つまり、俺もそういう年齢になっているのです。ああ、ショック、ショック、大ショック。

▲ 秋の風吹き荒れている永田町


0923・土・秋分の日・秋分・彼岸・

 1943年の今日、旧日本国政府は徴兵で戦地へ赴く男子を確保するために事務補助や車掌、理髪師など17の職種について男子の就業を禁止。同時に男子に代わる労働力を確保するため、25歳未満の未婚女子を中心に編成した女子勤労挺身隊を動員する。戦時下の労働力を確保するための旧日本国政府の悪あがきである。そしてこうした無理強いを可能にしたのが旧大日本帝国憲法。今、安倍政権は国民を巧みに騙して現行憲法をこの帝国憲法に近づけるための画策をしている。今回の無理矢理の解散総選挙もその陰謀のひとつ。そして困ったことに北朝鮮がその手伝いをしているのである。アメリカに甘えてるだけに見えてる駄々っ子の金正恩。そして甘やかしている中国とロシア。風が吹けば桶屋が儲かり、ミサイルが飛べば憲法が改悪される。そうなのだ。本当に悪いやつは何が何でも利用するのだ。

 朝から雨が降っている。そして今日は秋分である。一日が夜と昼とで半分ずつということになっている。そしてボクは朝からトレーナーを着ている。もうTシャツ1枚ではいられない陽気となっているのだ。そしてボクは朝から桂米朝のご著書「落語と私」を読んでいる。小沢昭一がそのあとがきを書いている。この書物が出版された頃、おふたりともご存命だったのである。そして永六輔のご著書「大晩年」も並行して拝読している。2017年の秋分の今日、亡くなった先輩諸氏の言葉が生きている自分の中で生かされようとしている。書物は人生というリレー競技のバトンみたいなものなのかもしれない。

▲ 焙じ茶をすすりたくなる秋の雨

◇ バーチャル『奥の細道』コース  ありがとうございます。
立石寺に到着、通過しました。次は新庄。あと、118,665歩です。

現在の歩数は1,655,335歩。三度目の徘徊です。
奥の細道を三度もウロウロするなんて、よっぽど東北が好きなんです。
元気よく歩きます。


0924・日・

 日曜日の朝のお楽しみはNHKマイ朝ラジオの「生き物いろいろ」。今朝は東海大学海洋学部客員教授、西源二郎先生によるトビウオのレクチャーである。この魚、意外なことに回遊魚であるという。秋刀魚と同じく回遊魚であるという。夏になると熱帯から北海道まで北上してきているらしいのだ。稚魚の時代は海に浮かぶ藻の中に隠れて育つという。このあたりも秋刀魚とちょっと似ているかもしれない。けれども胸鰭と腹鰭の形が蝶みたいに見えるところはやっぱり秋刀魚とは違って、海の中に蝶がいると不思議がられることもあるという。胸鰭と腹鰭とで4枚、種類によっては蝶のように美しい模様まであるらしいのだ。
 トビウオが空を飛ぶのはもちろん捕食生物から逃れるためであって、レジャーやスポーツ、楽しみのためじゃない。時速30キロから50キロで海面から飛び出し、記録では400メートルを40秒も飛行することもあるという。釣り船に乗っているとき、船頭さんから
「ほれ、トビウオが飛んでいくよ」
と幾度も教えられたのに、その一度も見ることのできなかったのはボクの動体視力の悪いせいばかりでなく、そのスピードの速さを事前に知らされていなかったせいなのだ。もっと緩やかに飛ぶものとばかり思っていたせいなのだ。この飛行を可能にしているのがその肉体的構造。まず、胃袋がないことに驚かされる。食べた餌を可能な限り速やかに消化し、排泄するところは鳥類にも似ているが、似ているのはそればかりではない。骨格に空間が多く、あらゆる方向から体重を軽量化しているところも鳥類と酷似している。というわけで、体重を軽量化するため、無駄な脂肪分のないトビウオの刺身はとてもおいしいらしいのだが、残念ながらボクはまだ食したことがない。トビウオという食材に興味を覚えなかった自分の責任ではあるのだが、いつか食べたいものである。アゴといって、トビウオのだしもおいしいと聞いているが、これまで味わう機会に恵まれてないことも残念である。ああ、秋の朝にこういうことを考えていると、たちまち腹が減ってくる。

 と、そんな同じ朝なのに、朝から朝鮮半島の揺れがニュースになっている。朝だから朝鮮半島という駄洒落ではない。グラグラと揺れたのだ。原爆や水爆で穴だらけの朝鮮半島が揺れたのだ。観測された地震は2度。マグニチュード2.6とマグニチュード3.2の地殻変動。地震の規模が小さいので水爆などの核実験でなく、自然現象であろうと推測されている。震源は核実験場から6キロの地点。やっぱり先日の水爆実験の後遺症なのだろう。あれだけボカスカやられたら、地下とはいえ、地球に影響のないはずがない。人工衛星から見てもデッカイ穴がポッカリと空いているというじゃないか。さてトランプ、この連続核実験にどうリアクションするつもりだろう。ここはソウルのアメリカ人の動きに注目しておきたい。アメリカがアクションを起こせば北朝鮮も反撃するだろう。そしてソウルは38度線からわずか数十キロ。アメリカ人が消えたら、どうかみんなも逃げて欲しい。ソウルに暮らす韓国の友人たちに死んだり怪我をしてもらいたくないのだ。もちろんボクも逃げ出します。朝鮮半島はお隣ですから。でも、どこへ逃げればいいのだろう。とほほ。

 大相撲秋場所は今日が千秋楽。あんまり盛り上がらなかったよね。結局、ひとり横綱の日馬富士が優勝して役目を果たした感じ。頑張ったのは遠藤と琴奨菊。途中まで頑張って期待させてガッカリさせたのがひとり大関の豪栄道。せっかくのチャンスを逃して優勝できなかった。ここが彼の弱点なんだよね。力だけじゃ勝てないのが相撲の道なのです。あああ、勿体ないことをしたもんだ。

▲ ぽっかりと胸に風穴秋の夜






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