全盲のイラストレーター ◆エム ナマエ◆ の超個人的十七文字ブログです
ボクは中途失明した画家。週に三度の人工透析で生かされています。なのに、今でも 画家で作家。ボクは思います。人生、何があっても大丈夫。
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いつも日記をつけてます。失明したら頭脳がノート。
だから、記憶力のトレーニングのためにも、前日の出来事を振り返り、コツコツ日記をつけてます。



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2017年8月28日~9月3日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。


0828・月・

 毎日必ず耳を傾けているNHKラジオの「昼の憩い」に天才ピアニスト、フェビアンレザパネ、パネさんの音楽がかかっていた。石垣島あたり、沖縄をテーマにした楽曲である。おそらく作曲とピアノがパネさん。その他、パーカッションやウッドベースが聞こえているのは彼の率いるユニットであるに違いない。パネさん、御健在。嬉しいことである。その昔、長谷川きよしさんのご縁で、パネさんのライブを聴きにいったり、一緒に食事をしたり、ずいぶん遊んでもらいました。実はパネさん、世田谷のご出身。駅前の美登利寿司(みどりずし)で並んで寿司をつまんでいたら、店主が、
「おい、パネ。お前、こんなとこで何してんだよ」
と声をかけてきた。実はクラスメイトだったのです。

 今夜は文化放送、金沢雅美の「ちょっと寄ってかない」のオンエアだから、というわけじゃないとおもうけど、よく眠れない。昼寝もできなかった。で、透析中にもしも居眠りをしていて本放送を聞き逃すのも口惜しいから、看護師に8時になったら起こしてもらうようにお願いしておいた。おかげで聴くことができた。そのためにいつもポケットラジオを携帯しているのである。それにしても、自分の声をラジオから聴くって、かなり恥ずかしいです。これまでは、ラジオ出演のほとんどが生番組だったから。帰宅したら、放送を聴いてくれた人たちからあれこれとメールが届いていた。ありがたかった。

▲ あの人の声が聞えるいわし雲


0829・火・上弦・

 またまた朝から大騒ぎである。朝の5時58分、懲りない金正恩がミサイルを打ち上げたのだ。すわ一大事。6時2分、日本政府はJアラーとを発令。頭をかかえろ、頑丈な建物に逃げこめ、地下道に潜れと大騒ぎ。んなこといわれたって、山で芝刈りをしているおじいさんや、川で洗濯をしているおばあさんはどうすんのさ。田んぼで野良仕事をしている善男善女はどうすればいいのさ。日本国民で核シェルターを準備している人なんていないんだから、パニックになるだけじゃんか。安倍晋三、あまり無責任に騒ぎなさんなよ。あの戦争が終わって72年も経ってるのに、あの頃の空襲警報と同じことをやってるなんて、進歩がないよね。いや、むしろ退歩してるのかな。少なくともあの頃の日本人は防空壕だけはお庭に掘っていたからね。それにしてもケータイ電話が普及してんのに、やれることが同じなんて、情けないじゃありませんか。頭を使ってない証拠です。で結局、ミサイルは北海道上空を通過し、太平洋に落下した。不審な物体を発見した場合、近寄ったり触ったりせず、すぐに警察や消防に通報してくださいとは納得のアナウンスメント。なんせ北朝鮮の液体燃料には毒性の高いジメチルヒドラジンという物質を使用しているという情報があるからね。大量に吸引すると死ぬというのだから恐ろしい。やっぱ北朝鮮には液体酸素や液体水素を取り扱うにはお金がかかり過ぎるのかもしれないね。

▲ 赤蜻蛉超えてミサイル飛んでいく


0830・水・

 蒸し暑くて冷房のお世話になりっ放しである。ここまで天気が悪く、まるで真夏らしくない8月だったけど、これって8月の最後の悪あがきなんだろうか。ま、夏が大好きなボクだから、暑いのはウェルカムなんだけどね。

 2005年の昨日って、ハリケーン・カトリーナがアメリカ本土に上陸した日なんだよね。それまでの最大級のハリケーンがルイジアナやミシシッピーを直撃して、1300人以上が犠牲になり、66万棟の家屋が全半壊したんだよね。というわけでアメリカを襲ったハリケーンとして記憶に残っているのがカトリーナなんだけど、実は今もアメリカを強大なハリケーンが襲っているのだ。このハリケーン・ハービーがもたらした降水量は1300ミリ。実に深さ1.3メートルの雨だからたまらない。アメリカ第四の都会、ヒューストンは腰の高さまで水につかり、大変な洪水被害となっている。これまでに判明しただけで死者10人、1万3千人が救助され、2万人が避難しているという。それでも現地の警察や消防はまだ被害の全体像をつかめていないらしく、取り残されている人たちもおられるらしい。現地ではこれからも雨が続くらしく、被害の拡大が懸念されている。ハリケーンが熱帯低気圧に変わったとしても、今後も線上降水帯なんて事態が発生して、地球温暖化を否定しているトランプも悲鳴を上げるんじゃなかろうか。アメリカ市民が被害をこうむるのは歓迎しないけど、トランプが右往左往するのはちょっと見てみたい気分である。これは後で聞いた話になるけど、お天気おじさんの森田君によると、このハリケーンで琵琶湖の三杯分の水がアメリカにもたらされたというのだ。ハリケーンの何と強力なことよ。とても人間に太刀打ちできる存在ではないのである。

 恩田陸の「錆びた太陽」に夢中になっている。この作家の作品に注目したのは2015年に週刊朝日にこの作品が連載されてから。それまではNHKのラジオ文芸館で放送された「かたつむり予報」や「観光旅行」で、ちょっと面白い作家がいるなと思ったくらいで、この作家が女性とは考えてもいなかったのだ。「錆びた太陽」で見せてくれた世界観はボクの興味をそそり、それからは次々にサピエ図書館からダウンロード、片っ端から読破してきた。「蜜蜂と遠雷」に耽溺したことは既に報告させていただいた。そして待望の『錆びた太陽」の一気読みが実現したのである。ああ、もうすぐ終わってしまう。勿体ないなぁ。

▲ 台風にけちらされてるいわし雲


0831・木・

 今日はいよいよ8月最後の日。そしてボクが68歳最後の日。いよいよ明日から69歳で、60歳代最後の1年間に突入するのである。あああ、いやんなっちゃうな。

 涼しい。北側のキッチンから吹き込んでくる風がやたら涼しくて、キーボードを叩く背中がゾクゾクする。昨日はやたら蒸し暑くて冷房を頼りにしっ放しで、今日は涼しいと文句をいっている。人間ほど当てにならない生き物はない。犬や猫の方がよっぽどまともだと思う。

 今日も北朝鮮のミサイルで大騒ぎをしている。安倍晋三が威勢のいいことをいっている。安倍晋三は北朝鮮がミサイルを打ち上げる朝には首相公邸に泊まっているという。それって、金正恩がミサイルを打ち上げるタイミングをあらかじめ知っているということではありませんか。そしてその情報はアメリカからもらっているのでしょうか、それとも金正恩から直接もらっているのでしょうか。とにかくあらかじめ知っているミサイル打ち上げを、わざわざJアラーとで大騒ぎするってことは、何か企みがあるってことでしょう。やっぱ金正恩はアメリカと日本の軍需産業を儲けさせてあげたいんだよね。そして日米軍需産業からの献金で核開発とミサイルの技術促進を謀っているんだよね、きっと。これって三方一両損(さんぽういちりょうぞん)といおうか、ギブアンドテイクといおうか、それとも共倒れといおうか、ううん、悩むなぁ。

▲ 秋風や誰かに名前呼ばれてる

◇ バーチャル『奥の細道』コース  尿前に到着、通過しました。
次は尾花沢。あと、96,880歩です。
現在の歩数、1,493,120歩。3周目の奥州をうろついてます。


◆ 9月・長月・
0901・金・二百十日・関東大震災記念日・

 本日はエム ナマエ69歳の誕生日である。そして二百十日であり、関東大震災記念日である。1923年、大正12年の今日、関東大震災が発生した。相模湾を震源とするマグニチュード7.9の大地震は東京と神奈川を中心に家屋の全壊はおよそ13万棟、焼失家屋は45万棟、死者行方不明者は14万人以上の大惨事となる。この体験を寺田寅彦は物理学者らしい冷徹な観察眼で記録している。そして吉村昭の「関東大震災」という優れたノンフィクションで当時の様子を知ることができる。自分がこの世に生まれてくる四分の一世紀前に発生した未曾有うの大災害を優れた文芸から想像でカバーできるのである。みんな、本を読もうよね。

 はっきりしないわけである。この8月の日照時間はこれまでの最低を記録したというのだ。それでも毎月恒例、その月の最初の日、全国の日の出と日の入りのレポートをさせていただきます。
 札幌の日の出は4時58分、日の入りは18時10分。仙台の日の出は5時6分、日の入りは18時7分。東京の日の出は5時13分、日の入りは18時9分。大阪の日の出は5時31分、日の入りは18時25分。福岡の日の出は5時52分、日の入りは18時44分、ということです。

 高速道路を東京から離れれば離れるほど天気がよくなっていく。空は薄い水色。一面のうろこ雲の下を軽井沢へ一直線。
 9月になった途端、あっという間に高原は秋の雰囲気。学校が始まったせいか、軽井沢のスーパーマーケットは大人の雰囲気。団塊の世代グループが酒売り場で談笑しながらスコッチだ、日本酒だと今夜の相棒を選んでいる。ラブラドールレトリバーの子犬を抱いたおじさんが入り口で愛想を振り撒いている。夏休みが終わった軽井沢の高原は団塊の世代のパラダイスとなるのである。

▲ 高速の空は一面うろこ雲


0902・土・

 北軽井沢スタジオで朝からカレンダーの下絵の練習。耳の大きなコウモリがうまく描けるかどうか、大きな革鞄が、らしく見えるかどうか、とにかく練習。この手が覚えてくれるまで、ひたすら繰り返しの練習なのである。けれども、ボクが納得したってコボちゃんからOKが出なければやり直し。彼女はボクの目。手がOKをしたって、目がOKしなければ、何も始まらないのである。それはそうと、あの蝙蝠君はどこへいってしまったのか。おおい、出てこい。

 またまたNHKマイ朝ラジオ「今日は何の日」の受け売りなんだけど、1985年の今日、1912年に沈んだ豪華客船タイタニック号の船体を発見したとフランス国立海洋科学研究所が発表している。カナダのニューハウンドランド島の沖合600キロ、深さ4千メートルの海底に船体の残骸が横たわっていたというのである。映画「タイタニック」は音声映画でしか観てないけど、あのオープニングシーンでは深海底に横たわるタイタニック号を調査する場面を見せられたけど、本当にあんな良好な保存状態が保たれているかどうかはわからない。ただ、その後の調査でタイタニック号に使われていた鋼鉄が安物だったということは聞いたことがある。ま、戦艦大和(やまと)の場合もそうだったけど、沈んだ物は沈んだ物として、空想の中に沈めたまんまにしておいた方がいいような気がするんだよね。そう。アポロ計画のときもそうだったけど、現実は空想の甘い夢を破壊します。

 北軽井沢滞在でいつもお世話になっている病院の9月冒頭の診察を受ける。今朝だけ山の院長先生のサポートは透析室の透析技師さん。とても優秀な人で、昨年も彼女のテキパキとした判断と対応で危ないところを助けてもらった。その手際のよさにはコボちゃんも感動していたほど。その彼女が面倒を見てくれる透析室だから、今日も安心してベッドで本を読んだり映画を観たりできるのだ。もちろん耳での読書、耳での映画鑑賞なんだけどね。
 さて、今日は音声映画、高倉健の「網走番外地」を観る。別に高倉健のファンではないんだけど、有名な作品だから少しは期待する心があった。なのに、あまりの馬鹿馬鹿しさで苦笑してしまう。あの頃の東映映画って、観客を馬鹿だと思っていたに違いない。脚本は穴だらけだし、突込みドコロ満載だし、リアリティーに欠けること、この上なし。日本のどこの刑務所が脱走する囚人に拳銃を乱射するのかよ。時間と空間の設定も滅茶苦茶で、役者のスケジュールで舞台を設定しているとしか思えない。ご都合主義で舞台がくるくる変わるのだ。ひとつだけ収穫は嵐勘十郎がカッこよかったこと。とにかく笑える網走番外地でありました。で、確認できたのは、やっぱり高倉健が大根役者であること。でも、大根役者が極道を演じると様になるんだよね。人気の秘密はそこいらにありそうです。

▲ 山の道銀の組員芒の穂


0903・日・

 5時に目覚めて活動開始。パソコンを前にルーティンワークを仕上げ、ダイニングテーブルへ移動してスケッチブックを開く。いつものスベスベの紙。うん、これこれ。筆圧をかけると描線がほどよく沈む紙。今朝はそこへカレンダー5月の下絵を仕上げていく。コボちゃんはまだ眠っている。その間に集中して仕上げておくのだ。不出来かどうかはコボちゃんが起きてくれば判明すること。とにかく今はできることのひとつ、下絵の制作に心を沈めていく。まずは蝙蝠。耳が大きくて吸血鬼でもないのに牙をはやしていて、鼻は獅子鼻、目はニッコニコ。蝙蝠傘みたいな翼をはばたいて、大きな革鞄をぶら下げている。革鞄には丸や四角のシールが貼ってあって、蝙蝠のこれまでの旅の遍歴を物語ってる。引っ越しの目的地はツリーハウス。いつも仲間外れにされている鳥たちの暮らす場所。ほうら、ミミズクやオオハシガラスが胡散臭そうに蝙蝠を見上げているぞ。ツリーハウスの根元にはウクレレガエルの家があって、ビッキーなんて表札がかかってる。5月の新緑の季節だから、ウクレレガエルも外に出て、ジェイクシマブクロなんかを夢見てウクレレを奏でている。その足元ではニワトリが餌をついばむ。ニワトリは飛べないくせに、蝙蝠をバカにしているのだ。許せないのだ。さぁ、どうする蝙蝠君。君の行く手は甘くない。と、こんな絵になるように頑張っているのです。

 林の彼方から蝉の声が聞こえてくる。涼しくはなったけど、まだ蝉が鳴いていると思うと嬉しい。秋、あんまり早くくるなよ。で、そんな秋の林の中でコボちゃんとアルルがウサギを目撃。まだ緑の草むらで茶色い姿をして、じっと動かないでいる。きっとお母さんウサギから、人の姿が見えたら見つからないようにするんですよ、といわれて育ったんだろうね。だからコボちゃんも気がつかないふりをしてそっぽを向いていたら、いつの間にか消えていたというのです。ウサギさん、悪いキツネには気をつけてね。

 NHKラジオのお昼の喉自慢をコボちゃんと仲良く聴いている。挑戦者たちはここが人生のワンチャンス。公開放送の晴れの舞台で磨きをかけた自分の歌声を披露している。なのにそこへ臨時ニュース。情け容赦のないアナウンスメント。気象庁が朝鮮半島で不自然な地震波を記録したというのだ。北朝鮮が核実験をやらかしたのだ。それも水爆。マグニチュードの大きさで、それが水爆であることは明らかだ。さぁ、大変。またまた安倍晋三の鼻息が荒くなる。考えただけでウンザリだ。ねぇねぇ、金正恩。いつまで安倍晋三の応援団をやるつもりなの。

▲ バス停や見渡す限り芒の穂




2017年8月21日~27日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。


0821・月・

 1911年、明治44年の今日、パリのルーブル美術館からモナリザが盗まれた。ダビンチの名画、あの永遠の微笑が盗まれたのだ。そしてその2年後、イタリアのフィレンツェで発見され、ルーブル美術館に出入りしていたイタリア人が逮捕される。いやぁ、見つかってよかった。今は分厚いガラスに守られて本来の色彩を味わうことが難しくはなっているけど、それでもやっぱり本物から発せられる魅力は圧倒的だった。とは、1972年のぱり、ルーブル美術館で初めて本物のモナリザを目にしたオイラの感動である。そう。その頃のモナリザは、ガラス越しでない、間を隔てる物質は空気しかなかった時代なのである。わぁ、自慢しちゃった。美術品はそのオリジナルに作者のエネルギーが生きたままに封印されているのであって、それをオーラというのかもしれない。そしてそのオーラ故に盗まれても隠されても発見されるのかもしれない。

 コボちゃんがスタジオクラスター北軽井沢分室のお風呂場の掃除をしていたら、頭の上をひらひらと何かが舞い込んできた。見上げて驚いた。あのコウモリなのである。放してあげたはずの、あの耳の大きな可愛いコウモリなのである。アゲハチョウみたいに可憐に舞い飛ぶ、あのコウモリ君なのである。それがひらひらひらとコボちゃんを確かめるように周囲を飛び回ったかと思うと、また小さな換気窓から外へ飛んでいった、というのである。蝙蝠の恩返し。まさかね。それともコボちゃんが、
「またおいで」
といったのを理解したのだろうか。これまた、まさかね。もしかしたらあの蝙蝠、自分の家の引っ越し候補地を探しているのかもね。蝙蝠は人間と同じ哺乳類なので、人間と犬と猫の我々家族に親近感を抱いたとしても不思議ではない。蝙蝠、素敵な生き物だと思う。
 で、そんなことを考えていたらグッドアイディアが浮かんできた。カレンダー5月の絵が決められずに悩んでいたのが解決したのである。構図はコウモリのお引越し。耳の大きな蝙蝠君がこれまた大きな革鞄をぶら下げて鳥たちのアパートメントへ引っ越してくる。そしてその樹の家は2月に登場するウクレレガエル君の住んでる家でもあるのだ。そして5月だから、樹の家は新緑。若い緑の葉っぱで飾られているのである。さぁて、うまく仕上がるかなぁ。

 またまたイージス艦が衝突事故を起こした。それもまたまた横須賀基地に所属しているイージス艦なのである。トランプが大統領になって以来、アメリカ海軍は機能不全に陥っているのではなかろうか。ま、あんな大統領だと軍人もやる気をなくすのも不思議ではないと思う。世の中で起きていることのすべては必然の結果なのです。

▲ 真昼間秋の蝙蝠お引越し


0822・火・新月・

 1944年の今日、学童疎開船「対馬丸」に米海軍の潜水艦が魚雷攻撃を仕掛け、鹿児島県沖で撃沈し、沖縄の子どもたち、およそ800人を含む1400人以上を犠牲にさせた。また、1945年の今日、樺太からの引き揚げ船3隻が北海道沖で国籍不明の潜水艦に攻撃され、2隻が沈没、1隻が大破して1700人以上が犠牲となった。そして同じ1945年の今日、ラジオの天気予報が復活する。太平洋戦争中は国防上の理由で天気予報は極秘情報、放送禁止だったのだ。翌日からは新聞の天気予報も解禁。8月のこの頃というと、こうした情報をよく耳にするようになり、戦争を忌避する気持ちと平和に感謝する気持ちが高まってくる。そして現行憲法のありがたさが身に染みるのである。憲法改悪絶対反対。

 昼間、猫のミミコがオニャオニャと叫びながらスタジオクラスター北軽井沢分室を駆け回っている。そして網戸に繊細な羽根のぶつかる音。聞けば大きなトンボであるという。あ、これコボちゃんに聞いたんです。猫のミミコが教えてくれたわけじゃないんですけど、それってトンボじゃなくてヤンマ。それもオニヤンマかギンヤンマです。そりゃ猫のミミコのおやつにするには非人情。すぐに網戸を開放し、ヤンマを空に解放してあげた。
 で、夜になってコボちゃんと音声映画「ローマの休日」でヘップバーンとグレゴリーべっくの禁じられた恋に心を揺すぶられていたら、ヒラヒラヒラ。頭の上を蝙蝠が飛んでいる。今夜は夜行性の生き物らしく、まともに夜の中を飛んでいるのだ。蝙蝠君、よっぽどこのお家が気に入ってしまったのね。それにしてもスタジオクラスター北軽井沢分室の何たる広さよ。天上が高いからこそ蝙蝠も安心して飛んでいるのである。さあ、蝙蝠君。いっぱい蚊を食べて頂戴な。

▲ ギンヤンマ窓から窓へ一直線


0823・水・処暑・

 1988年の今日、宝くじで大変珍しい当選番号が出たという。ダブルチャンスくじの一等1千万円の当選番号が09組の111111番という、6ケタの数字がすべて1という1並びの数字が出たのである。こうした番号が出る確率は420万分の1ということだが、この確率って、数億円の宝くじが当たる確立とどっちが希少なんだろう。いずれにせよ、籤運の悪い自分に宝くじが当たる、というような事態を予測したことは一度もない。けど、ニューヨーク個展を開くとき、ジョンレノンのポートレート版画を持っていき、それを100パーセント面識のないオノヨーコに渡せる確率は宝くじが当たる確率とどっちが高いか低いかなんてことを考える以前に、渡せることを疑わずに持っていき、そして渡せたのである。宝くじは当たらないけど奇跡は起きる。今もそれを信じて生きているのである。

 これから東京へ戻るというのに集中力を発揮してカレンダーの下絵1枚を仕上げた。4月は「新任教師」。カバとキリンの新任教師にウサギの子が桜の花びらの首飾りをプレゼントするという構図である。カバさんもキリンさんもスーツに身を包み、ネクタイをしめている。頭の上は桜が満開なのだろう。次から次へとピンクの花びらが落ちてくる。そんな絵である。
 さて、「おえかき」のBGMは山口百恵のヒット曲の数々。不思議なことにスタジオクラスター北軽井沢分室にくると、山口百恵が聴きたくなるのだ。この人の歌は時代が経過すればするほどよくなっていく。歌の意味が深くなっていく。存在の価値が低下しないのである。つまり、美空ひばりと同じく、偉大なる歌い手であったのだ。そしてこんな偉大な歌手にボクは挨拶をされたことがあるのだ。おまけにその楽屋で彼女が食べていた苺を手渡され、ボクも食べたことがあるのだ。70年代、ボクは芸能イラストルポライターとして仕事をしていた時代があったのである。アグネスチャンや南沙織。いつかそんな自慢話をさせていただきます。さて、東京の天気予報は猛暑日。戻った途端、熱気に包まれた。ボクらが北軽井沢にいる間、東京はずっと涼しかったのにね。今年の夏はアンラッキー。ついてません。

▲ 夕空はいつの間にやら秋の雲


0824・木・

 昨日が高校野球の決勝戦で、埼玉県の代表校が優勝して、にぎにぎしくも高校野球も閉幕し、今日からはめでたく子ども科学電話相談室が始まった。その最初の朝の質問である。
「暑いので扇風機の風にあたりながらアイスクリームを食べていました。そしたらアイスクリームがどんどんとけていってしまいました。私は涼しかったのに、アイスクリームは涼しくなかったんですか」
 さて、どうでしょう。解答者の先生方の四苦八苦の解答ぶりをご想像ください。それにしても司会のアナウンサーがうるさいような気がして仕方がないのです。せっかく解答者が苦労して答えているのに、それをアナウンサーの理解力で要約して子どもたちに無理矢理に納得させようとするのがうるさいのです。要するに子どもたちをリスペクトしていないのです。密かではありますが、心の中では子どもたちを劣った存在として考えているのではないのかと疑いたくなるのです。質問の理由を子どもたちから聞き出そうとするのも余計なお世話であるような気がします。子どもたちが返答に苦慮していると、電話機のあちらで聞き耳を立てている母親が必ず助け舟を出そうとして、それが電話口の子どもに反映するのも愉快ではありません。鬱陶しいのです。子ども科学電話相談の熱烈ファンといたしましては、どこまでも子どもたちにのびのびとしてもらいたいのです。夏休みももうすぐ終わることですし。

 NHKラジオ第2「朗読の時間」は谷崎潤一郎の猫談義。小説「猫と庄造とふたりの女」が終わってしまったからで、この作品で谷崎潤一郎が無類の猫好きであることが判明したわけだけど、その猫についての随想なのである。けれども谷崎は小説「蓼食う虫」では犬好きであることも暴露している。谷崎は女好きで犬好きで猫好きであったのだ。ああ、誰かさんと同じなのであったのだ。

▲ 階下から秋刀魚の煙猫の髭


0825・金・

 またまたNHKマイ朝ラジオ「今日は何の日」の受け売りなんだけど、今日は1931年に東京飛行場、今の羽田空港が開港された日であるらしい。中国の大連に向けて飛び立った1番機にはスズムシトマツムシの合わせて6千匹が積み込まれていたというんだから、よっぽど積んでいくものがなかったんだろうね。ま、スズムシもマツムシも軽くて安全だし、中国の人たちにも喜ばれると思ったのか、それとも現地で働いている日本人を慰めるためだったのかこれはいつか調べてみよう。いずれにせよ、この積荷情報には心を引かれる。
それからもうひとつの受け売りだけど、1958年の今日、あのチキンラーメンが発売された。世界初めてのインスタントラーメンである。お湯を注いで3分間待つのだぞ。あのチキンラーメンである。もちろんウルトラマンのカラータイマーの3分間もインスタントラーメンと関係がないはずがない。このチキンラーメン、発売当時は入手困難で、手に入ったときは欣喜雀躍、家族一同が手を取り合って舞い踊ったものである。お湯を注がれた丼を前にして、家族一同、時計を睨みながら3分間、ひたすら期待に胸を膨らませていたのである。でもねぇ、ちっともラーメンの味じゃなかったんだよね。ラーメンという単語にチキンという枕詞をつけるだけの理由のある味だったんだよね。でも、その味がいつか定着して、今は人気の的となり、その味と香りはカップヌードルに受け継がれているのはご存じの通りであるのだ。あの人生最初のチキンラーメンの記念日は今も心に熱く刻まれているのである。

 暑かったのでずっと冷房のお世話になっていた。なのにアルルが目の前であえいで見せ、冷房の設定温度をもっと下げろと催促する。そこでリモコンを取り上げ、コマンドボタンを押してやる。ピッと温度設定の音がした途端、アルルのあえぎはボタンを押したみたいに停止する。ま、本当にボタンは押したんだけど、そんなにすぐに温度が下がるわけはないのだ。もしかするとアルルはこのボクを世の中の天候を支配する存在と思いこんでいるのかもしれないのだ。

▲ 一番機旅をするのは秋の虫


0826・土・

 朝も早くから北朝鮮がまたまた何やら打ち上げたらしい。昨日あたりからそろそろ大陸間弾道弾を打ち上げるんじゃなかろうかと騒がれていたタイミングだったので、すぐにラジオは飛距離1万3千キロでアメリカ大陸まで届くとか届かないとか騒いでいたけど、結局のところ打ち上げたのは短距離ミサイル3発で、そのうち1発は打ち上げ直後に爆発して、まともに飛んだのは2発だけで、それもたったの250キロを飛んだだけで、日本海に落っこちた。ま、ミサイル発射は失敗に終わったのかもしれないけれど、ウィークエンドの日本列島を朝から大騒ぎさせたという点では大成功で、それを安倍政権が迷惑と感じているかというと実はそうでもなくて、加計学園問題で真っ青になってるはずの安倍晋三はますます元気になっているのである。同じことを何度もいうようだが、北朝鮮のミサイル打ち上げは安倍晋三の援護射撃にしかなっていないのである。

 秋の蚊と闘いながらNHKラジオの昼のニュースを聴いていたら、「昼の憩い」にエポの曲、「音楽のような風」がかかった。久しぶりに彼女の歌声を堪能したけど、エポ、やっぱりいいな。あの歌声は神様が彼女に与えたプレゼント、というような気がする。もっとラジオにかかればよいのにね。そういえば彼女のアルバムをプレクストークに入れてあったことを思い出した。別に忘れてたわけじゃないけど、人生の残りの時間が少なくなると、なかなかポップソングに浸っていることができなくなってくるのです。本を読むだけで精いっぱいになってくるのです。そしてボクは今、恩田陸の「錆びた太陽」に夢中。昨日、サピエ図書館に恩田陸の「錆びた太陽」がアップされているのを発見、早速ダウンロードしたのです。週刊朝日に連載中からいつか、最初から最後までまとめて一気に読みたいと願っていたのです。だからエポ、ごめんね。

▲ 秋の蚊はみんな貧血飢えている


0827・日・

 1971年の今日、政府は翌日から円を変動相場制に移行することを発表。米国のドル防衛対策、ニクソンショックによる影響である。これで戦後22年間続いた1ドル360円の固定相場制が崩壊した。もっともこの360円という数値、円は360度からきているもので、要するにアメリカが円を馬鹿にしてた数字。でも、この360円の固定相場制のおかげで日本の経済は滅茶苦茶に救われたんだよね。安い円のおかげで日本は貿易国として有利な立場におかれたのです。けど、ボクは変動相場制に救われた。変動相場制が導入された翌年の1972年、初めて海外旅行をしたボクは価値の上がった円に救われることになる。1ドル360円で海外を旅することはとても大変なんです。そして時間が経過すればするほど円は価値を上昇させ、ボクらはその後の海外旅行で金持ち気分を味わえることになるのです。

 ヒラリークリントンがその回顧録の中でトランプをこの世で最もおぞましい男として描いているという。大統領選の討論会の舞台でヒラリークリントン候補にトランプがやたらつきまとい、後ろから近づいてきて彼女の首筋に息を吹きかけるというのだ。おお。想像しただけで全身に鳥肌がって、思わず白色レグホンに変身したくなってしまう。ヒラリーにとっては、この男に敗けたという事実だけで、これからの人生を生きていけないほどにショックを受けたに違いないのだ。けど、それ以上にトランプを当選させたアメリカはショックを受けている。未来をどう生きていこうかと混迷の真っ最中で右往左往しているのだ。今、アメリカの政治は文字通り五里霧中なのである。

 日曜日のお昼はウィークエンドのお楽しみ、「NHK素人喉自慢」。やっと高校野球が終わってくれて、今日は喉自慢。嬉しいな。「夜桜お七」を歌っていた感動的に歌のうまい女の子がチャンピオン。坂本冬美さんに
「私よりもうまく歌ってくれないでよ」
と喜ばせていたほどの見事な歌声だった。納得のチャンピオンである。

 今日は朝から涼しい。かなり涼しい。ここんとこ、朝夕はずいぶん涼しくなってきて、ちょっぴり寂しい気分なんだけど、遊歩道では蝉君たちが頑張って鳴いてくれている。ちょっと弱弱しい鳴き声だけど、頑張って鳴いてくれている。そうだよな。まだまだ夏におさらばしたい気分ではないのです。今年はまだ、夏を満喫したような気分にはなってないのです。

▲ 腹を見せ空を見上げる秋の蝉




2017年 8月14日~20日
■ 

☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。


0814・月・

 1945年の今日、御前会議でポツダム宣言の受諾が決められた。米英、中国による日本に対する無条件降伏を迫る条約を昭和天皇の見守る中、受諾することを決定したのである。そしてその翌日、日本国民は昭和天皇のアナウンスにより、その事実を知らされることになる。これが敗戦記念日。公式には終戦記念日と呼ばれているが、事実は敗戦記念日。日本は停戦を勝利と書き換えるような北朝鮮じゃないんだから、事実は事実として認めるべきなのである。とはいえ、今でも歴史を書き換えたくてたまらない人たちが政府の中枢にいるんだから、あんまり安心はできないのだ。

 スケッチブックに向かいながら、高校野球のラジオ中継を聞き流していたんだけれど、だんだんむかついてきた。不愉快になってきた。このアナウンサー、ゲームを実況中継することに精一杯で、それ以外のことにはまるで気持ちが向いてない。プレイをどんなに精緻に描いても、選手たちの名前をどんなに正しく発音しても、どことどことが対戦してるのかわからないと、どっちを応援していいのかわからない。そう。世の中、判官びいきの人もいれば都道府県にこだわる人もいる。それぞれ「ひいき」というものがある。本当は応援していてもいなくても、取りあえずどちらかを応援するモードでないと、高校野球を聴いていても、あんまり面白くはないのである。あれれ。BGMのつもりが、いつの間にか高校野球に引き込まれていたじゃないか。で、むかついているうちにゲームは終了。この試合、鹿児島の神村学園と京都の京都成章のゲームだったんだけど、試合中は学校名を連呼するだけで、いつまで経ってもどこの代表だか教えてくれない。片や「神村」、こなた「京都成章」を連呼するだけ。こなたの「京都成章」は頭に京都とついているので、京都の代表だな、ということは誰にもわかる。けれども片やの「神村」がどこの「神村」だかわからないし、そもそも「神村」なんだか「上村」なんだかもわからない。ここがラジオのウィークポイント。そこへアナウンサーがテレビ中継が専門だったりすると、聴いている側が情報的に画面のサポートをまるで得られていないということに思いが至らない。というわけで、ゲームが終了した時点で初めてこのゲームは鹿児島と京都の対戦であったことが判明したのである。あああ。ここまで、どれだけイライラしてスケッチブックに向かわなければならなかったことか。ところが続く試合を担当したアナウンサーは実に気が利いていて、校名の頭に必ず出身都道府県名を加えてくれる。で、やっと安心して高校野球中継をBGMに「おえかき」に集中できたのである。ちゃんちゃん。

 ボクが透析を受けている間、コボちゃんは新宿へと画材の買い出し。帰りは伊勢丹のデパチカ見物。そしてまさか、見物だけで終わるはずがない。今年の秋刀魚か去年の秋刀魚か知らないけれど、ボクの大好物、秋刀魚の南蛮漬けと、伊勢丹お勧めの豪華幕の内弁当を買ってきてくれた。聞けば、半額セールだったという。この秋刀魚の南蛮漬けでコボちゃんと乾杯。夜中に盛り上がる。けれども豪華幕の内弁当よ、お前にだけは一言いいたいことがある。白いご飯に勝手に「ゆかり」なんかかけさせるな。せっかくの白飯がまずくなる。ボクは赤紫蘇が好きでないのだ。この世でいちばんのご馳走は白い御飯と信じているのだ。そもそも白飯に「ゆかり」をかけるなんぞ、古米であることを誤魔化すためのズルじゃないのかね。伊勢丹の豪華丸の内弁当なら、そんなズルはやらない方がいいと思います。

▲ 迎え火やあの敗戦を忘れない


0815・火・下弦・敗戦記念日・月遅れお盆・

 グアムにミサイルをぶっ放すの放さないの、金正恩とトランプの口げんかはエスカレートするばかり。そんな真っ最中、安倍晋三は高度数百キロを飛来する北朝鮮のミサイルを本気で撃ち落とすつもりなのか、国民の生命と安全を確保するんだと鼻息が荒くなっている。けれど聞くところによると自衛隊の迎撃ミサイル、パックスリーの射程は20キロ。それってまるでB29をパチンコで撃ち落とせると思っている幼児みたいな発送。この敗戦記念日というタイミングにもう少し金正恩とトランプの間に入って両者をなだめるような気の利いた言葉を投げかけることはできないのだろうか。ま、安倍晋三も金正恩やトランプに負けないくらいお坊ちゃまで、戦争の好きな血筋なんだよね。安倍晋三、国民という常識ある大人たちが民主主義の力で何とかせにゃあかん、と思う。とにかくこの日、武道館における今上天皇のお声に傾聴したい。この日本で陛下ほど平和を望んでおられる方はおられないのである。

 ザンザカと音をたてて雨が落ちていたかと思ったら、今度は晴れ間が出たらしい。頭の上でいきなり蝉が鳴きだした。その声のでかいのなんの。最初はどこかのサイレン機械が故障して、騒音を発生させたのかと思ったほど。あんな小さな身体のどこからそんな音が出るのかと脅威に思うほどの声である。考えてみれば夏の間、窓の外のすぐ傍で蝉に鳴かれるなんてことは滅多にあるもんじゃない。この蝉、何手種類なんだろう。いろんな蝉がいるけれど、その種類について考えることなんてほとんどない。ああ、蝉が鳴いてるなとか、蝉時雨が落ちてくるなとか、蝉という単位でまとめて受け取るだけで、蝉単体で受け取るなんてこと、あんまりないのである。それにしても、何と不思議な声だろう。とても生き物の声とは思えない。まるでマシーンである。なのに今、ボクはこの蝉に激しく愛おしさ(いとおしさ)を感じている。たまらなく懐かしさも感じている。地面の下で歳月を費やし、そこから這い出して殻を脱ぎ捨て、この夏のために鳴いている、この蝉に燃える命を感じているのである。蝉さん、ありがとう。

▲ 武道館敗戦の日や秋の蝉


0816・水・

 1943年の今日、東京都が上野動物園に対して猛獣を処分するよう命令する。戦時下の東京へ空襲の可能性が高まってきた、ということで猛獣の脱走を恐れたのである。ゾウ、ライオン、ヒョウ、トラ、クマなど27頭が殺された。これを童話にしたのが土家由岐雄(つちやゆきお)のかわいそうなゾウ」であり、毎年敗戦記念日に評論家の秋山ちえ子さんがその童話をラジオで朗読してくれていた。この朗読、秋山さんがお亡くなりになるまで、最期まで続けられた。今、この朗読がラジオから聞こえてこないことを心から残念に思う。誰か引き継いでもらえないものだろうか。伊集院光さんあたり、やってみませんか。意外とよいかも。

 ここんとこ、ボクがやたら注目している役者さん、小日向文代(こひなたふみよ)がTBSラジオの伊集院光(いじゅういんひかる)の朝の番組に出演、本当にいい人なのだと納得させられる。この役者さんを好きになったのは三谷幸喜監督作品のおかげ。「ザ・マジックアワー」や「清州会議」の好演でボクのハートに火を点けたのである。 そして最近ではいすずのトラックのラジオCMでの、往年の名優、あの藤村俊二さんを彷彿とさせるとぼけた語り口調と歌声がますますボクのハートに火を点けたのである。この人、意外と若くない。どちらかというとボクに近い年齢のおっさん。そして苦労人。つい昨日もプレクストークで三谷幸喜監督の「素敵な金縛り」で小日向さんの好演ぶりを拝聴したばかり。今朝のラジオでますます好感を抱いてしまいました。

 今日までの東京は8月になってから毎日雨が降っている。まるきり、お日様が顔を出してくれないのだ。これじゃ農家はたまらない。作物たちもたまらない。そのうち野菜も高騰し、家庭の主婦も音(ね)をあげる。もちろん主夫も悲鳴をあげる。こんなことって、1977年以来のことだとラジオがいってたが、そんなことあったっけと振り返ってみたら、その年の8月はボクは寺村輝夫先生に連れられて東君平さんや和歌山静子さんらとケニアを旅していたので、まるで記憶がないのだ。そして帰りの飛行機の中で白人の乗客がエルビスプレスリーが亡くなったという一面記事の新聞を広げているのを目撃し、愕然としたのである。そう。1977年の今日、エルビスプレスリーが42歳で亡くなっている。来月になれば69歳になる今の自分が振り返ると、あまりの若さに改めて愕然とするのである。

▲ 見上げれば青空染めて秋茜


0817・木・

 軽井沢の路は混雑している。久しぶりにお日様が顔を出したから。そういうわけでもないと思う。やっぱり軽井沢なのである。ゴルフ場では若い人たちが普段着でゴルフを楽しんでいる。ゴルフウェアなんて約束事に若い人たちは惑わされないのだ。レンタルのゴルフクラブでお金をかけず、休暇を楽しむ術を心得ているのである。だから晴れてよかったね。

 天気が悪いのにアルルはコボちゃんをサンランドまで引っ張っていく。黒雲が湧いて遠雷が轟いているのに足は止まらない。ぐいぐいと引っ張っていく。そして待望のソフトクリームを胃袋に納めたのである。ところが北軽井沢スタジオに戻ってきてすぐ、頭の上で雷が鳴りだすとたちまちボクの足元に救いを求めて飛んでくる。アルルはボクが天候をコントロールする力があるとでも思い込んでいるのだ。その証拠に世の中が耐え難いほど暑くなると、やっぱりボクの足元にやってきて、これ見よがしにハァハァと喘いで見せて、ボクに冷房のスウィッチを入れさせるのである。

 北軽井沢の夜である。北軽井沢スタジオの屋根で雨がパラパラとパーカッションをして遊んでる。鰻の蒲焼と筋子と蛸ぶつをつまみつつ、アイラスコッチのボウモアをちびちびやりながらコボちゃんと映画「ジョーズ」を観る。物語世界に没頭する。スピルバーグの脚本がいいのは勿論、檀鼓太郎の音声解説がいいのだ。夢中にさせてくれるのだ。そして音声解説が何であるかをよく理解してくれてる檀鼓太郎は音楽が大きくなればナレーションする自分の声も大きくするという工夫も凝らしてくれる。原稿を美しい声で正しく読みさえすればよいと思いこんでる、音声解説にありがちな落とし穴にはまらないのである。おかげで東京から北軽井沢への移動でくたびれたボクやコボちゃんのこの夜を檀鼓太郎のナレーションがすっかりリラックスさせてくれたのである。そして傍らではそれぞれ自分たちにあてがわれた布団やクッションで、やっぱり移動でくたびれ果ててるイヌやネコドモがしっかりと寝息をたてているのである。檀鼓太郎さん、ありがとう。

▲ 雨音は秋の気配の山の夜


0818・金・

 未明、イノシシのクシャミで目を覚ましたコボちゃんがアルルとしっかり雨に濡れて朝の散歩から戻ってきた。今日も天気が悪い。天気予報は当たらないし、ちっとも夏らしくないし、こんなんじゃ北軽井沢にいる意味がない。こんなんじゃ避暑にならないのだ。寒いのだ。「おえかき」をするにもストーブが必要なのだ。でないと、手がかじかんで動かなくなってしまうのだ。今年の夏、怨んでやるぞ。

 午後になって少しは温かくなり、冷えた頭もウォームアップ、回り始めた脳味噌の中で構図もまとまってきた。1月のタイトルは放浪者。棒に包みをぶら下げた旅人さんが、マルチーズを連れて旅路をいく。そんな絵である。2月はハッピーバレンタイン。冬眠中のカエルの家にリスさんが大きなハートのチョコレートを抱えてやってきた。ストーブのポットはスチームでホイッスルを鳴らしている。10月は親友の建築工学博士、深尾精一君がモデルの絵。本の積まれた部屋の片隅でミミズク博士が片手で家の模型を持ち上げて、テーブルの上の都市計画の模型に配置しようとしている。模型の家には窓の明かり。部屋の中なのに、模型の街の家々は月の明かりに照らされている。タイトルは「月明かり」。7月は閃光花火。線香花火じゃないんです。キツネの子がバチバチと閃光を発する花火で遊んでいる絵です。でも、このキツネの子の表情が妙にうまくいかず、コボちゃんからなかなかOKがもらえず、紙の無駄遣いをしてしまう。ボクがモタモタしている間にコボちゃんはボクの色指定の通り、放浪者の彩色を仕上げてしまった。2018年度のカレンダー、順調に仕上がってます。

▲ いのししの声で目覚める軽井沢


0819・土・

 階下のスタジオで角が1センチ、全長が17センチの巨大なナメクジが壁に貼りついているのをコボちゃんが発見。茶色の斑点まであったという。自分の目を信じられないコボちゃんは巻き尺を持ち出し、実際に長さを測定したのだから、17センチは間違いない。そしていくら巨大だからといって、そのナメクジが大切にされるわけではない。壁にピッタリと貼りついているのを杉の木の枝でそっとはがされ、そのまま木の枝に乗せられて外まで連行される。ホットしたのもつかの間、今度は3センチのスズメバチが部屋の中を飛び回っている。猫のミミコが見つけたら、ちょっかいを出して刺されるかもしれない。んなことになったら小さな猫の肉体がアナフェラキシーショックを起こすかもしれない。虫取り網を持ち出し、そいつで優しく捕獲して、窓の外に解放して差し上げる。おかげでスズメバチ君、何の悪さもせずに自分の家に戻ってくれた。ところが今日は訪問者の多い午後で、今度は頭の上をヒラヒラ、ヒラヒラと舞うものがいる。最初は大きなクロアゲハだと思ったという。でも、よく見ると黒よりも茶色という感じ。鳥だったら大変。たちまち猫のミミコの餌食になってしまう。ところがこのアゲハだか鳥だかの謎の生物、窓と網戸の間に潜り込んでしまった。で、網戸を開けてやろうと近づいたら何と、大きな耳があるではないか。それが窓と網戸の隙間をヨチヨチと歩いているのである。それは体長10センチのコウモリ君だった。コウモリという生き物を間近に見るのは初めてのコボちゃん、そのあまりの可愛さにたちまち親近感を覚えてしまった。だったらなおさら猫のミミコにやられたら可哀想。遊び相手が欲しくてたまらない猫のミミコは寝室に閉じ込められてしまう。何が起きたのかと猫のミミコは大声で抗議する。その間にコウモリ君は窓と網戸の隙間から這い出してヒラヒラヒラ。階下へ飛んでいき、いつの間にか姿を消していた。このことでコボちゃん、すっかりコウモリファンになってしまったのである。ちなみに、ボクもコウモリファン。彼らとはお近づきになりたいと以前から思っていたのである。

▲ 舞いこんだ秋の蝙蝠ご転宅


0820・日・

 小説「学校の怪談」を聴きながら来年のカレンダーの下絵を描いている。広い北軽井沢スタジオはボクと猫のミミコ以外、誰もいない。コボちゃんとアルルは散歩に出たっきり、まだ戻ってきていない。怪談はますますコワくなる。いきなり階下で何かの音がする。空気が急に冷たくなる。もしも頭の上でこないだのコウモリ君が飛び回りでもしたら、きっと腰が抜けるだろう。こういうとき、大型犬のアルルなら少しは頼りになるけれど、猫のミミコは何の役にも立ちゃしない。この北軽井沢スタジオ、実はスタジオクラスター仲間のキンさんの霊魂が宿っているのだ。キンさんはスタジオクラスターの青木岳志さんと一緒にニューヨークのボクをサポートするために飛んできてくれた大切な仲間のおひとりなのである。ところがこのキンさん、2008年に別の世界へ飛び立ってしまった。ここにはそのキンさんが残していった貴重な作品が大事に保管されているのだ。だからもちろん、その仕事にこめられたキンさんの魂も遊んでいる。ひとりで仕事をしているときなど、
「エムさん、何してんの?」
とパソコンの画面を後ろから覗き込んできたりする。そんなキンさんの気配を現実のものとして感じることがあるのだ。でも、霊魂の存在を感じるのはここだけじゃない。家で仕事してるときは幼馴染の霊魂がときどき遊びにくる。昨年、彼がこの世から旅立つときは、ちょいとした手痛い挨拶をしていってくれたものである。やっぱり幼馴染なのである。出られたら悪い気はしないのである。彼らはちっともコワくない。本物の霊魂とか幽霊とかは、決して恐怖を感じさせたり危害を与えたりはしないのだ。恐怖を与えるのは作り話の幽霊。怪談の中のお化けや幽霊たちだけ、なのである。

▲ 幽霊とおえかきしてる秋の暮れ




2017年 8月7日~13日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。


0807・月・立秋・

 本日は立秋。暦の上では秋である。でもちょっと信じられません。そして今日から高校野球が始まることになっていた。夏休み子ども科学電話相談はお休みにされてしまう。と思ってたら高校野球の開会式は台風のため、明日に順延。じゃ、子ども電話相談をやってよ、といっても、それは聞いてもらえない。というわけで長寿台風とおだてられ、いい気になってる台風5号、のろのろと日本列島をやってくる。どこへいくのかわからない。台風であれ人間であれ、態度を決めないやつは誰からも嫌われる。

 ニッポンファーストという言葉が話題になっている。新しい政治団体の名前なんだが、あんまりいいネーミングとは思えない。トランプのアメリカファーストを連想するからだ。都民ファーストの国政版ということだが、だったら国民ファーストだろうと思うのは人情。で、聞けばその国民ファーストは既に登録済みのネーミングで仕方なくニッポンファーストになったのだ、という説明だが、あんまりいいセンスとは思えない。やっぱ都民ファーストの成功を引きずっているのだろう。要するに小池百合子のご威光を当てにしての新党、ということなのだ。けどなぁ、小池さんの政党ということなら、それって第二自民党ということで、安倍政権の応援団にしかならないんじゃないのかしら。ここは小池百合子の魔術にかけられてはならないのだと思う。あの人、ほんとはヤバイんじゃないのかな。

▲ 稲妻を閃光花火と子ら思う


0808・火・満月・部分月食・

 台風5号の動きが心配な今日、その台風の影響で順延された高校野球が始まった。その第一試合。どんなもんかいな、と聴く気もないのにラジオをつけたら、もうあかん。たちまちはまってしまい、サヨナラゲームとなる9回裏までしっかりと聴いてしまった。高校野球が閉幕されるまで、こんなことがこれからどれだけ続くことだろう。困ったことである。困るのはそれだけではない。大好きな夏休み子ども科学電話相談が高校野球のため、お休みとなっているのである。再開されるのは夏休みも終わろうとしている頃。高校野球、好きだけど、困るんだよね。

 昨日、ゴジラ俳優の中島春雄さんが亡くなっていた。88歳たったという。1954年の悪役怪獣、初代ゴジラから1972年の正義の味方のゴジラまで12のゴジラ作品でこの怪獣キャラクターに恐怖と愛嬌の命を吹き込んできた。子どもの頃から雑誌の写真などでゴジラの着ぐるみから半身を見せているその映像が印象に残っている。ゴジラだけではない。中島さんは東宝映画の他の怪獣映画にも出演。ウルトラQやウルトラマンのテレビシリーズにも数多く出演していた。中島さんはスーツアクター、着ぐるみを装着しての俳優の草分けとして大活躍されたのである。引退後の2012年には出身地の酒田市で酒田ふるさと名誉賞を受賞。その栄誉が称えられている。ゴジラは漫画「おそまつくん」のイヤミのお得意ポーズ、「シェー」をやって見せたり、口から火を吐いて空を飛んだり、八面六臂の活躍でわれら怪獣ファンを楽しませてくれた。心よりご冥福をお祈りする。

▲ 空蝉の嵐に敗けずしがみつく


0809・水・長崎原爆の日・

 今日は長崎原爆の日である。午前11時2分、広島に原爆が落とされた、そのたった3日後にまたまた日本の都市に原子爆弾が投下されたのである。それも別のタイプ、プルトニウム型の熱核爆弾が。戦争を早く終結させるため、という大義名分をアメリカは主張するが、ボクには生活環境への原爆実験とソ連に対するデモンストレーションとしか思えない。そして結局、72年前の原爆は今も多くの人々を苦しめているのである。そして2004年の今日、福井県美浜原発で蒸気漏れ事故が発生。配管が破損して蒸気が噴き出した結果、作業員5名が亡くなり、6名が負傷っている。福島原発事故に隠れて忘れがちだが、死傷者を出した原発事故が長崎原爆投下と同じ日に発生していることは忘れてはならない。人類に対する原爆使用と原発は無縁ではない。原子炉は原爆の製造工場なのだから。原子力の平和利用は広島と長崎に対するエクスキューズ、単なる弁解に過ぎないのである。
「あなたは本当にこの国の総理大臣ですか」
 これは安倍晋三が長崎の被爆者たちから浴びせられた言葉。核兵器禁止条約に背を向ける安倍政権に対する批判であり、皮肉でもある。総理大臣が顔を出せば形になると思ったら大間違い。安倍晋三が考えるほど国民は甘くはないのである。

 今朝の予報では東京の最高気温は37度。となると、ボクの平熱は36度だから、東京がお風呂になったようなもの。自分の体温よりも高い気温の中を文化放送へ歩いていく。鰻重でいくらエネルギー補給をしていても、これじゃいつ倒れても不思議じゃない。エスコートのコボちゃん公認の第二夫人にしがみつき、喘ぎ喘ぎ歩いていく。
 ときどき思うことがある。世の中、自分以外はみんな神様ではないのかしら。こんな猛暑の中、ボクをエスコートしてくれている第二夫人もそうである。鰻ランチぐらいではボクの感謝の気持ちは現し切れない。そしてまた、これからお会いする金沢雅美さんもきっと地上の神様のおひとり。こんなボクなんかと彼女の番組の貴重な30分間をシェアしようというのだから。
 四谷の文化放送なら、高校時代から全盲イラストレーター時代まで、何度もお邪魔したことがある。放送にも出してもらったことがある。けれども浜松町の文化放送は今回が初めて。浜松町の駅の真ん前、ピッカピカのビルディングに吸いこまれていく。シンガポール出身の女優、金沢雅美さんが迎えてくれるスタジオの冷気に包まれて、やっと生き返る。冷房のなかった時代、日本人はこの蒸し暑さの中をどうやって生き抜いてきたのだろう。冷房の存在に感謝しながら30分間のラジオ番組、リンレイプレゼンツ、金沢雅美の「ちょっと寄って家内」を楽しく収録。正面に座っておられた金沢さんがいちばんご存じだったと思うのだけど、ボクの顔は最初から最後までニッカニカ。ウィスキーじゃないけれど、ずっとニッカニカ。お口の両端があがりっぱなし。まるで受けないジョークを連発してシダルマカバ。馬鹿丸出しのエム ナマエをスタジオの中で見守ってくれていた第二夫人も失笑していたのに違いない。写真撮影、ありがとうございました。
 色の三原色と光の三原色という色彩理論の原則があるのだが、その三原色と三原則という言葉が頭の中でこんがらがり、ちょっとプッツンしたのはマヌケだった。けど、金沢さんとの言葉のキャッチボール、おしゃべりのドライブは嬉し楽し愉快のロイヤルストレートフラッシュ。打ち合わせのときはやたら神妙にしていたのが、本番になってからは別人28号。ふたりで自由自在にトークのドライブ。もう止まりません、やめられません。カッバエビセン状態のトークの放送は8月28日の月曜日、文化放送、夜8時です。よろしくお願いいたします。

▲ この暑さ蝉もあきれて黙りこむ


0810・木・

 9時36分、コボちゃんとコーヒータイムをしていたら、いきなり、グラグラグラとくる。おっと、こいつは推定震度3。津波がやってくるような地震じゃない。てなことを勝手に宣言する。ラジオはずっと高校野球。緊急地震速報は聞いてない。要するに巨大地震ではないのだ。最近、茨城あたりのナマズが暴れているので、そいつか、もしくはそいつの手下あたりが軽く身もだえをしたのだろうと立ち上がりもしてなかったら高校野球の中継にアナウンサーの声が割り込んでくる。茨城県は震度3という情報である。ほら、やっぱり。でも、よく聴いていると実際に暴れたのは茨城のナマズではなく、千葉沖のナマズだったのだ。地下70キロのナマズだったのだ。そこでボクは考える。素人判断はいけないな。どんな揺れであろうと、揺れは揺れ。はるかな海底巨大地震かもしれないのだ。やっぱり地面が揺れたらラジオをつけよう。できればNHKラジオをつけよう。そして判断は専門家に委ねよう。さっきから繰り返し高校野球が中断され、アナウンサーが同じインフォメーションを流しているけど、それを邪魔だと思ってはいけないのだ。もう聞いたぞ、などと思わず、地震に遅れてラジオをつけた蛍光灯のような人たちや、この地震で昼寝から目覚めた昼行燈(ひるあんどん)のような人たちのためにも、同じアナウンスメントにじっと耐えて、聞き流してあげなくてはならないのである。

 国会ではやらなくていいような閉会中審査をやっている。稲田前防衛相は出てこない。何にも証拠が出てこない。ないないづくしの国会で空しく時間が過ぎていく。防衛相の首はすげかえられ、内閣の顔ぶれも入れ替わったが、中身は同じ、真実隠しの安倍政権。ここが攻めどころなんだけど、どうしても逃げ切られちゃう闘い下手の野党議員。これじゃ日本の民主主義、御先真っ暗じゃござんせんか。

 冷房の中で編集者とおしゃべりしてたら、すっかり体が冷えてしまった。光陽楼で冷やし雲呑麺を食べる計画が、ここは体を温めなくてはしょうがない。そこで冷えてない雲呑麺、普通の雲呑麺、湯気の立ってるホットな雲呑麺、光陽楼の秘密メニューの雲呑麺を注文。これがしっかりおいしくて、つるつるつると熱い麺を口をすぼめてたぐっていたら、横からコボちゃんもスープと雲呑をかっさらう。おかげでホットな雲呑麺は一滴のスープも残さず、完食でした。ガンガンの冷房の中での温かい食べ物は最高の贅沢なのです。

▲ すれちがう犬の喘ぎに夏模様


0811・金・山の日・

 今日は山の日で国民の祝日ということだが、よくわからない。海の日があるから山の日があるのだ。そういわれたとしてもよくわからない。海彦と山彦、海の幸と山の幸じゃないんだから、お揃いである必要なんかない。お盆休みで人が移動するというタイミングに、どうしてもという必然性を納得できないまま、無理矢理に休日が挿入される。気が付けばやたら休日が増えているのは政権与党が国民の御機嫌ばかりうかがっているエビデンス。実はボク、休日があまり好きじゃないんです。高校生までは好きでした。真面目に学校に通っていましたからね。でも大学生になってからはいつだって自主休日。いきなり休日のありがたみが薄くなる。おまけに大学三年生のときからプロのイラストレーターだから、ますます休日と縁遠くなる。夏休みとも縁遠くなる。サンデー毎日がウィークデイ毎日となり、やがて休みなし毎日やずっと働け倒れるまで毎日、となる。つまりイラストレーターとなってからはお休みに恵まれない人生に突入してしまったのです。これが自由業人生の宿命。世間の全うな人々が休日をエンジョイする様子を横目で睨みながら締切に追われる、そんな人生の悲哀を感じて幾星霜、となってしまったのです。だから休日は嬉しくも何ともない。なのに国民の祝日ともなると世間はその決まりに沿って動くことになる。会社も役所も病院もそういう動きになる。イラストレーターなんて全うでない人生を歩き続け、おまけに途中から全盲イラストレーターなんて、まるでまともでない職業を選んでしまって、おまけに透析人生。せめて規則正しい透析人生を歩んでいこうと心に決めても、病院はそれを許してくれない。ある日突然生まれたこのおかしな「山の日」という国民の祝日のおかげで今日もイレギュラーな休日透析を強いられ、一日が中途半端に暮れていくのです。休日を口実に様々な立場の人たちが様々な企てをする。規則正しく流れていく日々の暮らしに波風を立てるやつらがいる。全うでない暮らしを送るボクのような人種は、せめて流れていく時間だけは正しく流れてもらいたいのです。と、おかしな理屈を並べているのは今日が中途半端だから。今すぐキーボードを叩く手を止めて、着替えをしないと間に合わない。ええい、くそ!!

▲ 渦巻いて鳴く蝉たちに秋の風


0812・土・

 1978年の今日、日中平和友好条約が北京で調印。主権や領土の相互尊重、内政不干渉、平和共存などが謳われる。その翌々年の1980年、パキスタン経由でケニアの首都ナイロビに到着したボクはナイロビの中国大使館に飛び込み、ビザを申請する。やがてケニアのサファリツアーを満喫したボクは東京への帰路、パキスタン経由でヒマラヤ越えをして個人の資格で中国へ渡ったのである。今から考えるとすごい勇気だと思う。あの頃は中国を絶対的に信頼していたのですね。でも、1980年の北京は何もかも新鮮で滅茶苦茶に魅力的でした。最高の思い出となっています。

 御巣鷹山への日航ジャンボ機墜落事故から32年の本日である。1985年8月12日のあの美しくも不吉な夕焼け空の紅は今もボクの網膜に焼き付いている。行方不明の日航ジャンボがいる。無事の一報を心待ちにしながら夕焼け空を見上げていたボクに、あの紅は絶望的な結末を予感させた。紅が不吉の色であることを始めて知らされた日没であったのだ。

 ここんとこ鼻についてるトランプと金正恩の口げんか。ふたりの口をテープどめできたら、どんなに気分がいいだろう。

▲ 窓ガラス朝顔の蔓テープどめ


0813・日・

 高校野球が熱いこの頃だが1927年の今日、日本で最初のスポーツ実況中継がラジオから流された。甲子園球場で開かれた第13回全国中等学校野球大会、現在の夏の高校野球の試合を放送したのである。日本人は昔から野球、それも高校野球が好きだったんだよね。プロ野球人気が上昇したのは巨人半身戦で史上最初の天覧試合で長嶋茂雄がサヨナラホームランを打って国民を感動させてから。それまでは六大学の早慶戦が人気のトップだった。その昔はアマチュアスポーツが大切にされてたんだけど、今やオリンピックもプロの世界。スポーツも拝金主義に冒されているのです。みんなロサンゼルスオリンピックがいけないのです。

 またまたNHKラジオの受け売りになってしまうけど、今朝のNHKマイ朝ラジオ、「生き物いろいろ」は昆虫写真家の海野和男さんによるアメンボのレクチャー。池の水面をすいすいと滑りいく、あのアメンボである。アメンボは大変ポピュラーな昆虫だと思うんだけど、今の子どもたちにとって彼らは見慣れた昆虫といえるのだろうか。都会の水環境が変わり、アメンボたちも暮らしにくい世の中になっているのではなかろうか。ところでアメンボが空を飛ぶってこと、ご存知でしたか。ボクは知らなかったな。子どもの頃、庭の池をすいすいと滑り行くアメンボを見るのが大好きだったけど、この連中はどこで生まれるのだろうかと不思議でならなかった。実はこの連中、空を飛べるのだ。考えてみればアメンボも昆虫だから羽を広げて空中移動が可能なのは当然の話しかもしれない。あのカブトムシだって空を飛ぶんだからね。ゴキブリだって空を飛ぶんだからね。さて、アメンボの話題。彼らは高性能な目を持っていて、空から水の所在を感知することが得意であるらしい。周囲の水環境が悪くなれば、新世界を求めて空の度に出るわけなのである。見ているとアメンボの脚は4本にしか見えないが、そこはやっぱり昆虫で、しっかりと6本の脚があるという。実は頭に近い2本の脚は獲物を捕らえる足で、カマキリの鎌に当たる部分。これで獲物を捕獲し、針のような口で相手の体液を吸い取る。アメンボ、あんな風に見えていても、水面世界のライオンなのだ。いや、ハイエナかもしれない。水面に餌となる生き物が落ちてくると、たちまちアメンボたちが集まって食事の時間となるらしい。アメンボは飴の匂いがするのでアメンボというのは本当のことらしい。だが、その飴の匂いというのは昔の飴の匂い。澱粉質を麦芽などで糖化させた発酵食品の飴で、キャンディーの香りとはまた別のもの。実はアメンボ、カメムシに近い仲間。カメムシは臭いから嫌いという人が多いと思うけど、それは人様々であるらしい。カメムシの匂いはパクチーの匂いに例えられることもあり、匂いの感受性については個人差が大きいので、アメンボの匂いについても様々な印象があるのだと思う。ということで昆虫写真家の海野和男先生のおかげで、今朝も賢くなっちゃったもんね。

 今日のNHKラジオは喉自慢も上方演芸会もない。みんな高校野球に占領されている。そういう事情で朝から高校野球を聴きながらカレンダーの下絵に集中している。ずっと真っ白な紙に向かっている。12月はキツネの子とウサギの子が炬燵に入ってトランプで婆抜きをしている図。炬燵の天板の上にはみかんと捨てられたカード。それをネズミの子が眺めているのだが、実はこのネズミの子、炬燵布団の脇で居眠りをしているネコから避難しているのである。猫の目の前には天板から転がり落ちたみかんがひとつ。タイトルもミカンオレンジ。アイディアは悪くないと思うんだけど、どうにも仕上がりが気に入らない。手が馬鹿になってしまったのだろうか。それともトランプを題材にしたのがいけなかったのだろうか。ほぼノイローゼ状態。頭がクラクラする。これは気持ちを切り替えなくっちゃ。やっぱりトランプはボクにとっての鬼門なんです。

▲ 朝顔や在庫の種で咲いている




2017年 7月31日~8月6日
☆人工透析を導入したとき、東大のドクターはボクの余命を5年と宣告したけれど、ボクはそれから31年も生きています。お医者は神様ではありませんので、もしも余命を宣告されたら、どうかご自分の生きようとするエネルギーを、もっと信頼してあげてください。さて、この日誌は透析患者が病人ではなく、機械に腎臓の代わりをしてもらっているだけで、普段は一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、この日誌には本当のことも書かれていますが、ごくまれには嘘や冗談も書かれています。ただし、嘘は嘘らしく書かれてありますので、その判断のできないお子様たちは、どうか常識のある大人と一緒にご覧ください。また、難易度に関係なく、熟語や固有名詞などの漢字に振り仮名をしていることもありますが、これは視覚障碍者のための音声ガイドをサポートするためのもので、決して皆様がこの漢字を読めないと思っているわけではございませんので、その点はなにとぞご容赦ください。


0731・月・上弦・ビーチの日・

 今日はビーチの日、ということらしいです。なんでかというと、海の日と山の日の真ん中で海岸の日、ということらしいんですけど、731で波のいい日、ということでもあるらしいのです。まさか、日本国政府は海岸の日まで国民の休日にしよう、なんて企ててないといいんですけど、これ以上、お休みを増やしてどうすんだよ、という気分なんです。海の日に山の日に海岸の日。加えて都会の日に田舎の日に郊外の日。おまけに電車の日にバスの日にお散歩の日。ポピュリズムの世の中、政権政党のやりそうなことで、コワイです。

 NHKマイ朝ラジオ情報によると、1970年の今日、当時の国鉄山手線の車両に冷房が導入されたそうです。国鉄にとっては初めての冷房車、ということらしいです。その当時、東京の私鉄では通勤電車の冷房を始めていたけど、国鉄も敗けまいと頑張り、試験的に導入することになったらしいのです。1970年というと万博の年。進歩と調和の年で、ボクがイラストレーターデビューした年。冷房車とは何の関係もないけれど。考えてみると、それ以前の山手線には冷房車が存在しなかったわけで、みんなどうして通勤時間帯の暑さを克服していたのだろう。あの頃の暑さと今の暑さは違う。そんなご意見も聞こえてきそうだけど、あの頃だって猛暑日はあったはず。昭和30年代に小学生だったボクはクラスの気象観測委員をやらされていたことがあって、夏休みなっても小学校の校庭に設置された百葉箱まで歩いて通い、温度計を記録させられていたので、そんな記憶があるのです。ま、気象庁に問い合わせればたちまち判明することだけどね。

 ここは3階なのに煙草の匂いが漂ってくる。浴室の窓から煙草の煙が侵入してくるのだ。これは隣人がベランダで吸う煙草。おそらく、奥様にいわれて部屋のそとで吸わされているのだろう。ごめんなさい。ヘビースモーカー、いや、手からシガレットやパイプの離れることのなかったチェーンスモーカーだったボクが口にできる言葉ではないのだが、それって自分勝手ではないですか。お部屋が臭くなるとか、部屋の壁が黄色くなるとか、お気持ちはわかりますけど、身勝手ではないのですか。煙はいつかどこかへ流れていきます。必ず流れていきます。消えてしまうように錯覚するのは、流れていくからです。そして流れた先ではお宅の部屋で起きることと同じことが必ず起きるのです。煙の流れた先での他人様の迷惑を少しは想像してくださいよ。想像できましたら、どうぞ旦那さんに煙草をやめさせてくださいよ。愛の言葉でやめさせてくださいよ。ボクの奥さん、コボちゃんがやったみたいに、やめさせてくださいよ。ベランダで吸っても煙草は煙草。流れた先で人に迷惑をかけるのですから。あのね、一度でもやめられた人間にとって、煙草の煙は耐えられないものなのです。そう。やめればおわかりになりますけど、やめられると、世の中が楽になりますよ。

▲ ベランダの煙草の煙流れくる


◆ 8月・葉月・
0801・火・水の日・

 新しい月のオープニングの恒例、今月一日の全国日の出と日没の時刻です。札幌の日の出は4時25分、日の入りは18時56分。仙台の日の出は4時39分、日の入りは18時47分。東京の日の出は4時49分、日の入りは18時46分。大阪の日の出は5時8分、日の入りは19時1分。福岡の日の出は5時30分、日の入りは19時19分。そういうことでした。

 今日は水の日であるという。水の大切さを広く理解してもらおうと1977年に政府が決めた日であるという。ま、この季節、水不足が話題になることが多いもんね。余計なお世話と思っても、権力というものは常に国民に対して何かをしていますよと、ポーズしたがるものなのだ。どこか後ろめたいところがあるから、いい人らしく振舞いたがるのだ。とにかく今日から1週間は水の週間ということで、皆さん大切に水を取扱いましょうよね。何かあれば困るのは私たちなのですから。

 フランスの女優、ジャンヌモローが亡くなっていたことがわかった。大好きな女優さんだった。特に美人というわけではないのに、強烈な色気があり、なおかつ知的だった。89歳ということだが、長生きをされていたのだ。法令線に特徴のある顔立ちだったが、89歳になられたジャンヌモローはボクには想像もつかない。美しく加齢されたことを祈るばかりである。思い出の映像は数え切れない。特に彼女に憧れたのは高校時代。1966年日本公開の映画「ビバマリア」ではブリジットバルドーとの競演で円熟の女優がふたり、その色気を競い合い、観客の男どもを悩殺しまくった。その姿はボクの網膜にも焼き付けられている。また1964年制作の「大列車作戦」も忘れられない。白黒画面に激走する蒸気機関車の勇姿とジャンヌモローのお色気の対象がまこと印象的だったのである。高校時代といえば女性に敏感な頃。そんな時代にジャンヌモローのお色気で年上の女性に憧れを抱いた自分は果たして幸運だったといえるのだろうか。とんとわからない。でも、ジャンヌモローという女優さんのお姿はボクの中で永遠の存在として輝き続けることだけは間違いない。そのご冥福をお祈りし、心から手を合わせます。憧れをありがとう。

▲ 空蝉を集めて歩く子らの声


0802・水・

 1979年の今日、千葉県君津市のお寺で観光用に飼育していた2頭のトラが逃げ出した。2日後に1頭が、26日後にもう1頭が付近の山林で射殺された。この事件、今も忘れられない。猟友会のスキルアップの口実にされた2頭のトラが気の毒で仕方なかったのである。檻の鍵をかけ忘れたのが原因だが、そんなマヌケな落ち度、猛獣の檻に鍵をかけ忘れるという基本中の基本、基礎的な失策さえなければ2頭のトラは無駄に殺されることはなかったのである。坊主の仕業とはいえ、人間の罪は大きい。ここのお坊さんたち、とても極楽浄土には浮かばれません。

 外では気の早いツクツクボウシが鳴いていて、やたら涼しい。季節を間違えそうである。これって台風5号の悪ふざけに違いない。台風5号が長寿台風とおだてられ、まだうろうろしているのだ。とんでもない勘違い台風になっているのだ。海水温が高いものだから勢力がちっとも衰えない。小笠原あたりをうろついていたかと思うと今度は日本列島に北上しようとしている。なんかこの台風、いつまでもうろついて、日本列島に文句でもあるのだろうか。因縁でもつけたいのだろうか。往生際の悪い台風である。この台風、いつもとは反対に太平洋の東側からやってきたらしいとはお天気おじさん、森田正道(もりたまさみち)さんの情報。うろうろしているのは偏西風の蛇行が原因であるらしいのだ。この夏の異常さもそこからきているので、天気予報がまるで当たらず、気象庁が梅雨入りも梅雨明けも外したのはそれが理由であるとは言い訳に好都合な気象状態であるのだ。

▲ つくつくと聞える声の夏の果て


0803・木・

 1985年の今日、撃沈された戦艦大和(やまと)の船体が確認される。太平洋戦争末期に沖縄特攻に向かったところ、九州は鹿児島県沖でアメリカ軍の雷撃隊に爆沈されたもの。東シナ海、およそ340メートルの海底で発見、撮影に成功した。宇宙戦艦ヤマトではこの船体が修復され、宇宙戦艦として生まれ変わり、地球を救う大活躍をする筋書きになっているのだが、実際の船体は無残に打ち砕かれ、四散していた。そっと眠らせておいてあげた方がよかったと思うのはボクだけじゃないだろう。

 昼寝をしてたらお風呂でケータイを水没させる夢。必死になってタオルで拭っていたらそのケータイがブルル。本当に電話がかかってきて、それで目が覚めました。相手とお話しをしながら、寝小便をしなくてよかったなと安堵する。でも、電話を切ってから気がついたのは、ボクは腎不全でおしっこがまるで出ないのだということでした。

 バンジージャンプのワイヤーロープが切れたという。冗談じゃない。いくらお金を積まれてもボクはお断わりだけれど、ただでさえ恐怖のバンジージャンプがますます恐怖の対象となる。でも、もっとゾッとする事実がある。このバンジージャンプ、全国に11カ所もあるらしいのだが、その安全基準がまるで決められてないという。ね、コワイでしょ。

▲ 救われて空蝉どこへしがみつく


0804・金・

 1兆円には届かないと思うけど、青年億万長者のホリエモンが起業した宇宙ベンチャー、インターステラテクノロジズが全長10メートルの宇宙観測ロケット打ち上げに挑戦している。経済的なエタノールを燃料として宇宙空間を目指して発射されたが、北海道の沖、8キロに着水、というより落下した。結果は失敗だったが、日本の民間最初の宇宙ロケット打ち上げとしては大成功とボクは思いたい。その昔、ソ連やアメリカが人工衛星競争をしている頃、日本のロケットは鉛筆サイズ。ペンシルロケットを飛ばすのが精一杯だったのだ。あの糸川教授が音頭をとっていても、鉛筆みたいなロケットを、それも上空ではなく、水平に飛ばすのが精一杯だったのだ。それから考えればホリエモンのロケット、すごいもんです。金正恩のミサイルなんかに絶対に負けるなよ。

▲ いっちょうは大き過ぎます冷奴


0805・土・

 1962年の今日、あのマリリンモンローが亡くなった。自宅のベッドで亡くなっているのを発見されたのだ。シャネルの5番だけをまとった全裸であったかどうかについては触れられていないが、睡眠薬による自殺説や他殺説も伝えられ、世界中の関心を集めた。中には恋人と噂されたケネディー大統領が係わった説、なんてのがあり、大いに我々男性たちの興味を引いたものだが、その後この説は尻切れトンボになっている。誰か本を書いてくれないかな。いずれにせよ、マリリンモンローは我々男どもにいろいろな夢を見させてくれました。

 終日、来年のカレンダーの下絵を描いている。そろそろアイディアがまとまり始めている。楽しくなってきている。おえかきのいいところはBGMが音楽でなくてもいいこと。音訳読書もはかどるところ。絵を描く神経と本を読む神経は別の働きであるらしいのだ。じゃ、文章を書いているとき、BGMが音楽なら何でもいいかというと、実はそんなこともない。特に最近ボクが惚れ直している渡辺美里の歌はBGMとしては聴き流せない。この人が歌うと普通の言葉も魔法の言葉に変わってしまう。その楽しみをBGM扱いしていては聞き逃してしまうのだ。そういう理由で渡辺美里の歌は透析中、音訳読書に疲れたとき、自分の元気を回復させてもらおうと、ヘッドフォン宇宙でその歌唱力を全開させてもらうのだ。美里さん、ありがとう。

 土曜日の深夜、22時25分から23時40分まではNHKラジオ第二の「朗読の時間」再放送を聞き逃せない。今週からは谷崎潤一郎の「猫と庄造と二人のおんな」。これから25回、この小説を一流の朗読で楽しめるというのはラッキー。始まったその日から滅茶苦茶に面白くて引き込まれている。ことに猫についての谷崎潤一郎の描写がいい。作者自身がかなりな猫好きであることがうかがわれる。猫姫様のコボちゃん公認第二夫人もこの小説を高く評価していて、主人公の庄造を森重久弥が演じている映画のあることも教えてくれた。おお。サピエ図書館でいつかこの映画、音声化してくれないだろうか。ネット検索してみたら、二人の女の配役もすごいし、母親が浪花千栄子というのもスゴい。この映画、ぜひ観たいものである。

▲ 没頭のスケッチブック汗ひとつ


◇ バーチャル『奥の細道』コース 中尊寺をお参り、通過しました。
まだ金色堂の輝き煮目がくらんでます。およよ。
次は尿前。あと、143,002歩です。ちと遠いなぁ。歩くの、やだなぁ。
現在の歩数、1,346,998歩。3周目の徘徊です。ひたすらウロウロです。


0806・日・広島平和記念日・

 この朝のことである。平和祈念式典の中継中、8時15分から1分間の黙とうを捧げようと立ち上がったボクの口に、コボちゃんがいきなりバナナを突っ込んだ。これって、いつものルーティーン、朝の儀式なのである。カリウム摂取を制限されている透析患者のボクはバナナ人房を食べれば確実に死亡する。けれどもボクはバナナが大好物。それで毎朝必ずバナナを食しているコボちゃんは、食べる前に必ずその最初の一口をボクに与えるのである。仕方がない。ボクはそのバナナを一口、咀嚼することなく、黙って1分間の黙とうをささげたのである。バナナを口に突っ込まれたまんまの1分間は長かったけれど、被爆した広島への黙祷が終われば、充分に咀嚼して胃袋に送り込む。そうして広島市長と安倍晋三のスピーチに最後まで傾聴した。それにしても広島市長の平和宣言と並べると、安倍晋三の言葉の何と空虚なことか。いつものインチキ記者会見だったら、プロンプターの指示される通りに言葉を発するのだが、平和祈念式典会場ではそうはいかない。そこで背広の胸からおもむろに取り出した原稿を声高らかではあるけれど、舌足らずに朗読するだけ。もちろん官僚の準備した原稿であるから、そこにはアメリカに叱られるようなマター、核兵器禁止条約なんてことには一切触れられてはいないのである。反省しているはずの安倍政権の内角改造のときも思ったけれど、この人の言葉ほど空しいものはない。言葉では反省していても、態度はまるで反省してない。今朝のスピーチも核兵器廃絶と語ってはいても、その具体的行動は微塵も見せることはないのである。

▲ 日の丸が焼かれていますキノコ雲




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