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2012年5月7日〜13日 |
☆ この日記は、透析患者が病人ではなく、機械が腎臓の仕事をしてくれる以外は、一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、漢字や熟語、固有名詞には振り仮名がしてありますが、漢字の難易度とは関係がありません。これらの振り仮名は視覚障害者のための音声モニターを容易にするためのガイドです。
0507・月・ 5時より活動開始。新聞連載童話のキャラクターたちが勝手に動き出した。神経を集中していないと、彼らの動きを見逃してしまう。『ひみつのブルブル』の第3部の舞台は夏休み。ボクのいちばん好きな設定である。 想っていたよりも、ずっと竜巻の被害が大きい。コンクリートの集合住宅もやられている。地震、津波、そして竜巻。人間はどこまでも壊れ易い生き物なのだ。 筑波山は平野に飛び出した山。こうした地形に竜巻が発生し易いと聞いたことがある。 1980年、ケニアはキリマンジャロの麓をクルマで移動中のことだ。サバンナにはキリンが群れている。すると、ケニアの大地に特有な赤い土が、いくつもの筋となって立ち上がった。と、見る見るそれらは赤い竜巻に成長していく。直径数メートルはあろうかと想われる竜巻が、あの大きなキリンを巻き上げた。キリンは長い首を振り回し、四本の脚をジタバタさせて抵抗している。けれども、その大きな体は確実に空中に浮かび上がっていく。気がつくと、クルマは、いくつもの赤い竜巻に取り囲まれていた。けれども、ボクは無我夢中で、空中に巻き上げられてジタバタしているキリンの姿を撮影していた。建物に大きな被害を与えるような竜巻ではないが、竜巻というと、ボクはそのときの光景を思い出すのである。 昨日のお騒がせ積乱雲のおかげで、我が家は雹(ひょう)の滝壺(たきつぼ)に放り込まれたような恐怖だった。氷の粒であれだけ恐怖なのだから、竜巻はどれだけ恐ろしかったことだろう。とはいえ、ラジオの「デイキャッチ」、某パーソナリティーは、これら現象を無闇に異常気象と位置づけたがっている。それは少し違うだろう。予報技術の進歩で、3年前から竜巻注意情報が発令されるようになって、いきなり竜巻が増えたような錯覚をしているが、竜巻は昔から日本にはあった。そういう写真を見た記憶はいくらでもある。ただ、以前は竜巻が突風で済まされていたケースが多かっただけである。ところが、最近のドップラーレーダーやケータイのムービーカメラの発達で、それら竜巻の正体が明らかにされるようになって以来、竜巻がクローズアップされているに相違ないのである。 今回の竜巻の被害が大きくなった要因のひとつが、地上と上空の温度差が著しかったこと。地上付近の暖かい空気が上空の冷たい空気に上昇していく。大気中に対流が発生する。冷却された水蒸気が氷となる。それら氷の粒は成長しながら積乱雲の中で攪拌される。静電気が発生する。熱エネルギーから運動エネルギーへ、そして電気エネルギーへ。それが雷の実態だ。発達して強力になった積乱雲は地面の空気を吸い上げる。その集約されたのが竜巻なのである。これからの季節、上空に冷たい気団がやってくれば、いつだって竜巻は発生するのだ。決して異常なことではないのである。 ヨーロッパ情勢が懸念されている。フランスが社会党政権になることで、ドイツとの経済政策に齟齬が生じるのではないか。ギリシャ政権が安定しないので、ますますEUの経済政策が回らないのではないか。そして、日本ではまたまた円高による株価下落が生じるのではないか。どうも、世界中のお金持ちたちは心配性でいけない。 本日からの「朗読の時間」、夢野久作(ゆめのきゅうさく)の『押絵の奇蹟』(おしえのきせき)全18回が始まった。朗読は軽井沢朗読館の青木裕子館長である。夢野久作(ゆめのきゅうさく)は1889-1936の生涯。本名は杉山泰道。ペンネームは福岡地方の方言で夢想でうつつをぬかすものという意味。福岡県福岡市生まれで、慶応義塾大学文学部中退。禅僧、農園主、新聞記者など、様々な経歴を経て作家活動へ。父、杉山茂丸は玄洋社系の国家主義者。長男、杉山龍丸はインド緑化の父。三男、杉山参緑は詩人。代表作は日本探偵小説三大奇怪のひとつ、『ドグラ・マグラ』。以上、資料提供は軽井沢朗読館の青木裕子館長。 小さかった頃から空想科学や怪奇系の漫画や小説が好きだった。シュールレアリズムの絵画に魅せられたのも、そんな性癖のためだろう。夢野久作は興味のある作家のひとりである。そもそも、押絵(おしえ)という素材からして薄気味悪い。江戸川乱歩にも押絵を扱った作品『押絵と旅をする男』があるが、そのイメージはボクの中でリアルな映像として定着している。そもそも、子ども時代から押絵の羽子板が薄気味悪かったし、お面やリアルな人形ともなると、それは薄気味悪さを超えてボクに迫ってくる。一度など、友人からもらったお面を壁から外して押入れ(おしいれ)の奥にしまったくらいだ。形あるものには命がある。ボクにはそう思えてならないのだ。夢野久作が押絵(おしえ)をどのように扱うか、青木裕子館長がいかにこの小説を料理するか、これからの「朗読の時間」が楽しみである。 大相撲の夏場所。半ダースもいる大関の半分に、もう黒星がついた。ことに新大関の鶴竜(かくりゅう)、期待されていることを忘れないでもらいたい。 透析中のFM電波にイライラする。あれほど美しかった音は、どこへいったのだ。花はどこへいったのだ。三本足(さんぼんあし)のスカイツリーめ、お前なんか、大嫌い。一本足の唐傘お化けと交代しろ。 昼間、コボちゃんが蝶の飛んでいるのを見たと喜んでいる。寒かった冬のせいか、今年は蜜蜂や蝶、羽虫の出てくるのが遅く感じられる。虫がいなければ、燕もやってこない。草木が元気。虫たちが元気。そうして鳥も獣も人間も、元気でいられるのだ。 夜、寝ぼけているキジバトポッポを鳥篭に入れてやり、サンルームへ連れてくる。そうして猫と鳩とのバトンタッチ。別宅からミミがやってきて、思い切り人間に甘え、アルルと遊ぶのだ。 ▲ 蝶が飛ぶ嬉しきことと見つけたり
0508・火・ 季節がよくなったのだ。きっちり5時に起きられるようになってきた。目覚めれば洗顔、すぐに活動を開始する。頭も周り出してきた。 キーボードを叩いていると、腕が痛い。明らかに筋肉痛である。これはいけない。しばらくは上半身の筋力運動をひかえよう。 「朗読の時間」は青木館長。『押絵の奇跡』(おしえのきせき)はどんな展開をするのだろう。舞台は東京から福岡へ移り、押し絵も登場した。高校時代、夢野久作を読んだ記憶はあるし、作風も好きなのだが、作品については何も覚えていない。願うのは、これが単なる探偵小説ではなく、怪奇小説であることだ。 国際ジャーナリストの及川健二氏から以下のような一文が届いた。ここに転載させていただく。 ▼ 昨年パリに行く前々日にお目にかかったのが 最期となってしまった。東郷健さんが亡くなられたことを 親族が明らかにした。 ゲイバーもたたみ、中野で隠遁生活をおくられていた健さんは、 お目にかかった時は元気そのものであったが、既にそのときに 前立腺ガンを患われていたのであろうか。 飲尿療法の効能を信じて、近代医学に懐疑的だったからであろう、 病院でなく自宅で天に召された。自らを蝕む病にあることを 誰にも告げず、愛猫に囲まれながら独り死に、 数週間後に発見された。 遠藤誠・弁護士が亡くなられた折、ひどく落ち込んでおり、 2人で朝まで痛飲したことがある。 東郷健さんの活動については 健さんとの共著『常識を越えて 〜オカマの道、70年』(ポット出版)で 全てが網羅されている、といっても過言ではないだろう。 再来月に傘寿を迎える前に逝ってしまった。 人生の途中で、筆をそっと置くように逝かれた 東郷健さんを想う。 逢いたがっていた遠藤誠のもとへ逝ったのだと したら、ご本人も本望であろう。 主の身元に戻られた健さんのご遺族の上に主のまったき恵みと慰めがありますように 主イエスの尊き御名を通してお祈り申し上げます。 Adieu, Ken san。 (この文章は著作権を放棄しますので、転載・転載可能です) 及川健二 拝 ▲ 文中にある『常識を超えて』の出版記念パーティーは10年前のことだった。現世田谷区長をはじめ、有名人がズラリと列席したパーティーで、東郷健さんは、エム ナマエのスピーチがいちばん心に残ったと語られた。その年末の三越展覧会のオープニングパーティーに列席くださったのには感激した。マイノリティーのための闘士だった東郷健さん、ボクには最高にカッコイイ存在であったのだ。 19日のトークショウに備えて声を出す。ここ最近、あまりボイストレーニングをしていなかったので、ゆるゆるとウォーミングアップしていこう。そう。いちばん最近に人前で歌ったのは朴慶南(ぱくきょんなむ)さんの出版記念パーティーだった。 夕方、大相撲夏場所をBGMにコーヒータイム。6人の大関が順調に勝ち進んでいくと想っていたら、琴欧洲(ことおうしゅう)に土がつく。解説の北の国親方は、これは物言い(ものいい)をつけるべき取り組みと不満を述べていた。どうも琴欧洲(ことおうしゅう)という関取、相撲界のベッカムと呼ばれるほどの美男ではあるらしいが、どこか線の細い印象がある。 野球中継も忘れて新聞連載の準備をする。ふと空腹なのを思い出し、ラジオをつけると、もう試合は終わっていた。 球団がこんな発表をした。ヨコハマスタジアムにおけるベイスターズのゲーム、もしも試合に不満だったら、チケット代を払い戻しいたします。すると、試合には3連勝もしたのに、80パーセントが払い戻しを請求した。その理由が笑える。今回は連勝したが、以前に連敗したから。自分は中日ファンなので、ベイスターズが勝ったから。なんじゃ、それ。要するにもらえるものはもらえ。理由なんかどうでもいい。ベイスターズファン、というよりは、日本人全体があさましくなっている印象がある。これでは中畑監督も気の毒。もう二度とこんな企画はやめてくれ、と語ったそうだ。けれども、このベイスターズが今夜も頑張る。巨人軍と引き分けたのだ。 夜のニュースに耳を傾けながら、ホッとウィスキーをちびりちびり。今夜も早く寝てしまおう。 ▲ 薫る風緑の中の原子力
0509・水・ 5時より活動開始。目覚めてすぐに窓を全開にできる季節になったことが嬉しい。この新しい空気こそが朝の醍醐味なのである。 ひさびさ、本格的に声を出す。図々しくも、人様の前で歌わせていただくのだから、練習だけはしておきたい。と想って歌ってみたら、なんだ、いい声をしてるじゃん。と自画自賛。それもそうです。今年で、断煙をしてから、もう8年目だもんね。 ICボイスレコーダーのおかげで検察のインチキがバレ、無罪判決の出た小沢裁判、またまたゴタゴタが繰り返されることになった。これは正義の問題なのか、それとも法律をいじくる人間の問題なのか、ボクにはよくわからない。ただ、お金を使わなければ政治活動のできないことは明らか。その典型が米国の大統領選挙だ。金銭問題やゴシップにビクビクしていたら、まともな誠司活動は難しい。大切なのは優先順位。テレビや新聞に誘導される国民感情で、政治が左右されてはならない。 最近、単独で透析室へいくことがある。日の丸タクシーに電話をして建物入り口まできてもらう。すると、社内的には打ち合わせができているらしく、運転手さんが降りてきてタクシーに誘導してくれ、病院では、階段のあがり口までエスコートしてくれる。あとは階段をあがって、白杖を頼りに透析室のドアをノックするだけ。日の丸タクシーさん、コールセンターもドライバーさんも、皆さんとても感じがいい。 透析中に大相撲を聴いている。6人いる大関の、日本人大関だけが初日から4連勝。これで客が増えてくれればありがたい。なにしろ、チケットが半分も売れ残っているのだ。大相撲の将来が心配でたまらない。 関東地方にはまたまた雷と竜巻の注意情報。野球中継を聴いていたら、バリバリと雑音がして、頭の上で爆発音。これが昼間だったら青天の霹靂というやつだったろう。 それにしても、竜巻は恐怖。透析室のガラス窓は大きい。もしも竜巻に襲われたらひとたまりもないだろう。都会に竜巻は発生しない。なんて想ったら大間違い。家を出る直前、マキコ特派員から米国はアトランタを2008年3月に襲った竜巻の記事が送られてきたからだ。 米国の竜巻の猛烈さは有名だが、最近はその数が急増している。理由はヒートアイランド現象。広がる都市化と旱魃が上昇気流を発生させ、都会の上空に積乱雲を作り出すのだ。となると、某ラジオパーソナリティーが異常気象と口走っていたのも、まんざら間違いではないわけだ。やっぱりお天道様は人間にお灸をすえたくて仕方がないらしい。 どうせ雑音だらけだろうと想ってはいたが、試しにJ-Waveに回してみたら、それほど悪くない音質。おかげで-Jam the World-の堤未果(つつみみか)さんの美声を拝聴できた。秀島アナウンサーのハスキーボイスも満喫できた。スカイツリー、少しは反省したのだろうか。それとも、J-Wave独自の努力だろうか。そう想うのは、NHKFMがそのまんまの、ひどい音質だからだ。 帰宅したら仕事場にナンナンがやってきている。18歳の老婆猫である。別宅に独りでいるときは、大きな鳴き声を出すので、少しボケたかな、と想っていたら、ちゃんとボクを覚えていて、スリスリしてくる。指をなめるので、撫でてやると、ゴロゴロという。そもそも、ナンナンが別宅を出なくなったのはアルルがきてからだ。けれども、あれからアルルも大人になって、大先輩猫のナンナンをリスペクトする気持ちがわいてきた。踊り場で遭遇したときも、追いかけるようなことはしなかった。今も、アルルとナンナンは、鼻先で挨拶を交わしている。犬も猫も、放っておけば、勝手に大人になっていくのである。 今夜はアルルとミミとナンナンの勢ぞろい。そうなると、キジバトポッポは落ち着かない。なにしろ、天敵がふすま一枚を隔てて2匹もいるのだから。もちろん、ボクも注意を怠らない。ボクはキジバトポッポのボディーガードに専念するのである。 夜のニュースは飛行機事故。ロシアが開発して売込み中だったジェット旅客機、スホイスーパージェットが、デモ飛行をしていたインドネシアで墜落したのだ。機体はスホイ社の開発によるものだが、電子部品などは欧米の技術を導入しているらしい。この飛行機、日本の三菱が現在開発中の中型ジェット旅客機のライバルとされていたが、この墜落で、今後の売り込みにどんな影響が出てくるのだろう。 ▲ 要注意ラジオに雑音黒い雲
0510・木・ 5時半より活動開始。気持ちのいい朝だから、頭も回転している。元気な午前中は歌の練習もする。もちろん窓を閉めて。ご近所さん、すいません。 燕の減少が気にかかる。野鳥の会も、その調査に民間の協力を依頼した。原発事故による放射能の影響も心配されている。チェルノブイリ以後、燕の尾羽(おばね)の変形や産卵数の減少も報告されているとか。このブログでも触れたが、福島原発付近の燕の巣からは高濃度の放射線が探知されている。ただ、ボクが心配するのは人間周辺の急激な環境の変化である。畑や田んぼがなくなれば、餌になる虫も減少する。新しいタイプの住宅が急増すれば、燕の営巣(えいそう)が困難となる。燕や雀の減少は、いずれ人間の生息環境の問題になってくる。緑が減り、虫が減り、鳥や獣が減り、やがて人間がいなくなる。そういう未来では困るのだ。 自然に放たれた鴾(とき)の雛が5羽もいた。最初に確認された3羽の雛は体長30センチ、体重は900グラムを超えている。既にはばたき運動も始めて、飛ぶ気まんまんである。その翼の内側、しっかりと鴾色をしているとか。思わず胸が熱くなる。ボクがどれほど、日本の空に、その色が復活することを夢見てきたことか。ニッポニア・ニッポン、ボクらのために、はばたいてくれ。 芸人の猫ひろし氏のオリンピック参加が消滅した。身長148センチの彼が、体力自慢の男たちの中で、いかなる活躍をするか、楽しみだったので、残念である。ロンドンのマラソンコースはジグザグだそうで、小柄な彼には有利と想っていたのだ。様々な批判はある。でも、売名厚意でいいじゃないか。猫だけに、にゃあにゃあの芸風だが、ボクはこの芸人さんの必死さが憎めないのだ。肉体に恵まれない人間が、いかに体力に勝る人間たちを相手にしていくか。ボクはいろいろな工夫があっていいと想う。ルールや規則、法律が常に公正であるとは限らないのである。 くるとはわかっていたが、午後になって間もなく雷鳴がしている。早くもそれを察知したアルル、ボクのベッドに飛び乗った。ボクはパソコンのプラグを外し、することがないので、ベッドでアルルと一緒に丸くなる。ラジオをつけると、ガリガリッと雑音がして、空では雷鳴が鳴り響く。その度にアルルが震えて、ベッドが地震になる。けれども、早くも雷雲は遠のいて静かになった。予報では夕方からも雷雨があるとしているが、もうないだろう。窓を開けば外気温も下がり、地上と上空の温度差が低くなっているからだ。 人体にはホメオスターシスの作用がある。恒常性の維持である。血圧が下がれば心臓がドキドキして血流を上げ、血圧を維持しようとする。本人に咳をさせて、血管を収縮させ、血圧を上げようとする。これすべて、ほめおすたーしすの働きである。ところで、地球にもホメオスターシスは働いている。高気圧から低気圧へ風が流れ、両者を均衡状態にもっていこうとする。地上に暖かい空気があれば、上昇して上空の冷たい空気との温度差をなくそうとする。この派手で大袈裟なやつが台風であるわけだ。気象現象すべてはホメオスターシスで説明できる、といっても過言ではないと想う。いや、宇宙全体の法則をホメオスターシスで説明してもかまわないとボクは考えている。因果応報、輪廻転生も、もしかしたら人生のホメオスターシスかもしれないのだ。 さて、竜巻注意情報をNHKが速報で流すのは問題だ、という議論がある。的中率1パーセント、ピンスポットの気象現象であるところのの竜巻注意情報を、警告音つきで垂れ流しにすれば、警報は「狼がきたぞ」になってしまう。そういう議論だ。けれども、議論の前に、各人がもう少し注意深く暮らしてみたらどうだろう。落雷や竜巻には事前の兆候がある。それを察知して、個人の判断で行動すればよいのである。人任せにしておいても、命は保証されない。 雷鳴がおさまった頃、ヨコハマ在住の第二夫人から電話。ヨコハマは雨があがったらしい。第二夫人はたくさんの猫のママ。アルルが雷に震えていたと伝えたら、猫たちも、それなりの反応をするらしい。第二夫人、おおたか静流さんのコンサートにいったらしい。素晴らしかったと感動していた。そういう電話があったと想ったら、今度は静流さんの古い友人からホームページにメールが届く。きっと、世の中は裏側で、みんなつながっているのだ。 ひさびさ、イラストレーションのアイディアで死ぬほど悩む。何も出てこないのだ。ストックしてある資料を引っくり返したり、アイディアメモを繰り返し読んでも、何も浮かばない。そうしていたら、ひどく疲れていることに気がついた。 ベッドに横になり、ラジオをつける。すると、ヨコハマが巨人軍に追いつくところだった。両監督のコメントなどを耳にしているうちに眠っていた。 ▲ 猫の脚借りたくないとカンボジア
0511・金・ ボールペンを買いにいく夢で目覚める。ひどくリアルな夢だった。きっと、イラストレーションで悩んでいたからに違いない。夢の中でボクは目が見えていた。けれども、ボクは指先で絵を確かめながら、ボールペンを試しているのだ。 先日の北関東で発生した複数の竜巻は、巨大な積乱雲、スーパーセルによるものと結論された。複合的な気象条件が、このようなスーパーセルを発生させたのだが、同時に三つの竜巻の威力はすさまじい。こうした気象条件から身を守る唯一の方法は、危機管理の意識と空想力、絶え間ない観察によるしかない。システムに委ねて安心していると、危険は回避できない。 近所の宮坂で火事があったとマキコ特派員からの知らせ。彼女の家にも火の粉が飛んできたらしい。NHKラジオでも、3名の焼死が確認されたとのニュースが流れた。消防車24台が出動したとあるが、赤堤のこの部屋にはちっとも聞こえてこなかった。 天体の運行を正確に予測したマヤ文明の暦によれば、今年で世界が終わるらしい。ところが、中米グァテマラにある9世紀のマヤ遺跡から最古のカレンダーが発見された。それによれば、2012年以後の7千年にわたる未来が描かれているという。「デイキャッチに寄せられたリスナーの投稿にも、カレンダーは繰り返し使うもの、とあって笑う。ごもっともなご意見である。 最近の野田首相の答弁、聞くに耐えない。官僚の作文を棒読みにしているその姿、まさに官僚ロボットの本領を遺憾なく発揮している。そもそも、なんであんたが総理大臣をやってんのよ。小沢一郎の黒幕があって、マニュフェストを守って、霞ヶ関に闘いを挑んで欲しくてオイラは民主党に投票したのに、まるで約束が違うじゃないか。でも、東日本大震災で目覚めた国民は、次の選挙に期待している。霞ヶ関の想うがままにさせてたまるもんか。 透析より戻ってホッとウィスキーをやる。肴はコボちゃんがスーパーのSから買ってきた蒸し鶏とクラゲの中華和え。ところが、アルバイトの思い違いか、社員のミスか、トッピングに唐辛子の輪切りの山。あわててコボちゃんが取り払う。盲人や老人が間違えて食べたら口の中が火事になる。それにしても、知らないということは恐ろしい。おそらくは担当アルバイト、これまで唐辛子を扱ったことがないのだろう。その彼、もしくは彼女、唐辛子を輪切りにした手で、目をこすったり、鼻くそをほじったりして、今頃は地獄を経験しているかもしれない。まあ、痛い思いをして学ばないと、他人の痛みもわからない。山盛りの唐辛子が染みて、かなり辛かったとはいえ、蒸し鶏とクラゲは旨かった。辛さで痺れたベロで飲むホッとウィスキーは酔いが早いのだ。 ▲ 唐辛子ベロをつかんで1マイル
0512・土・ 目覚めたら、もうコボちゃんの準備は万端、いつでも発車オーライ。ボクもあわてて支度をしてクオリスに乗り込む。アルルは後部座席を倒して作ったベッドで、目をらんらんと輝かせている。でも、まだ目的地が決まらない。 コボちゃんは鶯が聞きたいという。ボクは燕が聞きたいという。だったら、どっちだ。東北か、関越か、それとも中央高速か。天気予報では東北の雲行きが怪しい。というわけで、お世話になったネクセリア東日本に義理立てをして、関越道をまっしぐら、ということにした。 高坂(たかさか)サービスエリアに到着したとき、カーラジオから「ラジオ文芸館」のテーマ音楽が流れ出した。けれども、宮沢賢治作品の朗読と聞き、すぐにエンジンをオフにする。これまで、最高の朗読で宮沢賢治を体験してきたボクである。だから、今朝はちょっと遠慮したい気分になってしまったのである。 アルルを足元に、屋外のテーブルでコーヒーを楽しんだ。ボクのすぐ横をハーレー・ダビッドソンの大排気量のエンジン音が、次から次へと通りかかる。同好の有志による軍団である。先頭をいくのは高齢者ライダーのグループ。正統なスタイルに身を包んでいるらしい。そして続くのが、若いライダーたち。女性の姿もあるという。しんがりは、やはり高齢者ライダー。コボちゃんによれば、70歳は超えて見えるという。お元気なことで、羨ましい。次にコボちゃんの目にとまったのはプジョーのオープンカーのグループ。ミニクーパーのグループもいる。色違いのクルマたちが、つるんで駐車場にやってきている。 色とりどりのコスチュームに身を包んだ小型件たちも次々に通る。コボちゃんにいわせると、目に入るほとんどのワンちゃんは小型件。大型犬がめっきり少なくなったのは、景気の影響ではなかろうか。それにしても、さすがは軽井沢への通り道。高価なドレスに身を包んだ小型件たちは、みんなセレブに見えるという。我がアルルは貧乏人の子どもなのだ。 コボちゃんがアルルをトイレに連れていき、独りでベンチに座っていると、声をかけてくる人がいる。 「生江君じゃないですか?」 「はい。で、そういう貴方は?」 「Sですよ」 永田町小学校と麹町中学で一緒だったクラスメイトである。そこでベンチに並んで座り、しばらくはお互いの近況報告。深尾博士がクラス会を呼びかけるかもしれないと伝えたら、必ず参加するとのこと。というわけで深尾博士、もしもこれを読んだなら、よろしくお願いいたします。と、このブログを伝言板にしてしまった。 コボちゃんがドッグランを見つけてきた。二重扉をくぐり、中へ入る。すると、陽気なヨーキーが飛んできて、アルルをウェルカム。ボクとコボちゃんにも挨拶をしていった。 リードから解放されたアルルは大喜び。地面の匂いをチェックしてから、軽くギャロップ。ワンちゃんたちに挨拶にいく。 やっぱり小型件の多いドッグラン。けれども、大型犬もやってくる。ラブラドールにゴールデン。人懐こいラブラドールは犬と遊ばず、ボクの座っているベンチにやってきて、大きな体をすり寄せてくる。一頭のボーダーコリーがアルルを気に入ってしまい、頭から尻尾まで、アルルの匂いをかいでいる。男の子なのだ。あんまり攻撃が激しいので、アルルはベンチの下に潜り込んでしまった。 4ヶ月の柴犬がやってきて、アルルに遊び方を伝授されている。いつでもどこでもいえることだが、ワンちゃんさえいれば、飼い主たちも、たちまち友だちになる。楽しくワンちゃん談義をしているうちに、もうお昼の時間となってしまい、あわてて出発した。 下り車線、横川(よこかわ)のサービスエリアで高崎のとりめし弁当を購入。車内でランチとする。これぞ、本物のとりめし。そぼろの繊細さが違う。こいつを幼い頃に体験し、それ以来忘れられない味となっているのだ。 峠を越えて軽井沢へ。メインストリートを往復して戻る。軽井沢高原は、まだまだ新緑には遠かった。枯れ木が目立ち、鶯も聞こえてこなかった。 上り車線の横川サービスエリアで休む。ここは釜飯弁当のメッカ。荻野屋の建物の内部に、古い客車が展示してあり、中に入ると、そのまま旅の雰囲気で釜飯弁当を楽しめるのだ。ボクとコボちゃんはコーヒーを抱えてボックス席に座る。すると、うどんや蕎麦を食べている家族がいて、そのつゆの匂いがすごい。うどんと蕎麦はルール違反だと、コボちゃん。だったら、コーヒーもルール違反かもしれない。客車にはときどき、発射のベルや汽笛、ホームを売り歩く弁当屋の売り声などが聞こえてきて雰囲気を出している。最近のサービスエリアの進化は著しい。まるでテーマパークのようである。 外へ出ると、頭のすぐ上を燕が鳴きながらかすめていく。今年、初めて聞く燕だ。よく注意していると、雛たちの声もしているようだ。少なくなったと心配されてはいるが、彼らの元気な様子に安堵を覚える。 コボちゃんがアルルを裏の森で歩かせる。最近のサービスエリアは出入り自由となっているのだ。すると、鶯が鳴いている。これでボクらの目的は達成できたわけだ。けれども、森の入り口には 「熊に注意」 の立て看板。コボちゃん、ちょっと緊張したらしい。 駐車場のクルマが少なくなると、クオリス車内のボクにも裏山の鶯が聞こえてくる。そういえば、鶯も初めてのような気がする。このドライブ、いい気分転換となってくれた。 2月に展覧会をさせていただいた三芳(みよし)サービスエリアで一眠り。でも、周囲が騒がしい。今時珍しい暴走族である。その、ちょっと軟弱な印象の若者たち、博物館に展示されないよう、一生懸命に頑張ってね。 志の輔(しのすけ)落語で笑いながら帰路につく。次のセリフも、すべてわかっているのに、やっぱり大笑いをしてしまう。元気になりたかったら志の輔(しのすけ)落語。いつだって、志の輔落語は笑わせてくれる。 帰宅して、焼酎のお湯割りで横川の釜飯弁当をかっこむ。この釜飯の味、いろいろな思い出を連れてくる。亡くなったイラストレーターのキンさん。10年も現役を続けた盲導犬のアリーナ。軽井沢方面は思い出でいっぱいだ。 ▲ エンジンの音が消えれば鳥の声
0513・日・ ぎりぎりまで熟睡。時間まで起きられず、なんとか6時からの志の輔(しのすけ)ラジオ「落語でデート」を聴く。今朝のデートのお相手は合コンアナライザーというか評論家というか、鑑定士の女性。合コン以前は合ハイ、つまり合同ハイキングというやつがあったそうだ。いずれにせよ、つまらない。いつでもどこでも、心引かれる異性がいたら、直ちにアタックすればいい。今朝の落語は林家彦六の『やかん』。この師匠のこの根多(ねた)は初めて耳にする。講談口調の言い立ての入るこの演目、あの彦六師匠がよくぞ演じたものと、じっくりと拝聴した。いい味があった。 落語が終われば、直ちにニッポン放送に回して、藤沢周平傑作選に傾聴。『夜の道』の最終回である。やはり藤沢周平、見事なハッピーエンドで、安らかな気分にさせてもらった。だから安心して作品に心を委ねられるのだ。 ラジオからの情報。体育指導を受けた幼児たちより、自由に遊んでいた幼児たちの方が運動能力の高いことが判明したとの調査報告。あはは。そんなこと、わざわざ調査しなくても、当たり前のことじゃないか。 いい天気である。けれども、空気は乾いていて、乾燥注意報が出ている。空気も冷たく、日差しとは裏腹。だから革ジャンをひっかけて散歩に出た。 蝶の姿が見えないと心配するコボちゃんと遊歩道をいく。豪徳寺のいつもの花壇にいくと、キャバリエのラン君がアルルを迎えてくれた。飼い主さんと親しく会話をしているうちに、彼が慶應義塾の出身で、おまけに我が志木高の7年先輩であることが判明。それからの会話の弾むこと、弾むこと。共通の認識は、豪徳寺が気に入っているということ。彼も1.5キロの道を歩いてきているのだった。時間を忘れて言葉を交わしているうちに、周囲は夕刻。晴れていた空も曇り、日差しを失って気温も下がっていた。革ジャンで正解だったのである。 好吃(はおつ)で、ほかほかの海老チリソースを作ってもらい、老酒をぶら下げて帰宅。ボクは冷えた指先を熱いお湯で温めてからおえかきデスクに向かう。大相撲は白鵬の連敗で番狂わせ。プロ野球はデイゲームで終わっているし、ナイターのないのはつまらない。結局、BGMはやはり有線放送の落語で落ち着く。 悩んでいたイラストレーションの下絵が完成して安堵。まだ暖かさの残っている海老チリソースと、烏賊団子で老酒をひっかける。NHKの文化講演会のテーマがボクの守備範囲外だったので、またまた落語がBGM。江戸や明治の匂いに包まれながら、豊かな時間を過ごしたのである。 ▲ 夏場所にこける横綱こける客
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2012年4月30日〜5月6日 |
☆ この日記は、透析患者が病人ではなく、機械が腎臓の仕事をしてくれる以外は、一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、漢字や熟語、固有名詞には振り仮名がしてありますが、漢字の難易度とは関係がありません。これらの振り仮名は視覚障害者のための音声モニターを容易にするためのガイドです。
0430・月・振り替え休日・ 未明より活動開始。コボちゃんは出品作品リストを見ながら、別宅に保管してある額装作品を、いつでも運べるように並べている。ボクはいつものルーティーンワークと、メールの返信。いつもとリズムが違うので、「おはよう一直線」の運勢占いも聞き逃す。 ボクがモタモタしている間に、コボちゃんが運送会社に対応。さっさと額装作品の積み込みを終えてしまう。作品に保険はかけてあるが、それでも安全運転を祈る。作品はボクの大切な子どもたちなのだ。 浜松へ作品を送り出してから、アルルを引き連れて豪徳寺へ。アルル、早い時間からの散歩だから嬉しくてたまらない。ぴょんぴょんと跳ねている。 いつもの花壇で、街のパン屋さん、スミレのチキンカツサンドなどほおばりながら、マックのアイスコーヒーを飲んでいる。背中の花壇、チューリップもパンジーもしおれてしまった。でも、その間をまるまるとした蜂が飛んでいるので、安心。今年は虫たちの活動が遅いので、心配をしていたのだ。 お洒落にトリミングしたミニチュアシュナイザーがアルルに挨拶をしている。連れているのは上品な奥様。飼い主が上品だと、ワンちゃんも上品。子は親の鏡というが、ワンちゃんも飼い主の鏡なのだ。 ワンちゃんといえば、癌探知犬(がんたんちけん)の話題がマキコ特派員から届いている。マキコ特派員によれば、黒のラブラドールレトリバーであるらしい。このワンちゃんの癌の探知能力、ほぼ完璧。癌患者の呼気には独特の匂いがあって、癌探知犬(がんたんちけん)はそれに反応するのだ。この点に着目した訓練士は、盲導犬や介助犬の訓練も経験しているらしい。さて、ボクも鼻がいいのが自慢だが、確かに癌患者には独特の匂いのあるような気がしていた。長年、病院にお世話になっている身の上だから、癌患者さんとのお付き合いもあって、以前から、匂いで癌の検査ができるように想っていたのである。ただ、それに犬が対応できるというアイディアはなかった。とうとう医療分野でもワンちゃんの活躍する時代が到来したのである。 その昔、ガス炊飯器というやつがあった。電気釜よりおいしい御飯が炊けていたという記憶がある。ガスエアコンにも記憶がある。コンプレッサーを駆動するのが電気ではなく、ガスの燃焼エネルギーなのだ。これを使えば、かなりな節電が可能であるらしい。大阪ガスによれば、ヒーポンというこのガスエアコン、消費電力は従来のエアコンの150分の1であるという。まあ、そこは納得できるのだが、電力会社の供給する電力をガスで発電するのなら、消費されるエネルギーは同じルーツであるわけだ。結局、ここでの議論の本質は、熱効率の問題ではなく、人類社会がいかに原子力から卒業すべきか、に尽きるのである。 さて、ボクは石油ランプ冷蔵庫を使用した経験がある。これはケニアのサバンナでバンガロー生活をしたときのこと。文明からはるか離れた陸の孤島で、電気もガスも届かないバンガローに、この石油ランプ冷蔵庫が設置してあったのだ。扉を開くと製氷皿まであるから、かなりの冷蔵能力があるらしいと期待したのだが、ひんやりとするだけで、氷が作れるところまでの冷凍能力は残念ながら得られなかった。いずれにせよ、便利さの奴隷となっている人類は、原子力による電気を頼りにし過ぎてきたのである。 本日は振り替え休日。だから透析も休日体制で早い。「デイキャッチ」の始まる時間には、もうベッドに縛り付けられている。あいかわらずFMの電波は雑音で満たされているし、ヘッドフォンのラインを伸ばしてみても問題は解決しなかった。うん。きっとスカイツリーが犯人なのだ。 「デイキャッチ」が終わると、TBSラジオは官邸レポート。内閣広報室の下村健一審議官の活躍する番組である。もうすぐ稼動原発がゼロになる記念に、枝野経済産業大臣に質問を投げかけようという下村審議官の狙いではないだろうか。枝野君、どうやらこうやら答えていたが、大飯原発の安全性についての説明は納得できるものにはなっていなかった。とにかく、全原発廃炉へ向けてのロードマップ、もっと具体的な、ビジョンの見えるものにしていただきたい。 FMの音質が悪いのでAMラジオを放浪する。すると、ニッポン放送で、あの戦場カメラマンが自分の番組をやっている。これが実に面白い。つまり、あのしゃべりだと、どんなつまらないことも意味ありげに聞こえてくるから不思議なのだ。 透析が終わればコボちゃんの運転するクオリスで豪徳寺へ直行。デニーズで食事をする。休日透析の開始時間が早いのも、食事が供給されないのも、みんな病院の方針、というか都合である。まあ、要するに経費節減ということなのだろうが、そこはいろいろな理屈がこねられるわけだ。ところで、透析の後は猛烈に空腹となる。そこで注文したのがサーロインステーキ。けれども、このサーロインステーキ、とても安い。なんせ、デニーズだもんね。でも、おいしいよ。やたら柔らかい和牛よりも、オーストラリアビーフの方が、肉という感じがするかもしれないのだ。ああ、ごちそうさま。と、ブラックコーヒーを飲みながら牛さんに感謝。 帰宅すると、アルルがキジバトポッポの眠る止まり木の目の前で長々と伸びて寝ている。アルルもキジバトポッポも、お互いをどう認識しているのだろう。 最近の寝酒は老酒と決まり。これだと、寝起きがすっきりとするから、朝の仕事がはかどるのだ。 ▲ 蜜蜂やしおれた花でも花は花
◆5月・五月・ 0501・火・ 本日から5月である。運勢占いのラッキーレベルはスタンダード。オイラの人生も平らに伸ばせばスタンダード。 5月の最初の日だから、正午になればパソコンのウィルス検索が始まる。そこでパソコンを離れて有線放送を落語チャンネルに回す。月が代われば新しいプログラムが始まるのだ。ここでは過去の名人ではなく、これからの活躍が期待できる有望な若手落語家が多く出演する。本日覚えた根多(ねた)は、 「熟年夫婦とかけて、治りかけの風邪と解く。その心は、熱はさめても籍(咳)は残る」 ちゃんちゃん。 「陸援隊」とはよくつけたネーミングだと想う。「海援隊」の機運でバス会社を起業したんだろうけど、起きれば事故は悲惨だ。居眠り運転も危険だが、壊れたシートベルトも恐怖。世界中の道路を腸内細菌みたいに自動車が走り回っているけれど、みんなよく居眠りをしないもんだと感心する。自動車はその車体も速度も、すべて凶器となり得る。ドライバーには、そのイマジネーションを忘れないでいただきたい。 自然に放たれた鴾(とき)たち、卵を温めたり放棄したり、まだ子育てには慣れていない。そもそも、鴾(とき)の雛は大食いだそうで、親鳥は自分たちの食べる分も合わせて大変な量のドジョウをつかまえなくてはならない。視力で餌を捕獲する鷺とは異なり、鴾はクチバシで泥を探りながら餌を捕獲する。放たれた鴾たちのいる環境が、彼らを充分に養える土壌であることを祈る。つまり、ドジョウが生きられる土壌、ということだ。ちゃんちゃん。 ペルーではペリカンの大量死が問題となっている。この海岸、イルカの大量死もあったという。ウィルス原因説もあるが、環境保護団体は海底湯店の試掘を原因と主張する。オーストラリアではコアラの絶滅が危惧(きぐ)されている。原因は住宅開発や交通事故。ここ20年間で42パーセントが減少したと推測されている。人間たち、もっと静かに暮らした方がいい。 夜のニュースで厚木の川でピラニアが釣れたといっている。マキコ特派員によれば、子どもの遊ぶ川であるらしい。10センチはあると聞いて驚くが、最大で25センチにはなるとか。歯は触っただけでも怪我をする。お金を支払えば、毒蜘蛛でもティラノザウルスでも手に入るペットショップというのも困ったもんである。 ▲ 天道虫五月の風に浮かれいく ▲ 鴾色の翼に抱かれ雛一羽
0502・水・ 5時から活動開始。本日から1ヶ月、浜松で原画展が開催される。さて、いかなる反応が得られることか。できるだけ、皆様に楽しんでいただきたい。 煎茶を飲みながらFMJ-Waveの-Tokyo Morning Radio-を聴いている。世の中には面白い人間がいる。格安料金の飛行機を使って80時間で地球を一周したというのだ。『80日間世界一周』という映画を鮮明に覚えているが、21世紀となれば、80時間に短縮されたわけだ。もっと驚きがその料金。しめて16万円。旅行のプロの綿密な計画の結果が、この時間と料金、というわけだ。彼の最終的な夢は南極旅行。浮上するヘリコプターから、それを見上げて将棋倒しになるペンギンの行列を見たいのだそうだ。まあ、どんな夢を見ようが、当人の勝手である。 昼の「ゆうゆうワイド」をBGMにランチ。獣医の兵頭先生、土佐犬の事故を悲しんでおられる。犬を闘わせる闘犬(とうけん)という趣味、ボクも好きではない。噛ませる訓練ばかりしていれば、人を噛むことだってあるだろう。大型犬は猛獣だ。噛まれれば熊だって逃げ出すのである。愛情のかけ違いをした飼い主の責任は重大である。 宮城で東日本大震災を被災した男性のバイクが、太平洋を1年間漂流して、カナダに漂着した。バイクというから、どんなバイクかと思えば、これがライダー憧れの的のハーレー・ダビッドソン。この会社、持ち主の男性にバイクを修理して変換するという。津波で家族3人を失った男性に、復活したバイクが戻ったとき、彼は何を想うのだろうか。 尖閣諸島購入資金として東京都に寄付が集まっている。その金額、あっという間に7600万円。これが多いのか少ないのかは別にして、熱血というか、オッチョコチョイな人たちの大勢いることに驚く。土地を所有しても、領有権を金で買うことはできないのだ。とはいえ、この都知事さん、大衆の心をつかむ天才である。 透析中はプロ野球三昧。東京ドームは豪雨の中。空気も少し湿っているとか。巨人軍、実力を遺憾なく発揮して連勝がストップ。それまで打てなかったヒロシマカープを元気づけた。原監督、ミスをした選手を 「見苦しい」 と叱責。協力な助っ人を札束でかき集めても、チームを勝利に導けない監督の方がよほど見苦しいと想うのだが。一方、中日阪神は延長戦のシーソーゲーム。双方のセットアッパーやクローザーを打ち崩して引き分けとなる。今夜の野球は楽しめた。 雨の中を帰宅。明日までに1か月分の降水量をもたらすという大雨である。アルルなど、外へ出た途端に濡れ鼠となる。ボクを迎えにきたくても留守番をさせられている。 帰宅してラジオをつけると、素敵なニュースが飛び込んだ。迷子になったセキセイインコが交番のおまわりさんに自分の住所氏名を伝えたのである。住所はもちろん番地まで。そこでおまわりさん、すぐに連絡をしたところ、その住所には飼い主が住んでいたのである。飼い主は以前、かわいがっていたインコに逃げられたことがあり、次のインコには、もしものときのため、住所氏名を教えこんだというのである。インコの戻ってきた飼い主さんは大喜び、二度と放さないと語っていた。 「ラジオ深夜便」はミッドナイトトークの湯川れい子さんをBGMに老酒をちびりちびりと飲む。肴は「好吃」(はおつ)の山椒ラッキョウ。この組み合わせがたまらない。 桂文楽の落語をかけてベッドに潜り込む。明日の雨が気になっている。 ▲ 連休を二つに分ける低気圧
0503・木・憲法記念日・ 終日大雨。5月としては記録的な豪雨となる。箱根登山鉄道も止まっている。朝のラジオ番組へは、遊園地を楽しみにしていた子どもが泣いているとのメールが届く。とにかく、ざんざか降りの雨である。 外へトイレにいったアルルが濡れ鼠。頭から尻尾までタオルでごしごし拭いてやる。するとアルル、尻尾をパタパタと振るのである。 遅れていた仕事があったので、ずっとキーボードを叩いている。世の中が連休だろうが、雨降りだろうが、ボクには関係ない。仕事として絵を描き出してからの44年間、ボクには休みなど関係ないのだ。 浜松の展覧会場から電話がある。東京は雨でも浜松は晴天。お客様も見えているとか。中日新聞が取り上げてくれたのだ。今日も静岡新聞が取材にきたとのことで、その記事を見てたくさんの人がボクの原画を見てくれるといい。 高速バス事故を起こした「陸援隊」について、様々な違反が明らかになりつつある。運転手は事故当時、自分の走っていたルートを把握していなかったと聞いて驚いたが、無理もない。彼は運行ルートについての指示書を受け取っていなかったのである。そもそも、運行指示書事体が存在していないのだから会社の責任は重大だ。この運転手、大型免許を取得して2年たらず。おまけに、これはラジオからの情報であるが、彼は中国人であるらしい。となると、よくぞ免許がとれたもんだと感心もする。彼がルートに不慣れだったのも、これが原因かもしれない。また、彼の過労の原因は、彼が法律で禁止されている、日雇いのバス運転手であったためともいわれている。社長は彼に充分な休暇を与えていたと証言しているが、運転手が他の会社でも勤務していた可能性もある。こうした状況の生まれる背景は格安運賃の設定だろう。ギリギリの料金設定の皺寄せは必ず弱者に集中する。安物買いの銭失いという格言があるが、安物買いで命を失うことになる。いよいよ、格安料金の飛行機が心配になってきた。 夕方からコボちゃんは同僚たちとの飲み会で外出。ボクはアルルとお留守番。どうやら雨はあがったらしい。 コボちゃんの帰宅が遅いので、ボクは気になって眠れない。自転車で外出しているから、雨で滑ってないかと心配にもなる。その心配を忘れるため、パソコンに集中する。 深夜、コボちゃんがセブンイレブンのおでんを手土産に戻ってくる。ボクはそれを肴に老酒で寝酒。GWに熱々のおでんもまた粋なもの。 ▲ 遊園地無情の雨に泣きっ面
0504・金・緑の日・ 5時半より活動開始。「おはよう一直線」の運勢占いのチェックは運試しではなく、生活のリズムのため。5時に目覚め、5時半より活動開始。このリズムで始まると、1日がうまく動くのだ。 TBSラジオ「スタンバイ」で小沢遼子さんが吠えている。謎の検察審査会に怒りをぶつけているのだ。罪を問えないことが明らかになっていた小沢一郎裁判が、この国にもたらした損害は決して小さくはない。けれども、無罪判決が出た今でも、国民の77パーセントが小沢を灰色として疑惑を感じている。世論をこれだけ操作できるマスコミがボクは怖い。 「お話の旅」はシートン動物記の『ぎざ耳ウサギの冒険』。名作を橋爪功が語るのだからたまらない。ぜひともいつか、この続きをやってもらいたい。 昼からの降水確率は50パーセント。けれども空は晴れている。そこで豪徳寺まで散歩する。日差しがあるので、アルルはベロを出してあえいでいる。ボクは腹ペコであえいでいる。そこで、コボちゃんがいつもの花壇の目の前の喫茶店から、テイクアウトのポークジンジャー弁当を買ってきてくれた。これが熱々で旨い。ずっと理想のポークジンジャーを捜し求めていたのだが、なんのことはない。目の前に存在していたのだ。 満腹になった途端、上空で雷鳴。ポツリポツリと落ちてきた。降水確率50パーセントの予報は間違っていなかったのだ。 雷雨の中を走るようにして帰り道を急ぐ。雷鳴の大嫌いなアルルがコボちゃんをがむしゃらに引っ張っていく。すると、向かいからアメリカンコッカースパニエルのイギ君がやってくる。仲良しの2匹だから遊ぶかと思いきや、イギ君も雷であせっているから、挨拶もしないで通り過ぎていった。もちろん、飼い主同士は挨拶を交わす。 今度は向かいから自転車に乗って藤澤勇夫監督がやってくる。ドキュメント映画制作会社「びっくり・バン」のボスだ。相棒の馬場民子さんもやってくる。これからスタジオで編集をするらしい。お互い、立ち止まってご無沙汰の挨拶を雨に濡れながらも交わす。馬場さんから伝言がある、というので、メールをいただくことにして、とにかく雨の中を急いだ。 コボちゃんが住宅街に干してある洗濯物や布団を見て気の毒がっている。けれども、最近の気象庁スパコンによる天気予報を無視するからいけないのだ。ボクらがずぶ濡れになっているように、天気予報は当たるのだ。 本日も透析は中途半端な休日モード。透析が午後3時から始まり、7時で終われば、行楽地にも寄席にもいけない。せっかくの休みが有効に使えないのだ。おまけに夕食も出ない。これはすべて病院側の都合で決めたこと。経営者にとって、患者の権利など、頭にないのである。 現在、米国が開発中のF35ステルス戦闘機、価格が倍になっている。全部で8千億円は安くない。納期も遅れているのに、これはどうしたことなのだ。わが国には自力で戦闘機を開発する能力は充分にあるし、事実、空中での運動能力に優れ、瞬間にして飛行コースを変えることにより、ミサイルからの離脱が可能な戦闘機を開発していた。そこに横槍を入れ、自国で開発中の戦闘機を押し売りしてきたのが米国であったのだ。外務省はアメリカにはさからえないから無理もない。けれども、日本列島のどこかの秘密基地で、昔の零戦に匹敵するような新鋭戦闘機を開発していたら、愉快な話である。『宇宙戦艦ヤマト』の原作者だったら、そんなビジョンの漫画を描いてくれたに違いない。 金曜日の「デイキャッチ」、コメンテイターは宮台真司先生。持論を語るコーナーで、親への教育論が、自分のスカートめくりの思い出話になって雲行きがおかしくなる。さすがの先生も、荒川強啓氏に突っ込まれて苦笑い。 夕食が出ないから、透析からの帰り道は光陽楼に立ち寄る。ボクはここのニラレバと雲呑麺に目がない。けれども、雲呑麺だけで満腹になり、ニラレバはお持ち帰りにしてもらった。 帰宅してパソコンを開くと「びっくり・バン」の馬場民子さんからメールが届いている。大阪でドキュメンタリー『いのちの林檎』の上映会を催したところ、300人が集まった。そのうちの3人がタイトル文字がエム ナマエであることに気づき、また原画を見たいであるとか、展覧会を開いてもらいたいとか、ファンであるとかとの伝言を馬場さんに託したのだ。ありがたいこと。スポンサーさえいてくだされば、展覧会はいつだって可能なのだけれども、大阪でのイベントは5年前の大阪ビッグアイの展覧会以来、開かれてはいない。ところで、300人のうちの3人という比率は高いのか低いのか。いや、エム ナマエのことを気にしてくださる方が一人でもいてくださることが、ありがたいのだ。 ニラレバを肴に老酒をちびりちびり。BGMは桂ざこば(かつらざこば)の落語。落語ファンでなくても、テレビレポーターだった桂朝丸(かつらちょうまる)だったら覚えておられるだろう。あの朝丸(ちょうまる)が凄腕の師匠として上方落語界、特に桂米朝(かつらべいちょう)一座に君臨しているのである。演目は『無茶息子』(むちゃむすこ)。本当は『堀川』という演題の一部なのだが、ざこば師匠独特のアレンジで、これが抱腹絶倒の仕上がりとなっている。眠くてうつらうつらとしていたコボちゃんも、あまりのおかしさに目が覚めてしまった。 ▲ 雷鳴に散歩をやめて戻り犬
0505・土・子供の日・ 満腹で朝寝坊。「おはよう一直線」の運勢占いのない土曜日だから朝寝坊。NHKラジオの「当世キーワード」が行方不明だから朝寝坊。朝寝坊をするには理由が必要なのだ。 8時からはNHKで「ラジオ文芸館」。今朝は宮部みゆきの作品。この番組でも彼女の作品はよくかかり、いつも心を動かされるが、今朝の作品にはついていけなかった。出来事と展開があり過ぎて、ページを戻って読み直せないラジオの朗読では、筋書きがのみこめないままに物語が進んでしまう。聴いている自分だけが取り残され、登場人物が勝手にことを進めているような、そんな寂しい気持ちがした。優れた筆力で描かれる登場人物たち、姿は見えてくるのだが、最後まで感情移入ができなかった。 10時からNHKラジオでは数少ないラジオ寄席「真打競演」が始まる。漫才は昭和ノイルコイル。大好きなコンビのしゃべくりを胸のポケットにしまいこみ、豪徳寺へ向かう。既に日差しが強く、日陰のある遊歩道をいく。我が家からまっすぐ、世田谷線の山下駅まで、緑の遊歩道が続いているのだ。 この遊歩道、テレビドラマや映画のロケによく使われる。今朝も30人ほどの人間が撮影準備に追われている。遊歩道沿いの一軒の家では、家具が持ち出されたり、並べ変えられたり。ボクらの歩いているすぐ横を、重い何かが転がされていく。あの、明るい声でしゃべっているのは出演する女優だろうか。映画の現場では、驚くほどの人数が働いているのだ。 天気がいいので、飼い犬たちが庭に出ている。遊歩道沿いに歩いていくと、モモちゃんに吠えられ、柴犬の親子に吠えられ、アルルは嬉しくてたまらない。 立夏である。夏である。日陰で飲むアイスコーヒーのうまい季節となった。けれども、コンクリートの部屋に戻れば涼しい。窓を開放しての仕事がはかどる。とはいえ、すごい南風。大切なものが吹き飛ばされないうちに、窓も扉も閉めてやる。 「陸援隊」のバス運転手はアルバイトだったが、彼は自らバスを所有し、中国人観光客を相手に白バスでツアーを手配、運営していたらしい。昔、白タクが話題になったことがあったが、この白バスはデフレ社会と規制緩和の産物と想われる。生き物の世界と同じで、環境が変われば新しい適応形態が現れる。いつの時代でも、生きていくのに誰もが必死なのである。 夕方も豪徳寺まで散歩。いつもの花壇で暖かいコーヒーを飲んでいると、S看護師とO看護師の妹さんがやってくる。サクラちゃんとニコリちゃんも一緒である。ニコリちゃんはO看護師の妹さんのお嬢さんで4歳。けれども、とてもしっかりとしていて、 「触ってもいいですか」 と飼い主に尋ねてからアルルに触っている。彼女から見れば、かなり大きなアルルを「可愛い」を連発しながら触っている。すると、今まで伏せをしていたアルルが正座をしてニコリちゃんの相手をしている。アルルは盲導犬ではないのだと説明をすると、ふたりのお母さんは驚いていた。O看護師の妹さん、お姉さんと瓜二つであるらしい。世間からはクローンとも呼ばれているらしく、正確もそっくりで明るく元気。そして、ニコリちゃんを見ればわかるように、しっかりとしたお母さんでもある。その妹さんからお勧めの酒の肴をいただいてしまい、恐縮。目の前の店で買ってきてくださったのだ。彼女とはハグをして、S看護師の、まだ赤ちゃんのサクラちゃんとは握手をさせてもらうと、彼女たちを見送る。彼女たち。そうだ。考えてみれば、全員女性だったのだ。 今度はシニアのご夫妻が、アルルに触らせてくれと声をかけてきた。上品なおふたりである。よくボクらを見かけるそうで、盲導犬のように賢いアルルに触りたかったとおっしゃるのだ。おふたりにも以前はワンちゃんがいたのだけれども、今はあきらめているそうだ。もしものことがあれば、犬が残されてしまう。ただ欲しがるばかりでなく、犬を飼うには、それなりの責任感が必要なのだ。 花壇に座っている間、豪徳寺の駅からゴロゴロとスーツケースを転がす音がボクの前を次々と通貨していく。いよいよ長かったGWも明日で終わりである。 今夜はスーパームーンであるらしい。いつもの14パーセントも大きい満月である。けれども、コボちゃんはそれを知らずに窓からポッポに月を見せている。この満月が新月になる21日に金冠日食が起きるのだ。 NHKラジオ第二で朗読の時間再放送を聴きながら、いただいた酒の肴で老酒をやる。妹さんによれば、この肴は老酒にピッタリであるらしいのだ。そして、その通り。おかげで朗読を楽しめた。今週で宇野浩二の作品集の朗読は終わる。そして来週からは青木裕子軽井沢朗読館館長の朗読がスタートするのだ。 ボクが老酒の酔いに身を委ねている頃、動いていた最後の原子炉に制御棒が挿入される。未明の2時になれば、42年ぶりに全国の原発が前面停止となるのである。 ▲ クリスタル透明な音粒氷
0506・日・ 朝になれば、もう動いている原発は存在しない。トマリ原発ですべての原発がとまる。不思議な偶然、シンクロニシティー。世の中は謎の暗号に満ちている。 さて、原発を抱えた自治体への交付金だが、たとえ原発が停止していても、国は支払うべきである。くどいと想われるかもしれないが、このことだけは強調したい。原発は動いていようが止まっていようが、危険な存在であることに変わりはない。地殻変動であろうが、津波であろうが、もしくは人為的なエラーであろうが、原発に電力が供給されなくなれば、使用済み核燃料の貯蔵プールへの冷却水の循環が停止して、燃料棒たちは加熱し、溶融し、メルトダウンして水素爆発を引き起こす。つまり、福島の悲劇が繰り返されることになる。どうして国もメディアも、このことに触れようとはしないのだろう。政府は不安を抱えた自治体へのケアをしながら、同時にすべての原発に蓄えられている核廃棄物の最終処理方法と、その場所についての解決をすべきなのだ。政治力はそのために尽くされるべきなのである。 6時より文化放送では志の輔(しのすけ)ラジオ「落語でデート」。今朝のお相手は宮城県気仙沼在住のシンガーソングライター、くまがいいくみさん。失礼。漢字がわかりません。東日本大震災当日は漫才のサンドウィッチマンと撮影に同行していて、あの津波から岡の上へ避難、惨状を目の当たりにした。その後のサンドウィッチマンの活躍は誰もが知っている。落語は五代目古今亭今輔(ここんていいますけ)師匠の『囃子長屋』(はやしながや)。江戸流のヒップホップ落語である。今輔(いますけ)師匠、上州弁が抜けないでご苦労されたというエピソードが残っているが、そのテンポのいい口調は見事だし、「青空おばあちゃん」で知られる声色もいい。その声でお囃子(おはやし)の口真似、つまりリップパーカッションをやるのだから愉快なのだ。この落語は必聴の価値あり。 落語が終われば、すぐにニッポン放送へ回す。藤沢周平傑作選の『夜の道』の第三回。藤沢周平作品で描かれる江戸の風景は、どうしてこれほどに生き生きとしているのだろう。その筆力はボクをたちまち江戸時代へとタイムトリップさせてくれる。 NHKの素人喉自慢が終わる頃、関東の各地で竜巻注意情報が流され始めた。地上の気温に対して、上空には冷たい空気が流れ込んでいる。その影響であちらこちらで積乱雲が発生しているのだ。 いよいよラジオに豆の弾けるような雑音が入ってきた。稲妻から発せられる電波である。アルルも気配を感じて緊張している。でも、ボクが恐れるのは落雷よりも竜巻なのである。ここ東京にも竜巻注意情報が発令されたのだ。 いきなり雷鳴が轟いた。部屋に冷たい風が吹き込んでくる。アルルはボクのベッドに飛び上がり、ハアハアとあえいでいる。ボクがなだめても効き目がない。 窓を閉じるのは雨よりも竜巻を警戒してのこと。ガラスが割れたときのことを考えて分厚い遮光カーテンも引いてやる。すると、カチンカチンと雨ではない何かが窓ガラスにぶつかり出した。たちまち音はカンカンカンと金属的な響きに変わった。雹(ひょう)だ。想った途端、どどど、ごおおん。世界が轟音に包まれた。ボクはキジバトポッポの運動場の窓が閉まっていないことを思い出し、マッサージチェアのある事務室へ飛んでいく。サンルームとは違い、こちらの窓はベランダに守られているから雹(ひょう)の直撃は心配ない。けれども、この轟音にポッポがおびえているのではないかと窓を閉めてやったのだ。 轟音のしている間、アルルはベッドの上で固まっていた。あえぐことも忘れている。アルルにとっても、ポッポにとっても、そして別宅にいるネコドモにとっても、こんな天然現象は始めてに違いないのだ。 関東地方の各地で、発達した積乱雲による被害が続出した。竜巻でも死者が出て、たくさんの家が倒壊した。落雷で倒れた人もいる。ドッグランで家族が雨宿りをしていた大きな木に落雷があったのだ。雷雨では、決して木の下で雨宿りをしてはならない。 いつも散歩で訪れる豪徳寺を招き猫発祥の地とする説がある。その由来が落雷だ。伊井の殿様が大きな木下で雨宿りをしていたら、古寺の山門の下で「おいでおいで」をしている猫がいる。その誘いに、山門までいくと、それまで雨宿りをしていた大きな木に落雷があり、殿様は一命を取り留めた。そこで殿様、この古寺、豪徳寺を守り立てた。今でも豪徳寺は広い敷地の立派なお寺。そして、招き猫は豪徳寺のシンボルとなっている。豪徳寺の駅前には、それを記念した巨大招き猫がいて、往来する人々を見守っているのである。 「それにしても、雷は怖いねえ」 「なるほど」(鳴るほど) ちゃんちゃん。 大相撲、夏場所が始まった。大関が半ダースも勢揃いの、大相撲にとっても初めての場所である。新大関の鶴竜(かくりゅう)は勝利。その他の大関たちもみんな勝利した。けれども、あの強い横綱、白鵬(はくほう)が初日に黒星をつけられる。今場所は面白くなりそうだ。 8月からの新聞連載の執筆体制に入る。メモもまとまったし、原稿のフォーマットもできた。第1回の原稿も書き出した。あとは微調整をしながら、31回分の連載原稿を楽しんで仕上げるだけである。 24時を過ぎてからの有線放送、落語を味わいながら、老酒をちびりちびり。どうして老酒は翌日に残らないのだろう。どうして同じ落語を何度聴いても、飽きないのだろう。楽しみのある人生は素晴らしい。 ▲ 粒氷黒い空から落ちてきた
◇ バーチャル四国八十八カ所コース 37番、岩本寺を夢想参拝、通過しました。 次は38番、金剛福寺。 あと171,979歩です。 現在の歩数1,010,221歩。 1周目挑戦中!
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2012年4月23日〜29日 |
☆ この日記は、透析患者が病人ではなく、機械が腎臓の仕事をしてくれる以外は、一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、漢字や熟語、固有名詞には振り仮名がしてありますが、漢字の難易度とは関係がありません。これらの振り仮名は視覚障害者のための音声モニターを容易にするためのガイドです。
0423・月・ 思い切りの早起き。4時から活動を開始した。この時間からだと、まとまったことがやれるのだ。 「おはよう一直線」の運勢占い、ラッキーレベルはスタンダード。噂話はやめましょうとのアドバイス。噂話も、人の悪口も、いけないと思いつつ、気がつくとやっていることがある。うん。どちらも無責任で面白いのだ。 雨がしとしと。寒いのだけれども、暖房を入れれば暑くなる。この季節、温度調節が難しく、へたをすれば風邪をひく。 NHKラジオ第二「お話出てこい」は日本の民話『鼠の嫁入り』。失明するずっと以前、この紙芝居の絵を担当したことがある。だから、聴いていると、どうしても自分の絵が浮かんできてしまう。不思議なものだが、どんなに昔に描いた絵でも、ありありと思い出すことができるのだ。 透析中、FMのJ-WaveやNHKの温室が悪く、気持ちが落ち着かない。FMのクオリティーの高い音楽を、何の邪魔も受けずにヘッドフォンで楽しむことが透析中の最高の楽しみなのに、これは不愉快。ヘッドフォンのラインやラジオの位置を動かしてみても、温室は向上しない。もしかしたらこの電波、東京タワーではなく、スカイツリーから発信されているのではなかろうか。もしそうだとしたら、ボクにとってスカイツリーは実に不愉快な存在となる。 先週、J-Waveの番組、ホルスクラブについて触れたが、ボクの勘違いがあったので訂正する。この番組、正式にはフォルスクラブ「リーディング・フォー・ユアハート」という。キャッチフレーズは10分間のイメージトリップ。ボクにとって、言葉はいつも、夢の扉を開く鍵であるのだ。もちろん、秀島アナウンサーのハスキーボイスも、ボクの本能を快く刺激してくれる。 36年ぶりに自然環境で生まれた、あの鴾(とき)の赤ちゃんに兄弟のあったことが判明。観察カメラに写っていたのである。これで鴾(とき)の赤ちゃんは3羽。抱卵中の鴾(とき)のカップルは10組を数えるというから、鴾の赤ちゃん、もっともっと誕生するかもしれない。自然界に解き放たれた鴾(とき)たち、やっと自分たちのやり方を思い出したのかもしれない。 今夜もホッとウィスキーでいい気分。ベッドに潜って、名人たちの落語をMDで聴いてから眠りに就く。 ▲ いく春になげやりに鳴く烏あり
0424・火・ 5時半より活動開始。春の到来に肉体が慣れてきたのか、次第に早起きの習慣が復活してきた。「おはよう一直線」の運勢占いのラッキーレベルはスタンダード。この占いを聴いている人、日本全国にどれくらいいるのだろうか。 集中してキーボードを叩いていたら、寒いのか暑いのか、よくわからない。外の天気はどうなのだろうとサンルームの障子を開き、ガラス窓を開放したら、どっと暖かい風がなだれこんでくる。瞬間、夏がきた、と思う。そしてその通り、本日の首都圏は夏日になるのである。 ヒロコママの運転で領国へ。途中、ずっとおおたか静流(しずる)のシングルCD『東北』をかけている。ヒロコママとおしゃべりをしながらのリフレインだけれども、もしもこれを独りで聴いていたら、泣いてしまうかもしれない。おおたか静流(しずる)、歌声はますます美しく、その作詞はますます冴えている。 このCD、池袋の某デパートで偶然に遭遇した静流(しずる)さんから渡されたという。ヒロコママがデパートのレストラン街で何を食べようかとウロウロしていたら、静流さんに声をかけられたというから驚き。いつも日本中、世界中を駆け巡っている静流さんが、どうして池袋のデパートのレストラン街を歩いていたのだろう。ああ。偶然は必然なのである。 地下駐車場の入り口でスタジオクラスターの青木岳志さんと合流。これも偶然。ヒロコママは出会いの名人であるらしいのだ。 芝居小屋の入り口で、歌手の李政美(いじょんみ)さんに声をかけられる。神田の如水会館の朴慶南(ぱくきょんなむ)さんの出版記念パーティーで、ボクが前座で歌わせていただいた、あの歌手の李政美(いじょんみ)さんである。今回の芝居、矢野陽子さんが、彼女の母親をモデルに書き下ろした脚本なのである。 矢野陽子さんが演じる主人公は京成線で荒川を渡ったあちらの岸でバタ屋をやっている。朝鮮人、オカマ、前科者、琉球出身者、聾唖者。世間から斜めに診られる人たちが寄り添い、力を合わせて廃品回収行を営んでいる。主人公の夫は旅芸人。今はキャバレーで、立ちん坊のバンドマンなんかやっている。主人公には子どもがいる。そのひとりが李政美(いじょんみ)。彼女は朝鮮学校から音楽大学へ苦労して進学する。そして、自分の家を捨てていくのだ。けれども、やがて彼女は京成線に乗って自分の家へ戻ってくるのである。 朴慶南(ぱくきょんなむ)さんの著書、『人は幸せになるために生まれてきた』を読んでいたから、ボクはこの物語について、あらかじめ知ってはいた。けれども、矢野陽子という女優は、この大人数と主人公との人間関係を、単独で演じていくのだ。矢野陽子の一人舞台。文字通りの一人舞台なのである。おまけに脚本も彼女の書き下ろし。長い長い舞台に出ずっぱり。複雑な人間関係。そして、朝鮮民謡、朝鮮楽器。以前から矢野陽子という女優の凄さは認めていたが、今度こそボクは彼女の情熱と演技力に打ちのめされてしまったのである。そして、笑った、笑った。この芝居、ひとつも湿っぽくはない。からりと明るく、軽快な笑いに満ちているのであった。 登場してくる人間のすべてが弱者であるこの芝居、ボクは矢野陽子さんのお師匠、丸瀬太郎さんの 「記憶は弱者にあり」 という言葉を思い出していた。そして、もうひとり思い出していたのが、東郷健さん。オカマや障害者の立場から、常に闘ってきた東郷健さんをボクは尊敬しているのだ。 舞台からおりてきた矢野陽子さんと抱き合って感動をお伝えする。李政美(いじょんみ)さんも語りかけてくる。芝居小屋を出るとき、矢野陽子さんの伴侶、鬼の演出家と噂される某氏とも握手。実は彼も矢野陽子さんも落語マニアなのである。 神田で魯迅とゆかりのあるという中華料理店を発見、青木ご夫妻と入店、食事をする。けれどもラストオーダー間近なので、急いで注文をしなければならない。ええいままよ、とばかりに湯麺や炒麺を人数分頼んだ。ここは老酒がそろっているというので、20年ものの老酒も注文。青木岳志さんと乾杯をする。さて、出てきた麺類に驚愕。大きな器なのだ。これだったら、ひとつだけ注文して、みんなでシェアすればよかったと後悔するが、もう手遅れ。勧め上手のヒロコママが小分けにしてくれた湯麺や炒麺を次々に胃袋におさめていった。老酒もおいしかったなぁ。この店、料理も酒もよかったので、またゆっくりといってみたい。 長いような短いようなこの人生、ずっと生きてきて、特に失明してからは、この地上世界に降りてきている様々な神や仏に助けられてきた。この青木岳志ご夫妻も、そうした神仏であるに違いない。お会いする度、ボクは感じるのである。 ▲ 芝居小屋階段席の薄明かり
0425・水・ 5時より活動開始。パソコンに向かっていたら、グラリとくる。5時22分、千葉を震源に地震。東京は震度3。けっこう長く揺れていた。震源は千葉県東方沖、深さは60キロ、マグニチュード5.5。心配されている千葉県沖の巨大地震でなくてホッとする。 地震速報の続いた後に「おはよう一直線」の運勢占いをチェック。すると、運勢は最高。神秘な力で運命は好転するとあった。嘘だろう。最近、この占いが当たったことがない。そう。占いよりも、自分の決心の方がはるかに影響力は大きいのだ。そろそろ、この占いから卒業してもいい頃だろう。 中村メイ子(なかむらめいこ)さんの語りを耳にしていると、幼かった頃のラジオを思い出して穏やかな気持ちになってくる。今朝の「お話の旅」は佐々木たづ作『少年と子狸』。佐々木さんは視覚障害者の童話作家。ボクの偉大なる先輩である。失明したばかりの頃、佐々木たづ作『ロバータ、さあ歩きましょう』を読んで、どれだけ勇気をもらったことだろう。ロバータは盲導犬。佐々木さんは盲導犬訓練のため、英国に滞在したのだ。当時、日本にはまだ盲導犬の訓練士がいなかったのである。 残念無念。今年の無言館の成人式のプレゼンテイターとして、館主は宮崎駿さんとエム ナマエを考えていたらしいのだ。ところが、諸事情とちょっとした手違いで流れてしまった。ああ、がっかり。宮崎駿さんと並んでプレゼンテイターをさせていただきたかったなあ。 繰り返し触れるのであるが、透析中の最大の楽しみはFMを聴くことであった。けれども、FMの温室がますます劣化している。もしもこれがスカイツリーからの電波送信が原因だとしたら、ボクはスカイツリーをうらむ。そもそも、三本足の電波塔など、最初から信用など、していないのだ。ああ、ボクの東京タワーよ、どこへいく。 ▲ いく春や三本足の電波塔
0426・木・チェルノブイリ原発事故から26年・ 完全失明して人工透析を導入。その入院から娑婆(しゃば)の暮らしに戻ったばかりのボクに届いたのがソ連の原子炉事故のニュースだった。自分の盲人年齢を考えるとき、チェルノブイリの歴史はひとつの道標となっている。チェルノブイリは広く欧州を汚染した。けれども、福島の東電事故原発は、これからも広く太平洋を汚染していくのである。 今朝の占いの運勢レベルはスタンダード。人に感謝できる1日となる、とのことだが、ボクはいつだって感謝している。 福岡市が玄界灘の海水を淡水化した水を売り出すという。まるで知らなかったことだが、福岡市は海水淡水化センターから、その水道水の半分を供給していたのだ。淡水化した水は料理に使うといいらしい。きっとミネラルが豊富なのだと想像する。 火曜日、矢野陽子さんの芝居で東郷健さんのことを思い出したばかりだったが、以下のようなメールを国際ジャーナリストの及川健二さんから頂戴した。まこと、残念なことである。東郷健さんの少年のようなハートは、今もボクの心に焼き付いている。 ▼ エイプリルフールに東郷健さんが自宅で前立腺ガンで亡くなられていたことが分かりました。入院せずに愛する猫に囲まれながらいってしまったのでしょう。合掌。及川健二 拝 渋谷駅前に駅と直結した形でヒカリエという施設がオープンした。なんということはない。この建物は、以前の東急文化会館であったのだ。五島プラネタリウムの銀色のドームの、あの懐かしい(なつかしい)建物である。渋谷に暮らしていたボクにとっては、毎日の食材を購入するスーパーマーケットのある建物だったし、毎週のように「大正テレビ寄席」の公開収録に通った(かよった)場所でもあった。五島プラネタリウムも東京タワーも高度成長のシンボルであったような気がしている。さて、ヒカリエやスカイツリーはどんな象徴となっていくのだろう。少なくとも経済成長のシンボルでないことだけは確かなようである。 福井県の大飯原発再稼動が話題となっている。けれども、動いていようがいまいが、原発は存在自体が危険であることにマスコミはあまり触れたがらない。もしも再び巨大な地殻変動や大津波がやってくれば、原発に供給されていた電気や水が止まり、貯蔵プールの使用済み核燃料が暴走し、メルトダウン。水素爆発を引き起こすのである。安全対策や補強が必要なのはすべての原発であって、それらは決して再稼動のためではない。願うのは、ただ核廃棄物の処理方法の確立である。 ▲ ふわふわりヘリコプターは綿毛製(わたげせい)
0427・金・ しとしとと雨が落ちている。今朝はサラリーマンみたいに朝の出発。「おはよう一直線」の運勢占いのラッキーレベルがスタンダードであることを確認すると、すぐにシャワーを浴びる。 通勤時間の電車は混雑している。隣の女性の、ザラザラとした大きな布製のバッグが白杖を持ったボクの手をこすり、痛い。やっと座ると、隣のデブな男が、膝の上でアイポッドを自慢そうに操作している。おお、世間が動いているぞ。考えてみれば、ボクがこうした通勤電車を経験するのは大学生になるまで。なんと不真面目な人生であることよ。 院長は尊敬できる人物だが、ここのレントゲン技師だけは我慢ができない。押さえてはいたが、今日も口論をする。全開は勝手に人のベルトをゆるめ、Gパンを脱がそうとしたから、今回は自ら求めて術衣に着替え、レントゲン室に入る。このレントゲン技師の乱暴さと失礼さが目にあまるので、コボちゃんは決してこの男をボクに触れさせようとはしない。けれども、この男は、早く仕事を済ませようと、ボクの術衣の肩の部分を、バイキンでもつまむようにして立たせたり、動かそうとする。そこでボクが爆発した。相手の無礼を指摘したのだ。患者を物体としてしか扱わない態度は、医療従事者の風上にも置けない。もっと許せないのは、このレントゲン技師、レントゲン室のドアをきっちりと閉じないことだ。ドアノブの開閉操作が面倒なので、キーをロック状態にしておいて、パタパタとフリー状態になったドアを開け閉めしているのだ。これでは室外にいる人間たち、たまったもんではない。放射線の浴び放題になってしまう。そこで、医療従事者であるコボちゃんが抗議。やっとドアノブを回してドアを開け閉めするように修正したらしい。さて、この技師、これだけの手抜きをするから、よほど忙しいのかといえば、そうではない。ボクの撮影の前後では、誰かとずっと無駄話をしているのだ。いつも思う。自分の仕事を愛せないのは悲しいことだ。 スカイツリーのおかげで、透析中のFM放送が雑音だらけになってしまった。ただ、東京FMだけは音質が変わらない。今夜も「柳家喬太郎(やなぎやきょうたろう)のきんきら金曜日」を楽しむ。もしも落語ファンであったなら、この番組は猛烈にお勧めである。 GW直前の金曜日だからプロ野球のゲームがない。当然、中継もない。そこでTBSラジオではプロ野球の特集をやっている。新しい監督や活躍している選手たちが続々と出演するのである。それにしても、どうしてスポーツ選手は正しい日本語を使わないのだろう。まず、100パーセントが「ら抜き言葉」を使用する。もしかしたら、プロ野球関係者が「ら抜き言葉」を普及させたのではないかと疑いたくもなるくらい。偏見といわれてもいいが、どうしたって「ら抜き言葉」はおつむのいい印象は与えない。スポーツ選手、脳味噌まで筋肉でできていると想われても仕方がない。 ローマンコンクリートというものがあるらしい。ナポリの火山灰とセメントを練り合わせると、自然物とは思えないほどの強度になるらしいのだ。その耐久性は1万年。現代のコンクリートの建築物の寿命が60年といわれているから、考えられない堅牢さである。けれども、ローマのコロシアムが健在だったり、ローマの水道が現在も使用可能なので、それも充分に納得できる。ローマンコンクリート。このテクノロジー、今の世の中に復活できないものだろうか。 ローマンコンクリートで思い出したが、この技術により、ローマには複合施設が次々に建設されていく。その代表格が当時のスパ、つまり大衆浴場である。ローマン風呂あり、スチーム風呂あり、運動場あり、談話室あり。ローマンコンクリートと統一された規格のレンガの複合で、組み立てパズルかレゴのように、複雑な構築物ができていく。そのひとつが、皆様ご存知のカラカラ浴場である。 またまた自慢話と想われても仕方がないのだが、ボクがカラカラ浴場を訪れたとき、期待とは裏腹に、そこはただの廃墟で、浴場らしき雰囲気は皆無であった。ところが、鉄柵で閉鎖された地下への入り口が見つかったのだ。一緒に旅をしていたカナダ人のヒッピー野郎が、中に入ろうといい出した。冗談ではない。中は真の闇。奈落の底へ真っ逆様。懐中電灯はないし。そこで思い当たったのがカメラのストロボ。闇に向かってストロボをたき、その残像を頼りに奈落の底への階段を降り始めたのだ。でも、数段で足が進まなくなった。背後ではいかれたカナダ野郎が「早くいけ」とせっつく。いや、やめた、やめた。危険だから鉄柵で閉鎖してあったのだ。地中にどれだけ豪華な浴場パラダイスがあろうとも、命を失っては何にもならない。と、そこで引き返したから、今でもこんなくだらない文章を書けているわけだ。思い出すだけで肝が冷える記憶のひとつである。 透析が終わり、しとしとと雨の落ちる帰り道、とてもお世話になったNさんの訃報を知る。4月19日、94歳。合掌。ご冥福を祈る。 帰宅してテーブルにつくと、デブネコのミミを膝に乗せ、ホッとウィスキーをたしなむ。すると、アルルが足元にやってきて、ため息をつく。アルルだって膝に乗りたいのだ。さて、このアルル。今夜は別宅のおばあさんネコのナンナンとご対面、踊り場で遭遇した。ナンナンは推定18歳の長寿猫。とはいえ、忍者猫の異名をとるナンナン。アルルはそのポテンシャルを瞬間に見抜いたのだろう。外で猫と観れば追いかけるアルルが、ベテランマダムのナンナンを前にして固まっていたという。別宅のナンナン、独りでいないでアルルと仲良くやれたなら、みんなで一緒に遊べるのだが。 ▲ 小糠雨故郷想う花水木(はなみずき)
0428・土・ 5時半より活動開始。土曜日だから「おはよう一直線」はないし、4月からNHKラジオの朝の番組編成も変わってしまい、「当世キーワード」も行方不明のまんま。だから、お茶の時間までパソコンに向かうのだ。 今朝のNHK「ラジオ文芸館」は再放送。焙煎工房のコーヒーを味わいながらゆっくりと聴く。とても印象に残っている作品で、筋書きはしっかりと記憶しているのだが、読書と同じで、朗読も耳にした回数だけ違う体験をさせてくれる。言葉は限りなくイマジネーションを刺激するのである。 最近、ニートではなくて、ピアニートという言葉が流行っているらしい。音大を出ても、芸大を出ても、ピアニストが食べていけるという保証はない。そこでピアニート、というわけである。職業選択も重要な課題だが、生活力の養成はもっと重要な課題かもしれない。世の中にはパラサイトシングルも増加している。しかも、そのシングルが中年世代になりつつあることも驚き。いちばん元気なのはシニア世代、つまり団塊の世代、ということかもしれない。確かに我々は競争で鍛えられ、生活力だけは養われたかもしれない。 青木裕子軽井沢朗読館館長から電話。パリでの朗読会の準備のため、渡仏するという。そのとき、青木館長とエム ナマエの朗読画集『銀河鉄道の夜』を持参すると聞いて名誉なことと感激する。魂をこめた仕事は、きっと雄弁に語ってくれることだろう。 「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件の元社長が自己破産を申請したと聞く。油断の結果がこれである。東電も安全対策をケチった結果が事実上の倒産、永田町や霞ヶ関のお力で崩壊せずに立っている。けれども、国家の原子力行政の失策は企業と政府と行政の連帯責任であることは間違いない。ただ、そこに投入される金が国民のものであることもまた事実なのである。 TBSラジオで立川談志追悼落語会の宣伝をやっている。弟子が師匠の優しかった思い出を語っている。それを聞いていて、思わず胸が熱くなる。立川談志、本当に心遣いのある師匠だった。ボクも家来として、叱責されたこともあるが、お手間をとらせたり、ご足労いただいたり、優しい言葉をいただいた記憶が数々ある。その現場にいつも一緒にいたコボちゃんも、談志師匠の優しさを痛いくらいに知っている。残された弟子たちにより、立川談志伝説は未来永劫語り継がれていくことだろう。 夕方、豪徳寺まで散歩する。暖かいし、天気もいい。いつもの花壇に座っていると、右隣の立ち飲み居酒屋から景気のいい声が聞こえてくる。向かいの寿司屋の女将さんがアルルに挨拶にきてくれる。200円から250円に値上がりしたとはいえ、格安ラーメンの「満来」の前には行列ができている。豪徳寺駅前も、世田谷線山下駅前商店街も、初夏の雰囲気に包まれていた。 テイクアウト専門の中華料理店「好吃」(はおつ)で海老チリソースと八宝菜を作ってもらう。コボちゃんは焼き豚饅頭と老酒も忘れない。このお店、味は本格的なのに、値段が驚くほど安価なのは、キッチンだけで、店を構えていないからだ。おまけに奥さんが明るくて気遣いがある。黒い大型犬を連れた盲人とコボちゃんのカップルを、しっかり覚えていてくれる。 NHKラジオ第二「朗読の時間」再放送をBGMに老酒をちびりちびり。お腹はプリプリの海老チリソースと椎茸たっぷりの八宝菜で満腹なのだが、根性がいやしいから、まだまだ飲んでいたい。酒の肴は「好吃」(はおつ)の山椒ラッキョウと宇野浩二の小説。生きたこともないくせに、ボクはどうして大正時代から昭和初期にかけてのこの時代に、これほど懐かしさを覚えるのだろう。不思議でたまらない。 ▲ 酒瓶を抱いて戻るは春の宵
0429・日・昭和の日・ 3時半に目覚めてしまい、もう眠れない。そこで活動開始。明日の浜松展覧会の搬入に備えて業務連絡など、必要な手続きの準備をする。 いつものように6時になれば、文化放送で志の輔(しのすけ)ラジオ「落語でデート」が始まる。今朝のお相手はヨガのインストラクターでモデルで女優というギャルである。志の輔(しのすけ)師匠、膝がガタガタであるらしく、その矯正法を伝授されている。師匠、けっこう真面目に呼吸をやったり、背筋(せすじ)を伸ばしたり。きっと、本当に膝を治したいのだろう。落語は三代目の三遊亭金馬(きんば)師匠。『三人旅』という根多(ねた)は落語ビギナーにもわかり易い。しかし、こうした筋書きのはっきりとしない演目は、演者にとっては簡単ではないのである。 今年最初の夏日となる。部屋を気持ちのよい風が通り抜けていく。アルルもミミもポッポも静かに眠っている。だからボクも昼寝をしよう。 内閣広報室のS審議官と熱きメール交換。原発再稼動議論についての情報をいただいたので、それについての意見を述べたら、審議官から誠実な返信をいただいたのだ。S審議官、元TBSのキャスター。一般官僚とは目の付け所が違う。現職の内閣審議官と意見交換できるのは貴重な経験だと想う。S審議官のご活躍を祈る。 審議官とメール交換中に地震。東京で震度3、千葉で震度5弱の強い地震である。震源は千葉沖、マグニチュードは5.8だった。これも東日本大震災の余震のひとつだろうが、いつまで続くかわからないこれら余震が、更に大きな地震の引き金にならないことを祈っている。稼動していようが停止していようが、原発が停電するような事態になれば、いつだって福島原発と同様の危機が発生するのだ。 福島原発事故でボクが出動して欲しいと願った戦車という車両が自衛隊にはある。戦車の分厚い鉄板装甲は放射能を通さない。おまけに、どんな瓦礫も乗り越えて走行できるから、事故原発まで、消防車を誘導できると想ったからだ。ところが、これら自衛隊の戦車にはウィンカーが装着されていると聞いて驚く。いや、あきれる。方向指示器をチカチカさせて、交差点で信号待ちをしている戦車なんて、ちっとも強そうには見えない。方向指示器を点滅させる癖がついて、いざ実戦となったとき、戦場でもチカチカさせたら、敵のいい目標になるだろうし、行き先もバレてしまう。やっぱり、戦車という乗り物は道路交通法の適用外にした方がいい。 ラジオでボーカロイドのはつねみくの歌を聴いた。つまらなかった。せっかく最高のデジタル技術を駆使して歌わせるのだったら、もっと違う声があるような気がする。あれだったら、普通の子どもに歌わせた方がまし。いくら将棋で人間に勝てるようになったからといって、歌でも勝てると想ったら大間違い。 この日曜日、夜のNHKラジオのニュースは阿部陽子アナウンサーが担当。よく知っている声がラジオから流れてくると安心する。また彼女の朗読を拝聴したいものである。 作品搬入に備えて、ボクもコボちゃんも早寝をする。明日は朝いちばんで、額装作品の積み込みなのだ。 ▲ 黒い犬お腹丸出し薫る風
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2012年4月16日〜22日 |
☆ この日記は、透析患者が病人ではなく、機械が腎臓の仕事をしてくれる以外は、一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、漢字や熟語、固有名詞には振り仮名がしてありますが、漢字の難易度とは関係がありません。これらの振り仮名は視覚障害者のための音声モニターを容易にするためのガイドです。
0416・月・ 二日酔いにもならず、5時かっきりに目覚めて活動開始。ひさびさ、「おはよう一直線」の運勢占いもチェックする。ラッキーレベルは星がふたつでスタンダード。この運勢占いが確認できると1日のリズムができてくる。でも、まさか。だって、ボクは別に占いを信じているわけではないのだ。 コボちゃんが、あの胡麻虫君(ごまむしくん)、去年より大きくなったといっている。もしも本当ならば、今の虫君、やっぱり去年の虫君が成長したものかもしれない。そう思いたいが、どうだろう。もしも虫たちが冬を越して、爬虫類みたいに長生きすればするほど成長するような生き物だったら、体長30センチのカブトムシやトノサマバッタ、カマキリなんかもいるはずだ。でも、それでは困るのだ。だって、体長1メートルのゴキブリなんか、考えただけで気が遠くなる。でも、ご安心。節足動物は体の構造上、そんなに大きくはなれないのだ。メガヌロンという巨大トンボの化石が出土するが、その30センチという大きさが、昆虫の成長限界であると思う。蟻を考えても明らかだ。もしも連中が人間と同じ大きさだったら、その強さは想像を絶するものだろう。と、くだらないことを書いてしまった。 午前中からパソコンに集中。おかげで、今週はブログの17文字原稿も最速で仕上がりそうである。やっぱり、話題はホッとな方がいい。 国立大学とか六大学とかいうカテゴリーとは別に、マーチという大学のトレンドがあるらしい。何だろうと思っていたら、わかった。マーチとはMARCH。つまり、明治、青山、立教、中央、法政大学のこと。このグループに人気が集中しているらしいのだ。 月曜日の透析はプロ野球中継放送がないからつまらない。だからFMをずっと聴いている。NHKの19時のニュースもFMでやっているのだ。最近のピストン西沢のDJ、ミックスマシーンはヤケノヤンパチという印象がある。ヤケノヤンパチであれだけのミックスができるのだから、彼はやっぱり天才なのだ。-Jam the World-の月曜を担当する野中ナビゲーターも、もしかしたら天才かもしれない。この人の頭脳の回転ぶりは快い。今夜の彼のコメント、 「ミサイル発射に失敗した北の国も面目丸潰れだが、Jアラートを機能させられなかった日本はそれを笑えない。面目丸潰れ(めんぼくまるつぶれ)はお互い様だ」 には納得。でも、この国の政府は、ずっと面目丸潰れ(めんぼくまるつぶれ)のような気がする。 今週のケースファイルでは、占い依存症を解説するという。ボクの毎朝の運勢占い遊び、これは占い依存症ではないと思うが、人生は不安に満ちて保証はない。そんな人生で占いに頼りたい心理は充分に理解できる。それでする商売も認められていい。ただし、支払う金額や依存の程度は、どこまでも「ほどほど」にしておくべきである。週刊誌のネタにされるほどの浪費は避けるべきなのだ。 ブレてるという噂の大臣がまたまた口を滑らせた。でも、瞬間だけでなく、すべての原発にずっと黙っていて欲しい。どこかの首長の、使用済み核燃料の中間処理場を電力使用地域に担当してもらいたいという意見があったが、原発は動かせば動かすほど始末の悪い結果を作っていく。放射性物質の最終処分が不可能であるならば、即刻に原発は停止して、核廃棄物を最小範囲にとどめるべきであろう。放射能と温暖化、どちらも怖いが、優先順位は明らかだ。 今夜もコボちゃんのカウンセリングをしながらのホッとウィスキー。話に耳を傾け、夢中でしゃべっていると、たちまち日付は変わり、時計は25時を過ぎてしまう。ああ、いけない。せっかく早起きの習慣を取り戻せそうなのに。 ▲ ミニバイク桜のトンネル花吹雪
0417・火・ 今朝もやっぱり朝寝坊。6時半の起床では、運勢占いも暮らしのリズムも逃してしまう。でも、春眠暁(あかつき)を覚えず。長かった冬から脱して、肉体が休養を求めているのだ。 「お話出てこい」は『王様とチーズと鼠』という童話。大きなお城の王様はチーズが大好き。それを鼠がかじる。猫に鼠を追い出させると、猫がのさばる。犬に猫を追い出させると、犬がのさばる。ライオンに犬を追い出させると、ライオンがのさばる。ゾウにライオンを追い出させると、ゾウがお城をのっしのっしと歩き回る。そこで王様、鼠に頼んで、ゾウを追い出してもらう。ゾウは小さくてチョロチョロと動く鼠が大嫌いなのだ。王様と鼠たち、仲良くチーズを食べて、大きなお城で仲良く暮らして、めでたし、めでたし。初めて聞いた物語だったが、中近東に伝わる童話であるらしい。 先日、絵本作家のきむらゆういち氏が、近所のファミレスにボクの絵本が置いてあったと、シャメを送信してくれた。その絵本『ちょっとそこまでパンかいに』が増刷されたとの知らせがある。1981年初版のこの絵本、絶版にされることなく、今も評価していただいていること、本当にありがたい。何も考えず、夢中で仕事をしてよかった。心からそう思う。 窓の外で雷鳴がしている。上空に冷たい空気がやってくるとは聞いていたが、やっぱり。不安定な天候になりそうだ。 同じ人物が、あんまり長く東京都知事などやっていると、考え方が硬化してよくない。いや、脳味噌が軟化してよくない。東京都が尖閣諸島を購入すると言い出したのだ。都知事閣下は、中国に対する政府や外務省の態度が気に入らない、ということらしいのだが、おいおい、ちょっと待ってくれ。東京都が購入しようと、日本国が購入しようと、尖閣諸島の所有権は獲得できても、領有権を獲得できるわけでもないし、領土問題が解決するわけでもない。問題の海域に石油が埋蔵されていることが判明して以来、中国も台湾も、尖閣諸島の領有権を主張するようになった。尖閣諸島に領土問題は存在しない、というのが日本国政府のスタンスであるならば、ここで東京都知事が静かな池を引っ掻き回して、無駄な波を立てる必要はない。そもそも領土問題や領有権を金で買収しようという発想自体がお坊ちゃま(おぼっちゃま)の反応なのではあるまいか。やっぱり、苦労を知らない人間の考えはコワイ。 夜、コボちゃんと経堂駅前の喫茶店で役者さんたちが演ずる素人寄席にいくことになっていた。ところが、コボちゃんは昨夜からひどい鼻風邪で、鼻水が止まらない。そこで、コボちゃんに店まで連れていってもらい、いちばん前の席に座らせてもらう。寄席が終われば、ケータイでコボちゃんに連絡。迎えにきてもらう、という寸法だ。 実はこの素人寄席、某実力派の真打の落語家が内緒で出演することになっている。そして、この落語家、ボクが最も敬愛する師匠。コボちゃんが最前列の席にボクを座らせた途端、師匠が現れる。 「やあ、先生」 「やあ、師匠」 と、ここではお互い、その呼び方はやばいです。 役者さんたちの落語はなかなかに見事なのものだった。演ずる、ということに共通点はあるだろう。けれども、どんなに優れた役者さんが落語を演じても、それは役者が落語家を演じている、ということにしかならないのかもしれない。ところが、本物の師匠は落語を演じるのではなく、落語そのものに化けてしまう。落語家はひとりで舞台であり、ひとりですべての登場人物であり、ひとりで世界となる。誰かひとりの人間を演じる役者さんとは立っている場所が違うのだ。一部の役者さんは、自分のお好きな落語家を見事に模倣して演技しておられたが、残念ながら、それは落語の形ではないのである。けれども、役者と落語家のこのコラボ、お互いの学びとなるいい機会。これからも続けていただきたい。 この覆面師匠、実は柳家一琴(やなぎやいっきん)師匠。秘密暴露に当たっての、師匠のメールを、ご許可をいただいてここに転載させていただく。 柳家一琴です。 メール拝読いたしました。私の名前、出しても大丈夫ですよ。いっこうに構いませんので。 あの日、名前を隠して小とらの名前で高座に上がったのは、実は試したいことが2つあったからでした。 1つは、素人という体(てい)で高座に上がったら、お客様の反応はどうなるのか・・・。今、どこへ仕事で行っても、柳家一琴といえば、名前は知られていなくても、「柳家と言うくらいだからプロだろう」という目で見られます。ましてや真打ちと聞けば、それなりの落語はやるだろうとお客様も思って聞いてくれます。お客様の聴く体勢をまっさらな常態にしたら、どういう反応になるかを試してみました。 そしてもうひとつは、素人と言うことで落語をやると、自分はどれだけ気楽に出来るだろうか・・・ということを試しました。 やはりプロと言うことで、多少の責任感は持たないといけませんが、素人ならば、噺家になる前のように、純粋に落語を愉しむことが出来るんじゃないだろうか・・・。 この2つを試させて貰ったのですが、想像以上に自分にとって成果のある高座となりました。こんなに楽しみながら落語をやったのは久し振りでした。 ということで、あの日までは内緒にさせて頂きましたけど、今はばらして頂いても、いっこうに構いません。 ということで、よろしくお願いいたします。 一琴拝 コボちゃんとアルルが迎えにきてくれて、ボクは柳家一琴師匠に見送られ、店を後にする。アルル、役者さんたちに受けていた。 コボちゃんが経堂駅前コルティーで買い物をしている間、ボクはアルルを率いて待機。このコルティーという施設、ボクが長く暮らしていた小田急経堂アパートを壊して建て直した建築物。失明したボクにとっては、どうしても昔の景色が見えてくる。そんなことを考えていたら、コボちゃんが戻ってくる。ボクの足元で盲導犬の真似をしていたアルル、コボちゃんに褒められてゴキゲン。 帰宅して白ワインを傾けながら、24時のニュースを聴く。でも、さっきの落語で、ワインを2杯も飲んでしまったので、眠くてたまらない。ニュースと睡魔の一騎打ち。でもやっぱり、知的好奇心は睡魔の敵ではなかった。 ▲ 春雷に犬が寝床でこけている
◇ バーチャル四国八十八カ所コース 36番、青龍寺を夢想参拝、通過しました。 次は37番、岩本寺。 あと115,467歩です。 現在の歩数892,333歩。 1周目挑戦中!
0418・水・ ずっと朝寝坊が続いていたので、今朝は何が何でも音声腕時計のアラーム通りに目を開く。おかげで「おはよう一直線」の運勢占いに間に合った。ああ、それなのに、それなのに、ラッキーレベルは最低。だから、すぐに忘れることにした。 曇りの天気予報は外れ。空は見事に晴れている。そこで、豪徳寺へ散歩。日陰を歩かないと暑くてアルルの頭が煮えてしまう。ボクも革ジャンなど着てきて悔やむ。室内にいると、空気の冷たさで、日向の暑さがわからないのだ。 豪徳寺駅前花壇に座って、冷たい缶コーヒーを飲もうと思っていたら、コボちゃんが買ってきたのは熱い缶コーヒー。だからといって、自販機は冷たい缶コーヒーに交換してはくれないので、コボちゃんはマクドナルドへ走った。けれども、コボちゃんはマックシェイクなど買ってきている。チェリーフレイバーだけど、ボクはおいしいとは思わない。やっぱり、マックシェイクはバニラに限る。ボクは今年初めてのアイスコーヒー。とうとう、砕いた氷をありがたいと思える季節になったのだ。 季節がよくなったせいか、散歩のワンちゃんたちに次々に出会って、アルルはゴキゲン。ウハウハいっている。世田谷線の線路脇のタンポポが満開であるらしい。葉桜と見えるのが、本当は何の木かわからない。厳しい冬が長かったせいで、今年は東京でも、雪国の春のように、梅も桜も木蓮もぼけも、一斉に花を開いてしまったのである。 デザイナーのマモさんが打ち合わせに来訪。コボちゃんが出かけているので、お茶も出さずに失礼をする。けれども、楽しく談笑。失明してからというもの、ずっと安心して仕事を委ねられるデザイナーとの出会いを切望していたので、マモさんと知り合ったことは大いなる幸せだった。彼は新しい本のコンセプトをしっかりと理解してくださり、ボクの要望を全面的に把握してくださった。きっといい本になる。愛育社もそういって大いに期待していると伝えてきた。 帰宅したコボちゃんが、マモさんのお土産のお饅頭をおいしいと食べている。餡子の塩梅(あんばい)がよくて、小豆の味と香りがするらしい。ボクにはわからないが、甘党人種は餡子に特別なこだわりがある。とはいえ、ボクも祖母の作ってくれた餡子や、幼馴染の「いせや」の作る餡子は旨いと思う。 透析中は片耳でプロ野球を観戦しながら、片耳でニュースに傾聴。あれやこれやと思いを巡らす。見えない分だけ、空想が空を駆け巡る。 首都直下型地震の際に予想される液状化で、銀座や日本橋の建物も破壊的な影響を受けるらしい。考えてみれば、日比谷公園も皇居も、その昔は波打ち際であったとか。そうなると、銀座界隈の地下鉄や地下道も恐怖だ。東京駅の地価には、地下街や線路が蟻の巣のように張り巡らされているが、液状化はもちろん、津波に対していかなる防御がなされているのだろうか。東京湾北方を震源域とする直下型地震の想定が変わり、その被害予想もかなり刺激的になってきた。東日本大震災で、想定外という経験をいやというほどさせられた反省ではあろうが、常に最悪を想定する危機管理を、この国はやっとマスターしたのかもしれない。 帰宅して、「ラジオ深夜便」をBGMにホッとウィスキーをちびりちびり。今週のナイトエッセイ、珍しくつまらない。語学講師であるそうだが、この人に個性も知性も感じない。ただ、書いた原稿をへたくそに朗読しているだけ。聞く人によっては面白いのかもしれないけれど、ボクは陳腐な内容だと思う。優秀な語学講師という紹介だが、ボクだったら、すぐに生徒をやめるだろう。「ラジオ深夜便」にしては驚くようなミスキャストだった。 というわけで、ラジオを消して、今夜もコボちゃんのカウンセリング。やっぱり話が長くなり、就寝が遅くなる。もしかしたら、明日も朝寝坊かもしれない。 ▲ 葉桜の下で冷たい缶コーヒー
0419・木・ やっぱりひどい朝寝坊。ケータイ君のモーニングコールも、音声腕時計のアラームも効果なし。7時半まで熟睡してしまい、目覚ましのことは何も覚えていなかった。 デブネコのミミとキジバトポッポがバトンタッチ。ポッポ、コボちゃんの誘導で鳥篭から放たれて、少しはばたいてから着地。新聞紙の運動場へトコトコと歩いていく。窓は開放してあって、ポッポは網戸越に外キジバトたちと挨拶をするのだ。 朝のコーヒータイム。BGMはJ-Waveの-Tokyo Morning Radio-。ナビゲーター、慶應義塾、KESS出身の役者の別所さんは、いつもいい感じ。今朝は野生化したインコの話題で盛り上がっている。このブログにも登場する、例のあの緑のインコのことである。番組にはインコ目撃のメールやツイートが続々。でも、やっぱり以前から有名なのは経堂や豪徳寺のインコ集団であると、ボクは思っている。このインコ、インドやスリランカが原産であるという。こうした生き物の野生化は温暖化とヒートアイランド現象の結果。楽しいこともあるかもしれないが、どこかで迷惑している生き物もあることだろう。九州、宮崎県では南国の生き物、キノボリトカゲが上陸して繁殖しているとか。連中の好物は木の上の昆虫。そうなると、その昆虫を餌にしている鳥たちが迷惑をすることになるのだ。 ラジオタイムは筋力運動とストレッチ。夏に向けて、ちょっと落ちてしまった筋肉を再生させたいのだ。筋肉が落ちると、ジャケットもTシャツも似合わなくなって着られない。 どこの世界にも、あっちで聞き耳、こっちで噂、そして要らないことで、ご注進という人物がいる。こういうのが厄介を起こす。静かな池に波紋を発生させるのだ。ボクの近辺からは、こうした人物にはできるだけ遠ざかっていただくようにしているのだが、だからといって、消えていただくわけにもいかない。そこで、ときどき人間関係がおかしくなる。特に、こうした人物は有名人が好きだから、名のある人が迷惑をこうむるケースが多い。今朝も、とある著名人から電話があり、件(くだん)の人物についての憤慨を聞くこととなった。そこで得意の心理分析をして、件(くだん)の人物を客観的に描写、波立った心をおさめていただいた。 韓国国防省が北朝鮮全域を射程とする巡航ミサイルを配備したと伝えた。このミサイル、建物の窓枠ほどの標的に命中させる能力を有するという。ということは、三代目の将軍様が隠れている場所を的確に攻撃できますよ、というアピールかもしれない。ただ、先代の将軍様が「韓国とは絶対に戦争をしてはいかん」という遺言を残したというから、戦争ごっこはぜひともポーズだけにとどめておいていただきたい。先日の北朝鮮の軍事パレードに登場した大陸間弾道ミサイルは中国製という噂もある。どこの国も、抑止力というレッテルを貼り付けた戦争ごっこのおもちゃを持ちたがる。今夜、インドが射程距離5千キロ、核弾頭搭載可能なミサイルの発射実験を行った。自国を射程距離におさめられた中国も面白くないが、北朝鮮は、このインドのミサイル発射実験をどう見ているのだろうか。やっぱり、不公平だと思っているのだろうな。 室内徒歩運動をしながら「デイキャッチ」を聴く。上司にしたい有名人ランキングをやっていたが、結局は人気投票になっている。たとえばベストドレッサーとか、たとえばベスト眼鏡の似合う人とか、ランキングはいろいろとあるが、どれも人気投票。どれも似たり寄ったりの結果となる。そもそも、人気者の上司が有能であるという保証はない。むしろ、人気者であろうとする気質が、部下を駄目にするかもしれないのだ。 ときどきプロ野球の経過をチェックしながらパソコンに向かっている。巨人軍、実力を発揮して、どうやら負けているようだ。ヨコハマも勝てない。ここの新しい監督、特に嫌なわけではないが、ボクは苦手である。だから、というわけではないのだが、やっぱり勝てないような気がする。頑張っていただきたいのが広島カープと東京ヤクルト。もちろん、宮城の楽天も応援しています。 FMJ-Waveの-Jam the World-が終わると、21時50分からホルスクラブが始まる。人気アナウンサーの秀島文香(ひでしまふみか)さんが絵本やショートストーリーを朗読する番組である。今週は星新一のショートショート特集。ここで語られている未来、今のボクらの現実であるところが不思議、というより、懐かしい。つまり、昔のSFは、既に懐かしい未来になっているのだ。 さて、この番組はちょっと以前から始まっていたのだが、あんまりいい番組だから、実は内緒にしていたのだ。TBSラジオのラジオブックがなくなってから、こうした毎晩の朗読番組の存在は貴重である。最近のFM、ますます内容が充実。AM、ぼやぼやとはしていられない。 ▲ 青信号蒲公英揺れて猫渡る
0420・金・穀雨・ 5時半より活動開始。今朝の運勢占い、ラッキーレベルは低調。トラブルが続くかも、とのこと。続いてたまるものか。 ボクは占いについては、いいことしか参考にしないことに決めている。というのは、悪い占いを気にしていたら、とんでもない運命に遭遇した経験があるからだ。占いは過剰に頼ってもいけないが、やたらに軽視してもいけない。ゲームかギャンブルのつもりぢ楽しむのが気楽でいい。 NHKラジオ第二、「お話の旅」は『星の王子様』。えっ。あの大作をこの尺にダイジェストしちゃうの。まさか。そう思っていたら、このダイジェストが意外に気持ちがいい。役者さんのひとり語り、という形もよかった。もしも王子様を子役や女性の声優さんが演じていたら、陳腐な印象を拭えなかったかもしれない。ただ、ひとつだけ告白しなければならないことがある。実はボク、半分だけうつらうつらしながら、この放送を聴いていたのだ。もしも神経を尖らせて聴いていたら、違う印象があったのかもしれない。どんな名作も、脚本家の考えひとつで、駄作にされてしまうかもしれないのだ。 これまで、何度か話題にしてきたのが自慢のコーヒー、エム ナマエスペシャル。実はこのコーヒー、ボクの要望通りにコーヒー豆を焙煎してくださる焙煎工房のおかげである。ところが、その焙煎工房が6月に閉店してしまうことを知る。このオーナー、某有名外資系の化粧品会社のエグゼクティブであった経歴を有するインテリ。そのオーナーが一大決心をして、某有名大学に歳入額をすることになったのだ。このまま加齢して、散歩を生き甲斐とするようなただの老人になりたくない。これが彼の意思であるという。心から満足できるコーヒーを楽しめなくなってしまうことは残念だが、友人の新しい人生の船出を祝う気持ちもある。というわけで、コーヒー豆を6袋注文した。 浜松展覧会のキャプション原稿を制作している。ポイントは作品と言葉のカップリング。この組み合わせによって、見る人のイマジネーションを広げるお手伝いができる。漫画や俳句がそうであるように、ふたつ以上の要素が融合したり反発することによって、まるで新しい視野が開けるのである。でも、この作業は単純なようで、猛烈に時間がかかってしまう。ボクらの仕事は、こうした地味な作業の積み重ねなのだ。 透析へ向かう道、雨がぽつりぽつり。洗車したばかりのクオリスのフロントグラスに雨粒があたる。するとコボちゃん、「洗車すると雨になるんだから」とお天道様に八つ当たり。 透析中はプロ野球中継とFMのいったりきたり。柳家喬太郎(やなぎやきょうたろう)師匠は漫才の謎かけ名人、ネズッチと謎かけ問答。さすがの喬太郎師匠も、ネズッチにはかなわない。 巨人軍、ますます実力を発揮していて、どこにも勝てそうな雰囲気がない。今夜、ヨコハマが本拠地のヨコハマスタジアムで初めて勝利したので、中畑監督、泣きそうな感じで饒舌(じょうぜつ)になっていた。これでヨコハマと巨人軍、負け数で並んだ。さあ、明日はどうなる。今年のセリーグ、面白い。 熊が無駄に殺されている。熊牧場の熊が射殺されるのも、札幌近郊に出没した熊が殺されるのも、すべて人間の事情、人間の勝手である。ニホンオオカミを絶滅させたように、日本から熊を消してしまおうというのか。熊は愛すべき猛獣。人間に知恵があるのなら、彼らとうまくやる方法を確立しなければ、我々人間はますます寂しくなってしまうのだ。 透析より帰宅して、有線放送の落語チャンネルをBGMにホッとウィスキーをちびりちびり。シーバスリーガルというスコッチだが、この酒、昔は超高級ブランドだった。でも、本当はそれほどの酒ではない。昔、舶来品はそれだけで価値があるように思えた時代があったのだ。そんな酒ではあるが、ホッとにして飲むと、香りが立って旨い。落語とウィスキー、いいカップリングである。 ▲ 春愁や音をたててるキーボード ▲ まだ癒えぬ津波の跡に穀雨かな
0421・土・ 6時より活動開始。週末の朝のNHKラジオが変わってしまって、とりあえずのボクのフェイバリットがない。というわけで、パソコンに集中する。 毎朝、ボクがアルルに御飯をあげている。シニアのドッグフードだ。でも、それだけではない。毛並みと毛艶を維持するため、アルルは三角チーズを丸ごとひとつ、食べている。つまり、デザートというわけだ。そのまんまであげると、丸呑みしてしまうので、ボクが指の先ほどに小さくちぎる。そして、ワンピースずつ「OK」の号令の度に与えるのだ。この「OKだが、人間の耳には聞こえないほど、声が小さい。そこでアルルはボクの挙動に集中する。これでアルルとボクとのコミュニケーションを濃密にしていくわけだ。OKが出ると、アルルはボクの指先のチーズを食べるわけだが、指でつまんだ指先ほどのチーズだから、ボクの指をかじらないように食べるのが難しい。そこで、舌と唇だけで器用にチーズだけをくわえる。もしも、鋭い歯がボクの指先に当たったりすると、ボクは大袈裟に痛がる。ちょっと意地悪をして、指先でチーズをかくしてしまっても、アルルは歯を当てないようにして、実に巧みにチーズだけをくわえていく。こういうとき、ボクは犬という生き物の素晴らしさに感動するのだ。 8時からのNHK、「ラジオ文芸館」は再放送で『声』という作品。女流作家が、やはり作家だった夫の死を受け入れていく段階を描いていく。であるが、物語の進行に連れて、この物語が事実に即していることが明らかになっていく。以前、この「ラジオ文芸館」にもかかった『梅の蕾』という小説は、この亡くなった夫の手によるものであったのだ。不勉強なボクが、この女流作家や、ご主人がいかに著名な作家であるかは不案内だが、少なくとも、この「ラジオ文芸館」のヘビーリスナーであるおかげで、その事実に気がついたのである。 早速、焙煎工房から焙煎したばかりのコーヒー豆が届いた。これを我が家のコーヒーミールにかけると、部屋中の香りが喫茶店になってしまう。けれども、この薫り高いコーヒー豆が入手できなくなってしまうと思うと、本当に惜しい気持ちになってしまう。 NHKラジオの「真打競演」から、なだこうじとモダンカンカンの声が聞こえてくる。かわだはるひさとあきれたボーイズの流れの、あの名調子だ。リーダーのなだこうじさん、83歳になられたとか。このメンバーの平均年齢が何歳になるのかは知らないが、お元気に活躍されているのを耳にすると、嬉しくなってしまう。浅草の、このボーイズの演芸の伝統、消えないで残ってもらいたい。 当初の予定だと、本日は午前中から夜まで、終日予定が詰まっていたのだが、コボちゃんに緊急招集がかかり、予定が変更になってしまった。となれば、仕事をするしかない。 少し前、ラジオから太陽が冬眠するかもしれない、というような話題が聞こえてきた。放送時間が足りなくて、詳しい情報は流してもらえなかったのだが、それに関する記事が飛びこんだ。それが太陽磁場の反転である。記事を読んでも、ネットで調べても、正確には理解できないのだが、太陽という巨大なシステムも、生き物のように新陳代謝をしているらしい。太陽コロナやフレアは、その象徴であるらしいのだ。太陽黒点は11年周期で活動が活発になるが、黒点は太陽活動のバランスを補正しているらしい。さて、この太陽磁場の反転が地球温暖化を抑制する効果があるかもしれないと期待されている。こうして観測機器の進歩によって、次々に新しい発見や概念が明らかにされていくが、炭酸ガスの温室効果による地球温暖化や、フロンガスによるオゾン層破壊など、本当のことだったのだろうかと、ときどき疑いたくなることがある。楽観も悲観もせず、ボクらは宇宙と地球の声に、静かに心を開いていたい。 コボちゃんが帰宅して、届いたばかりの新しい豆で早速コーヒーを入れる。この薫り高いブラックコーヒーは、チョコレートとの相性が抜群。けちけちと食べていた秘蔵の高級チョコレートがどんどん減っていく。 キーボードへの打ち込みの手を休めて、ときどきプロ野球中継に傾聴。巨人軍、今夜も実力発揮で完封負け。H監督、顔を真っ赤にして怒りを押さえている。でも、仕方がない。金満球団がどれだけ協力選手を集めても、勝てる勝てないは監督次第。いや、金で集められた選手には、球団への愛情がないのかもしれない。というわけで、巨人軍はヨコハマと入れ替わり、最下位となる。 深夜、パソコンの打ち込みで痺れた頭を、ホッとウィスキーでほぐしてやる。BGMはNHKラジオ第二の「朗読の時間」総集編。瀬川菊之丞(せがわきくのじょう)、というこの役者さんの朗読が、作品の雰囲気にぴったりで、たちまち昭和初期の浅草の空気に包まれてしまうのだ。そうして、大型グラスに2杯、ホッとウィスキーを飲んでしまう。だから、明日の早起きがちょっと不安。 ▲ 桜の木花がなければ普通の木
0422・日・ ゆうべのホッとウィスキーが残っているような気がしたが、5時かっきり、元気よく目覚める。なんとか、早起きのリズムを取り戻したいのだ。 文化放送の志の輔(しのすけ)ラジオ「落語でデート」、今朝のデートのお相手はシンガーソングライターの谷山浩子さん。まだ若い人と思いこんでいたが、もうデビュー40年と聞いて驚く。なかなかの知性派で、エッセイや小説なども手がけておられたと記憶している。今朝の落語は八代目三笑亭可楽(さんしょうていからく)の『猫の災難』。昭和38年の録音というから、ボクが中学生の頃である。もしもボクが、中学生の身分で寄席通いができていたならば、可楽(からく)師匠をはじめ、いろいろな名人のナマの高座を拝聴できたのに、と残念に思う。 ニッポン放送では藤沢周平の『夜の道』の第一回。町民を登場人物とする市井小説(しせいしょうせつ)である。さて、いかなる物語に発展していくのか、楽しみ。 事故のあった熊牧場、劣悪な管理状況であったらしい。そもそも、動物をよく知らない経営者が、利益追求のために動物を利用してはならないのだ。以前、ムツゴロウの動物王国へ取材にいったとき、ヒグマのどんめいと、ムツゴロウの弟さん、畑美喜雄さんが抱き合ってダンスを踊るのを見せていただいたことがある。小柄な美喜雄さんを抱くヒグマのどんめいは身長2メートルの巨大なヒグマであったが、その動きは優雅で、美喜雄さんへ対する思いやりに満ちていた。どんな猛獣であれ、愛情は通じる。飼育係を襲ったヒグマたちが、いかなる待遇を受けていたのか、それを考えるとつらくなる。 「世界最大・恐竜王国2012」の製作発表会が開かれた。先日公表された羽毛のあるティラノザウルスの復元全身骨格標本も展示されるとか。いや、骨格だけでなく、ぜひとも全身を復元していただきたいものである。長さ15センチや20センチもある羽毛をひらひらさせたティラノザウルスなど、考えただけでもわくわくする。以前、ウルトラマンシリーズで超獣という、やたらにデコレーションの派手な怪獣がぞくぞくと出現してあきれたことがあったが、今からして見れば、まんざら出鱈目でもなかったんだと、円谷プロの先見性をリスペクトする次第である。もしも、全身像を復元するのだったら、ぜひとも孔雀のような美しい姿にしていただきたいと願うのはボクだけではないだろう。いいなぁ、ピーコックザウルス。 パソコンに向かいながら、ちらりちらりとプロ野球中継。おや、今夜の巨人軍は負けていないぞ、と思っていたら、やっぱり敗北。これで5連敗。ベイスターズが負けて、最下位に並んだところが、再び単独最下位に転落。敗北監督にインタビューするアナウンサーが気の毒になってしまう。拝金主義とプレッシャー。ボクがいきなりアンチジャイアンツになった理由が、今年の巨人軍に顕著な形で現れている。残念なことである。 ふとNHKラジオに回したら、学芸会をやっている。新・日曜名作座。K子さん、人柄はいいのに、どうしてあんなに演技がへたなのだろう。不思議で仕方がない。 自然界に放たれた鴾(とき)に雛が生まれたとの知らせ。36年ぶりの、待望の雛である。この雛、大量のドジョウを食べて成長するらしいが、無事に立派な鴾(とき)として、日本の空にはばたってもらいたい。いつか、日本の空が鴾色に染まることを夢見てやまないボクである。 ▲ 長距離の荷台に残る桜かな
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2012年4月9日〜15日 |
☆ この日記は、透析患者が病人ではなく、機械が腎臓の仕事をしてくれる以外は、一般の人と何ら変わらなく暮らしていることを知っていただくためのものでもあります。また、漢字や熟語、固有名詞には振り仮名がしてありますが、漢字の難易度とは関係がありません。これらの振り仮名は視覚障害者のための音声モニターを容易にするためのガイドです。
0409・月・ 未明より活動開始。最近の夜明けは5時15分くらいだから、未明といえば、4時過ぎ、ということになるのだろうか。今朝のボクは4時から起きてパソコンには向かっている。ただし、はかどっているとはいえない。 今朝の運勢占いのラッキーレベルはスタンダード。おいしいものを食べろ、とのアドバイスだが、そういう予定はあまりない。いや、まるでない。 この運勢占い、ドメスティックにはかなり広く聴かれている。つい先日も、会食の席で、この占いが話題になったのを思い出す。嫌いとか、信じないという人でも、意外に占いの結果を気にするものである。 一般にはホタテのおじさんとして知られている安岡力也さんが亡くなられた。64歳ということである。暴れん坊として有名だったが、数千人を引き連れた番長だったという噂は本当だろうか。とにかく、喧嘩の強さでは有名であった。今朝が初耳であるが、彼の父親はイタリア系のマフィアであったらしいので、そのあたりは鍛えられていたのかもしれない。ただ、そういう話題とは関係なく、ボクは彼が好きだった。グループサウンド全盛の頃、エレキバンドのシャープファイブのバックボーカルを担当していた彼を、わざわざ渋谷のディスコクラブに聴きにいったこともある。ご冥福をお祈りする。 今、ボクはバーチャル四国八十八カ所コースというのに挑戦している。これはドコモケータイのサービスで、バーチャルに日本全国を旅して歩く遊びである。盲人のことであるから、そうそう自由には外を出歩くことはできない。だから、その歩数の大半はコボちゃんとアルルとで歩いた距離である。このサービスを開始したのは2009年の4月9日。本日が2012年の4月9日であるから、あれから丸3年をかけて、東海道や奥の細道を踏破し、今は四国を歩いているわけだ。本日までの累積歩数は6109208歩。これを3年で割ると、おおよそ5580歩、ということになる。本当をいえば、1日の目的歩数は1万歩なので、まだまだ精進が足りないことが明らかになってしまった。 戦時中、実は日本軍も原爆を開発中だった。ただ、電力不足でウラン濃縮ができなかったのだ。そもそも原発は原爆の製造装置。それを発電所として利用するアイディアは、当時のアイゼンハワーあたりの、原子力平和利用という欺瞞から出たことなのかもしれない。そして、当時も今も、原子力は人類のコントロール外にあることは変わらない。 さて、その戦時中の日本軍が開発していた新兵器に、音波殺人装置という代物があった。ただし、ネズミ1匹を殺すのに、10時間とか、10日間とかかかっていたというから、もちろん実用品ではない。10時間もかかって殺されるのではネズミが気の毒だし、もしも10日間もかかっていたのなら、それは音波殺人兵器によってではなく、飢えて死んだのであろう。さて、アメリカでもおかしな兵器を開発した。原理は電子レンジのようなものであるらしい。以下はそれに関するマキコ特派員配信記事の一部である。 電子レンジよりパワーが弱い最先端兵器」が開発されたのには驚いた。米バージニア州の海兵隊基地で3月、その奇妙な兵器のメディア向け体験会が開かれたが、体験した記者の感想もまた、何とも奇妙だった。 「なぜか分からない。しかし、突如沸き起こる熱?の、我慢できない体感だけは確かだ」 海兵隊のトレーシー・タフォラ大佐は、この兵器に関して、 「見えも、聞こえも、臭(にお)いもしない。ただ感じるだけだ」 と説明する。電磁波で極度の不快感 兵器の名は「アクティブ・ディナイアル・システム(ADS)」。大佐は、開発期間15年のADSについて、強力な電磁波で、人を殺傷することなく「極度の不快感を与えるのみ。百歩譲って軽いケガを負わせるだけだ」と言い切る。 2010年にアフガニスタンで短期間配備されてはいるが、作戦行動に投入されてはいない。 ビートルズジュニアたちが再びビートルズを立ち上げるかもしれない。1980年、ジョンが亡くなってから3年目の1983年、息子のジュリアン・レノンがリリースしたアルバムは衝撃的だった。当時のボクは、ジョン・レノンの未発表曲を集めたアルバムと思いこんだくらい、ジョンとジュリアンの声も音楽もそっくりだったからだ。彼をメンバーにすれば、ビートルズは復活できる。そう熱望したものだった。けれども2001年、ジョージも帰らぬ人となってしまう。さて、以下はマキコ特派員配信の記事の抜粋である。 ビートルズの息子たち。ショーン・レノン、ジェームズ・マッカートニー、ダニー・ハリソン、ザック・スターキー。ビートルズ世代でない人たちも実現を待望しているかもしれないビートルズ復活。1960年代に世界中を熱狂させたビートルズのメンバー4人の息子たちがバンドを結成するとの構想をポール・マッカートニー(69)の長男ジェームズ・マッカートニーさん(34)が表明。2世バンドが実現すれば、再び旋風を巻き起こすかもしれない。息子全員が音楽家 ビートルズはジョン・レノン(1940〜80年)とジョージ・ハリソン(1943〜2001年)が故人となったことで再結成はかなわない。しかしメンバーの息子たちは全員がミュージシャンになった。 英BBC放送によると、ジェームズさんは3日、英中西部リバプールのライブハウス、キャバーンクラブのステージに立った。キャバーンは初期のビートルズが拠点にしていた聖地。英大衆紙デーリー・メールは「デジャブ!」の見出しを掲げた。 1972年と78年、ボクは憧れのリバプールの土を踏んだ。彼らの映画に登場する風景をこの目で見た。そしてキャバーンクラブを訪れ、あの地下室の匂いをかいだのである。復活したビートルズがいかなる音楽集団になるかは不明だが、心が躍る夢であることだけは間違いない。 本日の最高気温は20度を越えたのかもしれない。透析に向かう途中、あまりの暖かさに頭がクラクラした。それをコボちゃんに伝えると、 「お腹がすいてるだけでしょ」 と軽くいなされる。 永田町と原子力村と関西電力が不愉快な動きをしている。そもそも、事務職に原発の安全管理が可能であるはずがない。永田町も霞ヶ関も、科学音痴の集合であることは、3.11の原発事故以来、国民すべての知るところとなっている。そして、未来への答えを出す選挙というチャンスが刻々と近づいてきている。 野球がなくて退屈な透析より帰宅して、昨日の老酒と豚の耳で寝酒をやる。旨い。でも、今朝の占いにあった、おいしいものとはこれなのかなぁと、ちょっと寂しい気持ちにもなる。あはは。 ▲ パンジーの植え替えられて匂い立つ
◇ バーチャル四国八十八カ所コース 34番、種間寺を夢想参拝、通過しました。 次は35番、清滝寺。 あと20,097歩です。 現在の歩数 842,103歩。 1周目挑戦中!
0410・火・ いよいよ春眠暁を覚えずの本格的な季節になってきた。というわけで、今朝も朝寝坊。運勢占いも聞き逃す。 ついつい報告を忘れていたが、つい先日のこと、コボちゃんが虫君を発見したと喜んでいた。昨年の夏から晩秋にかけてボクらを楽しませてくれた、あの胡麻虫、マイクロ天道虫のことである。ああした個体の寿命がどの程度のものであるかは不明だが、おそらくは別の個体であろう。こんな部屋で何を餌にしているのか、元気に歩き回り、飛び回る。食べ物にたかるわけでも、人を刺すわけでもなく、いつも単独行動で神出鬼没に現れては、ボクらを楽しませてくれる。これからの暖かい季節、ボクらはまたまた、この虫君を潰さないように気をつけながら暮らしていくことになるのだ。 この銀河系宇宙で地球のような惑星は数百億を越えるとの研究報告があるらしい。恒星の数が数千億を超える銀河系宇宙であるから、それら試算は充分に妥当であると考えられる。とはいえ、差し渡し10万光年のこの銀河、あまりに広過ぎる。そこで、太陽系から30光年に限って考えると、その数は100個程度になるらしい。最近になって、こうした研究成果の著しいことは、ハッブルやケプラーのような衛星軌道天体望遠鏡の発達によるものだが、科学者たちはそれでも満足はしていない。太陽系から30光年以内のハビタブルゾーンに存在する100個の惑星を、今以上に高性能な望遠鏡を建造して、のぞいてみたくてたまらない。もしもそれら惑星に酸素やメタンなど、生命の存在を示唆する元素が発見されれば、地球以外の生命体の存在の可能性が証明されるわけである。さて、こうした天文学の国際基準から外れた宇宙の平和利用を叫ぶ国家が存在する。それが北の国なのだ。明らかにインチキな人工衛星を打ち上げるため、スカッドミサイルの合体ロケットの発射準備が着々と進んでいる。もしも衛星が軌道上を回り、将軍様を讃える音楽など放送されたら、北の国のお祭りは絶好調に達するのだろう。考えてみればお気楽な宇宙開発。でも、裏返してみれば、恐怖のミサイル開発である。なんとなれば、次に展開されるのが核実験であるからだ。 北の国が人工衛星を打ち上げるのは大変におめでたいことだと思うが、ひとつだけ気になることがある。そのロケット、自爆装置はついているのだろうか。北の国、そこまでの配慮はできているのだろうか。ぜひとも、将軍様の宇宙委員会とやらの腕前を見せていただきたい。 まさに春眠暁を覚えず。終日眠くてたまらない。ボクとアルルはベッドの奪い合い。ボクが眠っていなければ、アルルがベッドでいびきをかいている。 経堂駅前にマックが開店したので、ケンタも負けていられない。というわけで、新装開店したケンタッキーフライドチキンからコボちゃんが新製品をテイクアウト。うらやましがるアルルをよそに、ボクらで試食をする。こうしたことができるのは、ボクら夫婦がケンタッキー、でなくって、倦怠期でない証拠。とはお粗末なダジャレでした。とほほ。 ボクの知らない間に巨人軍の打撃が復活したらしい。ラジオをつけてみれば、巨人中日は引き分けとなっていた。つまり、強敵のドラゴンズを相手に、引き分けに持ち込めるほど、巨人軍の打者たちは蘇生したのである。こうなると、明日からの野球中継が楽しみになってきた。 ▲ 花筏覆い尽くして神田川
0411・水・ 完全に春眠暁を覚えずモードになっている。どう頑張っても6時前に起きることができない。そのせいで朝の運勢占いにもすっかり見放されているのである。 コーヒータイムでビートルズを歌う。ときどきボイストレーニングしてやらないと、ビートルズのオリジナルと同じキーで歌うことが難しくなるかもしれない。ボクはビートルズと山下達朗と同じ声の高さをしている。まあ、それで歌のまずさをカバーしているわけだが。先日、音楽グループ「ワルツ」の山川哲さんが制作してくださったビートルズのカラオケCDが大変に役立っている。いつか、山川さんと本格的なビートルズごっこをやりたいものである。 NHKラジオ第二「お話の旅」はあまんきみこ先生作の童話『空色のタクシー』シリーズから『山猫お断り』で語りは中村メイ子(なかむらめいこ)さん。運転手の松井さんはお馴染みのキャラクター。はるか以前に読んだこのシリーズ、挿絵は我等が「童画集団」の北田卓史(きただたくし)先生によるもので、今も鮮明にボクの網膜に焼き付いている。運転手の松井さんは病院の前でお医者さんを乗せるのだが、実はこのお医者さん、山猫なのである。ボクはこの童話シリーズ全体に流れるコンセプトが好きでたまらない。 それぞれ、人間社会で暮らす個人の裏側に、居住環境を囲む自然が強く影響している。それはボクがその昔、地下鉄や電車の中で、人々の表情の裏側にある獣としての正体を発見するときの喜びに似ているのだ。実はボク、運転手の松井さんの正体も知っているのだが、それはこの本を読んで確かめていただきたい。それにしても、中村メイ子(なかむらめいこ)さんの語り、物語を実に表情豊かなものにしてくださる。 風雨が強く、ときどき窓ガラスが雨に打たれて鳴っている。決して寒いことはないが、首都圏の花見の見ごろがちょっと気になる。 有線放送の落語チャンネルでは柳亭こみち(りゅうていこみち)さんの『百川』(ももかわ)をやっている。この、ちょいと難しい根多を、注目の女子落語家がいかに語るか興味がある。と、電話。デザイナーのマモさんからだった。ボクは恐縮しながら事情を説明して、電話を後にしていただいた。さて、こみちさんの『百川』だが、名人、三遊亭圓生(さんゆうていえんしょう)師匠に強く影響されていると感じた。いや、もしかしたら小三治(こさんじ)師匠の影響かもしれないが、そもそも、小三治(こさんじ)師匠も圓生(えんしょう)師匠に影響されているのだ。この『百川』という根多、演者それぞれの味が出て面白い。 透析中、眠いはずなのに、ちっとも眠れず、ラジオの梯子ばかりしている。すると、スマトラ沖で巨大地震発生というニュースが入る。マグニチュード8.6というから、でかい。反射的にボクは2004年のスマトラ沖超巨大地震と津波を思い出す。記憶に間違いがなければ、28万人という命が犠牲になった大震災だった。マグニチュード9.1は東日本大震災のマグニチュード9.0をしのぐ。専門筋(せんもんすじ)からの発表はないので、無責任なことは書けないが、今夜の自信、2004年の超巨大地震の余震ではあるまいか。マグニチュード8.6というエネルギーは、マグニチュード9.1の6分の1。東日本大震災から8年して、この日本列島近辺で、そんな巨大余震が発生するとあれば、安穏とはしていられない。日本が深層地下調査船「地球」を建設したことからも想像できるように、この地球、やっぱり活動期に突入しているのだ。 雨に濡れて、透析からの帰り道。風はおさまっているので、 「春雨じゃ、濡れていこう」 の気分でのんびりと歩く。けれども、ボクに傘をさしてくれてるコボちゃんは大変。ふたり分の大きな傘は重たいのだ。 ▲ 春雨や傘にピンクのびら配り
0412・木・ 世間が春めいている。というわけで、今朝もボクは朝寝坊。「おはよう一直線」の運勢占いも、またまた聞き逃す。 NHKラジオ第二、「お話の旅」は寺村輝夫先生の『にせものばんざい』。寺村先生の作品だから、主人公はもちろん王様。それを橋爪功さんが語るのだから面白いに決まっている。王様が王冠をかけてオートバイレースをするのもナンセンスだし、その王様がコックに王座を乗っ取られるのもナンセンス。ひさびさ、寺村先生の息吹に触れることができて幸せだった。寺村先生、きっとあの世でも王様をやっておられるのだろうな。 窓を開放したまま仕事を続けている。こうした季節のくることを、ずっと祈って待っていたのだ。おかげで仕事もはかどっている。風を感じながらの頭脳労働。こういう瞬間、いちばん幸せを感じるのかもしれない。 腫瘍内科(しゅようないか)というカテゴリーがあるという。そこで使われるのが分子標的治療薬。外科的方法ではなく、分子レベルで癌細胞のアキレス腱を攻撃しようという治療法であるらしい。癌の個性に合わせて治療薬を選ぶ。注目すべきはこの点だろう。ただし、そのアキレス腱が明確でないと薬も選ぶことができない。また、ときとして顕著な副作用の現れることもある。日進月歩の医学である。たとえ耳学問であっても、最新の医学情報には注目していたい。 夢中でキーボードを叩いていたら、夕方を過ぎている。甘いミルクティーでエネルギー補給をして、コボちゃんとアルルとで豪徳寺へ向かう。ポケットラジオでは巨人中日をやっている。風は冷たくなっているが、歩いていると暖かい。 豪徳寺へ向かう目的はただひとつ。それは駅前の中華料理テイクアウト、「好吃」(はおつ)で売られている800円の老酒(らおちゅう)。10年もので、正真正銘の中国老酒が、たったの800円なのである。もちろん料理もお願いする。海老チリソースと八宝菜を注文し、ボクはアルルと並んで椅子で待機。コボちゃんが買い物から戻るのと同時に料理も出来上がり。今夜の前菜は鶏肉のネギソース。老酒を2本ぶら下げて、夜の道をわくわく帰る。これから、夜のニュースなどBGMに乾杯し、老酒の酔いを借りて、一夜だけの中国人になるのである。 今週の「ラジオ深夜便」、ナイトエッセイはC・W・ニコルさん。1970年代からボクが注目している作家である。最初は日本人のライターが外国人風のペンネームで活動しているのかと思っていた。72歳の彼はウェールズの人。22歳で日本にやってきて、とうとう日本の国籍を取得。今は黒姫の赤鬼として、森林整備など、自然環境の啓蒙活動に命をかけている。一度だけ、彼の原作の人形劇で、宣伝美術を担当させてもらったことがある。いつか、お目にかかりたいと切望しているのだが、残念ながらまだ実現していない。今夜は彼のナイトエッセイの最終回。4日間、いい話を聞かせていただきました。おやすみなさい。 ▲ この風もどこかで花を散らしてる ▲ 霞むほど散らせや桜南風
◇ バーチャル四国八十八カ所コース 35番、清滝寺を夢想参拝、通過しました。 次は36番、青龍寺。 あと26,327歩です。 現在の歩数865,073歩。 1周目挑戦中!
0413・金・ 春眠モードと老酒のおかげで、今朝も朝寝坊。ぼんやりとした頭で、本日の13日の金曜日に、もしも北の国が、この日を選んでミサイルを発射するとしたら、素晴らしくいい趣味だなぁ、なんて考えていたら、8時過ぎに第一報。TBSラジオの「スタンバイ」、「日本全国8時です」で小沢遼子さんが北朝鮮について語っていたタイミングだった。米韓からの情報だけで、日本国政府からの発表がないのはおかしいと思っていた。そうしていたら、やがて田中家の婿さんがたどたどしく、北朝鮮からの飛翔体を1分間確認したとレポートしていたので、あ、これは失敗したな、と直感したら、案の定。やっぱりミサイルは人工衛星にはなってくれなかったのだ。北の国の宇宙委員会、どんな発表をするのだろう。 ただひとつ、ボクの気になるのはミサイルがどんな原因で空中分解したか、である。燃料漏れか、それともシステム異常を察知しての自爆か。もしも北の国が独自の判断でミサイルを自爆させたのであるならば、近隣諸国に配慮した北の国の英断であると賞賛してもいい。打ち上げ花火に失敗した北の国、今度は地下で花火を仕掛けているらしいが、これが失敗したらどうなるのだろう。この花火、水爆との噂もあるから、とんでもない失敗だけはやらかしていただきたくはない。 北の国、どこか昔の我が国に似ている。ひとつ立場を移して見れば、北の国の主張が見えてくる。どうしてアメリカとロシアは核兵器を保有して許されるのか。どうして英仏、中国は核兵器を保有しながら人工衛星を開発して許されるのか。どうしてインドやパキスタンの核保有は見逃されているのか。ましてや、イスラエルの核保有という公然の秘密をアメリカはいかに説明するのか。IAEAのダブルスタンダード。核拡散条約の嘘。北の国は面白くなくてたまらない。核とミサイルがあれば、デカい面(つら)をしていられるならば、オイラの家にも欲しいよぉ。この気持ちはわからなくもない。なのに、世界中がよってたかって北の国を悪者にしている。だったら、だったら、もっともっとグレてやる。そこでますます軍備を補強して、世界を相手に勝てない戦争を仕掛けるのだ。いけいけ、うおぉ。世界情勢を知らないということに勝る武器はないのである。ね、昔の我が国によく似てはいないだろうか。 地上最強の美女、声優の山下智子さん情報によれば、本日は辰年の辰月の辰の日であるらしい。これは13日の金曜日よりもはるかに強力。きんぐぎどらも真っ青である。うん。だから北の国も空飛ぶドラゴンのテポドンを飛ばした、というわけだ。でもなぁ、日本人の耳にとっては、テポドンって、天丼(てんどん)みたいで、あまり強そうには聞こえないんだよね。 ゆうべの仕事、ゆうべの歩き、ゆうべの酒が影響したのか、午前中はまるで役に立たない。この無力感は決して、北の国の人工衛星失敗の反動ではないと思う。 午後から活動開始。陽気がいいので、サンルームの窓と、ダイニングキッチンの扉を全開にして、ゆったりと風を通してパソコンに向かう。キーボードを叩いている間に、冬の間によどんでいた空気を一掃してやるのだ。 透析中はラジオの梯子。プロ野球中継はNHKラジオで、日本ハムVS楽天。ハンケチ王子と田中マークンの投げ合いである。これはたまらない。と、夢中になっていたら19時10分、福島県を中心に震度4の地震。震源は福嶋沖、深さ20キロ、マグニチュード5.9。透析質のベッドもかなり揺れていた。続いて17時16分、33分に同じ震源で立て続けに地震あり。巨大ナマズの息子の大ナマズの、そのまた孫ナマズたちは、まだまだ暴れるつもりらしい。 東京FMでは柳家喬太郎(やなぎやきょうたろう)の「キンキラ金曜日」。J-Waveの-Jam the World-、-Break Through-ではキンキンこと、愛川欣也(あいかわきんや)さんが出演しておられた。プロ野球とFMをいったりきたり。キンキンは昔とちっとも変わらない。青春時代のボクらを熱狂させた当時の熱血漢そのもの。変わり果てた今のテレビを離れ、ネットテレビを創設して自分の番組を立ち上げた。その有料契約数は1週間で1万件とはさすが。まだまだ日本、捨てたもんじゃない。キンキン、とてもご多忙な様子だが、声のバイブレーションがちょっと気になって、たまには健康診断を受けていただきたいな、と思ったりもした。 透析より帰宅して「好吃」(はおつ)の山椒(さんしょ)ラッキョウをかじりながら老酒(らおちゅう)をチビリチビリとやる。でも、耳はコボちゃんの悩みを聞いている。人間関係。人はその波紋の中心にいるとき、波の形を見ることができない。でも、離れていると、水面を広がる波の観察は容易だ。そこで、コボちゃんの代理としてのボクが、ドラマの登場人物の心理を分析するわけだ。コボちゃんの話を聞けば、それぞれのキャラクターが浮かび上がってくる。心理学は心理学者の数だけ学派が存在するといわれるが、ボクにもボクの心理分析がある。行動のパターンから、個人の心理地図を描いていくわけだ。そうしているうちに、コボちゃんの苦悩は軽減する。もしも道に迷うことがあったら、もうひとりの自分を空中に飛ばしてやり、ほんの少しだけ上空から自分を観察させる。そうすれば、自分の置かれている位置や環境が見えてきて、いくべき方向がわかってくるのだ。と、ちょっと生意気なことを書いてしまった。あはは。 ▲ 惜しいかな知らぬ間の花吹雪
0414・土・ これは春のせいなのだ。決して老酒(らおちゅう)のせいではないのだ。と言い訳しながら今朝も朝寝坊。判で押したように5時に起きていたのに、これはナンタルチア。 朝のティータイム。BGMはNHKの「ラジオ文芸館」。今朝は松本清張の『証言』。途中まで聴いていたコボちゃんのため、結末まできっちりと聴いて、ストーリーを頭にたたきこんだ。でもね、本当をいうと、ボクは推理小説が好きではない。どんなタイプの推理小説でも、作り物の印象が強く、決してリアリティーを感じないのである。 雨音を背景にキーボードを叩いていたら、音声腕時計のアラームが鳴る。放送時間が変更になったNHKラジオ寄席、「真打競演」が始まるのだ。今朝はウクレレ漫談のピロキが笑えた。客席も異常なほどに受けていて、ピロキさんご自身も、ちょっと戸惑っている印象。このピロキという芸人さん、ほのぼのとした笑いを誘うタイプで、決して爆笑型ではないのである。落語は若手による『堪忍袋』。よく知っている根多(ねた)でも演者が変われば面白さも変わる。それが落語の醍醐味である。やっぱりラジオ寄席、聞き逃してはいけないね。 土曜日のTBSラジオ、13時からの久米宏の「ラジオなんですけど」が面白い。あまり面白くて、ついつい耳を奪われてしまうので、いつもはあまり聴かないようにしている。でも、たまたま渋谷地図という特集を耳にしてしまい、渋谷暮らしをしていたボクは猛烈に刺激されてしまった。実は、いつか渋谷の思い出を物語にしようとメモしていたくらいなので、すぐにメールを投稿した。以前も久米宏さんに自分の投稿を朗読してもらい、嬉しかったことがあったのだ。青木裕子軽井沢朗読館館長や読夢の会の山田誠浩アナウンサーに自分の文章を朗読していただいたときの快感も格別だった。というわけで、あわてて書いた文章だったので、見事落選。番組で取り上げてはいただけなかったので、口惜しいからここで紹介させていただく。ううん。口惜しい。 小生、1968年から72年まで、渋谷区渋谷という場所に住んでおりました。慶應義塾の学生から、イラストレーターとして活動を始める、足掛け5年間の渋谷暮らしです。当時は渋谷西武ができたばかり。まだ、パルコなど、影も形もありません。公園通りにはやっと「時間割」など、未来の賑わいを思わせる、ちょっと洒落た喫茶店や店が現れ出した頃です。 渋谷には幼い頃から縁がありましたから、思い出は語り切れないほどありますので、今回は喫茶店についてだけ語らせていただきます。小生は喫茶店マニア。毎日、必ず喫茶店の扉をくぐっておりました。利用した喫茶店は数々ありますが、渋谷駅前でよくお世話になったのは、「サンパウロ」。ここは慶應義塾大学マンガクラブの例会の集合場所でもありました。山手線の線路下、「すーるぼん」のマダムは超美人で、今もお顔は忘れられません。そして、秀逸は渋谷東映の入り口横の螺旋階段を上がった、「ル・バトル・バトー」。船を模した内装がとてもお洒落で、たちまちハートを持っていかれ、デートといえば必ずここを選び、イラストレーターとなってからは、打ち合わせは必ずこの店に決めておりました。 青山通りでは「ローランサン」。おそらく、本物だと思うのですが、ローランサンの版画が飾ってあって、ここのマダムも美人でした。そして、仁丹ビルの隣の「ミラ」。学生時代、地下と中二階の作りが気に入って連日のように通っているうちに、とうとうマダムに誘われて、アルバイト店員になってしまいました。このビルの上が某有名芸能プロダクションで、役者さんやタレントさん、歌手のお客さんがよくおいでになり、働きながら、内心でキャーキャーとミーハーをしておりました。 還暦を超えた小生ではありますが、今でも初夏を過ぎて、店に冷房が入るようになりますと、若き日々にお世話になった、それら喫茶店の冷えた空気を懐かしく思い出します。 特筆すべきは、それらの中には、小型犬のマルチーズの同伴を許してくれた店のあったことです。当時の小生は、渋谷の街を白いマルチーズを肩に乗せて歩くことがあり、そんなとき、小型犬同伴を許してくださった店の存在は、本当にありがたいものでした。 渋谷地図という企画で、渋谷の話題に胸がキュンキュンと鳴りっぱなしで、とうとう自分も参加させていただくことにした次第です。 世田谷のエムおじさん拝 関西電力、大飯原発が再稼動されようとしている。おいおい。本当にそれでよいのか。計画があるだけで実施されていない安全対策を根拠としている曖昧な理由での官僚ロボット内閣の決定など、国民が支持するわけがない。原発再稼動議論については、必ずしも絶対反対ではないが、条件がある。いずれにせよ、原発は人類を破滅に導く可能性のある危険な存在。将来の放射性廃棄物処理の対策も含めて、これからの原子力行政は慎重さを要求される。それなのに、官僚ロボット内閣は、あまりに頼りない。このままでは、日本はいつか沈没するであろう。そう。永田町と霞ヶ関が、この国を沈没させるのだ。 プロ野球、雨で中止になったゲームの影響で、セリーグでは松山の坊ちゃん球状でのヤクルト広島のラジオ中継をやっていた。けれども、一方的なゲームで緊張感には乏しい。どちらにせよ、双方ともボクが応援している球団だから、あまり面白くない。というわけで、ラジオを消して積み残しの仕事を仕上げる。 夜が更けて、ホッとウィスキーをやりながら、ラジオ第二の「朗読の時間」再放送に耳を傾ける。宇野浩二の『蔵の中』という作品、どこか身につまされる部分がある。この人の女性観、女性遍歴に共感している自分がいるのだ。いや、むしろ懐かしい印象さえある。幼馴染が芸者になったりするのを聴いていると、自分も学生時代に、赤坂の美しい芸者になった幼馴染と初詣したことを思い出したりして、ボクはしみじみとウィスキーのグラスを傾けるのである。 ▲ 島国を襷渡し(たすきわたし)の桜かな
0415・日・タイタニック号沈没の日・ 100年前の本日、タイタニック号が沈没した。YMOの細野忠臣氏の祖父が日本人唯一のタイタニックの乗船客であったと聞いたことがある。そして、奇跡的に生還したのである。もしも亡くなられていたのなら、YMOは存在しなかったかもしれないのだ。 猛烈なる朝寝坊。ケータイ君の目覚ましコールも、音声腕時計のアラームも、まるで効果なし。7時まで寝てしまったので、6時からの志の輔(しのすけ)ラジオも、6時半からの藤沢周平傑作選も聞き逃す。連続朗読『零落』の3回はどんな展開だったのだろう。もしや最終回だったら、顛末がわからないままになってしまう。 冷えたヤクルトなど飲みながら、キーボードを叩いている。あまり時間がないので、ルーティーンワークをするだけでやっと。気になっているのは猫バッシング、猫批判。猫いらず、なんてこともいわれている。しかし、噂が真実であるならば、問題にされても仕方がないかもしれない。猫とホリエモンって、どんな関係があるのかしら。猫とドラエモンだったら納得できるのだが。 稼動原発をゼロにしたくない意向が永田町にはあるらしい。経済界が官僚ロボットたちを恐喝したらしい。原発を動かさなければ経済が大変だ。でも、またもや原発事故が起きれば、日本の経済など、根こそぎ吹っ飛んでしまうのだ。経済屋さんの弱点は貧弱な想像力。事前のタラレバと、後悔のタラレバは天と地ほどの開きがあるのだ。 午後、デザイナーのマモさんにエスコートされて、キッド・アイラック・アートホールへ。山下智子さんはリハーサル中。ウォーミングアップをしている彼女に美しきプロフェッショナルを感じる。 地下のブックカフェ槐多でランチをしようと思ったら、コーヒーとケーキのセットしかない。でも、それで充分。新しいスタッフは以前、ダイアローグ・イン・ザ・ダークのスタッフだった人。他にお客もいなかったので、カウンターをはさんで、親しく会話をする。愉快だった。 ホールで山下智子さんの源氏物語の語りが展開される。ストーリーの重要なターニングポイントであるといった彼女の言葉通り、いつもに増して迫力と重厚感があった。貞観地震で撹拌されて以後の当時の日本列島、天変地異があり、日食があり。最愛の人を失った光源氏を描きながら、天然自然と歴史と世相が無関係でないことが示唆されていた。 打ち上げはブックカフェ槐多で。メンバーが愉快で料理がおいしければ、ワインはうまいに決まっている。真面目な意見交換からジョークまで、言葉が弾んで唾が飛ぶ。ああ、面白かった。 迎えのコボちゃんが運転するクオリスまで山下智子さんがエスコートしてくれる。アルルは大喜びで挨拶をする。コボちゃんに、和服姿の美人女優にエスコートされるとは、なんたる贅沢とからかわれる。 途中、某有名スーパーで特上握り寿司を購入。夜も遅いのに、たった200円引きとは強気な店。これが有名スーパーのプライドなのかもしれない。 ボクを迎えにくる以前、コボちゃんはアルルを連れて豪徳寺まで散歩したと報告。アルルはいつもの花壇にいきたくて仕方がない。花壇で一休みしていると、ネパールの女性がアルルと並んで記念撮影を希望したとか。真っ黒でも、アルルは愛らしいのだ。花壇では、昨日の雨の影響で、一気にチューリップの茎が伸びていたらしい。暖かな日曜日だったから、きっと世間は葉桜で最後の花見を楽しんだのだろう。 帰宅して、有線放送の落語チャンネルをBGMに渋い煎茶で寿司をつまむ。コボちゃんがとっておきの白ワインを開けてくれたのだが、アルコールは既にボクのキャパを越えていたのだ。 ▲ 花の下一気に伸びてチューリップ
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